JP2787543B2 - 暗渠の継手 - Google Patents
暗渠の継手Info
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Description
等軌道が敷設される暗渠や段差を生ずることが好ましく
ない道路トンネル等の接続に用いる継手に関する。
間にゴム・合成樹脂等の弾性体を介装し、これによって
暗渠間の止水を行なわせると共にその弾性変形によって
地盤の不等沈下や地震による地盤変動等に伴う暗渠の変
位を許容して暗渠に作用する応力を解消するように構成
される。
内部に電車を走らせる軌道のレールを敷設するものであ
るため、継手部分で接続暗渠が線路と直交する方向に相
対変位することは許されず、このような暗渠には、その
中心軸と直交する方向の相対変位(剪断方向の変位)を
許容しない構成の継手が用いられる。
る一次覆工枠体1A,1Bを、接続面間にゴムガスケッ
ト2Aを介装した状態で許容伸縮量の余裕を有する長さ
のボルト2Bで結合すると共に、その内周面に打設した
二次覆工コンクリート層3A,3Bの接合面位置を一次
覆工枠体1A,1Bの結合位置から軸方向に所定量ずら
して構成したものである。この構成では、変位を許容す
る一次覆工枠体1A,1Bの結合位置と二次覆工コンク
リート層3A,3Bの接合位置がずれているため、接続
暗渠の相対変位はこの二次覆工コンクリート層3Bによ
って暗渠の中心軸方向のみに規制される。つまり、二次
覆工コンクリート層3Bが暗渠の中心軸方向以外の相対
変位を防ぐように作用するものである。
てそのヒンジが許容する一方方向のみの暗渠の相対屈曲
を許容するように構成したものである。即ち、暗渠の対
向する接続面にそれぞれ固定されたヒンジアーム4A,
4Bが暗渠の中心軸と直交する水平な軸上に配置された
二カ所のヒンジピン2Dによって揺動可能に連結され、
ヒンジピン2Dを中心にしたヒンジアーム4A,4Bの
揺動によって暗渠の相対変位を許容するものである。止
水はヒンジピン2Dの外周側に配設された内側セグメン
ト2Cとその外側に重合状態に配置された外側セグメン
ト5A,5Bとの間にそれぞれ介装された一次止水材6
A,6Bと、内周側に暗渠を構成するセグメント1A,
1Bを結合して設けられた二次止水材としての可撓管2
Eによって行われる。この構成の継手では、接続暗渠は
ヒンジピン2Dとヒンジアーム4A,4Bの遊び分軸方
向の相対変位が許容されると共にヒンジピン2Dを中心
とした上下方向の屈曲相対変位が許容される。
来構成の継手では、暗渠の剪断方向の変位ばかりでなく
他の方向の相対変位も制限され、変位の自由度が規制さ
れるために地盤変動に十分に対応した変位ができないと
いう問題があった。
の接合位置を一次覆工枠体の結合位置からずらす構成で
は、暗渠の軸方向以外の方向の相対変位を全く許容しな
いために地盤の変動等に対して追従できないと共に、二
次覆工コンクリートが作用する荷重によって破損し易
く、また、止水をガスケットに依存していることから暗
渠の軸方向でも大きな変位を許容することができない。
また、図9に示すヒンジによって暗渠を結合する構成で
は、暗渠の軸方向の変位許容量が小さく、事実上暗渠の
変位は一方方向(上下方向)の屈曲に限られる。
であって、接続暗渠の剪断方向の変位は許容しないと共
に暗渠の軸方向及び屈曲方向には相対変位を許容し、不
具合を生ずる方向の変位を防ぎつつ地盤変動に対応した
暗渠の変位を許容することのできる暗渠の継手を提供し
ようとするものである。
成する本発明の暗渠の継手は、接続される暗渠の対向す
る一方の端面に外筒部が突設された外筒継手枠が固定さ
れ、他方の端面に外筒部の内周側に嵌合する内筒部が突
設された内筒継手枠が固定され、外筒継手枠の外筒部と
内筒継手枠の内筒部が嵌合すると共に、外筒継手枠と内
筒継手枠の対向面間が暗渠の周方向に連続する可撓止水
部材で水密的に連結されて構成されている。
継手枠の対向面間に、両継手枠の接続暗渠の中心軸方向
の移動に連動する操作軸部材と、該操作軸部材の移動に
よって操作されて反力を生ずる緩衝手段とを備えた緩衝
機構が介設されており、該緩衝機構は、接続暗渠の変位
による継手枠の移動に伴って移動する操作軸部材が緩衝
手段を操作して反力を生じ、暗渠の変位に抗するように
構成されている。
継手枠の外筒部とが嵌合しているため、接続暗渠は、そ
の剪断方向には外筒部と内筒部の嵌合隙間以上に相対変
位できないが、嵌合方向である暗渠の中心軸方向にはそ
の嵌合量を変化させることで広い範囲で変位することが
でき、外筒部と内筒部の嵌合隙間の許す範囲で屈曲方向
の相対変位も可能となる。
間に緩衝機構を介設した構成では、接続暗渠の変位の際
には操作軸部材が緩衝部材を操作し、これによって生ず
る反力が、接続暗渠の屈曲状態を屈曲の内側部位の相対
変位量と外側部位の相対変位量が逆方向で均等となるよ
う矯正し、屈曲状態が偏ることによって外筒部と内筒部
が干渉して変位範囲が狭くなることを防ぐように作用す
る。
例について説明する。図1は本発明に係る暗渠の継手の
一実施例である継手によって接続された暗渠の斜視図、
図2はそのA−A断面図であって継手部分の断面を示
す。
工される断面形状が円形の暗渠であって、スチールセグ
メント、コンクリートセグメントまたはRCセグメント
等のセグメント10,10′が円筒状に組み立てられて
トンネル内面に覆工され、継手2によって接合されると
共に、その内周には二次覆工としてコンクリートが打設
されてコンクリート層3が形成されるものである。
継手枠20と、暗渠1′の端面に固定された内筒継手枠
30の対抗面間に、可撓止水部材としての一次止水材4
0,二次止水ゴム50及び内面止水ゴム60が装着さ
れ、これら一次止水材40及び止水ゴム50,60によ
って両継手枠20,30が水密的に結合されると共に、
二次止水ゴム50と内面止水ゴム60の間の外筒継手枠
20と内筒継手枠30の対抗面間に緩衝機構70が介設
されて構成されている。また、緩衝機構70と二次止水
ゴム50の間には、ビニロン布によるカバークロス75
が挿置されている。
スキンプレート21の内面に、暗渠1の端面に固定され
る外主桁22と、二次止水ゴム50が装着される内主桁
23と、一次止水材40が固定される幅桁24とが、外
端側から順番に暗渠1の軸方向(図2中左右方向)に所
定間隔で溶接固定されて構成されている。なお、この外
筒継手枠20及び後述する内筒継手枠30は、暗渠1,
1′を構成するセグメント10,10′と同様に周方向
に複数に分割されており、周方向に連結することで暗渠
1,1′と対応する所定の径の円環状となるものであ
る。
1の幅方向両縁にそれぞれ位置し、内主桁23はそれら
の略中央に位置している。
その内径は等しく、両者の間には暗渠の中心軸と平行な
複数の縦リブ25が周方向に所定間隔で溶接によって固
定されている。幅桁24は外主桁22及び内主桁23よ
り内径が大きく、この幅桁24と内主桁23の間には幅
桁24と略同じ高さの複数の縦リブ26が周方向に所定
間隔で溶接によって固定されている。
部位には、周方向に連続する外筒部としてのスライド沓
27が図示しない取付ボルトによって固定されて設けら
れている。このスライド沓27は、所定厚さの鋼板によ
り所定幅に形成され、その内周面には樹脂コーティング
が施されている。
スキンプレート31の暗渠1′側の端部の内面に暗渠の
1′端面に固定される外主桁32が溶接固定されると共
に、逆側の端部の内面に一次止水材40が装着される内
主桁33が溶接固定され、内主桁33の継手中心側の面
には、内筒部としてのスライド沓受け板34がスキンプ
レート31より所定量内側にずれた階段状に溶接固定さ
れ、そのスライド沓受け板34の内面の先端部より内主
桁33側に所定量引っ込んだ位置に、二次止水ゴム50
が固定される幅桁35が内主桁33と平行に溶接固定さ
れて構成されている。
その内径は等しく、両者の間には複数の縦リブ36が暗
渠の中心軸と平行に、かつ周方向に所定間隔で溶接され
て設けられている。幅桁35の内径は外主桁32及び内
主桁33と等しく、この幅桁35と内主桁33の間には
縦リブ36と等しい内径の複数の縦リブ37が周方向に
所定間隔で溶接によって固定されている。
ぞれ外主桁22,32が暗渠1,1′(を構成するセグ
メント)の端面にリング間ボルト81によって固定され
ると共に、周方向に隣接するものと継手ボルトによって
結合され、全体としてセグメント10,10′と同一外
径の円環状となり、外筒継手枠20のスライド沓27
と、内筒継手枠30のスライド沓受け板34も、それぞ
れ隣接するものと連続して継手全体として円環状とな
る。
中心軸方向における位置関係は、外筒継手枠20のスラ
イド沓27と内筒継手枠30のスライド沓受け板34と
が所定幅で重合するように設定されており、スライド沓
27の円環の内側にスライド沓受け板34の円環が所定
の隙間を有して嵌合した状態となっている。また、外筒
継手枠20と内筒継手枠30のスキンプレート21,3
1の外面には、両継手枠20,30に跨ってカバープレ
ート2Aが装着されている。このカバープレート2Aは
頑強なものではなく、そのスキンプレート21への接合
強度も脱落しない程度の弱いものとされているものであ
る。
0の内主桁33の対向面間は所定の間隔を有してここに
一次止水材40が介設され、外筒継手枠20の内主桁2
3と内筒継手枠30の幅桁35の対向面間は所定の間隔
を有してここに二次止水ゴム50が介設され、更に、外
筒継手枠20の内主桁23と内筒継手枠30の幅桁35
の内周側にそれぞれ固定された支持材90の間に内面止
水ゴム60が介設されている。
24と内筒継手枠30の内主桁33の対向する面の間に
ウレタンゴムがカバープレート2Aの内面(スキンプレ
ート21,31の外周面)から内周側に所定の厚さで充
填されて形成され、幅桁24と内主桁33を水密的に結
合している。この一次止水材40の内周側は、外筒継手
枠20の幅桁24と内筒継手枠30の内主桁33にそれ
ぞれ固定された支持板26,38によって支持されてい
る。なお、当該一次止水材40の材質は制作上の観点か
らは液状のものが好ましいがウレタンゴムに限るもので
はなく、シリコンゴム等であっても良い。
へ屈曲した可撓部52が形成されると共に幅方向両縁に
固定フランジ部51を備えた断面形状略M形であり、所
定硬度のクロロプレンゴムによって所定の板厚で形成さ
れている。周方向には、暗渠1の径と対応するリング状
に連続しているものである。そして、両縁の固定フラン
ジ部51がそれぞれ外筒継手枠20の内主桁23または
内筒継手枠30の幅桁35に裏面側から挿通されたボル
ト82に内側から保護固定部材83を介して螺合したナ
ット84によって内主桁23または幅桁35に押圧され
て固定され、これによって当該二次止水ゴム50は外筒
継手枠20と内筒継手枠30を水密的に結合している。
なお、材質は、その物性上CR(クロロプレンゴム)が
最も好ましいが、これに限るものではなく、NR(天然
ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、IR(イ
ソプレンゴム)、NBR(アクリルニトリルブタジエン
ゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等であっ
ても良い。
50と素材,形状及び取付構造共に同様であって、内主
桁23及び幅桁35に取り付けられた支持材90の支持
板92に、両縁の固定フランジ部61がそれぞれ支持板
92の裏面側から挿通されたボルト86に内側から保護
固定部材87を介して螺合したナット88によって支持
板92に押圧されて固定され、これによって当該内面止
水ゴム60は外筒継手枠20と内筒継手枠30を水密的
に結合している。
の固定板91と内面止水ゴム60を支持する支持板92
とが階段状に溶接固定されて構成され、固定板91が内
主桁23または幅桁35のそれぞれ内面側にボルト85
で固定され、これによって支持板91は内主桁23及び
幅桁35の内周側にそれぞれ当該内主桁23または幅桁
35を延長したように位置し、ここに前述の如く内面止
水ゴム60が固定されている。
ように、所定硬度のクロロプレンゴムによって形成され
た断面形状矩形の緩衝ゴム71Aの左右両面にそれぞれ
断面形状コ字状の緩衝ゴム取付材71Bが接着固定され
て緩衝部材71が形成され、この緩衝部材71を左右に
貫通する貫通孔71Cに外筒継手枠20及び内筒継手枠
30の内主桁23及び幅桁35の裏面側から挿通された
操作軸部材としての支持操作ボルト72が貫通して逆側
の緩衝ゴム取付材71Bの外側面に溶接固定された固定
ナット73と螺合し、これによって緩衝部材71が外筒
継手枠20の内主桁23と内筒継手枠30の幅桁35の
対向する面の間で支持操作ボルト72によって支持され
て構成されている。支持操作ボルト72のボルト頭に
は、発泡ゴムにより形成されたゴムカバー74が被せら
れている。
い長さの円弧状に形成され、隣接するものと直列に並ん
で継手全体としては円環状に配設されるが、隣接するも
のと結合されるようにはなっていない。なお、緩衝ゴム
71Aの材質は二次止水ゴム50と同様に他の材質であ
っても良い。
1の周方向に等間隔で4個設けられ、緩衝部材71の右
側面の中央の2個の貫通孔71Cと対応する位置に固定
ナット73が固定されると共に、左側面の両端の貫通孔
71Cと対応する位置に固定ナット73(図3には示さ
ず)が固定され、中央の2個の貫通孔71Cには外筒継
手枠20の内主桁23を貫通した支持操作ボルト72が
挿通されてその先端が固定ナット73と螺合すると共
に、両端の貫通孔71Cには内筒継手枠30の副桁35
を貫通した支持操作ボルト72が挿通されてその先端が
固定ナット73と螺合している。つまり、緩衝部材71
は、中央2本の支持操作ボルト72によって内筒継手枠
30に支持されると共に、両端の2本の支持操作ボルト
72によって外筒継手枠20に支持され、計4本の支持
操作ボルト72によって外筒継手枠20及び内筒継手枠
30に支持されているものである。なお、支持操作ボル
ト72の数及び配置はこれに限るものではなく、本数を
増やしたり外筒継手枠20側と内筒継手枠30側とを交
互に配置する等、適宜設計変更可能なものである。
態でボルト頭の首下に内主桁23または幅桁35と所定
の間隔(遊び)を有するように設定されており、また、
緩衝部材71の緩衝ゴム取付材71Bの先端と内主桁2
3または幅桁35との間には設置初期状態で所定の間隔
(遊び)を有するように設定されている。
筒継手枠20と内筒継手枠30(即ち暗渠1,1′)の
離間及び接近の何れの変位に対しても、それが所定量を
越えると緩衝部材71(緩衝ゴム71A)が圧縮され、
この緩衝部材71の圧縮反力が変位に対する抵抗として
作用する。即ち、内主桁23と幅桁35の間隔が離間す
る側に外筒継手枠20と内筒継手枠30が変位(暗渠
1,1′が相対変位)した場合、支持操作ボルト72は
そのボルト頭が内主桁23または幅桁35と当接するま
で(首下の遊び分)は移動操作されないが、変位がそれ
以上になると内主桁23または幅桁35によって変位方
向に移動操作されるため、図4に示すようにこの支持操
作ボルト72を介してそれぞれ反対側の緩衝ゴム取付材
71Bが引っ張られ、これによって緩衝ゴム71Aが圧
縮されるものである。一方、内主桁23と幅桁35の間
隔が接近する側に外筒継手枠20と内筒継手枠30が変
位した場合、変位が緩衝部材71の緩衝ゴム取付材71
Bの先端と内主桁23または幅桁35との間の遊び以上
となると、図5に示すように緩衝ゴム取付材71Bの先
端が内主桁23と幅桁35に当接して緩衝部材71が両
者の間に挟まれ、これによって緩衝ゴム71Aが圧縮さ
れるものである。
施工は、図6に示すように、二次止水ゴム50,内面止
水ゴム60及び緩衝機構70が未装着な状態で、外筒継
手枠20と内筒継手枠30が内主桁23と幅桁35の間
に介装された推力受け材100によって連結された状態
で、外筒継手枠20が暗渠1を構成するセグメント10
に結合され、この状態で内筒継手枠30に暗渠1′を構
成するセグメント10′が組み立て結合されると共にシ
ールド推進の際の推力も受け、その後、推力受け材10
0が取り外されて二次止水ゴム50,緩衝機構70及び
内面止水ゴム60が順次装着され、更に外筒継手枠20
と内筒継手枠30の対向部位を除く内周面に二次覆工の
コンクリートが打設されるものである。
を説明する。継手2は、外筒継手枠20と内筒継手枠3
0を水密的に結合する一次止水材40,二次止水ゴム5
0及び内面止水ゴム60が暗渠内への水の浸入を防ぐと
共に、地震や地盤変動によって接続暗渠1,1′に変位
力が作用すると、嵌合状態にある外筒継手枠20のスラ
イド沓27と内筒継手枠30のスライド沓受け34が干
渉しない範囲で接続暗渠1,1′の相対変位を許容す
る。即ち、接続暗渠1,1′の軸方向の変位は当該継手
2が伸縮して(外筒継手枠20と内筒継手枠30の間が
離間または接近することで)許容すると共に、暗渠1,
1′の剪断方向の変位はスライド沓27とスライド沓受
け34の嵌合公差分のみ許容し、同様にスライド沓27
とスライド沓受け34の隙間の範囲内で屈曲を許容す
る。この時、一次止水材40,二次止水ゴム50及び内
面止水ゴム60は弾性変形しての変位を許容し、水密性
を維持する。
の軸方向の相対変位では、外筒継手枠20と内筒継手枠
30の離間または接近の何れの方向でも、緩衝部材71
(緩衝ゴム71A)が圧縮されてその反力が抵抗とな
り、離間または接近を制限するように作用して暗渠の中
心軸と平行な方向の変位量そのものを規制すると共に、
暗渠1,1′が屈曲する方向の変位に関しては、その屈
曲状態の偏りを矯正して変位範囲が狭くなることを防ぐ
ように作用する。
る場合には、外筒継手枠20と内筒継手枠30が相対的
に斜めになるために屈曲角度の増大によって最終的にス
ライド沓27とスライド沓受け34が当接してそれ以上
の屈曲は不能となる。この屈曲限界角度は、スライド沓
27とスライド沓受け34の隙間によって決まり、この
屈曲限界角度内では屈曲した状態で同時に接近または離
間の変位も可能であるが、屈曲限界角度に達してしまう
(スライド沓27とスライド沓受け34が当接してしま
う)と接近または離間の変位が不能となる。大きな屈曲
角度を得るためにはスライド沓27とスライド沓受け3
4の隙間を大きくすれば良いものであるが、一方では軌
道を敷設する鉄道のトンネルでは許されない剪断方向の
変位を許容しないようにするためにスライド沓27とス
ライド沓受け34の嵌合隙間は極力小さくしたいという
相反する要求がある。
と、継手の許容伸縮量を±50mmとし、スライド沓受
け34の外径:Cを9000mm,スライド沓受け34
の外面とスライド沓27の外面との隙間:Bを2mm,
スライド沓27の幅:Dを300mmとし、偏った屈曲
状態の例として図中上側の継手部位のみが伸びて暗渠が
相対屈曲する場合を考える(図中下側の継手部位の
「O」を中心として暗渠が相対屈曲するとする)と、屈
曲限界角度:θはtan-1(B/D)で求められ、θ=0.3
82゜となる。この時、変位量:aはC×sinθから約6
0mmとなり、継手の許容伸縮量50mmを越える。従
って、この条件ではスライド沓受け34の外面とスライ
ド沓27の内面との隙間:Bから導かれる屈曲限界角度
までの相対屈曲が許容されない。この場合、図中上側の
継手部位の伸び量が許容伸縮量まで屈曲(この時の屈曲
角度はsin-1(50/C)からθ=0.318゜)した後は、
当然暗渠1,1′の軸方向の相対変位も不能となる。
なく図中下側の継手部位が同じ量縮んで屈曲する(暗渠
1,1′がその中心軸上の点を中心として相対屈曲す
る)と考えると、伸縮量はそれぞれ30mmとなって屈
曲限界角度までの屈曲が十分可能となると共に、その状
態でなお許容伸縮量50mmに対して20mmの余裕を
有するためにこの余裕分更に伸縮(暗渠1,1′の軸方
向の相対変位)を許容し得ることとなる。つまり、暗渠
1,1′の相対屈曲が屈曲の外側と内側とで継手2の伸
縮量が逆方向に均等となるような状態で行われること
で、暗渠1,1′のより大きな相対変位を許容すること
ができるようになるものである。
ルト72の首下における遊び(内主桁23または幅桁3
5との間隔)を15mmとすると共に、緩衝ゴム取付材
71Bの先端と内主桁23または幅桁35との遊び(間
隔)を15mmとし、30mmの伸縮では緩衝ゴム71
Aは圧縮されず(緩衝機構70が作用せず)伸縮が30
mmを越えると緩衝ゴム71Aが圧縮されるように設定
する。このように設定された緩衝機構70によれば、継
手2の周方向一部が伸長または収縮してその量が30m
mを越えると、当該部位の緩衝機構70が作用して変位
の抵抗となるため、緩衝機構70が作用していない軸中
心を挟んで対称位置にある部位が逆方向に変位し、結果
として暗渠の屈曲状態を暗渠中心を挟んだ両側が逆方向
に均等に変位(換言すれば暗渠の中心軸上の点を中心と
して屈曲)した状態に矯正することができるのである。
50mmとすると共に30mmの変位量で緩衝機構70
が作用する(緩衝ゴム71Aが圧縮開始される)ように
設定したため、緩衝ゴム71Aの最大圧縮量は20mm
となり、緩衝ゴム71Aの幅(圧縮方向の長さ)は自由
状態で50mmとして30mmまで圧縮される設定であ
る。また、この最大圧縮時における緩衝ゴム71Aの反
力は、セグメントリング間の結合ボルトの強度と等しく
設定なるようされている。
衝機構70が当該継手2の偏った伸縮を防ぎ、暗渠1,
1′の屈曲状態が偏ることによって外筒部と内筒部が干
渉して変位範囲が狭くなることを防止できる。
シールド工法による暗渠の接続に適用した例を示した
が、他の構成の暗渠に適用しても良く、また、暗渠の断
面形状は円形に限らず、楕円形、四角形、その他の多角
形のいずれであっても良いものである。
継手によれば、可撓止水部材により結合された外筒継手
枠と内筒継手枠がその外筒部と内筒部で嵌合状態となっ
ているため、この嵌合部で接続暗渠の剪断方向の相対変
位を防ぎつつ暗渠の軸方向及び屈曲方向には相対変位を
許容して地盤変動に対応することができる。
に、両継手枠の接続暗渠の中心軸方向の移動に連動する
操作軸部材と、該操作軸部材の移動によって操作されて
反力を生ずる緩衝手段とを備えた緩衝機構を介設するこ
とにより、接続暗渠の相対屈曲変位の際に操作軸部材が
緩衝部材を操作して生ずる反力によって接続暗渠の偏っ
た屈曲状態を矯正し、屈曲状態が偏ることによって外筒
部と内筒部が干渉して変位範囲が狭くなることを防いで
大きな変位を許容し得るものである。
によって接続された暗渠の斜視図である。
である。
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 接続される暗渠の対向する一方の端面に
外筒部が突設された外筒継手忰が固定され、他方の端面
に前記外筒部の内周側に嵌合する内筒部が突設された内
筒継手枠が固定され、前記外筒継手枠の外筒部と前記内
筒継手枠の内筒部が嵌合すると共に、前記外筒継手枠と
内筒継手枠の対向面間が前記暗渠の周方向に連続する可
撓止水部材で水密的に連結されて構成されているととも
に、上記外筒継手枠と内筒継手枠の対向面間に、前記両
継手枠の上記接続暗渠の中心軸方向の移動に連動する操
作軸部材と、該操作軸部材の移動によって操作されて反
力を生ずる緩衝手段とを備えた緩衝機構が介設されてお
り、該緩衝機構は、前記接続暗渠の変位による前記継手
枠の移動に伴って移動する前記操作軸部材が前記緩衝手
段を操作して反力を生じ、暗渠の変位に抗するように構
成されていることを特徴とする暗渠の継手。 - 【請求項2】 上記緩衝機構は、上記両継手枠にそれぞ
れ当該継手枠に収容可能かつ脱落不能に設けられた操作
軸部材が、前記両継手枠の対向面間に配置された弾性素
材により形成された緩衝部材を貫通し、該操作軸部材の
逆側の突出端部には緩衝部材内へ嵌入不能な係止部を備
えて構成され、前記緩衝機構は、上記接続暗渠の接近変
位によって前記緩衝部材が前記両継手枠に挟まれて圧縮
されて反力を生ずると共に、接続暗渠の離間変位によっ
て前記緩衝部材が前記操作軸部材を介して圧縮されて反
力を生ずるように構成されていることを特徴とする請求
項1に記載の暗渠の継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6192781A JP2787543B2 (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | 暗渠の継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6192781A JP2787543B2 (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | 暗渠の継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0835253A JPH0835253A (ja) | 1996-02-06 |
JP2787543B2 true JP2787543B2 (ja) | 1998-08-20 |
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ID=16296901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6192781A Expired - Fee Related JP2787543B2 (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | 暗渠の継手 |
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JP (1) | JP2787543B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102033364B1 (ko) * | 2017-10-25 | 2019-10-17 | 서문건설 주식회사 | 콘크리트 구조체의 균열 저감장치 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS613991U (ja) * | 1984-06-12 | 1986-01-11 | 正彦 横尾 | 流体の汲み上げ装置 |
-
1994
- 1994-07-25 JP JP6192781A patent/JP2787543B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0835253A (ja) | 1996-02-06 |
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