JP2787174B2 - 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド

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JP2787174B2
JP2787174B2 JP4050689A JP5068992A JP2787174B2 JP 2787174 B2 JP2787174 B2 JP 2787174B2 JP 4050689 A JP4050689 A JP 4050689A JP 5068992 A JP5068992 A JP 5068992A JP 2787174 B2 JP2787174 B2 JP 2787174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気ディスク装置、磁
気テープ装置等の磁気記録媒体に記録された信号を強磁
性薄膜の磁気抵抗効果を応用した磁気抵抗効果素子(以
下MR素子という)を用いて再生を行なう磁気抵抗効果
型薄膜磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜磁気ヘッドは磁気誘導型の巻
線タイプのヘッドで記録を行ない、再生も同じ構造のヘ
ッドで行なうために、磁気コア内に通す導体コイルの数
を多くする必要があり、これを薄膜形成技術で実現する
ことは非常に困難であった。
【0003】一方、強磁性薄膜の磁気抵抗効果を利用し
た薄膜磁気ヘッドは前記巻線タイプのヘッドに比較して
多くの利点を有することが知られている。すなわち、磁
気記録媒体の移送速度が低い場合でも磁束に直接比例し
た出力が得られるため、移送速度に依存せずに信号の再
生が可能であり、そのため移送速度が低い場合でも巻線
型の磁気ヘッドより高出力の再生信号が得られるという
点である。
【0004】ここで実際の応用に際してはMR素子単体
で薄膜磁気ヘッドを構成するよりも、MR素子部をヘッ
ド先端から離し、磁気記録媒体にて発生した磁束をMR
素子部まで導く磁束導入路(以下ヨークという)を配置
したヨークタイプMRヘッド(以下YMRヘッドとい
う)と呼ばれる薄膜磁気ヘッドのほうが信号の分解能の
向上やMR素子の耐久性の向上に有効であることが公知
(たとえば日本応用磁気学会第39回研究会資料P61
−P72「薄膜MRヘッド」参照)となっている。
【0005】図1は、従来の薄膜YMRヘッドの斜視図
である。フェライト等の強磁性材料よりなる基板1上
に、パーマロイ等の強磁性薄膜よりなる下部ヨーク3が
形成されている。下部ヨーク3上には、下部ヨークと同
じ材料からなる上部ヨーク5a、5bが形成されてい
る。
【0006】下部ヨーク3と上部ヨーク5a、5bとの
間には、バイアス線9、MR素子7が形成されている。
MR素子7の両端には、リード線13a、13bが形成
されている。MR素子7の磁化の向きは一方向(単磁区
状態)にされている。
【0007】図2は、図1に示す薄膜YMRヘッドの断
面図である。図1中に示す符号と同一のものについては
同一番号を付してある。下部ヨーク3とバイアス線9と
の間には層間絶縁膜15cが形成されている。バイアス
線9とMR素子7との間には層間絶縁膜15bが形成さ
れている。MR素子7と上部ヨーク5a、5bとの間に
は層間絶縁膜15aが形成されている。上部ヨーク5a
と上部ヨーク5bとの間にはギャップ17が形成されて
いる。また、上部ヨーク5aと下部ヨーク3との間には
フロントギャップ11が形成されている。
【0008】従来の薄膜YMRヘッドの動作を図1を用
いて簡単に説明する。磁気テープの磁界が上部ヨーク5
aを介してMR素子7の磁化の方向に影響を及ぼす。つ
まり、MR素子7の磁化の向きが上部ヨーク5aの磁界
の方向に回転する。これをリード線13a、13bが信
号として拾う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図3に示すように、M
R素子7を単磁区状態に保つためには、上部ヨーク5
a、5bを還流磁区の状態にしなければならない。つま
り、図4に示すように、上部ヨーク5a、5bが還流磁
区状態でないと、上部ヨーク5a、5bから磁界19の
漏れを生じる。この磁界19によってMR素子7には磁
区21が発生する。これにより、図1に示すリード線1
3a、13bを通る信号にノイズが発生する。
【0010】この発明は係る従来の問題点を解決するた
めなされたものである。この発明の目的は、ヨークの磁
区を還流磁区状態にすることができる磁気抵抗効果型薄
膜磁気ヘッドを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の磁気抵
抗効果型薄膜磁気ヘッドは、パーマロイ膜の磁歪定数λ
を−0.5×10−6≦λ≦0.3×10−6の範囲内
に設定するとともにヨークの内部応力を調整しており、
それによりヨークの磁区を還流磁区状態とすることを特
徴としている。
【0012】請求項2に記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気
ヘッドは、ヨークの内部応力σ(dyn/cm)を−
5.6×10≦σ≦2.9×10の範囲内に設定し
ていることを特徴とする。請求項3に記載の磁気抵抗効
果型薄膜磁気ヘッドは、パーマロイ膜の磁歪定数λとヨ
ークの内部応力σ(dyn/cm)の積λσを−16
00≦λσ≦2300の範囲内に設定していることを特
徴とする。
【0013】
【作用】請求項1に記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッ
ドは、ヨークの材料であるパーマロイ膜の磁歪定数λを
−0.5×10−6≦λ≦0.3×10−6の範囲内に
設定するとともにヨークの内部応力を調整しているの
で、ヨークが還流磁区状態になる可能性が高くなる。
【0014】請求項2に記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気
ヘッドは、ヨークの内部応力σ(dyn/cm)を−
5.6×10≦σ≦2.9×10の範囲内に設定し
たので、ヨークが還流磁区状態になる可能性が高くな
る。請求項3に記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
は、パーマロイ膜の磁歪定数λとヨークの内部応力σ
(dyn/cm )の積λσを−1600≦λσ≦23
00の範囲内に設定したので、ヨークが還流磁区状態に
なる可能性が更に高くなる。
【0015】
【実施例】この発明の一実施例を図5を用いて説明す
る。図5に示すような条件の下で上部ヨークを作製した
サンプル1〜11を作製し、ビッター法を用いて磁区の
観察を行なった。なお上部ヨークはスパッタリング法を
用いて形成した。ターゲットとは、スパッタリングに用
いるターゲット板のことである。81.5Ni−Feと
は、ターゲット中にNiが81.5重量%含まれている
という意味である。Vbとは、薄膜YMRヘッドが形成
される基板に印加される電圧のことである。Ibは、こ
の基板に流れる電流である。内部応力とは、上部ヨーク
の内部応力ということである。還流磁区状態のものを○
とし、そうでないものを×としている。
【0016】まず磁歪定数について見ていく。還流磁区
状態となる磁歪定数の最小値は、サンプル4の−1.0
×10-6である。一方サンプル5は磁歪定数が−1.0
×10-6であるが還流磁区構造となっていない。したが
って、−0.1×10-6を磁歪定数の最小値とする。還
流磁区状態となる磁歪定数の最大値はサンプル11の
0.13×10-6である。そして、サンプル9を見れば
分かるように磁歪定数が0.47×10-6のとき還流磁
区状態となっていなかった。したがって平均値である
0.3×10-6を磁歪定数の最大値とする。
【0017】次に内部応力について説明する。還流磁区
状態となる内部応力の最小値はサンプル3の−5.25
×109 であった。そしてサンプル7を見れば分かるよ
うに内部応力が−6×109 のとき還流磁区状態となっ
ていなかった。したがって、平均値である−5.6×1
9 を内部応力の最小値とする。還流磁区状態となる内
部応力の最大値はサンプル4の−0.35×109 であ
った。そして、サンプル1を見れば分かるように内部応
力が6.05×109 のとき還流磁区状態となっていな
かった。したがって、平均値である2.9×109 を内
部応力の最大値とする。
【0018】次に磁歪定数と内部応力との積について説
明する。還流磁区状態となる積の最小値はサンプル11
の−221であった。そして、サンプル9を見れば分か
るように、積が−2937のとき還流磁区状態となって
いなかった。したがって、平均値である−1579を積
の最小値とする。還流磁区状態となる積の最大値はサン
プル6の1404であった。そして、サンプル5を見れ
ば分かるように、積が3300のとき還流磁区状態とな
っていなかった。したがって、平均値である2300を
積の最大値とする。
【0019】図5を見れば分かるように、磁歪定数λを
−1.0×10-6≦λ≦0.3×10-6範囲内の場合、
サンプル5を除いて還流磁区状態となった。
【0020】内部応力σを−5.6×109 ≦σ≦2.
9×109 の範囲内に設定したとき、サンプル5を除い
て還流磁区状態となった。
【0021】磁歪定数λを−1.0×10-6≦λ≦0.
3×10-6の範囲内に設定し、かつ内部応力σを−5.
6×109 ≦σ≦2.9×109 の範囲内に設定し、さ
らに磁歪定数と内部応力との積λσを−1600≦λσ
≦2300の範囲内に設定すると、必ず還流磁区状態と
なった。
【0022】ところで、図6は磁歪定数とスパッタ時間
との関係を表すグラフである。図6を見れば分かるよう
に、ターゲット中のNiの含有量によって磁歪定数の値
を調整することができる。
【0023】また、図7は基板バイアス電圧×基板バイ
アス電流と内部応力との関係を表すグラフである。なお
○はサンプルのX方向の応力であり、●はX方向と90
度つまりY方向の応力である。図7を見れば分かるよう
に、内部応力を正の方向に大きく、つまり引張り応力を
大きくするには、電流と電圧の積を大きくすればよい。
内部応力を負の方向に大きく、つまり圧縮応力を大きく
するには、電流と電圧の積を小さくすればよい。
【0024】本発明はフェライト等の強磁性材料よりな
る基板上に下部ヨークを設けない構造のヘッド、またセ
ラミックス等の非磁性材料よりなる基板上にパーマロ
イ、センダスト等の強磁性薄膜よりなる下部ヨークを設
けた構造のヘッドにおいても有効である。
【0025】
【発明の効果】MR素子は単磁区状態でなければならな
いが、ヨークが還流磁区状態でないとヨークから漏れた
磁界によってMR素子が単磁区状態にならないことがあ
る。
【0026】請求項1、2、3に記載の発明によれば、
ヨークを還流磁区状態にする可能性を高くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の薄膜YMRヘッドの斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】還流磁区状態の上部ヨークの部分平面図であ
る。
【図4】還流磁区状態でない上部ヨークの部分平面図で
ある。
【図5】この発明の一実施例の条件および結果を示すグ
ラフを表す図である。
【図6】パーマロイ中のニッケルの含有量が多いと磁歪
定数の値が小さくなることを示すグラフを表す図であ
る。
【図7】基板バイアス電圧×基板バイアス電流と内部応
力との関係を示すグラフを表す図である。
【符号の説明】
3 下部ヨーク 5a、5b 上部ヨーク 7 MR素子 11 ヘッドギャップ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドギャップ部の上に形成されたパー
    マロイ膜からなる上部ヨークを磁路の一部とし、前記磁
    路と磁気的に結合された磁気抵抗素子を内設してなる磁
    気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記パーマロイ膜の磁歪定数λを−0.5×10−6
    λ≦0.3×10−6の範囲内に設定するとともに前記
    ヨークの内部応力を調整しており、それにより前記ヨー
    クの磁区を還流磁区状態とすることを特徴とする磁気抵
    抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 ヘッドギャップ部の上に形成されたパー
    マロイ膜からなる上部ヨークを磁路の一部とし、前記磁
    路と磁気的に結合された磁気抵抗素子を内設してなる磁
    気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記ヨークの内部応力σ(dyn/cm)を−5.6
    ×10≦σ≦2.9×10の範囲内に設定している
    ことを特徴とする磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 ヘッドギャップ部の上に形成されたパー
    マロイ膜からなる上部ヨークを磁路の一部とし、前記磁
    路と磁気的に結合された磁気抵抗素子を内設してなる磁
    気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記パーマロイ膜の磁歪定数λと前記ヨークの内部応力
    σ(dyn/cm)の積λσを−1600≦λσ≦2
    300の範囲内に設定していることを特徴とする磁気抵
    抗効果型薄膜磁気ヘッド。
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