JP3384494B2 - 磁気抵抗材料およびこれを用いた磁界センサ - Google Patents
磁気抵抗材料およびこれを用いた磁界センサInfo
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Description
磁気抵抗材料にかかわり、特に磁気記録において再生ヘ
ッドとして使用される磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッ
ド)の磁気抵抗材料に関するものである。
用VTRの分野では小型、計量化のために、また磁気デ
ィスク装置の分野では小型、大容量化のために記録密度
の高密度化が進められている。特に磁気ディスク装置を
例にとると、記録密度を向上させるため記録再生分離型
ヘッドの開発が活発である。これらの記録再生分離型ヘ
ッドの再生ヘッドとしては通常MRヘッドが使用されて
いる。磁気ディスク装置の小型化のために媒体とヘッド
との相対速度が低下すると従来のインダクティブヘッド
では出力が低下するという欠点を有しているが、MRヘ
ッドは出力が相対速度に依存せず一定であるという特徴
を有するからである。このMRヘッドの感磁部には通常
パーマロイ単層膜が使用されている。パーマロイ単層膜
の磁気抵抗変化率は高々3%と決して大きくはないが、
異方性磁界が小さく高感度であるという理由による。そ
のためパーマロイ単層膜を感磁部に用いたMRヘッドは
再生出力が必ずしも充分でないという欠点がある。一
方、厚さ0.8nmから4nmの強磁性層と厚さ0.5
nmから2.5nmの常磁性層が交互に積層されている
磁気抵抗材料が10〜65%と巨大な磁気抵抗変化率を
示すことは、Moscaらによる、ジャーナル・オブ・マグ
ネティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ(J
ournal of Magnetism and Magnetic Materials)、第94
巻、L1〜L5ページに記載の「Co/Cu多層膜における振動
的な中間層結合および巨大磁気抵抗」(Oscillatory in
terlayer coupling and giant magnetoresistance in C
o/Cu multilayers)から公知である。該磁気抵抗材料を
感磁部に用いたMRヘッドは大きな再生出力の向上が期
待できる。しかし、Coのように保磁力が大きい合金を
強磁性層として用いた場合、該磁気抵抗材料は磁気抵抗
曲線に大きなヒステリシスを生じ、MRヘッドへの応用
が困難になるといった問題があった。
的は、厚さ0.8nmから4nmの強磁性層と厚さ0.
5nmから2.5nmの常磁性層が交互に積層されてい
る磁気抵抗材料をよりMRヘッドの応用が容易な磁気抵
抗材料にするため、磁気抵抗曲線に生ずるヒステリシス
を最小に抑えようというものである。
mから4nmの強磁性層と厚さ0.5nmから2.5n
mの常磁性層が交互に積層されている磁気抵抗材料にお
いて、強磁性層が原子%で示してxat%Ni−yat
%Fe−zat%Coで示される組成を有しその組成範
囲が 76<x<85 15<y<24 0<z<5 であることによって解決される。
mの強磁性層と厚さ0.5nmから2.5nmの常磁性
層が交互に積層されている磁気抵抗材料において、強磁
性層の組成を適当な組成のFe、Ni、Co合金とした
場合の実験事実より導かれた。該実験により、単層合金
状態で保磁力が大きい合金を強磁性層に使用した場合ほ
ど、厚さ0.8nmから4nmの強磁性層と厚さ0.5
nmから2.5nmの常磁性層が交互に積層されている
磁気抵抗材料は磁気抵抗曲線に大きなヒステリシスを生
じた。原子%で示してxat%Ni−yat%Fe−z
at%Coで示される組成を有しその組成範囲が 76<x<85 15<y<24 0<z<5 である合金を強磁性層に使用した場合に、上記の磁気抵
抗材料は磁気抵抗曲線に生ずるヒステリシスを最小に抑
えることができた。これは、該合金の単層状態における
小さな保磁力が、本発明の磁気抵抗材料においても保た
れているからである。本発明の磁気抵抗材料をMRヘッ
ドの感磁部に用いると、大幅に再生出力の向上が達成さ
れると同時に、歪の少ない再生波形を得ることが出来
る。再生波形に歪が少なくなる理由は、磁気抵抗曲線に
生ずるヒステリシスを小さく抑えることができるからで
ある。
0.5nmから2.5nmの常磁性層が交互に積層され
ている磁気抵抗材料では、強磁性層としてFe、Ni、
Coおよびこれらの合金が一般的に使われている。図1
に上記合金の厚さ40nmの単層薄膜状態における磁化
困難軸方向の保磁力を示す。図1より、上記合金におけ
る磁化困難軸方向の保磁力は、xat%Ni−yat%
Fe−zat%Coで示される組成を有しその組成範囲
が 76<x<85 15<y<24 0<z<5 であるときに40A/m以下の小さな値を示すことが分
かる。以下に上記組成の合金を代表して、80at%N
i−20at%Feを強磁性層として用いた本発明の磁
気抵抗材料について詳細に説明する。
を示す模式図である。Si基板1の(100)面上にS
iO2からなる自然酸化膜2が1.5nm形成されたも
のを基板として用いた。該基板上にFeからなる下地層
3を設けた。この下地層は高い磁気抵抗変化率を得るた
めに必要なものである。図3に磁気抵抗変化率の下地層
の厚さ依存性を示す。図より、15%以上の高い磁気抵
抗変化率を得るには4nmから10nmのFe下地層が
必要とされることが分かる。また、Feの他に同程度の
厚さのNi−Fe合金を用いても、ほぼ同等の効果が得
られることが分かる。該下地層3の上に厚さ1nmの8
0at%Ni−20at%Feからなる強磁性層5と常
磁性層4を交互に合計39層積層した。常磁性層4の材
料は、強磁性層との格子ミスマッチが少なく比抵抗の低
い材料が望ましい。このようなことから本発明の磁気抵
抗材料においては常磁性層としてCuを使用するのが望
ましい。それぞれの層は、3枚のターゲットを同一のチ
ャンバ内に設置したイオンビーム・スパッタリング装置
内で連続的に形成、積層した。作製条件は表1の通りと
した。
磁気抵抗材料の典型的な磁気抵抗曲線である。本発明の
磁気抵抗材料は約19%の磁気抵抗変化率を示し、パー
マロイ単層膜の磁気抵抗変化率3%の6倍以上の値を有
している。磁気抵抗曲線に生じているヒステリシスは、
磁気抵抗変化率がピークを示す印加磁界の値でほぼ定量
的に示される。本実施例において、磁気抵抗変化率がピ
ークを示す印加磁界の値は0.59kA/mという小さ
な値であった。
の合金組成が異なる場合における磁気抵抗変化率を示し
た状態図である。また、図6は本発明の磁気抵抗材料と
は強磁性層の合金組成が異なる場合における、磁気抵抗
変化率がピークを示す磁界の値を示した状態図である。
図を見ると、磁気抵抗変化率を高めるには強磁性層の合
金のCoの含有量を増加させることが好ましいことが分
かる。しかし、Coの含有量を増加させた場合、図6に
示されているように、磁気抵抗変化率がピークを示す磁
界に小さな値は期待できないことが分かる。例えば25
%以上の磁気抵抗変化率を得ようとすれば、磁気抵抗変
化率がピークを示す磁界は3000A/mを越えてしま
い、30%以上の磁気抵抗変化率を得ようとすれば磁気
抵抗変化率がピークを示す磁界は30000A/m以上
になってしまう。すなわち磁気抵抗曲線に生ずるヒステ
リシスが大きくなってしまう。このためMRヘッドへの
応用がより困難になるといった問題を生ずるようにな
る。
の合金組成が異なり、強磁性層が保磁力の大きな70a
t%Ni−5at%Fe−25at%Coである場合に
おける磁気抵抗曲線の一例である。磁気抵抗変化率は非
常に高い値を示しているが、磁気抵抗変化率がピークを
示す印加磁界の値は30000A/mであり、また磁気
抵抗曲線の形状を見ても磁気抵抗曲線には大きなヒステ
リシスが生じていることが分かる。このような磁気抵抗
材料をMRヘッドの感磁部に用いると、再生波形は歪の
大きなものとなり、媒体情報の正確な再生が困難とな
る。
いた磁界センサの一例で、おもに磁気ディスク装置の再
生ヘッドとして使用可能なMRヘッドの図である。該M
Rヘッドは、本発明の磁気抵抗材料6および電流を流し
て出力電圧を検出するための導体層7から構成されてい
る。導体層7の材料としては、例えばCuが使用され
る。図7の感磁デバイスを用いて磁気ディスクから発す
る磁界を検出すると、パーマロイ単層膜を感磁部に用い
たMRヘッドで検出する場合に比べ、6倍以上の出力電
圧を得ることが出来る。しかも本発明の磁気抵抗材料が
ヒステリシスのきわめて小さい磁気抵抗曲線を有するた
め、パーマロイ単層膜を感磁部に用いたMRヘッドと同
等に歪の少ない再生波形を得ることが出来る。
磁部に用いると、大幅に再生出力の向上が達成されると
同時に、歪の少ない再生波形を得ることが出来る。再生
波形に歪が少なくなる理由は、磁気抵抗曲線に生ずるヒ
ステリシスを小さく抑えることができるからである。
膜状態における磁化困難軸方向の保磁力を示す状態図。
図。
率の下地層の厚さ依存性を示した図。
線。
が異なる場合における、磁気抵抗変化率を示した状態
図。
が異なる場合における、磁気抵抗変化率がピークを示す
磁界の値を示した状態図。
が異なる場合における、磁気抵抗曲線の一例。
造を示す模式図。
層 6 本発明の磁気抵抗材料 7 Cuからなる導体層
Claims (3)
- 【請求項1】 厚さ0.8nmから4nmの強磁性層と
厚さ0.5nmから2.5nmの常磁性層が交互に積層
されている磁気抵抗材料において、強磁性層が原子%で
示してxat%Ni−yat%Fe−zat%Coで示
される組成を有する合金であり、その組成範囲が、 76<x<85 15<y<24 0<z<5 であり、前記合金の保持力は40A/m以下であること
を特徴とする磁気抵抗材料。 - 【請求項2】 請求項1に記載の磁気抵抗材料の直下
に、厚さ4nmから10nmのFe層またはNi−Fe
合金層が接していることを特徴とする磁気抵抗材料。 - 【請求項3】 請求項1乃至2のいずれかに記載の磁気
抵抗材料を感磁部に用いた磁界センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21398292A JP3384494B2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | 磁気抵抗材料およびこれを用いた磁界センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21398292A JP3384494B2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | 磁気抵抗材料およびこれを用いた磁界センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0661049A JPH0661049A (ja) | 1994-03-04 |
JP3384494B2 true JP3384494B2 (ja) | 2003-03-10 |
Family
ID=16648291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21398292A Expired - Lifetime JP3384494B2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | 磁気抵抗材料およびこれを用いた磁界センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3384494B2 (ja) |
-
1992
- 1992-08-11 JP JP21398292A patent/JP3384494B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0661049A (ja) | 1994-03-04 |
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