JP2786770B2 - 下水処理プロセスの制御方法 - Google Patents

下水処理プロセスの制御方法

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JP2786770B2
JP2786770B2 JP2698992A JP2698992A JP2786770B2 JP 2786770 B2 JP2786770 B2 JP 2786770B2 JP 2698992 A JP2698992 A JP 2698992A JP 2698992 A JP2698992 A JP 2698992A JP 2786770 B2 JP2786770 B2 JP 2786770B2
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水や生活排水を生物
学的に処理する方法であり、特に排水中の窒素、リンを
除去するプロセスの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水や生活排水の処理は有機物除去が主
体であり、活性汚泥法に代表される生物学的処理法が一
般に用いられている。しかし、近年、湖沼等の閉鎖性水
域では富栄養化が大きな問題となっており、この原因と
なる窒素、リンの除去が重要となってきた。そのため、
有機物に加えて、窒素、リンを除去することができる処
理法が活性汚泥法の改良法として開発されており、その
代表的な方法としてA2O法、回分式活性汚泥法、間欠
曝気法等が挙げられる。これらの方法では、微生物が好
気条件、嫌気条件に交互におかれ、有機物、窒素、リン
の除去がなされるのであるが、なかでも間欠曝気法は好
気条件、嫌気条件の比率を時間的に設定することがで
き、しかも既存の施設への適用も比較的容易であること
から注目されている方法である。
【0003】この間欠曝気法を用いて窒素、リンの除去
を効率よく行うためには、負荷に対応した曝気時間(好
気条件)、攪拌時間(嫌気条件)の制御が重要であり、
従来いくつかの制御方法が提案されてきた。その代表的
な例は、特公昭63ー35317号公報および特開昭6
4ー70198号公報に記載されている。特公昭63ー
35317号公報は、曝気槽内にORP計(酸化還元電
位計)を設置し、ORP値が+120〜+200mV以
上となった時、曝気を停止して攪拌を始め、ORP値が
−250〜−350mV以下となった時、攪拌を停止し
て再び曝気を始めるという制御方法を開示している。
【0004】ここで、この制御方法である間欠曝気法に
ついて、図面を参照して装置構成も含めてやや詳しく説
明する。図11は従来の間欠曝気方法及び制御システム
を説明するための模式構成図であり、水および空気の経
路を実線の矢印、制御信号系統を点線の矢印で表わして
ある。図11において、この装置は、下水1が流入し活
性汚泥によって有機物、窒素、リンが除去される曝気槽
2、重力沈降によって活性汚泥が分離され処理水3が得
られる最終沈殿池4、沈降した活性汚泥を曝気槽2に返
送する返送汚泥ポンプ5から主に構成されている。制御
系は、曝気槽2内の酸化還元電位を測定するORP計6
と、その値に基づいて曝気ブロワ7、攪拌ポンプ8の運
転、停止信号を出力する制御装置9からなっている。
【0005】次に下水の処理原理を説明する。下水中の
有機物は活性汚泥を構成する微生物の食物となり分解除
去される。窒素は好気性の条件下で、硝化菌の働きによ
りNH4 −N(アンモニア性窒素)がNO3 −N(硝酸
性窒素)に酸化され、次いで嫌気性の条件下で脱窒菌の
働きによりNO3 −NがN2 (窒素ガス)に還元される
ことにより除去される。硝化・脱窒の関係を整理すると
次のようになる。 反応 窒素の形態変化 反応条件 微生物 硝化反応 アンモニア性窒素→硝酸性窒素 好気性(溶存酸素あり) 硝化菌 脱窒反応 硝酸性窒素 →窒素ガス 嫌気性(溶存酸素なし) 脱窒菌
【0006】リンは曝気槽2の運転条件を好気性、嫌気
性に交互に変えることにより、細胞内にリンを多量に蓄
積する性質を持つ活性汚泥をつくりだし、この活性汚泥
を利用して除去するのである。即ち、このような活性汚
泥は嫌気性条件でリンを吐き出し、好気性条件でリンを
吸収する性質があるため、好気性条件でリンの吸収を行
ない、リンを多量に吸収した活性汚泥を余剰汚泥として
処理系から除くことにより脱リンが可能となる。この関
係は下記のように整理することができる。 反応 槽内のリン濃度 反応条件 リン除去 リンの吐き出し 増加 嫌気性(溶存酸素なし) ー リンの吸収 減少 好気性(溶存酸素あり) 活性汚泥抜き出し
【0007】このように窒素、リンを除去するには、好
気性、嫌気性の2条件が不可欠であるが、厳密には脱窒
のための嫌気性条件と、脱リンのための嫌気性条件とは
異なっており、間欠曝気法では脱窒が終了し、槽内にN
3 −Nに起因する酸素分子が無くなった後で、活性汚
泥からのリンの吐き出しが起こり、これが次の曝気工程
におけるリンの吸収につながっている。
【0008】続いて、この処理工程における前述の特公
昭63ー35317号公報に開示された制御方法を説明
する。この方法によれば、攪拌工程の制御指標として、
ORP値を−250〜−350mV以下に設定してお
り、ORPがこの値以下になると、脱窒に続きリンの吐
き出しも終了したとして、攪拌を停止し曝気を開始して
いる。また曝気時の好気性条件では硝化とリンの吸収が
同時に進行するが、この制御指標としてORP値を+1
20〜+200mV以上に設定しており、ORPがこの
値以上になると、硝化およびリンの吸収が終了したとし
て、曝気を停止し攪拌を開始している。
【0009】一方、特開昭64ー70198号公報に
は、曝気槽内のORPを測定し、ORPの変化率を検出
して、この変化率に基づいて、槽内の硝化及び脱窒の制
御をする廃水の窒素除去処理方法が記載されている。具
体的には曝気工程においてORPの変化の屈曲点を検出
し、この屈曲点を硝化の終了点として、曝気を停止して
嫌気性の攪拌工程に移行し、脱窒を行う攪拌工程におい
てはORPの変化率が一定の値以下に達した時、脱窒が
終了したとして攪拌を停止し、曝気を始める制御方法で
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上、間欠曝気法につ
いて説明したが、これらの制御法には次のような問題が
ある。第1の問題は、特公昭63ー35317号公報、
特開昭64ー70198号公報に記載されたいずれの方
法においても、図11に示すように、一つの曝気槽2
と、最終沈殿池4からなる装置構成における間欠曝気法
を制御対象としており、この方法では処理水質が安定し
ないことである。例えば攪拌工程では、窒素については
脱窒がなされるが、下水の流入は続いているため、下水
に含まれているOrg−N(有機性窒素)やNH4 −N
は曝気槽2で希釈され、その一部は硝化されずそのまま
曝気槽2、最終沈殿池4を経て処理水に含まれ流出して
しまう。また、リンに関しては吐き出しが起こり、曝気
槽2内でリン濃度が高まり、その一部が同様に処理水に
含まれ流出する。
【0011】また第2の問題は、ORPの屈曲点の検出
方法にある。即ち、特開昭64ー70198号公報に記
載の方法は、曝気工程においてORPの屈曲点を検出
し、曝気から攪拌に移行することを提案している。しか
しながら、本発明者らの研究によれば、硝化の終了点に
おいて確かにORPの変化率はやや特異的変化を示す
が、その変化は特開昭64ー70198号公報に記載の
第2図に示されたほど明瞭ではなく、屈曲点を正確に検
出して、曝気工程の制御に利用することは非常に困難で
あり、しかもこの屈曲点の具体的検出方法は何ら示され
ておらず、この方法においても安定した曝気時間の制御
は困難である。
【0012】第3の問題は、特開昭64ー70198号
公報に示された制御方法は窒素除去を目的としており、
リン除去には適用できないことである。このように、従
来の間欠曝気法の制御方法には、制御方法自体の安定性
及び処理水質に種々の問題がある。本発明の目的は上述
の欠点を除去し、常に高い脱窒、脱リン効率を示す間欠
曝気法における制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の方法は、
特に第1曝気槽と第2曝気槽の二つの曝気槽を用いて間
欠曝気法を行なうものであり、第1曝気槽にはORP
計、第2曝気槽にはDO計を設置しておき、第2曝気槽
のDOを0.2〜3.0mg/lに10〜30分間制御
して曝気を行なった後、DO制御を停止して停止時の曝
気風量を維持しつつ曝気を継続し、DOが0.5〜4.
0mg/lの範囲内の所定の設定値になると、曝気を停
止して攪拌を開始し、第1曝気槽のORPが−100〜
−400mVの範囲内の所定の設定値になると、攪拌を
停止して再び曝気を開始する。第1曝気槽と第2曝気槽
の曝気、攪拌の繰り返し処理は、これら2槽を同期的に
連動させて行なう。
【0014】本発明の第2の方法は、第1曝気槽と第2
曝気槽の二つの曝気槽を用いて間欠曝気法を行なうもの
であり、第1曝気槽にはORP計、第2曝気槽にはDO
計を設置しておき、第2曝気槽のDOを0.2〜3.0
mg/lに10〜30分間制御して曝気を行なった後、
DO制御を停止して停止時の曝気風量を維持しつつ曝気
を継続するとともにDOの変化率を測定し、DOが上昇
し始めるとその屈曲点を演算により検出し、検出後直ち
に曝気を停止して攪拌を開始し、第1曝気槽のORPが
−100〜−400mVの範囲内の所定の設定値になる
と、攪拌を停止して再び曝気を開始する。第1曝気槽と
第2曝気槽の曝気、攪拌の繰り返し処理は、これら2槽
を同期的に連動させて行なう。
【0015】本発明の第3の方法は、第1曝気槽と第2
曝気槽の二つの曝気槽を用いて間欠曝気法を行なうもの
であり、第1曝気槽にはDO計、第2曝気槽にはORP
計を設置しておき、第1曝気槽のDOを0.05〜0.
5mg/l内の所定の値に制御して、0.5〜2.0時
間内の所定の時間曝気を行なった後これを停止して攪拌
を開始し、攪拌時には第2曝気槽のORPの変化率を測
定し、ORPの屈曲点を演算により検出して、検出後直
ちに攪拌を停止して再び曝気を開始する。第1曝気槽と
第2曝気槽の曝気、攪拌の繰り返し処理は、これら2槽
を同期的に連動させて行なう。
【0016】本発明の第4の方法は、第1曝気槽と第2
曝気槽の二つの曝気槽を用いて間欠曝気法を行なうもの
であり、第1曝気槽にはDO計、第2曝気槽にはORP
計を設置しておき、第1曝気槽のDOを0.05〜0.
5mg/l内の所定の値に制御して、0.5〜2.0時
間内の所定の時間曝気を行なった後これを停止して攪拌
を開始し、攪拌時には第2曝気槽のORPを測定し、O
RPが+50〜−100mVの範囲内の所定の設定値に
なると、攪拌を停止して再び曝気を開始する。第1曝気
槽と第2曝気槽の曝気、攪拌の繰り返し処理は、これら
2槽を同期的に連動させて行なう。
【0017】本発明の第5の方法は、第1曝気槽と第2
曝気槽の二つの曝気槽を用いて間欠曝気法を行なうもの
であり、第1曝気槽にはDO計とORP計、第2曝気槽
にはORP計を設置しておき、攪拌時における第1曝気
槽のORPの屈曲点が攪拌開始後5〜60分内の所定の
時間に出現するように、前回までの攪拌工程における屈
曲点の出現時間に基づいてDOの設定値を調節して、第
1曝気槽のDO制御を0.5〜2.0時間内の所定の時
間行なった後これを停止し、次いで攪拌を開始し第2曝
気槽のORPの変化率を測定し、ORPの屈曲点を演算
により検出後直ちに攪拌を停止して再び曝気を開始す
る。第1曝気槽と第2曝気槽の曝気、攪拌の繰り返し処
理は、これら2槽を同期的に連動させて行なう。
【0018】本発明の第6の方法は、第1曝気槽と第2
曝気槽の二つの曝気槽を用いて間欠曝気法を行なうもの
であり、第1曝気槽にはDO計とORP計、第2曝気槽
にはORP計を設置しておき、攪拌時における第1曝気
槽のORPの屈曲点が攪拌開始後5〜60分内の所定の
時間に出現するように、前回までの攪拌工程における屈
曲点の出現時間に基づいてDOの設定値を調節して、第
1曝気槽のDO制御を0.5〜2.0時間内の所定の時
間行なった後これを停止し、次いで攪拌を開始し第2曝
気槽のORPを測定し、ORPが+50〜−100mV
内の所定の値に達した時点で攪拌を停止して再び曝気を
開始する。第1曝気槽と第2曝気槽の曝気、攪拌の繰り
返し処理は、これら2槽を同期的に連動させて行なう。
【0019】本発明の第7の方法は、第1曝気槽と第2
曝気槽の二つの曝気槽を用いて間欠曝気法を行なうもの
であり、第1曝気槽にはDO計とORP計、第2曝気槽
にはORP計を設置しておき、曝気工程終了時における
第1曝気槽のORPが+150〜−100mV内の所定
の値になるように、前回までの曝気工程の第1曝気槽の
ORPの測定値に基づいてDOの設定値を調節して、第
1曝気槽のDO制御を0.5〜2.0時間内の所定の時
間行なった後これを停止し、次いで攪拌を開始し第2曝
気槽のORPの変化率を測定し、ORPの屈曲点を演算
により検出後直ちに攪拌を停止して再び曝気を開始す
る。第1曝気槽と第2曝気槽の曝気、攪拌の繰り返し処
理は、これら2槽を同期的に連動させて行なう。
【0020】本発明の第8の方法は、第1曝気槽と第2
曝気槽の二つの曝気槽を用いて間欠曝気法を行なうもの
であり、第1曝気槽にはDO計とORP計、第2曝気槽
にはORP計を設置しておき、曝気工程終了時における
第1曝気槽のORPが+150〜−100mV内の所定
の値になるように、前回までの曝気工程の第1曝気槽の
ORPの測定値に基づいてDOの設定値を調節して、第
1曝気槽のDO制御を0.5〜2.0時間内の所定の時
間行なった後これを停止し、次いで攪拌を開始し第2曝
気槽のORPを測定し、ORPが+50〜−100mV
内の所定の値に達した時点で攪拌を停止して再び曝気を
開始する。第1曝気槽と第2曝気槽の曝気、攪拌の繰り
返し処理は、これら2槽をとを同期的に連動させて行な
う。
【0021】
【作用】第1の方法は曝気槽を2槽とし、ORP計、D
O計の2種のセンサーを用いて制御を行う。曝気工程に
入ると第2曝気槽のDOの設定値を例えば1.0mg/
lとしてDO制御を行い、同時に曝気を開始した第1曝
気槽とともに硝化反応を進行させる。この状態で20分
程度制御を継続するとDO、曝気空気量もほぼ安定する
ので、この時点でDO制御を止め曝気空気量を固定し、
さらに曝気を継続すると、やがて硝化が終了し活性汚泥
の呼吸速度が低下してDOが急速に上昇してくる。この
硝化に伴うDOの上昇を検出することにより、硝化の終
了を確認することができ、第1の方法ではDO制御の設
定値よりも大きい値、たとえば2.0mg/lをしきい
値に設定しておき、DOがこの値になった時点で硝化の
終了を判断し、曝気を止めて攪拌に移行する。曝気時間
をこのように制御すると、第1及び第2曝気槽において
硝化が進行し、第2曝気槽において確実に硝化が終了す
るまで曝気が継続するとともに、活性汚泥によるリンの
吸収が進行し、各曝気槽内におけるリン濃度が低下す
る。
【0022】続いて攪拌工程では第1曝気槽のORPを
測定し、この値が−300mVに低下するまで攪拌を継
続する。この場合ORPは脱窒が進みNO3 −N濃度が
減少するに従って低下し、通常はその値が+50〜−1
00mV程度で脱窒の終了に対応するが、脱リンのため
にはさらに嫌気性を維持する必要があるので攪拌を継続
すると、やがてORPは−300mVに低下する。OR
Pがこの程度まで低下すると活性汚泥は脱窒を終了し、
さらにリンの吐き出しを終えたと判断することができる
ので、−300mVを設定値とし、ORPがこの値に到
達したとき、攪拌を止め曝気を開始する。なお、この場
合第2曝気槽の脱窒は、通常第1曝気槽よりも遅れる傾
向にあるが、第1曝気槽で脱窒終了後も嫌気条件が維持
されるため、攪拌工程時間内において第2曝気槽でも脱
窒が終了する。
【0023】以上の制御方法において、曝気槽を2槽と
して用いているために、処理水質が原水質の影響を受け
にくいことがある。例えば、攪拌工程においても下水は
流入するが、曝気槽が2槽に分かれているため、下水中
のOrg−N、NH4 −Nが処理水に混入する割合は小
さくなる。さらに活性汚泥からのリンの吐き出しについ
ては、第2曝気槽ではNO3 −Nがしばらく残存してお
り、しかも第1曝気槽に比べ有機物が少なくなっている
ため、嫌気条件においてもリンの吐き出しが起こり難
く、したがってリンが処理水に混入する割合は小さくな
る。
【0024】第2の方法は第1の方法とほぼ同様である
が、第2曝気槽における硝化の終了を検出する方法が第
1の方法とは異なる。即ち、硝化が終了し活性汚泥の呼
吸速度が低下してDOが急速に上昇してくる時点で、D
Oの屈曲点を検出し、検出後直ちに曝気を止めて攪拌に
移行する。
【0025】第3の方法は曝気槽を2槽とし、ORP計
とDO計の2種のセンサーを用いる点は第1の方法と同
様であるが、これらの設置位置が第1の方法とは逆にな
っている。曝気工程の時間を1時間に設定し、第1曝気
槽のDOの設定値を例えば0.2mg/lとしてDO制
御を行い、硝化と脱窒を同時に進行させる(好気性脱
窒)。第2曝気槽はDOを2〜3mg/l程度として硝
化を積極的に進行させ、同時に活性汚泥へのリンの吸収
を行う。そして所定時間経過後、自動的に攪拌工程に移
行する。
【0026】続いて攪拌工程では、先の曝気工程により
第1曝気槽で好気性脱窒が進行しているため、NO3
Nは低濃度であり、短時間で脱窒が終了し、その後活性
汚泥からのリンの吐き出しが行なわれる。また、第2曝
気槽では有機物濃度が低くなっているため、ゆっくりと
脱窒が進行し、同時にORPが低下して行く。ORPは
脱窒が終了した時点で屈曲点を持つので、屈曲点を検出
して攪拌を停止し、曝気に移行する。したがって、第2
曝気槽ではリンの吐き出しは殆ど起こらない。即ち、攪
拌工程では、主として第1曝気槽でリンの吐き出し、第
2曝気槽で脱窒を行う。その他、曝気槽を2槽として用
いているために、処理水質が原水質の影響を受けにくい
点は第1,第2の方法と同様である。
【0027】第4の方法は第3の方法とほぼ同様である
が、第2曝気槽において脱窒の終了を検出する方法が第
3の方法と異なる。即ち、脱窒の終了に対応するORP
は通常+50〜−100mVであるから、これが例えば
−50mVに低下すると脱窒が終了したと判断し、直ち
に攪拌を止めて曝気に移行する。
【0028】第5の方法は曝気槽を2槽とし、第1曝気
槽にDO計とORP計、第2曝気槽にORP計を用い
る。第5の方法は、第3、第4の方法と類似している
が、曝気工程における第1曝気槽のDO制御の設定値
を、攪拌工程における第1曝気槽のORPの屈曲点の出
現時間に基づいて調節する点が異なっている。曝気工程
は時間を1時間に設定し、第1曝気槽におけるDOの設
定値を例えば0.2mg/lとしてDO制御を行い、硝
化と脱窒を同時に進行させる(好気性脱窒)。このDO
設定値は可変とし、後述する攪拌工程における第1曝気
槽のORPの屈曲点の出現時間が所定の時間、例えば攪
拌開始後10分より早ければDO設定値を大きくし、所
定の時間より遅ければ、DO設定値を小さくする。この
ようにしてDOレベルを調節することにより、適度の硝
化、脱窒を同時進行させ、DOが高過ぎてNO3 −Nが
高濃度となり、次工程の脱窒に時間を要し、リンの吐き
出しが不十分となる現象を防止する。第2曝気槽はDO
を2〜3mg/l程度として硝化を積極的に進行させ、
また同時に活性汚泥へのリンの吸収を行う。そして所定
時間経過後、自動的に攪拌工程に移行する。
【0029】続いて攪拌工程では、先の曝気工程により
第1曝気槽では好気性脱窒が進行しているため、NO3
−Nは低濃度であり、短時間で脱窒が終了し、その後活
性汚泥からのリンの吐き出しが行なわれる。また同じく
第1曝気槽ではORPの測定を行ない、屈曲点から脱窒
の終了を検出し、終了が所定の時間付近にありリンの吐
き出し時間が不足しないようDO設定値を調節する。第
2曝気槽では有機物濃度が低くなっているためゆっくり
と脱窒が進行し、同時にORPが低下して行く。ORP
は前述のように脱窒が終了した時点で屈曲点を持つの
で、屈曲点を検出して攪拌を停止し曝気に移行する。し
たがって、第2曝気槽ではリンの吐き出しは殆ど起こら
ない。即ち、攪拌工程では、主として第1曝気槽でリン
の吐き出し、第2曝気槽で脱窒を行う。その他、曝気槽
を2槽として用いているために、処理水質が原水質の影
響を受けにくい点は第1,第2の方法と同様である。
【0030】第6の方法は第5の方法とほぼ同様である
が、第2曝気槽における脱窒の終了を検出する方法が第
5の方法と異なる。即ち、脱窒の終了に対応するORP
は通常+50〜−100mVであるから、これが例えば
−50mVに低下すると脱窒が終了したと判断し、直ち
に攪拌を止めて曝気に移行する。
【0031】第7の方法は曝気槽を2槽とし、第1曝気
槽にDO計とORP計、第2曝気槽にORP計を用い
る。第7の方法は、第5、第6の方法と類似している
が、曝気工程における第1曝気槽のDO制御の設定値
を、曝気工程の終了時における第1曝気槽のORPの値
に基づいて調節する点が異なっている。曝気工程は時間
を1時間に設定し、第1曝気槽におけるDOの設定値を
例えば0.2mg/lとしてDO制御を行い、硝化と脱
窒を同時に進行させる(好気性脱窒)。このDO設定値
は可変とし、前回の曝気工程終了時におけるORP値が
所定の値、例えば20mVより小さければDO設定値を
大きくし、所定の値より大きければ、DO設定値を小さ
くする。このようにしてDOレベルを調節することによ
り、適度の硝化、脱窒を同時進行させ、DOが高過ぎて
NO3 −Nが高濃度となり、次工程の脱窒に時間を要
し、リンの吐き出しが不十分となる現象を防止する。第
2曝気槽はDOを2〜3mg/l程度として硝化を積極
的に進行させ、また同時に活性汚泥へのリンの吸収を行
う。そして所定時間経過後、自動的に攪拌工程に移行す
る。
【0032】続いて攪拌工程では、先の曝気工程により
第1曝気槽では好気性脱窒が進行しているため、NO3
−Nは低濃度であり、短時間で脱窒が終了し、その後活
性汚泥からのリンの吐き出しが行なわれる。第2曝気槽
では有機物濃度が低くなっているためゆっくりと脱窒が
進行し、同時にORPが低下して行く。ORPは前述の
ように脱窒が終了した時点で屈曲点を持つので、屈曲点
を検出して攪拌を停止し曝気に移行する。したがって、
第2曝気槽ではリンの吐き出しは殆ど起こらない。即
ち、攪拌工程では、主として第1曝気槽でリンの吐き出
し、第2曝気槽で脱窒を行う。その他、曝気槽を2槽と
して用いているために、処理水質が原水質の影響を受け
にくい点は第1,第2の方法と同様である。
【0033】第8の方法は第7の方法とほぼ同様である
が、第2曝気槽における脱窒の終了を検出する方法が第
7の方法と異なる。即ち、脱窒の終了に対応するORP
は通常+50〜−100mVであるから、これが例えば
−50mVに低下すると脱窒が終了したと判断し、直ち
に攪拌を止めて曝気に移行する。以上のように、本発明
の第1〜第8の制御方法によれば、高効率で安定した消
化・脱窒、脱リンが可能であり、良好な処理水質を得る
ことができる。
【0034】
【実施例】始めに、本発明を達成するに至った経緯を簡
単に述べ、続いて実施例を説明する。本発明者らは間欠
曝気法による高度処理の研究に従事しており、脱窒に関
しては曝気時間の制御をDOの屈曲点を指標とし、攪拌
時間の制御をORPの屈曲点を指標として行なうことに
より、高効率窒素除去が可能であることを見出し、これ
を特願平2ー223085号により出願中である。本発
明者らはその後も窒素のみならず、リンの除去も行なう
ことを目的に鋭意研究を続けており、間欠曝気法におい
ては曝気槽を直列2槽とすれば高効率の脱窒、脱リンが
可能であるとの知見に基づき、本発明の方法を達成した
ものである。
【0035】次に図面により本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明の第1の方法の制御法が適用される間
欠曝気法の装置および制御システムの構成を示す模式図
である。図1の図11と共通する部分には同一符号を用
いてあり、矢印線の扱いも図11と同じである。図1が
図11に示した従来の間欠曝気法を用いる装置と異なる
点は、曝気槽2を第1曝気槽2aと第2曝気槽2bとの
直列2槽としてあることである。図1において、この装
置は主として、下水1が流入し活性汚泥によって有機
物、窒素、リンが除去される第1曝気槽2aと第2曝気
槽2b、重力沈降によって活性汚泥が分離され処理水3
が得られる最終沈殿池4、沈降した活性汚泥を第1曝気
槽2aに返送する返送汚泥ポンプ5から構成してある。
第1曝気槽2aと第2曝気槽2bの容積比はおよそ1:
1であり、処理水の滞留時間の合計は16〜32時間程
度である。制御系は、第1曝気槽2a内の酸化還元電位
を測定する第1のORP計6a、第2曝気槽2b内の溶
存酸素濃度を測定する第2DO計10b、それらの値に
基づいて第2曝気槽2bのDO制御用のインバーター1
1b、第1曝気ブロワ7a、第2曝気ブロワ7b、第1
攪拌ポンプ8a、第2攪拌ポンプ8bへの制御信号を出
力する制御装置9からなっている。
【0036】このような装置系における本発明の第1の
方法の制御方法を、制御に伴う硝化・脱窒、脱リンの進
行、および有機物除去とともに、図2、図3を併用参照
して説明する。図2(a)〜(d)は第1の方法の制御
を行った場合の第1曝気槽2aの水質変化を示し、それ
ぞれ経過時間に対して(a)はORP,(b)はNH 4
−N,(c)はNO3 −N,(d)はPO4 −Pとの関
係を示す線図である。図2にはこれらの線図と別に、各
線図の横軸の時間に共通な運転条件を併記してある。図
3(a)〜(d)は同様にして第2曝気槽2bの水質変
化を示す線図であり、それぞれ経過時間に対して(a)
はDO,(b)はNH4 −N,(c)はNO3 −N,
(d)はPO4 −Pとの関係を示す線図である。図2と
同じく運転条件を併記してある。
【0037】始めに制御に伴う水質変化を説明する。上
記のように、図2は本発明の第1の方法の制御を実施中
に、任意のタイミングで曝気開始時間を零点として、時
間の経過に伴う水質変化を示したものであり、曝気工程
において、図2における第1曝気槽2aの水質に着目す
ると、攪拌を停止し曝気を開始する時期は第1曝気槽2
a内のORPが−300mVに低下した時であり、した
がってORPは最初は−300mVであり、曝気時間の
経過とともに増大して、曝気終了時(曝気終了の制御に
ついては後述する)には約100mVとなる[図2
(a)]。この期間、硝化が進行してNH4 −Nは減少
し[図2(b)]、NO3 −Nは増加する[図2
(c)]。PO4 −Pは活性汚泥に吸収され濃度が低下
して行く[図2(d)]。図2には示してないが、第1
曝気槽2aのDOは、およそ1mg/lを目処に曝気を
行う。このため曝気空気量は、第2曝気槽2bへの曝気
空気量の20〜30%増しとすればよく、DO制御は特
に必要としない。なおORPのしきい値を−300mV
としたが、この値は水質や水温によって変わり、通常は
−100〜−400mVの範囲内で設定する。
【0038】一方、第1曝気槽2aと連動して曝気を行
っている第2曝気槽2bの水質は図3に示すとおりであ
る。ここで重要なことは、曝気時のDO制御はDO設定
値を1.0mg/lとして20分間行うことである。こ
れは第2曝気槽2bにおいて、有機物除去と硝化を進行
させるために必要な曝気風量を設定するためであり、2
0分間の制御でDO、曝気風量とも安定する。一般に制
御時間は曝気風量の安定性を見ながら、10〜30分の
範囲内で設定する。その後、DO制御を停止し、制御終
了時の曝気風量を維持することにより、DOはほぼ1.
0mg/lに保たれるが、やがて硝化が終了するとその
値は急速に増大する[図3(a)]。これは硝化が終了
し、硝化のための酸素要求が無くなったためであり、こ
のようなDOの増加を検出すれば硝化の終了を確認する
ことができる。本実施例ではDOのしきい値を2.0m
g/lとしてあり、DOがその値になると曝気を停止す
るのである。ここでDO制御の設定値を1.0mg/l
としたが、硝化をより速く進めるために高く設定するこ
ともあり、通常は0.5〜3.0mg/lの範囲内であ
る。またDOのしきい値は、DO制御の設定値より0.
5〜1.0mg/l高めとする。この曝気時間制御にお
ける水質を見ると、NH4 −Nは硝化によってほぼ零と
なり[図3(b)]、これに対応してNO3 −Nは増加
している[図3(c)]。PO4 −Pは活性汚泥に吸収
され低い値となっている[図3(d)]。
【0039】次に攪拌工程を説明する。第2曝気槽2b
と連動して第1曝気槽2aで攪拌が始まると、図2には
示してないがDOは速やかに低下する。DOがほぼ零に
なると、図2に示すように脱窒が始まり、NO3 −Nは
減少し[図2(c)]、NH 4 −Nは下水1の流入に伴
って増加する[図2(b)]。また、PO4 −Pは攪拌
を開始して暫くは濃度が変化しないが、NO3 −N濃度
が低下してほぼ零に近くなると、活性汚泥から放出され
次第に増加して行く[図2(d)]。こうした水質変化
に伴ってORPも変化し、脱窒に伴って低下したORP
値は、−50mV程度で脱窒の終了に対応するが、その
後も急速に低下を続け、やがて−300mVとなる。こ
の時点でPO4 −P濃度を見るとリンの吐き出しはほぼ
終了している。したがって、−300mVまでOPRが
低下すると、脱窒及びリンの吐き出しのための嫌気工程
は終了したとみなし、攪拌を止めて曝気を再び開始する
のである。
【0040】この攪拌工程における第2曝気槽2bの水
質変化は図3の如くである。DOは速やかに低下し[図
3(a)]、その後脱窒が始まってNO3 −Nが低下し
て行く[図3(c)]。ところで脱窒には有機物が必要
であるが、第2曝気槽2bには下水1が直接流入してい
ないため、有機物濃度は第1曝気槽2aに比べて低くな
っている。そのため、脱窒速度は第1曝気槽2aの場合
よりも遅くなり、結果的に脱窒が終了するのは攪拌時間
の終了直前となる。この脱窒の遅れは脱リンに影響を及
ぼす。即ち、既に説明したように、嫌気工程における活
性汚泥からのリンの吐き出しは、脱窒がほぼ終了すると
始まるのであるが、第2曝気槽2bでは脱窒の終了が遅
いため、活性汚泥がリンを放出する時間は殆どなくなっ
てしまう。したがって、[図3(d)]に示すようにリ
ン濃度の増加は僅かであり、第2曝気槽2bから出た水
はリンが低濃度のまま最終沈殿池4に入り、活性汚泥が
分離されて処理水3が得られるのである。また曝気槽が
二つに分離されているため、下水1中のNH4 −Nは第
2曝気槽2bに直接流入せず、その結果NH4 −Nの増
加が少ないので[図3(b)]、処理水中に含まれるN
4 −Nの濃度は低くなる。これは、曝気工程において
処理水に含まれるNO3 −N濃度が低いことにもつなが
る。
【0041】以上、運転制御に伴う窒素、リンの除去に
ついて説明したが、本発明の方法は基本的には活性汚泥
法であるから、活性汚泥処理のメカニズムによって有機
物が除去されるのは言うまでもない。
【0042】次に、再び図1により、本発明の方法が適
用される装置の構成とともに機器の動作を説明する。曝
気槽は二つに分かれており、第1曝気槽2aと第2曝気
槽2bとが、図示してない連結管または通水孔を有する
隔壁を介して接続してある。第1のOPR計6aは第1
曝気槽2aに、第2DO計10bは第2曝気槽2bに取
付け、それぞれ測定値を制御装置9に入力する。制御装
置9では測定値に基づいて機器の動作を制御するが、第
1のOPR計6aの測定値が−300mVになり曝気工
程が始まると、第1曝気槽2aで第1曝気ブロワ7aを
起動し、第2曝気槽2bではインバーター11bを介し
て第2曝気ブロワ7bを起動するとともに、第2DO計
10bを含む制御ループを形成し、通常のフィードバッ
ク制御により20分間のDO制御を行なう。第2DO計
10bの測定値が2mg/lとなったとき、各曝気槽2
aと2bの各曝気ブロワー7a,7bを止め、直ちに第
1攪拌ポンプ8a,第2攪拌ポンプ8bを起動して、攪
拌を行いながら嫌気性の生物反応を進行させる。これら
二つの攪拌ポンプ8a,8bは通常の水中ポンプでよ
い。
【0043】続いて、本発明の第2の方法の実施例を同
じく図面を用いて説明する。第2の方法は、基本的に第
1の方法と同様であり、曝気工程の制御における硝化終
了の検出方法が異なるのみであるから、その点について
のみ説明する。図3に示す第2曝気槽2bの曝気工程に
おいて、DOは1mg/lに20分間制御し、制御終了
後も同様な値を示すが、硝化が終了すると急速に増大す
る。これを図3(a)のDOの変化曲線から見ると、A
点においてDOは屈曲点を持つことになり、屈曲点を検
出すれば硝化の終了を確認することができる。その検出
方法としてはDOの変化率を利用すればよい。なお、変
化率を利用した具体的検出方法は、第3の方法にも関連
しているので、第3の方法の実施例で述べるものとす
る。第2の方法では、屈曲点を検出後直ちに曝気を停止
し、攪拌工程に移行する。以後の制御方法については、
第1の方法と同様であるから説明を省略する。第2の方
法では、硝化終了直後に曝気を停止することができるの
で、第1の方法のようにDOがしきい値まで上昇するの
を待つ必要がなく、硝化により的確に対応した曝気時間
の制御が可能となる。
【0044】次に本発明の第3の方法の実施例を図面に
より説明する。図4は本発明の第3の方法が適用される
間欠曝気法の装置および制御システムの構成を示す模式
図である。図4の図1と共通する部分には同一符号を用
いてあり、矢印線の扱いも図1と同様である。図4が図
1と異なる点は、DO計,ORP計,インバーターの設
置位置にあり、第1DO計10aを第1曝気槽2aに、
第2のORP計6bを第2曝気槽2bに、インバーター
11aを第1曝気ブロワ7aに取り付けたことである。
【0045】この装置系における本発明の第3の方法
を、制御に伴う硝化・脱窒、脱リンの進行、および有機
物除去と併せ、図5,図6を併用参照して説明する。図
5,図6は本発明の第3の方法の制御を実施中に、任意
のタイミングで曝気開始時間を零点として、時間の経過
に伴う水質変化を示したものであり、図5は第1曝気槽
2a、図6は第2曝気槽2bの水質変化を表わす。図5
はそれぞれ経過時間に対して(a)はDO,(b)はN
4 −N,(c)はNO3 −N,(d)はPO4−Pと
の関係を示す線図である。図5にはこれらの線図と別
に、各線図の横軸の時間に共通な運転条件を併記してあ
る。図6はそれぞれ経過時間に対して(a)はORP,
(b)はNH4 −N,(c)はNO3 −N,(d)はP
4 −Pとの関係を示す線図であり、図5と同じく運転
条件を併記してある。
【0046】図5において、曝気工程の時間は60分で
あり、この間第1曝気槽2aにおいては、DO設定値
0.2mg/lとしてDO制御を行う[図5(a)]。
このように低いDOで曝気を行うと、第1曝気槽2aで
は硝化と脱窒が同時に進行し、NH4 −Nは硝化により
減少するが[図5(b)]、NO3 −Nは脱窒のため僅
かしか増加しない現象が生ずる[図5(c)]。またP
4 −Pは活性汚泥に吸収され、濃度が低下して行く
[図5(d)]。なおDOの設定値は、水温や活性汚泥
の濃度により0.05〜0.5mg/lの範囲内の値を
とる。また曝気工程の時間設定は、30〜120分程度
が適切である。一方、第1曝気槽2aと連動して曝気を
行っている第2曝気槽2bの水質は図6に示す如くであ
る。図6には示してないが、ここではDOを2〜4mg
/l程度として曝気を行っている。このような高いDO
で曝気を行うと、硝化菌の活性が高くなり、硝化が活発
に進行して、NH4 −Nはほぼ零まで除去され[図6
(b)]、同時にNO3 −Nが増加し[図6(c)]、
またPO4 −Pは活性汚泥に吸収され濃度が低下して行
く[図6(d)]。
【0047】次に攪拌工程を説明する。60分の曝気工
程が終了すると攪拌工程が始まり、第1曝気槽2aでは
直ちにDOが低下する[図5(a)]とともに、低濃度
のNO3 −Nが脱窒により速やかに除去される。NO3
−Nがほぼ零になると[図5(c)]、活性汚泥からの
リンの吐き出しが始まり、PO4 −P濃度は増加して行
く[図5(d)]。第2曝気槽2bでは曝気工程におい
てDOが高目であったためDOの低下に少し時間を要
し、攪拌開始後しばらく経過して脱窒が始まるが、有機
物濃度が低くなっているため第1曝気槽2aと比べ、脱
窒速度は遅くなっている。やがて脱窒は終了するが、こ
こでORPを見ると、最初150mV程度であったもの
が次第に低下し、NO3 −Nがほぼ零になると、以後急
速に低下している。即ち、脱窒が終了した時点でORP
は屈曲点Bを持つ[図6(a)]。そこでこの屈曲点B
を検出し、検出後直ちに攪拌を停止し曝気工程に移行す
る。こうした制御を行なうと、第2曝気槽2bでは攪拌
工程のほぼ全体にNO3 −Nが残存していることにな
り、結果として活性汚泥からのリンの吐き出しは殆ど起
こらない。
【0048】引き続き、屈曲点の検出方法を図面を用い
て説明する。図7は曝気、攪拌を各2時間行った場合の
ORPの変化を示す線図であり、図6(a)に対応する
ものである。図7によれば攪拌工程では、脱窒の終了に
対応した屈曲点Cが得られている。ここでORP曲線の
傾きを考え、きざみ時間をΔTとして、ΔT時間経過す
る毎に傾きを計算し、n番目のきざみにおける傾きをD
n とする。図8は攪拌工程の経過時間を横軸として、D
n をDn-1 で割った値をプロットした線図である。図8
から明らかなように、屈曲点Cに対応したピークを得る
ことができ、例えばしきい値を3としておけば、Dn
n-1 が3を越えたとき、屈曲点と判定することができ
る。第3の方法においては、制御装置9で上記の演算を
行なうことにより、図6(a)の屈曲点Bを検出するこ
とができる。この演算方法は第2の方法における図3
(a)のDOの屈曲点Aの検出にも利用することができ
る。制御のための機器動作は第1の方法とほぼ同様であ
るから、その詳細は説明を省略するが、DO制御につい
ては第1DO計10a、制御装置9、インバーター11
a、第1曝気ブロワ7aでフィードバックループを形成
して行なう。
【0049】次に本発明の第4の方法の実施例につい
て、図面を用いて説明する。第4の方法は基本的には第
3の方法と同様であり、攪拌工程の制御における脱窒終
了の検出方法が異なるのみであるから、その点に限って
説明する。図6に示す第2曝気槽2bの攪拌工程におい
て、ORPは脱窒が終了する点で屈曲点Bを持つが、B
点のORP値は−50mV程度である[図6(a)]。
本発明者らの研究では、一般に脱窒の終了に対応するO
RP値は+50〜−100mVである。したがって、第
4の方法ではしきい値を+50〜−100mVの範囲内
に設定し、ORPがしきい値まで低下すれば直ちに攪拌
を止めて曝気工程に移行する。しきい値は水質や装置の
運転条件によって異なるので、掲記範囲内で実験的に求
めるのが適切である。この他の制御方法は第3の方法と
同様であるから、その説明を省略する。ORPの測定に
際してノイズが大きく、屈曲点を求める演算の精度が低
い場合は、第3の方法に代えて第4の方法を採用するの
がよい。
【0050】次に本発明の第5の方法を図面を用いて説
明する。第5の方法は基本的には第3,第4の方法と同
様であり、第1曝気槽2aのDO制御におけるDOの設
定値を、第1曝気槽2aのORPの屈曲点の出現時間か
ら調節することのみが異なっている。したがって、ここ
ではその相違についてのみ説明する。図9は第5の方法
における間欠曝気法が適用される装置構成図であり、図
4と異なる点は、第1曝気槽2a内に、第1DO計10
aだけでなく、第1のORP計6aも取り付けてあり、
これらの測定値が制御装置9に入力されることである。
こうして第1曝気槽2aにおいて、DOとORPを測定
した場合、これらは、図10に示す線図のようになる。
即ち、図10は第1曝気槽2aでの水質変化を表わして
おり、それぞれ図10(a)は時間経過に対するDO,
図10(b)は時間経過に対するORPの関係を示す線
図である。図10(a),(b)の両図とも、実線はD
O設定値0.2mg/lの場合、点線はDO設定値0.
5mg/lの場合の変化を示しており、ここでも各線図
の横軸の時間に共通な運転条件を線図と別に併記してあ
る。DO設定値0.2mg/lの場合、図10(a)の
実線で示すように、ORPは曝気工程で−250mVか
ら+20mVまで上昇し、次いで攪拌工程において+2
0mVから−250mVまで低下し、サイクルを形成し
ている。ここで攪拌工程を見ると屈曲点Dが得られてお
り、屈曲点Dにおいて脱窒が終了していることがわか
る。ここでTs は攪拌工程開始後屈曲点Dが現れるまで
の設定時間である。攪拌時間は108分−60分=48
分であり、このうち活性汚泥から48分−Ts 分間リン
の吐き出しが行なわれ、次工程におけるリンの吸収の準
備がなされる。Ts は例えば曝気工程が1時間の場合は
10分程度が適切である。Ts が短すぎると、曝気工程
で硝化が殆ど起こらず、硝化菌の増殖を阻害することが
あり、逆にTs が長すぎると、攪拌工程においてリンの
吐き出し時間が不足するので、Ts の設定は重要であ
る。このように、図10ではDO設定値0.2mg/l
において設定時間Ts に屈曲点Dが現れ、制御は良好と
みなすことができる。
【0051】一方、DO設定値0.5mg/lの場合、
図10(a)の点線で示すように、ORPは曝気工程で
−150mVから+75mVまで上昇し、次いで攪拌工
程において+75mVから−150mVまで低下し、サ
イクルを形成している。攪拌工程では、攪拌開始T時間
後に屈曲点Eが得られている。しかし、この場合リンの
吐き出しに使われる時間は48分−T分であり、図10
(a)からも明らかなように、リンの吐き出しに使われ
る時間としては不十分である。したがって、このような
ときは、屈曲点出現時間TがTs に一致するようにDO
設定値を変える必要がある。この方法は(1)式によ
る。 DOn =DOn-1 +K1 (Ts −Tn ) (1) 但し、DOn :次曝気工程におけるDO設定値 DOn-1 :前曝気工程におけるDO設定値 K1 :比例ゲイン Ts :攪拌工程開始後屈曲点Dが現れるまでの設定
時間 Tn :現攪拌工程において屈曲点Dが現れるまでの
時間 (1)式から、Tn >Ts のときはDO設定値を小さく
し、Tn <Ts のときはDO設定値を大きくすることに
より、屈曲点出現時間Tn がTs に一致するように制御
する。第1のORP計6aの測定値から、屈曲点出現時
間Tn を求める方法は、前述の第3の方法の実施例で説
明したとおりであり、その演算は制御装置9により行わ
れる。なお、(1)式ではTs −Tn を偏差としたが、
n に替えて、現攪拌工程を含むそれまでの数回の攪拌
工程の屈曲点出現時間の移動平均を用いてもよい。
【0052】次に本発明の第6の方法の実施例を簡単に
説明する。第6の方法は基本的には第5の方法と同様で
あり、攪拌工程の制御において脱窒終了の検出方法が異
なるのみである。その検出方法は第4の方法で述べた通
りである。
【0053】次に本発明の第7の方法を図面を用いて説
明する。第7の方法は基本的には第5,第6の方法と同
様であり、第1曝気槽2aのDO制御におけるDOの設
定値を、曝気工程終了時における第1曝気槽2aのOR
Pの値から調節することのみが異なっている。したがっ
て、ここではその相違についてのみ説明する。図10に
おいて曝気工程終了時における第1曝気槽2aのORP
の値を見ると、DO設定値が適切な場合のORPは+2
0mVであり、一方DO設定値が高すぎる場合は+75
mVとORPは大きくなっている。本発明者らの研究で
は、水質が比較的安定している場合、曝気工程終了時に
おける第1曝気槽2aのORPとDO設定値の間には一
定の関係があり、またDO設定値と屈曲点出現時間の間
にも一定の関係があることが分かっている。即ち、曝気
工程終了時における第1曝気槽2aのORPが高いと、
DO設定値も高くなっており、屈曲点出現時間が長くな
る傾向にある。またORPが低いとその逆となる。その
ため、曝気工程終了時におけるORPの値からDO設定
値を調節し、屈曲点出現時間を制御することが可能であ
る。この方法は(2)式による。 DOn =DOn-1 +K2 (ORPs −ORPn ) (2) 但し、DOn :次曝気工程におけるDO設定値 DOn-1 :前曝気工程におけるDO設定値 K2 :比例ゲイン ORPs :曝気工程終了時におけるORPの設定値 ORPn :現曝気工程終了時におけるORPの値 (2)式から、ORPn >ORPs のときはDO設定値
を小さくし、ORPn<ORPs のときはDO設定値を
大きくすることができる。従って、あらかじめ屈曲点出
現時間がTs に一致した場合のORPを実験的に求め、
これをORPsとしておくと(2)式からそれに対応し
たDO設定値を求めることができる。ORPs は通常+
150〜−100mVの範囲内にあるが、水質や装置の
運転条件によって異なるので、実験的に求めるのが適切
である。なお、(2)式ではORPs −ORPn を偏差
としたが、ORPn に替えて、現曝気工程を含むそれま
での数回の曝気工程終了時のORPの移動平均を用いて
もよい。
【0054】最後に本発明の第8の方法の実施例を簡単
に説明する。第8の方法は基本的には第7の方法と同様
であり、攪拌工程の制御において脱窒終了の検出方法が
異なるのみである。その検出方法は第4の方法で述べた
通りである。
【0055】以上、下水処理プロセスの制御方法につい
て、本発明の第1の方法から第8の方法までを説明して
きたが、これらの方法を効果的に利用するためには、第
1及び第2の方法は、曝気工程において硝化の終了を検
出することから、硝化の確実性の要求度が高い場合に用
いるのが適しており、第3及び第4の方法は、第1曝気
槽2aでリンの吐き出し時間を比較的長くとるので、確
実なリン除去の要求度が高い場合に用いるのが適してい
る。第5及び第6の方法は下水1の水質が変動し、第1
曝気槽2aでの好気性脱窒が不安定な場合に採用するの
がよい。さらに第7及び第8の方法は下水1の水質が変
動し、しかもORPの測定値にノイズが多い場合に適切
である。また、第1曝気槽2aと第2曝気槽2bの容積
比を本実施例では1:1としているが、必ずしも同容積
である必要はなく、1:2ないし2:1程度の範囲内で
あれば、ほぼ同様の処理効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】間欠曝気法で脱窒、脱リンを行う場合、
従来は曝気槽を1槽とし、OPR測定値を制御指標とし
て曝気、攪拌の制御がなされてきた。しかし、この方法
では下水が単一の曝気槽に流入するため、未処理のNH
4 −Nが処理水に含まれて流出し易く、また嫌気工程に
おいて活性汚泥から吐き出されたPO4 −Pが処理水に
混入する問題があった。さらに、センサーをOPRにの
み依存しているため、正確に曝気工程の終了点を検出す
ることができないという問題もある。これらを解決する
ためになされた本発明の下水処理プロセスの運転制御方
法は以下の利点を有する。
【0057】即ち、本発明の方法は間欠曝気法における
曝気槽を2槽とし、それらをOPR,DOの二種類のセ
ンサーを用いて制御を行うものであり、より詳細には、
第1及び第2の方法は、第1曝気槽にはORP計、第2
曝気槽にはDO計を設置して、曝気時間は曝気開始後、
第2曝気槽のDOを1.0mg/lに20分間制御し、
その後DO制御を停止して、停止時の曝気風量を維持し
つつ曝気を継続し、硝化の終了に伴うDOの上昇を検出
して曝気を停止し、攪拌時間については第1曝気槽のO
RPが−300mVになると、攪拌を停止して曝気を開
始し、しかも第1曝気槽と第2曝気槽の曝気、攪拌は連
動させる運転制御方法である。
【0058】第3及び第4の方法は、第1曝気槽にはD
O計、第2曝気槽にはORP計を設置して、曝気時間を
60分に設定し、第1曝気槽でDOを0.2mg/lに
制御し、攪拌時間は脱窒終了時のORP値、またはOR
P変化を検出して攪拌を停止し、しかも第1曝気槽と第
2曝気槽の曝気、攪拌は連動させる運転制御方法であ
る。
【0059】第5及び第6の方法は、第1曝気槽にはD
O計と第1のORP計、第2曝気槽には第2のORP計
を設置して、曝気時間を60分に設定し、攪拌工程での
第1のORP計のORPの屈曲点の出現時間からDO設
定値を調節して第1曝気槽のDO制御を行い、攪拌時間
については脱窒終了時の第2のORP計のORP値また
はORP変化を検出して攪拌を停止し、しかも第1曝気
槽と第2曝気槽の曝気、攪拌は連動させる運転制御方法
である。
【0060】また、第7及び第8の方法は、第1曝気槽
にはDO計と第1のORP計、第2曝気槽には第2のO
RP計を設置して、曝気時間を60分に設定し、曝気工
程終了時での第1のORP計のORP値からDO設定値
を調節して第1曝気槽のDO制御を行い、攪拌時間につ
いては脱窒終了時の第2のORP計のORP値またはO
RP変化を検出して攪拌を停止し、しかも第1曝気槽と
第2曝気槽の曝気、攪拌は連動させる運転制御方法であ
る。
【0061】以上のような本発明の第1ないし第8の方
法を行なうことにより、第1及び第2の方法では、曝気
工程において確実に硝化の終了点を検出することができ
るようになり、硝化が不十分で処理水中にNH4 −Nを
残存させたり、あるいは過剰曝気となって次の攪拌工程
での脱窒効率を悪化させることがなくなり、処理水質を
向上させることができる。また、本発明の方法は、装置
系に二つの曝気槽を用いて行なうため、攪拌工程中に下
水中の未処理の有機物やNH4 −Nが沈殿池に流出する
ことが少なくなり、処理水質が向上する。本発明の第3
及び第4の方法も同様の効果を有するが、特に第1曝気
槽においてリンの吐き出し時間を比較的長くとり、しか
も脱窒終了とともに攪拌工程を終了することから、第2
曝気槽でのリンの吐き出しがなくなり、リン除去性能が
一層向上する。本発明の第5、第6、第7及び第8の方
法は、DO設定値を調節して第1曝気槽の好気性脱窒を
安定化させるため、第3及び第4の方法に比べ、より一
層処理水質が向上する。このように、本発明の方法によ
る下水処理プロセスの制御では、従来の方法に比べて大
幅に処理効率、処理水質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の方法が適用される装置構成を示
す模式図
【図2】本発明の第1の方法における第1曝気槽の水質
変化を示し、それぞれ(a)はORP,(b)はNH4
−N,(c)はNO3 −N,(d)はPO4 −Pの時間
経過に対する関係を示す線図
【図3】本発明の第1の方法における第2曝気槽の水質
変化を示し、それぞれ(a)はDO,(b)はNH4
N,(c)はNO3 −N,(d)はPO4 −Pの時間経
過に対する関係を示す線図
【図4】本発明の第3の方法が適用される装置構成を示
す模式図
【図5】本発明の第3の方法における第1曝気槽の水質
変化を示し、それぞれ(a)はDO,(b)はNH4
N,(c)はNO3 −N,(d)はPO4 −Pの時間経
過に対する関係を示す線図
【図6】本発明の第3の方法における第2曝気槽の水質
変化を示し、それぞれ(a)はORP,(b)はNH4
−N,(c)はNO3 −N,(d)はPO4 −Pの時間
経過に対する関係を示す線図
【図7】本発明の第3の方法における時間経過に対する
ORPの変化を示す線図
【図8】本発明における攪拌時間とORPの屈曲点の関
係を示す線図
【図9】本発明の第5の方法が適用される装置構成を示
す模式図
【図10】本発明の第5の方法における第1曝気槽での
水質変化を表わし、(a)は時間経過とDOの関係線
図,(b)は時間経過とORPの関係線図
【図11】従来の間欠曝気法が適用される装置構成を示
す模式図
【符号の説明】
1 下水 2a 第1曝気槽 2b 第2曝気槽 3 処理水 4 最終沈殿池 5 返送汚泥ポンプ 6 ORP計 6a 第1のORP計 6b 第2のORP計 7a 第1曝気ブロワ 7b 第2曝気ブロワ 8a 第1攪拌ポンプ 8b 第2攪拌ポンプ 9 制御装置 10a 第1DO計 10b 第2DO計 11a インバーター 11b インバーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 初又 繁 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−104896(JP,A) 特開 平2−169095(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/30 - 3/34 101 C02F 3/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはORP
    計、第2曝気槽にはDO計を設置しておき、曝気を開始
    後第2曝気槽のDOを0.2〜3.0mg/l内の所定
    の値に10〜30分間制御した後、このDO制御を停止
    して停止時の曝気風量を維持しつつ曝気を継続し、次い
    でDOが0.5〜4.0mg/lの所定の値に達した時
    点で曝気を停止して攪拌を開始し、第1曝気槽のORP
    が−100〜−400mV内の所定の値に達した時点で
    攪拌を停止して再度曝気を開始する前記の曝気及び攪拌
    の繰り返し処理を、第1曝気槽と第2曝気槽とを連動さ
    せて行なうことを特徴とする下水処理プロセスの制御方
    法。
  2. 【請求項2】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはORP
    計、第2曝気槽にはDO計を設置しておき、曝気を開始
    後第2曝気槽のDOを0.2〜3.0mg/l内の所定
    の値に10〜30分間制御した後、このDO制御を停止
    して停止時の曝気風量を維持しつつ曝気を継続するとと
    もに前記DOの変化率を測定し、DOの屈曲点を検出後
    直ちに曝気を停止して攪拌を開始し、第1曝気槽のOR
    Pが−100〜−400mV内の所定の値に達した時点
    で攪拌を停止して再度曝気を開始する前記の曝気及び攪
    拌の繰り返し処理を、第1曝気槽と第2曝気槽とを連動
    させて行なうことを特徴とする下水処理プロセスの制御
    方法。
  3. 【請求項3】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはDO計、
    第2曝気槽にはORP計を設置しておき、第1曝気槽の
    DOを0.05〜0.5mg/l内の所定の値に制御し
    て0.5〜2.0時間内の所定の時間曝気を行なった後
    これを停止し、次いで攪拌を開始し第2曝気槽のORP
    の変化率を測定し、ORPの屈曲点を検出後直ちに攪拌
    を停止して再度曝気を開始する前記の曝気及び攪拌の繰
    り返し処理を、第1曝気槽と第2曝気槽とを連動させて
    行なうことを特徴とする下水処理プロセスの制御方法。
  4. 【請求項4】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはDO計、
    第2曝気槽にはORP計を設置しておき、第1曝気槽の
    DOを0.05〜0.5mg/l内の所定の値に制御し
    て0.5〜2.0時間内の所定の時間曝気を行なった後
    これを停止し、次いで攪拌を開始し第2曝気槽のORP
    を測定し、ORPが+50〜−100mV内の所定の値
    に達した時点で攪拌を停止して再度曝気を開始する前記
    の曝気及び攪拌の繰り返し処理を、第1曝気槽と第2曝
    気槽とを連動させて行なうことを特徴とする下水処理プ
    ロセスの制御方法。
  5. 【請求項5】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはDO計と
    ORP計、第2曝気槽にはORP計を設置しておき、攪
    拌時における第1曝気槽のORPの屈曲点が攪拌開始後
    5〜60分内の所定の時間に出現するように、前回まで
    の攪拌工程における屈曲点の出現時間に基づいてDOの
    設定値を調節して、曝気工程での第1曝気槽のDO制御
    を0.5〜2.0時間内の所定の時間行なった後これを
    停止し、次いで攪拌を開始し第2曝気槽のORPの変化
    率を測定し、ORPの屈曲点を検出後直ちに攪拌を停止
    して再度曝気を開始する前記の曝気及び攪拌の繰り返し
    処理を、第1曝気槽と第2曝気槽とを連動させて行なう
    ことを特徴とする下水処理プロセスの制御方法。
  6. 【請求項6】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはDO計と
    ORP計、第2曝気槽にはORP計を設置しておき、攪
    拌時における第1曝気槽のORPの屈曲点が攪拌開始後
    5〜60分内の所定の時間に出現するように、前回まで
    の攪拌工程における屈曲点の出現時間に基づいてDOの
    設定値を調節して、曝気工程での第1曝気槽のDO制御
    を0.5〜2.0時間内の所定の時間行なった後これを
    停止し、次いで攪拌を開始し第2曝気槽のORPを測定
    し、ORPが+50〜−100mV内の所定の値に達し
    た時点で攪拌を停止して再度曝気を開始する前記の曝気
    及び攪拌の繰り返し処理を、第1曝気槽と第2曝気槽と
    を連動させて行なうことを特徴とする下水処理プロセス
    の制御方法。
  7. 【請求項7】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはDO計と
    ORP計、第2曝気槽にはORP計を設置しておき、曝
    気工程終了時における第1曝気槽のORPが+150〜
    −100mV内の所定の値になるように、前回までの曝
    気工程の第1曝気槽のORPの測定値に基づいてDOの
    設定値を調節して、曝気工程での第1曝気槽のDO制御
    を0.5〜2.0時間内の所定の時間行なった後これを
    停止し、次いで攪拌を開始し第2曝気槽のORPの変化
    率を測定し、ORPの屈曲点を検出後直ちに攪拌を停止
    して再度曝気を開始する前記の曝気及び攪拌の繰り返し
    処理を、第1曝気槽と第2曝気槽とを連動させて行なう
    ことを特徴とする下水処理プロセスの制御方法。
  8. 【請求項8】排水を曝気槽へ連続的に流入させて、曝気
    を行なう好気状態と曝気を停止して攪拌を行う嫌気状態
    とを交互に繰り返して処理を行った後、この処理水を最
    終沈殿池から放流させ、沈殿汚泥は曝気槽へ返送し、排
    水中の窒素、リンを除去する間欠曝気式活性汚泥法を用
    いた下水処理プロセスの制御方法において、曝気槽とし
    て排水が流入する第1曝気槽と、この第1曝気槽に直列
    に連結した第2曝気槽を用い、第1曝気槽にはDO計と
    ORP計、第2曝気槽にはORP計を設置しておき、曝
    気工程終了時における第1曝気槽のORPが+150〜
    −100mV内の所定の値になるように、前回までの曝
    気工程の第1曝気槽のORPの測定値に基づいてDOの
    設定値を調節して、曝気工程での第1曝気槽のDO制御
    を0.5〜2.0時間内の所定の時間行なった後これを
    停止し、次いで攪拌を開始し第2曝気槽のORPを測定
    し、ORPが+50〜−100mV内の所定の値に達し
    た時点で攪拌を停止して再度曝気を開始する前記の曝気
    及び攪拌の繰り返し処理を、第1曝気槽と第2曝気槽と
    を連動させて行なうことを特徴とする下水処理プロセス
    の制御方法。
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