JP2785970B2 - コーン採用型金属拡張アンカーの製造方法 - Google Patents

コーン採用型金属拡張アンカーの製造方法

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JP2785970B2 JP22578389A JP22578389A JP2785970B2 JP 2785970 B2 JP2785970 B2 JP 2785970B2 JP 22578389 A JP22578389 A JP 22578389A JP 22578389 A JP22578389 A JP 22578389A JP 2785970 B2 JP2785970 B2 JP 2785970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、コンクリート等の母材にボルト等を後付け
するのに用いられるアンカーを製造するのに利用される
コーン採用型金属拡張アンカーの製造方法に関するもの
である。 (従来の技術) 従来、電設工事,配管工事,冷暖房ダクト工事,プラ
ント建設,棚取付け工事,金物類取付け工事などをコン
クリート等が施工されたあとで行う場合について、コン
クリート等の母材にボルト等をあと付けするときには、
拡張部を有する金属製のアンカー本体をあらかじめ形成
した穴の中に装入し、次いで拡張部を開かせることによ
ってコンクリートの穴壁に食い込ませるようにした金属
拡張アンカーを用いるようにしている。 この種の金属拡張アンカーとしては、コーンに拡張さ
れる拡張部を有するアンカー本体とコーンとを組み合わ
せたコーン打込み型や本体打込みなどのコーン採用型の
ものや、芯棒の打込みによって拡張される拡張部を有す
るアンカー本体と芯棒とを組み合わせた芯棒打込み型の
ものなどがあり、本発明は前者のコーン採用型金属拡張
アンカーを製造するのに利用されるコーン採用型金属拡
張アンカーの製造方法に係わるものである。 従来、この種のコーン採用型金属拡張アンカーを製造
するに際しては、その素材としてオーステナイト系ステ
ンレス鋼を用い、切削加工を行うことよりコーンによっ
て拡張される拡張部を有するアンカー本体を成形して、
前記拡張部を拡張させるコーンと組み合わせるように
し、コーンを打込んだり(コーン打込み式の場合)、ア
ンカー本体を打込んだり(本体打込み式の場合)して、
前記コーンにより前記アンカー本体の拡張部を拡張して
コンクリート穴壁に食い込ませることによって、アンカ
ー本体をコンクリート固定にし、このアンカー本体にボ
トルやねじ類をねじ込んだり、このアンカー本体にプレ
ートや金物類等を取り付けたりするようにしていた。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来のコーン採用型金属拡張アンカー
では、アンカー本体の素材としてオーステナイト系ステ
ンレス鋼を用いたためコスト高となると共に、切削加工
により成形していたため生産性に劣り、かつまた材料歩
留りよりもよくないという課題を有していた。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題に着目してなされた
もので、コーン採用型金属拡張アンカーのアンカー本体
の素材としてオーステナイト系ステンレス鋼よりも安価
で且つ冷間加工性,靭性,耐銹性のより優れた特定成分
組成のフェライト系ステンレス鋼を使用し、このフェラ
イト系ステンレス鋼素材のより優れた冷間加工性を利用
して圧造加工によってアンカー本体を製作することによ
り生産性を高めると同時に材料歩留りを向上させること
によって素材面だけでなく製造面からコストの低減をは
かり、より優れた靭性および耐銹性によってコンクリー
ト等母材からのアンカーの引抜力を高いものすると共に
腐食および銹の発生をも長期にわたって防止することが
できるコーン採用型金属拡張アンカーの製造方法を提供
することを目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) 本発明に係わるコーン採用型金属拡張アンカーの製造
方法は、重量%で、C:0.020%以下、Si:0.30%以下、M
n:0.50%以下、P:0.020%以下、S:0.010%以下、Cr:16.
0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Mo:3.0%以
下、O:0.010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.040%以
下、Nb/(C+N):10〜20、必要に応じてTi:0.03〜0.5
0%およびZr:0.03〜0.50%のうち1種または2種、残量
Feおよび不純物からなるフェライト系ステンレス鋼素材
に、第1工程として熱間圧延を行ったのち、第2工程と
して2次加工を加えて圧造素材とし、第3工程として前
記圧造素材に圧造加工を加えたのち、第4工程として機
械加工を加えることにより、コーンによって拡張される
拡張部を有するアンカー本体を得る構成をしたことを特
徴としており、このようなコーン採用型金属拡張アンカ
ーの製造方法の構成を上述した従来の課題を解決するた
めの手段としている。 次に、本発明に係わるコーン採用型金属拡張アンカー
の製造方法において用いられるフェライト系ステンレス
鋼の成分組成(重量%)の限定理由について説明する。 C:0.020%以下 Cは添加したNbや不純物中あるいは必要に応じて添加
したTi,Ziなどの炭化物形元素と結合して炭化物を形成
し、析出した炭化物が発銹の起点となって耐食性を低下
させることがあると共に、添加したNbと結合して炭化物
NbCを形成することによりNbの添加効果を低減させて靭
性を劣化させるととなるので、0.020%以下とした。 Si:0.30%以下 Siは鋼溶製時において脱酸作用を有していると共に、
耐酸化性を増大される作用を有しているが、多量に含有
すると冷間加工性や靭性を劣化させるので、0.30%以下
とした。 Mn:0.50%以下 Mnは鋼溶製時において脱酸・脱硫作用を有していると
共に、機械的性質を改善する作用を有しているが、多量
に含有すると冷間加工性を害するので、0.50%以下とし
た。 P:0.020%以下 Pはフェライト系ステンレス鋼の冷間加工性を低下さ
せるのでなるべく少なくしておく必要があり、0.020%
以下とした。 S:0.010%以下 Sはフェライト系ステンレス鋼の冷間加工性を低下さ
せるのでなるべく少なくしておく必要があり、0.010%
以下とした。 Cr:16.0〜25.0% Crはフェライト系ステンレス鋼の基本元素であり、十
分の耐食性を得るために16.0%以上とした。しかし、多
量に含有すると冷間加工性を低下させると共に、靭性を
劣化させるので、25.0%以下とした。 Cu:1.0%以下 Ni:1.0%以下 Mo:3.0%以下 Cu,Ni,Moはフェライト系ステンレス鋼の耐食性をより
一層向上させるたには積極的に添加するものが良いが、
これらの多量添加は冷間加工性および靭性に悪影響を及
ぼし、特にMoによる影響が微著であるので、Cuを含有さ
せるとしても1.0%以下、Niを含有させるとしても1.0%
以下、Mo含有させるとしても3.0%以下とする必要があ
る。 O:0.010%以下 Oは各種元素と結びついて酸化物を形成し、冷間加工
性や耐食性に悪影響を及ぼすので、0.010%以下とし
た。 N:0.025%以下 Nは添加したNbや不純物中あるいは必要に応じて添加
したTi,Zrなどの窒化物形成元素と結合して窒化物を形
成し、析出した窒化物が発銹の起点となって耐食性を低
下させることがあると共に、添加したNbと結合して窒化
物NbNを形成することによりNbの添加効果を低減させて
靭性を劣化されることとなるので、0.025%以下とし
た。 C+N:0.040%以下 CおよびNは前述したように添加したNbと結合して炭
窒化物を形成することによりNbの添加効果を低減させて
靭性を劣化させることとなるので、CおよびNの合計を
0.04%以下とした。 Nb/(C+N):10〜20 Nbはフェライト系ステンレス鋼の靭性を向上させて冷
間加工性を良好なものにするとともに、アンカーの最大
引張強度をより一層高める元素であり、このような効果
を得るためにNb≧(C+N)×10とした。しかし、多量
に含有すると靭性がかえって劣化することとなるので、
Nb≦(C+N)×20とした。 Ti:0.03〜0.50% Zr:0.03〜0.50% TiおよびZrはフェライト系ステンレス鋼の靭性をより
一層向上させて冷間加工性を良好なものにするととも
に、アンカーの最大引張強度をより一層高めるのに有効
であるので、必要に応じてTiは0.03%以上、Zrも0.03以
上の1種または2種を含有させるのもよい。しかしなが
ら、多量に含有させても効果が飽和し、かえって靭性を
劣化させるので、含有させるとしてもTiは0.50%以下、
Zrは0.05%以下とする必要がある。 そして、このようなフェライト系ステンレス鋼から圧
造素材を得るに際しては、上記成分組成をもつ鋼素材に
対し、第1工程として熱間圧延を行う。この熱間圧延に
おいては、1000℃以下の温度で加工率80%以上の熱間加
工を加えるようにすることがとくに望ましい。これは、
熱間圧延すなわち線材圧延加工時に1000℃以下の温度で
加工率(減面率)80%以上の圧延加工を行うことによっ
て、靭性のより一層の向上をはかることができるように
なるためであり、この熱間圧延後に第2工程として2次
加工を加えることによって所定の直径を有する圧造素材
を得る。 第1図は線材圧延加工時の線材圧延加熱温度,加工温
度および加工率(減面率)による靭性(衝撃値)への影
響を調べた結果を例示するものであって、第1図の線I
は線材圧延加熱温度を1200℃としかつ1000℃以下の温度
での加工率(減率面)を0%とし、線IIは線材圧延加熱
温度を1050℃としかつ1000℃以下の温度での加工率(減
面率)を80%とし、線IIは線材圧延加熱温度を1000℃と
しかつ1000℃以下の温度で加工率(減面率)を95%とす
る熱間延を行ない、その後850℃で焼鈍を行ったのちシ
ャルピー衝撃試験を行った場合のん結果を示している。 第1図に示すように、線材圧延加工時に1000℃以下の
温度で加工率(減面率)80%以上を熱間加工を行うこと
によって、シャルピー衝撃値の遷移温度が低下して靭性
が著しく向上することが明らかである。 この第1工程の熱間圧延を行ったあとは、第2工程と
して2次加工を加えることによって圧造素材を得るが、
この2次加工においては、次に例示する実施態様の中か
ら選んで適宜採用することも必要に応じて望ましい。 一実施態様にあたっては第2工程としての2次加工に
おいて1次加工率25%を加工を加えたのち、700〜850℃
の再結晶しない温度での熱処理を行い、被膜処理を施し
たあと減面率%以下の仕上伸線を行って圧造素材とす
る。この場合、1次加工率を25%以上とすることによっ
て必要な結晶粒の微細化をはかり、700〜850℃の再結晶
しない温度で熱処理することによって強度を次工程の圧
造に適したものとすることができるようになる。そし
て、このような熱処理を行ったあと被膜処理を施すに際
しては、修酸塩被膜を形成させるようにし、次工程の圧
造加工においてかじりが発生するのを防いだり、圧造加
工の際の金型寿命を向上させたりすることができるよう
にする。さらに、この被膜処理を施したあとは減面率が
10%以下の仕上伸線を行って圧造素材表面の被膜の密着
性がより一層向上したものとなるようにすることが望ま
しいが、この仕上伸線の際の減面率が10%よりも大きく
なると強度が増大して次工程での圧造性が低下するの
で、減面率10%以下となるようにすることが望ましい。 他方、第2工程としての2次加工の他の実施態様にお
いては、1次加工率30%以上の加工を加えたのち、950
〜1100℃の再結晶する温度での熱処理を行い、被膜処理
を施したあと減面率10%以下での仕上伸線を行って圧造
素材とする。 この場合、1次加工率を30%以上の強加工することに
よって、この後の熱処理において再結晶させることがで
きるようにし、950〜1100℃の再結晶する温度での熱処
理することによって靭性が向上したものとすることがで
きるようになる。このとき、熱処理温度が高すぎると結
晶粒の粗大化をきたすこととなるので、1100℃以下とす
ることが望ましい。そして、このような熱処理を行った
あと被膜処理を施すに際しては、前記実施態様と同様に
修酸塩被膜や樹脂被膜を形成させるようにし、次工程の
圧造加工においてかじりが発生したり、圧造加工の際の
金型寿命を向上さたりすることができるようにし、さら
にこの被膜処理を施したあとは前記実施態様と同様に減
面率が10%以下の仕上伸線を行って圧造素材とする。 このような第2工程において圧造差材を得たのち、第
3工程として前記圧造素材に圧造加工(前方押出し,後
方押出し等)を加えることによりアンカー本体塑成品と
する。この場合、このような圧造加工によってアンカー
本体塑成品の靭性をより一層向上させるものとすること
が可能であり、熱間圧延時に1000℃以下の温度で加工率
95%の熱間加工を加えた第1図の線IIIに示した特性を
もつ圧造素材に対して例えば断面減少率が50%となる冷
間圧造を行った場合には第1図の線IVの破線で示すよう
に靭性がさらに向上したものとなる。 次に、このようにして得たアンカー本体塑成品に対し
て第4工程として機械加工(ひだ取り加工,ローレット
加工,タップ加工,ミーリング加工等)を加えることに
よって、コーンにより拡張される拡張部を有する未表面
処理アンカー本体を得る。 さらに、必要に応じて、前記未表面処理アンカー本体
に対し第5工程として対銹性向上用の表面処理を施す。
この場合の耐銹性向上用の表面処理としては、例えば、
10〜50%の硝酸(HNO3)と0.2〜5%の重クロム酸ソー
ダ(Na2Cr2O7)と含む水溶液を用い、温度25〜90℃,時
間5〜60分の条件とする不動態化処理を施すことができ
る。 このようにして得た未表面処理または表面処理剤アン
カー本体はコーンと共に組み合せて用いられ、アンカー
本体を打込んだり(本体打込み式金属け拡張アンカーの
場合)コーンを打込んだり(内部コーン打込み式金属拡
張アンカーの場合)することにより、あらがじめコンク
リートに形成された穴の壁面に前記拡張部が食い込むこ
とによって固定される。 (実施例) 実施例1 この実験例1は内部コーンを打込む内部コーン打込み
式金属拡張アンカーを例にとって示す。 第1表に示す化学成分の各種ステンレス鋼素材を1200
℃に加熱して直径60mmに鍜造し、さらに線材圧延を行っ
て鋼線材とし、850℃で焼鈍処理を行った。 次に、前記各鋼線材に対し、線材圧延加熱温度を、同
じく第1表に示す値として1000℃以下の温度での加工率
(減面率)が同じく第1表に示す値となるような熱間圧
延条件とする熱間加工を行い、次いで各圧延線材に対し
て2次加工を加えるに際し、同じく第1表に示す1次伸
線加工率,熱処理温度,および被膜処理ならびに減面率
10%以下の仕上伸線による2次加工を加えることによっ
て、直径11.6mmの伸線材を得た。 次いで、第1表のNo.1,2を除く伸線材を切断すること
により第2図に示す圧造素材1を得たのち、第3図
(a)に示す最初の工程の圧造体2からさらに3〜5段
の圧造加工を行うことによって第3図(b)に示すアン
カー本体塑成品3を得た。このとき、アンカー本体塑成
品3の外径Dと内径dとで表わされる断面減少率(d2/D
2)×100(%)は35〜60%程度となるようにするのがよ
り一層良いことが認められた。また、長さLと内径dと
で表される長径比(L/d)は2,5〜3,5程度となるように
するのがより一層良いことが認められた。そして、この
圧造加工における各素材の圧造性は同じく第1表に示す
結果であった。 次に、前記第3図(b)に示したと同じ第4図(a)
に示したアンカー本体塑成品3に対して、第4図(b)
に示すローレット加工部4aを転造盤により形成するロー
レット加工,第4図(c)に示すねじ部4bをタップ盤に
より形成するタップ加工および第4図(d)に示す軸方
向の溝4cを円周方向に90℃間隔で4本だけフライス盤に
より形成するミーリング加工を行うことによって、未表
面処理アンカー本体5を得た。 次に、第4図(d)に示した未表面処理アンカー本体
5に対して、アルカリ性脱脂浴を用いた脱脂→化学研磨
剤を用いた化学研磨剤処理→水洗→中和→アルカリ性研
磨剤(物理研磨処理ともいえるので、前記化学研磨処理
とのいずれが一方のみであってもよい。)→水洗→不動
態化処理(硝酸350cc/,重クロム酸ソーダ3g/,温
度50〜60℃、時間60分)→水洗→乾燥を経る不動態化処
理を施す(ただし、第1表の不動態化処理欄において”
あり”と示したものに施す)ことによって、第5図に示
すような内部コーン6によって拡張される拡張部7aを有
する表面処理アンカー本体7と前記内部コーン6とを組
み合わせた内部コーン採用型コーン打込み金属拡張アン
カー8を得た。また、従来例1,2においては切削加工に
よって金属拡張アンカー(8)を得た。ここで得た金属
拡張アンカー8は、外径が12.0mm,ねじ部4bのねじ径がW
3/8,ねじ長が15mm,全長が40mmのものである。 次に、この表面処理済アンカー本体7の耐銹性を評価
するために、JIS Z2371に準ずる塩水霧吹試験(35℃,5
%NaCl,96時間)を行った。この結果を同じく第1表に
示すが、この第1表において◎は耐銹性がかなり良好で
あったこと、○印は耐銹性が良好であったこと、△印は
耐銹性があまり良好でなかったこと、×印は耐銹性が悪
かったことを示している。 この第5図に示した内部コーン採用型金属拡張アンカ
ー8は、あらかじめコンクリート壁面にこの実施例では
直径12.5mmのドリル穴を形成した状態にして、このドリ
ル穴の中に挿入され、図示しない治具によって内部コー
ン6が打込まれることにより、この内部コーン6によっ
てアンカー本体7の拡張部7aが拡張されてコンクリート
のドリル穴壁面に食い込むことにより固定される。 そして、コンクリート強度200kgf/cm2のコンクリート
に打込んだのちの最大引抜強度を調べたところ、同じく
第1表に示す結果であった。 第1表に示すように、オーステナイト系ステンレス鋼
(SUS304)を素材として切削加工により製作した従来例
No.1のアンカー本体を用いた場合には、最大引抜強度は
良好であるものの、切削加工によるための生産性が悪
く、また材料歩留りも低いとともに、素材コストも高く
つくものであり、また、同じくオーステナイト系ステン
レス鋼(SUS303)を素材として切削加工により製作した
従来例No.2のアンカー本体を用いた場合には耐銹性が若
干劣り、同じくオーステナイト系ステンレス鋼(SUSXM
7)を素材とした比較例No.3の鋼素材では圧造性が悪
く、フェライト系ステンレス鋼(SUS430)を素材として
圧造加工により製作した比較例No.4のアンカー本体を用
いた場合には耐銹性が良くないものであり、フェライト
系ステンレス鋼においてCu,Niを含まない比較例No.5の
アンカー本体を用いた場合には耐銹性があまり良くない
ものであった。 これに対し、所定成分のフェライト系ステンレス鋼を
素材とした圧造素材に対して圧造加工および機械加工を
加えることにより製造したアンカー本体では、圧造加工
時における圧造性が良好であり、耐銹性にも優れている
と共に最大引抜強度が大きい値を示すものとなっている
ことが認められ、第1工程の熱間圧延時に1000℃以上の
温度で加工率80%以上の熱間加工を加えた場合には最大
引抜強度をより一層大きなものとすることが可能であ
り、第2工程の2次加工においても特定の条件を満足さ
せることによって最大引抜強度をより一層大きなものと
することが可能であり、第4工程の機械加工のあとに第
5工程として耐銹性向上用の不動態化処理を施すことに
よって耐銹性をより一層向上できることが認められた。 実施例2 この実施例2はアンカー本体を打込む本体打込み式金
属拡張アンカーを例にとって示す。 第2表に示す化学成分各種ステンレス鋼素材を1200℃
に加熱して直径60mmに鍜造し、さらに線材圧延を行って
鋼線材とし、850℃で焼鈍処理を行った。 次に、前記各鋼線材に対し、線材圧延加熱温度を同じ
く第2表に示す値として1000℃以下の温度での加工率
(減面率)が同じく第2表に示す値となるような熱間圧
延条件とする熱間加工を行い、次いで各圧延線材に対し
て2次加工を加えるに際し、同じく第2表に示す1次伸
線加工率,熱処理温度,および被膜処理ならびに減面率
10%以下の仕上伸線による2次加工を加えることによっ
て、直径13.7mmの伸線材を得た。 次いで、第2表のNo.31,32を除く伸線材を切断するこ
とにより圧造素材を得たのち、第6図(a)に示す最初
の工程の圧造体12そして次に第6図(b)に示す圧造体
12′からさらに2〜5段の圧造加工を行うことによって
第6図(c)に示すアンカー本体塑性品13を得た。この
とき、アンカー本体塑成品13の外径と内径dとで表され
る断面減少率(d2/D2)×100(%)は20〜50%程度とな
るようにするのがより一層良いことが認められた。ま
た、長さLと内径dとで表される長径比(L/d)は2.5〜
3.5程度となるようにするのがより一層良いことを認め
られた。そして、この圧造加工における各素材の圧造性
は同じく第2表に示す結果であった。 次に、前記第6図(c)に示したと同じ第7図(a)
に示したアンカー本体塑成品13に対して、第7図(b)
に示すひだ取り加工部14aを自動盤により形成するひだ
取り加工,第7図(c)に示すねじ部14bをタップ盤に
より形成するタップ加工,および第7図(d)に示す軸
方向の溝14cを円周方向に90℃間隔で4本でけフライス
盤により形成するミーリング加工を行うことによって、
未表面処理アンカー本体15を得た。 次に、第7図(d)に示した未表面処理アンカー本体
15に対して、アルカリ性脱脂浴を用いた脱脂→化学研磨
剤を用いた化学研磨処理→水洗→中和→アルカリ性研磨
剤を用いたバレル研磨(物理研磨処理ともいえるので、
前記化学研磨処理とのいずれか一方のみであってもよ
い。)→水洗→不動態化処理(硝酸350cc/,重クロム
酸ソーダ3g/,温度50〜60℃、時間60分)→水洗→乾
燥を経る不動態化処理を施す(ただし、第2表の不動態
化処理欄において”あり”と示したものに施す)ことに
よって、第8図に示すようなコーン16によって拡張され
る拡張部17aを有するアンカー本体17と前記コーン16と
を組み合わせたコーン採用型本体打込み式金属拡張アン
カー18を得た。また、従来例31,32においては切削加工
によって金属拡張アンカー(18)を得た。ここで得た金
属拡張アンカー18は、外径が14.0mm,ねじ部14bのねじ径
がw3/8,ねじ長が15mm,全長が40mmのものである。 次に、この表面処理済アンカー本体17の耐銹性を評価
するために、実施例1と同じ塩水噴霧試験を行った。こ
の結果同じく第2表に示す。 第8表に示したコーン採用型金属拡張アンカー18は、
あらかじめコンクリート壁面にこの実施例では直径14.5
mmのドリル穴を形成した状態にして、このドリル穴の中
に挿入され、図示しない治具によってアンカー本体17が
打込まれることにより、前記コーン16によってアンカー
本体17の拡張部17aが拡張されてコンクリートのドリル
穴壁面に食い込むことにより固定される。 そして、コンクリート強度200kgf/cm2のコンクリート
に打ち込んだのちの最大引抜強度を調べたところ、同じ
く第2表に示す結果であった。 第2表に示すように、この実施例2においても本発明
例のアンカー本体17の圧造加工時における圧造性が良好
であり、耐銹性にも優れていると共に、このアンカー本
体17とコーン16とを組み合わせた金属拡張アンカー18を
コンクリートに打ち込んだ状態での最大引抜き強度も大
きな値を示すことが認められ、第1工程の熱間延時に10
00℃以下の温度で加工率80%以上の熱間加工を加えた場
合には最大引抜強度をより一層大きなものとすることが
可能であり、第2工程の2次加工においても特定の条件
を満足させることによって最大引抜強度をより一層大き
なものとすることが可能であり、第4工程の機械加工の
あとに第5工程として耐銹性向上用の不動態化処理を施
すことによって耐銹性をより一層向上できることが認め
られた。 [発明の効果] 本発明に係わるコーン採用型金属拡張アンカーの製造
方法は、重量%で、C:0.020%以下、Si:0.30%以下、M
n:0.50%以下、P:0.020%以下、S:0.010%以下、Cr:16.
0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Mo:3.0%以
下、O:0.010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.040%以
下、Nb/(C+N):10〜20、必要に応じてTi:0.03〜0.5
0%およびZr:0.03〜0.50%のうちの1種または2種、残
量Feおよび不純物からなるフェライト系ステンレス鋼素
材に、第1工程として熱間圧延を行ったのち、第2工程
として2次加工を加えて圧造素材とし、第3工程として
前記圧造素材に圧造加工を加えたのち、第4工程として
機械加工を加えることにより、コーンによって拡張され
る拡張部を有するアンカー本体を得るようにしたから、
圧造加工よって成形することにより生産性が著しく向上
すると共に材料歩留りも著しく良好なものとなって製造
面からのコストの低減が可能であり、耐銹性に優れてい
るための銹の発生を防ぐことが可能であると共にコンク
リート壁面等に対するあと付け後の最大引抜強度に著し
く優れたのものであり、しかも従来のオーステナイト系
ステンレス鋼を使用する場合に比べて素材面からもコス
トの低減をはかることが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は線材圧延加工時の線材加熱温度,加工温度およ
び加工率(減面率)による靭性(衝撃値)への影響を調
べた結果を例示するグラフ、第2図は本発明の実施例1
で用いた圧造素材の断面図、第3図(a)および第3図
(b)は実施例1の圧造加工初期および圧造加工終了時
における圧造体の形状を示す断面図、第4図(a)
(b)(c)(d)は実施例1の各仕上げ加工時におけ
るアンカー本体の左半分破断正面図、第5図は実施例1
のコーン採用型内部コーン打込み式金属拡張アンカーの
左半分破断正面図、第6図(a)(b)および第6図
(c)は実施例2の圧造加工初期および圧造加工終了時
における圧造体の形状を示す断面図、第7図(a)
(b)(c)(d)は実施例2の各仕上げ加工時におけ
るアンカー本体の左半分破断正面図、第8図は実施例2
のコーン採用型アンカー本体打込み式金属拡張アンカー
の左半分破断正面図である。 5,15……未表面処理アンカー本体、 6,16……コーン、 7,17……表面処理済アンカー本体、 7a,17a……コーンによる拡張部、 8,18……コーン採用型金属拡張アンカー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−90514(JP,A) 特開 平3−90515(JP,A) 特開 昭63−5842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21K 1/74 C21D 8/06 C22C 38/00 - 38/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.020%以下、Si:0.30%以
    下、Mn:0.50%以下、P:0.020%以下、S:0.010%以下、C
    r:16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Mo:3.0
    %以下、O:0.010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.040
    %以下、Nb/(C+N):10〜20、残部Feおよび不純物か
    らなるフェライト系ステンレス鋼素材に、第1工程とし
    て熱間圧延を行ったのち、第2工程として2次加工を加
    えて圧造素材とし、第3工程として前記圧造素材に圧造
    加工を加えたのち、第4工程として機械加工を加えるこ
    とにより、コーンによって拡張される拡張部を有するア
    ンカー本体を得ることを特徴とするコーン採用型金属拡
    張アンカーの製造方法。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.020%以下、Si:0.30%以
    下、Mn:0.50%以下、P:0.020%以下、S:0.010%以下、C
    r:16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Mo:3.0
    %以下、O:0.010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.040
    %以下、Nb/(C+N):10〜20、Ti:0.03〜0.50%およ
    びZr:0.03〜0.50%のうちの1種または2種、残量Feお
    よび不純物からなるフェライト系ステンレス鋼素材に、
    第1工程として熱間圧延を行ったのち、第2工程として
    2次加工を加えて圧造素材とし、第3工程として前記圧
    造素材に圧造加工を加えたのち、第4工程として機械加
    工を加えることにより、コーンによって拡張される拡張
    部を有するアンカー本体を得ることを特徴とするコーン
    採用型金属拡張アンカーの製造方法。
  3. 【請求項3】第1工程の熱間圧延において、1000℃以下
    の温度で加工率80%以上の熱間加工を加える請求項第
    (1)項または第(2)項に記載のコーン採用型金属拡
    張アンカーの製造方法。
  4. 【請求項4】第2工程の2次加工において、1次加工率
    25%以上の加工を加えたのち、700〜850℃の再結晶しな
    い温度での熱処理を行い、被膜処理を施したあと減面率
    10%以下の仕上伸線を行なって圧造素材とする請求項第
    (1)項,第(2)項または第(3)項のいずれかに記
    載のコーン採用型金属拡張アンカーの製造方法。
  5. 【請求項5】第2工程の2次加工において、1次加工率
    30%以上の加工を加えたのち、950〜1100℃の再結晶す
    る温度での熱処理を行い、被膜処理を施したあと減面率
    10%以下の仕上伸線を行って圧造素材とする請求項
    (1)項,第(2)項または第(3)項のいずれかに記
    載のコーン採用型金属拡張アンカーの製造方法。
  6. 【請求項6】第4工程の機械加工のあとに、第5工程と
    してアンカー本体の表面に耐銹性向上用の表面処理を施
    す請求項第(1)項,第(2)項,第(3)項,第
    (4)項または第(5)項のいずれかに記載のコーン採
    用型金属拡張アンカーの製造方法。
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