JP2785339B2 - クランプ回路 - Google Patents

クランプ回路

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、テレビジョン信号のクランプ回路に関す
るものである。
従来の技術 第6図(a)は、同期信号が画像信号と反対方向に突
き出している、即ち負極同期方式によるテレビジョン信
号の波形例であり、日本の現行方式であるNTSC方式もこ
れにあたる。この方式では、同期信号の分離が容易であ
る反面、映像信号ダイナミックレンジの約30%を同期信
号だけのために費やしS/Nの面で不利である。そこで第
6図(b)に示した様な同期信号を画像信号と同一極性
で付加する、正極同期方式が提案されている。例えば、
特開昭60−163577号「水平同期信号挿入方式」等で既に
示されている。
ところでこの正極同期方式により映像信号から同期信
号を分離するためには、前記NTSC信号のように振幅方向
に分離することができない。そこで垂直帰線期間に、第
7図(b)に示した様な、特別な形をしたフレーム同期
信号を挿入しておき、走査線間の相関を利用してまずフ
レーム同期信号を抜き出し、後に、得られた位置関係を
もとに水平同期信号を抜き出すという手順によって入力
映像信号とテレビジョン受信機の同期再生回路との位相
ロックを行なう。
一方、この映像信号の同期再生や信号処理はディジタ
ル信号処理で行なうのが一般的であり、アナログ−ディ
ジタル変換(以下A/D変換と記す)を行なう必要がある
が、このため入力信号の直流再生クランプを行なう必要
がある。このため前記方式において第7図(a),
(b)に示す様に映像信号中に信号ダイナミックレンジ
の中央値(クランプすべき値)として、クランプレベル
期間が挿入されている。このクランプレベル期間に、示
されたレベルを水平同期信号のようにレベル一定の期間
にクランプパルスによるキードクランプを行なうことに
よって正確な直流再生を行なうことができる。
第4図にこのキードクランプを行なうA/D変換回路を
示す。図中1は、映像信号入力端子、2は前記映像信号
が入力されるクランプ回路、3は前記クランプ回路2の
出力が接続されたA/D変換器、4は前記A/変換器3の出
力が入力された同期再生回路、6はクランプレベル設定
スイッチ、7は前記A/D変換器3の出力と前記同期再生
回路5の出力及び前記クランプレベル設定スイッチ6の
出力が接続されたクランプレベル検出回路、8は前記ク
ランプレベル検出回路7の出力が入力されその出力が前
記クランプ回路2に接続されたD/A変換回路である。な
お前記同期再生回路5の1つの出力は前記クランプ回路
2にも供給されている。
次に動作については説明する。クランプ回路2は例え
ば第8図のように構成されており、入力信号に対してク
ランプパルスによりスイッチ12が閉じられた期間クラン
プレベルとして与えられた直流電位を抵抗γを介してバ
イアスするものである。このクランプパルスは同期再生
回路5によって作られる。一方、クランプレベルは、映
像信号データ中に挿入された前記クランプレベル期間の
データでディジタル的に設定されたクランプレベル設定
値との差のクランプレベル期間中の平均値として与えら
れるものであり、第4図におけるA/D変換器3を含めた
ループにおいてクランプレベル設定スイッチ6で与えた
値を出力する様にクランプされる。
ところで近年のテレビジョンの高画質化の要求に伴っ
てNTSC方式においても、ディジタル信号処理を用いて、
現行受像機との両立性を持った新しい方式が提案されて
いる。従ってNTSC方式の信号についてもA/D変換を行な
う必要性が今後増大してくると思われる。
第5図にNTSC方式の信号を入力とするA/D変換回路の
構成を示す。NTSC方式においては、前述の正極同期方式
信号の例でみられる様にクランプレベル期間を持ってい
ない。通常クランプの基準として使用されるのは水平同
期信号前後ポーチ部にあるペデスタルレベルである。
第9図にA/D変換器ダイナミックレンジ内におけるク
ランプレベルとクランプパルスの設定例を示す。
発明が解決しようとする課題 以上のように、同期信号の異なる方式を入力とするデ
ィジタル信号処理回路においては、それぞれの同期信号
に合ったクランプ回路を備えねばならず、回路が複雑化
するとともにコストの増大につながるという問題点があ
った。
この発明は上記の問題を解決するためになされたもの
で、異なる同期信号をもつ映像信号を入力しA/D変換を
行なう回路において、同期信号に対し自動で対応し得る
映像信号クランプ回路を得ることを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、映像信号の垂直帰線期間に挿入されたクラ
ンプレベル期間の値を参照電圧とするクランプ動作と水
平同期信号期間に設定されたペデスタルレベルを参照電
圧とするクランプ動作とをいずれの方式が入力されたか
を判別する同期判定回路によりクランプレベル基準値及
び、クランプレベル参照位置及びクランプパルス位置を
切替える様に構成したものである。
作用 この発明においては、上述の様に構成したことによ
り、異なる同期信号を持った入力映像信号に対し1つの
クランプ回路によって対応し直流再生を行う。
実施例 以下本発明の一実施例を図について説明する。第1図
は本発明の一実施例によるクランプ回路を示すブロック
図であり図において、1〜5,7,8は従来と同一のもので
あり、詳細な説明は省略する。22は前記同期再生回路5
の出力端に接続された同期判定回路、23は前記クランプ
レベル検出回路7にその出力端が接続され、前記同期判
定回路22より切替信号が入力されるクランプレベル切替
回路、24は前記同期再生回路5の出力信号と前記同期判
定回路22の出力信号が入力され、その出力が前記クラン
プ回路2と前記クランプレベル検出回路7に印加される
クランプ制御パルス発生回路である。
第2図は、本実施例の動作を示す説明用波形図であ
り、同図(a)は入力映像信号としてNTSC信号が入力さ
れた場合を示す。第1図における同期再生回路5は、各
入力信号に対応し得るものとし、入力映像信号に対応し
た発振周波数で発振し位相同期したクロックと各タイミ
ング信号を発生する。また同期判定回路22は、前記同期
再生回路5が、同期した信号周波数、例えば、水平周波
数15.75KHz等より入力信号がNTSC信号であることを判断
し、その出力をクランプ制御パルス発生回路24へ入力す
る。これにより、このクランプ制御パルス発生回路24
は、直流レベルサンプルパルスとして、各水平同期信号
内にあるペデスタルレベルで規定された部分のデータを
取り出すラッチパルスを前記クランプレベル検出回路7
へ出力する。このクランプレベル検出回路7は、第3図
のように構成されている。
同図において、入力された映像信号データは、まず減
算器13においてクランプレベル設定値と減算される。こ
のクランプレベル設定値は第1図のクランプレベル切替
回路23によって入力信号に対応して切替られたものであ
る。次に加算器14によりラッチ回路15の出力と加算され
る。これによりこのラッチ回路15の出力は、直流レベル
サンプルを行なった値とクランプレベル設定値との差の
累計を示すことになる。次にこの出力を割算器17によっ
てサンプル個数を示すカウンタ16の出力で割ることによ
りクランプレベルの算出を行なう。クランプレベルのデ
ータはラッチ回路18にラッチされ前記クランプ制御パル
ス発生回路24によって作られたフィールド毎のリセット
パルスによって更新される。このクランプレベルデータ
は、D/A変換器8によってアナログ量に変換され、クラ
ンプパルス期間入力映像に加算され、クランプ動作を行
なう。
一方、正極同期信号が付加された映像信号において
は、第2図(b)に示す様に、クランプ制御パルス発生
回路24によって、直流レベルサンプルパルスをクランプ
レベル期間に複数個配置し、各データの平均をクランプ
レベルデータとすることによりクランプ動作を行なう。
発明の効果 以上のように、この発明に係るクランプ回路によれ
ば、同期信号の異なる映像信号に対して、自動で各信号
に対応したクランプを行なうことができ、いずれの場合
も複数のサンプル点の平均値をクランプレベルとするこ
とから安定なものが得られる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるテレビジョン信号の
クランプ回路のブロック図、第2図は本発明の一実施例
における動作を説明するための波形図、第3図はクラン
プレベル検出回路の構成を示すブロック図、第4図,第
5図はそれぞれ従来例によるクランプ回路のブロック
図、第6図は、負極同期及び正極同期信号を用いた映像
信号の波形図、第7図は正極同期を付加した映像信号形
式の一例を示す説明図、第8図はアナログクランプ回路
の構成を示すブロック図、第9図は正極同期、負極同期
信号におけるクランプ位置及びレベルの例を示す説明図
である。 1……入力端子、2……アナログクランプ回路、3……
A/D変換器、4……出力端子、5……同期再生回路、7
……クランプレベル検出回路、8……D/A変換器、13…
…減算器、14……加算器、15……ラッチ回路、16……カ
ウンタ回路、17……割算回路、18……ラッチ回路、22…
…同期判定回路、23……クランプレベル切替回路、24…
…クランプ制御パルス発生回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アナログ映像信号よりディジタル映像信号
    データを得るA/D変換器と、前記A/D変換器の前段に位置
    するアナログクランプ回路と、前記ディジタル映像信号
    データより、当該映像信号に位相同期した水平同期信
    号、垂直同期信号並びにクロックパルスを再生可能な同
    期再生回路と、前記映像信号データよりクランプレベル
    を検出するクランプレベル検出回路と、前記クランプレ
    ベル検出回路の出力データをアナログ信号に変換するD/
    A変換器を備え、このD/A変換器の出力を前記アナログク
    ランプ回路にフィードバックするクランプ回路であっ
    て、前記同期再生回路の出力より入力映像信号の方式を
    判定する手段と、その判定結果によって前記クランプレ
    ベル検出回路の参照電圧の参照位置及び参照電圧と比較
    を行なう基準値及び前記アナログクランプ回路に与える
    クランプパルス位置を変える手段を備えたことを特徴と
    するクランプ回路。
  2. 【請求項2】入力映像信号としてNTSC方式の信号が入力
    された場合、クランプレベルの参照位置として水平同期
    期間のペデスタルレベルを示す位置を選び、フィールド
    単位でのそれら参照電圧の平均よりクランプレベルを算
    出することを特徴とした特許請求の範囲第(1)項記載
    のクランプ回路。
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