JP2784588B2 - 建設機械のトルク制御装置 - Google Patents

建設機械のトルク制御装置

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JP2784588B2
JP2784588B2 JP1103669A JP10366989A JP2784588B2 JP 2784588 B2 JP2784588 B2 JP 2784588B2 JP 1103669 A JP1103669 A JP 1103669A JP 10366989 A JP10366989 A JP 10366989A JP 2784588 B2 JP2784588 B2 JP 2784588B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建設機械、とりわけリッパ装置を有した
ブルドーザのトルク制御装置に関し、特に作業状況(環
境)、上記リッパ装置の操作状態およびブルドーザの牽
引力に応じて現在発生しているスリップを有効に防止す
ることができるトルク制御装置に関する。
〔従来の技術〕 ブルドーザには、後方アタッチメントとしてリッパ作
業を行なうリッパ装置を備えたものがある。
このリッパ装置付ブルドーザでは、リッピング作業時
にリッパジャンクが岩石等に当ってリッピング負荷が大
となると履帯がスリップして作業効率が低下する。この
場合、オペレータとしては、エンジンの出力をデクセル
ペダル等で調整するとともに、上記リッパ装置の操作レ
バーを操作して、上記リッピング負荷を低減させて、履
帯のスリップを防止する。
しかし、デクセルペダルの調整と操作レバーの操作を
共に行ない、履帯のスリップを防止することは、オペレ
ータに相当の熟練を課すことになる。
そこで、本出願人は、リッピング作業中に履帯のスリ
ップ率が所定値以上になると、予め定められた牽引力特
性が得られるようエンジンのトルクを制御して、履帯の
スリップを自動的に防止することができる履帯スリップ
防止法を特許出願している(特願昭62−231116号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記特許出願に係る発明では、履帯のスリップ率によ
ってスリップが発生していることを判定している。一
方、またスリップが発生していることが判定された場合
に、リッパ装置の操作状態に応じて牽引力特性をスリッ
プが発生しないように可変している。
ところが、実際には履帯のスリップ率以外にも履帯の
スリップの発生の有無を判定するためのファクターが存
在し、スリップ率とこれ以外のファクターによる総合的
な判定の方がより正確に履帯のスリップの判定を行なう
ことができることが本発明者等によって明らかになっ
た。
また、リッパ装置の操作状態に応じて一義的に牽引力
特性を設定する場合には、リッパ装置の操作状態以外の
要素によってはエンジンのトルクに余裕があるのに作業
のスピードが遅いままであったり、負荷に負けてしまう
ことがあることが同発明者等によって明らかになった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたもので、履
帯のスリップの判定と牽引力特性の決定とを適切に行な
うことのできる建設機械のトルク制御装置を提供するこ
とをその目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
そこでこの発明では、予設定牽引力特性に従がって建
設機械のエンジンのトルクを制御する建設機械のトルク
制御装置において、前記建設機械の対地速度を検出する
対地速度検出手段と、前記建設機械の駆動輪の回転速度
を検出する駆動輪回転速度検出手段と、前記建設機械の
牽引力を検出する牽引力検出手段と、前記建設機械の作
業機の操作状態を検出する作業機操作状態検出手段と、
前記建設機械の作業状況に応じて複数の作業モードが設
定され、これら複数の作業モードを選択する作業モード
選択手段と、前記複数の作業モードに各対応して複数の
前記予設定牽引力特性を設定する予設定牽引力特性設定
手段と、前記作業モード選択手段によって選択された作
業モードに対応する予設定牽引力特性を前記予設定牽引
力特性設定手段の設定内容から選択する予設定牽引力特
性選択手段と、前記対地速度検出手段によって検出され
た対地速度と前記駆動輪回転速度検出手段によって検出
された駆動輪の駆動速度とに基づいて、前記駆動輪のス
リップ率を演算するスリップ率演算手段と、前記対地速
度検出手段および前記駆動輪回転速度検出手段および前
記牽引力検出手段および前記作業機操作状態検出手段の
各出力並びに前記作業モード選択手段で選択された作業
モードおよび前記スリップ率演算手段の演算結果に基づ
いて、スリップが発生しているか否かを判定するスリッ
プ判定手段と、前記スリップ判定手段によってスリップ
が発生していることが判定された場合に、前記作業機操
作状態検出手段によって検出されている作業機の操作状
態および前記牽引力検出手段によって検出された牽引力
に応じて前記予設定牽引力特性選択手段によって選択さ
れた予設定牽引力特性を補正する牽引力特性補正手段
と、前記牽引力特性補正手段によって補正された牽引力
特性に従がって前記エンジンのトルクを制御する制御手
段とを具えるようにする。
〔作用〕
かかる構成によれば、スリップの判定は、スリップ率
のみならず、対地速度検出手段および駆動輪回転速度検
出手段および牽引力検出手段の各出力および作業モード
選択手段で選択された作業モードに基づいて、正確に行
なわれる。
さらにスリップが発生していることが判定された場合
には、牽引力特性は作業機の操作状態のみによって決定
されるのではなくて、作業モード選択手段によって選択
された作業モードに応じた予設定牽引力特性が選択され
るとともに、さらにこの特性が牽引力検出手段で現在検
出されている牽引力、つまりスリップが発生した時点の
牽引力に応じて適切に補正される。
したがって、上記適切に補正された牽引力特性にした
がい、エンジンのトルクを制御することで、その作業現
場の環境および作業機の操作状態が変化したとしても負
荷に負けることなく、かつトルクに余裕がある時は、建
設機械のスピードをアップできる作業を常に行なうこと
ができる。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明に係る建設機械のトルク制
御装置の実施例を説明する。
なお、実施例ではリッパ装置付のブルドーザがリッピ
ング作業およびドージング作業を行なう場合を想定して
いる。
第1図は、実施例の装置の構成を概略的に示す。
同図に示すように、ブルドーザの車体1の両側には左
右一対の履帯2,2が装着されているとともに、車体1の
前方には、ブレードシリンダ4の縮退・伸張に応じて上
昇・下降するブレード3が配設されている。一方、車体
1の後方には、リフトシリンダ6の縮退・伸張に応じて
上昇・下降するリッパシャンク5がチルトシリンダ7の
作動に応じてチルト自在に装着されている。これらリッ
パシャンク5、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ
7は、リッパ装置8を構成している。
スロットルレバー14は、エンジン9の目標回転数を設
定する操作レバーであり、同レバー14で目標回転数が設
定されると、ガバナ10、燃料噴射ポンプ11を介して、設
定された目標回転数となるようにエンジン9のトルクが
制御される。このスロットルレバー14で設定された目標
回転数は、目標回転数検出センサ14aで検出される。
デクセルペダル12は、エンジン9のトルクを減少させ
る踏込みペダルであり、同ペダル12が踏込まれると、同
ペダル12に付設したストローク量検出センサ13によって
踏込ストローク量が検出され、同ストローク量に比例し
てエンジン9のトルクが減少する。
作業機ポンプ15は、エンジン9によって駆動され、作
業機ポンプ15の吐出圧油は、作動油タンク16内に設けた
操作弁を介して上記リフトシリンダ6、チルトシリンダ
7の縮退側および伸張側のシリンダ室にそれぞれ供給さ
れる。
リッパ装置用レバー28は、リッパシャンク5のリッパ
アップ、リッパダウンおよびリッパチルトを行なうため
の手動操作レバーであり、同レバー28の操作に応じて上
記操作弁の弁位置が移動されて、上記リフトシリンダ
6、チルトシリンダ7の縮退側および伸張側のシリンダ
室に所要に圧油が供給される。
しかして、上記リッパ装置用レバー28の操作位置およ
び操作量に応じて、リッパシャンク5のリッパアンプ、
リッパダウンおよびリッパチルトが選択操作されるとと
もに、リップアップ、リッパダウンおよびリッパチルト
の各作業スピードをコントロールすることができる。
上記リッパ装置用レバー28には、同レバー28の操作位
置、つまりリップアップ、リッパダウン、リッパチルト
の別を検出するスイッチ式のレバー操作検出センサ28
a′(リッパアップスイッチ28a,リッパダウンスイッチ2
8b、リッパチルトスイッチ28c)が付設されている。
第2図は、第1図に示すブルドーザの伝導機構の上面
図である。
同図に示すように、エンジン9の出力は、トルクコン
バータ17に、トルクコンバータ17の出力は変速機18を介
して横軸19に伝達される。
そして横軸19の駆動力は、横軸19の左右に設けられた
操向クラッチブレーキ20,20、終減速機21,21さらにスプ
ロケット22,22にそれぞれ伝達される。スプロケット22,
22は、左右の履帯2,2にそれぞれ歯合している。しかし
て左右の履帯2,2は、変速機18の入力トルク、変速機18
の入力軸からスプロケット22,22までの総減速比に応じ
た牽引力を以て、駆動回転される。
さらに、エンジン9の出力軸、トルクコンバータ17お
よび変速機18には、それぞれエンジン9の回転数を検出
するエンジン回転検出センサ23、トルクコンバータ17の
出力軸の回転数を検出するトルクコンバータ出力回転セ
ンサ24および変速機28で選択されている速度段を検出す
る速度段検出センサ25がそれぞれ配設されている。この
速度段検出センサ25は、スイッチ式のセンサであり、た
とえば、速度段前進1速の検出は、1速スイッチ25aに
て行なわれる。
一方、第1図に示すように、作動油タンク16、運転席
の下方の所要位置および運転席前方には、作業機ポンプ
15の吐出圧を検出する作業機ポンプ圧力センサ26と、車
体1の前後の加速度を検出する車体前後加速度センサ27
と、後述するブルドーザの運転条件を選択するとともに
オペレータに必要なモニタ情報を与えるモニタパネル29
がそれぞれ配設されている。
上記ストローク量検出セン13、目標回転数検出センサ
14a、エンジン回転検出センサ23、トルクコンバータ出
力回転センサ24、速度段検出センサ25、作業機ポンプ圧
力センサ26、車体前後加速度センサ27、レバー操作検出
センサ28a′の各出力およびモニタパネル29の選択結果
はコントローラ30のCPU30aに加えられる。
すなわち、CPU30aは、運転条件設定部31と、牽引力演
算部32と、履帯速度演算部33と、車体速度演算部34と、
スリップ率演算部35と、スリップ判定部36と、エンジン
トルク制御部37とを具えている。
またコントローラ30は、CPU30bとCPU30cとを具えてお
り、CPU30bは、牽引力特性修正部40を中心として構成さ
れ、またCPU30cは、モニタ情報作成部38を中心に構成さ
れている。
モニタ情報作成部38の出力は上記モニタパネル29に出
力される。
以下、コントローラ30で行なわれる制御態様について
順を追って説明する。
まず、CPU30aで行なわれる処理について第3図から第
4図の制御ブロック図を併せ参照して説明する。
モニタパネル29は、第3図に示すように、スリップコ
ントロール(シュースリップコントロール(SSC))ス
イッチ29a,スリップコントロールモード選択スイッチ29
b、岩盤モードスイッチ29c、岩盤モードスイッチ29dを
有している。
スリップコントロールスイッチ29aは、スリップ防止
のためのエンジントルク制御(スリップコントロール)
を行なうか否かを選択するスイッチであり、同スイッチ
29aが押動されると、スリップコントロールを行なうこ
とを示す信号SSCが運転条件設定部31に入力される。
また、スリップコントロールモード選択スイッチ29b
は、ブルドーザの作業条件(環境)つまり土質に応じて
オペレータが任意に1から5の土質モードを選択する土
質モードスイッチである。同スイッチ29bが選択、押動
されると、選択された土質モードを示す信号1から5が
運転条件設定部31に入力される。なお、実施例では、作
業条件として土質のみとしているが、他の作業条件を付
加する実施もまた可能である。これら、スリップコント
ロールスイッチ29aおよびスリップコントロールモード
選択スイッチ29bは、リッパ装置8によってリッピング
作業を行なう場合にそれぞれ押動、選択が行なわれるこ
とになる。
一方、岩盤モードスイッチ29c,29dは、ブレード3に
よってドージング作業を行なう場合に使用される土質モ
ードスイッチである。すなわち岩盤が硬い場合には、ス
イッチ29cが、岩盤が軟かい場合には、スイッチ29dが、
それぞれ押動され、それぞれの土質モードを示す信号6,
7が運転条件設定部31に入力される。
また、運転条件設定部31には、1速スイッチ25aの出
力並びにリッパアップスイッチ28a、リッパダウンスイ
ッチ28b、リッパチルトスイッチ28cの各出力がそれぞれ
加えられる。
運転条件設定部31では、まずスリップコントロールを
行なうか否かの判断を行なう。
すなわち、1速スイッチ25aによって速度段が前進1
速であることが検出され、かつリッパダウンスイッチ28
bまたはリッパチルトスイッチ28cによってリッパ5がダ
ウンまたはチルトしていることが検出され、かつスリッ
プコントロールスイッチ29aによってスリップコントロ
ールの選択がなされ、かつスリップコントロールモード
選択スイッチ29bによって、土質モード1〜5の選択が
なされている場合には、スリップコントロールを行なう
ことと判断する。
それ以外の場合には、スリップコントロールを行なわ
ないと判断する。さらに、スリップコントロールモード
選択スイッチ29bおよび岩盤モードスイッチ29c,29dによ
っていずれの土質モード1〜7の選択がなされていない
場合は、マニュアル状態、つまり手動でスリップコント
ロールを行なうものと判断する。
そして、運転条件設定部31は、土質モード1,2,3,4,5,
6,7,およびマニュアル状態0を内容とするモード信号M
を土質モードの選択およびマニュアル状態の判定に応じ
てスリップ判定部36およびエンジントルク制御部37に出
力するとともに、スリップコントロールを行なうことと
判断された場合にスリップコントロール信号をエンジン
トルク制御部37に出力する。
また、運転条件設定部31の図示していないメモリに
は、モード信号1〜7に応じて基本牽引力特性が記憶、
格納されている。たとえば、第5図に示すようにモード
信号1〜5に各対応して基本牽引力特性L1〜L5が記憶、
格納されている。
同図に示すように各牽引力特性L1,L2,L3,L4,L5の折れ
点P1.P2.P3,P4,P5における基本牽引力FOは、F01,F02,F
03,F04,F05のごとく土質モードに応じて異なる値となっ
ている。また、基本牽引力の各ラインの傾きM,Nは各特
性共同一の値である。が傾きM,Nを土質モードに応じ
て、つまり基本牽引力特性L1〜L5に応じて異ならせるよ
うにしてもよい。
さらに、上記メモリには、モード信号1〜5に応じて
スリップ判定部36でスリップ判定を行なうための判定基
準データDT1〜DT5が記憶、格納されている。
さらにまた上記メモリには、後述するリッパ操作時修
正係数KL…がモード信号1〜5およびリッパ操作(リッ
パアップ、リッパダウン、リッパチルト)に応じて記憶
されている。
これら判定基準データDT1〜DT5並びに基本牽引力特性
L1〜L5の内容およびリッパ操作時修正係数KL…は、スリ
ップ判定部36並びにエンジントルク制御部37において必
要に応じて読み出され使用される。
以上のような処理が運転条件設定部31で行なわれる
(第3図BLC1参照)。
つぎに履帯速度演算部33で行なわれる処理について説
明する。
履帯速度演算部33では、トルクコンバータ出力回転セ
ンサ24で検出されるトルコン出力軸回転数NTと速度段検
出センサ25で検出される速度段と変速機18からスプロケ
ット22までの総減速比に基づいて履帯2の速度νが演
算される。なお、履帯速度νは、スプロケット22の回
転数を直接検出することにより求める実施もまた可能で
ある。
つぎに牽引力演算部32で行なわれる処理について説明
する。
まず、トルクコンバータ出力軸回転センサ24で検出さ
れたトルコン出力軸回転数NTとエンジン回転検出センサ
23で検出されたエンジン回転数Neとに基づいて、e値が
次式にて演算される。
e=NT/Ne (1) そして次に、上記(1)で求められ4たe値に基づい
て、プライマリトルク係数tpが第3図のBCL2内に示すグ
ラフより求められる。
そして次に上記求められたプライマリトルク係数tpと
エンジン回転検出センサ23で検出されたエンジン回転数
Neとに基づいてトルコン入力軸吸収トルクteが下記
(2)式にて求められる。
te=tp×(Ne/1000) …(2) また、上記(1)式で得られたe値に基づいてトルク
比tが第3図のBLC2内に示すグラフより求められる。そ
してこの得られたトルク比tと上記(2)式で得られた
トルコン入力軸吸収トルクteと所定の係数K1とに基づい
て牽引力Fが下記のごとく算出される(第3図のBLC2参
照)。
F=K1・t・te …(3) なお、牽引力Fは、変速機18の入力トルクと、変速機
18の入力軸からスプロケット22までの総減速比と、同動
力伝達効率とに基づいて求める実施も可能であり、また
トルクセンサ等によって直接検出する実施もまた可能で
ある。
つぎに車体速度演算部34で行なわれる処理について説
明する。
車体1の加速度は、実車速νに基づく加速度α=dν
/dtおよび車体(路面)傾斜θによる加速度α=g・s
inθおよび車体振動による加速度αの合成加速度であ
るから、検出された加速度からこれら傾斜、振動による
加速度α1を除去して、実車速νのみによる加速度
αを求め、この加速度αを積分すれば実車速νが得られ
ることになる。基本的には以上の処理が車体速度演算部
34で行なわれる。
なお、車体速度νは、加速度の積分によって求めるの
ではなくて、ドップラセンサ等所要のセンサを使用して
直接検出するようにしてもよい。
まず、車体前後加速度センサ27で検出された加速度
α′をローパスフィルタを通して車体振動による加速度
αを除去して、傾斜、実車速のみによる加速度α all
を求める。
そして、つぎに上記加速度α allから傾斜つまり重力
加速度成分(α)を除去して、実車速νのみによる加
速度αを求める。
さらにこの求められた加速度αに基づいて実車速νの
初期値をν、K2を所定の定数として実車速νを次式に
て求め得る。
ν=K2・∫αdt+ν …(4) ここで重力加速度成分(α)の算出および実車速の
初期値νの算出、つまり実車速νを算出する際の補正
処理について説明するが、この場合は以下に示すように
補正1、補正2、補正3の処理、判断に応じて補正処理
1、補正処理2が実行されることになる。
補正1 まず、履帯速度演算部33で演算された履帯速度ν
上記(4)式で演算された実車速νとの偏差ν−νと
してすべり速度νsが求められる。
つぎに上記すべり速度νsを25msec毎に演算、記憶し
て、5回分のすべり速度νsを得る。
そしてつぎに5回分のすべり速度νsが得られた時点
で5回分のすべり速度νsに基づくすべり加速度αsを
最小二乗法によって求める。同時に5回分のすべり速度
νsのバラツキSが求められる。
そしてつぎに上記すべり加速度αs、バラツキSがそ
れぞれ所定のしきい値以内にあるか否かが判断され、両
者共に所定のしきい値以内である場合に車体傾斜による
すべり加速度が発生しているものと判定し、以下の処理
1を実行する。
補正2 まず、履帯速度演算部33で演算された履帯速度ν
上記(4)式で演算された実車速νとに基づいて、実車
速νが履帯速度νよりも大きいか否かが判断される。
実車速νが履帯速度νよりも大きいことが判断され
た場合には、上記(4)式の積分演算誤差または傾斜に
よる重力加速度成分の変動と判断し、以下の補正処理1
を実行する。
補正3 まず、上記(4)式で演算された実車速νが負である
か否かが判断される。
実車速νが負である場合も、上記補正2と同様の判断
をして、以下の補正処理1を実行する。
補正4 まず、履帯速度演算部33で演算された履帯速度ν
1速スイッチ25aの出力とに基づいて、発進時(変速N
→F1)または、トルコンストール後発進時であるか否か
が判断される。
発進時またはトルコンストール後発進時であることが
判断された場合には、以下の補正処理2を実行する。
補正処理1 まず、補正1によって求められたすべり加速度αsに
より、重力加速度成分を以下のように修正する。
重力加速度成分(新) =重力加速度成分(旧)−αs …(5) つぎに実車速の初期値νを再セットするが、補正1,
2,4の場合には、履帯速度νを初期値とし、補正3の
場合は、初期値0とする。
補正処理2 発進後0.5秒間の平均加速度を計算し、これを重力加
速度成分としてセットする。
ただし、発進後0.5秒の間に実車速νが履帯速度ν
の80%から100%の範囲に入っていない場合は、補正処
理1を実行するものとする。
車体速度演算部34では、以上のような処理が実行され
る(第3図のBLC3参照)。
つぎにスリップ率演算部35およびスリップ判定部36で
行なわれる処理について第4図を参照しつつ説明する。
スリップ率演算部35では、車体速度演算部34で演算さ
れた実車速νと履帯速度演算部33で演算された履帯速度
νとに基づいてスリップ率SLIPが次式にて算出され
る。
SLIP=1−ν/ν …(6) スリップ判定部36では、上記スリップ率演算部35で演
算されたスリップ率SLIPのみならず、運転条件設定部31
から出力されるモード信号Mおよび判定基準データDT1
〜DT5および履帯速度演算部33で演算された履帯速度ν
および1速スイッチ25aの出力および牽引力演算部32
で演算された牽引力Fおよび車体速度演算部34で得られ
た傾斜、実車速のみによる加速度α allとに基づいてき
めの細かい履帯2のスリップの有無の判定が行なわれ
る。
すなわち、以下の条件1または条件2が満たされてい
る場合に、スリップ有の判断がなされる。
条件1 まず、スリップ率SLIPの所定のしきい値、たとえば0.
3よりも大きいか否かが判断される。なお、このしきい
値は、各土質モードごとに異ならせ、判断基準データDT
1〜DT4として運転条件判定部31から読み出すようにして
もよい。
つぎに履帯速度νおよび牽引力Fがそれぞれ所定の
しきい値以上であるか否かが判断される。この場合、各
所定のしきい値は、判定基準データDT1〜DT4の内容とし
て土質モード1と土質モード2から4がそれぞれ異なる
ものとなっている。
これら2つの判断結果がいずれもYESである場合に
は、スリップ有の判断をする。なお、この条件1では、
土質モード5の場合には、判断を行なわないようにして
いる。
条件2 まず、25msec毎に加速度α allの振幅が順次入力され
る。
そして同時に上記振幅が所定のしきい値、たとえば0.
8G以上であるか否かを判断する。
この結果、上記振幅が連続する所定回数以上上記所定
のしきい値であった場合には、その時点でスリップ有の
判断をする。なお、これら所定のしきい値および所定の
回数は、土質モード1から5ごとに異ならせる実施も可
能である。
スリップ有の判断は以上のごとくなされるが、スリッ
プ無の判断は以下条件1′から条件4′によって行なわ
れる。
条件1′ 現在、1速スイッチ25aによって速度段前進1速であ
ることが検出されていない場合には、スリップ無の判断
をする。
条件2′ 運転条件設定部31から出力されるモード信号Mの内容
が0、つまりマニュアル状態の場合、またはモード信号
Mの内容が6,7、つまりドージング作業を行なっている
場合、またはモード信号Mの内容が1〜5であるが、モ
ード信号Mの内容が1〜5になってから1sec以内の時、
つまりまだリッピング作業を行なっていない場合は、ス
リップ無の判断をする。
条件3′ 上記条件1の場合と異なり牽引力Fが所定のしきい値
以下であり、かつ履帯速度νが所定のしきい値以上で
ある場合にスリップ無の判断をする。この場合のしきい
値も上記条件1と同様土質モード1から5ごとに異なら
せるようにしてもよい。
条件4′ まず、スリップ率SLIPが所定のしきい値、たとえば0.
2よりも小さいか否かが判断される。なお、しきい値に
関しても土質モード1から5に応じた値に設定する実施
もまた可能である。
つぎに履帯速度νが所定のしきい値、たとえば1Km/
hよりも大きいか否かが判断される。なお、またこのし
きい値に関しても土質モード1から5に応じた値に設定
してもよい。
そしてつぎにスリップ中に履帯速度νが所定のしき
い値、たとえば1Km/hよりも小さくなったことがあるか
否かが判断される。なお、またこのしきい値に関しても
土質モード1から5に応じて異ならせるようにしてもよ
い。
これら3つの判断結果が全てYESの場合はスリップ無
の判断をする。
しかして、上記条件1または2が満たされた場合に
は、スリップが発生していることを示すシュースリップ
信号SSFをエンジントルク制御部37に出力する。また、
上記条件1′または2′または3′または4′が満たさ
れた場合は、このシュースリップ信号SSFは出力しない
ようにする。
ただし、スリップ有の条件1,2およびスリップ無の条
件1′〜4′の両方が満たされた場合は、シュースリッ
プ信号をオフとし、またスリップ有、無の両条件をも満
たさない場合は、前回の判断を維持して、シュースリッ
プ信号SSFをオン、オフのいずれかとする。
スリップ率演算部35およびスリップ判定部36では以上
のような処理が実行される(第4図のBLC4参照)。
つぎにエンジントルク制御部37で行なわれる処理につ
いて説明する。
このエンジントルク制御部37では、運転条件設定部31
からスリップコントロール信号が入力された場合には、
スリッブコントロールを行なうものとして以下の処理が
行なわれる。
すなわち、まずスリップ判定部36からシュースリップ
信号SSFが出力されているか否かが判定される。この結
果、YESと判断された場合には、その時点の牽引力FL
つまり牽引力演算部32の出力をラッチする処理が実行さ
れる。
一方、リッパダウンスイッチ28b、リッパチルトスイ
ッチ28cの出力に基づいてリッパ操作のダウン,チルト
の別を判断する。この判断結果と、入力されるモード信
号M(1〜5)の内容に基づき、土質モードとリッパ操
作に応じたリッパ操作時修正係数KLを決定する(第4図
のBLC5内の表参照)。
そしてこの決定されたリッパ操作時修正係数KLと上記
ラッチした牽引力FLとを下記のごとく乗算して修正基本
牽引力F0′を求める。
F0′=KL・FL …(7) つぎにモード信号M(1−5)に応じた基本牽引力特
性Lを前記メモリに記憶されている特性L1〜L5の中から
選択、読み出して、第6図の矢印Jに示すごとくその基
本牽引力F0を上記(7)式で算出された修正基本牽引力
F0′にして、基本牽引力特性LをL′に補正する処理が
実行される。
ここで基本牽引力特性LをL′のごとく補正した効果
を説明する。
すなわち、第5図に示す基本牽引力特性L1〜L5の基本
牽引力F0(F01〜F05)は、土質モードに応じてその土質
の作業現場の有効最大牽引力として設定してある。しか
し、ブルドーザが現実にスリップ状態にあると判断され
た時は、その時の牽引力FLが有効最大牽引力であるとい
える。そこで、基本牽引力F0をFLに補正してスリップが
起きた作業現場に適した牽引力特性に補正する必要があ
る。
さらに、実施例では、リッパ操作の操作状態によって
はリッパ装置8にかかる負荷が異なることを加味する補
正を行なえるようにしている。
このような基本牽引力特性の補正を行ない、この補正
にしたがいブルドーザを運転することで、現実にスリッ
プが発生した作業現場に、かつ現時点のリッパ操作の状
態に最適な有効最大牽引力を発揮することが可能にな
る。
さて、以上のごとく補正牽引力特性L′が得られたな
らば、この特性L′に基づき現在の履帯速度νに応じ
た同様牽引力Fr(第6図参照)が求められ、この目標牽
引力Frが得られるようエンジン9のトルクを制御するよ
うにする。
すなわち具体的には、上記目標牽引力Frと現在の牽引
力Fとの偏差を所定のゲイン(1.25)で増幅したものを
上記目標牽引力Frに対して加算して修正目標牽引力Fr′
を求める。
そして上記求めた修正目標牽引力Fr′の大きさF1,F2,
…に応じて修正目標牽引力特性を設定し、この特性から
現在の履帯速度νに対応するスロットル指令ωSET
つまりエンジン9の目標回転数を求める(第4図のBLC6
のグラフ参照)。
しかしてスロットルレバー14に対して上記スロットル
指令ωSETを出力して、エンジン9の目標回転数を設定
する。すると、ガバナ10、燃料噴射ポンプ11を介して上
記設定された目標回転数で一義的に定まるレギュレーシ
ョンライン上でエンジン9のトルクが制御されて、牽引
力として上記修正目標牽引力Fr′を得ることができる
(第4図のBLC7参照)。この結果、ブルドーザとして
は、現実にスリップが発生した作業現場に、かつ現時点
のリッパ操作状態に最適な有効最大牽引力を発揮するこ
とができる。
さて、一方スリップ判定部36からシュースリップ信号
SSFが出力されていない場合について説明する。
この場合には、まずモード信号M(1〜5)に応じた
基本牽引力F0をF01,F02,F03,F04,F05(第5図参照)の
中から選択、読み出して土質モードに応じた基本牽引力
F0を決定する(第4図のBLC5内の表参照)。
また、前記と同様に土質モードとリッパ操作状態から
リッパ操作時修正係数KLを決定する。
そしてこれら決定されたリッパ操作時修正係数KLと基
本牽引力F0とを乗算して前記(7)式と同様に修正基本
牽引力F0′を求める。
F0′=KL・F0 …(8) つぎにモード信号M(1〜5)に応じた基本牽引力特
性Lを前記メモリに記憶されている特性L1〜L5の中から
選択、読み出して、第6図の矢印Iに示すごとくその基
本牽引力F0を上記(8)式で算出された修正基本牽引力
F0′にして、基本牽引力特性Lを補正牽引力特性L″に
補正する処理が実行される。
こうして補正牽引力特性L″が得られたならば、この
特性L″に基づき現在の履帯速度νに応じた目標牽引
力Fr、さらに修正目標牽引力Fr′が求められ、この修正
目標牽引力が得られるよう前記と同様にエンジン9のト
ルクが制御される。
このような制御がなされて、ブルドーザを運転するこ
とで、スリップが発生していない作業現場においてこの
作業現場の土質モードと現在のリッパ操作状態に最適な
有効最大牽引力を発揮することができる。
以上、運転条件設定部31からスリップコントロール信
号が入力された場合にエンジントルク制御部37で実行さ
れるスリップコントロールについて説明した。以下、ス
リップコントロール信号が入力されていない場合の制御
態様について説明する。
まず、モード信号Mの内容が1〜5の場合には、モー
ド信号Mに応じた基本牽引力特性L1〜L5を第5図のメモ
リから選択、読み出して、読み出した特性Lが得られる
よう前記と同様にエンジン9のトルクを制御する。
また、モード信号Mの内容が6,7の場合、つまりドー
ジング作業を行なっている場合には、折れ点P1,P2,…を
有する第5図の特性と同様の特性を前記メモリから選
択、読み出して、同様な制御を行なうようにする。
ただし、第5図に示すような折れ点P1,P2,…を有する
特性は、速度段として前進1速の場合のみに使用され
る。したがって速度段が前進1速よりも高速度段の場合
は、第7図に示すよう折れ点を有しない牽引力特性Rを
モード信号Mの内容1〜7に応じて使用してエンジン9
のトルクを制御するようにする。なお、速度段の制御
は、トルクコンバータ出力回転センサ24の出力と目標回
転数検出センサ14aの出力に基づき速度段の自動変速を
行なうようにする。
なお、また、モード信号Mの内容が0、つまりマニュ
アル状態の場合は、上記のような自動制御がなされるこ
となく、オペレータがスロットルレバー14を手動操作
し、目標回転数を設定してエンジン9のトルクをその作
業現場に適したものにすればよい。
つぎに牽引力特性修正部40で行なわれる処理について
説明する。
牽引力特性修正部40では、エンジントルク制御部37に
おけるスリップコントロールが最適なものであるか否か
を逐次判断している。
すなわち、スリップコントロールは、スリップが発生
しないために行なうものであるが、これが多々発生する
こととなるとスリップコントロールは最適ではないとい
える。しかして、シュースリップ信号SSFが長時間出力
されたり、あるいは、所定時間内に多数回出力された場
合には、スリップコントロールは最適ではないと判断す
る。
たとえば、第8図に示すように、補正牽引力特性L1
に従うエンジントルク制御を行なっている際にスリップ
コントロールが最適なものではないと判断された場合に
は、スリップ発生を回避すべく特性L1′を負荷を減少で
きる特性L2′に修正する。具体的には修正基本牽引力
F0′をF0″のごとく小とする補正を行なう。
また、リッパ操作が負荷増大を示すものであるため
(リッパアップ)、特性L1′を特性L3′に補正して、こ
の特性L3′に従がうエンジントルク制御を行なっている
際に、スリップコントロールが最適なものではないと判
断された場合には、スリップ発生を回避すべく特性L3
を負荷を減少できる特性L4′に修正する。具体的には、
リッパ操作時修正係数KLを小とする補正を行なう。
以上の処理が牽引力特性修正部40で行なわれる。
以下、モニタ情報作成部38で行なわれる処理について
説明するが、まずモニタパネル29の表示内容について説
明する。
モニタパネル29は、前述するように、作業モード設定
のための各スイッチ29a〜29dを有する他、オペレータが
視認し得る態様でリッパ装置4の操作情報、現在の車体
1の速度ν、現在のスリップ率SLIP、エンジン1の回転
数Neおよび現在の牽引力F等々を表示するものである。
モニタ情報作成部38は、モニタパネル29に表示される
情報を作成する。
すなわち、車体速度演算部34の出力ν、スリップ率演
算部35の出力SLIP、エンジン回転検出センサ23の出力N
e、牽引力演算部32の出力Fを入力して、これら各出力
を上記モニタパネル29に送出するとともに、上記各出力
の他、履帯速度演算部33の出力ν、スリップ判定部36
の出力SSF、作業機ポンプ圧力センサ26の出力、エンジ
ントルク制御部37の出力ωSET、速度段検出センサ25の
出力等々に基づいてリッパ装置4の操作に関する適切な
情報を作成する。
こうして作成された情報は、リッパ装置4の操作情報
としてモニタパネル29に出力されることになる。
以上がコントローラ30で行なわれる処理である。
このように実施例では、作業現場の土質に応じて牽引
力特性が選択され、この選択された牽引力特性にしたが
いエンジン1のトルクを制御する際、履帯2がスリップ
状態にあると判断された場合に、その判断時点における
牽引力およびリッパ装置4の操作状態に応じた適切な牽
引力特性を得て、最適な牽引力が出力されるようエンジ
ン1のトルクが制御される。また、上記スリップ状態に
あるか否かの判断は、スリップ率のみを判断基準とする
のではなく、作業現場の土質、牽引力等々に基づくきめ
の細かい判断基準により正確に行なわれる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれれば、作業条件、作
業機の操作状態が変化したとしても、常に無駄な牽引力
を押えて有効な牽引力を以て建設機械を自動的に走行・
作業させることができる。しかも、スリップ発生を常に
監視し、スリップが一度発生したならばその時の作業条
件、作業機の操作状態に応じた有効な牽引力をもってス
リップが発生しないよう建設機械を走行・作業させるこ
とができる。
このため、スリップに起因する履帯の摩耗の防止が図
れるとともに、燃費が大幅に低減され、さかも作業効率
を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る建設機械のトルク制御装置の一
実施例を概念的に示すブロック図、第2図は、第1図に
示すブルドーザの伝導機構の上面図、第3図、第4図
は、第1図に示すコントローラ内のCPUで行なわれる処
理を例示した制御ブロック図、第5図は、作業モードに
応じた基本牽引力特性を例示したグラフ、第6図は、第
1図に示すエンジントルク制御部で行なわれる処理手順
を説明するために用いたグラフ、第7図は、第1図に示
す変速機で前進1速以外の速度段が選択されている場合
に使用される牽引力特性を例示した図、第8図は、第1
図の牽引力特性修正部で行なわれる処理を説明するため
に用いたグラフである。 1……車体、2……履帯、8……リッパ装置、9……エ
ンジン、14……スロットルレバー、23……エンジン回転
検出センサ、24……トルクコンバータ出力回転センサ、
27……車体前後加速度センサ、28a′……レバー操作検
出センサ、29……操作パネル、30……コントローラ、31
……運転条件設定部、32……牽引力演算部、33……履帯
速度演算部、34……車体速度演算部、35……スリップ率
演算部、36……スリップ判定部、37……エンジントルク
制御部、40……牽引力修正部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 305 F02D 45/00 305C 345 345G 364 364A

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基本牽引力特性に従って建設機械のエンジ
    ンのトルクを制御する建設機械のトルク制御装置におい
    て、 前記建設機械が作業を行う作業現場の土質に応じて、複
    数の土質モードが設定され、これら複数の土質モードを
    選択する土質モード選択手段と、 前記複数の土質モードに各対応して、その土質の作業現
    場での有効最大牽引力が得られるように、複数の基本牽
    引力特性を設定する基本牽引力特性設定手段と、 前記土質モード選択手段によって選択された土質モード
    に対応する基本牽引力特性を前記基本牽引力特性設定手
    段の設定内容から選択する基本牽引力特性選択手段と、 前記建設機械のスリップを検出するスリップ検出手段
    と、 前記建設機械の牽引力を検出する牽引力検出手段と、 前記スリップ検出手段によってスリップが検出された場
    合に、そのスリップ検出時点において前記牽引力検出手
    段で検出されている牽引力が有効最大牽引力となるよう
    に、前記基本牽引力特性選択手段で現在選択されている
    基本牽引力特性を補正する基本牽引力特性補正手段と、 前記基本牽引力特性補正手段によって補正された基本牽
    引力特性に従って前記エンジンのトルクを制御する制御
    手段と を具えたことを特徴とする建設機械のトルク制御装置。
  2. 【請求項2】基本牽引力特性に従って建設機械のエンジ
    ンのトルクを制御する建設機械のトルク制御装置におい
    て、 前記建設機械が作業を行う作業現場の土質に応じて、複
    数の土質モードが設定され、これら複数の土質モードを
    選択する土質モード選択手段と、 前記複数の土質モードに各対応して、その土質の作業現
    場での有効最大牽引力が得られるように、複数の基本牽
    引力特性を設定する基本牽引力特性設定手段と、 前記土質モード選択手段によって選択された土質モード
    に対応する基本牽引力特性を前記基本牽引力特性設定手
    段の設定内容から選択する基本牽引力特性選択手段と、 前記建設機械の対地速度を検出する対地速度検出手段
    と、 前記建設機械の駆動輪の回転速度を検出する駆動輪回転
    速度検出手段と、 前記建設機械の作業機の操作状態を検出する作業機操作
    状態検出手段と、 前記建設機械の牽引力を検出する牽引力検出手段と、 前記対地速度検出手段によって検出された対地速度と前
    記駆動輪回転速度検出手段によって検出された駆動輪の
    回転速度とに基づいて、前記駆動輪のスリップ率を演算
    するスリップ率演算手段と、 前記対地速度検出手段および前記駆動輪回転速度検出手
    段および前記牽引力検出手段および前記作業機操作状態
    検出手段の各出力並びに前記土質モード選択手段で選択
    された土質モードおよび前記スリップ率演算手段の演算
    結果に基づいて、スリップが発生しているか否かを判定
    するスリップ判定手段と、 前記スリップ判定手段によってスリップが発生している
    と判定された場合に、そのスリップ発生の判定時点にお
    いて前記牽引力検出手段で検出されている牽引力が有効
    最大牽引力となるように、かつ、前記作業機操作状態検
    出手段によって検出されている作業機の操作状態に応じ
    て、前記基本牽引力特性選択手段で現在選択されている
    基本牽引力特性を補正する基本牽引力特性補正手段と、 前記基本牽引力特性補正手段によって補正された基本牽
    引力特性に従って前記エンジンのトルクを制御する制御
    手段と を具えたことを特徴とする建設機械のトルク制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段によって、前記補正された基
    本牽引力特性に従って前記エンジンのトルクが制御され
    ている際に、前記スリップ判定手段の判定結果に基づい
    てスリップが発生しないように前記補正された基本牽引
    力特性を修正する手段 をさらに具えた請求項(2)記載の建設機械のトルク制
    御装置。
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JP7266371B2 (ja) * 2018-06-29 2023-04-28 株式会社小松製作所 作業機械、および作業機械を含むシステム
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