JP2023124250A - ホイールローダ - Google Patents
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Abstract
【課題】掘削作業においてスリップを未然に防ぐことのできるホイールローダを提供する。【解決手段】前後にそれぞれ複数の車輪(4,8)が取り付けられた車体(5,9)と、車体の前部に設けられた作業機(14)と、作業機を駆動する油圧シリンダ(11,12)と、車体の走行駆動力および油圧シリンダの推力を発生させる動力源となるエンジン(30)と、制御装置(50)と、を備えたホイールローダにおいて、制御装置は、作業機が掘削姿勢であるか否かを判定し、作業機が掘削姿勢であると判定された場合には、エンジンの実回転数、または、車体が受ける掘削負荷及び車体の性能に基づいて算出された走行駆動力と、地盤の状態と対応づけて予め設定されたスリップ判定閾値(Ns)とを比較して車輪がスリップするか否かの予測を行い、車輪がスリップすると予測された場合には、車体の走行駆動力を制限する。【選択図】図7
Description
本発明は、ホイールローダに関する。
本技術分野の背景技術として、例えば特許文献1には、「加速度センサで検出された加速度から演算される車体の第1車体加速度と、回転数センサによって検出された車輪の回転数から演算される車体の第2車体加速度と、推力センサにより検出された油圧シリンダの推力とに基づき走行駆動力の低減値を決定し、低減値により走行駆動力を低減させて出力する」ことを特徴とする制御装置が記載されている(要約参照)。
特許文献1は、第1車体加速度と第2車体加速度とから車体の加速度差を求め、この加速度差に基づいてスリップが発生しているかを判定し、スリップが発生している場合に、走行駆動力を低減させる構成となっている。別言すると、スリップが発生したことを契機に、走行駆動力を低減させている。そのため、特許文献1では、掘削作業においてスリップを未然に防ぐものではなく、少なからずスリップが発生してしまう。
そこで、本発明は、掘削作業においてスリップを未然に防ぐことのできるホイールローダを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、代表的な本発明は、前後にそれぞれ複数の車輪が取り付けられた車体と、前記車体の前部に設けられた作業機と、前記作業機を駆動する油圧シリンダと、前記車体の走行駆動力および前記油圧シリンダの推力を発生させる動力源となるエンジンと、前記車体の走行駆動力を制御する制御装置と、を備えたホイールローダにおいて、前記制御装置は、前記作業機が掘削姿勢であるか否かを判定し、前記作業機が掘削姿勢であると判定された場合には、前記エンジンの実回転数、または、前記車体が受ける掘削負荷及び前記車体の性能に基づいて算出された走行駆動力と、地盤の状態と対応づけて予め設定されたスリップ判定閾値とを比較して前記車輪がスリップするか否かの予測を行い、前記車輪がスリップすると予測された場合には、前記車体の走行駆動力を制限する、ことを特徴とする。
本発明によれば、掘削作業においてスリップを未然に防ぐことができる。なお、前述した以外の課題、構成、および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明に係るホイールローダの各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るホイールローダ1の側面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るホイールローダ1の側面図である。
図1に示すように、ホイールローダ1は、リフトアーム2、バケット3、一対の前輪4等を有する前フレーム(車体)5と、運転室6、エンジン室7、一対の後輪8等を有する後フレーム(車体)9とで構成されている。エンジン室7にはエンジン30が搭載されており、後フレーム9の後方にはカウンタウェイト10が取り付けられている。前フレーム5と後フレーム9とはセンタピン15により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ(不図示)の伸縮により後フレーム9に対し前フレーム5が左右に屈折する。なお、以下の説明において、前輪4および後輪8をまとめて「車輪4,8」とする場合がある。
リフトアーム2は一対のリフトアームシリンダ11の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット3はバケットシリンダ12の駆動により上下方向に回動(チルトまたはダンプ)する。バケットシリンダ12とバケット3の間にはベルクランク13を含むリンク機構が介設されており、このリンク機構を介してバケットシリンダ12はバケット3を回動させる。なお、これらリフトアーム2、バケット3、一対のリフトアームシリンダ11、バケットシリンダ12、ベルクランク13等によって作業機14が構成されている。
リフトアーム2と前フレーム5の連結部分にはリフトアーム角度センサ27が取り付けられており、このリフトアーム角度センサ27によってリフトアーム2の回動角度が検出される。バケットシリンダ12は近接スイッチ28を備えており、バケットシリンダ12のロッドが所定量だけ短縮されると、この近接スイッチ28がオン動作するようになっている。これにより、バケット3の姿勢を検出することができる。
後フレーム9の前部に搭載された運転室6には、オペレータが座る運転席、ホイールローダ1の操舵角を制御するステアリングホイール、ホイールローダ1を始動・停止させるキースイッチ、オペレータへの情報を提示するモニタ60等が設置されている。モニタ60は、例えばタッチパネル式の液晶モニタから成り、オペレータがタッチ操作することで、後述するスリップ判定閾値を選択できるように構成されている。即ち、モニタ60は、スリップ判定閾値を設定する閾値設定部61(図4参照)として機能する。
また、運転室6には、ホイールローダ1の動作全体の制御を行うコントローラ(制御装置)50や、図示しないが車体加速度及び車体角速度を検出するIMU(Inertial Measurement Unit/慣性計測装置)等も設けられている。
図2は、ホイールローダ1の駆動システム構成を示す図である。図2に示すように、ホイールローダ1は、エンジン30と、エンジン30の出力軸に接続されたトルクコンバータ31と、トルクコンバータ31の出力軸に接続されたトランスミッション32と、を備えている。ホイールローダ1は、エンジン30の駆動力を、トルクコンバータ31およびトランスミッション32を介して複数の車輪4,8に伝達して走行する。なお、エンジン30の動作は、エンジンコントロールユニット(以下、ECUという)70により制御されている。
トルクコンバータ31は、インペラ、タービン、およびステータで構成された流体クラッチであり、入力トルク(エンジン30から伝達されるトルク)に対して出力トルクを増幅させる機能、即ち、トルク比(=出力トルク/入力トルク)を1以上とする機能を有する。このトルク比は、トルクコンバータ31の入力軸の回転数と出力軸の回転数の比であるトルクコンバータ速度比(=出力軸回転数/入力軸回転数)が大きくなるにつれて小さくなる(図9A参照)。これにより、エンジン30の回転数を変速した上でトランスミッション32に伝達する。なお、トルクコンバータ31の入力軸の回転数は、エンジン30の実回転数と実質的に等しい。
トランスミッション32は、複数のギアで構成されている。前進走行または後進走行において、例えば1~4速度段の何れかに対応したギア比となるように、複数のギアの組合せが制御される。これにより、トランスミッション32により所定の速度段に変速された動力が、複数の車輪4,8へ伝達される。
ホイールローダ1の進行方向、即ち、前進または後進の切り換えは前後進切換スイッチ41により、トランスミッション32の速度段の選択はシフトスイッチ42により、それぞれ行われる。前後進切換スイッチ41およびシフトスイッチ42はそれぞれ、運転室6に設けられている。
アクセルペダル43がオペレータにより踏み込まれると、アクセルペダル43に取り付けられた踏込量センサ26によりアクセルペダル43の踏込量が検出され、検出されたアクセルペダル踏込量がコントローラ50に入力される。コントローラ50は、入力されたアクセルペダル踏込量に応じたエンジン30の目標回転数指令N*(または目標トルク指令T*)をECU70に対して出力する。そして、エンジン30は、この目標回転数指令N*にしたがった回転数に制御される。
トルクコンバータ31の入力軸には、エンジン30の実回転数を検出する第1回転数センサ21が、トルクコンバータ31の出力軸には、トルクコンバータ31における変速後の回転数を検出する第2回転数センサ22が、それぞれ設けられている。
また、前輪4及び後輪8の回転数を検出するための回転数センサ20が設けられている。なお、本実施形態において、回転数センサ20は、エンジン30の出力軸にトルクコンバータ31を介して接続されたトランスミッション32の出力軸の回転数を検出し、検出したトランスミッション32の出力軸の回転数から前輪4及び後輪8の回転数に換算しているが、回転数センサ20により前輪4及び後輪8の回転数を直接検出しても良い。
また、ホイールローダ1は、作業機14を駆動させるための荷役用油圧回路HCを備えている。荷役用油圧回路HCには、油圧ポンプ33と、リフトアームシリンダ11と、バケットシリンダ12と、油圧ポンプ33から吐出されてリフトアームシリンダ11およびバケットシリンダ12のそれぞれに流入する作動油の流れ(方向および流量)を制御するコントロールバルブ34と、が設けられている。なお、図2では、構成を簡略化するため、一対のリフトアームシリンダ11のうち一方のリフトアームシリンダ11のみを示している。
油圧ポンプ33は、作動油タンク35から吸入した作動油をリフトアームシリンダ11およびバケットシリンダ12のそれぞれに供給する。本実施形態では、油圧ポンプ33は、傾転角に応じて押し退け容積が制御される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型油圧ポンプである。傾転角は、コントローラ50から出力された指令信号に従って、レギュレータ23により調整される。なお、油圧ポンプ33は必ずしも可変容量型の油圧ポンプでなくてもよく、固定容量型の油圧ポンプを用いても良い。
リフトアームシリンダ11およびバケットシリンダ12はそれぞれ、運転室6(図1参照)内に設けられたリフトアーム操作レバー44およびバケット操作レバー45の操作に従って駆動する。
リフトアームシリンダ11のボトム室とコントロールバルブ34とを繋ぐ油路には、リフトアームシリンダ11のボトム室の圧力phbを検出するためのボトム側圧力センサ24が設けられている。同様に、リフトアームシリンダ11のロッド室とコントロールバルブ34とを繋ぐ油路には、リフトアームシリンダ11のロッド室の圧力phrを検出するためのロッド側圧力センサ25が設けられている。詳しくは後述するが、各圧力センサ24,25にて検出された圧力phb,phrはコントローラ50に入力され、圧力phb,phrに基づいて、コントローラ50は、作業機14の荷役負荷を算出する。
図3はコントローラ50のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図3に示すように、コントローラ50は、車体の動作全体を制御するための各種演算を行うCPU(Central Processing Unit)50Aと、CPU50Aによる演算を実行するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)50B等の記憶装置と、CPU50Aがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)50Cと、外部装置との間で各種の情報や信号の入出力を行う入出力インターフェース50Dとを含むハードウェアから構成されている。
このようなハードウェア構成において、ROM50Bに格納されたプログラムがRAM50Cに読み出され、CPU50Aの制御に従って動作することによりプログラム(ソフトウェア)とハードウェアとが協働して、コントローラ50の機能を実現する機能ブロックが構成される。
図4はコントローラ50の機能構成を示すブロック図である。なお、図4において、コントローラ50に入力される各種信号のうち一部を省略している。
図4に示すように、コントローラ50は、トルクコンバータ速度比算出部51と、掘削姿勢判定部53と、スリップ判定部54と、目標エンジン回転数決定部55と、リフトアームシリンダ推力算出部56と、目標エンジン回転数補正部57と、目標エンジン回転数出力部58と、を含む。
トルクコンバータ速度比算出部51には、第1回転数センサ21にて検出されたトルクコンバータ31の入力軸回転数N1と、第2回転数センサ22にて検出されたトルクコンバータ31の出力軸回転数N2とが入力される。トルクコンバータ速度比算出部51は、入力された入力軸回転数N1と出力軸回転数N2とから、トルクコンバータ速度比Rn(Rn=N2/N1)を算出する。
掘削姿勢判定部53には、リフトアーム角度センサ27にて検出されたリフトアーム角度θと、近接スイッチ28のON/OFF信号(1:ON/0:OFF)とが入力される。掘削姿勢判定部53は、リフトアーム角度θの値と、近接スイッチ28のON/OFF信号とから、作業機14が「掘削姿勢」であるか否かを判定する。より具体的には、リフトアーム角度θが所定値未満(リフトアーム2がある程度下がっている状態)であって、近接スイッチ28がONの場合(バケット3の底面が地面と平行になっている状態)には、掘削姿勢判定部53は、作業機14が「掘削姿勢」であると判断する。
スリップ判定部54には、シフトスイッチ42から入力される速度段Gの情報と、トルクコンバータ31の入力軸回転数N1と、トルクコンバータ速度比Rnと、閾値設定部61にて設定されたスリップ判定閾値Ns(Ns=Ns1,Ns2,Ns3)と、掘削姿勢判定部53にて判定された「掘削姿勢(=1)」または「非掘削姿勢(=0)」の情報とが入力される。
本実施形態では、3つのスリップ判定閾値Ns1,Ns2,Ns3が予め用意されており、オペレータが、モニタ60に表示される閾値設定部61をタッチ操作して3つのスリップ判定閾値Ns1,Ns2,Ns3の何れかを選択すると、選択されたスリップ判定閾値Nsが閾値設定部61からスリップ判定部54に出力される。
図5は、掘削作業が行われる作業現場における地盤の状態に対応づけてエンジン回転数毎に予め設定されたスリップ判定閾値Ns1,Ns2,Ns3の各設定値を示している。スリップ判定閾値Ns1,Ns2,Ns3の大小関係は、図5に示すように、Ns1>Ns2>Ns3となっている。より詳細に説明すると、スリップ判定閾値Ns1は、スリップしにくい締め固められた地盤に対応しており、ホイールローダ1の最大エンジン回転数の80%の値に設定されたエンジン回転数である。スリップ判定閾値Ns2は、ややスリップし易い砂地等の地盤に対応しており、スリップ判定閾値Ns1より小さく、ホイールローダ1の最大エンジン回転数の70%の値に設定されたエンジン回転数である。スリップ判定閾値Ns3は、スリップしやすい地盤、例えば、ぬかるみや水たまり等のある地盤に対応しており、スリップ判定閾値Ns2より小さく、ホイールローダ1の最大エンジン回転数の60%の値に設定されたエンジン回転数である。
スリップ判定部54は、速度段G=1(即ち、1速度段)、かつ、トルクコンバータ速度比Rnが設定値R未満、かつ、作業機14が「掘削姿勢」である場合に、入力軸回転数N1とスリップ判定閾値Ns(即ち、Ns1,Ns2,Ns3の何れか)との大小を比較する。ここで、設定値Rは、車体の走行駆動力(駆動力)を制限するか否かを判定するための閾値として定められるものであり、スリップが発生する可能性を考慮して任意に定められる。例えば、設定値R=0.5に設定される(図9D参照)。即ち、図9Dのハッチングが施された範囲において、出力トルクが制限される。
スリップ判定部54は、入力軸回転数N1(即ち、実エンジン回転数)がスリップ判定閾値Nsを超えている場合には「制限あり(=1)」を、入力軸回転数N1がスリップ判定閾値Ns以下の場合には「制限なし(=0)」を、それぞれ目標エンジン回転数決定部55に出力する。即ち、コントローラ50は、スリップする前にエンジン回転数を制限するフィードフォワード制御を行っている。
目標エンジン回転数決定部55は、スリップ判定部54から「制限あり」が入力されると、スリップ判定部54の判定に用いられたスリップ判定閾値Nsを目標エンジン回転数Ntに決定する。一方、スリップ判定部54から「制限なし」が入力されると、目標エンジン回転数決定部55は、アクセルペダル43の踏込量に応じた目標エンジン回転数に対して制限をかけない。即ち、目標エンジン回転数Ntは、アクセルペダル43の踏込量に応じたエンジン回転数となる。
リフトアームシリンダ推力算出部56は、ボトム側圧力センサ24にて検出された圧力phbと、ロッド側圧力センサ25にて検出された圧力phrとから、リフトアームシリンダ11の推力phを算出する。なお、本実施形態では、圧力phbと圧力phrとの差圧に基づいて推力phを算出している。
目標エンジン回転数補正部57は、スリップ判定部54の判定が「制限あり」の場合に目標エンジン回転数決定部55から入力された目標エンジン回転数Ntと、リフトアームシリンダ推力算出部56から入力された推力phとに基づいて、目標エンジン回転数Ntを補正する。具体的には、図6に示す関係を数値化した補正用のデータテーブルがROM50Bに記憶されており、目標エンジン回転数補正部57は、このテーブルを参照して、目標エンジン回転数Ntを推力phに応じて補正する。
図6は、スリップ判定閾値毎の推力と補正後目標エンジン回転数との関係を示している。図6に示すように、推力phが大きくなるほど、補正後目標エンジン回転数Ncの値が大きくなるように、推力phと補正後目標エンジン回転数Ncとの関係が予め定められている。即ち、リフトアームシリンダ11に作用する負荷(作業機14の荷役負荷)が大きくなるほど、補正後目標エンジン回転数Ncも大きくなる。これにより、本実施形態では、荷役負荷が大きくなるほど、車体の走行駆動力を大きくすることができる。
より詳細には、掘削対象物である地山にバケットを貫入させた後、バケットをチルトさせて荷役負荷を車体に作用させることで、特に前輪4の地面に対する接地力が増大し、スリップが起こり難くなる。よって、このような状態で荷役負荷が車体に作用している場合には、荷役負荷が車体に掛かっていない場合に比べて、走行駆動力を増加させることができる。別言すれば、荷役作業中は、荷役負荷に応じて走行駆動力を増加させることができる。そのために、目標エンジン回転数補正部57は、リフトアームシリンダ11に作用している油圧負荷(荷役負荷)に応じて、目標エンジン回転数Ntを増加するように補正している。
目標エンジン回転数出力部58は、スリップ判定部54の判定が「制限あり」の場合には目標エンジン回転数補正部57から入力された補正後目標エンジン回転数Ncを目標回転数指令N*としてECU70に出力する。一方、スリップ判定部54の判定が「制限なし」の場合には、目標エンジン回転数出力部58は、アクセルペダル43の踏込量に応じた目標エンジン回転数Ntを、制限をかけずに目標回転数指令N*としてECU70に出力する。ECU70は、入力された目標回転数指令N*となるようにエンジン30の回転数を制御する。なお、目標エンジン回転数出力部58は、目標回転数指令N*を目標トルク指令T*に換算して、その目標トルク指令T*をECU70に出力しても良い。
次に、コントローラ50の制御処理の手順について説明する。図7はコントローラ50によるエンジン駆動力の制御処理の手順を示すフローチャートである。ホイールローダ1のキースイッチがONされると、コントローラ50は図7に示す処理を開始する。
まず、スリップ判定部54は、速度段Gが1速度段(S101/Yes)、かつ、トルクコンバータ速度比Rnが設定値R未満(S102/Yes)、かつ、掘削姿勢判定部53による判定結果が「掘削姿勢」である場合(S103/Yes)に、ホイールローダ1のスリップ判定を行う(S104)。
入力軸回転数N1が、閾値設定部61にて設定されたスリップ判定閾値Nsより大きい場合(S105/Yes)、目標エンジン回転数決定部55は、スリップ判定閾値Nsと同じ値を目標エンジン回転数Nt(=Ns)に決定する(S106)。
次いで、目標エンジン回転数補正部57は、リフトアームシリンダ推力算出部56にて算出された推力ph(荷役負荷)に基づいて、目標エンジン回転数Ntを補正し(S107)、目標エンジン回転数出力部58は、補正後目標エンジン回転数Ncを目標回転数指令N*としてECU70に出力する(S108)。そして、一定時間(例えば1秒)が経過すると(S109/Yes)、リターンとなってスタートに戻る。
一方、入力軸回転数N1がスリップ判定閾値Ns以下の場合(S105/No)には、目標エンジン回転数決定部55は、アクセルペダル43の踏込量に応じた目標エンジン回転数Ntに制限をかけないことを決定し(S110)、目標エンジン回転数出力部58は、目標エンジン回転数Ntを目標回転数指令N*としてECU70に出力する(S111)。
以上説明したように、第1実施形態によれば、速度段が1速度段で、トルクコンバータ速度比Rnが設定値R未満で、作業機14が「掘削姿勢」であると判定された場合には、スリップ判定が行われる。そして、スリップ判定によりスリップする可能性が高いと判定した場合には、エンジン30の回転数(走行駆動力)を制限してホイールローダ1の運転が行われる。より詳細には、スリップ判定閾値Ns1,Ns2,Ns3の何れかに相当するエンジン回転数(図5参照)と実エンジン回転数とが比較され、実エンジン回転数がスリップ判定閾値Ns1,Ns2,Ns3のいずれかに設定された閾値よりも高い場合にスリップする可能性が高いと判断され、目標エンジン回転数がスリップ判定閾値Ns1,Ns2,Ns3に設定されて制限されたエンジン回転数に制御される。そのため、掘削作業中におけるスリップの発生を未然に防ぐことができる。
また、第1実施形態では、荷役負荷(推力ph)が大きくなるほど、エンジン30の回転数の制限量を小さくなるように、エンジン30の目標回転数を補正している。そのため、掘削性能が損なわれず、荷役作業の効率の低下を防止できる。
また、V字掘削作業において、ホイールローダ1は、土砂等の山に前進してバケット3を突っ込み、バケット3で土砂等をすくい、バケット3を持ち上げた後、ホイールローダ1を後進に切り換えて、所定の位置まで後進する。その後、方向を切り換えて、バケット3を持ち上げたまま、土砂等の放土場まで前進する。この一連の作業において、スリップが発生する可能性が高い作業は、掘削作業である。第1実施形態では、掘削姿勢判定部53が「掘削姿勢」であると判定した場合に限ってエンジン30の回転数を制限する構成としているため、その他の作業において不用意にエンジン30の回転数が制限されて作業効率が低下することはない。つまり、第1実施形態は、ホイールローダ1の作業に応じた好適なスリップ防止制御を実現しているのである。
また、第1実施形態では、エンジン30の回転数に制限をかけるための処理を、一定時間経過するまで終了しない構成(図7のS109参照)としているため、エンジン30の挙動が安定し、ホイールローダ1のハンチングを防止できる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、第1回転数センサ21にて検出された入力軸回転数N1を用いてスリップ判定を行い、エンジン30の回転数を制限する構成であったが、第2実施形態では、入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnとから駆動力Frを算出してスリップ判定を行う、すなわち、算出された駆動力と予め設定された駆動力との比較をし、算出された駆動力が予め設定された駆動力よりも大きい場合に予め設定された走行駆動力に目標駆動力を制限する構成としている点で、両者は主に相違する。そこで、以下では、第2実施形態のうち第1実施形態と相違する構成を中心に説明し、第1実施形態と重複する構成については、同一符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、第1回転数センサ21にて検出された入力軸回転数N1を用いてスリップ判定を行い、エンジン30の回転数を制限する構成であったが、第2実施形態では、入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnとから駆動力Frを算出してスリップ判定を行う、すなわち、算出された駆動力と予め設定された駆動力との比較をし、算出された駆動力が予め設定された駆動力よりも大きい場合に予め設定された走行駆動力に目標駆動力を制限する構成としている点で、両者は主に相違する。そこで、以下では、第2実施形態のうち第1実施形態と相違する構成を中心に説明し、第1実施形態と重複する構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図8は、第2実施形態に係るコントローラ150の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、コントローラ150は、トルクコンバータ速度比算出部51と、駆動力算出部152と、掘削姿勢判定部53と、スリップ判定部154と、目標駆動力決定部155と、リフトアームシリンダ推力算出部56と、目標駆動力補正部157と、目標エンジン回転数出力部158と、を含む。
トルクコンバータ速度比算出部51は、入力された入力軸回転数N1と出力軸回転数N2とから、トルクコンバータ速度比Rn(Rn=N2/N1)を算出する。
駆動力算出部152には、シフトスイッチ42から入力される速度段Gの情報と、トルクコンバータ31の入力軸回転数N1と、トルクコンバータ速度比Rnとが入力される。駆動力算出部152は、入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnとから、次に述べるテーブルを参照して駆動力Frを算出する。
図9Aはトルクコンバータ31におけるトルクコンバータ速度比Rnとトルク比との関係を示す図、図9Bはトルクコンバータ31におけるトルクコンバータ速度比Rnとトルク吸収係数との関係を示す図、図9Cはトルクコンバータ31におけるトルクコンバータ速度比Rnと出力係数との関係を示す図、図9Dは、トルクコンバータ31における入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnと出力トルク(駆動力Fr)との関係を示す図である。図9Aは、速度比が大きくなるとトルク比は小さくなる関係を示している。図9Bは、速度比が小さいときにはトルク吸収係数が高い関係を示し、速度比が大きくなるにつれ、途中トルク吸収係数が最大となり、トルク吸収係数が徐々に小さくなる関係を示している。図9Cは、速度比が大きくなると出力係数は小さくなる関係を示している。図9Dは、入力軸回転数が大きくなると出力トルク(駆動力)が二次関数的に大きくなる関係を速度比毎に示している。図9Aおよび図9Bから、図9Cに示す関係が得られる。エンジン回転数の2乗に出力係数を乗じた値は、トルクコンバータ31の出力トルク(駆動力Fr)に比例することから、図9Dに示す関係が得られる。
図9Dに示すように、入力軸回転数N1と出力トルク(駆動力Fr)との関係がトルクコンバータ速度比Rn毎に規定されている。そのため、図9Dを参照すれば、入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnの値から、駆動力Frの値が求まる。例えば、入力軸回転数N1=N11、トルクコンバータ速度比Rn=0.2の場合には、駆動力Fr=Fr11となる。このように、駆動力算出部152は、入力された入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnとから、図9Dに示すテーブルを参照して駆動力Frを算出する。なお、図9Dに示す関係を数値化したデータテーブル(所定のテーブル)は、ROM50Bに記憶されている。
掘削姿勢判定部53は、リフトアーム角度θの値と、近接スイッチ28のオンオフ信号とから、作業機14が「掘削姿勢」であるか否かを判定する。
スリップ判定部154には、駆動力算出部152にて算出された駆動力Frと、閾値設定部61にて設定されたスリップ判定閾値Fs(Fs=Fs1,Fs2,Fs3)と、掘削姿勢判定部53にて判定された「掘削姿勢(=1)」または「非掘削姿勢(=0)」の情報とが入力される。なお、スリップ判定閾値Fsは、前述したスリップ判定閾値Nsとは異なる別の閾値である。
図10は、掘削作業が行われる作業現場における地盤の状態に対応づけて駆動力(牽引力)毎に予め設定されたスリップ判定閾値Fs1,Fs2,Fs3の各設定値を示している。スリップ判定閾値Fs1,Fs2,Fs3の大小関係は、図10に示すように、Fs1>Fs2>Fs3となっている。より詳細に説明すると、スリップ判定閾値Fs1は、スリップしにくい締め固められた地盤に対応しており、ホイールローダ1の最大駆動力の80%の値に設定された駆動力である。スリップ判定閾値Fs2は、ややスリップし易い砂地等の地盤に対応しており、スリップ判定閾値Fs1より小さく、ホイールローダ1の最大駆動力の70%の値に設定された駆動力である。スリップ判定閾値Fs3は、スリップしやすい、例えば、ぬかるみや水たまり等のある地盤に対応しており、スリップ判定閾値Fs2より小さく、ホイールローダ1の最大駆動力の60%の値に設定された駆動力である。
スリップ判定部154は、作業機14が「掘削姿勢」である場合に、駆動力Frとスリップ判定閾値Fs(即ち、Fs1,Fs2,Fs3の何れか)との大小を比較する。
スリップ判定部154は、駆動力Frがスリップ判定閾値Fsを超えている場合には「制限あり(=1)」を、駆動力Frがスリップ判定閾値Fs以下の場合には「制限なし(=0)」を、それぞれ目標駆動力決定部155に出力する。即ち、コントローラ150は、スリップする前にエンジン30の駆動力を制限するフィードフォワード制御を行っている。
目標駆動力決定部155は、スリップ判定部154から「制限あり」が入力されると、スリップ判定部154の判定に用いられたスリップ判定閾値Fsを目標駆動力Ftに決定する。一方、スリップ判定部154から「制限なし」が入力されると、目標駆動力決定部155は、駆動力算出部152にて算出された駆動力Frに制限をかけない。即ち、駆動力算出部152にて算出された駆動力Frが目標駆動力Ftとなる。
リフトアームシリンダ推力算出部56は、ボトム側圧力センサ24にて検出された圧力phbと、ロッド側圧力センサ25にて検出された圧力phrとから、リフトアームシリンダ11の推力phを算出する。
目標駆動力補正部157は、スリップ判定部154の判定が「制限あり」の場合に、目標駆動力Ftと推力phとに基づいて、目標駆動力Ftを補正する。具体的には、図11に示す関係を数値化した補正用のデータテーブルがROM50Bに記憶されており、目標駆動力補正部157は、このテーブルを参照して、目標駆動力Ftを推力phに応じて補正する。
図11は、スリップ判定閾値毎の推力と補正後目標駆動力との関係を示している。図11に示すように、推力phが大きくなるほど、補正後目標駆動力Fcの値が大きくなるように、推力phと補正後目標駆動力Fcとの関係が予め定められている。これにより、本実施形態では、荷役負荷が大きくなるほど、走行駆動力を大きくすることができる。
目標エンジン回転数出力部158は、スリップ判定部154の判定が「制限あり」の場合に、目標駆動力補正部157から入力された補正後目標駆動力Fcに対応する目標回転数指令N*をECU70に出力する。一方、スリップ判定部154の判定が「制限なし」の場合には、目標エンジン回転数出力部158は、アクセルペダル43の踏込量に応じた目標駆動力Ftを、制限をかけずに目標回転数指令N*に変換してECU70に出力する。ECU70は、入力された目標回転数指令N*となるようにエンジン30の回転数を制御する。なお、目標エンジン回転数出力部158は、目標回転数指令N*を目標トルク指令T*に換算して、その目標トルク指令T*をECU70に出力しても良い。
次に、コントローラ150の制御処理の手順について説明する。図12はコントローラ150によるエンジン駆動力の制御処理の手順を示すフローチャートである。ホイールローダ1のキースイッチがONされると、コントローラ150は図12に示す処理を開始する。
まず、駆動力算出部152は、入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnとから、図9Dに示すテーブルを参照して駆動力Frを算出する(S201)。次いで、掘削姿勢判定部53による判定結果が「掘削姿勢」である場合(S202/Yes)には、スリップ判定部154が、駆動力Frとスリップ判定閾値Fsとの大小を比較して、ホイールローダ1のスリップ判定を行う(S203)。
駆動力Frが、閾値設定部61にて設定されたスリップ判定閾値Fsより大きい場合(S204/Yes)、目標駆動力決定部155は、スリップ判定閾値Fsと同じ値を目標駆動力Ft(=Fs)に決定する(S205)。
次いで、目標駆動力補正部157は、リフトアームシリンダ推力算出部56にて算出された推力ph(荷役負荷)に基づいて、目標駆動力Ftを補正し(S206)、目標エンジン回転数出力部158は、補正後目標駆動力Fcに相当する目標回転数指令N*をECU70に出力する(S207)。そして、一定時間(例えば1秒)が経過すると(S208/Yes)、リターンとなってスタートに戻る。
一方、駆動力Frがスリップ判定閾値Fs以下の場合(S204/No)には、目標駆動力決定部155は、目標駆動力Ftに制限をかけないことを決定し(S209)、目標エンジン回転数出力部158は、目標駆動力Ftに相当する目標回転数指令N*をECU70に出力する(S210)。
以上説明したように、第2実施形態によれば、算出された駆動力とスリップ判定閾値Fs1,Fs2,Fs3とが比較され、算出された駆動力がスリップ判定閾値Fs1,Fs2,Fs3よりも大きい場合には、目標駆動力がスリップ判定閾値Fs1,Fs2,Fs3に設定されることによりスリップ判定閾値Fs1,Fs2,Fs3に駆動力が制限される。第1実施形態と同様に、掘削作業中におけるスリップの発生を未然に防ぐことができるうえ、掘削性能を損なうこともない。さらに、図9Dに示す所定のテーブルを参照して駆動力Frを算出する構成であるため、コントローラ150の制御処理の負担が軽減される。
(変形例)
上記した第2実施形態では、駆動力算出部152が、入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnとから、所定のテーブル(図9D)を参照して駆動力Frを算出する構成であったが、この構成に代えて、駆動力算出部152が、各種パラメータを各種関数に代入して駆動力Frを算出する構成としても良い。
上記した第2実施形態では、駆動力算出部152が、入力軸回転数N1とトルクコンバータ速度比Rnとから、所定のテーブル(図9D)を参照して駆動力Frを算出する構成であったが、この構成に代えて、駆動力算出部152が、各種パラメータを各種関数に代入して駆動力Frを算出する構成としても良い。
図13は、エンジン駆動力の制御処理の手順を示すフローチャートの変形例である。図13に示すように、駆動力算出部152は、例えばトルクコンバータ31の入力軸回転数N1、トルクコンバータ速度比Rn、トルクコンバータ31の仕様、トランスミッション32のギア比、車輪4,8の半径(または直径)等の各種パラメータを取得し(S201-1)、これらのパラメータをROM50Bに記憶されている関数に代入して、駆動力Frを算出する(S201-2)。
この変形例のように、各種パラメータの値を関数に代入して駆動力Frを算出する構成にしても、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
例えば、回転数センサ20の代わりに車速センサを設け、車速センサで検出される車速から車輪4,8の回転数を算出することもできる。また、リフトアームシリンダ11の推力の代わりに、バケットシリンダ12の推力や油圧ポンプ33の吐出圧に基づいて、作業機14の荷役負荷を算出しても良い。また、スリップ判定閾値Ns,Fsは、3つの値を予め設定したが、走行路の状況に応じてさらに細かく設定することもできる。また、リフトアーム角度センサ27、近接スイッチ28により作業機14の姿勢を検出する構成を例示したが、この構成に代えて、リフトアームシリンダ11のストロークを検出するセンサと、バケットシリンダ12のストロークを検出するセンサとにより作業機14の姿勢を検出することもできる。
1 ホイールローダ
2 リフトアーム
3 バケット
4 前輪(車輪)
8 後輪(車輪)
5 前フレーム(車体)
9 後フレーム(車体)
11 リフトアームシリンダ(油圧シリンダ)
12 バケットシリンダ(油圧シリンダ)
14 作業機
30 エンジン
31 トルクコンバータ
32 トランスミッション
50,150 コントローラ(制御装置)
60 モニタ(外部装置)
2 リフトアーム
3 バケット
4 前輪(車輪)
8 後輪(車輪)
5 前フレーム(車体)
9 後フレーム(車体)
11 リフトアームシリンダ(油圧シリンダ)
12 バケットシリンダ(油圧シリンダ)
14 作業機
30 エンジン
31 トルクコンバータ
32 トランスミッション
50,150 コントローラ(制御装置)
60 モニタ(外部装置)
Claims (5)
- 前後にそれぞれ複数の車輪が取り付けられた車体と、前記車体の前部に設けられた作業機と、前記作業機を駆動する油圧シリンダと、前記車体の走行駆動力および前記油圧シリンダの推力を発生させる動力源となるエンジンと、前記車体の走行駆動力を制御する制御装置と、を備えたホイールローダにおいて、
前記制御装置は、前記作業機が掘削姿勢であるか否かを判定し、前記作業機が掘削姿勢であると判定された場合には、前記エンジンの実回転数、または、前記車体が受ける掘削負荷及び前記車体の性能に基づいて算出された走行駆動力と、地盤の状態と対応づけて予め設定されたスリップ判定閾値とを比較して前記車輪がスリップするか否かの予測を行い、前記車輪がスリップすると予測された場合には、前記車体の走行駆動力を制限する、ことを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記エンジンの出力軸に接続されたトルクコンバータと、前記トルクコンバータの出力軸に接続されたトランスミッションと、をさらに備え、
前記トランスミッションが1速度段に設定され、かつ、前記トルクコンバータの出力軸の回転数を前記トルクコンバータの入力軸の回転数で除算した値であるトルクコンバータ速度比が設定値未満の場合に、前記制御装置は、前記作業機が掘削姿勢であるか否かを判定する、ことを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記エンジンの出力軸に接続されたトルクコンバータと、前記トルクコンバータの出力軸に接続されたトランスミッションと、をさらに備え、
前記制御装置は、前記トルクコンバータの入力軸の回転数と、前記トルクコンバータの出力軸の回転数を前記トルクコンバータの入力軸の回転数で除算した値であるトルクコンバータ速度比とから、所定のテーブルを参照して、前記車体の走行駆動力を算出する、ことを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記制御装置は、前記油圧シリンダの推力が大きくなるほど、前記車体の走行駆動力の制限量を小さくさせる、ことを特徴とするホイールローダ。 - 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記スリップ判定閾値は予め複数設定されており、外部装置の操作により前記複数のスリップ判定閾値の中から何れかを選択可能である、ことを特徴とするホイールローダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022027902A JP2023124250A (ja) | 2022-02-25 | 2022-02-25 | ホイールローダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022027902A JP2023124250A (ja) | 2022-02-25 | 2022-02-25 | ホイールローダ |
Publications (1)
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JP2023124250A true JP2023124250A (ja) | 2023-09-06 |
Family
ID=87886556
Family Applications (1)
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JP2022027902A Pending JP2023124250A (ja) | 2022-02-25 | 2022-02-25 | ホイールローダ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023124250A (ja) |
-
2022
- 2022-02-25 JP JP2022027902A patent/JP2023124250A/ja active Pending
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