JP2784313B2 - イナーシャダンパ装置 - Google Patents
イナーシャダンパ装置Info
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- JP2784313B2 JP2784313B2 JP5188484A JP18848493A JP2784313B2 JP 2784313 B2 JP2784313 B2 JP 2784313B2 JP 5188484 A JP5188484 A JP 5188484A JP 18848493 A JP18848493 A JP 18848493A JP 2784313 B2 JP2784313 B2 JP 2784313B2
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- wheel
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- motor shaft
- rotating
- rotating wheel
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばサーボモータ等
における回転軸の振動を抑制して回転時の安定性を向上
させるイナーシャダンパ装置に関する。
における回転軸の振動を抑制して回転時の安定性を向上
させるイナーシャダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、工作機械等の駆動源として広く
使用されているサーボモータは、通常、作業の迅速化を
図るために相当に高速で回転されている。この場合、高
速で駆動回転しているサーボモータの応答性を向上させ
るためには、通常、フィードバックゲインを上げている
が、慣性力や伝達部のねじれ剛性等の影響により、当該
回転軸にねじれ振動が発生し、応答性を目的に達するま
で向上させることができない不都合がある。この回転軸
の振動は、例えば、サーボモータを工作機械等に適用し
た際に、ワークの加工精度の劣化を惹起する。
使用されているサーボモータは、通常、作業の迅速化を
図るために相当に高速で回転されている。この場合、高
速で駆動回転しているサーボモータの応答性を向上させ
るためには、通常、フィードバックゲインを上げている
が、慣性力や伝達部のねじれ剛性等の影響により、当該
回転軸にねじれ振動が発生し、応答性を目的に達するま
で向上させることができない不都合がある。この回転軸
の振動は、例えば、サーボモータを工作機械等に適用し
た際に、ワークの加工精度の劣化を惹起する。
【0003】そこで、サーボモータの回転軸の振動を抑
制する目的で、モータ軸にイナーシャダンパ装置が取着
されている。その一例として、特開昭63−83428
号に「モータにおけるダンパー装置」が開示されてい
る。
制する目的で、モータ軸にイナーシャダンパ装置が取着
されている。その一例として、特開昭63−83428
号に「モータにおけるダンパー装置」が開示されてい
る。
【0004】この装置は、モータ軸に固定された円板状
の回転輪と、前記モータ軸に回転自在に軸支され、前記
回転輪の外周部に所定の隙間を持って配設される対向輪
と、この対向輪と回転輪の隙間に封入された粘性流体と
を備えている。この構成において、モータ軸が回転して
回転輪も回転すると、対向輪が粘性流体を介して回転す
るとともに、前記粘性流体によって対向輪を見かけ上の
静止部材として回転方向の減衰がかけられるためモータ
軸の回転方向の振動が抑制される。
の回転輪と、前記モータ軸に回転自在に軸支され、前記
回転輪の外周部に所定の隙間を持って配設される対向輪
と、この対向輪と回転輪の隙間に封入された粘性流体と
を備えている。この構成において、モータ軸が回転して
回転輪も回転すると、対向輪が粘性流体を介して回転す
るとともに、前記粘性流体によって対向輪を見かけ上の
静止部材として回転方向の減衰がかけられるためモータ
軸の回転方向の振動が抑制される。
【0005】この場合、上記装置では、内輪側に位置す
る回転輪の熱膨張率を、外輪側に位置する対向輪の熱膨
張率に比べて大きく設定している。これにより、外部温
度の変化に伴う粘性流体の粘性変化並びに両輪間の間隙
寸法の変化を吸収し、常に一定のダンパー効果を得るこ
とができるという効果が得られている。
る回転輪の熱膨張率を、外輪側に位置する対向輪の熱膨
張率に比べて大きく設定している。これにより、外部温
度の変化に伴う粘性流体の粘性変化並びに両輪間の間隙
寸法の変化を吸収し、常に一定のダンパー効果を得るこ
とができるという効果が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
技術では、回転輪と対向輪との間に画成される間隙を任
意に増減させることができない。このため、前記間隙が
回転輪と対向輪の加工精度に依存しており、前記回転輪
および対向輪の製造作業が煩雑となるとともに、該間隙
が固定されてしまうため、粘性流体の変更等に起因して
所望のダンパー効果が得られないというおそれがある。
技術では、回転輪と対向輪との間に画成される間隙を任
意に増減させることができない。このため、前記間隙が
回転輪と対向輪の加工精度に依存しており、前記回転輪
および対向輪の製造作業が煩雑となるとともに、該間隙
が固定されてしまうため、粘性流体の変更等に起因して
所望のダンパー効果が得られないというおそれがある。
【0007】本発明は、この種の問題を解決するための
ものであり、外部温度の変化や粘性流体の変更等に影響
されることがなく、常に所望のダンパー効果を高精度に
確保することが可能なイナーシャダンパ装置を提供する
ことを目的とする。
ものであり、外部温度の変化や粘性流体の変更等に影響
されることがなく、常に所望のダンパー効果を高精度に
確保することが可能なイナーシャダンパ装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、モータ軸に固定され、モータ軸ととも
に回転する回転輪と、前記モータ軸に回転自在に軸支さ
れ、前記回転輪の一側面部に対して所定距離離間する対
向面部を有する対向輪と、前記回転輪の一側面部と前記
対向輪の対向面部との間に画成された間隙に充填された
粘性流体とを備え、前記回転輪の一側面部および前記対
向輪の対向面部が、モータ軸の軸線方向に対して傾斜し
て形成されるとともに、前記回転輪の一側面部が、前記
対向輪より熱膨張率の高い材質で構成されるイナーシャ
ダンパ装置において、 前記モータ軸に軸受を介して軸支
される回転部材と前記対向輪との間に挟持され、前記対
向輪を前記軸線方向に位置調整可能に装着するために所
定の幅に設定される隙間調整板と、 前記対向輪と共働し
て前記粘性流体を気密に保持するための室を形成する蓋
部材と、 前記蓋部材を、前記室を封止した状態で該対向
輪に対して前記軸線方向に変位自在に装着するためのス
ペーサと、 を備えることを特徴とする。
めに、本発明は、モータ軸に固定され、モータ軸ととも
に回転する回転輪と、前記モータ軸に回転自在に軸支さ
れ、前記回転輪の一側面部に対して所定距離離間する対
向面部を有する対向輪と、前記回転輪の一側面部と前記
対向輪の対向面部との間に画成された間隙に充填された
粘性流体とを備え、前記回転輪の一側面部および前記対
向輪の対向面部が、モータ軸の軸線方向に対して傾斜し
て形成されるとともに、前記回転輪の一側面部が、前記
対向輪より熱膨張率の高い材質で構成されるイナーシャ
ダンパ装置において、 前記モータ軸に軸受を介して軸支
される回転部材と前記対向輪との間に挟持され、前記対
向輪を前記軸線方向に位置調整可能に装着するために所
定の幅に設定される隙間調整板と、 前記対向輪と共働し
て前記粘性流体を気密に保持するための室を形成する蓋
部材と、 前記蓋部材を、前記室を封止した状態で該対向
輪に対して前記軸線方向に変位自在に装着するためのス
ペーサと、 を備えることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【作用】本発明に係るイナーシャダンパ装置では、外部
温度の変化等により粘性流体の粘性が変化する一方、熱
膨張率の高い回転輪の一側面部が膨張または収縮してこ
の一側面部と対向輪との間に画成された間隙が変化す
る。従って、外部温度上昇により粘性流体の粘性が低下
する際に、対向輪の対向面部と回転輪の一側面部との間
に画成された間隙が小さくなる。さらに、隙間調整部材
の寸法を選択することにより、対向輪の軸線方向への位
置調整が行われて前記対向輪の対向面部と回転輪の一側
面部との間に画成された間隙を所望の間隔に容易に調整
することが可能になる。
温度の変化等により粘性流体の粘性が変化する一方、熱
膨張率の高い回転輪の一側面部が膨張または収縮してこ
の一側面部と対向輪との間に画成された間隙が変化す
る。従って、外部温度上昇により粘性流体の粘性が低下
する際に、対向輪の対向面部と回転輪の一側面部との間
に画成された間隙が小さくなる。さらに、隙間調整部材
の寸法を選択することにより、対向輪の軸線方向への位
置調整が行われて前記対向輪の対向面部と回転輪の一側
面部との間に画成された間隙を所望の間隔に容易に調整
することが可能になる。
【0011】また、粘性流体を気密に保持するための室
を形成する蓋部材が、前記室を封止した状態で対向輪に
対して軸線方向に変位自在に装着されるため、前記粘性
流体の温度変化に伴う体積変化を、該蓋部材の前記軸線
方向への変位で吸収することができる。
を形成する蓋部材が、前記室を封止した状態で対向輪に
対して軸線方向に変位自在に装着されるため、前記粘性
流体の温度変化に伴う体積変化を、該蓋部材の前記軸線
方向への変位で吸収することができる。
【0012】
【実施例】本発明に係るイナーシャダンパ装置について
実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説
明する。
実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説
明する。
【0013】図1において、参照数字10は、本実施例
に係るイナーシャダンパ装置を示す。このイナーシャダ
ンパ装置10は、駆動源であるモータ(図示せず)のモ
ータ軸12に固定された回転輪14と、前記回転輪14
を介してモータ軸12に回転自在に軸支され、前記回転
輪14の一側面部14aに対して所定距離離間する対向
面部16aを有する対向輪16と、この対向輪16に固
定され、前記対向輪16と共働して前記回転輪14を囲
繞し粘性流体であるシリコンオイルを封入する室18を
画成する蓋部材20と、前記室18に連通し、前記回転
輪14の一側面部14aと前記対向輪16の対向面部1
6aとの間に画成される間隙22とを備える。
に係るイナーシャダンパ装置を示す。このイナーシャダ
ンパ装置10は、駆動源であるモータ(図示せず)のモ
ータ軸12に固定された回転輪14と、前記回転輪14
を介してモータ軸12に回転自在に軸支され、前記回転
輪14の一側面部14aに対して所定距離離間する対向
面部16aを有する対向輪16と、この対向輪16に固
定され、前記対向輪16と共働して前記回転輪14を囲
繞し粘性流体であるシリコンオイルを封入する室18を
画成する蓋部材20と、前記室18に連通し、前記回転
輪14の一側面部14aと前記対向輪16の対向面部1
6aとの間に画成される間隙22とを備える。
【0014】モータ軸12に、例えば鋼材で形成された
回転筒体24が外嵌固定されており、この回転筒体24
に回転輪14が固着される。この回転輪14は、対向輪
16より熱膨張率の高い材質で構成されており、実際上
この対向輪16が鋼材(熱膨張率;1.2×10-5/
℃)であるため、アセタール樹脂(熱膨張率;12.0
×10-5/℃)等で形成される。前記回転輪14の一側
面部14aおよび対向輪16の対向面部16aは、モー
タ軸12の軸線方向(矢印A方向)に対し傾斜して形成
される。この一側面部14aには、シリコンオイルを間
隙22に円滑に供給するための螺旋溝23が形成されて
いる。
回転筒体24が外嵌固定されており、この回転筒体24
に回転輪14が固着される。この回転輪14は、対向輪
16より熱膨張率の高い材質で構成されており、実際上
この対向輪16が鋼材(熱膨張率;1.2×10-5/
℃)であるため、アセタール樹脂(熱膨張率;12.0
×10-5/℃)等で形成される。前記回転輪14の一側
面部14aおよび対向輪16の対向面部16aは、モー
タ軸12の軸線方向(矢印A方向)に対し傾斜して形成
される。この一側面部14aには、シリコンオイルを間
隙22に円滑に供給するための螺旋溝23が形成されて
いる。
【0015】回転筒体24には、ベアリング26、26
が外装されており、このベアリング26、26の外周面
に略リング状の回転部材28が装着される。この回転部
材28の端部に大径なフランジ部28aが設けられ、こ
のフランジ部28aには、等角度間隔ずつ離間して四本
のボルト32が挿入され、このボルト32により所望の
幅寸法を有する調整板(隙間調整部材)34を介装して
前記回転部材28に対向輪16が固着される。
が外装されており、このベアリング26、26の外周面
に略リング状の回転部材28が装着される。この回転部
材28の端部に大径なフランジ部28aが設けられ、こ
のフランジ部28aには、等角度間隔ずつ離間して四本
のボルト32が挿入され、このボルト32により所望の
幅寸法を有する調整板(隙間調整部材)34を介装して
前記回転部材28に対向輪16が固着される。
【0016】対向輪16は、封止部材36を介して回転
筒体24に液密に外嵌しており、この対向輪16の側面
端縁部にボルト38およびスペーサ40を介して蓋部材
20が装着される。このスペーサ40の寸法を選択する
ことにより、蓋部材20は、室18を封止した状態で対
向輪16に対して軸線方向(矢印A方向)に所定の距離
だけ変位自在に構成される。
筒体24に液密に外嵌しており、この対向輪16の側面
端縁部にボルト38およびスペーサ40を介して蓋部材
20が装着される。このスペーサ40の寸法を選択する
ことにより、蓋部材20は、室18を封止した状態で対
向輪16に対して軸線方向(矢印A方向)に所定の距離
だけ変位自在に構成される。
【0017】この蓋部材20には、間隙22にシリコン
オイルを充填するための注入孔部20aと、シリコンオ
イルを排出するためのエア抜き兼用のドレーン孔部(図
示せず)が穿設されている。蓋部材20と対向輪16と
の間およびこの蓋部材20と回転筒体24との間には、
シリコンオイルの漏出を阻止して封入するためのゴム等
の弾性部材からなる封止部材42a、42bが配設され
ている。
オイルを充填するための注入孔部20aと、シリコンオ
イルを排出するためのエア抜き兼用のドレーン孔部(図
示せず)が穿設されている。蓋部材20と対向輪16と
の間およびこの蓋部材20と回転筒体24との間には、
シリコンオイルの漏出を阻止して封入するためのゴム等
の弾性部材からなる封止部材42a、42bが配設され
ている。
【0018】このように構成されるイナーシャダンパ装
置10の動作について説明する。
置10の動作について説明する。
【0019】イナーシャダンパ装置10の使用に際して
は、予め所定の粘度の粘性流体、例えば、粘度50,0
00〜100,000cstのシリコンオイルが蓋部材
20の注入孔部20aから所定量充填されている。
は、予め所定の粘度の粘性流体、例えば、粘度50,0
00〜100,000cstのシリコンオイルが蓋部材
20の注入孔部20aから所定量充填されている。
【0020】そこで、駆動源であるモータに電力が供給
されてモータ軸12の回転が開始されると、室18に封
入されたシリコンオイルの粘性力に抗して回転輪14が
回転し、さらに対向輪16も同一方向に回転する。そし
て、モータ軸12と回転輪14の回転が停止されると、
対向輪16は、慣性力によりその回転が継続されて前記
回転輪14との間に速度差が発生する。このため、間隙
22に介在するシリコンオイルに粘性抵抗が生じて対向
輪16の回転が徐々に停止するとともに、回転輪14の
振動が迅速に吸収される。
されてモータ軸12の回転が開始されると、室18に封
入されたシリコンオイルの粘性力に抗して回転輪14が
回転し、さらに対向輪16も同一方向に回転する。そし
て、モータ軸12と回転輪14の回転が停止されると、
対向輪16は、慣性力によりその回転が継続されて前記
回転輪14との間に速度差が発生する。このため、間隙
22に介在するシリコンオイルに粘性抵抗が生じて対向
輪16の回転が徐々に停止するとともに、回転輪14の
振動が迅速に吸収される。
【0021】ところで、外部温度が変化すると、シリコ
ンオイルの粘性抵抗が変化する。例えば、外部温度が上
昇すると、シリコンオイルの粘性抵抗が低下し、イナー
シャダンパ装置10のダンピング効果が低下してしま
う。
ンオイルの粘性抵抗が変化する。例えば、外部温度が上
昇すると、シリコンオイルの粘性抵抗が低下し、イナー
シャダンパ装置10のダンピング効果が低下してしま
う。
【0022】この場合、本実施例では、回転輪14が対
向輪16より高い熱膨張率を有する材料に設定されてい
る。実際上、対向輪16が鋼材で形成されるのに対し、
回転輪14がアセタール樹脂で形成されている。このた
め、外部温度の上昇によって回転輪14が対向輪16よ
りも大きく熱膨張し、この回転輪14が半径外方向(矢
印B方向)へ膨張する。従って、回転輪14と対向輪1
6との間に画成される間隙22は、外部温度上昇前より
も狭小となり、結果的にイナーシャダンパ装置10のダ
ンピング効果を一定に確保することができるという効果
が得られる。
向輪16より高い熱膨張率を有する材料に設定されてい
る。実際上、対向輪16が鋼材で形成されるのに対し、
回転輪14がアセタール樹脂で形成されている。このた
め、外部温度の上昇によって回転輪14が対向輪16よ
りも大きく熱膨張し、この回転輪14が半径外方向(矢
印B方向)へ膨張する。従って、回転輪14と対向輪1
6との間に画成される間隙22は、外部温度上昇前より
も狭小となり、結果的にイナーシャダンパ装置10のダ
ンピング効果を一定に確保することができるという効果
が得られる。
【0023】さらに、本実施例では、回転部材28と対
向輪16との間に調整板34が介装されている。このた
め、調整板34の幅(矢印A方向の寸法)を選択するこ
とにより、対向輪16の軸線方向(矢印A方向)への位
置調整が行われ、この対向輪16の対向面部16aと回
転輪14の一側面部14aとの間に画成された間隙22
を所望の間隔に容易に調整することが可能になる。すな
わち、図2に示すように、対向面部16aと一側面部1
4aとが軸線方向(矢印A方向)に対して傾斜している
ため、対向輪16が軸線方向(矢印A方向)に移動する
と(図中、実線の位置から二点鎖線の位置)、間隙22
が狭小となるからである。これにより、高精度なダンパ
ー効果を確実に確保することができるという効果があ
る。
向輪16との間に調整板34が介装されている。このた
め、調整板34の幅(矢印A方向の寸法)を選択するこ
とにより、対向輪16の軸線方向(矢印A方向)への位
置調整が行われ、この対向輪16の対向面部16aと回
転輪14の一側面部14aとの間に画成された間隙22
を所望の間隔に容易に調整することが可能になる。すな
わち、図2に示すように、対向面部16aと一側面部1
4aとが軸線方向(矢印A方向)に対して傾斜している
ため、対向輪16が軸線方向(矢印A方向)に移動する
と(図中、実線の位置から二点鎖線の位置)、間隙22
が狭小となるからである。これにより、高精度なダンパ
ー効果を確実に確保することができるという効果があ
る。
【0024】さらにまた、本実施例では、蓋部材20
が、室18を封止した状態で対向輪16に対して軸線方
向(矢印A方向)に所定の距離だけ変位自在に構成され
ている。従って、シリコンオイルの温度変化に伴い室1
8内で前記シリコンオイルの体積変化が生じた際、蓋部
材20がこの室18を液密に保持した状態で軸線方向
(矢印A方向)に変位する。これによって、該シリコン
オイルの体積変化を吸収することができ、回転輪14に
圧力が付与されたり、シリコンオイルの漏洩が惹起する
ことを有効に阻止することが可能になる。
が、室18を封止した状態で対向輪16に対して軸線方
向(矢印A方向)に所定の距離だけ変位自在に構成され
ている。従って、シリコンオイルの温度変化に伴い室1
8内で前記シリコンオイルの体積変化が生じた際、蓋部
材20がこの室18を液密に保持した状態で軸線方向
(矢印A方向)に変位する。これによって、該シリコン
オイルの体積変化を吸収することができ、回転輪14に
圧力が付与されたり、シリコンオイルの漏洩が惹起する
ことを有効に阻止することが可能になる。
【0025】なお、本実施例では、制御筒体42をアセ
タール樹脂で形成しているが、これに限定されるもので
はなく、他の種々の樹脂等で形成することができる。
タール樹脂で形成しているが、これに限定されるもので
はなく、他の種々の樹脂等で形成することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係るイナーシャダンパ装置によ
れば、外部温度の変化等により粘性流体の粘性が変化す
る一方、熱膨張率の高い回転輪の一側面部が膨張または
収縮してこの一側面部と対向輪との間に画成された間隙
が変化する。従って、外部温度上昇により粘性流体の粘
性が低下する際に、対向輪の対向面部と回転輪の一側面
部との間に画成された間隙が小さくなる。さらに、隙間
調整部材の寸法を選択することにより、対向輪の軸線方
向への位置調整が行われる。これによって、対向輪の対
向面部と回転輪の一側面部との間に画成された間隙を所
望の間隔に容易に調整することが可能になり、外部温度
の変化等に影響されることがなく、常に高精度なダンパ
ー効果を確実に確保することができる。
れば、外部温度の変化等により粘性流体の粘性が変化す
る一方、熱膨張率の高い回転輪の一側面部が膨張または
収縮してこの一側面部と対向輪との間に画成された間隙
が変化する。従って、外部温度上昇により粘性流体の粘
性が低下する際に、対向輪の対向面部と回転輪の一側面
部との間に画成された間隙が小さくなる。さらに、隙間
調整部材の寸法を選択することにより、対向輪の軸線方
向への位置調整が行われる。これによって、対向輪の対
向面部と回転輪の一側面部との間に画成された間隙を所
望の間隔に容易に調整することが可能になり、外部温度
の変化等に影響されることがなく、常に高精度なダンパ
ー効果を確実に確保することができる。
【0027】また、粘性流体を気密に保持する室を形成
する蓋部材が、前記室を封止した状態で対向輪に対して
軸線方向に変位自在に装着されるため、前記粘性流体の
温度変化に伴う体積変化を、該蓋部材の前記軸線方向へ
の変位で吸収することが可能になる。
する蓋部材が、前記室を封止した状態で対向輪に対して
軸線方向に変位自在に装着されるため、前記粘性流体の
温度変化に伴う体積変化を、該蓋部材の前記軸線方向へ
の変位で吸収することが可能になる。
【図1】本発明の実施例に係るイナーシャダンパ装置の
縦断側面図である。
縦断側面図である。
【図2】前記イナーシャダンパ装置の間隙を調整する際
の説明図である。
の説明図である。
10…イナーシャダンパ装置 12…モータ軸 14…回転輪 14a…一側面
部 16…対向輪 16a…対向面
部 18…室 20…蓋部材 22…間隙 24…回転筒体 26…ベアリング 28…回転部材 34…調整板 40…スペーサ
部 16…対向輪 16a…対向面
部 18…室 20…蓋部材 22…間隙 24…回転筒体 26…ベアリング 28…回転部材 34…調整板 40…スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−83428(JP,A) 特開 平4−4340(JP,A) 特開 昭58−37341(JP,A) 特開 昭63−83427(JP,A) 特開 平6−26551(JP,A) 実開 平1−94647(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 15/10 - 15/30
Claims (1)
- 【請求項1】モータ軸に固定され、モータ軸とともに回
転する回転輪と、前記モータ軸に回転自在に軸支され、
前記回転輪の一側面部に対して所定距離離間する対向面
部を有する対向輪と、前記回転輪の一側面部と前記対向
輪の対向面部との間に画成された間隙に充填された粘性
流体とを備え、前記回転輪の一側面部および前記対向輪
の対向面部が、モータ軸の軸線方向に対して傾斜して形
成されるとともに、前記回転輪の一側面部が、前記対向
輪より熱膨張率の高い材質で構成されるイナーシャダン
パ装置において、 前 記モータ軸に軸受を介して軸支される回転部材と前記
対向輪との間に挟持され、前記対向輪を前記軸線方向に
位置調整可能に装着するために所定の幅に設定される隙
間調整板と、 前記対向輪と共働して前記粘性流体を気密に保持するた
めの室を形成する蓋部材と、 前記蓋部材を、前記室を封止した状態で該対向輪に対し
て前記軸線方向に変位自在に装着するためのスペーサ
と、 を備え ることを特徴とするイナーシャダンパ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5188484A JP2784313B2 (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | イナーシャダンパ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5188484A JP2784313B2 (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | イナーシャダンパ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0742792A JPH0742792A (ja) | 1995-02-10 |
JP2784313B2 true JP2784313B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=16224545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5188484A Expired - Fee Related JP2784313B2 (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | イナーシャダンパ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2784313B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6755287B2 (en) * | 2002-11-22 | 2004-06-29 | Honeywell International Inc. | Rotary shear damper |
DE102020124019A1 (de) | 2020-09-15 | 2022-03-17 | Präwema Antriebstechnik GmbH | Einrichtung zur Dämpfung von Vibrationen einer um eine Drehachse rotierenden Spindel einer Werkzeugmaschine |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6383428A (ja) * | 1986-09-24 | 1988-04-14 | Seiko Seiki Co Ltd | モ−タにおけるダンパ−装置 |
JP2632230B2 (ja) * | 1990-04-20 | 1997-07-23 | 株式会社 シーゲル | 慣性ダンパ |
-
1993
- 1993-07-29 JP JP5188484A patent/JP2784313B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0742792A (ja) | 1995-02-10 |
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