JP2784129B2 - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

半導体素子収納用パッケージ

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JP2784129B2 JP5056844A JP5684493A JP2784129B2 JP 2784129 B2 JP2784129 B2 JP 2784129B2 JP 5056844 A JP5056844 A JP 5056844A JP 5684493 A JP5684493 A JP 5684493A JP 2784129 B2 JP2784129 B2 JP 2784129B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数個の半導体素子を収
容する半導体素子収納用パッケージに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】近時、コンピュータ等の情報処理装置は高
性能化が急激に進み、該情報処理装置に実装される半導
体素子も高密度化、高集積化が進むとともにその使用個
数が多くなってきた。
【0003】そのため従来は1 個の半導体素子を1 つの
半導体素子収納用パッケージに収容するとともにこれを
回路配線基板に実装していたが近年では複数個の半導体
素子を1 つの半導体素子収納用パッケージに収容し、こ
れを回路配線基板に実装するようになってきた。
【0004】かかる複数個の半導体素子を収容する半導
体素子収納用パッケージは通常、酸化アルミニウム質焼
結体から成り、その上面略中央部に複数個の半導体素子
を収容するための空所を形成する凹部及び該凹部周辺か
ら外周縁にかけて導出されたタングステン、モリブデ
ン、マンガン等の高融点金属粉末から成る複数個のメタ
ライズ配線層を有する絶縁基体と、各半導体素子を外部
電気回路に電気的に接続するために前記メタライズ配線
層に銀ロウ等のロウ材を介し取着された外部リード端子
と、蓋体とから構成されており、絶縁基体の凹部底面に
複数個の半導体素子が搭載されたシリコン配線基板をガ
ラス、樹脂、ロウ材等の接着剤を介して接着固定すると
ともに各半導体素子の電極をボンディングワイヤを介し
てメタライズ配線層に接続し、しかる後、絶縁基体と蓋
体とをガラス、樹脂、ロウ材等から成る封止材で接合さ
せ、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に複数個の半導
体素子を気密に収容することによって製品としての半導
体装置となる。
【0005】尚、上述の半導体装置は半導体素子収納用
パッケージの内部に複数個の半導体素子を収容する際、
その収容の作業性を向上させるために、また内部に収容
する半導体素子同志を電気的に接続するために予め半導
体素子と熱膨張係数が同じシリコンから成る基板の表面
に銅から成る配線導体とポリイミド樹脂から成る絶縁膜
を多層に積層したシリコン配線基板を準備し、このシリ
コン配線基板に複数個の半導体素子を搭載するとともに
該半導体素子の各電極と配線導体とを電気的に接続し、
しかる後、前記複数個の半導体素子が搭載されたシリコ
ン配線基板をパッケージの絶縁基体と蓋体から成る容器
内部に収容するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の半導体素子収納用パッケージは絶縁基体が酸化アル
ミニウム質焼結体から成り、その上面略中央部に形成し
た凹部内に複数個の半導体素子を搭載した広面積のシリ
コン配線基板を接着固定した場合、以下に述べる欠点を
有したものとなる。
【0007】即ち、パッケージの絶縁基体を構成する酸
化アルミニウム質焼結体とシリコン配線基板のシリコン
の熱膨張係数がそれぞれ6.5 〜7.5 ×10-6/ ℃、3.0 〜
3.5×10-6/ ℃であり、大きく相違することから両者に
半導体素子を作動させた際等に発生する熱が印加される
と両者間に大きな熱応力が発生し、該熱応力によってシ
リコン配線基板に破損を生じたり、シリコン配線基板が
絶縁基体より剥離して半導体装置としての機能が喪失し
てしまうという欠点を有していた。
【0008】
【発明の目的】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は複数個の半導体素子が搭載されたシリコ
ン配線基板を破損の発生を皆無として絶縁基体に強固に
接着固定し、半導体素子を長期間にわたり正常、且つ安
定に作動させることができる半導体素子収納用パッケー
ジを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は内部に複数個の
半導体素子が搭載されたシリコン配線基板を収容するた
めの空所を有する絶縁基体と蓋体とから成る半導体素子
収納用パッケージであって、前記絶縁基体は熱膨張係数
が5.0 ×10-6/ ℃以下の電気絶縁性材料で形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明の半導体素子収納用パッケージによれ
ば、絶縁基体を熱膨張係数が5.0×10-6/ ℃以下の電気
絶縁性材料で形成したことから絶縁基体に複数個の半導
体素子が搭載された広面積のシリコン配線基板を接着固
定し、しかる後、両者に熱が印加されたとしても両者の
熱膨張係数は近似することから両者間に大きな熱応力が
発生することはなく、その結果、絶縁基体とシリコン配
線基板との間に発生する熱応力によってシリコン配線基
板に破損が生じることは一切なく、シリコン配線基板と
絶縁基体とを極めて強固に接着固定するのを可能として
半導体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させ
ることができる。
【0011】
【実施例】次に本発明を添付図面に基づき詳細に説明す
る。図1 は本発明の半導体素子収納用パッケージの一実
施例を示し、1 は絶縁基体、2 は蓋体である。この絶縁
基体1 と蓋体2 とで複数個の半導体素子3 が搭載されて
いるシリコン配線基板5 を収容する容器4 が構成され
る。
【0012】前記絶縁基体1 はその上面中央部に複数個
の半導体素子3 が搭載されたシリコン配線基板5 を収容
するための空所を形成する凹部1aが設けてあり、該凹部
1a底面にはシリコン配線基板5 がガラス、樹脂等の接着
剤を介して接着固定される。
【0013】前記絶縁基体1 の凹部1a内に収容されるシ
リコン配線基板5 は、シリコン基板5a上に銅(Cu)から成
る配線導体5bとポリイミド樹脂から成る絶縁膜5cを薄膜
形成技術を採用し多層に積層させた構造を有しており、
配線導体5bには各半導体素子3 の電極が電気的に接続さ
れ、該配線導体5bによって各半導体素子3 の所定電極が
電気的に接続されるようになっている。
【0014】また前記シリコン配線基板5 はシリコン基
板5aが半導体素子3 と同質の材料で形成されていること
からシリコン配線基板5 に半導体素子3 を搭載させた
後、両者に熱が印加されても両者間には熱膨張係数の相
違に起因する大きな熱応力が発生することはなく、半導
体素子3 をシリコン配線基板5 に強固に搭載させておく
ことが可能となっている。
【0015】前記複数個の半導体素子3 が搭載されたシ
リコン配線基板5 を収容する空所を有する絶縁基体1 は
窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、ムライ
ト質焼結体等の熱膨張係数が5.0 ×10-6/ ℃以下の電気
絶縁材料から成り、該窒化アルミニウム質焼結体、炭化
珪素質焼結体、ムライト質焼結体はその各々の熱膨張係
数が5.0 ×10-6/ ℃、3.0 〜4.0 ×10-6/ ℃、4.0 〜5.
0 ×10-6/ ℃であり、シリコンの熱膨張係数(3.0〜3.5
×10-6/ ℃) に近似することから絶縁基体1 の凹部1a底
面に複数個の半導体素子3 が搭載されたシリコン配線基
板5 を接着固定した後、絶縁基体1 とシリコン配線基板
5 の両者に半導体素子3 が作動時等に発生する熱が印加
されたとしても両者間には大きな熱応力が発生すること
はなく、該熱応力によってシリコン配線基板5 を破損さ
せたり、シリコン配線基板5 を絶縁基体1 より剥離させ
て半導体装置としての機能を喪失させることは皆無とな
る。
【0016】尚、前記絶縁基体1 は例えば、窒化アルミ
ニウム質焼結体から成る場合、主原料としての窒化アル
ミニウム(AlN) に焼結助剤としてのイットリア(Y2 O
3 ) 、カルシア(CaO) 、マグネシア(MgO) と適当な有
機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状となし、次に前記泥
漿物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロー
ル法を採用することによってセラミックグリーンシート
( セラミック生シート) に成形し、しかる後、前記セラ
ミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとと
もに複数枚積層し、高温( 約1800℃) で焼成することに
よって製作される。
【0017】また前記絶縁基体1 は凹部1a内に収容する
各半導体素子3 が多量の熱を発生するタイプのものであ
れば、熱伝導率が80W/m ・K 以上の窒化アルミニウム質
焼結体で形成しておくと絶縁基体1 が半導体素子3 の発
する熱を吸収するとともに大気中に良好に放散し、半導
体素子3 を常に低温として長期間にわたり正常に作動さ
せることが可能となる。従って、絶縁基体1 はその凹部
1a内に収容する各半導体素子3 が多量の熱を発生するタ
イプのものであれば窒化アルミニウム質焼結体で形成し
ておくことが好ましい。
【0018】更に前記絶縁基体1 には凹部1a周辺から外
周縁にかけて複数個のメタライズ配線層6 が被着形成さ
れており、該メタライズ配線層4 の凹部1a周辺部には半
導体素子3 の電極が接続されているシリコン配線基板5
の配線導体5bがボンディングワイヤ7 を介して電気的に
接続され、また絶縁基体1 の外周縁に導出する部位には
外部リード端子8 が銀ロウ等のロウ材を介してロウ付け
されている。
【0019】前記絶縁基体1 に設けたメタライズ配線層
6 は外部電気回路に接続される外部リード端子8 に各半
導体素子3 の電極を電気的に導通させる作用を為し、タ
ングステン、モリブデン、マンガン等の金属粉末で形成
されている。
【0020】尚、前記メタライズ配線層6 は例えば、タ
ングステン等の金属粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合し
て得た金属ペーストを絶縁基体1 となるセラミックグリ
ーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所
定パターンに印刷塗布しておくことによって絶縁基体1
の凹部1a周辺から外周縁にかけて被着形成される。
【0021】また前記メタライズ配線層6 はその露出す
る外表面にニッケル、金等の耐蝕性に優れ、且つロウ材
と濡れ性の良い金属をメッキ法により1.0 乃至20.0μm
の厚みに層着させておくとメタライズ配線層6 の酸化腐
食を有効に防止することができるとともにメタライズ配
線層6 と外部リード端子8 とのロウ付けを強固なものと
なすことができる。従って、前記メタライズ配線層6 の
表面にはニッケル、金等の耐蝕性に優れ、且つロウ材と
濡れ性の良い金属をメッキ法により1.0 乃至20.0μm の
厚みに層着させておくことが好ましい。
【0022】更に前記メタライズ配線層6 にロウ付けさ
れる外部リード端子8 はコバール金属( 鉄ーニッケルー
コバルト合金) や42アロイ( 鉄ーニッケル合金) 等の金
属材料から成り、各半導体素子3 の電極を外部電気回路
に電気的に接続する作用を為す。
【0023】前記外部リード端子8 はコバール金属等の
インゴット( 塊) を圧延加工法や打ち抜き加工法等、従
来周知の金属加工法を採用し、所定の板状に形成するこ
とによって製作される。
【0024】かくして上述の半導体素子収納用パッケー
ジによれば、絶縁基体1 の凹部1a底面に、複数個の半導
体素子3 が搭載されたシリコン配線基板5 をガラス、樹
脂、ロウ材等の接着材を介して接着固定するとともに該
半導体素子3 の各電極が接続されているシリコン配線基
板5 の配線導体5bをボンディングワイヤ7 を介してメタ
ライズ配線層6 に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体
1 の上面に蓋体2 をガラス、樹脂、ロウ材等から成る封
止材を介して接合させ、絶縁基体1 と蓋体2 とからなる
容器4 内部に複数個の半導体素子3 が搭載されたシリコ
ン配線基板5 を気密に封止することによって製品として
の半導体装置が完成する。
【0025】尚、本発明は上述の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種
々の変更は可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明の半導体素子収納用パッケージに
よれば、絶縁基体を熱膨張係数が5.0×10-6/ ℃以下の
電気絶縁性材料で形成したことから絶縁基体に複数個の
半導体素子が搭載された広面積のシリコン配線基板を接
着固定し、しかる後、両者に熱が印加されたとしても両
者の熱膨張係数は近似することから両者間に大きな熱応
力が発生することはなく、その結果、絶縁基体とシリコ
ン配線基板との間に発生する熱応力によってシリコン配
線基板に破損が生じることは一切なく、シリコン配線基
板と絶縁基体とを極めて強固に接着固定するのを可能と
して半導体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージの一実施
例を示す断面図である。
【符号の説明】 1・・・・・・絶縁基体 1a・・・・・凹部 2・・・・・・蓋体 3・・・・・・半導体素子 4・・・・・・容器 5・・・・・・シリコン配線基板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に複数個の半導体素子が搭載されたシ
    リコン配線基板を収容するための空所を有する絶縁基体
    と蓋体とから成る半導体素子収納用パッケージであっ
    て、前記シリコン配線基板はシリコン基板の上面に配線
    導体とポリイミド樹脂から成る絶縁膜とを薄膜形成技術
    により交互に多層に積層して形成されており、かつ絶縁
    基体が5.0×10 -6 /℃以下の熱膨張係数を有する電
    気絶縁性材料で形成されていることを特徴とする半導体
    素子収納用パッケージ。
  2. 【請求項2】前記絶縁基体が窒化アルミニウム質焼結
    体、炭化珪素質焼結体、ムライト質焼結体の少なくとも
    1種から成ることを特徴とする請求項1に記載の半導体
    素子収納用パッケージ。
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