JP2782979B2 - サーボ型ディスクブレーキ - Google Patents

サーボ型ディスクブレーキ

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JP2782979B2
JP2782979B2 JP3135441A JP13544191A JP2782979B2 JP 2782979 B2 JP2782979 B2 JP 2782979B2 JP 3135441 A JP3135441 A JP 3135441A JP 13544191 A JP13544191 A JP 13544191A JP 2782979 B2 JP2782979 B2 JP 2782979B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサーボ型ディスクブレー
キに関するものであり、特に、ブレーキ本体の固定部材
への取付構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーボ型ディスクブレーキの一種に、ブ
レーキパッドを支持したブレーキ本体がディスクロータ
近傍の固定部材にほぼディスクロータの回転方向に回動
可能に取り付けられるものがある。例えば、SAEペー
パ892450号に記載されたサーボ型ディスクブレー
キにおいては、ディスクロータを間に挟んで両側にそれ
ぞれシリンダを備えるとともに一対のブレーキパッドを
支持した、いわゆるオポーズド型キャリパがディスクロ
ータの回転中心と平行に延びる1本のピンによって固定
部材に回動可能に連結されている。制動時には、キャリ
パの各シリンダにブレーキ液が供給されて各ブレーキパ
ッドがディスクロータに両側から押し付けられる。この
とき、キャリパがディスクロータ周方向に連れ回り、デ
ィスクロータの回転中心に直角な平面内でピンのまわり
に回動する。
【0003】このキャリパにはサーボシリンダが設けら
れている。サーボシリンダ内にはサーボピストンが液密
かつ摺動可能に嵌合されることにより、サーボ圧発生室
が形成されている。サーボピストンはキャリパのピンま
わりの回動に伴ってサーボシリンダ内を移動し、サーボ
圧発生室にサーボ圧を発生させる。サーボ圧発生室はキ
ャリパの各シリンダに接続されており、サーボ圧が各シ
リンダに供給されて、ブレーキパッドのディスクロータ
への押付力が増大させられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このサ
ーボ型ディスクブレーキを実際に車両に搭載する場合に
は、キャリパの回動中心をディスクロータの回転中心と
一致させることが困難で、偏心させざるを得ない場合が
多い。四輪自動車等においてはディスクロータを回転可
能に支持する軸や軸受装置の直径が大きくなるため、特
に困難である。
【0005】そして、キャリパがディスクロータの回転
中心から偏心した位置で、1本のピンまわりに回動する
場合には、回動に伴うキャリパの傾き角度が大きくな
る。すなわち、キャリパの回動によって、キャリパのロ
ータ回転方向前側の端部とロータ外周面との隙間が減少
し、ロータ回転方向後側の端部とロータ外周面との隙間
が増大するのであり、キャリパがディスクロータの外周
面やホイールディスクの内周面に接触することを回避す
るためにキャリパの傾きを許容するだけのスペースを設
けようとすれば、ディスクロータの半径を小さくしなけ
ればならず、制動力が小さくなって、ブレーキをサーボ
型としたことの効果が減殺されてしまうという問題があ
った。
【0006】この問題はキャリパがディスクロータの片
側にのみシリンダを備え、マウンティングブラケットに
よりディスクロータの軸方向に移動可能に支持される浮
動型である場合にも同様に生じる。この場合には、ブレ
ーキパッドがマウンティングブラケットに支持されるの
が普通であり、マウンティングブラケットが回動可能な
ブレーキ本体として機能するようにされるのであるが、
このマウンティングブラケットの傾き角度、ひいてはキ
ャリパの傾き角度が大きくなってしまうのである。
【0007】本発明は以上の事情に鑑み、ブレーキ本体
をディスクロータの回転中心から偏心した位置において
回動可能に支持しながら、ブレーキ本体の傾き角度を極
力小さくし得るサーボ型ディスクブレーキを得ることを
課題として為されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨
は、ブレーキパッドを支持してディスクロータ近傍の固
定部材にほぼディスクロータの回転方向に回動可能に取
り付けられたブレーキ本体を有し、そのブレーキ本体の
回動に基づいてサーボシリンダを駆動するサーボ型ディ
スクブレーキにおいて、ブレーキ本体を、ディスクロー
タの回転中心から偏心しかつ互いにディスクロータの周
方向に隔たった位置においてそれぞれほぼディスクロー
タの半径方向に延びるとともに前記回転中心に直角な平
面内で回動可能な少なくとも2本のリンクを介して固定
部材に連結したことにある。
【0009】
【作用】上記のように構成されたディスクブレーキにお
いては、ブレーキ本体が少なくとも2本のリンクによっ
て固定部材に回動可能に連結される。したがって、制動
時にブレーキ本体に連れ回りトルクが生ずれば、各リン
クがディスクロータの回転中心に直角な平面で回動す
る。各リンクはディスクロータの回転中心から偏心する
とともに互いにディスクロータの周方向に隔たった位置
においてそれぞれほぼディスクロータの半径方向に延び
ており、一端が固定部材に、他端がブレーキ本体に回動
可能に取り付けられるため、リンクの回動につれてブレ
ーキ本体が実質的にディスクロータの回転中心を中心と
して回動することとなる。
【0010】
【発明の効果】したがって、ディスクロータの外周側に
ブレーキ本体を含むブレーキ機構が傾くことを許容する
大きなスペースを確保する必要がなくなり、その分ディ
スクロータの半径を大きくすることができ、制動力が向
上する効果が得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明のサーボ型ディスクブレーキを
後輪駆動車の前輪に適用した場合の一実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。図1および図2において、10
はディスクロータである。ディスクロータ(以下、単に
ロータという)10は図示しないボルトによりアクスル
ハブ12に相対回転不能に固定されている。アクスルハ
ブ12の中心からはスピンドル14が一体的に延び出さ
せられており、固定部材たるステアリングナックル16
に相対回転可能に保持されている。したがって、ロータ
10はスピンドル14およびアクスルハブ12と一体的
に軸線Lのまわりに回転する。
【0012】このロータ10を跨ぐ状態でキャリパ22
が配設されている。キャリパ22はいわゆるオポーズド
型であり、ロータ10を間に挟んで2対のシリンダ2
4,26を備えており、それぞれにピストン28,30
が液密かつ摺動可能に嵌合されている。2個のピストン
28とロータ10との間にはインナパッド32が配設さ
れ、2個のピストン30とロータ10との間にはアウタ
パッド34が配設されている。これらインナパッド32
およびアウタパッド34はそれらの各裏板36,38に
おいて、キャリパ22によりロータ10の軸方向に移動
可能に支持されている。本実施例においては、キャリパ
22がブレーキ本体を構成しているのである。また、裏
板36,38にはキャリパ22に固定の一対のパッドピ
ン40(図2には1本のみ示す)が挿通されており、両
パッド32,34のロータ半径方向の移動が防止されて
いる。
【0013】各シリンダ24,26の液圧室41,42
は、図6に示す増圧制御弁44を介して、図3に示すサ
ーボ圧発生装置46のサーボ圧発生室48と図示しない
マスタシリンダとに接続されており、各液圧室41,4
2にブレーキ液が供給されることによりピストン28,
30がロータ10に向かって前進させられ、両パッド3
2,34がロータ10に押し付けられる。
【0014】キャリパ22は2本のリンク50によりス
テアリングナックル16に連結されている。キャリパ2
2の、軸線Lから偏心しかつ周方向に隔たった2箇所に
は、図2に示すように、ロータ10の半径方向内向きに
延びる各一対の突部52,54が形成されており、各突
部52,54には軸線Lと平行に延びる図示しない貫通
穴が形成されている。また、ステアリングナックル16
にも各一対ずつの突部56,58が形成されている。両
突部56,58は、軸線Lから偏心するとともに互いに
ロータ10の周方向に隔たった位置においてそれぞれロ
ータ10の半径方向外向きに延びており、軸線Lと平行
に延びる図示しない貫通穴を備えている。
【0015】一方、各リンク50は両端部に貫通穴を有
しており、図2に示すように各端部がキャリパ22の突
部52,54間とステアリングナックル16の突部5
6,58間とに位置させられ、ピン66,68により軸
線Lに直角な平面内で回動可能に連結されている。2本
のピン64は軸線Lを中心とする一円弧上に位置し、別
の2本のピン66は軸線Lを中心とし上記一円弧より半
径の大きい別の一円弧上に位置している。また、各リン
ク50はそれぞれロータ10の半径方向に延びている。
したがって、キャリパ22はほぼロータ10の周方向に
回動可能にステアリングナックル16に取り付けられて
いることとなる。
【0016】ステアリングナックル16の外周面の一部
から、図1に示すように、アーム72がロータ10の半
径方向に延び出させられている。アーム72はステアリ
ングナックル16と一体的に形成されており、その先端
部とキャリパ22との間に前記サーボ圧発生装置46が
設けられている。サーボ圧発生装置46は、図3乃至図
5に示すように、サーボシリンダ78を備えている。サ
ーボシリンダ78のシリンダハウジング80にはピスト
ン82が液密かつ摺動可能に嵌合されることによって、
ピストン82の端面84とシリンダハウジング80の端
壁86との間にサーボ圧発生室48が形成されている。
ピストン82の端面84と端壁86との間にはスプリン
グ90が配設され、ピストン82を端壁86から離間す
る向きに付勢している。また、端壁86には同心に貫通
穴92が形成されている。
【0017】サーボシリンダ78にはヨーク状の連結部
材96が連結されている。連結部材96は、平板部98
とその両側から平行に延び出た一対の側板部100とか
ら成っている。平板部98にはサーボシリンダ78の軸
方向に延びる円筒状の突部104が形成されており、端
壁86の貫通穴92に液密かつ摺動可能に嵌合され、サ
ーボ圧発生室48内へ突入している。突部104には同
心の貫通穴106が形成されている。一方、ピストン8
2の端面84からはロッド110が軸方向に延び出させ
られており、突部104の貫通穴106に液密かつ摺動
可能に挿通されている。ロッド110の先端部には、連
結部材96の平板部98の内面112に係合可能な係合
部114が形成されており、図3の状態において係合部
114がスプリング90の付勢力により内面112に当
接することによって、平板部98がシリンダハウジング
80のサーボ圧発生室48側の端壁86の外面に密着さ
せられている。
【0018】また、連結部材96の両側板部100の先
端部にはそれぞれ貫通穴118が形成されており、図1
に示すように、ピン120によりアーム72の先端に相
対回動可能に連結されている。したがって、連結部材9
6の平板部98とシリンダハウジング80の端壁86と
が当接することにより、シリンダハウジング80とアー
ム72との接近限度が規定され、平板部98の内面11
2とロッド110の係合部114とが当接することによ
り、ピストン82とアーム72との離間限度が規定され
ることとなる。
【0019】一方、シリンダハウジング80の端壁86
とは反対側の端壁124には貫通穴126が形成されて
おり、連結部材130の軸部132が軸方向に移動可能
に嵌合されている。連結部材130は、軸部132の一
端に形成された大径の係合部134と、他端に形成され
た連結部136とを備えており、係合部134がシリン
ダハウジング80内に位置することにより連結部材13
0のシリンダハウジング80からの抜け出しが防止され
ている。また、係合部134には半球状の突起140が
形成されており、これがピストン82の端面84とは反
対側の端面に形成された半球状の凹部144に嵌入した
状態でピストン82を押すことにより、ピストン82が
スプリング90の付勢力に抗してサーボ圧発生室48側
へ移動させられるようになっている。
【0020】また、連結部136は、図1に示すように
ピン146によりキャリパ22に回動可能に連結されて
おり、ピストン82が突起140に当接することによ
り、ピストン82とキャリパ22との接近限度が規定さ
れるとともに、シリンダハウジング80の端壁124が
係合部134と係合することにより、シリンダハウジン
グ80とキャリパ22との離間限度が規定される。
【0021】シリンダハウジング80のサーボ圧発生室
48は、ポート152において図6に示す前記増圧制御
弁44に接続されている。増圧制御弁44のバルブハウ
ジング158には、図示しないマスタシリンダと連通す
る第一ポート160,キャリパ22のシリンダ24,2
6の各液圧室41,42と連通する第二ポート162お
よびサーボシリンダ78のポート152に連通する第三
ポート164が形成されている。また、バルブハウジン
グ158には、小径穴部166,中径穴部168および
大径穴部170から成る段付のバルブ穴172が形成さ
れており、第一ポート160が小径穴部166と、第二
ポート162が中径穴部168と、第三ポート164が
大径穴部170とそれぞれ連通させられている。また、
第二ポート162と第三ポート164とは液通路174
によって連通させられているが、液通路174には逆止
弁176が設けられており、サーボシリンダ78のサー
ボ圧発生室48へのキャリパ22のシリンダ24,26
からのブレーキ液の流れは許容され、逆向きの流れは阻
止される。
【0022】大径穴部170には有底円筒状の補助ハウ
ジング180が液密に、かつスナップリング182によ
り離脱を阻止された状態で嵌合されている。補助ハウジ
ング180は一端に開口する段付の軸方向穴184を有
しており、この軸方向穴184にバルブピストン188
の軸部190が摺動可能に嵌合されることにより、液室
192と大気圧室193とが形成されている。液室19
2は液通路194および第三ポート164を経てサーボ
圧発生室48と連通しており、バルブピストン188の
軸部190は中空とされて大気圧室193の容積増大が
図られている。また、液室192には2個のシール19
5が設けられて、軸部190と補助ハウジング180と
の液密を保持しており、軸部190の外周面の一部には
軸方向に平行に延びる溝196が形成されている。バル
ブピストン188が図6の原位置にある状態では、溝1
96が液室192と中径穴部168の液室197とを連
通させない位置にあるため、サーボ圧発生室48とシリ
ンダ24,26との連通が遮断されている。
【0023】液室197において、バルブピストン18
8のフランジ部198と補助ハウジング180との間に
はスプリング200が配設されており、バルブピストン
188を補助ハウジング180から離間する向き、すな
わち図において左方へ付勢している。そして、バルブピ
ストン188の頭部202が小径穴部166の端面に当
接することにより原位置が規定されている。頭部202
には液通路204,205が設けられており、バルブピ
ストン88が原位置にある状態では、第一ポート160
と第二ポート162とが連通させられている。また、液
室197の肩面には弾性体から成る弁座208が配設さ
れており、バルブピストン188が一定量前進したと
き、頭部202の弁部206が弁座208に着座して第
一ポート160と第二ポート162との連通を遮断す
る。弁部206はさらに弁座208を弾性変形させつつ
弁座208に嵌入することが可能であり、やがて、軸部
190の溝196が液室197と液室192とを連通さ
せ、シリンダ24,26とサーボ圧発生室48とを連通
させる。
【0024】次に、作動を説明する。なお、図7乃至図
9は増圧制御弁44の構造を簡略化して示す図である。
車両走行中はロータ10が車輪と共に回転し、サーボシ
リンダ78のシリンダハウジング80およびピストン8
2が図3に示す原位置に位置させられ、サーボ圧発生室
48にはサーボ圧が発生していない。また、図7に示す
ように、増圧制御弁44のバルブピストン188は、ス
プリング200の付勢力により原位置に位置させられて
おり、キャリパ22の液圧室41,42をマスタシリン
ダに連通させている。
【0025】運転者によりブレーキペダルの踏込み操作
が行われれば、マスタシリンダからブレーキ液圧Pm が
第一ポート160,液通路204,205,液室19
7,第二ポート162を経てキャリパ22のシリンダ2
4,26へ供給される。したがって、この段階ではマス
タシリンダの液圧Pm とシリンダ24,26の液圧Pc
とは等しい(Pm =Pc)。このときの増圧制御弁44の
状態を非増圧状態と称することとする。
【0026】シリンダ24,26にそれぞれキャリパ液
圧Pc が供給されれば、両ピストン28,30によりパ
ッド32,34がロータ10の両側の摩擦面に押し付け
られ、制動が行われる。このとき、キャリパ22にロー
タ10の回転方向(図1に実線の矢印で示す方向)の連
れ回りトルクが作用し、一対のリンク50がロータ10
の軸線Lから偏心した位置において軸線Lに直角な平面
内で小角度回動する。前述のように、一対のリンク50
は常にはロータ10の半径方向に延びているため、その
位置からリンク50が小角度回動すればキャリパ22が
ほぼロータ10の軸線Lまわりに回動することとなる。
すなわち、図10に示すように、実線で示す回動前と、
二点鎖線で示す角度α回動後とにおいて、キャリパ22
の前端部とロータ10の外周面との隙間tおよびキャリ
パ22の後端部とロータ10の外周面との隙間cに殆ど
差が生じないのである。このようにキャリパ22がほぼ
ロータ10の周方向に移動させられることによって、前
端部がロータ10の外周面に接触したり、後端部がホイ
ールディスクに接触したりすることが良好に回避され
る。
【0027】キャリパ22の回動に伴って連結部材13
0に引張力が加えられ、図4に示すようにサーボ圧発生
装置46の係合部134がシリンダハウジング80の端
壁124に係合して、シリンダハウジング80を図にお
いて右方へ移動させる。連結部材96はアーム72によ
り軸方向の移動を阻止されているため、スプリング90
の付勢力に抗してピストン82とシリンダハウジング8
0の端壁86とが相対的に接近し、サーボ圧発生室48
にサーボ圧Ps が発生させられる。このサーボ圧Ps は
ポート152を経て増圧制御弁44の第三ポート164
から液室192へ供給される。
【0028】図6において、増圧制御弁44のバルブピ
ストン188の軸部190の断面積をAr ,弁部206
の断面積をAh , スプリング200の付勢力をF,図に
おいて右方向の抵抗をf1 , 左方向の抵抗をf2 とする
と、Pm ・Ar >F+f1 が成立したとき、バルブピス
トン188がスプリング90の付勢力Fに抗して前進
し、図8に示すようにバルブピストン188の弁部20
6が弁座208に着座して、第一ポート160と第二ポ
ート162との連通が遮断される。すなわち、シリンダ
24,26にマスタシリンダ液圧Pm もサーボ液圧Ps
も供給されない遮断状態となるのである。この遮断状態
は−f2 <Pm ・Ah −Pc(Ah −Ar)−F<f1 なる
条件が成立する間保たれる。
【0029】さらにブレーキペダルが踏み込まれてマス
タシリンダ液圧Pm が増大し、Pm・Ah >Pc(Ah −
Ar)+F+f1 が成立すれば、バルブピストン188が
さらに前進して溝196が液室197と液室192とを
連通させ、第二ポート162が第三ポート164と連通
する増圧状態となる。したがって、第三ポート164か
ら液室192に供給されているサーボ圧Ps が第二ポー
ト162からキャリパ22のシリンダ24,26へ供給
され、両パッド32,34のロータ10への押圧力が増
大させられる。
【0030】サーボ圧Ps の供給によりPc(Ah −Ar)
+F>Pm ・Ah +f2 が成立すれば、バルブピストン
188が後退して第二ポート162が第三ポート164
から遮断されて再び遮断状態となる。キャリパ液圧Pc
がマスタシリンダ液圧Pm より高く、かつ、マスタシリ
ンダ液圧Pm に比例した高さに制御されるのである。
【0031】ブレーキペダルの踏込みが緩められればマ
スタシリンダ液圧Pmが減少し、弁部206が弁座20
8から離れてキャリパ液圧Pc がほぼPc(Ah −Ar)+
F=Pm ・Ah の関係を保ちつつ減少する。そして、P
m ・Ar <F+f2 が成立すればバルブピストン188
が原位置に復帰し、増圧制御弁44が元の状態に戻る。
一方、サーボシリンダ78においては、キャリパ液圧P
c が低下してキャリパ22の連れ回りトルクが減少する
につれて、サーボ圧Ps が低下する。そして、スプリン
グ90の付勢力に基づくキャリパ22の逆向きの回転ト
ルクが連れ回りトルクに打ち勝つに到れば、シリンダハ
ウジング80がスプリング90の付勢力により図3の原
位置に復帰させられ、キャリパ22およびリンク50が
図1に破線で示す矢印の方向に回動し、原位置に復帰す
る。なお,シリンダハウジング80が上記のように原位
置に復帰させられる際には、サーボ圧発生室48の容積
が増大するが、この容積の増大はブレーキ液が逆止弁1
76を経てサーボ圧発生室48に流入することにより許
容される。
【0032】次に、車両後退中にブレーキペダルが踏み
込まれた場合について説明する。車両後退中はロータ1
0が、図1において破線で示す矢印の方向に回転する。
したがって、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれ
れば、キャリパ22の連れ回りトルクにより、図5に示
すように、連結部材130の突起140がピストン82
の凹部144に係合し、ピストン82をスプリング90
の付勢力に抗してサーボ圧発生室48に向かって移動さ
せる。そのため、サーボ圧発生室48の容積が減少して
サーボ液圧Ps が発生させられる。
【0033】このときのサーボ液圧Ps は、車両前進時
に発生するサーボ液圧Ps に比較して低くなる。図3に
おいて、ピストン82の断面積をAp ,ロッド110の
断面積をAd , 連結部材96の突部104の外径と同一
直径を有する円の面積をAtとすると、Ad <At <Ap
となっている。ピストン82とシリンダハウジング8
0とを相対移動させる力をFとすると、車両前進時に発
生するサーボ液圧PsはF/(Ap −At )であり、車
両後退時に発生するサーボ液圧Ps はF/(Ap −Ad
)となる。(Ap −At )<(Ap −Ad )であるか
ら、F/(Ap −At )>F/(Ap −Ad )となっ
て、車両前進時に発生するサーボ液圧Ps の方が高くな
るのである。車両後退時には、車両前進時ほど車速が大
きくなく、それほど大きなブレーキ力は必要ないのが普
通であるため、このように、車両前進時と後退時とでサ
ーボ液圧Ps が変わるようにすることにより制動を良好
に行うことができる。なお、増圧制御弁の作動は、車両
前進時と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0034】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、キャリパ22をロータ10の軸線Lから偏
心した位置においてステアリングナックル16に連結し
ながら、ほぼロータ10の軸線Lまわりに回動させ得る
ため、キャリパの傾きを回避することができ、キャリパ
22のロータ10あるいはホイールディスクへの接触を
回避しつつロータ10の直径を大きくすることができ
る。
【0035】また、本実施例においては、1つのサーボ
圧発生装置46が車両前進時と後退時のいずれにおいて
もサーボ圧を発生し得るため、従来のようにキャリパ2
2の前後に1つずつサーボ圧発生装置を設ける場合に比
較してディスクブレーキ全体の構造が簡単となり、装置
を小形化し得る。装置コストが低くなる効果も得られ
る。
【0036】なお、本実施例において、リンクの位置や
数はブレーキ本体の形や大きさによって適宜変更するこ
とが可能である。
【0037】また、本実施例のようにキャリパ22がブ
レーキ本体を構成するオポーズド型ディスクブレーキの
他に、キャリパ浮動型ディスクブレーキに本発明を適用
することも可能である。キャリパ浮動型ディスクブレー
キにおいては、キャリパがディスクロータの片側にのみ
シリンダを備え、マウンティングブラケットによりロー
タの軸方向に移動可能に支持される。この場合には、ブ
レーキパッドを支持するマウンティングブラケットを、
少なくとも2本のリンクを介して固定部材に取り付けれ
ば、制動時にマウンティングブラケットがキャリパの連
れ回りトルクを受けてディスクロータの回転中心を中心
として回動することとなる。
【0038】さらに、本実施例においては、サーボ圧発
生装置46がキャリパ22に連結されていたが、リンク
50あるいはピン66等に連結することも可能である。
【0039】その他、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で、本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるサーボ型ディスクブレ
ーキを示す正面断面図である。
【図2】上記ディスクブレーキのII−II断面図である。
【図3】上記ディスクブレーキのサーボ圧発生装置を示
す正面断面図である。
【図4】上記サーボ圧発生装置の図3とは別の作動状態
を示す正面断面図である。
【図5】上記サーボ圧発生装置の図3および図4とは別
の作動状態を示す正面断面図である。
【図6】上記ディスクブレーキの増圧制御弁を示す正面
断面図である。
【図7】上記増圧制御弁を概念的に示す正面断面図であ
る。
【図8】上記増圧制御弁の図7とは別の作動状態を概念
的に示す正面断面図である。
【図9】上記増圧制御弁の図7および図8とは別の作動
状態を概念的に示す正面断面図である。
【図10】上記ディスクブレーキにおけるキャリパの回
動前と回動後との状態を比較して示す説明図である。
【符号の説明】
10 ディスクロータ 16 ステアリングナックル 22 キャリパ 24 シリンダ 26 シリンダ 44 増圧制御弁 46 サーボ圧発生装置 50 リンク 72 アーム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキパッドを支持してディスクロー
    タ近傍の固定部材にほぼディスクロータの回転方向に回
    動可能に取り付けられたブレーキ本体を有し、そのブレ
    ーキ本体の回動に基づいてサーボシリンダを駆動するサ
    ーボ型ディスクブレーキにおいて、前記ブレーキ本体
    を、前記ディスクロータの回転中心から偏心しかつ互い
    にディスクロータの周方向に隔たった位置においてそれ
    ぞれほぼディスクロータの半径方向に延びるとともに前
    記回転中心に直角な平面内で回動可能な少なくとも2本
    のリンクを介して前記固定部材に連結したことを特徴と
    するサーボ型ディスクブレーキ。
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