JPH08145088A - スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキ - Google Patents

スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキ

Info

Publication number
JPH08145088A
JPH08145088A JP6291211A JP29121194A JPH08145088A JP H08145088 A JPH08145088 A JP H08145088A JP 6291211 A JP6291211 A JP 6291211A JP 29121194 A JP29121194 A JP 29121194A JP H08145088 A JPH08145088 A JP H08145088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caliper
slide pin
rotor
pin hole
braking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6291211A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadanori Okada
忠紀 岡田
Noboru Niikura
昇 新鞍
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP6291211A priority Critical patent/JPH08145088A/ja
Publication of JPH08145088A publication Critical patent/JPH08145088A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレ
ーキのキャリパをディスクロータの傾きに追従して傾き
可能とし、パッドの偏摩耗を低減させる。 【構成】 スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレ
ーキにおいて、キャリパ28に固定のスライドピン3
8,40を摺動可能に支持するスライドピン孔形成部材
30,31を、自在継ぎ手32によりマウンティングブ
ラケット22に取り付け、キャリパ28をディスクロー
タ10の摩擦面12に平行でかつ互いに直交する2直線
のまわりに回動可能とする。この回動を、非制動時には
相対回動抑制・許容装置58,59により抑制し、制動
時には許容する。非制動時にはキャリパ28が回動せ
ず、引きずりトルクの増大が防止され、旋回制動時には
ディスクロータ10の傾きに追従してキャリパ28が回
動し、パッド14,16が摩擦面12に垂直に押し付け
られて偏摩耗が回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクブレーキに関
するものであり、特に、制動時にキャリパがディスクロ
ータの傾き,面振れに追従して傾くことを許容する形式
のディスクブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スライドピン式キャリパ浮動型ディスク
ブレーキは、(1)一軸線まわりに回転可能なディスク
ロータと、(2)非回転部材に固定されるマウンティン
グブラケットと、(3)裏板と、その裏板に固着された
摩擦材とを有し、ディスクロータの両側の摩擦面にそれ
ぞれ対向する位置に配設されるとともに、マウンティン
グブラケットによってディスクロータ回転軸線に平行な
方向に移動可能に支持された一対のアウタ,インナブレ
ーキパッドと、(4)それらブレーキパッドをそれぞれ
ディスクロータの摩擦面に押し付けるピストンおよびリ
アクション部を有するキャリパと、(5)キャリパをマ
ウンティングブラケットに浮動状態で支持させるスライ
ドピン機構とを含むように構成される。スライドピン機
構には、スライドピンがキャリパに固定され、マウンテ
ィングブラケットに形成されたスライドピン孔に摺動可
能に嵌合されるものと、スライドピンがマウンティング
ブラケットに固定され、キャリパのスライドピン孔に嵌
合されるものとがある。
【0003】これらスライドピン式キャリパ浮動型ディ
スクブレーキは、制動時にキャリパが一対のパッドをデ
ィスクロータに押圧し、ディスクロータからパッドに与
えられる連れまわりトルクをマウンティングブラケット
が受けることにより制動を行う。通常のスライドピン機
構はキャリパのスライドピンの軸線に平行な方向の移動
のみを許容するものであるため、制動時にディスクロー
タに傾きや面振れが生じた場合にキャリパがそれに追従
することができない。
【0004】例えば、車両旋回時に、旋回軌跡の半径方
向外向きに慣性力が作用し、これに対抗するための摩擦
力が車輪と路面との接地面に半径方向内向きに発生し、
これら慣性力と摩擦力との回転モーメントにより車輪が
旋回外側に傾けられ、ディスクロータも車輪と共に傾
く。それに対して、キャリパは車輪を回転可能に支持し
ている非回転部材にマウンティングブラケットを介して
支持されているため、車輪と同量は傾かない。車輪と非
回転部材との間にはベアリングが設けられているが、ベ
アリングにはクリアランスがあり、あるいは弾性変形し
易いため、車輪と非回転部材との相対的な傾きが許容さ
れ、ディスクロータがキャリパに対して傾くことになる
のである。しかるに、通常のスライドピン機構はキャリ
パの傾きを許容しないため、旋回中に制動が行われた場
合にキャリパがディスクロータの傾きに追従できず、デ
ィスクロータとパッドとの面圧に偏りが生じ、パッド偏
摩耗の一因になっていた。
【0005】また、悪路走行時等に車輪が振動すれば、
ディスクロータに面振れが生じ、この状態で制動が行わ
れれば、ディスクロータの面振れがパッド,キャリパ,
スライドピン機構,マウンティングブラケット,非回転
部材およびサスペンション装置を介して車体に伝達さ
れ、乗り心地が悪化するという問題もあった。
【0006】これらの問題を解決し得るスライドピン式
キャリパ浮動型ディスクブレーキの一つが特開平4−5
2631号公報に記載されている。このディスクブレー
キは、スライドピンがマウンティングブラケットに固定
され、キャリパのスライドピン孔に摺動可能に嵌合され
る形式のディスクブレーキにおいて、スライドピン孔の
内周面の一部を傾斜させ、スライドピンがスライドピン
孔内で傾き得るようにしたものである。スライドピン孔
の形状を、スライドピンを長手方向のほぼ中央を中心に
して、スライドピンの軸線を含む平面に沿って小角度回
動させた場合の回動軌跡に対応する形状にしたものなの
である。したがって、スライドピンはスライドピン孔内
において上記平面に沿って回動することができ、キャリ
パも同方向に傾き得るのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のディスクブレーキには、非制動時にキャリパ
が傾くことを避け得ないという問題がある。ディスクブ
レーキ周辺の事情により、スライドピン機構はディスク
ロータより内側(車両中心側)に設けざるを得ず、ま
た、キャリパの重心がスライドピンのスライドピン孔内
における回動中心より外側に位置することとなるため、
旋回時におけるディスクロータの傾きの方向と、自重に
基づいてキャリパに作用する回転モーメントの方向とが
必然的に一致し、キャリパを旋回時のディスクロータの
傾きに追従可能とするためのスライドピン孔の形状は、
同時にキャリパが自重により傾くことを許容する形状と
なってしまうのである。
【0008】そのため、非制動時にキャリパがディスク
ロータに対して傾き、この傾きの限度はキャリパがパッ
ドを介してディスクロータに接触することによって規定
される。したがって、非制動状態におけるパッドとディ
スクロータとの接触面圧が大きくなって、引きずりトル
クが大きくなり、燃費悪化の原因となる。また、キャリ
パの回転モーメントが大きい場合や、車輪の振動に伴う
キャリパの振動が生じた場合には、キャリパの回転モー
メントに基づいてキャリパのリアクション部とピストン
との間隔を広げる力が大きくなり、ピストンがシリンダ
ボア内に押し込まれるノックバックが発生する恐れがあ
る。ノックバックが生ずれば、次に制動が行われる場合
のピストン前進ストロークが大きくなり、ブレーキペダ
ル等の操作ストロークが通常より大きくなって、運転者
に違和感を感じさせ、好ましくない。
【0009】本発明は、以上の事情に鑑み、制動時にデ
ィスクロータの傾き,面振れにキャリパが追従すること
が可能であるとともに非制動時にはキャリパの傾きが良
好に防止されるディスクブレーキを得ることを課題とし
て為されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、キャリパと
マウンティングブラケットとのいずれか一方にスライド
ピンが固定され、他方に形成されたスライドピン孔に嵌
合されることにより、キャリパがマウンティングブラケ
ットに浮動状態で支持されるスライドピン式キャリパ浮
動型ディスクブレーキにおいて、キャリパとマウンティ
ングブラケットとのスライドピンが固定されている部分
とスライドピン孔が形成されている部分との一方を他の
部分から分離して分離部材とし、その分離部材を他の部
分に少なくとも1軸線まわりに回動可能に取り付け、か
つ、それら分離部材と他の部分との相対回動を非制動時
に抑制するとともに制動時に許容する相対回動抑制・許
容手段を設けることにより解決される。上記分離部材
は、スライドピン孔が形成されたスライドピン孔形成部
材とすることも、スライドピンが固定されたスライドピ
ン保持部材とすることも可能であり、これらスライドピ
ン孔形成部材またはスライドピン保持部材をキャリパに
回動可能に取り付けることも、マウンティングブラケッ
トに取り付けることも可能である。
【0011】
【作用】上記のように構成されたディスクブレーキの一
種においては、キャリパは、回動可能なスライドピン孔
形成部材にスライドピンを介して支持されるため、キャ
リパも少なくとも1軸線まわりに回動可能であり、別の
種類のディスクブレーキにおいては、キャリパがスライ
ドピン保持部材により回動可能に支持されるため、やは
り少なくとも1軸線回りに回動可能である。いずれの場
合でも、ディスクロータに最も大きい傾きが生じる方向
は決まっているため、ディスクロータがその方向に傾く
場合の回動軸線と平行な方向に上記1軸線を設定してお
けば、キャリパを1軸線回りに回動可能とするのみで、
有効にディスクロータの傾きに追従させることができ
る。なお、ディスクロータの最大傾き方向は決まってい
ても、そのディスクロータの周方向のどの位置にキャリ
パを配置するかによって、キャリパの回動軸線の最適方
向は異なってくる。
【0012】キャリパを互いに直角な2軸線の回りに回
動可能とすれば、ディスクロータのあらゆる方向の傾き
に追従させることができ、また、ディスクロータのあら
ゆる方向の面振れの車体への伝達を良好に遮断すること
ができる。キャリパを2軸線の回りに回動可能とする場
合には、スライドピン孔形成部材とスライドピン保持部
材との一方を2軸線の回りに回動可能とすることが、2
軸線を共にキャリパを主体とする回動体の重心近傍を通
過するようにすることが容易である点で望ましいが、ス
ライドピン孔形成部材を1軸線回りに回動可能とし、そ
の軸線と直角な別の軸線の回りにスライドピン孔形成部
材を回動可能とすることも可能である。また、非制動時
には相対回動抑制・許容手段が分離部材と他の部分との
相対回動を抑制するため、キャリパの傾きが抑制され
る。
【0013】
【発明の効果】このように本発明によれば、ディスクロ
ータに傾き,面振れが生じている時に制動を行っても、
キャリパおよびパッドがディスクロータに追従して傾
き、振動するために、パッドの偏摩耗を減少させること
ができ、かつ、ロータの面振れが車体側に伝わることを
良好に回避して乗り心地を向上させることができる。ま
た、非制動時には、キャリパの傾きが抑制されるため、
引きずりトルクを低減させ、ピストンのノックバックを
防止し得る。
【0014】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様を列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行
う。 (1)前記相対回動抑制・許容手段が、前記1軸線の位
置が前記キャリパを主体とする回動体の重心近傍を通る
位置に定められていることを含む請求項1に記載のディ
スクブレーキ。このようにすれば、非制動時に回動体に
作用する上記1軸線まわりの回転モーメントをほぼ0に
することができ、非制動時に回動体が傾くことを良好に
抑制できる。回動体に作用する回転モーメントがほぼ0
になるのみで、回動体の傾きが積極的に妨げられるわけ
ではないから、車輪の振動にともなって回動体がある程
度振動し、小角度傾くことを避け得ないが、上記1軸線
が回動体の重心から遠く離れている場合に比較すれば、
回動体の傾きを小さくできるのである。
【0015】(2)前記相対回動抑制・許容手段が、予
荷重が与えられた弾性体を含み、前記キャリパを主体と
する回動体に作用する回転モーメントが前記予荷重に対
応する大きさ以下である状態では回動体の回転を阻止
し、前記予荷重に対応する大きさを超えた状態では許容
する大回転モーメント屈従型相対回動抑制・許容手段を
含む請求項1または態様1に記載のディスクブレーキ。
この実施態様においては、予荷重が与えられた弾性体
が、直接または他部材を介して間接に、回動体に接触ま
たは近接させられる。弾性体は弾性変形させられた状態
で剛体的な受け部材に受けられており、回動体が回転モ
ーメントに基づいて弾性体に加える力が予荷重より小さ
い間は、受け部材により受けられる力が減少するのみで
弾性体は受け部材から離間せず、弾性体があたかも剛体
であるかのように機能して回動体の回動を阻止するが、
回動体が弾性体に加える力が予荷重を超えれば弾性体が
弾性変形して受け部材から離れ、回動体の回動を許容す
る。 (3)前記相対回動抑制・許容手段が、前記キャリパを
主体とする回動体に係合して回動体の回動を阻止する作
用位置と回動体から離間して回動体の回動を許容する非
作用位置とに移動する係合部材と、その係合部材を、非
制動時には前記作用位置に保持し、制動時には前記非作
用位置へ移動させる係合部材駆動装置とを備えた係脱型
相対回動抑制・許容手段を含む請求項1または態様1に
記載のディスクブレーキ。 (4)前記係合部材駆動装置が、ハウジングと、そのハ
ウジング内に軸方向に摺動可能かつ液密に嵌合されたピ
ストンと、そのピストンを、前記係合部材を前記作用位
置に保持する位置に向かって付勢する付勢手段と、前記
キャリパに供給されるブレーキ液圧を、前記ハウジング
と前記ピストンの間の、ピストンを前記付勢手段の付勢
力に抗する向きに作用させる圧力室に導く導圧手段とを
備えた単動シリンダを含む態様3に記載のディスクブレ
ーキ。 (5)前記回動体がその回動体と共に回転する回転軸を
備え、その回転軸の回転軸線から偏心した部分に係合凹
部が形成され、その係合凹部に前記係合部材が前記作用
位置において嵌入する態様3または4に記載のディスク
ブレーキ。
【0016】
【実施例】以下、本発明をスライドピン式キャリパ浮動
型ディスクブレーキに適用した実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。図2において10はディスクロータ
(以下、ロータと略称する)であり、図示しない車輪と
共に自身の軸線まわりに回転する。ロータ10の両側の
摩擦面12に対向してそれぞれブレーキパッド、すなわ
ちインナパッド14およびアウタパッド16が配設され
ている。これらパッド14,16は、それぞれ摩擦材1
8と、その背面に固着された鋼製の裏板20とを備えて
いる。ロータ10の近傍にはマウンティングブラケット
22が、車体側部材であるナックル24に固定され、ロ
ータ10の外周部のうち最も高い部分を跨ぐ状態で配設
されている。パッド14,16はマウンティングブラケ
ット22によって、ロータ10の軸心に平行な方向に摺
動可能に支持されており、それらロータ10およびパッ
ド14,16を跨いでキャリパ28が配設されている。
このキャリパ28は、ピストン27を有するホイールシ
リンダ26とリアクション部29とを備えている。
【0017】図3において30,31は一対のスライド
ピン孔形成部材であり、それぞれ自在継ぎ手32を介し
てマウンティングブラケット22に支持されている。こ
れらスライドピン孔形成部材30,31にはそれぞれス
ライドピン孔34,36がディスクロータ回転軸線と平
行な方向に形成されている。キャリパ28のシリンダ2
6から互いに逆向きに延び出たアーム部35には、一対
の穴37が形成されている。これら穴37を貫通してス
ライドピン38,40がキャリパに固定されており、こ
れらスライドピン38,40がスライドピン孔34,3
6に摺動可能に嵌合されることにより、キャリパ28は
マウンティングブラケット22に浮動状態で支持され
る。
【0018】図1に示すように、前記自在継ぎ手32は
ヨーク部材42および軸部44を有している。ヨーク部
材42はスライドピン孔形成部材30を両側から挟むよ
うに設けられ、スライドピン孔形成部材30の両側面か
ら互いに逆向きに突出した軸部44と回動可能に嵌合さ
れている。これにより、スライドピン孔形成部材30が
ヨーク部材42によって軸部44の軸線のまわりに回動
可能に支持されている。また、ヨーク部材42から軸部
46が下向きに突出させられており、マウンティングブ
ラケット22に形成された嵌合穴48に嵌合される。軸
部46には円環状の軸側溝50が形成され、ここに止め
輪52が取り付けられている。この軸側溝50は、止め
輪52が弾性的に縮径させられれば、止め輪52の全体
を収容し得る深さで形成されている。軸側溝50の深さ
が、止め輪52の幅(外径と内径との差の1/2)より
大きくされているのである。
【0019】一方、マウンティングブラケット22の嵌
合穴48には穴側溝54が形成されている。この穴側溝
54は軸側溝50より浅くされており、穴側溝54の底
面の内径は自由状態の止め輪52の外径とほぼ等しくさ
れている。止め輪52が縮径されて軸側溝50に収容さ
れた状態で軸部46を嵌合穴48に挿入すれば、軸側溝
50と穴側溝54との位置が合致したとき、止め輪52
の拡径が許容されて止め輪52の外周部が穴側溝54に
嵌入し、止め輪52が軸側溝50と穴側溝54との両方
に跨がる状態となる。この状態においては、止め輪52
の外周面が穴側溝54の底面に接触または近接し、止め
輪52は軸側溝50および穴側溝54とほぼ同軸の位置
に保たれる(図2参照)。これによって、軸部46が回
転可能かつ軸方向に移動不能にマウンティングブラケッ
ト22に結合され、結局、スライドピン孔形成部材30
は、自在継ぎ手32を介して、互いに直角な2軸線のま
わりに回動可能にマウンティングブラケット22に支持
されることとなる。前述のように、マウンティングブラ
ケット22はロータ10の外周部の最も高い部分を跨ぐ
状態で配設されているため、軸部44の軸線は水平に延
び、軸部46の軸線は垂直に延びているのであり、スラ
イドピン孔形成部材30は水平軸線と垂直軸線とのまわ
りに回動可能なのである。
【0020】以上、一対のスライドピン孔形成部材3
0,31のうち一方のスライドピン孔形成部材30につ
いての図示,説明を行ったが、他方のスライドピン孔形
成部材31についても同様の構成であるため、その図
示,説明を省略する。ただし、スライドピン孔形成部材
31に対応する軸部46の外径はスライドピン孔形成部
材30に対応する軸部46の外径より一定寸法ΔDだけ
小さくされており、その軸部46が嵌合穴48内であら
ゆる半径方向にΔD/2だけ移動可能とされている。こ
の理由は後に説明する。
【0021】上記スライドピン孔形成部材30,31,
スライドピン38,40およびキャリパ28は、マウン
ティングブラケット22に対して相対回動可能な回動体
33を形成しており、一対の自在継ぎ手32は互いに共
同して、回動体33を回動体の重心近傍を通り、かつ、
互いに直角な2軸線のまわりに回動可能に支持してい
る。回動体33がそれの重心を通って互いに直交する2
軸線のまわりに回動可能に支持されていれば、非制動状
態、すなわちキャリパ28がパッド14,16を介して
ロータ10に係合していない状態で、回動体33に回転
モーメントが作用して引きずりトルクが増大することを
回避し得るために、このようにされているのである。
【0022】上記回動体33の支持についてさらに詳細
に説明する。まず、一対の自在継ぎ手32は、4個の軸
部44の軸線が図4に示すように一直線(この直線を第
一直線56と称する)上に位置する状態で回動体33を
その第一直線56のまわりに回動可能に支持している。
この第一直線56が上記互いに直角な2軸線の一本であ
り、この第一直線が回動体33の重心の近くを通過する
ように、軸部44の位置が選定されている。
【0023】ただし、実際上は、この第一直線56が正
確に回動体33の重心を通過するように軸部44の位置
を決定することは困難である。例えば、パッド14,1
6の摩耗(正確には摩擦材18の摩耗)に伴ってピスト
ン27は図2において左方へ移動するものの、キャリパ
28が図2において右方へ移動するため、回動体33全
体の重心は右方へ移動する。したがって、パッド14,
16の全寿命期間を通じて第一直線56が回動体の重心
を通過するようにすることは理論的に不可能である。ま
た、ディスクブレーキは車輪と車軸との間の狭い空間に
配設され、かつ、各構成部品が大きな負荷に耐え得る形
状,寸法を有する必要があるため、スペース上の制約が
多く、この制約上から第一直線56が正確に回動体33
の重心を通過するようにすることができない場合が多
い。これらの事情を考慮した上で、第一直線56ができ
る限り回動体33の重心近くを通過するように、軸部4
4の位置が選定されているのである。
【0024】また、一対の自在継ぎ手32は回動体33
を、一対の自在継ぎ手32の2個の軸部46の中間位置
においてそれら2個の軸部46の軸線と平行に延びる第
二直線57(図4参照)のまわりに回動可能に支持する
と考えることができる。一対のスライドピン孔形成部材
30,31はそれぞれ軸部46の軸線のまわりに回動可
能であるため、それらスライドピン孔形成部材30,3
1に嵌合されているスライドピン38,40も軸部46
の軸線のまわりに回動可能である。したがって、図4に
おいては図を簡略にするために外形のみが記載されてい
るキャリパ28も軸部46の軸線のまわりに回動可能で
あることになる。
【0025】ただし、現実には、キャリパ28は2個の
軸部46の軸線のまわりに回動することはできないた
め、図4においては、スライドピン40のスライドピン
孔形成部材31への嵌合量が増し、スライドピン38が
スライドピン孔形成部材30への嵌合量が減少する現象
を伴ってキャリパ28が第二直線57のまわりに回動す
ることとなる。また、この際、1対のスライドピン3
8,40間の、第一直線56に平行な方向における距離
が増大する必要があるため、本実施例においては、この
増大が、スライドピン孔形成部材31側の軸部46と嵌
合穴48との嵌合クリアランスが大きくされることによ
って許容されている。一対のスライドピン38,40間
の、第一直線56に平行な方向における距離を増大させ
る目的からすれば、スライドピン孔形成部材31側の軸
部46と嵌合穴48との間には、第一直線56に平行な
方向の隙間が形成されていればよいため、嵌合穴48は
第一直線56に平行な方向に長い長穴とされればよいの
であるが、第一直線56に直角な方向にも隙間が形成さ
れていても差し支えはない。嵌合穴48が長穴とされる
代わりに、内径の大きい円形穴とされてもよいのであ
り、本実施例においては、さらにその代わりに、スライ
ドピン孔形成部材31の軸部46の外径がスライドピン
孔形成部材30の軸部46の外径よりも小さくされてお
り、それによってスライドピン孔形成部材31側の軸部
46と嵌合穴48との嵌合クリアランスが大きくされて
いる。
【0026】以上、回動体33がそれぞれ第一直線56
または第二直線57のまわりにのみ回動する場合、すな
わちキャリパ28が両直線のいずれかのみのまわりに回
動する場合について説明したが、キャリパ28が第一直
線と第二直線との両方のまわりに回動することも可能で
ある。いま仮に、キャリパ28が図4に示すように第二
直線57のまわりに回動している状態で、さらにスライ
ドピン孔形成部材30側の軸部44のまわりに単純に回
動すれば、スライドピン孔形成部材31側の軸部44の
軸線とスライドピン40の軸線との交点の高さが変わる
ことになる。しかし、この高さの変化は許容されていな
いから、キャリパ28は一見回動できないようである
が、実際にはキャリパ28がスライドピン孔形成部材3
0と嵌合しているスライドピン38の軸線のまわりに回
動できるため、スライドピン40の軸線の高さは必要に
応じて変わり得、キャリパ28が単純にスライドピン孔
形成部材30側の軸部44のまわりに回動するのではな
く、スライドピン38の軸線のまわりの回動をも伴って
回動することによって、キャリパ28の第一,第二両直
線のまわりの回動が達成されるのである。
【0027】この第二直線57が回動体33の重心近傍
を通過するように軸部46の位置が選定されるが、正確
に重心を通過するようにすることが困難であることは、
前記第一直線の場合と同様であり、実際は、事情が許す
限り重心近くを通過するように、軸部46の位置が決定
される。
【0028】以上の説明から明らかなように、本実施例
のディスクブレーキ装置は、基本的にはスライドピン式
キャリパ浮動型ディスクブレーキの一種であるコレット
型ディスクブレーキであるが、従来のマウンティングブ
ラケットの一部に相当する部分が分離させられてスライ
ドピン孔形成部材30,31とされ、これらスライドピ
ン孔形成部材30,31が自在継ぎ手32を介してマウ
ンティングブラケット22の他の部分に、互いに直角な
2軸線まわりに回動可能に取り付けられていることにな
る。
【0029】図3に示すように、上記回動体33にはそ
れぞれ各一対ずつの相対回動抑制・許容装置58,59
が設けられている。一対の相対回動抑制・許容装置58
の各々は、各ヨーク部材42に設けられ、互いに対向す
る状態で配置されている。図5に示すように、相対回動
抑制・許容装置58のブラケット60はコの字形をして
おり、ヨーク部材42と一体に形成され、キャリパ28
に向かって開口している。また、このブラケット60の
2本のアーム部の自由端近傍にそれぞれ係合穴64が形
成され、ここに抑制ばね62の両端部が係合させられて
いる。抑制ばね62も概してコの字形をしており、2本
のアーム部の間隔が広げられる向きに弾性変形させられ
た状態でそれらアーム部の両端部が係合穴64に係合さ
せられるとともに、コの字の背に当たる部分においてブ
ラケット60にスポット溶接等適宜の固定手段で固定さ
れている。そのため、抑制ばね62の両先端部がブラケ
ット60の外側面に弾性的に押し付けられ、予荷重が与
えられている。抑制ばね62のアーム部は中間部が内側
へくの字形に屈曲させられ、それによって他の部分より
内側へ突出した作用部65が形成されている。この作用
部65は、抑制ばね62が上記のようにブラケット60
に取り付けられた状態で、スライドピン孔形成部材3
0,31の上面および下面にごく近接して対向する状態
となり、抑制ばね62に予荷重以上の力が加えられるま
で、相対回動抑制・許容装置58は、スライドピン孔形
成部材30,31の軸部44を中心とする回動を阻止す
る。
【0030】また、図3および図6に示すように、一対
の相対回動抑制・許容装置59の各々は、ブラケット6
6によってマウンティングブラケット22に取り付けら
れ、スライドピン孔形成部材30,31のキャリパ28
から遠い側の面に近接して対向させられている。これら
相対回動抑制・許容装置59は、ハウジング70を有
し、ハウジング70の内部にピストン68およびさらば
ね72が設けられている。さらばね72はピストン68
をその突出方向に付勢しており、ピストン68の突出部
69がハウジング70の前壁73に設けられた貫通穴7
4を通ってスライドピン孔形成部材30,31に近接し
ている。その突出部69の突出限度はハウジング70の
前壁73とピストン68の肩面との当接によって規定さ
れている。これによってさらばね72に予荷重が与えら
れており、相対回動抑制・許容装置59もこの予荷重以
上の力が加えられるまでスライドピン孔形成部材30,
31の各軸部46を中心とする回動を阻止する。さらば
ね72が抑制ばね、ピストン68が抑制部材として機能
するのである。
【0031】なお、回動体33は、ロータ10の外周部
の最も高い部分を跨ぐ状態で配置されるため、重力は回
動体33を前記第一直線56、すなわちほぼ軸部44の
軸線のまわりに回転させるモーメントを生じさせ、ま
た、車両走行時における車輪の上下方向の振動に伴って
回動体33に作用する慣性力も第一直線まわりの回転モ
ーメントを生じさせる。しかし、上述のように第一直線
56は回動体33の重心近傍を通るようにされているた
めこれらモーメントは小さくて済み、相対回動抑制・許
容装置58は比較的小さい抑制ばね62の予荷重により
回動体33の第一直線56まわりの回動を防止し得る。
また、車両の加速,減速時に回動体33に作用する慣性
力や、車両走行時における車輪の前後方向の振動に基づ
く慣性力によって、回動体33を第二直線57のまわり
に回動させるモーメントが生じるが、このモーメントも
第二直線57が回動体33の重心近傍を通るようにされ
ているためこれらモーメントは小さくて済み、相対回動
抑制・許容装置59は比較的小さいさらばね72の予荷
重により回動体33の第二直線57まわりの回動を防止
し得る。
【0032】次に作動を説明する。非制動時には、イン
ナ,アウタパッド14,16はいずれも図2に示すよう
にロータ10の摩擦面12には押圧されていない。ま
た、回動体33には、前述のように、第一直線56また
は第二直線57のまわりのモーメントが作用するが、こ
れらモーメントは大きくないため、これらモーメントに
基づく回動体33の回動は相対回動抑制・許容装置5
8,59により防止され、本実施例のディスクブレーキ
はキャリパ28が回動不能な普通のディスクブレーキと
変わらない挙動を示す。キャリパ28が傾いてパッド1
4,16をロータ10に押し付け、引きずりトルクを増
大させたり、ピストン27がシリンダボア内に押し込ま
れるノックバックを発生させたりすることが回避できる
のである。
【0033】図示しないブレーキペダルが踏み込まれれ
ば、ブレーキ液圧がホイールシリンダ26に伝達され、
ピストン27がパッドの裏板20を押してパッド14,
16をロータ10の両摩擦面12に押圧する。その結
果、パッド14,16にロータ10の回転方向のつれま
わりトルクが生ずるが、このつれまわりトルクがマウン
ティングブラケット22により受けられることによっ
て、ロータ10および車輪の回転が抑制され、制動が行
われる。
【0034】車両の旋回中にはロータ10に比較的大き
な傾きが生じるが、その状態で制動が行われた場合に
は、このロータ10の傾きにキャリパ28が良好に追従
し、パッド14,16の偏摩耗が低減させられる。車両
旋回制動時、例えば、図7に示される右旋回制動時の左
側輪において、ロータ10には、車体の慣性力が旋回軌
跡の半径方向外向き、すなわち図において左方向に作用
する。この慣性力に対して、車輪の接地面に半径方向内
向き、つまり図における右方向に摩擦力が発生するた
め、車両は支障なく右旋回することができる。しかし、
ロータ10は上記慣性力と摩擦力とに基づくモーメント
により旋回外側、つまり図において左側に傾けられるこ
とになる。そして、キャリパ28はパッド14,16を
介してロータ10を両側から強く挟んだ状態にあるた
め、回動体33はロータ10の傾きに追従しようとす
る。このとき、相対回動抑制・許容装置58に予荷重以
上の力が加えられると、相対回動抑制・許容装置58
は、第一直線56まわりの回動体33の回動を許容す
る。
【0035】このロータ10の傾きおよび回動体33の
回動に伴って、キャリパ28の一対のアーム部35とス
ライドピン孔形成部材30,31との間の距離が変化す
る。ロータ10はそれの軸線近傍において軸線に平行な
方向に移動不能に支持されているため、上記の傾きに伴
って、キャリパ28に挟まれる最上部が図7において左
方に移動する。一方、回動体33、つまりキャリパ28
は上記回動時に軸部44を中心として回動するため、キ
ャリパ28のロータ10を挟む部分は図7において右方
へ移動するが、この移動はロータ10により妨げられる
ため、代わりにアーム部35が左方へ移動することが必
要である。したがって、アーム部35とスライドピン孔
形成部材30,31との間の距離は、上記ロータ10の
最上部の左方への移動量とキャリパ28のロータ10を
挟む部分の右方への移動量との和に相当する量だけ短く
なる。この距離の変化はスライドピン孔34,36内で
スライドピン38,40が摺動することにより許容さ
れ、キャリパ28は傾いた状態で、図8に示すように摩
擦面12に垂直にパッド14,16を両側から押圧する
ことができ、パッド14,16とロータ10との間の面
圧が均一になる。
【0036】右旋回時には、ロータ10が上記のように
第一直線56に平行な直線のまわりに傾くのみではな
く、第二直線57に平行な直線のまわりにも傾く。旋回
時には、車輪と路面との間の摩擦力が、車輪の向きを直
進走行時の向きに戻そうとするモーメントを生じさせる
位置に作用するようにされる。このモーメントにより、
右旋回時にはロータ10がマウンティングブラケット2
2に対して図4において反時計方向に回動させられる。
すなわち、車輪の進行方向前側がマウンティングブラケ
ット22に対して旋回軌跡の半径方向外側へ、後側が半
径方向内側へ移動するようにロータ10が傾かされるの
である。
【0037】この時、キャリパ28はパッド14,16
を介してロータ10を強く挟んでいるため、ロータ10
の傾きに追従し、回動体33が第二直線57のまわりに
回動する。この回動は、前述のように、主としてスライ
ドピン孔形成部材30,31の軸部46を中心とした回
動により許容される。スライドピン孔形成部材30,3
1の軸部46まわりのモーメントがさらばね72の予荷
重に打ち勝てば、相対回動抑制・許容装置59がスライ
ドピン孔形成部材30,31の回動を許容し、それによ
ってキャリパ28の第二直線57まわりの回動が許容さ
れるのである。
【0038】また、キャリパ28の回動に伴うアーム部
35とスライドピン孔形成部材30,31との間の距離
の変化は、スライドピン孔34,36内におけるスライ
ドピン38,40の摺動により許容される。さらに、キ
ャリパ28の回動に伴うスライドピン38,40間の第
一直線56に平行な方向の距離の変化は、前述のよう
に、スライドピン孔形成部材31側の軸部46と嵌合穴
48との意図的に大きくされている嵌合クリアランスに
より許容される。それによって、図9に示すように、キ
ャリパ28はパッド14,16をロータ10に常に垂直
に押圧することができ、パッド14,16とロータ10
との間の面圧が均一になる。以上、車両右旋回制動時に
おける本ディスクブレーキの作用,効果について説明し
たが、回動体33はあらゆる方向に回動可能に支持され
ているため、左旋回制動時にも同様の作用,効果が得ら
れる。
【0039】また、制動時に、もしロータ10に面振れ
が存在すれば、キャリパ28が前記第一直線56と第二
直線57との少なくとも一方のまわりに回動し、パッド
14,16がロータ10の面振れに追従することを許容
する。例えば、悪路走行時等車輪に振動が発生した場合
や、何らかの理由でロータ10が回転中心線に対して傾
いている場合に、ロータ10の回転に伴ってそれの傾き
が時々刻々変化する面振れが生じるが、この面振れに起
因してパッド14,16およびキャリパ28を介してス
ライドピン孔形成部材30,31に伝達されるモーメン
トが相対回動抑制・許容装置58,59の回動抑制力に
打ち勝つに到れば、スライドピン孔形成部材30,31
の回動が許容され、キャリパ28の回動が許容される。
キャリパ28を含む回動体33がロータ10の面振れに
追従可能となるのであり、それによって常に安定した制
動効果を得ることができ、また、車輪の振動がマウンテ
ィングブラケット22を介してナックル24やサスペン
ション装置に伝達され、さらに車体に伝達されて、乗り
心地が悪化することを防止できる。
【0040】このように、本実施例においては回動体3
3が互いに直角な2軸線、すなわち第一直線56,第二
直線57のまわりに回動可能であるため、キャリパ28
はロータ10のいかなる方向の傾きや面振れにも追従す
ることができるが、キャリパ28の回動が許容されるの
は、スライドピン孔形成部材30,31に伝達されるモ
ーメントが相対回動抑制・許容装置58,59の回動抑
制力に打ち勝った後であり、それ以前はロータ10の面
振れがサスペンション装置や車体に伝達され、また、ロ
ータ10の傾きに起因するパッド14,16の面圧分布
の不均一が生じる。これらを小さくするためには、相対
回動抑制・許容装置58,59の回動抑制力を小さくす
ることが必要であり、この回動抑制力をどの程度まで小
さくしてよいかは、非制動時に回動体33に作用するモ
ーメントの大きさによって決まる。したがって、前記第
一直線56および第二直線57をできる限り回動体33
の重心近傍を通るようにし、非制動時に回動体33に作
用するモーメントを小さくすることが望ましい。
【0041】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、スライドピン孔形成部材30,31が分離
部材を構成しており、相対回動抑制・許容装置58,5
9が相対回動抑制・許容手段を構成し、この相対回動抑
制・許容装置58のブラケット60の抑制ばね62との
係合部と相対回動抑制・許容装置59のハウジング70
の前壁73とがそれぞれ受け部材、抑制ばね62とさら
ばね72とがそれぞれ弾性体をそれぞれ構成しているの
である。なお、本実施例の回動体33は互いに直交する
2直線のまわりに回動可能であり、結局、キャリパ28
はロータ10の摩擦面12に対してあらゆる方向に傾き
得ることとなるため、キャリパ28をどこにでも配置す
ることができる。通常行われているように、ロータ10
の最も前の部分から最も上の部分を経て最も後ろの部分
に到る角度範囲のあらゆる位置に配置し得るのである。
【0042】本発明のディスクブレーキの第二の実施例
を図面に基づいて説明する。なお、上記第一実施例と同
じ部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。図
10および図11において、自在継ぎ手75のヨーク部
材76がスライドピン孔形成部材30を両側から挟むよ
うに設けられ、スライドピン孔形成部材30の両側面か
ら互いに逆向きに突出した軸部78,79に回動可能に
嵌合されている。ヨーク部材76からは軸部77が下向
きに突出され、マウンティングブラケット22の嵌合穴
(図示省略)に軸方向に移動不能,回転可能に嵌合され
ている。軸部78の方が軸部79より大径とされてお
り、この軸部78の軸線から偏心した部分には係合凹部
80が形成されている。係合凹部80の開口側にはガイ
ド部82が形成されており、このガイド部82は、ピス
トンロッド84の係合凹部80への嵌入を誘導するため
に、開口端側ほど幅が広くされている。
【0043】マウンティングブラケット22には上記ピ
ストンロッド84を有する単動シリンダ85が固定さ
れ、単動シリンダ85には液通路87が接続されてい
る。ピストンロッド84は、単動シリンダ85のハウジ
ング88内から軸部78に向かって突出し、前記係合凹
部80に係合可能とされている。図12に示すように、
ハウジング88の開口部はカバー90の螺合によって塞
がれている。このカバー90は外周面に雄ねじが形成さ
れるとともに中心部に貫通穴92が形成されており、ピ
ストンロッド84がこの貫通穴92を通って延び出して
いる。ハウジング88の内部にはピストン94およびば
ね95が設けられている。ピストン94の底面には、ハ
ウジング88の底面に対向する凹部98が形成されてお
り、この凹部98内にばね95が収容されている。ばね
95は、予荷重以上の力が加えられるまでピストン94
をカバー90に押し付けて、ピストンロッド84を最も
突出した作用位置に維持する。
【0044】ハウジング88とカバー90とから成る単
動シリンダ本体と、ピストン94との間には圧力室10
0が形成され、ここに前記液通路87を経てホイールシ
リンダ26の液圧が伝達される。カバー90とピストン
ロッド84、ハウジング88とピストン94との摺動面
には図示しないシール部材が設けられ、液漏れが防止さ
れている。以上、一方のスライドピン孔形成部材30側
についてのみ説明したが、他方のスライドピン孔形成部
材31側も同様の構成である。
【0045】本実施例の作動を説明する。非制動時に
は、図12に示すようにばね95の付勢力によりピスト
ンロッド84が係合凹部80に係合させられており、ス
ライドピン孔形成部材30,31の軸部78,79を中
心とする回動と、ヨーク部材76の軸部77を中心とす
る回動との両方が阻止されている。したがって、スライ
ドピン孔形成部材30,31およびキャリパ28を含む
回動体33のあらゆる方向の回動が防止されており、本
実施例のディスクブレーキは普通のブレーキと変わると
ころがない。
【0046】しかし、制動時には単動シリンダ85が図
13の状態となる。ブレーキペダル104の踏み込みに
よって、マスタシリンダ102からホイールシリンダ2
6に供給される液圧が液通路87を経て単動シリンダ8
5にも伝えられる。この液圧がばね95の予荷重に打ち
勝つに到れば、ばね95を圧縮しつつピストン94が後
退する。ピストン94の後退限度は、ハウジング88の
底面とピストン94との当接によって規定される。
【0047】ピストン94の後退に伴ってピストンロッ
ド84が収縮し、係合凹部80から離脱してガイド部8
2内に位置する状態となる。したがって、それまでピス
トンロッド84の係合凹部80との係合により阻止され
ていた軸部78の回転および直径方向の移動が許容さ
れ、スライドピン孔形成部材30,31およびキャリパ
28を含む回動体33の軸部78,79を中心とする回
動および軸部77を中心とする回動、つまりあらゆる方
向の回動が許される。キャリパ28がロータ10の面振
れ,傾きに自由に追従できるようになるのである。
【0048】このピストン94の後退時期は、ホイール
シリンダ26の液圧がやや上昇し、キャリパ28がパッ
ド14,16を介してロータ10を軽く挟み始める時期
とされており、キャリパ28がロータ10の面振れ,傾
きに追従可能となった後、さらにホイールシリンダ26
の液圧が上昇するにつれてキャリパ28がロータ10を
強く挟み、ロータ10の傾きに追従する。
【0049】制動解除時には、液圧の低下に応じてばね
95がピストン94を前進させ、ピストンロッド84を
突出させる。ピストンロッド84は、前述のように、収
縮状態においてもガイド部82からは離脱しないため、
突出に伴って必ずガイド部82に係合し、軸部78を正
規の回転位置へ回転させつつ係合凹部80に嵌入する。
また、万一、ばね95の復元力が不足で、ピストンロッ
ド84が十分突出させられない場合でも、常に突出方向
に付勢されているため、車輪の振動に伴うキャリパ28
の振動によりピストンロッド84と係合凹部80とが合
致したとき突出し、係合凹部80に嵌入する。これによ
り、キャリパ28を主体とする回動体33は再び回動不
能な状態となり、キャリパ28の回動によりパッド1
4,16がロータ10に押し付けられて引きずりトルク
が増大したり、ピストン27がシリンダボア内に押し込
まれるノックバックが発生したりすることが防止され
る。
【0050】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ピストンロッド84が係合部材として機能
し、ブレーキ液圧で作動する単動シリンダ85が係合部
材駆動装置、液通路87が導圧手段、ばね95が付勢手
段、軸部78が回転軸、前記係合部材と係合部材駆動装
置とが相対回動抑制・許容手段をそれぞれ構成してい
る。本実施例のキャリパ28も、ロータ10の最も前の
部分から最も上の部分を経て最も後ろの部分に到る角度
範囲のあらゆる位置に配置することができる。
【0051】本発明をスライドピンがマウンティングブ
ラケットに固定される形式のスライドピン式キャリパ浮
動型ディスクブレーキに適用した実施例を図面に基づい
て説明する。なお、本実施例は、非操舵車輪である後輪
のディスクブレーキに本発明を適用した場合の例であ
る。前記第一実施例と同じ部分には同一符号を付し説明
を省略する。図14において、ロータ10の外周部の最
も高い部分を跨ぐ状態でマウンティングブラケット12
0が設けられている。ロータ10,インナパッド14お
よびアウタパッド16を跨いでキャリパ122が配設さ
れている。このキャリパ122はピストン124を有す
るホイールシリンダ126とリアクション部128とを
備えている。
【0052】キャリパ122のホイールシリンダ126
側には、互いに逆向きに延び出たアーム部130,13
2が設けられており、マウンティングブラケット120
には一対のスライドピン134,136がロータ10の
軸線に平行に固定されている。アーム部130,132
がスライドピン孔138,139においてスライドピン
134,136に摺動可能に嵌合されることにより、キ
ャリパ122がマウンティングブラケット120にロー
タ10の軸線に平行な方向に移動可能に支持されてい
る。スライドピン134,136のアーム部の両側へ突
出した部分はピンブーツ140,142により液密に覆
われている。
【0053】図15に示されるように、アーム部130
は、スライドピン孔138を備えた本体部材144と、
ホイールシリンダ126と一体に形成されて本体部材1
44を支持する円筒状の支持部146とを備えている。
本体部材144は嵌合孔147において支持部146の
外側に嵌合され、本体部材144に固定のボルト148
の先端により形成される係合突部が、支持部146の外
周面に形成された円環状の係合溝150に係合させられ
ることにより、支持部146に対して相対回転可能かつ
軸方向に相対移動不能とされている。これら本体部材1
44と支持部146とは互いに共同して相対回動抑制・
許容装置152のハウジングを構成しており、シール部
材154によって内部の液密が保持されている。
【0054】相対回動抑制・許容装置152は、非制動
時にはキャリパ122のマウンティングブラケット12
0に対する回動を抑制し、制動時には許容する装置であ
って、係合部材156および係合部材駆動装置158を
備えている。係合部材156は外周面に形成されたセレ
ーション160により本体部材144の内周面に形成さ
れたセレーション162と係合し、本体部材144によ
り軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に保持されて
いる。この係合部材156の一端面には第一かみ合い歯
164が形成されており、この第一かみ合い歯164が
前記支持部146の端面に形成された第二かみ合い歯1
66とかみ合うことにより、本体部材144が支持部1
46に対して相対回転不能となる。係合部材156の第
一かみ合い歯164が形成された部分を第一クラッチ部
材とし、支持部146の第二かみ合い歯166が形成さ
れた部分を第二クラッチ部材とするかみ合いクラッチ1
68が構成されているのである。第一かみ合い歯164
と第二かみ合い歯166とは図16に示すように台形状
の歯であり、台形の両側の斜面同士で密着するかみ合い
状態と、図17に示す斜面同士がやや離れた非かみ合い
状態とを取る。非かみ合い状態においても、両かみ合い
歯164,166は完全には離脱しない。
【0055】係合部材駆動装置158は、上記係合部材
156を第一かみ合い歯164が第二かみ合い歯166
とかみ合う作用位置と、かみ合わない非作用位置との間
で移動させる装置であり、支持部146と、その支持部
146内に形成されたシリンダボアに摺動可能に嵌合さ
れたピストン170と、そのピストン170を支持部1
46内へ押し戻すばね172とを含んでいる。支持部1
46とピストン170との間に形成された圧力室174
とホイールシリンダ126の圧力室178とは連通孔1
80により互いに連通させられており、ホイールシリン
ダ176内の液圧が係合部材駆動装置158の圧力室1
74に伝達されることにより、ピストン170がばね1
72の付勢力に抗して突出させられる。係合部材駆動装
置158は、ハウジングとしての支持部146,ピスト
ン170および弾性部材としてのばね172により構成
される単動シリンダなのである。182はシール部材で
ある。上記ピストン170は係合部材156の中心穴に
嵌合されるとともに溶接等適宜の手段で固定されてお
り、ピストン170と係合部材156は一体とされてい
る。なお、ここではキャリパ122の一方のアーム部1
30のみについて図示,説明を行ったが、他方のアーム
部132についても同様の構成であるため、その図示,
説明を省略する。
【0056】次に作動を説明する。非制動時において、
ばね172の付勢により、ピストン170および係合部
材156が支持部146に向かって前進させられ、図1
6に示すように、かみ合いクラッチ168がかみ合った
状態で、ピストン170および係合部材156のそれ以
上の移動が阻止されている。ばね172には予荷重が与
えられており、予荷重以上の力がピストン170に加え
られるまで、ピストン170および係合部材156は作
用位置に保たれる。この状態では係合部材156が支持
部146と本体部材144との間に相対回転不能に介在
することとなり、それによって本体部材144の支持部
146に対する相対回転が阻止される。すなわち、相対
回動抑制・許容装置152が相対回動抑制状態にあるの
であり、キャリパ120がアーム部130,132を介
してマウンティングブラケット120に回動不能に支持
されることとなる。非制動時にキャリパ122が傾いて
パッド14,16がロータ10に押し付けられたり、ピ
ストン124にノックバックが生じたりすることが防止
されるのである。
【0057】制動時には、図示しないブレーキペダルが
踏み込まれ、ホイールシリンダ126内の液圧が上昇す
るにつれて係合部材駆動装置158の圧力室174の液
圧も上昇する。この液圧がばね172の予荷重に打ち勝
つに到れば、ピストン170がばね172の付勢力に抗
して移動し、係合部材156を本体部材144の嵌合孔
147の底面に当接する非作用位置まで移動させる。こ
の状態では、図18に示すように、かみ合いクラッチ1
68の第一,第二かみ合い歯164,166が互いに一
定距離離れた状態となり、係合部材156と支持部14
6との一定角度範囲の相対回転が許容される。これによ
って、キャリパ122もロータ回転軸線と直角な一軸線
回りに回動可能となり、車両旋回状態における制動時に
ロータ10の上記一軸線に平行な軸線まわりの傾きに追
従して回動する。ロータ10の傾きにかかわらず、パッ
ド14,16をロータ10に垂直に押圧する。
【0058】本実施例においては、キャリパ122がロ
ータ10の外周部の最も高い部分を跨いで配設され、水
平な軸線まわりに回動可能とされているため、ロータ1
0の水平軸線まわりの傾きに追従し得る。非操舵車輪に
おいては、旋回制動時にロータ10が水平軸線まわりに
傾くため、本実施例によってキャリパ122をこのロー
タ10の傾きにほぼ完全に追従させることができる。し
かし、車輪が操舵車輪(例えば前輪)である場合には、
旋回制動時に、前述のようにロータ10が水平軸線まわ
りのみならず垂直軸線まわりにも回動するため、最も大
きい傾きは前下がりに傾斜した傾斜軸線のまわりに生じ
る。この傾斜軸線の方向はサスペンションが決まればほ
ぼ決まるものであるため、アーム部130,132の軸
線がこの傾斜軸線と一致する姿勢で、すなわちキャリパ
122がロータ10の最上部よりやや前側の部分を跨ぐ
姿勢で配置することが望ましいことになる。以上の説明
から明らかなように、本体部材144が分離部材として
機能し、相対回動抑制・許容装置148が相対回動抑制
・許容手段、ばね152が付勢手段、連通孔180が導
圧手段をそれぞれ構成している。
【0059】上記3実施例は、いずれも非制動時におけ
る回動部の回動を積極的に抑制する装置を備えていた
が、回動部の回動軸線を、実質的に回動部の重心を通る
と見なし得る位置に設定し得る場合には、非制動時に回
動部の回動を積極的に抑制する装置を設けなくても、キ
ャリパの回動による引きずりトルクの増大やホイールシ
リンダのピストンのノックバックを実害がない程度まで
小さくすることができる。このような場合には、回動部
の回動軸線が回動部の軸線を通過する位置に設定されて
いる構成そのものが相対回動抑制・許容手段を構成する
ことになるのである。
【0060】また、前記第一実施例あるいは第二実施例
において、キャリパ28の回動可能な軸線を第一直線5
6と第二直線57とのいずれか一方のみにすることも可
能である。例えば、キャリパ28をロータ10の最も上
の部分、あるいはその部分の近くに配置する場合は第一
直線56のまわりにのみ回動可能とし、ロータ10の最
も前もしくは後ろの部分、あるいはそれら部分の近くに
配置する場合は第二直線57のまわりにのみ回動可能と
しても、本発明の効果を得ることができるのである。
【0061】また、以上第一実施例,第二実施例および
第三実施例のすべてにおいて、キャリパとマウンティン
グブラケットとのスライドピン孔が形成されている部分
が他の部分から分離されて分離部材とされていたのであ
るが、キャリパとマウンティングブラケットとのスライ
ドピンが固定される部分を他の部分から分離して分離部
材とすることも可能である。具体的には、第一実施例お
よび第二実施例において、スライドピン孔形成部材3
0,31にスライドピン38,40を固定し、キャリパ
28のアーム部35にスライドピン孔を形成するのであ
り、あるいは第三実施例において、キャリパ122の本
体部材144にスライドピン134,136を固定し、
マウンティングブラケット120に形成したスライドピ
ン孔に摺動可能に支持させるのである。
【0062】その他いちいち例示はしないが、当業者の
知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で、本発
明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキの一
部を示す分解斜視図である。
【図2】上記ディスクブレーキの正面図(一部断面)で
ある。
【図3】上記ディスクブレーキの平面図である。
【図4】車両旋回制動時における上記ディスクブレーキ
の回動体を示す平面(一部断面)図である。
【図5】上記ディスクブレーキにおける相対回動抑制・
許容装置の正面断面図である。
【図6】上記ディスクブレーキ装置における図5とは異
なる相対回動抑制・許容装置の正面断面図である。
【図7】車両旋回制動時における上記ディスクブレーキ
の正面図である。
【図8】図7におけるディスクロータおよびパッドを実
線で、直進制動時のディスクロータおよびパッドの状態
を二点鎖線で示す図である。
【図9】図4におけるディスクロータおよびパッドの状
態を実線で、直進制動時のディスクロータおよびパッド
の状態を二点鎖線で示す図である。
【図10】本発明の別の実施例であるディスクブレーキ
の相対回動抑制・許容装置を示す正面図である。
【図11】図10の相対回動抑制・許容装置の平面図で
ある。
【図12】図10の相対回動抑制・許容装置の非制動時
における状態を示す説明図である。
【図13】図10の相対回動抑制・許容装置の制動時に
おける状態を示す説明図である。
【図14】本発明におけるさらに別の実施例であるディ
スクブレーキを示す平面図である。
【図15】図14のディスクブレーキにおけるアーム部
を示す断面図である。
【図16】図14のディスクブレーキの非制動時におけ
るクラッチ係合状態を示す説明図である。
【図17】図14のディスクブレーキの制動時における
クラッチ非係合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
22 マウンティングブラケット 28 キャリパ 30,31 スライドピン孔形成部材 33 回動体 34,36 スライドピン孔 38,40 スライドピン 56 第一直線 57 第二直線 58,59 相対回動抑制・許容装置 62 抑制ばね 68 ピストン 72 さらばね 78 軸部 80 係合凹部 84 ピストンロッド 85 単動シリンダ 87 液通路 88 ハウジング 100 圧力室 120 マウンティングブラケット 122 キャリパ 134,136 スライドピン 138,139 スライドピン孔 144 本体部材 152 相対回動抑制・許容装置 156 係合部材 158 係合部材駆動装置 170 ピストン 172 ばね 174 圧力室 180 連通孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリパとマウンティングブラケットと
    のいずれか一方にスライドピンが固定され、他方に形成
    されたスライドピン孔に嵌合されることにより、キャリ
    パがマウンティングブラケットに浮動状態で支持される
    スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキにおい
    て、 前記キャリパとマウンティングブラケットとの前記スラ
    イドピンが固定されている部分と前記スライドピン孔が
    形成されている部分との一方を他の部分から分離して分
    離部材とし、その分離部材を前記他の部分に少なくとも
    1軸線まわりに回動可能に取り付け、かつ、それら分離
    部材と他の部分との相対回動を非制動時に抑制するとと
    もに制動時に許容する相対回動抑制・許容手段を設けた
    ことを特徴とするディスクブレーキ。
JP6291211A 1994-11-25 1994-11-25 スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキ Pending JPH08145088A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6291211A JPH08145088A (ja) 1994-11-25 1994-11-25 スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6291211A JPH08145088A (ja) 1994-11-25 1994-11-25 スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08145088A true JPH08145088A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17765908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6291211A Pending JPH08145088A (ja) 1994-11-25 1994-11-25 スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08145088A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138752A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Hitachi Ltd ディスクブレーキ
US20140202799A1 (en) * 2011-12-02 2014-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Disc brake device and caliper
US9181998B2 (en) 2011-06-07 2015-11-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Disc brake device and caliper slide mechanism
CN109434668A (zh) * 2018-12-31 2019-03-08 横店集团英洛华电气有限公司 浮动式珩磨工装

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138752A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Hitachi Ltd ディスクブレーキ
US9181998B2 (en) 2011-06-07 2015-11-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Disc brake device and caliper slide mechanism
US20140202799A1 (en) * 2011-12-02 2014-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Disc brake device and caliper
US9062726B2 (en) * 2011-12-02 2015-06-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Disc brake device and caliper
CN109434668A (zh) * 2018-12-31 2019-03-08 横店集团英洛华电气有限公司 浮动式珩磨工装

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1175570B1 (en) Disc brake suspension for improved turning circle
US8235184B2 (en) Disc brake device
US3285372A (en) Self-energization spot type brake systems
JP7043353B2 (ja) 対向ピストン型ディスクブレーキ装置
MXPA97002963A (en) Calibrator for dis brake
US5947234A (en) Disc brake
JP5267743B1 (ja) ディスクブレーキ装置及びキャリパ
US6223867B1 (en) Disk brake
RU2310109C2 (ru) Способ установки суппорта тормоза
EP0563839B1 (en) Disc brake assembly
JPH08145088A (ja) スライドピン式キャリパ浮動型ディスクブレーキ
EP2787239A1 (en) Disc-brake device and calipers
JPS5831495B2 (ja) ドラムブレ−キ
JPH07305734A (ja) ディスクブレーキ
JP4664494B2 (ja) ディスクブレーキ装置
JP2000346109A (ja) 電動ディスクブレーキ
JP6284943B2 (ja) ディスクブレーキ装置
JP2782979B2 (ja) サーボ型ディスクブレーキ
EP3597955A1 (en) Clutch device and brake device
JP2022021580A (ja) ディスクブレーキ装置
JP2010007688A (ja) キャリパブレーキ装置
JP2017072158A (ja) ディスクブレーキ
JP2007069638A (ja) 油圧マスタシリンダ
JP2007218274A (ja) ディスクブレーキ
JPS6338566B2 (ja)