JP2781788B2 - 方向性結合器 - Google Patents

方向性結合器

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JP2781788B2
JP2781788B2 JP8232980A JP23298096A JP2781788B2 JP 2781788 B2 JP2781788 B2 JP 2781788B2 JP 8232980 A JP8232980 A JP 8232980A JP 23298096 A JP23298096 A JP 23298096A JP 2781788 B2 JP2781788 B2 JP 2781788B2
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俊一 今岡
伸明 今井
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株式会社エイ・ティ・アール光電波通信研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1/4波長結合線
路型方向性結合器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、方向性結合器は、90度合成器又
は90度分配器として使用され、マイクロ波回路では、
フィルタ回路、平衡型増幅器や平衡型ミキサなどの種々
の回路に適用されている。
【0003】図14及び図15に、第1の従来例の1/
4波長結合線路型方向性結合器を示す。図15に示すよ
うに、誘電体基板11上に接地導体12が形成された
後、当該接地導体12上に誘電体層21を介して、2本
の結合線路用マイクロストリップ導体31,32が所定
の間隔だけ離れてしかも互いに電磁的に結合するように
近接して形成される。しかしながら、上記結合線路型方
向性結合器では2本の結合線路用マイクロストリップ導
体31,32の間隔を極端に小さくしないと密結合の結
合線路を構成することはできないという問題点があっ
た。
【0004】この問題点を解決するために、本出願人
は、特願平05−135749号の特許出願(特開平0
6−350313号公報)において、改善された1/4
波長結合線路型方向性結合器(以下、第2の従来例とい
う。)を提案している。この第2の従来例においては、
図16に示すように、2本の結合線路用マイクロストリ
ップ導体31,32と互いに電磁的に結合するように近
接して、別の誘電体層22を介して浮遊導体50を形成
している。
【0005】ここで、上記第2の従来例の動作原理を図
3を用いて以下に説明する。一般に1/4波長結合線路
型方向性結合器における結合度Kは、偶モード(同相励
振)時の特性のインピーダンスZevenと、奇モード
(逆相励振)時の特性インピーダンスZoddを用い
て、もしくは、各導体間の静電容量を用いて、それぞれ
次式で表現できる。
【0006】
【数1】K=20log(Zeven−Zodd)/
(Zeven+Zodd)
【数2】K=20log{C12/(C10+C12)}
【0007】ここで、C12はマイクロストリップ導体3
1,32間の静電容量であり、C10はマイクロストリッ
プ導体31と接地導体12間の静電容量であり、C20
マイクロストリップ導体32と接地導体12間の静電容
量である。まず、接地導体12と浮遊導体50は充分に
離れており、この間には電気力線は存在しないと仮定す
る。偶モード時ではキルヒホッフの法則より、浮遊導体
50とマイクロストリップ導体31,32間には電気力
線は存在せず同電位となり、接地導体12に設けたスロ
ット12cの効果で静電容量C10又はC20は小さくな
り、偶モードの特性インピーダンスZevenは大きく
なる。奇モード時では、マイクロストリップ導体31,
32の電位は絶対値が等しく符号が逆となることから、
同様にキルヒホッフの法則より、浮遊導体50は零電位
となり、浮遊導体50の効果も含めた静電容量C12は大
きく、奇モードの特性インピーダンスZoddは小さく
なる。従って、上記数1又は数2より、密結合の結合線
路を構成できることが分かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構造では、浮遊導体50は回路的に端子として使用して
おらず、上記方向性結合器は、結合度Kが一定の4端子
方向性結合器としてのみ機能し、その結合度Kを変化さ
せることはできない。
【0009】本発明の目的は以上の問題点を解決し、結
合度を変化させることができる方向性結合器を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の方向性結合器は、第1の面に接地導体が形成された
第1の誘電体の第2の面上に、互いに電磁的に結合する
ように近接して形成され、かつそれぞれ1/4波長の長
さを有する2本の結合線路用マイクロストリップ導体を
形成してなり、上記2本の結合線路用マイクロストリッ
プ導体が形成された第1の誘電体の第2の面上に上記2
本の結合線路用マイクロストリップ導体と互いに電磁的
に結合するように近接して、第2の誘電体を介して浮遊
導体を形成した方向性結合器において、上記浮遊導体の
長手方向の両端を第1と第2の端子とし、上記第1と第
2の端子の少なくとも1つに可変抵抗素子を介して接地
し、上記可変抵抗素子の抵抗値を変化することにより、
上記2本の結合線路用マイクロストリップ導体間の結合
度を変化させることを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載の方向性結合器は、請
求項1記載の方向性結合器において、上記可変抵抗素子
は、直流電圧を変化させることができる可変直流電源
と、上記第1又は第2の端子に接続されたドレインと、
接地されたソースと、上記可変直流電源に接続されたゲ
ートとを有する電界効果トランジスタとを備えたことを
特徴とする。
【0012】さらに、請求項3記載の方向性結合器は、
請求項1又は2記載の方向性結合器において、2本の結
合線路用マイクロストリップ導体の互いに対向しない各
一端を開放又は短絡とし、開放又は短絡していない2本
の結合線路用マイクロストリップ導体の互いに対向しな
い各他端をそれぞれ入力端子と出力端子とし、上記可変
抵抗素子の抵抗値を変化することにより、上記入力端子
と上記出力端子との間の減衰量が変化する可変減衰器と
して動作することを特徴とする。
【0013】またさらに、請求項4記載の方向性結合器
は、請求項1、2又は3記載の方向性結合器において、
上記2本の結合線路用マイクロストリップ導体の直下の
接地導体にスロットをさらに形成したことを特徴とす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0015】<第1の実施形態>図1は、本発明に係る
第1の実施形態である1/4波長結合線路型方向性結合
器の平面図及び回路図であり、図2は図1の方向性結合
器において浮遊導体50と誘電体層22とを除去したと
きの平面図であり、図3は図1の方向性結合器のA−
A’線についての縦断面図であり、図4は、図1の方向
性結合器のB−B’線についての縦断面図である。図1
乃至図4において、従来例の図14乃至図16と同一の
ものについては同一の符号を付している。また、図1及
び図2の平面図において、上方から見て見えないものに
ついては点線で描いている。
【0016】この第1の実施形態の方向性結合器は、第
1の面に接地導体12が形成された誘電体層21の第2
の面上に、互いに電磁的に結合するように近接して形成
され、かつそれぞれ1/4波長の長さを有する2本の結
合線路用マイクロストリップ導体31,32を形成して
なり、上記2本の結合線路用マイクロストリップ導体3
1,32が形成された誘電体層21の第2の面上に上記
2本の結合線路用マイクロストリップ導体31,32と
互いに電磁的に結合するように近接して、誘電体層22
を介して浮遊導体50を形成し、さらに、上記2本の結
合線路用マイクロストリップ導体31,32の直下の接
地導体12にスロット12cを形成した方向性結合器に
おいて、上記浮遊導体50の長手方向の両端を第1と第
2の端子71t,72tとし、上記第1と第2の端子7
1t,72tの両方にそれぞれ可変抵抗素子Rv1,R
v2を介して接地し、上記可変抵抗素子Rv1,Rv2
の抵抗値を変化することにより、上記2本の結合線路用
マイクロストリップ導体31,32間の結合度Kを変化
させることを特徴とする。ここで、上記可変抵抗素子R
v1,Rv2はそれぞれ、直流電圧を変化させることが
できる可変直流電源Vc1,Vc2と、上記第1又は第
2の端子71t,72tに接続されたドレインと、接地
されたソースと、上記可変直流電源Vc1,Vc2に接
続されたゲートとを有する電界効果トランジスタ(以
下、FETという。)TR1,TR2とを備える。
【0017】図1乃至図4に示すように、半導体基板1
1上に接地導体12が形成され、その上に、例えばポリ
イミド樹脂などの有機材料にてなる誘電体層21が形成
される。ここで、半導体基板11の四隅に入出力用コプ
レーナ線路51,52,53,54が形成される。コプ
レーナ線路51は、中心導体41とその両側に形成され
た接地導体12とから構成され、コプレーナ線路52
は、中心導体42とその両側に形成された接地導体12
とから構成される。また、コプレーナ線路53は、中心
導体43とその両側に形成された接地導体12とから構
成され、コプレーナ線路54は、中心導体44とその両
側に形成された接地導体12とから構成される。さら
に、接地導体12において、後に形成される2本のマイ
クロストリップ導体31,32の直下部の領域に、例え
ば、リフトオフプロセスを用いて、矩形形状のスロット
12cが形成される。ここで、上記リフトオフプロセス
の代わりにエッチングプロセスを用いてもよい。スロッ
ト12cは、2本のマイクロストリップ導体31,32
が占有する幅よりも広い幅を有し、かつ(1/4)λg
よりも若干長い長手方向の長さを有する。
【0018】ここで、コプレーナ線路51の接続端を端
子T1とし、コプレーナ線路52の接続端を端子T4と
し、コプレーナ線路53の接続端を端子T2とし、コプ
レーナ線路54の接続端を端子T3とする。
【0019】また、上記誘電体層21上に、2本のマイ
クロストリップ導体31,32が、所定の間隔だけ離れ
てかつ各長手方向が互いに平行となるように、しかも互
いに電磁的に結合するように近接して形成される。ここ
で、各マイクロストリップ導体31,32は(1/4)
λgの長手方向の長さを有する。なお、実際上は、偶モ
ードの管内波長と奇モードの管内波長とが互いに異なる
ため、各マイクロストリップ導体31,32の長手方向
の長さは、それらの平均の管内波長λgに設定してい
る。
【0020】さらに、マイクロストリップ導体31の一
端は、図4に示すように、誘電体層21を厚さ方向に貫
通するスルーホール内に充填されたスルーホール導体6
2を介して中心導体42に電気的に接続され、マイクロ
ストリップ導体31の他端は、同様に、誘電体層21を
厚さ方向に貫通するスルーホール内に充填されたスルー
ホール導体61(図2参照。)を介して中心導体41に
電気的に接続される。また、マイクロストリップ導体3
2の一端は、図4に示すように、誘電体層21を厚さ方
向に貫通するスルーホール内に充填されたスルーホール
導体64を介して中心導体44に電気的に接続され、マ
イクロストリップ導体32の他端は、同様に、誘電体層
21を厚さ方向に貫通するスルーホール内に充填された
スルーホール導体63(図2参照。)を介して中心導体
43に電気的に接続される。
【0021】ここで、誘電体層21を挟設するマイクロ
ストリップ導体31と接地導体12とにより、第1のマ
イクロストリップ線路を構成する一方、誘電体層21を
挟設するマイクロストリップ導体32と接地導体12と
により、第2のマイクロストリップ線路を構成する。
【0022】さらに、2本のマイクロストリップ導体3
1,32が形成された誘電体層21上に、誘電体層21
と同一の材料にてなる誘電体層22が形成され、その誘
電体層22上に、2本のマイクロストリップ導体31,
32の直上部に、当該マイクロストリップ導体31,3
2の長手方向と平行な長手方向の1/4λgの長さの2
辺を有しかつ当該マイクロストリップ導体31,32の
長手方向と直交する所定の幅の2辺を有する長方形状の
浮遊導体50が形成される。さらに、浮遊導体50の長
手方向の一端には、導体幅が狭くなるテーパー接続導体
71を介して端子71tが接続される一方、浮遊導体5
0の長手方向の他端には、導体幅が狭くなるテーパー接
続導体72を介して端子72tが接続される。ここで、
テーパー接続導体71,72及び端子71t,72tは
誘電体層22上に形成される。
【0023】端子71tは、ソース接地のFETTR1
のドレインに接続され、FETTR1のゲートは、ドレ
イン・ソース間に流れる信号の漏洩を防止するための例
えば数kΩの抵抗Rc1を介して、出力電圧を変化する
ことができる可変直流電源Vc1の負極に接続される。
可変直流電源Vc1の正極は接地される。ここで、可変
直流電源Vc1の出力電圧Vcを変化することにより、
FETTR1のゲートへの印加電圧を変化し、これによ
り、FETTR1のドレイン・ソース間の抵抗値を変化
させる。すなわち、FETTR1と、抵抗Rc1と、可
変直流電源Vc1とは、可変抵抗値Rvの可変抵抗素子
Rv1を構成する。
【0024】一方、端子72tは、ソース接地のFET
TR2のドレインに接続され、FETTR2のゲート
は、ドレイン・ソース間に流れる信号の漏洩を防止する
ための例えば数kΩの抵抗Rc2を介して、出力電圧を
変化することができる可変直流電源Vc2の負極に接続
される。可変直流電源Vc2の正極は接地される。ここ
で、可変直流電源Vc2の出力電圧Vcを変化すること
により、FETTR2のゲートへの印加電圧を変化し、
これにより、FETTR2のドレイン・ソース間の抵抗
値を変化させる。すなわち、FETTR2と、抵抗Rc
2と、可変直流電源Vc2とは、可変抵抗値Rvの可変
抵抗素子Rv2を構成する。以上で、第1の実施形態の
方向性結合器が完成する。
【0025】以上のように構成された第1の実施形態の
方向性結合器においては、浮遊導体50の両端子71
t,72tをそれぞれ、それぞれFETTR1,TR2
を備えた可変抵抗素子Rv1,Rv2を介して接地する
ことにより、FETTR1,TR2のドレイン・ソース
間を可変抵抗素子として動作させ、当該可変抵抗素子の
抵抗値を変化することにより、浮遊導体50の電位を無
限大(オープン)から零電位(ショート)まで、順次変
化させることができる。これを図5乃至図7を用いて説
明する。
【0026】浮遊導体50の電位が無限大のときには、
図5及び図6に示すように、第1の従来例と同様に、結
合度Kが増大した密結合線路として動作する。一方、浮
遊導体50の電位が零電位になった場合には、偶モード
では、図8に示すように、マイクロストリップ導体3
1,32と浮遊導体50との間に静電容量C13及びC23
(図3参照。)が生じ、接地導体に対する静電容量
10,C20は大きくなり、結果として偶モードの特性イ
ンピーダンスZevenが小さくなる。
【0027】一方、奇モードでは可変抵抗素子Rv1,
Rv2の抵抗値に関係なく零電位であり、マイクロスト
リップ導体31,32間の静電容量C12には変化なく、
奇モードの特性インピーダンスZoddは第1の従来例
と比較して変化しない。従って、上記結合度Kの値は、
可変抵抗素子Rv1,Rv2の抵抗値を変化して、偶モ
ードの特性インピーダンスZevenを変化することに
より、言い換えるとマイクロストリップ線路の対接地導
体の静電容量C10,C20が変化することで自在に変える
ことができる。
【0028】以上のように構成された第1の実施形態に
おいて、例えばコプレーナ線路54を終端し、コプレー
ナ線路51にマイクロ波信号を入力したとき、当該方向
性結合器のマイクロストリップ導体31の線路を介して
コプレーナ線路52に出力するとともに、マイクロスト
リップ導体31と可変結合度で結合しているマイクロス
トリップ導体32の線路に出力され、これによって、上
記マイクロ波信号が、コプレーナ線路53に出力され
る。
【0029】以上の第1の実施形態において、好ましく
は、誘電体層21の誘電率を誘電体層22の誘電率に比
較して低く設定される。これによって、偶モードにおい
ては、同電位となるマイクロストリップ導体31,32
と浮遊導体50と、接地導体との間に、誘電率が比較的
低い誘電体層21が介在しているので、接地導体12と
マイクロストリップ導体31,32との間の静電容量C
10及びC20がさらに小さくなる。一方、奇モードにおい
ては、マイクロストリップ導体31,32と浮遊導体5
0間の電界が、誘電率が比較的高い誘電体層22に閉じ
込められているので、各マイクロストリップ導体31,
32間の静電容量C12がさらに増大する。従って、結合
度Kをさらに増大させることができる。
【0030】また、以上の第1の実施形態において、浮
遊導体50は誘電体層22上であって2本のマイクロス
トリップ導体31,32の直上部に形成しているが、本
発明はこれに限らず、浮遊導体50は少なくとも、2本
のマイクロストリップ導体31,32と電磁的に結合す
るように近接して形成すればよい。さらに、接地導体1
2のスロット12cは、マイクロストリップ導体31,
32との間の静電容量C10及びC20を小さくするため
に、接地導体12が2本のマイクロストリップ導体3
1,32から所定の距離だけ離れるように形成すればよ
い。
【0031】さらに、以上の第1の実施形態において、
結合度Kを増大させるために、結合線路用マイクロスト
リップ導体31,32の直下の接地導体12にスロット
12cを形成しているが、本発明はこれに限らず、スロ
ット12cを形成しなくてもよい。
【0032】図9は、図1の方向性結合器のシミュレー
ション結果である透過係数S21,S41の周波数特性を示
すグラフである。ここで、本発明者は、各素子のパラメ
ータを次のように設定した。 (a)誘電体層21の比誘電率ε0=3.7(材料:ポ
リイミド)、 (b)誘電体層21の高さ(厚さ)h1=7.5μm、 (c)誘電体層22の比誘電率ε0=3.7(材料:ポ
リイミド)、 (d)誘電体層22の高さ(厚さ)h1=2.5μm、 (e)マイクロストリップ導体31,32の幅Ws=1
5μm、 (f)マイクロストリップ導体31,32間の間隔Wg
=10μm、 (g)浮遊導体50の幅Wf=50μm、 (h)スロット12cの幅110μm、 (i)マイクロストリップ導体31,32の結合してい
る部分の線路長=1800μm。 ここで、端子T3は、例えば50Ωの終端抵抗を介して
接地した。
【0033】図9から明らかなように、FETTR1,
TR2への印加電圧を変化させることによって、方向性
結合器の結合度Kが変化し、通過帯域の中心周波数f0
を中心として対称に、端子T1から端子T4への透過係
数S41と、端子T1から端子T2への透過係数S21は共
に変化している。このように本発明の実施形態では、方
向性結合器の結合度Kを自由に変化させることができ
る。また、小型・軽量の方向性結合器を構成することが
できる。また、この実施形態の方向性結合器を、通過量
可変の帯域通過フィルタとして用いることができる。
【0034】<第2の実施形態>この第2の実施形態
は、第1の実施形態において、2本の結合線路用マイク
ロストリップ導体31,32の互いに対向せず対角線上
にある各一端子T2,T4を開放又は短絡し、2本の結
合線路用マイクロストリップ導体31,32の互いに対
向せず対角線上にある各他端子T1,T3をそれぞれ入
力端子と出力端子とする。ここで、上記可変抵抗素子R
v1,Rv2の抵抗値を変化することにより、入力端子
T1と出力端子T3との間の減衰量が変化する可変減衰
器として動作させる。
【0035】すなわち、第2の実施形態においては、第
1の実施形態の方向性結合器において、結合線路用マイ
クロストリップ導体31,32の4個の端子T1,T
2,T3,T4のうち、対角線上にあるアイソレーショ
ン・ポート、例えば、端子T1と端子T3を入出力ポー
トとして用いる一方、他方の組の両端子T2,T4を開
放又は短絡することにより、2端子T1,T3を用いた
2端子回路でオン・オフスイッチ(SPST:Single P
ole Single Throw)を実現できる。また、本構成はFE
TTR1,TR2の印加電圧を調整することで可変減衰
器としても動作する。
【0036】図10は、本発明に係る第2の実施形態の
1/4波長結合線路型方向性結合器のシミュレーション
結果である透過係数S31の周波数特性を示すグラフであ
る。図10から明らかなように、端子T1から端子T2
への透過係数S21は、FETTR1,TR2への印加電
圧Vcを変化させることによって、通過帯域の中心周波
数f0を中心として対称に透過係数S31が変化してい
る。このように本発明の実施形態では、方向性結合器の
結合度Kを自由に変化させることができる。これによ
り、入力端子T1と出力端子T3との間の減衰量が変化
する可変減衰器として動作させることができる。また、
小型・軽量の可変減衰器を構成することができる。
【0037】<第1の変形例>図11は、本発明に係る
第1の変形例である1/4波長結合線路型方向性結合器
の(図1のA−A’線についての縦断面図に対応する)
縦断面図である。図11に示すように、第1の実施形態
に比較して、接地導体12においてスロット12cを形
成していない。これにより、方向性結合器の結合度Kは
第1の実施形態に比較して若干低下するが、FETTR
1,TR2への印加電圧Vcを変化させるこよにより、
結合度Kを変化させることができる。
【0038】<第2の変形例>図12は、本発明に係る
第2の変形例である1/4波長結合線路型方向性結合器
の(図1のA−A’線についての縦断面図に対応する)
縦断面図である。図12に示すように、第1の実施形態
に比較して、各マイクロストリップ導体31,32を、
接地導体12のスロット12cの中央部の半導体基板1
1上に形成し、当該マイクロストリップ導体31,32
の直上部の誘電体層21上に浮遊導体50を形成しても
よい。すなわち、この第2の変形例における線路結合部
においては2本のマイクロストリップ導体31,32と
その両側とから構成されるダブルコプレーナ線路を構成
している。これによって、第2の変形例は、第1の実施
形態に比較して、誘電体層22を形成していないので、
製造プロセスを簡単化するとともに、小型化することが
できる。以上の第2の変形例において、浮遊導体50は
少なくとも2本のマイクロストリップ導体31,32と
電磁的に結合するように形成すればよい。
【0039】<第3の変形例>図13は、本発明に係る
第3の変形例である1/4波長結合線路型方向性結合器
の(図1のA−A’線についての縦断面図に対応する)
縦断面図である。この第3の変形例の方向性結合器は、
半導体基板11上に、2本の結合線路用マイクロストリ
ップ導体31,32を形成し、その上に誘電体層21を
介して、上記マイクロストリップ導体31,32の直上
部に、1/4λgの長手方向の長さを有する長方形状の
浮遊導体60を形成し、その上に、誘電体層22を介し
て、浮遊導体60の直上部に、スロット14cを有する
接地導体14を形成したことを特徴とする。さらに、誘
電体層21,22の側面に、接地導体12と接地導体1
4とを接続する接地導体13を形成した。
【0040】この第3の変形例において、偶モードで
は、浮遊導体60と各マイクロストリップ導体31,3
2との間に電気力線が存在せず、これらが同電位であ
る。ここで、接地導体14にスロット14cを形成して
いるので、偶モード時にマイクロストリップ導体31,
32と同電位となる浮遊導体60と接地導体14との間
の静電容量C10,C20を小さくすることができ、これに
よって、マイクロストリップ導体31,32と接地導体
12,13,14との間の静電容量C10,C20を小さく
することができる。一方、奇モードでは、浮遊導体60
と接地導体14との間に電気力線が存在せず、これらが
同電位である。従って、この第3の変形例においては、
奇モードにおいて当該浮遊導体60の電位が零電位とな
って接地導体として動作するため、結果的に接地導体と
マイクロストリップ導体31,32間の電極間距離が極
めて近接することになり、マイクロストリップ導体3
1,32間の静電容量C12が増大することになる。
【0041】すなわち、第3の変形例においては、接地
導体14にスロット14cを形成することによってマイ
クロストリップ導体31,32と接地導体との間の静電
容量C10及びC20を減少させる一方、奇モードの動作時
に接地導体として動作する浮遊導体60を形成すること
によってマイクロストリップ導体31,32間の静電容
量C12を増大させる。これによって、結合度Kを増大さ
せることができる。
【0042】<他の変形例>以上の実施形態及び変形例
において、誘電体基板11を用いているが、本発明はこ
れに限らず、これに代えて半導体基板を用いてもよい。
【0043】以上の第1と第2の実施形態において、F
ETTR1,TR2により可変抵抗素子Rv1,Rv2
を構成しているが、本発明はこれに限らず、可変抵抗器
などの可変抵抗素子を用いてもよい。
【0044】以上の第1と第2の実施形態においては、
浮遊導体50の両端子71t,72tは、それぞれ可変
抵抗素子Rv1,Rv2を介して接地されているが、本
発明はこれに限らず、浮遊導体50の両端子71t,7
2tの少なくとも1つを、可変抵抗素子を介して接地し
てもよい。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載の方向性結合器においては、第1の面に接地導体
が形成された第1の誘電体の第2の面上に、互いに電磁
的に結合するように近接して形成され、かつそれぞれ1
/4波長の長さを有する2本の結合線路用マイクロスト
リップ導体を形成してなり、上記2本の結合線路用マイ
クロストリップ導体が形成された第1の誘電体の第2の
面上に上記2本の結合線路用マイクロストリップ導体と
互いに電磁的に結合するように近接して、第2の誘電体
を介して浮遊導体を形成した方向性結合器において、上
記浮遊導体の長手方向の両端を第1と第2の端子とし、
上記第1と第2の端子の少なくとも1つに可変抵抗素子
を介して接地し、上記可変抵抗素子の抵抗値を変化する
ことにより、上記2本の結合線路用マイクロストリップ
導体間の結合度を変化させる。従って、結合度Kを自由
に変化させることができる方向性結合器を構成すること
ができる。また、小型・軽量の方向性結合器を構成する
ことができる。
【0046】また、請求項2記載の方向性結合器におい
ては、請求項1記載の方向性結合器において、上記可変
抵抗素子は、直流電圧を変化させることができる可変直
流電源と、上記第1又は第2の端子に接続されたドレイ
ンと、接地されたソースと、上記可変直流電源に接続さ
れたゲートとを有する電界効果トランジスタとを備え
る。従って、結合度Kを自由に変化させることができる
方向性結合器を構成することができる。また、小型・軽
量の方向性結合器を構成することができる。
【0047】さらに、請求項3記載の方向性結合器にお
いては、請求項1又は2記載の方向性結合器において、
2本の結合線路用マイクロストリップ導体の互いに対向
しない各一端を開放又は短絡とし、開放又は短絡してい
ない2本の結合線路用マイクロストリップ導体の互いに
対向しない各他端をそれぞれ入力端子と出力端子とし、
上記可変抵抗素子の抵抗値を変化することにより、上記
入力端子と上記出力端子との間の減衰量が変化する可変
減衰器として動作する。従って、2つの端子間の減衰量
が変化する可変減衰器として動作させることができる。
また、小型・軽量の可変減衰器を構成することができ
る。
【0048】またさらに、請求項4記載の方向性結合器
においては、請求項1、2又は3記載の方向性結合器に
おいて、上記2本の結合線路用マイクロストリップ導体
の直下の接地導体にスロットをさらに形成した。従っ
て、結合度Kを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である1/4波
長結合線路型方向性結合器の平面図及び回路図である。
【図2】 図1の方向性結合器において浮遊導体50と
誘電体層22とを除去したときの平面図である。
【図3】 図1の方向性結合器のA−A’線についての
縦断面図である。
【図4】 図1の方向性結合器のB−B’線についての
縦断面図である。
【図5】 図1の方向性結合器において偶モードのとき
(Rv=∞)の電界分布を示すA−A’線についての縦
断面図である。
【図6】 図1の方向性結合器において奇モード(Rv
=∞及びR=0)のときの電界分布を示すA−A’線に
ついての縦断面図である。
【図7】 図1の方向性結合器において偶モードのとき
(Rv=0)の電界分布を示すA−A’線についての縦
断面図である。
【図8】 図1の方向性結合器においてマイクロストリ
ップ導体31から接地側を見たときの等価回路図を示す
回路図である。
【図9】 図1の方向性結合器のシミュレーション結果
である透過係数S21,S41の周波数特性を示すグラフで
ある。
【図10】 本発明に係る第2の実施形態の1/4波長
結合線路型方向性結合器のシミュレーション結果である
透過係数S31の周波数特性を示すグラフである。
【図11】 本発明に係る第1の変形例である1/4波
長結合線路型方向性結合器の(図1のA−A’線につい
ての縦断面図に対応する)縦断面図である。
【図12】 本発明に係る第2の変形例である1/4波
長結合線路型方向性結合器の(図1のA−A’線につい
ての縦断面図に対応する)縦断面図である。
【図13】 本発明に係る第3の変形例である1/4波
長結合線路型方向性結合器の(図1のA−A’線につい
ての縦断面図に対応する)縦断面図である。
【図14】 第1の従来例の1/4波長結合線路型方向
性結合器の平面図である。
【図15】 図14の方向性結合器のC−C’線につい
ての縦断面図である。
【図16】 第2の従来例の1/4波長結合線路型方向
性結合器の縦断面図である。
【符号の説明】
11…誘電体基板、 12,13,14…接地導体、 12c,14c…スロット、 21,22…誘電体層、 21a…誘電体基板、 31,32…結合線路用マイクロストリップ導体、 50,60…浮遊導体、 71,72…接続導体、 TR1,TR2…電界効果トランジスタ(FET)、 Rc1,Rc2…抵抗、 Vc1,Vc2…可変直流電源、 Rv1,Rv2…可変抵抗素子。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 5/18 H01P 5/04 603 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の面に接地導体が形成された第1の
    誘電体の第2の面上に、互いに電磁的に結合するように
    近接して形成され、かつそれぞれ1/4波長の長さを有
    する2本の結合線路用マイクロストリップ導体を形成し
    てなり、上記2本の結合線路用マイクロストリップ導体
    が形成された第1の誘電体の第2の面上に上記2本の結
    合線路用マイクロストリップ導体と互いに電磁的に結合
    するように近接して、第2の誘電体を介して浮遊導体を
    形成した方向性結合器において、 上記浮遊導体の長手方向の両端を第1と第2の端子と
    し、 上記第1と第2の端子の少なくとも1つに可変抵抗素子
    を介して接地し、 上記可変抵抗素子の抵抗値を変化することにより、上記
    2本の結合線路用マイクロストリップ導体間の結合度を
    変化させることを特徴とする方向性結合器。
  2. 【請求項2】 上記可変抵抗素子は、 直流電圧を変化させることができる可変直流電源と、 上記第1又は第2の端子に接続されたドレインと、接地
    されたソースと、上記可変直流電源に接続されたゲート
    とを有する電界効果トランジスタとを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の方向性結合器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の方向性結合器にお
    いて、2本の結合線路用マイクロストリップ導体の互い
    に対向しない各一端を開放又は短絡とし、 開放又は短絡していない2本の結合線路用マイクロスト
    リップ導体の互いに対向しない各他端をそれぞれ入力端
    子と出力端子とし、 上記可変抵抗素子の抵抗値を変化することにより、上記
    入力端子と上記出力端子との間の減衰量が変化する可変
    減衰器として動作することを特徴とする方向性結合器。
  4. 【請求項4】 上記2本の結合線路用マイクロストリッ
    プ導体の直下の接地導体にスロットをさらに形成したこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3記載の方向性結合
    器。
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