JP2781576B2 - フロータを有する合金化炉 - Google Patents

フロータを有する合金化炉

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JP2781576B2 JP63319968A JP31996888A JP2781576B2 JP 2781576 B2 JP2781576 B2 JP 2781576B2 JP 63319968 A JP63319968 A JP 63319968A JP 31996888 A JP31996888 A JP 31996888A JP 2781576 B2 JP2781576 B2 JP 2781576B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、溶融亜鉛めっき直後のストリップを加熱お
よび保熱することにより合金化層を形成させる合金化炉
に関する。
<従来の技術> 近年合金化処理鋼板は自動車、家庭電気器具等に益々
多く採用されており、一層高品質のものが要求されてい
る。
従来の合金化炉は直火加熱帯、保持帯をめっきポット
の上部に直列に配置したもの(特開昭60−149759号)、
または誘導加熱帯、直火加熱帯、保持帯をめっきポット
の上部に直列に配置したもの(特開昭61−207564号)が
知られている。この後者の誘導加熱帯、直火加熱帯、保
持帯を直列に配したものは、直火加熱帯および誘導加熱
帯の長所、欠点を検討し、それぞれの長所を取り入れた
ものといえる。
しかしこれらは、いずれのタイプにしても長い煙突形
状をしているため、炉内高温ガスのドラフト効果による
侵入エアーが多量に存在し、熱効率の低下をまねくばか
りでなく加熱ムラを発生させ品質の低下にもつながって
いる。
従来の合金化炉ではドラフトによる侵入エアーが燃焼
用空気の約6倍にも達しており、この侵入エアーを加熱
するために投入燃料の約60%が費やされている。
また、その構造は第5図に示すように、めっきポット
1を出たストリップ2が誘導加熱帯4、直火加熱帯6、
保持帯8および冷却帯10、12を順次経由するようになっ
ているが、加熱保持後のストリップが完全に冷却される
前にトップロール16に接触した場合には、ロールに亜鉛
が付着し表面疵の原因となり、品質の低下をもたらして
いる。
一方、完全に冷却させてから方向転換させようとする
と保持帯の上方に長い冷却帯を必要とするので合金化炉
全体が高くなり建屋を含めたコストが非常に高くなる。
なお、14は亜鉛目付量調整用ワイピングノズルである。
<発明が解決しようとする課題> ストリップを非接触状態で支持する搬送装置として、
例えば特開昭56−15886号に開示されているが、フロー
タを固定して設置しているため、形状不良のあるストリ
ップが搬送された場合にはフロータの浮上力が低下し、
またフロータの浮上量以上の板厚方向の形状不良がある
場合にはストリップがフロータに接触しすり傷が発生し
たり、フロータが破損する危険があった。また非接触状
態による支持を必要としない場合や、噴出ノズル等が故
障した場合には、固定式のための不都合が避けられなか
った。
特開昭61−203055号には、ガス吹出口を有する静圧支
持パッドを設けたものが提案されているが複雑な機構を
必要とするという問題点があった。
本発明は、長時間保持を可能とするとともに、加熱、
保持後のストリップがある一定の温度以下までロール等
に接触しないように搬送、冷却し、表面疵をも防止した
フロータを有する合金化炉を提供することを目的として
いる。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するために本発明によれば、溶融亜鉛
めっきポットの上方に加熱帯、保持帯および冷却帯を設
けた合金炉において、前記保持帯に続けて、少なくとも
ベンドフロータおよび水平フロータを有する冷却帯が設
けられており、前記ベンドフロータおよび/または水平
フロータが、流体噴出ノズルを有する中空の回転体と前
記回転体の反ストリップ側に沿わせて流体の噴出を阻止
する遮蔽体とを有していることを特徴とするフロータを
有する合金化炉が提供される。
前記保持帯とベンドフロータとの間に、他の冷却帯を
有するのが好ましい。
また、少なくとも前記保持帯と冷却帯との間に、ガス
シール装置を有するのが好ましい。
また、ベンドフロータおよび水平フロータが、調温機
構を有するのが好ましい。
以下に本発明を一実施例である第1図に基づいてさら
に詳細に説明する。
めっきポット1を出たストリップ2は誘導加熱帯4お
よび直火加熱帯6からなる加熱帯13で所定温度に加熱さ
れ、保持帯8で一定時間保熱後冷却帯10、12により冷却
される。加熱帯13ではまず誘導加熱帯4の入口開口部か
らの侵入エアーを防止するためにガスシール装置3を設
置する。このガスシール装置3に直火加熱帯6の排ガス
を常温空気で稀釈した熱風(450〜600℃)を用いると、
ストリップ2が予熱され炉の熱効率を高めるので望まし
い。
なお、ガスシール装置としては、バッドタイプやエア
ーカーテンタイプが採用できる。
次に、誘導加熱帯4でストリップは急速加熱される。
この誘導加熱帯4は板継ぎ時等の非定常時には、応答性
の良くない直火加熱帯の加熱過不足を速い応答性により
補うことができる。
誘導加熱帯4の出側で直火加熱帯6への接続部のガス
シール装置5は炉内のドラフトを防止するとともに、直
火加熱帯6の高温排ガスが誘導加熱帯4に流入し、誘導
コイル(図示せず)を過加熱することを防止する。ここ
で利用するガスとしては、直火加熱帯6の排ガスを空気
で稀釈した熱風がストリップ温度低下防止のためには望
ましい。
直火加熱帯6でストリップ2は直火バーナ(図示せ
ず)により最終合金化温度(500〜700℃)まで加熱され
る。
直火加熱帯6の出側で保持帯8への接続部のガスシー
ル装置7は炉内のドラフトを防止する以外に、高温の排
ガス(900〜1200℃)がそのまま保持帯8に侵入し、保
持帯温度が上昇することも防止する。したがって、この
ガスシール装置7では直火加熱帯6からの上昇排ガスが
保持温度(500〜700℃)になるように冷風を用いるか、
または直火加熱帯6から導いた排ガスを空気で稀釈し
て、保持温度にした熱風を用いる。この例では冷風によ
るガスシールを行い保持帯に流れる排ガス温度を保持温
度に制御している。
保持帯出側部のガスシール装置9では炉内のドラフト
を防止するとともに、保持帯8と冷却帯10のガスの流れ
を分析し、冷却帯10に比較的高温の排ガスが流入して冷
却効率を低下させることを防ぐ。15はブロワである。
なお、前記各ガスシールの構造は公知の流体パッド、
またはガスカーテンのどちらでもよい。
また、冷却帯10の上部には合金化後の高温のストリッ
プを非接触で方向転換させるベンドフロータ11を配置
し、従来トップロール16で発生していた亜鉛のロール表
面への付着による表面疵の発生を完全に無くしている。
この例ではベンドフロータ11は冷却帯10の上部に配置し
ているが、保持帯の上部にガスシール装置9を介して直
接配置することもできる。この場合には炉高をさらに低
くできるのでより経済的である。
前記ベンドフロータの構造は公知の流体パッドまたは
ガスカーテンのどちらでもよい。好適例について第2図
および第3図を参照しながら以下に説明するがこれに限
定されるものではない。
第2図および第3図において、中空円筒状フロータ本
体111の外周面には円周方向に向けてスリット状の噴出
ノズル112が多数穿ってあり、その反ストリップ側面に
はフロータ本体111の外周面に沿う形状の遮蔽体113を配
設してある。そしてフロータ本体111がシャフト114を介
して軸受115によって回転可能に支持されている。フロ
ータ本体111の回転方向はストリップの走行方向に応じ
時計方向、反時計方向どちらにも回転可能である。
シャフト114の一端にはロータリジョイント116が設け
てあり、ブロア117から供給される圧空気が配管118およ
びロータリジョイント116を介してシャフト114の内部に
設けた貫通孔114aを通りフロータ本体111に導かれたの
ち噴出ノズル112からストリップ2に向けて噴出され
る。
シャフト114の他端には駆動モータ119が設けてあり必
要に応じてフロータ本体111を強制回転するようになっ
ている。
通常運転時にはブロア117から供給される圧空気を配
管118、ロータリジョイント116、シャフト114を介して
フロータ本体111に導入し、噴出ノズル112から噴出され
る空気によって走行するストリップ2を非接触状態で支
持させる。
走行するストリップ2が何らかの原因によってフロー
タ本体111に接触しても軸受115によって支持されている
フロータ本体111がストリップ2の走行方向にアイドル
回転するのでストリップ2やフロータ本体111を損傷す
ることがない。
またフロータ機能を必要としないストリップを走行さ
せるときにはブロア117からの圧空気の供給を停止して
ストリップ2をフロータ本体111に接触させた状態とし
ガイドローラの代用として使用する。そして必要があれ
ばモータ119を駆動してストリップ2を走行させること
もできる。
なお、前記噴出ノズル112は、板幅方向のスリットに
限るものではなく、通板方向のスリットまたは適宜の大
きさの貫通孔などでもよい。
また、ラインスピードが速く高温でベンドフロータを
通板させる場合等に対処するため、ベンドフロータから
噴出させる流体温度の調節機構を設け、通過するストリ
ップと同程度に予熱した流体を噴出させ、その必要が無
いときは、冷風等を噴出させるようにすることが好まし
い。
ベンドフロータ11の出側の水平延長線上には水平フロ
ータ17を有する冷却帯12が配置され、ストリップ2は非
接触で通板される。
前記水平フロータの構造は公知の流体パッド、または
ガスカーテンのどちらでもよい。
この水平フロータ17は、冷却帯12におけるストリップ
2下面に対向する側の適宜の1か所または複数か所に設
けられる。
好適例としては、第4図に示すように第3図のベンド
フロータの例に比べ遮蔽体173がフロータ本体171に沿う
範囲を少なくしただけで、そのほかはベンドフロータ11
と同様である。
ベンドフロータと水平フロータを組合わせて用いるこ
とにより冷却帯12に到るまで高温状態でストリップ2を
通板することが可能になる。
<実施例> 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1) 第1図に示す本発明合金化炉に、板厚0.9mm、板幅120
0mmの鋼帯に溶融亜鉛めっきを施したものを通板して合
金化処理鋼帯を製造した。
誘導加熱帯4の炉長は3m、直火加熱帯6の炉長は10
m、保持帯8の炉長は20m、冷却帯10の炉長は8m、冷却帯
12の炉長は15m、めっきポット1の浴面からベンドフロ
ータ11までの高さは45mとした。また、めっきポット1
の浴温度は450℃、冷却帯10および12の冷却ガス温度は5
0℃に調節し、ベンドフロータ11は非固定式フロータと
し、その噴射流体としては温度60℃の空気を用い、水平
フロータ17は冷却帯12の前後2か所に設け、その噴射流
体としては温度50℃の空気を用いた。
上記条件下に、ライン速度140m/分にて合金化処理し
た結果、外観の美麗な、かつ合金化も十分な亜鉛めっき
鋼帯が得られた。
なお、第5図に示す従来装置を用いて同様の合金化処
理を行った場合のライン速度は約110m/分が限度であ
り、これに比べ上記実施例でのライン速度は約30%以上
高く、生産性を向上させることができた。
<発明の効果> 本発明は、以上説明したように構成されているので、
非固定式フロータを用いることにより固定式フロータで
発生していたストリップへのすり疵やフロータ本体の破
損、ライン停止時間等が削減される。
また、ベンドフロータと水平フロータを組合わせて用
いることにより長時間保持パターンが可能になり、高速
操業ができるという効果を奏する。
また、この設備配置により合金化炉全体を低くするこ
とができると共に、高品質の合金化めっき鋼板を安価で
安定して製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の合金化炉の一実施例を示す断面図で
ある。 第2図は、ベンドフロータの平面図である。 第3図は、第2図のIII−III矢視を示す断面図である。 第4図は、水平フロータの断面図である。 第5図は、従来の合金化炉の断面図である。 符号の説明 1……めっきポット、 2……ストリップ、 3……ガスシール装置、 4……誘導加熱帯、 5……ガスシール装置、 6……直火加熱帯、 7……ガスシール装置、 8……保持帯、 9……ガスシール装置、 10……冷却帯、 11……ベンドフロータ、 12……冷却帯、 13……加熱帯、 14……ワイピングノズル、 15……ブロワ、 16……トップロール、 17……水平フロータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井出 良一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 兵頭 金章 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 平井 悦郎 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−89468(JP,A) 特開 昭58−22371(JP,A) 実開 昭61−64156(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融亜鉛めっきポットの上方に加熱帯、保
    持帯および冷却帯を設けた合金炉において、前記保持帯
    に続けて、少なくともベンドフロータおよび水平フロー
    タを有する冷却帯が設けられており、前記ベンドフロー
    タおよび/または水平フロータが、流体噴出ノズルを有
    する中空の回転体と、前記回転体の反ストリップ側に沿
    わせて流体の噴出を阻止する遮蔽帯とを有していること
    を特徴とするフロータを有する合金化炉。
  2. 【請求項2】前記保持帯とベンドフロータとの間に、他
    の冷却帯を有する請求項1記載のフロータを有する合金
    化炉。
  3. 【請求項3】少なくとも前記保持帯と冷却帯との間に、
    ガスシール装置を有する請求項1または2記載のフロー
    タを有する合金化炉。
  4. 【請求項4】ベンドフロータおよび水平フロータが、調
    温機構を有する請求項1〜3のいずれかに記載のフロー
    タを有する合金化炉。
JP63319968A 1988-12-19 1988-12-19 フロータを有する合金化炉 Expired - Lifetime JP2781576B2 (ja)

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JPS5789468A (en) * 1980-11-22 1982-06-03 Nisshin Steel Co Ltd Continuous hot-dipping apparatus
JPS5822371A (ja) * 1981-08-04 1983-02-09 Chugai Ro Kogyo Kaisha Ltd 片面溶融メッキ設備
JPS59148120A (ja) * 1983-02-15 1984-08-24 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 磁気記録媒体

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