JP2780915B2 - 鉄筋コンクリート構造物に接続された金属体の防食構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物に接続された金属体の防食構造

Info

Publication number
JP2780915B2
JP2780915B2 JP5300552A JP30055293A JP2780915B2 JP 2780915 B2 JP2780915 B2 JP 2780915B2 JP 5300552 A JP5300552 A JP 5300552A JP 30055293 A JP30055293 A JP 30055293A JP 2780915 B2 JP2780915 B2 JP 2780915B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforced concrete
anticorrosion
concrete structure
metal body
body connected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5300552A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07150583A (ja
Inventor
敬三 細谷
光矢 平戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Corp
Original Assignee
JGC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JGC Corp filed Critical JGC Corp
Priority to JP5300552A priority Critical patent/JP2780915B2/ja
Publication of JPH07150583A publication Critical patent/JPH07150583A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2780915B2 publication Critical patent/JP2780915B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリート構造
物と接続する土中または海川水中に設置される金属構造
物の防食構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パイプライン配管等の金属体を土
中もしくは海川水中に設置する場合、それらに触れる面
を塗装、コーティング、ライニング等により被覆して腐
食を防止することは通常行われることであるが、それら
の方法だけでは完全な防食は達成できない。これは、被
覆に内在する、あるいは施工時や他工事等により被覆に
生じた欠陥から腐食が発生し、これが局部的に進行する
ためである。
【0003】このため、これにさらに電気防食法(陰極
防食法)を併用することで成果をあげている。電気防食
法は、防食対象の外部に設けた陽極から防食対象に直流
電流を連続的に流入させて、防食対象の電位を腐食反応
が完全に停止する電位(防食電位)より低い値に維持す
る方法である。この方法によれば、原理的に該被覆部の
欠陥部にのみ防食電流が流入するため、僅かな電力で防
食効果を達成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パイプライ
ンを例にとると、これを地上、地中あるいは海中に設置
された鉄筋コンクリート容器あるいは基礎体等の構造物
に接続する場合、コンクリート中の鉄筋と配管が直接あ
るいは他金属を介して電気的に導通することがある。こ
の場合、鉄筋の表面積が防食被覆の欠陥部の面積と比較
して遥かに大きいため、配管の防食のために供給された
電流が分流して鉄筋コンクリート構造物側に大量に流
れ、そのために配管に流入する電流が減少して防食に必
要な電位を保持できなくなり、防食効果を著しく低下す
る。これを補うためには、更に、大出力の防食装置を設
置することを要するため設備のコストが高くなるととも
に、防食に必要な電流が増加するため、電力コストが高
くなるという問題がある。
【0005】このような不利益を回避する為に、通常、
配管の該構造物の貫通部で配管と鉄筋が接触しないよう
両者の間隔を十分にとり両者の間に電気的導通状態を形
成せしめないような方法、または該構造物の近傍部の配
管に絶縁継手を設置する方法が採られている。
【0006】しかしながら、これらの方法ではコンクリ
ート打設時に鉄筋と配管の接触を避けることが非常に困
難であったり、また、配管の固定確保のために両者を溶
接するため、むしろ不可避の場合がある。また、絶縁継
手による方法では絶縁継手と該構造物の間の配管に防食
電流が流入しないため、該配管外面の腐食が進行するば
かりではなく、絶縁継手を介する電位差によりジャンピ
ング腐食が生じて腐食速度は加速される危険がある。さ
らに、管内を流れる流体が海水のような導電性の高い電
解質である場合には、流体を介して電流が流れるために
完全な絶縁が困難になるとともに、該電流によって該配
管内面にもジャンピング腐食が生じる危険がある。この
ため、防食対象を適正な防食電位に維持することが困難
となる場合が多い。
【0007】防食を目的とする対象物としては、この
他、鉄筋コンクリート構造物に配管等によって接続され
る金属製容器などもあり、前記と同様の問題を内在して
いる。また、本発明は海川等水中に設置された機器類に
も同様に当てはまる問題である。本発明は、前記従来技
術における諸種の問題を低コストで解決する手段を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の構成を図1を参
照しながら説明する。符号1は土壌3中に埋設された金
属体としての金属製配管である。この金属体1は、同じ
く土壌3に埋設された鉄筋コンクリート製構造物として
の鉄筋コンクリート製容器2に側壁を貫通して接続され
ている。前記金属製配管1には、通常行われる方法に従
い、防食電流を与えることによって陰分極させるための
直流電源装置4のマイナス極が接続されている。また、
直流電源装置4のプラス極が土中埋設電極5に接続され
ている。鉄筋コンクリート製容器2の地中部分は電気絶
縁層によって覆われている。図示の場合、この電気絶縁
層の側壁6は全面を絶縁塗料を吹き付けることにより被
覆されたものである。また電気絶縁層の底部7はコンク
リート打設前に予め絶縁シートを敷いておき、後に塗装
部との境界を極力水密に保持施工することにより容器の
外側全体を被覆するように構成されたものである。
【0009】また、請求項2ないし請求項4では、前記
電気絶縁層の具体例として、鉄筋コンクリート構造物の
表面に塗布された電気絶縁性塗料、鉄筋コンクリート構
造物の表面を覆う電気絶縁性パネルあるいは電気絶縁性
シートを特定した。
【0010】
【作用】上記構成によれば、コンクリート製容器2の表
面が電気絶縁層としての側壁6および底部7によって覆
われていて、土壌3に対して電気的に絶縁されているか
ら、配管1からコンクリート製容器2を介して地中に流
れる電流を阻止することができる。この場合の絶縁被覆
は完全にコンクリート製容器2の表面を完全に覆うこと
が望ましいが、多少不完全であってもその部分を通じて
流れる電流は極く僅かであるから、金属製配管1を防食
電位以下に保つことができる。さらに、鉄筋コンクリー
ト構造物の底部の絶縁作業が困難な場合は、それを省略
してもよい。その場合は、その面を通じて防食電流の一
部がコンクリート構造物に流入するので、その分だけ所
要電力量が大きくなるが本発明を適用しない場合に比し
数分の一の電力量で足りる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の一実施例を示す。図2および
図3に示す一実施例は、鉄筋コンクリート構造物の例と
して、製油所における鉄筋コンクリート製オイルセパレ
ータに接続する埋設配管を対象とした電気防食システム
に本発明を適用した場合を示すものである。図3におい
て、鉄筋コンクリート製オイルセパレータ8の底面は、
配筋に先立ち、捨コンクリート9と土壌の境界面に厚
0.5mm、幅2mの低密度ポリエチレン製の絶縁シー
ト10が、重ね幅を1mとして全面敷設されて電気絶縁
層の一部をなしている。また側面は図2、図3に示すよ
うに全周にわたってコンクリート型枠撤去後にタールエ
ポキシ樹脂塗料11が吹き付け工法にて平均乾燥膜厚2
00μmで塗られて電気絶縁層の一部をなしている。
【0012】前記オイルセパレータ8の外形寸法は底面
71m×34m、高さ3mで、土壌3中に2.8m埋設
されており、土中埋設部のコンクリート表面積は約30
00m2である。該オイルセパレータ8には口径1.6
m、延長4500mの鋼製の配管12が口径1.0m、
延長10mの4本の分岐鋼管13を介して接続されてお
り、分岐配管13は固定確保のために該オイルセパレー
タ8の側壁貫通部にて鉄筋14と溶接接合されている。
これらの鋼製の配管の外面には厚さ6mmのアスファル
トジュート塗装の被覆が施され、全長にわたって地中に
埋設されている。なお土中埋設部の鋼管12、13の表
面積は約23100m2である。
【0013】次いで、図4および図5により、前記一実
施例に対する比較例としての、同寸法のセパレータ15
および配管16、17からなる既存設備について説明す
る。この既存設備では分岐配管17のセパレータ近傍部
に絶縁継手18が設置されている点、およびセパレータ
15に本発明による絶縁被覆を有していない点を除け
ば、上記一実施例の設備と全く同様な構造である。既存
設備の配管16、17、ならびに新設設備の配管12、
13は、それぞれ個別の外部電源方式の電気防食システ
ムで電気防食されており、既存設備には直流電源装置1
9および数多くの深埋設式電極装置20が、一実施例の
新設設備には直流電源装置21および少数の浅埋設式電
極装置22がそれぞれ設置されている。なお既存設備の
絶縁継手18は防食装置試運転時に内面、外面とも、電
位測定の結果からジャンピング防食の可能性が確認され
たため、電線23でボンディングすることにより同電位
とされている。
【0014】上記のように絶縁継手を介して鋼管を接続
したとしても、この絶縁は完全ではなく、鋼管の内面に
おける流体との接触、外面における土壌との接触によっ
て有限の抵抗値を持つことが避けられず、この結果、鋼
管の内面、外面からそれぞれに接触している電解質を介
していわゆるジャンピング電流が流れ、この電流ととも
に鋼の成分である鉄のイオン化が起こり、前述のジャン
ピング腐食が発生する。前記比較例では、前述のように
絶縁継手18の両側をボンディングすることによって同
電位に維持されているため、前述のジャンピング電流が
流れることが防止されている。
【0015】表1に既存および新設設備の電気防食装置
の定格出力ならびに防食対象を全域にわたり飽和硫酸銅
電極基準で−900mVに保持するための所要防食電流
を示す。 表1より明らかなように、本発明を採用していない既存
設備では十分な防食効果を得るためには38.8Aの通
電を要するが、本発明による新設設備で僅か3.4Aの
通電で十分であることが分かる。すなわち本発明により
防食設備の定格容量も10分の1で対応可能となるた
め、設備費および電力費とも大幅に低減される。
【0016】本発明を適用する対象としての鉄筋コンク
リート構造物としては、塔槽類や熱交換器、ポンプ、コ
ンプレッサー等各種機器類の基礎体、建屋の基礎等防食
対象物と電気回路を構成する近傍の地下建造物を含む。
これらに対する絶縁処理は厳密を要するというものでな
く、金属体の電気防食に対して効果が大きいと考えられ
る範囲で行えばよい。
【0017】また、電気防食方式には外部電源法および
流電陽極法があるが、本発明では防食電流を必要最低限
に低減することを目的としているため、原理的に外部電
源法、流電陽極法のいずれも適用可能である。電気絶縁
層の具体的構成は上記実施例に限定されるものではな
く、コンクリート構造物の設置条件に応じて、絶縁性塗
料の塗布、電気絶縁性パネルあるいはシートによる被覆
など、最適な方式を選択してもよいのはもちろんであ
る。さらに本発明は、鉄筋コンクリート構造物の土壌中
への埋設部分のみならず、海水あるいは河川水などとの
接触部分に適用することができるのはもちろんである。
【0018】
【発明の効果】防食対象である金属構造物がコンクリー
ト構造物中の鉄筋と電気的に導通していても防食電流の
鉄筋への分流が抑制されるため、所要防食電流は著しく
低減される。これにより、小出力の防食装置で対応可能
となるばかりではなく、鉄筋との絶縁措置や絶縁継手が
不要となるため、経済的かつ信頼性の高い防食システム
が供給可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施例の平面図である。
【図3】本発明の一実施例の側面図である。
【図4】比較例の平面図である。
【図5】比較例の側面図である。
【符号の説明】
1……金属製配管 5……地中埋設電極 2……鉄筋コンクリート製容器 6……電気絶縁層の側
壁 3……土壌 7……電気絶縁層の底
部 4……直流電源装置 8……鉄筋コンクリー
ト製オイルセパレータ 9……捨コン 10……ポリエチレン製
絶縁シート 11……タールエポキシ塗料 12……配管 13……分岐配管 14……鉄筋 15……鉄筋コンクリート製オイルセパレータ 16……配管 17……分岐配管 18……絶縁継手 19……直流電源装置 20……深埋設式電極装置 21……直流電源装置 22……浅埋設式電極装置 23……ボンド用電線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート構造物に接続された金
    属体に防食電流を与えて陰分極させることによって腐食
    を防止するようにした防食構造において、前記鉄筋コン
    クリート構造物における土壌または水と接触する外表面
    を電気絶縁層によって覆ったことを特徴とする鉄筋コン
    クリート構造物に接続された金属体の防食構造。
  2. 【請求項2】 前記電気絶縁層は鉄筋コンクリート構造
    物の外面を覆う電気絶縁性シートであることを特徴とす
    る請求項1の鉄筋コンクリート構造物に接続された金属
    体の防食構造。
  3. 【請求項3】 前記電気絶縁層は鉄筋コンクリート構造
    物の外面に塗布された電気絶縁性塗料であることを特徴
    とする請求項1の鉄筋コンクリート構造物に接続された
    金属体の防食構造。
  4. 【請求項4】 前記電気絶縁層は鉄筋コンクリート構造
    物の外面を覆う電気絶縁性パネルであることを特徴とす
    る請求項1の鉄筋コンクリート構造物に接続された金属
    体の防食構造。
JP5300552A 1993-11-30 1993-11-30 鉄筋コンクリート構造物に接続された金属体の防食構造 Expired - Fee Related JP2780915B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5300552A JP2780915B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 鉄筋コンクリート構造物に接続された金属体の防食構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5300552A JP2780915B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 鉄筋コンクリート構造物に接続された金属体の防食構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07150583A JPH07150583A (ja) 1995-06-13
JP2780915B2 true JP2780915B2 (ja) 1998-07-30

Family

ID=17886208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5300552A Expired - Fee Related JP2780915B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 鉄筋コンクリート構造物に接続された金属体の防食構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2780915B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7008473B2 (ja) * 2017-11-06 2022-01-25 日鉄エンジニアリング株式会社 基礎構造
JP7154059B2 (ja) * 2018-08-02 2022-10-17 日鉄エンジニアリング株式会社 基礎構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07150583A (ja) 1995-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3354063A (en) Method and system for protecting corrosible metallic structures
US4812212A (en) Apparatus for cathodically protecting reinforcing members and method for installing same
JP3645180B2 (ja) カソード防食方法及び装置
JP6733124B2 (ja) コンクリート構造物の腐食抑制構造
Ibrahim Corrosion control in electric power systems
US9382631B1 (en) Multi use cathodic protection system for steel and reinforced concrete and method of use
JP2780915B2 (ja) 鉄筋コンクリート構造物に接続された金属体の防食構造
CN112761247B (zh) 装配式箱板钢结构防腐建筑体系及施工方法
JP2002060983A (ja) 電気防食装置
JPH06173287A (ja) 海洋鋼構造物の防食構造
US3725225A (en) Cathodic protection method
JPS5932593Y2 (ja) 屋外貯蔵タンク底板下面の電気防食構造
JPS609887A (ja) 地中埋設物の電気防食法
JP4132174B2 (ja) 埋設配管のマクロセル腐食防止方法
JP7304570B2 (ja) 鉄筋コンクリート構造物の防食構造及び防食方法
JPH03249493A (ja) 地中埋設配管の防食構築物およびその施工方法
JPS59129787A (ja) 地下孔設置型電気機器
JPS5831087A (ja) 地下埋設変圧器の電気防食方法
JPH1129952A (ja) コンクリート構造物およびその電気防食方法
JPH0251989B2 (ja)
JP2018003254A (ja) 防水防錆材の施工方法
JPS62287086A (ja) 鉄筋コンクリ−ト構造物における鉄筋の防蝕方法
KR200486092Y1 (ko) 음극화 보호 장치
KR101214410B1 (ko) 양전하 콜로이드의 전기영동을 이용한 구조물의 표면 코팅방법
JPS6315334Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980407

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090515

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090515

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100515

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees