JP7304570B2 - 鉄筋コンクリート構造物の防食構造及び防食方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態に係る防食構造は、土木構造物及び建築構造物の双方に適用可能な技術であるが、特に厳しい環境化で鉄筋の腐食が進行する可能性がある土木構造物に好適に適用することができる。また、適用対象となる鉄筋コンクリート構造物は、導電部材を巻き付けることが可能な柱や梁であるが、導電部材を巻き付けることができれば、斜材や壁等にも適用することができる。
導電部材30は、一般的には銅線等の電線を用いるが、主筋10を巻回する帯筋20を導電部材30としてもよい。なお、図1では、帯筋20、鉄筋コンクリート構造物50の図示を省略している。導電部材30(電線)の太さ、導電率、巻き付け間隔、巻き付け位置等は、鉄筋コンクリート構造物50の種類、大きさ、設置場所、環境等に応じて適宜設定する。また、導電部材30は、漏電、短絡、腐食等を防止するため、絶縁性及び耐食性を有する部材で被覆されていることが好ましい。
電源装置40は、導電部材30に交番電流を供給するための装置であり、例えば、高周波インバータからなる。電源装置40から導電部材30に供給する電流は、電磁誘導の作用により鉄筋の表皮部分に腐食電流を打ち消す電流を発生させるためのものであり、本実施形態では高周波電流としている。高周波の定義は種々あるが、本実施形態では、例えば、500Hz~2,000Hz程度とする。なお、電源装置40から供給する電流の周波数は、鉄筋コンクリート構造物50の種類、大きさ、設置場所、環境等に応じて適宜設定する。また、種々の状況に対応させて、電源装置40の出力を可変としてもよい。
本発明の実施形態に係る防食方法は、鉄筋コンクリート構造物50の内部に存在する鉄筋(主筋10)の周囲に導電部材30を巻き付けて、導電部材30に交番電流を供給する。そして、電磁誘導の作用により鉄筋(主筋10)の表皮部分に腐食電流を打ち消す電流を発生させて、当該鉄筋(主筋10)の防食を行うようになっている。
鉄筋(主筋10)の軸方向に対して、導電部材30を螺旋状に巻き付けて交番電流を流すと、交番磁界が発生して、鉄筋(主筋10)に渦電流が生じる。鉄筋(主筋10)に渦電流が生じると、表皮効果により、鉄筋(主筋10)の中心部では渦電流により電流が打ち消しあい、鉄筋(主筋10)の表皮部分に電流が流れることになる。
以下、本発明に係る防食構造及び防食方法の適用例を説明する。第1の適用例は、導電部材30を柱または梁の外周部に巻き付ける態様である。第1の適用例では、図2に示すように、鉄筋コンクリート構造物50である柱または梁の外周部に導電部材30を螺旋状に巻き付ける。
第2の適用例では、図3に示すように、鉄筋コンクリート構造物50である柱または梁の内部に存在する鉄筋(主筋10)自体の外周部に導電部材30を螺旋状に巻き付ける。第2の適用例は、新設の鉄筋コンクリート構造物50に好適に適用することができる。
第3の適用例では、図4に示すように、鉄筋コンクリート構造物50内に存在する鉄筋(主筋10)を軸方向に複数の区間に区分して、区間毎にそれぞれ導電部材30を巻き付けている。例えば、柱や梁を主筋10の軸方向に対して上下に2分して、各区間に導電部材30をそれぞれ巻き付ける。導電部材30を巻き付けた各区間の導電部材30に対して、電源装置40から交番電流を供給することにより、鉄筋(主筋10)の表皮部分に腐食電流を打ち消す電流が発生して防食効果を発揮することができる。
本発明に係る防食構造及び防食方法について実験を行った。実験は、種々の条件に基づいて実施した。すなわち、実験装置は、塩化ビニル製の管(塩ビ管)を鉄筋コンクリート構造物50の外周部に見立てて塩ビ管内部に鉄筋(主筋10、帯筋20)を配設し、塩ビ管の外周部に銅線を螺旋状に巻き付けたものであり、鉄筋(主筋10、帯筋20)に塩水を噴霧するとともに、銅線に所定周波数の電流を流さない場合(防食なし)と、銅線に所定周波数の電流を流した場合(防食あり)とで、鉄筋(主筋10、帯筋20)の腐食率を測定した。
20 帯筋
30 導電部材
40 電源装置
50 鉄筋コンクリート構造物
Claims (7)
- 鉄筋コンクリート構造物中のコンクリートが中性化してアルカリ度が低下し、あるいはコンクリート中に塩化物が存在した場合に、当該鉄筋コンクリート構造物の内部に存在する鉄筋に流れる腐食電流を打ち消して防食を行うための構造であって、
鉄筋コンクリート構造物の内部に存在する鉄筋の周囲に巻き付けた導電部材と、
前記導電部材に高周波電流を供給し、電磁誘導の作用により前記鉄筋に渦電流を発生させて、表皮効果により前記鉄筋の表皮部分に腐食電流を打ち消す電流を発生させるための電源装置と、
を備えた、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の防食構造。 - 前記導電部材は、鉄筋コンクリート構造物の内部に存在する鉄筋の周囲に螺旋状に巻き付けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の防食構造。 - 前記導電部材は、鉄筋コンクリート構造物の内部に存在する鉄筋を軸方向に複数の区間に区分して、区間毎にそれぞれ巻き付けた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート構造物の防食構造。 - 前記導電部材は、内部に鉄筋が存在する鉄筋コンクリート構造物の外周部に巻き付けたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造物の防食構造。
- 前記導電部材は、鉄筋コンクリート構造物の内部に存在する鉄筋自体の外周部に巻き付けたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造物の防食構造。
- 前記導電部材を周囲に巻き付ける鉄筋は主筋であり、
前記導電部材は帯筋からなる、
ことを特徴とする請求項5に記載の鉄筋コンクリート構造物の防食構造。 - 鉄筋コンクリート構造物中のコンクリートが中性化してアルカリ度が低下し、あるいはコンクリート中に塩化物が存在した場合に、当該鉄筋コンクリート構造物の内部に存在する鉄筋に流れる腐食電流を打ち消して防食を行うための方法であって、
鉄筋コンクリート構造物の内部に存在する鉄筋の周囲に導電部材を巻き付け、
前記導電部材に高周波電流を供給し、
電磁誘導の作用により前記鉄筋に渦電流を発生させ、表皮効果により前記鉄筋の表皮部分に腐食電流を打ち消す電流を発生させて、当該鉄筋の防食を行う、
ことを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の防食方法。
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