JP2780879B2 - ガスタービン排気流れからの酸素回収法 - Google Patents

ガスタービン排気流れからの酸素回収法

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JP2780879B2
JP2780879B2 JP3145462A JP14546291A JP2780879B2 JP 2780879 B2 JP2780879 B2 JP 2780879B2 JP 3145462 A JP3145462 A JP 3145462A JP 14546291 A JP14546291 A JP 14546291A JP 2780879 B2 JP2780879 B2 JP 2780879B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度酸素を発電ガス
タービン廃ガスから高温固体電解質膜を用いて回収する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス流れ、特に空気の酸素と窒素のよう
な構成成分への分離は、長年の間、様々な純度と量のガ
ス生成物回収のエネルギー集約を利用して実施されてき
た。個々のガス成分の化学または(および)物理的吸
着、様々なガス成分の分別極低温蒸留、および膜媒体
通しての差圧での透過はすべてガス流れ成分の回収、詳
述すれば空気からの酸素または(および)窒素の回収に
実施された。これらの方法は一般に、高ユーティリティ
費、連続または適切な再生もしくは操作に欠けるという
欠点がある。
【0003】ガス流れ、たとえば空気の様々の分離法
は、少くとも若干のエネルギー源を流出物から回収して
前記方法そのもののエネルギー必要量の1部を供給する
ことが示唆されてきた。
【0004】たとえば、アメリカ合衆国特許第4,13
2,766号は、化学的空気分離方法を記述し、そこに
おいて、空気を高温高圧で前記空気からの酸素の優先化
学結合により、酸素と高窒素廃棄物流れとに分離する。
前記高窒素流れをそこで、エキスパンダーを通して減圧
してからガス抜きをする。前記エキスパンダーは圧縮機
を駆動して、この方法のための若干のエネルギーを回収
する。
【0005】ガス分離方法における圧縮装置の運転に必
要な追加エネルギーの供給には、アメリカ合衆国特許第
4,340,578号は、化学空気分離設備において、
残留酸素がまだ含まれている廃棄窒素流れを燃料で燃焼
させる。熱流出物をその後タービンにより数段階を通し
て膨脹させて、エネルギーを回収する方法を示唆する。
【0006】アメリカ合衆国特許第4,560,394
号は、これとは別に、空気を圧縮機で圧縮し、この流れ
に対し熱交換するか、あるいは外部冷却機構で温度を下
げ、その後、半透過膜の上を通して酸素と高窒素流出物
流れに分離する方法を開示する。前記高窒素流れの減圧
により若干のエネルギーは回収されるが、燃焼用の燃料
はなく、従って正味エネルギーの生成はない。
【0007】エネルギーの生成は、アメリカ合衆国特許
第4,224,045号に述べられている極低温空気分
離方法を用いて達成できる。前記方法では、空気を圧縮
し、その後、その液化温度に冷却してから分別塔を通し
て蒸留する。前記塔からの廃棄物流れを再加温、再圧縮
し、さらにそれを燃料とバイパス空気で燃焼させる。前
記燃焼流出物をタービンにより膨脹させてこの方法ため
のエネルギーを回収する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】アメリカ合衆国特許第
4,545,787号は、低いエネルギー必要量で正味
エネルギーの生成と、副生成物高酸素ガスの回収法を教
示する。空気を圧縮して高温高圧にする。少くとも空気
の1部を燃焼させ、前記酸素の1部を前記空気または燃
焼流出物から膜または吸着剤によって除去してから前記
低酸素燃焼流出物をタービンを通して膨脹させて、エネ
ルギーを設備および正味エネルギー用に改修する。この
装置は魅力のあるものであるが、エネルギー生成作業に
おいてガスタービン構造の実質的改修と機能低下なしに
この種の酸素抽出装置の具備は必ずしも可能でない。こ
のことは、外部燃焼器を備えない現存の単純ガスタービ
ンの改装を必要としない場合に特に当て嵌まる。
【0009】本発明は、高純度酸素をガスタービン高温
排ガスから資本費用が低額で、またエネルギー必要量が
少量ですみ、ガスタービン廃ガス流れを固体電解質膜セ
ル装置の供給側を通過させる工程と、高純度酸素を前記
膜の透過側から回収して低酸素廃ガス流れとする工程か
らなる高純度酸素回収方法の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、物理的
エネルギーを燃料の燃焼と、タービン中の燃焼ガスの膨
脹による圧縮空気とでエネルギーを正常に発生させる先
行技術の方法の改良である。本発明は、好ましくは温度
範囲が約850乃至1800°F(454乃至98
℃)、排気圧力範囲が約0.2乃至100psig
1.4乃至690kPa(ゲージ圧))、かつ酸素含
有範囲が容量比で約5乃至18%の高温ガスタービン排
ガスを、他の気体成分以上に酸素透過に選択性を有する
固体電解質膜の供給側を通過させる工程と、この場合、
好ましくは、膜温度の範囲が約1000乃至2000°
F(53乃至1093℃)、供給圧範囲が、約0.2
乃至100psig(1.4乃至690kPa(ゲージ
圧))で、酸素を排ガス流れから分離し、前記酸素生成
物流れを前記膜の透過側から除去する工程とからなる。
【0011】1実施例においては、前記ガスタービン排
気流れを加熱してから、それを前記固体電解質膜上を通
すか、または(および)前記固体電解質膜を前記ガスタ
ービンの排気ダクトに付加燃料注入による後燃焼で加熱
する。前記熱は回収して蒸気となり得る。
【0012】
【作用】ここで添付図面を参照して、好ましい実施例に
より本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】物理的エネルギーを燃焼タービン中で発生
させ、また高酸素副生成物を生成させ、そこにおいて空
気流れを前記タービンに先立って高圧、高温に圧縮し、
また少くともその1部を燃料流れで燃焼させて、燃焼生
成物流れを供給し、それをタービンに通して膨脹させて
空気圧縮エネルギーを供給する方法において、本発明
は、排ガス流れまたは流出物の処理の改良で、前記排ガ
スまたは流出物を、他の気体成分以上に酸素透過の選択
性を有する固体電解質膜(SEM)セルの供給側上を通
す工程と、酸素を前記SEMセルを用いて前記排ガスま
たは流出物から分離する工程、および高純度酸素ガスを
前記膜の透過側から回収する工程とからなる処理法の改
良に関する。前記酸素減損流れをその後、熱回収システ
ムに供給して、蒸気を生成し、追加正味燃料を発生させ
ることができる。従って、本発明は、たとえばアメリカ
合衆国特許第4,545,787号に開示のような先行
技術の方法の改良を提供するものである。
【0014】本発明に用いられる前記固体電解質膜(S
EM)セルは、高酸素イオン導電率と低電子導電率が具
わる固体電解質薄手フィムまたは膜である。前記SE
Mは所望の形状、たとえば平状、管状、ハカム状、そ
の他同種類のもので、前記膜またはフィルム表面を横切
る外部電圧印加に正しく位置する2極間に取り付けら
れ、また複式(2つ以上)のセルが直列または並行に接
続できる。これらをこの明細書において電極SEMSと
称する。このような電極SEMSは、供給側の酸素の分
圧が前記透過側の分圧よりも低い場合に使用される。
【0015】他の例として、前記SEMが上述の通りの
所望の形状ではあるが、電極なしにまた外部印加電圧な
しに機能する酸素イオンと電子の混合導電率を具えた混
合導体製の固体電解質薄手フィルムまたは膜からなりう
る。これらの電極をこの明細書では無電極SEMSと称
する。前記SEMSは、前記透過側の酸素の分圧が前記
供給側の分圧よりも低い場合に用いられる。前記低透過
側圧力は透過側で減圧を引張ることでおおむね維持され
る。前記無電極SEMには、電極SEMセルに用いられ
る電極とコネクターとにおおむね関連する複雑性、費用
および過電圧損排除に著しい利点があった。
【0016】本発明の前記固体電解質膜セルをガスター
ビンと下流熱回収流れ発生(HRSG)装置の間にある
ガスタービン排気ダクトに配設することが好ましい。前
記ガスタービン排気流れを加熱してから膜を透過させる
ことになると、前記ガスタービン装置に補助バーナーを
用いる必要がある。前記SEMセルをそこで前記バーナ
ーの下流に取り付けて、前記タービン排気ガスを余分に
加熱して酸素イオン電導率が温度上昇に伴い増加するこ
とを利用し、膜面積の縮小ができる。これは本発明の操
作には好ましい設備ではあるが、決して不可欠なもので
はない。
【0017】本発明の膜はまた、NOとSO化合物
分解の能力を備える。典型的な燃焼ガスタービンは相当
のNO放出物を発生させるので、本発明は、たとえば
カリフォルニア州において深刻な関心事になった地域で
のNO減少に特に有用である。
【0018】本発明の1実施例において、酸素イオン電
位は、電極SEMセルにおける外部回路を通って電極に
DC電力を加えることによりセル上で維持される。また
別の実施例において、無電極SEMセルの透過側に減圧
をかけることで維持される。本発明のさらなる実施例に
おいて、排ガス流れまたは流出物をヒーターを通して送
り、その温度を上げてからそれを選択性SEMを通して
透過させる。清掃ガス、たとえば不活性ガスを膜の透過
側で処理して酸素の分圧を下げ、酸素が膜を通る透過性
を強化できる。
【0019】本発明は、ガスタービンシステムから、詳
述すればガスタービン排気からの副生成物酸素回収の経
済的機構提供に用いることができる。本発明により処理
されるガスタービン排気は全般的に約850乃至約18
00°F(454乃至98℃)の排気ガス温度、約
0.2乃至約100psig(1.4乃至690kPa
(ゲージ圧))の圧力があり、重量比で約5乃至約18
%の酸素を含む。副生成物酸素は、抽出酸素量と前記S
EMセル装置を通る圧力降下量の双方とも小さいため、
上流ガスタービン構造およびエネルギー発生効率、また
は下流熱回収流れ発生(HRSG)装置には有意に影響
を与えることなくガスタービン排気から生成できる。
【0020】好ましい装置においては、前記固体電解質
膜を約0.2乃至約100psig(1.4乃至690
kPa(ゲージ圧))のガスタービン排気ガス供給圧力
に対して約1000乃至約2000°F(53乃至1
093℃)の温度で操作する。好ましくは、固体電解質
膜セルを補助バーナーと図1に示されたHRSG装置の
間にあるエネルギー発生装置の排気ダクトに取り付け
て、前記排気ダクトにある付加燃料注入で燃焼するガス
タービン排気ガスの後燃焼によるさらなる加熱を利用す
ることである。約2乃至約80%という高純度の回収が
容易に達成できる。
【0021】また1実施例においては、酸素副生成物を
2電極によるサンドイッチ薄手固体電解質フィルムから
なる電解質SEMセルを用いて生成する。この装置の供
給側の酸素分子は、陰極上の酸素イオンに電気化学的に
解離される。前記イオンはその後、印加電圧により固体
電解質フィルムのマトリックスを横切って輸送され、再
結合されて酸素分子を陽極上に形成する。電子は外部電
気回路と直流電源により電導される。
【0022】複式(2つ以上)装置を直列または並行に
接続可能であり、また1つの装置またはセルは、どのよ
うな所望の形状、たとえばパンケーキ状、管状、ハニカ
ム状、円板状またはその種の他のものでもよい。
【0023】前記SEM装置またはセルは、高温(たと
えば1000乃至2000°F[53乃至1093
℃])で酸素イオンを輸送する能力のある適当な固体電
解質材料またはその混合物で構成できる。電極と電気回
路を通じて、外部電力入力を加えることで、膜のイオン
本質が、低分圧域から高圧域へ酸素を輸送または「ポン
ピング」を可能にする。前記膜の酸素選択性は、前記イ
オン輸送機構が他の燃焼ガス成分には効果をもたらさな
いので非常に高い。
【0024】使用できるこのような固体電解質材料のう
ち若干の実例には、種々の酸化物たとえば、イットリ
ア、カルシア(calcia)、酸化バリウムその他同
種類のものでドープした酸化ビスマス、ジルコニアその
他同種類のものが含まれる。好ましくは、カルシアでド
ープした酸化ビスマスを用いることである。また三酸化
ビスマスをベースにした材料が非常に高いイオン導電
率をもつのでそれを用いることが最も好ましい。
【0025】高導電率と同様高酸素輸送量をもつどのよ
うな適当な材料、たとえば銀、白金、ランタンストロ
ウム−マグネシウム(LSM)の酸化物、ランタン
−ストロンチウム−コバルト(LSC)の酸化物、その
他同種類のものが使用できる。好ましくは、LSM酸化
物の高導電率と熱相溶性を固体電解質物質で活用するこ
とである。
【0026】電解質膜はどんな肉厚にしてもよいが、好
ましくは約10乃至1000マイクロメータ−、最も好
ましくは20乃至100マイクロメーターの範囲である
こと、そして適当な酸素導電率たとえば約0.01乃至
2オーム-1cm-1の範囲内、好ましくは0.5乃至1オ
ーム-1cm-1の範囲内であればよい。電極の肉厚は適当
な厚さでよく、電解質膜のいずれの側においても差支え
ない。電極は好ましくは、多孔質であること、そして適
当な電流密度で操作でき、好ましくは1cm2当り約
0.05乃至2アンペア、最も好ましくは1cm2 当り
0.5乃至1アンペアであること。
【0027】固体電解質膜セルはまた、この明細書
きに述べたようにNOx とSOx を同時に分解でき、発
散弱化装置として価値あるものにできる。適当にドープ
したZr2 およびB 2 3 膜はこの用途に好まし
い。
【0028】本発明のもう1つの別の好ましい実施例に
おいて、副生成物酸素は、電極を用いることなく薄手固
体電解質フィルムからなる無電極SEMセルを用いてガ
スタービン排ガスから生成できる。適当な固体電解質材
料は、高酸素イオンならびに電子導電率の備わる混合導
体たとえばC−S−Bi、−L−B、C
−S−Ce、−L−Cの酸化物その他同種類
のもので、酸素イオン導電率が約0.01乃至1オーム
-1cm-1、最も好ましくはイオン導電率が約0.5乃至
1オーム-1cm-1また電子導電率が約10乃至25オー
-1cm-1の範囲であること、無電極セルSEMは好ま
しくは、酸素圧を供給側で、酸素イオン輸送の正の駆動
力が外部に印加された電圧と電源の不在において達成で
きるように維持して操作されることである。陽極で放出
された電子は、前記混合導体フィルムをそれ自体を通し
て陰極に、電極と外部電気回路を通り抜けることなく逆
流する。このようなセルの1つの特別の利点は、電極S
EMセル装置と連動して過電圧損が有意に低減されるこ
とである。
【0029】
【実施例】ここで、好ましい実施例を具体的に示す図面
を参照すると、図1から、空気10を圧縮機12で圧縮
して圧縮空気16を生成し、それを燃料18と燃焼器2
0に送る。燃焼ガス22をそこでガスタービン24によ
り膨脹させて排ガス28を産出する。前記ガスタービン
で生成された機械的エネルギーの1部を軸26によって
輸送して空気圧縮機12に送り、前記エネルギーの1部
を軸30により発電機32に送り正味エネルギー33を
生成する。このような装置は、アメリカ合衆国特許第
4,545,787号記載の開示参考としてこの明細
書に組み込まれている。
【0030】典型的フレーム5GEガスタービン装置の
正味エネルギーは約22,340KWであり、約16モ
ル%の酸素含量の排ガスには、1時間当り約31,94
5ポンドモル(1時間当り約14,490Kgモル)の
ガス流量、約939°F(503℃)の温度と水面計で
約14インチ(3.5kPa)の圧力がある。一般に、
酸素含量が約10乃至20%、好ましくは15乃至18
%の範囲のガスは、約800乃至2400°F(427
乃至1316℃)、好ましくは1300乃至2000°
F(704乃至1093℃)の範囲内の温度、および水
面計の約1乃至50インチ(0.25乃至12.5kP
)、好ましくは水面計の5乃至25インチ(1.2
6.2kPa)の範囲内の圧力で処理できる。16乃
至18%の遊離酸素を高温で含むガスタービン排ガスは
余分の空気圧縮を必要としない酸素の副生成に容易に利
用できる。
【0031】蒸気発生には、燃料ガス36を燃焼させる
補助バーナー34で僅かな量の含有酸素を用いて排気ダ
クトに通す。排ガス38の温度は約1400°F(76
0℃)に上昇する。このガスには1時間当り32,30
5ポンドモル(1時間当り14,654Kgモル)の流
量があり、約13.6%の酸素が含まれる。
【0032】前記排気ダクトに取り付けられた固体電解
質膜セル40は、1時間当り260ポンドモル(1時間
り118Kgモル)の速度で酸素を、すなわち5.9
%の含有酸素を流れ38から抽出する。図2にさらに詳
細に好ましい電極装置を示すように、セル40には、面
積が13,613ft 2 1,265m2 )、肉厚が約
50マイクロメーターの板状またはフィルム状のカルシ
アでドープした酸化ビスマスの固体電解質膜が入ってい
る。前記膜は陰極62と陽極64の間にサンドイッチさ
れ、1cm2 当り約1アンペアで1オーム-1cm-1の酸
素導電率が備わっている。ここで再度図1を参照する
と、0.133atm乃至1.04atm(13.5乃
至105.4kPa)の圧力で前記膜を横切る酸素の抽
出とポンピングを約1,340KWの入力電力の電源4
2を用いて実施する。
【0033】純粋酸素透過流れ44を直列熱交換器を通
し発生蒸気48により冷却して1日当り100米国トン
(1日当り90,800Kg)等量の酸素生成物を産出
する。
【0034】酸素の減少したまたは流出流れ52を熱回
収蒸気発生装置54に通す。排気流れ56は1時間当
2,045ポンドモル(1時間当り14,536Kg
モル)のガス流量で排気筒に進む。
【0035】前記1日当り100米国トンの、この好ま
しい実施例における酸素生産量に対する約1,374K
Wと計算される総電力消費には、前記膜装置のダクト中
の約インチ水0.25kPa)圧力降下のため
4KWの余分な小電力と、電極過電圧のため約670
KWの電力損失が含まれる。従って酸素の1米国トン当
りの電力は約330KWHとなる。これは、大型、新
式、効率のよい、低圧、極低温酸素プラントが必要とす
る酸素1トン当り250乃至300KWHと比べて優る
とも劣らない。それはさらに、たとえばアメリカ合衆国
特許第4,545,787号で述べられている装置を上
廻る利点を提供する。それは酸素をタービンの上流で、
高圧で熱ガスからでなく、ガスタービン排気から低圧で
抽出するからである。そのうえ、これはタービンの構造
および操作に大きい影響を与えることなく達成される。
さらなる利点は、外部燃焼器を備えない単純なガスター
ビン装置で容易に改装できることである。本発明はま
た、専用の空気圧縮機、熱交換器その他同種のものを必
要とする先行技術の独立型酸素プラントを上廻る発電で
酸素を副生成するという総合的原価からみて強味があ
る。
【0036】本発明の別の好ましい実施例においては、
図3に示した、総面積が13,613ft 2 (1,26
5m2 )、肉厚が50マイクロメーターの板状またはフ
ィルム状の電解質としてのC−L−B混合導体を
含む好ましい無電極SEMセル40には、1cm2 当り
1アンペアで、0.15オーム-1cm-1の酸素イオン導
電率と、25オーム-1cm-1の電子導電率が備わる。1
時間当り260ポンドモル(1時間当り118Kg
)での酸素抽出は、真空ポンプ68を用い、減圧を冷
却純粋酸素透過ガス50上で約0.03atm(3.0
kPa)になるよう引張って、それによって酸素分圧の
陰極から陽極への正の駆動力が維持されるようにして実
施される。前記電極には高電子導電率があるので、前記
陽極で放出された電子は、膜を通って陽極から陰極に
に逆流する。
【0037】無電極SEMと真空ポンプ用の総電力消費
は約665Kで、それにはガスのSEMセルを通って
流れる圧力降下のための余分の小電力と、電極不在によ
る電解質界面の過電圧のかなり小さい電力損失とが含ま
れる。酸素抽出の1日当り100米国トンの比電力は計
算すると酸素1トン当り約160KWHとなり、それは
普通の極低温空気分離設備と比べ優るとも劣らない。
【0038】上述検討の好ましい実施例の構成における
変形は装置の効率を減ずることなく行える。たとえば、
低酸素流れ52も復熱装置で圧縮空気16を再加熱して
利用できその後それを熱回収蒸気発生装置54に送ら
ないで燃焼器20に送ることができる
【0039】従って、燃焼タービンにおけるエネルギー
の発生と、高酸素副生成物の生産の方法において、ター
ビンに先立って空気流れを高圧高温に圧縮し、少くとも
一部を燃料流れで燃焼させ、それを前記タービンを通し
て膨脹させて空気圧縮エネルギーを提供する方法で、排
気または流出物をヒーターに通して供給し、前記加熱排
気または流出物を、他のガス成分以上に酸素透過の選択
性をもつ固体電解質膜の供給側に通すかたわら、酸素イ
オン電位をDC電力を電極SEMセルにある外部回路を
通して電極に加えるか、もしくは、無電極SEMセルの
透過側に減圧を加えて前記排気または流出物から酸素を
抽出することと、高純度酸素ガスを膜の透過側から回収
する処理法を提供するのが本発明である。前記低酸素流
れを熱回収装置に送って蒸気を生産しさらなる正味エネ
ルギーを発生させるものである。
【0040】
【発明の効果】本発明は、ガスタービン装置において、
極めて適度な電力消費量と総設備費用とで酸素の副生成
の魅力ある方法を提供できる。さらにNOとこの方法
における他の汚染物質の分解とが含まれることが一層の
強味である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の略図である。
【図2】 本発明の実施に用い得る電極と酸素ポンピン
グ用に外部印加電圧とが具わる固体電解質膜の略図であ
る。
【図3】 本発明の実施に用い得る固体無電極電解質膜
セルに、前記膜を反対方向に横切る酸素イオンと電子の
輸送の双方を実施する混合導体が備わることを示す略図
である。
【符号の説明】
10 空気 12 圧縮機 16 圧縮空気 18 燃料 20 燃焼器 22 燃焼ガス 24 ガスタービン 26 軸 28 排ガス 30 軸 32 発電機 33 正味エネルギー 34 補助バーナー 36 燃料ガス 38 排ガス 40 固体電解質膜セル 42 電力 44 純粋酸素透過流れ 46 熱交換器 48 蒸気 50 酸素生成物 52 流出流れ 54 熱回収蒸気発生装置 56 排気流れ 60 板またはフィルム 62 陰極 64 陽極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウイリアム.パトリック.ヘガーティ アメリカ合衆国.18104.ペンシルバニ ア州.アレンタウン.ベナー.ロード. 316.アパートメント.202 (72)発明者 ウイリアム.アルバート.ステヤート アメリカ合衆国.18034.ペンシルバニ ア州.センター.バレー.ボックス. 99.−アール.ディー.#1 (56)参考文献 特開 昭61−77606(JP,A) 特開 昭62−78101(JP,A) 特開 昭56−24020(JP,A) 特公 昭63−53136(JP,B2) 特公 昭63−53135(JP,B2) 特公 平1−37347(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 13/02

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を空気とともに燃焼させて燃焼生成
    物流れを生じさせ、この燃焼生成物流れを発電タービン
    を通して膨脹させ、電力を発生させ、そしてその結果得
    られた、酸素を約5乃至約18容積%含有している、約
    850乃至約1800°F(454乃至982℃)の温
    度および約0.2乃至約100psig(1.4乃至6
    90kPa(ゲージ圧))の圧力のガスタービン排気流
    れから酸素を回収することを含む、酸素を製造するとと
    もに正味の発電を行うための方法であって、上記ガスタ
    ービン排気流れを、ガスタービンの下流に位置しそして
    当該ガスタービン排気流れの他の成分以上に酸素の透過
    に対する選択性を有する固体電解質膜の供給側に通して
    当該ガスタービン排気流れから酸素を分離し、そして当
    該固体電解質膜の透過側から酸素を取り出すことを含
    む、酸素製造および発電のための方法
  2. 【請求項2】 前記ガスタービン排気流れが、約100
    0乃至2000°F(538乃至1093℃)の温度を
    もつ固体電解質膜を通過する、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記ガスタービン排気流れにある酸素の
    約2乃至80%が回収される、請求項方法
  4. 【請求項4】 前記膜を膜表面を横切って外部電圧を印
    加するように配置した2つの電極間に取り付けて前記
    酸素のイオン電位を前記膜上に保持する請求項
  5. 【請求項5】 前記膜の供給側の酸素の分圧前記膜の
    透過側の分圧より低い請求項方法
  6. 【請求項6】 前記固体電解質膜の肉厚が10乃至10
    00マイクロメーターで、それを横切って1cm2 当り
    0.05乃至2アンペアの電流密度を適用する請求項
    方法
  7. 【請求項7】 前記排流れが2つ以上の膜と接触す
    請求項方法
  8. 【請求項8】 前記膜を直列もしくは並行に接続する
    請求項方法
  9. 【請求項9】 前記膜が酸素イオンと電子に対し混合導
    電率を有する混合導体製である請求項方法
  10. 【請求項10】 前記透過側の酸素分圧が供給側の分
    り低い請求項方法
  11. 【請求項11】 酸素量の減少した排気流れを熱回収装
    通して供給する請求項方法
  12. 【請求項12】 前記ガスタービン排気流れがドープさ
    れたジルコニア膜を通過して酸素を分離する請求項
    方法
  13. 【請求項13】 前記ガスタービン排気流れがドープさ
    れた酸化ビスマス膜を通過して酸素を分離する請求項
    方法
  14. 【請求項14】 前記ガスタービン排気流れがC−S
    −B酸化物混合導体膜を通過して酸素を分離する
    請求項方法
  15. 【請求項15】 前記ガスタービン排気流れが、C
    −B酸化物混合導体膜を通過して酸素を分離す
    請求項方法
  16. 【請求項16】 前記ガスタービン排気流れが、C
    −C酸化物混合導体膜を通過して酸素を分離す
    請求項方法
  17. 【請求項17】 前記ガスタービン排気流れが、C
    −C酸化物混合導体を通過して酸素を分離す
    請求項方法
  18. 【請求項18】 前記ガスタービン排気流れを加熱して
    からそれを前記固体電解質膜を通過させることを含む、
    請求項方法
  19. 【請求項19】 掃引ガスを前記膜の透過側を通過させ
    ることを含む、請求項1の方法
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