JP2780565B2 - 動き適応処理回路 - Google Patents

動き適応処理回路

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JP2780565B2
JP2780565B2 JP4146451A JP14645192A JP2780565B2 JP 2780565 B2 JP2780565 B2 JP 2780565B2 JP 4146451 A JP4146451 A JP 4146451A JP 14645192 A JP14645192 A JP 14645192A JP 2780565 B2 JP2780565 B2 JP 2780565B2
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裕 倉持
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MUSE−NTSCコ
ンバータ等に用いられる動き適応処理回路に関する。そ
して、この発明は特に、テンポラル処理により得られる
動き検出信号を用いた場合にも、ある期間、動画を静止
画に対して優先して出力することができ、移動物体の影
が見える現象等を防止し画質を改善できる動き適応処理
回路を提供することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】現在、MUSE方式による試験放送が行
なわれている。MUSE方式は、高品位テレビジョン
(HDTV)信号を帯域圧縮して、衛星放送1チャンネ
ルで伝送可能とする方式であり、日本放送協会が開発し
た方式である。その詳細については、各種文献に記載さ
れているので、ここでは説明は省略する。
【0003】このMUSE方式による放送をNTSC方
式のテレビジョン(TV)受像機で見るためのMUSE
−NTSCコンバータに、図3に示す構成の動き適応処
理回路を持つものがある。この処理回路は、装置の低コ
スト化、小型化のためMUSE信号を簡易的に処理する
MUSE−NTSCコンバータに多く用いられている。
MUSE−NTSCコンバータの内部を、機能的に大き
く分けると、MUSE信号処理部、MUSE−NTSC
変換部、NTSC信号処理部の3つに分かれる。この動
き適応処理回路は、MUSE信号処理部に使用される。
【0004】図3において、映像信号(ここではMUS
E信号)は、信号入力端子1Aより静止画処理回路1
B、動画処理回路1C、及び動き検出回路1Dに供給さ
れる。混合器1Eには、静止画処理回路1Bの出力であ
る静止画信号、動画処理回路1Cの出力である動画信
号、及び動き検出回路1Dの出力である動き検出信号が
供給される。混合器1Eは、動き検出信号の値に応じ
て、前記静止画信号と前記動画信号とを混合し、出力端
子1Fより適応混合信号出力を得るものである。この適
応混合信号は、図示しない次段のMUSE−NTSC変
換部に供給され、NTSC信号に変換される。
【0005】動き検出回路では、本来、1フレーム差分
信号と2フレーム差分信号とを得て、その2つの信号か
ら動き検出信号を作り出している。しかし、低コスト
化、小型化を図らなければならない簡易型のMUSE−
NTSCコンバータにおける動き検出回路では、2フレ
ーム差分信号は直接求めているものの、1フレーム差分
信号を直接求めずに、動き検出信号を得るようにしてい
る。それは、MUSE方式はフレーム間でオフセットサ
ンプリングしていることから、2フレーム差分信号は比
較的簡単に得られるものの、1フレーム差分信号を直接
得るためには、複雑な処理が必要であり、この処理のた
め、回路規模が大型化してしまうからである。
【0006】図3の動き検出回路1Dでは、第1のフレ
ームとその2フレーム前の第2のフレームとの2フレー
ム差分信号をまず求める。次に、2フレーム差分信号を
フィールドメモリを使用することにより時間軸方向へテ
ンポラル処理して、擬似的に1フレーム差分信号を求
め、2フレーム差分信号と擬似1フレーム差分信号とか
ら動き検出信号を得ている。動き検出回路1Dの要部を
図4に示す。
【0007】図4において、図3に示す入力から得られ
る第1のフレームの信号が入力端子2Aに、第2のフレ
ームの信号が入力端子2Bにそれぞれ供給され、減算器
2Cにより、第1のフレームと第2のフレームとの2フ
レーム差分信号が得られる。2フレーム差分信号はノン
リニア回路2Dに供給される。この減算器2Cとノンリ
ニア回路2Dとが、フレーム間差分検出回路を構成して
いる。
【0008】ノンリニア回路2Dでは、2フレーム差分
信号が適当な動き検出信号に変換され、MAX回路2E
とMAX回路2Iとに供給される(MAX回路は、2つ
の入力信号のうちの大きい方の信号を出力信号とする回
路)。MAX回路2Eの出力信号は、フィールドメモリ
2Fに供給され1フィールド遅延された後、ラインメモ
リ2GとMAX回路2Hとに供給される。MAX回路2
Hでは、フィールドメモリ2Fの出力信号と、ラインメ
モリ2Gにより1ライン遅延させた信号とのうち、大き
い方の信号を選択して、その信号をMAX回路2Iと減
算器2Jとに供給する。この時、減算器2Jは、MAX
回路2Hの出力信号から、入力端子2Kに与えられた適
当な値を減算することにより信号を減衰させて擬似1フ
レーム差分信号を求め、その信号をMAX回路2Eに供
給している。また、MAX回路2Iは、ノンリニア回路
2DとMAX回路2Hの出力信号を入力として、そのう
ちの大きい方の信号(動き検出信号)を出力端子2Lに
送り出している。
【0009】この図4に示す回路を動き検出回路1Dに
用いることにより、時間軸方向へ適当な減衰(ここでは
リニアな減衰)を伴うテンポラル処理された動き検出信
号が得られ、この検出信号の値に応じて、静止画信号と
動画信号とを混合器1Eによって適応混合している。こ
こでは、図5に示すように、動き検出信号の値が減衰す
るほど静止画信号の混合量を増加させている。
【0010】ところで、MUSE方式は、静止画を4フ
ィールドで1フレームとして構成していることから、動
きが検出された部分ではそのフィールドを含めて少なく
とも4フィールドに渡って、動き検出信号を一定値に持
続させる(動画信号の混合量が100%となる値に維持
させ、動画優先とする)必要がある。しかし、前記した
動き検出信号は、時間軸方向にリニアな減衰を伴うテン
ポラル処理された信号であるので、図5のように、動き
検出量と混合器による混合量とがリニアな関係となり、
動きが検出された後十分な期間(例えば4フィールドの
期間)、検出部分の混合量を動画優先とすることができ
ない(動き検出信号を一定値に維持できない)。
【0011】このように、動き検出が不十分で動画優先
としなければならない部分で動画優先とならない場合に
は、再生画面上に移動物体の影が見える等の不都合が生
じてしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、テンポラル処理により得られる動き検出
信号を用いた場合でも、所定の期間動画優先とでき、再
生画面上に移動物体の影が見える不都合等を防止できる
動き適応処理回路とするためには、どのような手段を講
じればよいかという点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために本発明は、映像信号が供給され静止画信号を
出力する静止画処理回路と、前記映像信号が供給され動
画信号を出力する動画処理回路と、フレーム間差分検出
回路を有し、前記フレーム間差分検出回路より順次出力
される信号に、1フィールド遅延メモリを用いて減衰を
伴う時間方向のテンポラル処理を施すことによって、動
き検出信号を得る動き検出回路と、前記静止画信号と前
記動画信号とを、前記動き検出回路から供給される前記
動き検出信号によって適応混合する混合器とを備えた動
き適応処理回路において、前記動き検出信号にしきい値
を設け、前記動き検出信号が前記しきい値以上の時に
は、前記混合器の出力を前記動画処理回路から出力され
る前記動画信号とするしきい値回路を設けたことを特徴
とする動き適応処理回路を提供するものである。
【0014】
【実施例】この発明は、動き検出信号による動き検出量
と混合器における混合量との関係を、図2に示すよう
に、動き検出量があるしきい値以上の場合には混合量を
全て動画とし(即ち、所定の期間動画優先とする)、し
きい値より小の場合には動き検出量と混合器における混
合量とがリニアな関係となるようにし、上記課題を解決
したものである。
【0015】図1にこの発明の動き適応処理回路の一実
施例を示す。なお、従来例と同一の部分には同一の符号
を付す。図1において、映像信号(MUSE信号)が、
信号入力端子1Aより静止画処理回路1B、動画処理回
路1C、及び動き検出回路1Dに供給される。混合器1
Eには、静止画処理回路1Bの出力である静止画信号、
動画処理回路1Cの出力である動画信号、及び動き検出
回路1Dの出力である動き検出信号が供給される。混合
器1Eは、動き検出信号の値に応じて、静止画信号と動
画信号とを混合する。動き検出回路1Dは、従来例で説
明したように、フレーム間差分検出回路(2C,2D)
より順次出力される信号に、1フィールド遅延メモリ2
Fを用いて減衰を伴う時間方向のテンポラル処理を施す
ことによって、動き検出信号を得ている。
【0016】また、コンパレータ5Fには、前記動き検
出信号が動き検出回路1Dから供給されると共に、しき
い値が端子5Iから供給される。そして、コンパレータ
5Fは、動き検出信号としきい値との大小関係を比較
し、大小判別信号をセレクタ5Gに出力する。セレクタ
5Gには、混合器1Eの出力と、動画処理回路1Cの出
力である動画信号とが供給されている。そして、セレク
タ5Gは、前記大小判別信号が動き検出信号がしきい値
以上の値であることを示している場合には、動画信号を
選択し、大小判別信号が前記以外の状態を示している場
合には、混合器1Eの出力を選択し、適応混合信号出力
を得ている。適応混合信号出力における、静止画信号と
動画信号との混合量は図2に示すようになる。この適応
混合信号出力は出力端子5Hから出力され、図示しない
次段のMUSE−NTSC変換部に供給され、NTSC
信号に変換される。コンパレータ5Fとセレクタ5Gと
がしきい値回路を構成している。
【0017】上述のように本実施例では、動き検出信号
による動き検出量と混合器における混合量との関係を、
図2に示すように、動き検出量があるしきい値以上の場
合には混合量を全て動画とするようにしたので、テンポ
ラル処理により得られる動き検出信号を用いた場合で
も、所定の期間(少なくとも4フィールドの期間)動画
優先とすることができる。
【0018】
【発明の効果】以上の通り、この発明になる動き適応処
理回路は、動き検出信号の減衰量と独立して動画優先の
期間を設定することが可能となるので、テンポラル処理
により得られる動き検出信号を用いた場合でも、再生画
面上の移動物体の影が見える現象を防止できる。従っ
て、この動き適応処理回路は、低コスト化、小型化を図
る簡易型のMUSE−NTSCコンバータに好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のブロック図である。
【図2】実施例の動き検出量と混合量との関係を示す図
である。
【図3】従来例のブロック図である。
【図4】動き検出回路の要部を示すブロック図である。
【図5】従来例の動き検出量と混合量との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1A 信号入力端子 1B 静止画処理回路 1C 動画処理回路 1D 動き検出回路 1E 混合器 5F コンパレータ 5G セレクタ 5H 出力端子 5I 端子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】映像信号が供給され静止画信号を出力する
    静止画処理回路と、 前記映像信号が供給され動画信号を出力する動画処理回
    路と、 フレーム間差分検出回路を有し、前記フレーム間差分検
    出回路より順次出力される信号に、1フィールド遅延メ
    モリを用いて減衰を伴う時間方向のテンポラル処理を施
    すことによって、動き検出信号を得る動き検出回路と、 前記静止画信号と前記動画信号とを、前記動き検出回路
    から供給される前記動き検出信号によって適応混合する
    混合器とを備えた動き適応処理回路において、 前記動き検出信号にしきい値を設け、前記動き検出信号
    が前記しきい値以上の時には、前記混合器の出力を前記
    動画処理回路から出力される前記動画信号とするしきい
    値回路を設けたことを特徴とする動き適応処理回路。
JP4146451A 1992-05-13 1992-05-13 動き適応処理回路 Expired - Lifetime JP2780565B2 (ja)

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JPH05316488A JPH05316488A (ja) 1993-11-26
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