JP2780049B2 - 金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン - Google Patents
金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョンInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば電磁鋼板の絶縁皮膜形成用のクロメ
ート系処理液の如く、金属の表面においてクロメート皮
膜の形成を必要とするクロメート系処理液を調製すると
きにそのクロメート系処理液によって得られるクロメー
ト皮膜の物性を改良するために配合される配合液の役目
を主としてなし、それ自身の保存時,処理液の調製時,
処理液の保存時,処理液の使用時等における低発泡性,
分散安定性,凍結安定性,解凍後の低発泡性等の諸特性
に優れた金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水
性エマルジョンに関するものである。
ート系処理液の如く、金属の表面においてクロメート皮
膜の形成を必要とするクロメート系処理液を調製すると
きにそのクロメート系処理液によって得られるクロメー
ト皮膜の物性を改良するために配合される配合液の役目
を主としてなし、それ自身の保存時,処理液の調製時,
処理液の保存時,処理液の使用時等における低発泡性,
分散安定性,凍結安定性,解凍後の低発泡性等の諸特性
に優れた金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水
性エマルジョンに関するものである。
重合体水性エマルジョンは有機溶剤に重合体を分散さ
せたエマルジョンに比べて作業環境上の問題や火災の危
険がないことから注目され、以前から例えば塗料,接着
剤,不織布バインダー,石膏ボード等の無機成形体用添
加剤やインキ等の用途分野に広く使用されている。近
年、重合体水性エマルジョンは金属の表面処理液、具体
的には電磁鋼板に用いる絶縁皮膜形成用クロメート形処
理液の調製時に、無機質皮膜に不足する耐水性や密着
性,粘着性の不良を改良するための配合液としても用い
られるようになってきた。重合体水性エマルジョンがク
ロメート系処理液に配合液として用いられる場合は、重
合体粒子のクロム酸に対する安定性や調製されたクロメ
ート系処理液中での常温における重合体粒子の分散安定
性は基本的に重要であるから、この点は従来の改良によ
りトラブルは少なくなってきている。
せたエマルジョンに比べて作業環境上の問題や火災の危
険がないことから注目され、以前から例えば塗料,接着
剤,不織布バインダー,石膏ボード等の無機成形体用添
加剤やインキ等の用途分野に広く使用されている。近
年、重合体水性エマルジョンは金属の表面処理液、具体
的には電磁鋼板に用いる絶縁皮膜形成用クロメート形処
理液の調製時に、無機質皮膜に不足する耐水性や密着
性,粘着性の不良を改良するための配合液としても用い
られるようになってきた。重合体水性エマルジョンがク
ロメート系処理液に配合液として用いられる場合は、重
合体粒子のクロム酸に対する安定性や調製されたクロメ
ート系処理液中での常温における重合体粒子の分散安定
性は基本的に重要であるから、この点は従来の改良によ
りトラブルは少なくなってきている。
しかしながら、重合体水性エマルジョン及びそれが用
いられて調製されたクロメート系処理液の発泡性には未
だ問題がある。すなわち、重合体に原因してその水性エ
マルジョンやそれを含有するクロメート系処理液はかな
りな発泡性を有しており、この発泡性がクロメート系処
理液調製時やこの処理液をコーティングするときに種々
な障害を引き起こす。そこでこのような発泡性をなくす
ために、一般に重合体水性エマルジョンに消泡剤を加え
ておくことが行われている。しかしながらこの消泡剤
は、添加後の重合体水性エマルジョンの保存中に徐々に
効力を失い、特に冬季寒冷地において凍結した場合は解
凍後には効果は殆んど失われており、これが後に説明す
るように様々な支障を起こすことになる。更にまた、凍
結安定性(重合体水性エマルジョンの保存中に凍結した
場合の解凍後に凍結前の分散状態を維持しているかどう
かのエマルジョンの分散安定性)の不良や重合体水性エ
マルジョンを配合して得られたクロメート系処理液の分
散安定性の経時的低下の問題がある。これらの諸問題は
未だ満足には解決されていないのが現状である。
いられて調製されたクロメート系処理液の発泡性には未
だ問題がある。すなわち、重合体に原因してその水性エ
マルジョンやそれを含有するクロメート系処理液はかな
りな発泡性を有しており、この発泡性がクロメート系処
理液調製時やこの処理液をコーティングするときに種々
な障害を引き起こす。そこでこのような発泡性をなくす
ために、一般に重合体水性エマルジョンに消泡剤を加え
ておくことが行われている。しかしながらこの消泡剤
は、添加後の重合体水性エマルジョンの保存中に徐々に
効力を失い、特に冬季寒冷地において凍結した場合は解
凍後には効果は殆んど失われており、これが後に説明す
るように様々な支障を起こすことになる。更にまた、凍
結安定性(重合体水性エマルジョンの保存中に凍結した
場合の解凍後に凍結前の分散状態を維持しているかどう
かのエマルジョンの分散安定性)の不良や重合体水性エ
マルジョンを配合して得られたクロメート系処理液の分
散安定性の経時的低下の問題がある。これらの諸問題は
未だ満足には解決されていないのが現状である。
このような重合体水性エマルジョンをクロメート系処
理液の調製に使用したときの問題を、絶縁皮膜形成用ク
ロメート系処理液の場合を例にして説明する。
理液の調製に使用したときの問題を、絶縁皮膜形成用ク
ロメート系処理液の場合を例にして説明する。
電磁鋼板の表面に形成させる絶縁皮膜の殆んどは、ク
ロム酸塩を主としその他リン酸塩等の無機質成分とアク
リル樹脂等の有機質成分とから成る半有機質絶縁皮膜が
占めている。このような絶縁皮膜を形成させるために、
無機質成分の水溶液に発泡性の抑制が利いていない重合
体水性エマルジョンを添加混合してクロメート系処理液
を調製しようとすると、混合時に発泡が甚だしくて調製
が非常に困難である。そして困難ながらも調製したクロ
メート系処理液を使用して塗装作業を行うと、例えば処
理液槽におけるポンプ循環による撹拌や処理液補給のた
めの注入によってクロメート系処理液が簡単に発泡し、
このように発泡したクロメート系処理液を目的の鋼板に
塗装すると、塗装作業がしくにくいばかりでなく、形成
された皮膜にクレーター状のピンホール,泡状欠陥,
筋,塗装むら等を生じさせる結果、皮膜の耐食性能や絶
縁性能を著しく低下させていた。また、一般に重合体水
性エマルジョンにおいては重合体が凝集してエマルジョ
ンの一部又は全部がゲル化することがあり、このような
ものを使用してクロメート系処理液を調製すると、ゲル
化が処理液全体に及んで使用出来ないものになってしま
う。
ロム酸塩を主としその他リン酸塩等の無機質成分とアク
リル樹脂等の有機質成分とから成る半有機質絶縁皮膜が
占めている。このような絶縁皮膜を形成させるために、
無機質成分の水溶液に発泡性の抑制が利いていない重合
体水性エマルジョンを添加混合してクロメート系処理液
を調製しようとすると、混合時に発泡が甚だしくて調製
が非常に困難である。そして困難ながらも調製したクロ
メート系処理液を使用して塗装作業を行うと、例えば処
理液槽におけるポンプ循環による撹拌や処理液補給のた
めの注入によってクロメート系処理液が簡単に発泡し、
このように発泡したクロメート系処理液を目的の鋼板に
塗装すると、塗装作業がしくにくいばかりでなく、形成
された皮膜にクレーター状のピンホール,泡状欠陥,
筋,塗装むら等を生じさせる結果、皮膜の耐食性能や絶
縁性能を著しく低下させていた。また、一般に重合体水
性エマルジョンにおいては重合体が凝集してエマルジョ
ンの一部又は全部がゲル化することがあり、このような
ものを使用してクロメート系処理液を調製すると、ゲル
化が処理液全体に及んで使用出来ないものになってしま
う。
このように従来の重合体水性エマルジョンは、それが
配合されて得られるクロメート系処理液の作業性や皮膜
性能のいずれの点からも改善を要する欠点があった。
配合されて得られるクロメート系処理液の作業性や皮膜
性能のいずれの点からも改善を要する欠点があった。
本発明は上記従来技術の欠点を解消し、発泡性の抑制
を消泡剤によらないで従って経時的に不変でまた凍結が
あった場合でも不変な極めて低い発泡性しか有しておら
ず、エマルジョンの凍結安定性も優れており、そしてそ
れを用いて調製されたクロメート系処理液の分散安定性
やそれから得られる皮膜の重合体水性エマルジョン使用
本来の目的である耐水性,密着性,粘着性も充分優れた
ものであるように金属のクロメート系処理液用低発泡性
重合体水性エマルジョンを構成することを課題とする。
を消泡剤によらないで従って経時的に不変でまた凍結が
あった場合でも不変な極めて低い発泡性しか有しておら
ず、エマルジョンの凍結安定性も優れており、そしてそ
れを用いて調製されたクロメート系処理液の分散安定性
やそれから得られる皮膜の重合体水性エマルジョン使用
本来の目的である耐水性,密着性,粘着性も充分優れた
ものであるように金属のクロメート系処理液用低発泡性
重合体水性エマルジョンを構成することを課題とする。
本発明者等は種々検討した結果、従来もクロメート系
処理液調製の際の配合剤として使用されてきたメタアク
リル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキル
エステルの重合体に共重合成分としてエチレン系不飽和
カルボン酸を、更には他のビニル化合物をも含有させ、
且つ共重合割合を特定範囲内で調整することによって、
その重合体水性エマルジョンの最低造膜温度(透明な連
続フィルムを形成し得る最低の温度、以下においてMFT
と略記することがある)と発泡性とを特定範囲内に入る
ようにした金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体
水性エマルジョンによって上記課題を解決出来ることを
究明して本発明を完成した。
処理液調製の際の配合剤として使用されてきたメタアク
リル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキル
エステルの重合体に共重合成分としてエチレン系不飽和
カルボン酸を、更には他のビニル化合物をも含有させ、
且つ共重合割合を特定範囲内で調整することによって、
その重合体水性エマルジョンの最低造膜温度(透明な連
続フィルムを形成し得る最低の温度、以下においてMFT
と略記することがある)と発泡性とを特定範囲内に入る
ようにした金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体
水性エマルジョンによって上記課題を解決出来ることを
究明して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、メタクリル酸アルキルエステル
成分及び/又はアクリル酸アルキルエステル成分:56〜9
7重量%と、エチレン系不飽和カルボン酸成分:3〜7重
量%と、上記以外のビニル化合物成分:0〜37重量%とか
ら成る平均粒子径が0.5μm以下の重合体が水性媒体中
に安定に分散しており、最低造膜温度が40〜70℃で且つ
発泡性が10ml以下であることを特徴とする金属のクロメ
ート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョンであ
る。
成分及び/又はアクリル酸アルキルエステル成分:56〜9
7重量%と、エチレン系不飽和カルボン酸成分:3〜7重
量%と、上記以外のビニル化合物成分:0〜37重量%とか
ら成る平均粒子径が0.5μm以下の重合体が水性媒体中
に安定に分散しており、最低造膜温度が40〜70℃で且つ
発泡性が10ml以下であることを特徴とする金属のクロメ
ート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョンであ
る。
以下、本発明に係る金属のクロメート系処理液用低発
泡性重合体水性エマルジョンを詳細に説明する。
泡性重合体水性エマルジョンを詳細に説明する。
本発明で使用される重合体の主成分を構成するメタク
リル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキル
エステル〔以下これら2つの酸をまとめて(メタ)アク
リル酸と略記することがある〕の共重合割合(重合体を
構成する全単量体の総重量を基準とする。以下において
同じ)は、56〜97重量%、好ましくは64〜86重量%であ
る。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合割合
が56重量%未満の場合には耐水性,密着性なとの皮膜特
性が劣ったものとなり、97重量%を超える場合はとりわ
け低発泡性や凍結安定性の課題を解決出来なくなる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは(メタ)アクリ
ル酸のメチル,エチル,プロピル,ブチル,フエニル等
のアルキルエステルの中から選ばれた1種又は2種以上
である。本発明においては金属のクロメート系処理液用
低発泡性重合体水性エマルジョンの最低造膜温度(MF
T)を後記する理由によって40〜70℃の範囲内に調整す
る必要がある。このようなMFTの調整を容易にするため
に、MFTを高くするメタクリル酸メチル,メタクリル酸
フエニル等(特にメタクリル酸メチル)と、MFTを低く
するアクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル
酸ブチル等(特にアクリル酸ブチル)とを、MFTが所定
範囲に入るように1:0.2〜0.9の重量比の範囲内で調整し
て共重合させたものであることが好ましい。後者の割合
が多くなると皮膜が粘着性を帯びるようになって好まし
くない。
リル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキル
エステル〔以下これら2つの酸をまとめて(メタ)アク
リル酸と略記することがある〕の共重合割合(重合体を
構成する全単量体の総重量を基準とする。以下において
同じ)は、56〜97重量%、好ましくは64〜86重量%であ
る。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合割合
が56重量%未満の場合には耐水性,密着性なとの皮膜特
性が劣ったものとなり、97重量%を超える場合はとりわ
け低発泡性や凍結安定性の課題を解決出来なくなる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは(メタ)アクリ
ル酸のメチル,エチル,プロピル,ブチル,フエニル等
のアルキルエステルの中から選ばれた1種又は2種以上
である。本発明においては金属のクロメート系処理液用
低発泡性重合体水性エマルジョンの最低造膜温度(MF
T)を後記する理由によって40〜70℃の範囲内に調整す
る必要がある。このようなMFTの調整を容易にするため
に、MFTを高くするメタクリル酸メチル,メタクリル酸
フエニル等(特にメタクリル酸メチル)と、MFTを低く
するアクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル
酸ブチル等(特にアクリル酸ブチル)とを、MFTが所定
範囲に入るように1:0.2〜0.9の重量比の範囲内で調整し
て共重合させたものであることが好ましい。後者の割合
が多くなると皮膜が粘着性を帯びるようになって好まし
くない。
本発明において重合体の必須成分とするエチレン系不
飽和カルボン酸の共重合割合は3〜7重量%の範囲内で
あることが必要であり、好ましくは4〜6%である。こ
の必須成分の共重合割合が3重量%未満の場合には上記
課題とりわけ低発泡性や凍結安定性の課題を解決するこ
とは出来ず、また7重量%を超える場合には皮膜の耐水
性等が不良となる。エチレン系不飽和カルボン酸として
はアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれるエチレン系
不飽和モノカルボン酸、イタコン酸,マレイン酸,フマ
ール酸から選ばれた1種又は2種以上のエチレン系不飽
和ジカルボン酸等が挙げられる。
飽和カルボン酸の共重合割合は3〜7重量%の範囲内で
あることが必要であり、好ましくは4〜6%である。こ
の必須成分の共重合割合が3重量%未満の場合には上記
課題とりわけ低発泡性や凍結安定性の課題を解決するこ
とは出来ず、また7重量%を超える場合には皮膜の耐水
性等が不良となる。エチレン系不飽和カルボン酸として
はアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれるエチレン系
不飽和モノカルボン酸、イタコン酸,マレイン酸,フマ
ール酸から選ばれた1種又は2種以上のエチレン系不飽
和ジカルボン酸等が挙げられる。
上記成分以外のビニル化合物の共重合体割合は0〜37
重量%である。このようなビニル化合物は、本発明にお
いては共重合体成分として含有されていない場合もある
が、37重量%の重合割合内で含有させる。特に上記ビニ
ル化合物のうち、スチレン,α−メチルスチレン及びク
ロロスチレンから選ばれた1種又は2種以上の芳香族ビ
ニル化合物はMFTの高低に関連を有しており、好ましく
は10〜30重量%、更に好ましくは15〜25重量%の共重合
割合で含有させるのが良い。また上記ビニル化合物のう
ち芳香族ビニル化合物以外のもの(非芳香族ビニル化合
物と言うことがある)、例えばアクリルアミド,N−メチ
ロールアクリルアミド,エチレングリコールモノメタク
リルレート及びエチレングリコールジメタクリレートか
ら選ばれた1種又は2種以上も上記芳香族ビニル化合物
と類似の効用によって、好ましくは5重量%以下の共重
合成分として含有していても良い。上記芳香族及び非芳
香族ビニル化合物(これらは反応性又は架橋性単量体と
呼ばれている)は併用して含有させておくことも出来
る。
重量%である。このようなビニル化合物は、本発明にお
いては共重合体成分として含有されていない場合もある
が、37重量%の重合割合内で含有させる。特に上記ビニ
ル化合物のうち、スチレン,α−メチルスチレン及びク
ロロスチレンから選ばれた1種又は2種以上の芳香族ビ
ニル化合物はMFTの高低に関連を有しており、好ましく
は10〜30重量%、更に好ましくは15〜25重量%の共重合
割合で含有させるのが良い。また上記ビニル化合物のう
ち芳香族ビニル化合物以外のもの(非芳香族ビニル化合
物と言うことがある)、例えばアクリルアミド,N−メチ
ロールアクリルアミド,エチレングリコールモノメタク
リルレート及びエチレングリコールジメタクリレートか
ら選ばれた1種又は2種以上も上記芳香族ビニル化合物
と類似の効用によって、好ましくは5重量%以下の共重
合成分として含有していても良い。上記芳香族及び非芳
香族ビニル化合物(これらは反応性又は架橋性単量体と
呼ばれている)は併用して含有させておくことも出来
る。
なお、本発明の目的を損わない範囲で上述した化合物
以外の化合物、例えば共役ジエン単量体,ハロゲン化ビ
ニル,ハロゲン化ビニリデン,エチレン系不飽和スルホ
ン酸塩(例えばp−スチレンスルホン酸ソーダ及びビニ
ルスルホン酸ソーダ),酢酸ビニル等のビニルエステ
ル,アクリロニトリル等の少量を共重合成分として含有
させておくことは差し支えない。
以外の化合物、例えば共役ジエン単量体,ハロゲン化ビ
ニル,ハロゲン化ビニリデン,エチレン系不飽和スルホ
ン酸塩(例えばp−スチレンスルホン酸ソーダ及びビニ
ルスルホン酸ソーダ),酢酸ビニル等のビニルエステ
ル,アクリロニトリル等の少量を共重合成分として含有
させておくことは差し支えない。
本発明に使用する重合体粒子の粒子径は0.5μm以下
である。その理由は粒子径が0.5μmを超えると皮膜の
耐水性などが低下するからである。
である。その理由は粒子径が0.5μmを超えると皮膜の
耐水性などが低下するからである。
本発明においては、金属のクロメート系処理液用低発
泡性重合体水性エマルジョンのMFTは40〜70℃に調整す
ることが必要であり、好ましくは45〜65℃である。この
ように規定する理由は、MFTが40℃未満では皮膜の粘着
性や発泡性が大きくなり、70℃を超えると重合時に凝集
を起こして微細な重合体粒子が安定に分散した重合体水
性エマルジョンの製造が困難となるからである。
泡性重合体水性エマルジョンのMFTは40〜70℃に調整す
ることが必要であり、好ましくは45〜65℃である。この
ように規定する理由は、MFTが40℃未満では皮膜の粘着
性や発泡性が大きくなり、70℃を超えると重合時に凝集
を起こして微細な重合体粒子が安定に分散した重合体水
性エマルジョンの製造が困難となるからである。
また、本発明において金属のクロメート系処理液用低
発泡性重合体水性エマルジョンの発泡性を10ml以下と規
定する理由は、発泡性が10mlを超える場合は処理液の調
製が困難になるばかりでなく皮膜の耐食性能や絶縁性能
が低下するからである。ここで発泡性とは、250mlのメ
スシリンダーに脱イオン水100ml,無水クロム酸15g,ホウ
酸5g,酸化マグネシウム4g,グリセリン3g,及び供試水性
エマルジョン11g(固形分50重量%)を入れ、よく振と
うして静置し、2分間経過後の泡量を容量(ml)で表わ
したものである。
発泡性重合体水性エマルジョンの発泡性を10ml以下と規
定する理由は、発泡性が10mlを超える場合は処理液の調
製が困難になるばかりでなく皮膜の耐食性能や絶縁性能
が低下するからである。ここで発泡性とは、250mlのメ
スシリンダーに脱イオン水100ml,無水クロム酸15g,ホウ
酸5g,酸化マグネシウム4g,グリセリン3g,及び供試水性
エマルジョン11g(固形分50重量%)を入れ、よく振と
うして静置し、2分間経過後の泡量を容量(ml)で表わ
したものである。
本発明においては金属のクロメート系処理液用低発泡
性重合体水性エマルジョン中の重合体濃度を規定する必
要はない。それはこの重合体水性エマルジョンの保存中
の分散安定性は極端な高濃度,低濃度でない限り濃度に
よって大きな影響は受けないからである。従って重合体
水性エマルジョンとしての重合体濃度はその重合体水性
エマルジョンを配合しようとする例えばクロム酸水溶液
等のクロメート系処理液用原液の組成や配合後の目的の
組成などによって適宜に決め得るし、また配合に当って
は水で濃度調整することは勿論可能であるから、重合体
水性エマルジョンとしての保存スペースや輸送などから
は高濃度の方が好ましいとする場合もある。一般的には
5〜65重量%の範囲内で適宜選択するのが普通である。
性重合体水性エマルジョン中の重合体濃度を規定する必
要はない。それはこの重合体水性エマルジョンの保存中
の分散安定性は極端な高濃度,低濃度でない限り濃度に
よって大きな影響は受けないからである。従って重合体
水性エマルジョンとしての重合体濃度はその重合体水性
エマルジョンを配合しようとする例えばクロム酸水溶液
等のクロメート系処理液用原液の組成や配合後の目的の
組成などによって適宜に決め得るし、また配合に当って
は水で濃度調整することは勿論可能であるから、重合体
水性エマルジョンとしての保存スペースや輸送などから
は高濃度の方が好ましいとする場合もある。一般的には
5〜65重量%の範囲内で適宜選択するのが普通である。
なお、本発明に係る金属のクロメート系処理液用低発
泡性重合体水性エマルジョンを配合液として使用してク
ロメート系処理液とする場合、そのクロメート系処理液
の目的に最適な皮膜が無機成分との混在によって造られ
るようにするための重合体水性エマルジョンの適正配合
範囲がある。すなわち、クロメート系処理液が電磁鋼板
に用いる絶縁皮膜形成用のものである場合は、無水クロ
ム酸,ホウ酸,酸化マグネシウム等の無機質成分に該重
合体水性エマルジョンを固形分換算で配合されるエマル
ジョン自体を含む処理液中の全固形分に基づいて15〜50
重量%の範囲で配合するのが好ましい。
泡性重合体水性エマルジョンを配合液として使用してク
ロメート系処理液とする場合、そのクロメート系処理液
の目的に最適な皮膜が無機成分との混在によって造られ
るようにするための重合体水性エマルジョンの適正配合
範囲がある。すなわち、クロメート系処理液が電磁鋼板
に用いる絶縁皮膜形成用のものである場合は、無水クロ
ム酸,ホウ酸,酸化マグネシウム等の無機質成分に該重
合体水性エマルジョンを固形分換算で配合されるエマル
ジョン自体を含む処理液中の全固形分に基づいて15〜50
重量%の範囲で配合するのが好ましい。
上記説明の如く本発明に係る金属のクロメート系処理
液用低発泡性重合体水性エマルジョンは構成されてい
る。
液用低発泡性重合体水性エマルジョンは構成されてい
る。
次に本発明に係る金属のクロメート系処理液用低発泡
性重合体水性エマルジョンの製造法の概略について説明
する。基本的には特別に限定を必要としないが、水性媒
体中で通常の低分子量乳化剤を用いないで行うソープフ
リーエマルジョンの重合手段によるのが望ましい。重合
開始剤としては、酸化剤として過硫酸アンモニウム,過
硫酸カリウム,塩素酸ソーダ等を、還元剤として酸性亜
硫酸ソーダ,亜硫酸ソーダ等をそれぞれ用いるレドック
ス系触媒が望ましく、この触媒の使用量は全単量体の0.
2〜2重量%、好ましくは0.3〜1.5重量%である。そし
て(メタ)アクリル酸アルキルエステルの組合せを調整
することによりMFTを規定範囲内のものとし、また主と
してソープフリーエマルジョンとすることによって発泡
性も規定範囲内とすることが出来る。また重合時の撹拌
を激しくすることによって平均粒子径を所定範囲内とす
ることが出来る。重合終了時には通常未反応の単量体は
殆んど残存していないから、仕込原料の重量比はそのま
ま共重合割合として差し支えない。
性重合体水性エマルジョンの製造法の概略について説明
する。基本的には特別に限定を必要としないが、水性媒
体中で通常の低分子量乳化剤を用いないで行うソープフ
リーエマルジョンの重合手段によるのが望ましい。重合
開始剤としては、酸化剤として過硫酸アンモニウム,過
硫酸カリウム,塩素酸ソーダ等を、還元剤として酸性亜
硫酸ソーダ,亜硫酸ソーダ等をそれぞれ用いるレドック
ス系触媒が望ましく、この触媒の使用量は全単量体の0.
2〜2重量%、好ましくは0.3〜1.5重量%である。そし
て(メタ)アクリル酸アルキルエステルの組合せを調整
することによりMFTを規定範囲内のものとし、また主と
してソープフリーエマルジョンとすることによって発泡
性も規定範囲内とすることが出来る。また重合時の撹拌
を激しくすることによって平均粒子径を所定範囲内とす
ることが出来る。重合終了時には通常未反応の単量体は
殆んど残存していないから、仕込原料の重量比はそのま
ま共重合割合として差し支えない。
このようにして平均粒子径が0.5μm以下の本発明に
特有の重合体が水性媒体中に安定に分散した重合体水性
エマルジョンが得られる。この重合を終了した状態の重
合体水性エマルジョンをそのまま本発明に係る金属のク
ロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョンと
して使用するのが便利である。勿論、適宜濃縮又は希釈
して使用することも出来る。
特有の重合体が水性媒体中に安定に分散した重合体水性
エマルジョンが得られる。この重合を終了した状態の重
合体水性エマルジョンをそのまま本発明に係る金属のク
ロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョンと
して使用するのが便利である。勿論、適宜濃縮又は希釈
して使用することも出来る。
以下に実施例により本発明に係る金属のクロメート系
処理液用低発泡性重合体水性エマルジョンを更に具体的
に説明する。
処理液用低発泡性重合体水性エマルジョンを更に具体的
に説明する。
(I)重合体水性エマルジョン(製造と特性) 脱イオン水420部,酸性亜硫酸ソーダ2部,及び塩化
第1鉄0.009部を重合槽に入れ液温度を50℃に上昇さ
せ、第1表の実施例1〜7,比較例1,2,7〜9に示す重合
体成分となる各モノマーをそれぞれの共重合割合で混合
した調合モノマー500部と過硫酸アンモニウム2.5部を脱
イオン水70部に溶解した液とを、同時並行に2時間で終
了するように撹拌しながら添加した後、引き続き50℃で
2時間充分に撹拌しながら重合反応を行った。
第1鉄0.009部を重合槽に入れ液温度を50℃に上昇さ
せ、第1表の実施例1〜7,比較例1,2,7〜9に示す重合
体成分となる各モノマーをそれぞれの共重合割合で混合
した調合モノマー500部と過硫酸アンモニウム2.5部を脱
イオン水70部に溶解した液とを、同時並行に2時間で終
了するように撹拌しながら添加した後、引き続き50℃で
2時間充分に撹拌しながら重合反応を行った。
比較例3は、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウムを
仕込モノマー全量に対し2重量%添加した以外は上記と
同様にして重合したものであり、また比較例4〜6では
比較例3と同様に重合した後、消泡剤を添加した。添加
した消泡剤名及び添加量は比較例4では20ppmのフオス
ターVL(商品名,サンノプコ社製),比較例5では10pp
mのアンチフオームAFE(商品名,東芝シリコーン社
製),比較例6では50ppmのアンチフオームAFEであっ
た。
仕込モノマー全量に対し2重量%添加した以外は上記と
同様にして重合したものであり、また比較例4〜6では
比較例3と同様に重合した後、消泡剤を添加した。添加
した消泡剤名及び添加量は比較例4では20ppmのフオス
ターVL(商品名,サンノプコ社製),比較例5では10pp
mのアンチフオームAFE(商品名,東芝シリコーン社
製),比較例6では50ppmのアンチフオームAFEであっ
た。
このようにして各種の重合体水性エマルジョンを得、
そのMFT(℃),発泡性,重合体粒子の平均粒子径(μ
m)及び凍結安定性を調べた。但し、比較例4〜6の発
泡性については、消泡剤添加直後の発泡性(A)と、消
泡剤添加後一旦凍結させてから解凍した後の発泡性
(B)とを調べた。また、比較例8は凝集したことによ
り特性の測定は出来なかった。上記各特性の測定方法は
後に一括して示す。
そのMFT(℃),発泡性,重合体粒子の平均粒子径(μ
m)及び凍結安定性を調べた。但し、比較例4〜6の発
泡性については、消泡剤添加直後の発泡性(A)と、消
泡剤添加後一旦凍結させてから解凍した後の発泡性
(B)とを調べた。また、比較例8は凝集したことによ
り特性の測定は出来なかった。上記各特性の測定方法は
後に一括して示す。
(II)重合体水性エマルジョンのクロメート系処理液調
製への利用 次に上記各重合体水性エマルジョンを配合液として使
用して電磁鋼板に用いられる絶縁皮膜用クロメート系処
理液を、次のようにして調製した。
製への利用 次に上記各重合体水性エマルジョンを配合液として使
用して電磁鋼板に用いられる絶縁皮膜用クロメート系処
理液を、次のようにして調製した。
すなわち、脱イオン水100mlにクロム酸15g,酸化マグ
ネシウム4g,ホウ酸5g及びグリセリン3gを溶解し、ノニ
オン系界面活性剤(商品名:サーフィノールSE,日信化
学工業社製)30mgを添加した後、重合体水性エマルジョ
ン11gを加えて混合して、絶縁皮膜成形用クロメート系
処理液とした。そしてその分散安定性を調べた。
ネシウム4g,ホウ酸5g及びグリセリン3gを溶解し、ノニ
オン系界面活性剤(商品名:サーフィノールSE,日信化
学工業社製)30mgを添加した後、重合体水性エマルジョ
ン11gを加えて混合して、絶縁皮膜成形用クロメート系
処理液とした。そしてその分散安定性を調べた。
次いで、このクロメート系処理液を乾燥皮膜の厚さが
1μmになるように電磁鋼板にロールコートし、雰囲気
温度350℃で1.5分間乾燥した。このようにして形成させ
た皮膜の耐水性,密着性及び低粘着性を調べた。比較例
1〜7及び9については、処理液は調製したが発泡性が
著しかったので、比較例1及び7は何とか使用テストし
たが、他の比較例2〜6及び9はテストを省略した。
1μmになるように電磁鋼板にロールコートし、雰囲気
温度350℃で1.5分間乾燥した。このようにして形成させ
た皮膜の耐水性,密着性及び低粘着性を調べた。比較例
1〜7及び9については、処理液は調製したが発泡性が
著しかったので、比較例1及び7は何とか使用テストし
たが、他の比較例2〜6及び9はテストを省略した。
重合体水性エマルジョン,クロメート系処理及び皮膜
の各特性の測定方法を下記に示す。
の各特性の測定方法を下記に示す。
(a)MFT(℃): 温度勾配を有するアルミ板上に試料液を薄く流延して
乾燥させ、透明な連続フィルム領域と白色粉領域との境
界の温度をMFTとする。
乾燥させ、透明な連続フィルム領域と白色粉領域との境
界の温度をMFTとする。
(b)発泡性: 前記の通り。
(c)重合体粒子の粒子径及び平均粒子径: 走査型電子顕微鏡(日立製作所社製H-800型)を用い
て倍率2万倍に撮影した値である。(単位:μm) (d)凍結安定性: 試料液10mlを試験管に入れ、凍結及び解凍を5回繰り
返した後、エマルジョンの分散状態を肉眼で判定した。
て倍率2万倍に撮影した値である。(単位:μm) (d)凍結安定性: 試料液10mlを試験管に入れ、凍結及び解凍を5回繰り
返した後、エマルジョンの分散状態を肉眼で判定した。
(e)分散安定性: 試料液を室温(20〜30℃)で静置した状態で調製後、
20日間経過したときの凝集の有無を肉眼で判定した。
20日間経過したときの凝集の有無を肉眼で判定した。
(f)耐水性: 試料塗装片(皮膜厚さ1μm,50mm×50mm)を沸騰水中
に1時間浸漬し、浸漬液中の溶出Cr量を分析し、その重
量(μg)で示した。
に1時間浸漬し、浸漬液中の溶出Cr量を分析し、その重
量(μg)で示した。
(g)密着性: 試料塗装片を半径5mmの丸棒に巻き付けて皮膜の剥離
状態を倍率10のルーペで観察し、 ○:皮膜の剥離が生じないもの ×:皮膜の剥離するもの で示した。
状態を倍率10のルーペで観察し、 ○:皮膜の剥離が生じないもの ×:皮膜の剥離するもの で示した。
(h)低粘着性: 試料塗装片を指触により判定し、 ○:粘着性なし ×:粘着性あり で示した。
(III)結果 上記で得られた結果を第1表に示す。
第1表から実施例1〜7すなわち本発明の諸条件を満
たしている重合体水性エマルジョンは優れた諸特性を備
えていることが判る。
たしている重合体水性エマルジョンは優れた諸特性を備
えていることが判る。
これに対して比較例1〜3ではエチレン系不飽和カル
ボン酸成分としてのメタアクリル酸量が不足か又は過多
となっており、重合体水性エマルジョンの発泡性が著し
い。比較例1は凍結安定性及び処理液の分散安定性が共
に不良で凝集した。
ボン酸成分としてのメタアクリル酸量が不足か又は過多
となっており、重合体水性エマルジョンの発泡性が著し
い。比較例1は凍結安定性及び処理液の分散安定性が共
に不良で凝集した。
消泡剤を添加した比較例4,5,6では消泡剤添加直後は
発泡性は低いが、一旦凍結すると消泡効果は全く失われ
ていることが判る。
発泡性は低いが、一旦凍結すると消泡効果は全く失われ
ていることが判る。
比較例7,8及び9はメタクリル酸アルキルとアクリル
酸アルキルとの割合を調整してMFTを規定内とすること
に失敗したものである。このようにMFTが本発明の範囲
外になると重合時に凝集したり、発泡性が大きくなった
り、それを用いた処理液で形成した皮膜の粘着性が増す
ことが判る。
酸アルキルとの割合を調整してMFTを規定内とすること
に失敗したものである。このようにMFTが本発明の範囲
外になると重合時に凝集したり、発泡性が大きくなった
り、それを用いた処理液で形成した皮膜の粘着性が増す
ことが判る。
以上の各実施例及び比較例から、本発明に係る金属の
クロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン
は低発泡性,凍結安定性等の優れた特性を備えており、
これを無機質成分の水溶液に配合して得られたクロメー
ト系処理液は分散安定性が良好で、皮膜の性質も優れて
いることが判る。
クロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン
は低発泡性,凍結安定性等の優れた特性を備えており、
これを無機質成分の水溶液に配合して得られたクロメー
ト系処理液は分散安定性が良好で、皮膜の性質も優れて
いることが判る。
以上詳述した如く本発明に係る金属のクロメート系処
理液用低発泡性重合体水性エマルジョンは、重合体とし
て(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体にエチレ
ン系不飽和カルボン酸を共重合成分として導入すると共
に、更には他のビニル化合物をも共重合成分として含有
させ、且つMFT,発泡性,重合体粒子径を適切に規定した
重合体を使用したことにより、低発泡性,凍結安定性,
造膜性等の諸特性に優れており、それを単独で用いて例
えば高速ロールコートを行っても発泡など塗工上の問題
なく均一な皮膜を形成させることが出来るものである。
また、これを無機質成分の水溶液に配合してクロメート
系処理液とした場合でも、重合体の乳化分散状態は安定
しており、処理液のゲル化等の問題を惹起することな
く、ロールコーターやグルーブロール等でのコーティン
グ時においても非常に低発泡であり、発泡しても直ちに
消泡する等の特徴を有する。
理液用低発泡性重合体水性エマルジョンは、重合体とし
て(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体にエチレ
ン系不飽和カルボン酸を共重合成分として導入すると共
に、更には他のビニル化合物をも共重合成分として含有
させ、且つMFT,発泡性,重合体粒子径を適切に規定した
重合体を使用したことにより、低発泡性,凍結安定性,
造膜性等の諸特性に優れており、それを単独で用いて例
えば高速ロールコートを行っても発泡など塗工上の問題
なく均一な皮膜を形成させることが出来るものである。
また、これを無機質成分の水溶液に配合してクロメート
系処理液とした場合でも、重合体の乳化分散状態は安定
しており、処理液のゲル化等の問題を惹起することな
く、ロールコーターやグルーブロール等でのコーティン
グ時においても非常に低発泡であり、発泡しても直ちに
消泡する等の特徴を有する。
このように優れた諸特性を有する本発明に係る金属の
クロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン
は、特に電磁鋼板に用いる絶縁皮膜形成用クロメート系
処理液の調製には大変好適である。
クロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン
は、特に電磁鋼板に用いる絶縁皮膜形成用クロメート系
処理液の調製には大変好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 1/16 H01F 1/16 //(C08F 220/12 220:06 212:08) (72)発明者 坂倉 昭 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新 製鋼株式会社新材料研究所内 (72)発明者 田中 孝二 岡山県岡山市益野町432―9 (56)参考文献 特開 昭61−19614(JP,A) 特開 昭51−106154(JP,A) 特開 平2−6511(JP,A) 特開 平3−33109(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 20/00 - 20/40 C08F 220/00 - 220/40 C08L 33/00 - 33/16 H01F 1/16 C21D 9/46 501 C23C 22/00
Claims (11)
- 【請求項1】メタクリル酸アルキルエステル成分及び/
又はアクリル酸アルキルエステル成分:56〜97重量%
と、エチレン系不飽和カルボン酸成分:3〜7重量%と、
上記以外のビニル化合物成分:0〜37重量%とから成る平
均粒子径が0.5μm以下の重合体が水性媒体中に安定に
分散しており、最低造膜温度が40〜70℃で且つ発泡性が
10ml以下であることを特徴とする金属のクロメート系処
理液用低発泡性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項2】重合体のメタクリル酸アルキルエステル成
分及び/又はアクリル酸アルキルエステル成分の含有量
が64〜86重量%である請求項1に記載の金属のクロメー
ト系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項3】重合体のメタクリル酸アルキルエステル成
分がメタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸プロピル,メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸
フエニルから選ばれた1種又は2種以上である請求項1
又は2に記載の金属のクロメート系処理液用低発泡性重
合体水性エマルジョン。 - 【請求項4】重合体のアクリル酸アルキルエステル成分
がアクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プ
ロピル,アクリル酸ブチル及びアクリル酸フエニルから
選ばれた1種又は2種以上である請求項1から3までの
いずれか1項に記載の金属のクロメート系処理液用低発
泡性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項5】重合体のメタクリル酸アルキルエステル成
分がメタクリル酸メチルであり、アクリル酸アルキルエ
ステル成分がアクリル酸ブチルであって重合体中におけ
る前者と後者との重量比が1:0.2〜0.9である請求項1か
ら4までのいずれか1項に記載の金属のクロメート系処
理液用低発泡性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項6】重合体のエチレン系不飽和カルボン酸成分
の含有量が4〜6重量%である請求項1から5までのい
ずれか1項に記載の金属のクロメート系処理液用低発泡
性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項7】重合体のエチレン系不飽和カルボン酸成分
がエチレン系不飽和モノカルボン酸である請求項1から
6までのいずれか1項に記載の金属のクロメート系処理
液用低発泡性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項8】エチレン系不飽和モノカルボン酸がアクリ
ル酸及びメタクリル酸から選ばれたものである請求項7
に記載の金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水
性エマルジョン。 - 【請求項9】重合体のビニル化合物成分として少なくと
も芳香族ビニル化合物が10〜30重量%含有されている請
求項1から8までのいずれか1項に記載の金属のクロメ
ート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項10】重合体のビニル化合物成分が芳香族ビニ
ル化合物である場合において、該芳香族化合物がスチレ
ン,α−メチルスチレン及びクロロスチレンから選ばれ
た1種又は2種以上である請求項9に記載の金属のクロ
メート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン。 - 【請求項11】重合体のビニル化合物成分として芳香族
ビニル化合物以外のものが5重量%以下含有されている
請求項1から10までのいずれか1項に記載の金属のクロ
メート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1207872A JP2780049B2 (ja) | 1989-08-14 | 1989-08-14 | 金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン |
PCT/JP1990/001029 WO1991002828A1 (en) | 1989-08-14 | 1990-08-13 | Insulation coating composition for electric sheet and method of insulation coating of electric sheet |
US07/663,959 US5407990A (en) | 1989-08-14 | 1990-08-13 | Composition and method for forming insulating films on electrical steel sheets |
KR1019910700368A KR920701516A (ko) | 1989-08-14 | 1990-08-13 | 전자강판 절연피막 형성용 조성물 및 전자강판 절연피막 형성방법 |
DE69014291T DE69014291T2 (de) | 1989-08-14 | 1990-08-13 | Zusammensetzung einer isolationsschicht bei elektroblechen und isolierbeschichtung von elektroblechen. |
EP90912036A EP0438601B1 (en) | 1989-08-14 | 1990-08-13 | Insulation coating composition for electric sheet and method of insulation coating of electric sheet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1207872A JP2780049B2 (ja) | 1989-08-14 | 1989-08-14 | 金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0374418A JPH0374418A (ja) | 1991-03-29 |
JP2780049B2 true JP2780049B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=16546947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1207872A Expired - Fee Related JP2780049B2 (ja) | 1989-08-14 | 1989-08-14 | 金属のクロメート系処理液用低発泡性重合体水性エマルジョン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2780049B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004035834A (ja) * | 2002-07-05 | 2004-02-05 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 重合体ラテックスの濃縮方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1541014A (en) * | 1975-02-18 | 1979-02-21 | Flecto Coatings Ltd | Stable aqueous polymer emulsions preparation and uses thereof |
JPS6119614A (ja) * | 1984-07-05 | 1986-01-28 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 樹脂水性エマルジヨン |
-
1989
- 1989-08-14 JP JP1207872A patent/JP2780049B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0374418A (ja) | 1991-03-29 |
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