JP2779945B2 - エンジンのターボ過給機制御装置 - Google Patents

エンジンのターボ過給機制御装置

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JP2779945B2
JP2779945B2 JP1065453A JP6545389A JP2779945B2 JP 2779945 B2 JP2779945 B2 JP 2779945B2 JP 1065453 A JP1065453 A JP 1065453A JP 6545389 A JP6545389 A JP 6545389A JP 2779945 B2 JP2779945 B2 JP 2779945B2
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誠司 田島
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、吸気通路に少なくとも一つの排気ターボ過
給機を含む複数の過給機が並列に配置されたエンジンに
おける排気ターボ過給機の制御に関する。
(従来技術) 従来、例えば実公昭57-12177号公報,特開昭60-25972
2号公報等に記載されているように、エンジンにプライ
マリとセカンダリの二つの排気ターボ過給機を並設し、
セカンダリ側のターボ過給機のタービン入口側およびブ
ロア出口側にそれぞれカット弁を設けて、これらカット
弁を開閉することにより、低吸入空気量域ではプライマ
リ側のターボ過給機のみで過給を行い、高吸入空気量域
では両方のターボ過給機を使用するようにしたいわゆる
ツインターボ式のエンジンが知られている。そして、こ
の種のエンジンにおけるターボ過給機制御においては、
低吸入空気量域から高吸入空気量側に移行する変遷時
に、排気カット弁および吸気カット弁を同時に開いたの
ではセカンダリ側タービンが排気によって回り始めて過
給が効くようになるまでに時間がかかるために、その間
プライマリ側の過給機で加圧された吸気がセカンダリ側
のブロアを介して逆流してしまうということで、通常は
排気カット弁の方を先に開いて助走させるようにしてい
る。しかし、ただ単に排気カット弁を先に開いただけで
はサージングが発生するので、例えば上記公報記載のも
のでは、この間リリーフ弁を開いて吸気を逃がすように
している。また、上記公報のものでは、逆に、高吸入空
気量側から低吸入空気量域へ移行する変遷時には、まず
吸気カット弁を閉じ、その後で排気カット弁を閉じるよ
うにしている。しかしながら、このように減速時に吸気
カット弁を先に閉じたのでは、排気カット弁が閉じるま
での間はもとより、閉じた後も慣性によってブロアがし
ばらくは回り続けるために、その間でサージング域に入
ってしまう恐れがある。
(発明の目的) 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、
吸気通路に少なくとも一つの排気ターボ過給機を含む複
数の過給機を並列に配置し、その一部である排気ターボ
過給機による過給は高吸入空気量側でのみ行うようにし
たエンジンにおいて、低吸入空気量域から高吸入空気量
側へ移行する変遷時に高吸入空気量側ターボ過給機へ吸
気が逆流するのを防止しつつ、高吸入空気量側から低吸
入空気量域へ移行する変遷時の高吸入空気量側ターボ過
給機のサージングを防止することを目的とする。
(発明の構成) 本発明は、排気カット弁開閉の制御域および吸気カッ
ト弁開閉の制御域の少なくとも一方にヒステリシスを持
たせ、それらの制御域が運転状態変遷の方向によって逆
の関係となるよう設定することにより上記目的を達成し
たものであって、その構成は第1図(a)に示すとおり
である。すなわち、本発明に係るエンジンのターボ過給
機制御装置は、吸気通路に少なくとも一つの排気ターボ
過給機を含む複数の過給機が並列に配置されたエンジン
において、前記複数の過給機の一部である排気ターボ過
給機のタービンが介設される排気通路を開閉する排気カ
ット弁と、その同じ排気ターボ過給機のブロアが介設さ
れる吸気通路を開閉する吸気カット弁と、排気カット弁
を開閉駆動する第1のアクチュエータと、吸気カット弁
を開閉駆動する第2のアクチュエータと、これら第1お
よび第2のアクチュエータを制御するための入力信号と
してエンジンの吸入空気量,負荷,回転数等の信号ある
いはそれらの組み合わせとしてのエンジンの運転状態を
検出する運転状態検出手段と、この運転状態検出手段の
出力信号に基づき、所定の低吸入空気量域では排気カッ
ト弁および吸気カット弁を閉じて、前記複数の過給機の
一部である排気ターボ過給機による過給を停止し残りの
過給機によって過給を行うよう第1および第2のアクチ
ュエータにそれぞれ制御信号を出力する第1および第2
の制御信号発生手段と、低吸入空気量域から高吸入空気
量側への、およびその逆方向のエンジンの運転状態の変
遷を検出する運転状態変遷検出手段と、その検出信号に
基づいて、エンジンの運転状態が低吸入空気量域から高
吸入空気量側へ変遷する時には吸気カット弁が排気カッ
ト弁よりも遅れて開くよう両カット弁の制御域を設定
し、エンジンの運転状態が高吸入空気量側から低吸入吸
気量域へ変遷する時には吸気カット弁が排気カット弁よ
りも遅れて閉じるよう両カット弁の制御域を設定する制
御域設定手段とを備えている。
高吸入空気量側から低吸入空気量域への変遷時に排気
カット弁が閉じて吸気カット弁が開いた状態が続いたと
きの高吸入空気量側ブロアの吐出圧低下による吸気逆流
を防ぐためには、第1図(b)に示すように、高吸入空
気量側から低吸入空気量域への変遷時に排気カット弁が
閉じてから所定時間経過後強制的に吸気カット弁を閉じ
るよう制御信号を第2のアクチュエータに出力する第3
の制御信号発生手段を設けるのが有効である。
また、第1図(c)に示すように、排気カット弁およ
び吸気カット弁の双方の開閉作動にそれぞれヒステリシ
スを設け、これらヒステリシスを、前記吸気カット弁の
ヒステリシスの中に前記排気カット弁のヒステリシスが
包含されるよう設定してもよい。
本発明に係るエンジンのターボ過給機制御装置は、ま
た、少なくとも吸入空気量の低流量領域で作動させる排
気ターボ式の第1の過給機と、吸入空気量の高流量領域
で作動させる排気ターボ式の第2の過給機とを並列に配
置した過給機付エンジンにおいて、第1の過給機のター
ビンが介設される第1排気通路と、第2の過給機のター
ビンが介設される第2排気通路と、第1および第2の両
過給機上流の第1排気通路と第2排気通路を互いに連通
する連通路と、連通路下流において第2排気通路を開閉
する排気カット弁と、第1の過給機のブロアが介設され
る第1吸気通路と、第2の過給機のブロアが介設される
第2吸気通路と、第2の過給機のブロア下流において第
2吸気通路を開閉する吸気カット弁と、エンジンの運転
状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段
の出力を受け、吸入空気量の高流量領域において排気カ
ット弁および吸気カット弁を開いて第2の過給機を不作
動状態から作動状態へ切り換える切換制御手段と、第2
の過給機の不作動状態から作動状態へ切り換える時に、
吸気カット弁より先に排気カット弁を開弁するように開
弁タイミングを設定する切換タイミング設定手段とを備
えたものであってよい。
また、本発明に係るエンジンのターボ過給機制御装置
は、少なくとも吸入空気量の低流量領域で作動させる排
気ターボ式の第1の過給機と、吸入空気量の高流量領域
で作動させる排気ターボ式の第2の過給機とを並列に配
置した過給機付エンジンにおいて、第1の過給機のター
ビンが介設される第1排気通路と、第2の過給機のター
ビンが介設される第2排気通路と、第2排気通路を開閉
する排気カット弁と、第1の過給機のブロアが介設され
る第1吸気通路と、第2の過給機のブロアが介設される
第2吸気通路と、第2の過給機のブロア下流において第
2吸気通路を開閉する吸気カット弁と、エンジンの運転
状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段
の出力を受け、吸入空気量の高流量領域において排気カ
ット弁および吸気カット弁を開いて第2の過給機を不作
動状態から作動状態へ切り換える切換制御手段と、第2
の過給機の不作動状態から作動状態への切り換えに先立
って、第2の過給機を予回転制御する予回転手段と、第
2の過給機の不作動状態から作動状態へ切り換える時
に、吸気カット弁より先に排気カット弁を開弁するよう
に開弁タイミングを設定する切換タイミング設定手段と
を備えたものであってよい。その場合、予回転手段は、
例えば、第2排気通路の排気カット弁下流を上流側に連
通する予回転通路および該予回転通路を開閉する予回転
用制御弁からなり、排気カット弁が開く前に少量の排気
ガスが第2過給機を通過するよう制御されるものであ
る。
(作用) 低吸入空気量域から高吸入空気量側へ移行する変遷時
には、設定されたそれぞれの制御域において、まず、第
1の制御信号発生手段の出力により第1のアクチュエー
タが作動して、高吸入空気量域でのみ使用する排気ター
ボ過給機(第2の過給機)が介設された排気通路(第2
排気通路)の排気カット弁が開かれ、つぎに、さらに高
吸入空気量側に移行した段階で、第2の制御信号発生手
段の出力により第2のアクチュエータが作動して、上記
高吸入空気量域用の排気ターボ過給機(第2の過給機)
のブロアが介設される吸気通路(第2吸気通路)の吸気
カット弁が開かれる。その他の過給機(第1の過給機)
は低吸入空気量域と高吸入空気量域の両方で作動する。
そして、低吸入空気量域から高吸入空気量側へ移行する
時に、その移行の変遷時に上述のようにまず排気カット
弁が開かれ、その後、期間をおいて吸気カット弁が開か
れることにより、高吸入空気量域用の排気ターボ過給機
(第2の過給機)が助走する期間ができ、吐出圧が高く
なった段階で始めて吸気側が開かれるようになるため、
吸気の逆流が生じない。
また、高吸入空気量側から低吸入空気量域へ移行する
変遷時には、まず排気カット弁が閉じ、それより遅れて
吸気カット弁が閉じる。この間、慣性により高吸入空気
量域用の排気ターボ過給機(第2の過給機)は作動して
いるが、吸気側が開いているのでサージングが起こるこ
とはない。
また、高吸入空気量側から低吸入空気量域への変遷時
に排気カット弁が閉じてから所定時間経過後強制的に吸
気カット弁を閉じるよう制御信号を第2のアクチュエー
タに出力する第3の制御信号発生手段を設けることによ
って、高吸入空気量側から低吸入空気量域への変遷時に
排気カット弁が閉じて吸気カット弁が開いた状態が続い
たときの高吸入空気量側ブロアの吐出圧低下による吸気
逆流が防止される。
また、例えば、第2排気通路の排気カット弁下流を上
流側に連通する予回転通路および該予回転通路を開閉す
る予回転用制御弁からなり、排気カット弁が開く前に少
量の排気ガスが第2過給機を通過するよう制御される予
回転手段が設けられることにより、第2の過給機の不作
動状態から作動状態への切り換えに先立って、第2の過
給機が予回転制御され、それにより、排気カット弁が開
かれた時の過渡応答性が向上し、トルクショックが緩和
される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図は本発明の第1の実施例の全体システム図であ
る。
この実施例において、エンジン101は直列6気筒であ
って、プライマリ側とセカンダリ側の二つの排気ターボ
過給機102,103を備えている。点火順序は1−4−2−
6−3−5の気筒順である。そして、エンジン101の各
気筒の排気通路は、まず点火順序の隣接しない気筒が3
気筒ずつ(1,2,3と4,5,6)合流し、さらに、一本の合流
通路104となってプライマリターボ過給機102のタービン
105に接続されている。また、各3気筒ずつの合流点か
ら延びる各独立通路部106,107は、セカンダリ側のツイ
ンスクロール式タービン108の各スクロールに接続され
いる。また、エアクリーナ109下流で吸気通路110は二つ
に分かれ、第1の分岐通路111の途中にはプライマリタ
ーボ過給機102のブロア112が、また、第2の分岐通路11
3の途中にはセカンダリターボ過給機103のブロア114が
配設されている。そして、二つの分岐通路111,113は、
各ブロア112,114の下流で再び合流し、インタークーラ1
15を経て吸気マニホルド部116に接続されている。ま
た、吸気マニホルド部116の上流にはスロットル弁117が
配設されている。プライマリ側タービン105の入口部お
よび吐出部は排気リリーフ通路118で結ばれ、該リリー
フ通路118にはウエストゲートバルブ119が設けられてい
る。セカンダリ側タービン108の上流側には、二つの独
立通路部106,107を同時に開閉する排気カット弁120が設
けられている。また、セカンダリ側ブロア114の吐出側
には吸気カット弁121が設けられている。さらに、吸気
カット121上流側からプライマリ側ブロア112入口側まで
延びる吸気リリーフ通路122が形成され、該吸気リリー
フ通路122の入口部に吸気リリーフ弁123が設けられてい
る。そして、ウエストゲートバルブ119,排気カット弁12
0,吸気カット弁121および吸気リリーフ123はそれぞれダ
イアフラム式の各アクチュエータ124,125,126,127にリ
ンク結合されている。各アクチュエータ124〜127は、プ
ライマリ側ブロア112下流の過給圧によって作動する。
各アクチュエータ124〜127への作動圧導入は電磁式の制
御弁128,129,130,131を介しコントロールユニット132に
よってコントロールされる。コントロールユニット132
には、エアクリーナ109下流に設けられたエアフローメ
ータ133からの吸入空気量信号と、エンジン回転数信号
およびスロットル弁開度信号が入力される。
第3図は、この実施例における上記排気カット弁120,
吸気カット弁121および吸気リリーフ弁123の開閉制御の
特性図である。エンジンの運転状態が低吸入空気量側か
ら高吸入空気量側に変遷する時には、第3図において吸
入空気量がQa0,エンジン回転数がrpm0で区画された低
吸入空気量域では排気カット弁120および吸気カット弁1
21は閉じており、吸気リリーフ弁123は開いている。そ
して、このQa0,rpm0のラインに達したときにまず排気カ
ット弁120が開かれる。そして、更に高吸入空気量側に
移行して吸入空気量がQa1あるいはエンジン回転数がrpm
1のラインに達したときに吸気リリーフ弁123が閉じ、吸
気カット弁121が開く。
また、逆に、高吸入空気量側から低吸入空気量域に変
遷する時には、吸入空気量がQa0,エンジン回転数がrpm
0のラインに落ちるまでは排気カット弁120および吸気カ
ット弁121は開いており、吸気リリーフ弁123は閉じてい
る。そして、Qa0,rpm0のラインに落ちたとき、まず排
気カット弁120が閉じ吸気リリーフ弁123が開く。さらに
Qa2,rpm2のラインまで落ちると、始めて吸気カット弁1
21が閉じる。
そして、いずれにしても、吸入空気量がQa0,エンジ
ン回転数がrpm0に達しない領域では吸気リリーフ弁123
は開かれており、このとき過給圧の制御は上記ウエスト
ゲートバルブ119によって行われる。
このような制御によって、低吸入空気量域においては
プライマリターボ過給機102のみによる効率的な過給が
行われ、高吸入空気量域においてはプライマリターボ過
給機102に加えてセカンダリターボ過給機103が作動し必
要な空気量が確保される。そして、一つの過給機から二
つの過給機に切り換わるときには、上記のように排気カ
ット弁120がまず開いて助走した後、過給圧が上がった
ところで吸気カット弁121が開くので、プライマリ側の
過給機によって過圧された空気が吸気カット弁121を介
してセカンダリ側に逆流するようなことはない。しか
も、助走期間中吸気リリーフ弁123は開いていて、過圧
空気はエアクリーナ109下流側に逃げることができるの
で、この間のサージングが防止できる。また、逆に、プ
ライマリ側およびセカンダリ側の両過給機102,103によ
って過給している状態からプライマリ側の過給機のみに
よる過給に切り換わるときには、まず排気カット弁120
が閉じて吸気リリーフ弁123が開いた後、更に低吸入空
気量側へ移行した段階で吸気カット弁121が開かれるの
で、この間の慣性力によるサージングが防止できる。
第4図はこの実施例の制御を実行するフローチャート
である。以下、これを説明する。
スタートして、まず、吸入空気量,エンジン回転数と
いった運転状態信号を読み込む。
そして、第3図の領域A(Qa2,rpm2に達しない領域)
であるかどうかを判定し、領域Aであれば、さらに、前
回も領域Aかどうかを見る。そして、前回も領域A、つ
まり以前から領域Aであるということであればそのまま
リターンする。
また、今回領域Aでないときは、つぎに、領域B(Q
a2,rpm2以上でQa0,rpm0に達しない領域)であるかを判
定する。そして、領域Bであれば、さらに、前回も領域
Bであるかどうかを見る。
そして、前回も領域B、つまり以前から領域Bである
ということであればそのままリターンする。
領域Aでもなく、また、領域Bでもないときは、つぎ
に領域C(Qa0,rpm0以上でQa1,rpm1に達しない領域)か
どうかを判定する。そして、領域Cであれば、さらに、
前回もCかどうかを見て、前回もC、つまり以前から領
域Cであるということであればそのままリターンする。
そして、今回が領域Cで前回がCでない、つまり領域
Cになって始めてであるというときは、つぎに、吸入空
気量の低流量側から領域Cになったかどうかを判定し、
YESであれば排気カット弁を開く。また、NOつまり低流
量側から領域Cになったのではないときは何もしない。
つぎに、今回が領域Aでもなく、Bでもなく、またC
でもないというときは、つぎに、前回も領域Cでないか
どうかを見る。そして、NOつまり前回は領域Cであった
ということであれば、これは第3図の領域D(Qa1,rpm1
以上の領域)になって初めてということで、吸気リリー
フ弁を閉じ吸気カット弁を開く。また、前回もCでなか
ったということであれば、以前から領域Dということで
何もしない。
また、今回領域Bであって、前回はBでないというと
きは、低流量側から領域Bになったかどうかを判定し、
NOであれば、領域Cから領域Bへの移行ということで排
気カット弁を閉じて吸気リリーフ弁を開く。また、YES
つまり低流量側から領域Bになったということであれば
何もしない。
また、今回が領域Aであって、前回はAでない、つま
り領域Aになって初めてというときは吸気カット弁を閉
じる。
つぎに、第5図乃至第10図によって本発明の第2の実
施例を説明する。
この実施例は、1ロータあたり654ccの作動室容積を
持つ2ロータのロータリピストンエンジンであって、各
気筒の排気通路を独立してプライマリおよびセカンダリ
の両排気ターボ過給機のタービンに導くことにより、両
排気ターボ過給機によって過給を行う領域で排気動圧を
両タービンに効果的に作用させ過給効率を向上させるよ
うにしたエンジンに適用したものである。また、この実
施例では、後述のように排気カット弁,吸気カット弁お
よび吸気リリーフ弁のいずれの開閉作動にもヒステリシ
スが設けられている。
第5図はこの実施例の全体システム図である。
この実施例において、エンジン201は上記のように2
ロータのロータリピストンエンジンであって、各気筒の
排気通路202,203は互いに独立して設けられている。そ
して、それら二つの排気通路202,203の一方にはプライ
マリターボ過給機204のタービン205が、また、他方には
セカンダリターボ過給機206のタービン207がそれぞれ配
設されている。二つの排気通路202,203は、両タービン2
05,207の下流において一本に合流し、図示しないサイレ
ンサに接続される。また、吸気通路209は図示しないエ
アクリーナの下流で二つに分かれ、その第1の分岐通路
210の途中にはプライマリターボ過給機204のブロア211
が、また、第2の分岐通路212の途中にはセカンダリタ
ーボ過給機206のブロア213が配設されている。これら分
岐通路210,212は、分岐部において互いに対向し、両側
に略一直線に延びるよう形成されている。また、二つの
分岐通路210,212は各ブロア211,213の下流で再び合流す
る。そして、再び一本になった吸気通路209にはインタ
ークーラ214が配設され、その下流にはサージタンク215
が、また、インタークーラ214とサージタンク215の間に
位置してスロットル弁216が配設されている。また、吸
気通路209の下流端は分岐してエンジン201の各気筒に対
応した二つの独立吸気通路217,218となり、図示しない
各吸気ポートに接続されている。そして、これらの各独
立吸気通路217,218にはそれぞれ燃料噴射弁219,220が配
設されている。
吸気通路209の上流側には、上記第1および第2の分
岐通路210,212の分岐部上流に位置して、吸入空気量を
検出するエアフローメータ221が設けられている。
二つの排気通路202,203は、プライマリおよびセカン
ダリの両ターボ過給機204,205の上流において、比較的
小径の連通路222によって互いに連通されている。そし
て、セカンダリ側のタービン207が配設された排気通路2
03には、上記連通路222の開口位置直下流に排気カット
弁223が設けられている。また、上記連通路222の途中か
ら延びてタービン205,207下流の合流排気通路224に連通
するバイパス通路225が形成され、該バイパス通路225に
は、ダイアフラム式のアクチュエータ226にリンク結合
されたウエストゲート弁227が配設されている。そし
て、上記バイパス通路225のウエストゲート弁227上流部
分とセカンダリ側タービン207につながる排気通路203の
排気カット弁223下流とを連通させる洩らし通路228が形
成され、該洩らし通路228には、ダイアフラム式のアク
チュエータ229にリンク連結された排気洩らし弁230が設
けられている。
排気カット弁223はダイアフラム式のアクチュエータ2
31にリンク連結されている。一方、セカンダリターボ過
給機206のブロア213が配設された分岐通路212には、ブ
ロア213下流に吸気カット弁232が配設されている。この
吸気カット弁232はバタフライ弁で構成され、やはりダ
イアフラム式のアクチュエータ233にリンク結合されて
いる。また、同セカンダリ側の分岐通路212には、ブロ
ア213をバイパスするようにリリーフ通路234が形成さ
れ、該リリーフ通路234にはダイアフラム式の吸気リリ
ーフ弁235が配設されている。
排気洩らし弁230を操作する前記アクチュエータ229の
圧力室は、導管236を介して、プライマリターボ過給機2
04のブロア211が配設された分岐通路210のブロア211下
流側に連通されている。このブロア211下流の圧力が所
定値以上となったとき、アクチュエータ229が作動して
排気洩らし弁230が開き、それによって、排気カット弁2
23が閉じているときに少量の排気ガスがバイパス通路22
8を流れてセカンダリ側のタービン207に供給される。し
たがって、セカンダリターボ過給機206は、排気カット
弁223が開く前に予め回転を開始する。この間、後述の
ように吸気リリーフ弁235が開かれていることにより、
セカンダリターボ過給機206の回転は上がり、排気カッ
ト弁が開いたときの過渡応答性が向上し、トルクショッ
クが緩和される。
吸気カット弁232を操作する前記アクチュエータ233の
圧力室は、導管237により電磁ソレノイド式三方弁238の
出力ポートに接続されている。また、排気カット弁223
を操作する前記アクチュエータ231は、導管239により電
磁ソレノイド式の別の三方弁240の出力ポートに接続さ
れている。さらに、吸気リリーフ弁235を操作するアク
チュエータ241の圧力室は、導管242により電磁ソレノイ
ド式の別の三方弁243の出力ポートに接続されている。
吸気リリーフ弁235は、後述のように、排気カット弁223
および吸気カット弁232が開く前の所定の時期までリリ
ーフ通路234を開いておく。そして、それにより、洩ら
し通路228を流れる排気ガスによってセカンダリターボ
過給機206が予回転する際に、吸気カット弁232上流の圧
力が上昇してサージング領域に入るのを抑え、また、ブ
ロア213の回転を上げさせる。
ウエストゲート弁227を操作する前記アクチュエータ2
26は、導管244により電磁ソレノイド式の別の三方弁245
の出力ポートに接続されている。
上記4個の電磁ソレノイド式三方弁238,240,243,245
は、マイクロコンピュータを利用して構成されたコント
ロールユニット246によって制御される。コントロール
ユニット246にはエンジン回転数センサの出力信号,エ
アフローメータ121の出力信号のほか、スロットル開
度,プライマリ側ブロア211下流の過給圧P1等が入力さ
れ、それらに基づいて後述のような制御が行われる。
吸気カット弁232制御用の上記電磁ソレノイド式三方
弁238の一方の入力ポートは、導管247を介して負圧タン
ク248に接続され、他方の入力ポートは導管249を介して
後述の差圧検出弁250の出力ポート270に接続されてい
る。負圧タンク248には、スロットル弁216下流の吸気負
圧がチェック弁251を介して導入されている。また、排
気カット弁制御用の前記三方弁240の一方の入力ポート
は大気に解放されており、他方の入力ポートは、導管25
2を介して、前記負圧タンク248に接続された前記導管24
7に接続されている。一方、吸気リリーフ弁235制御用の
三方弁243の一方の入力ポートは前記負圧タンク248に接
続され、他方の入力ポートは大気に解放されている。ま
た、エウストゲート弁227制御用の三方弁245の一方の入
力ポートは大気に解放されており、他方の入力ポート
は、導管254によって、プライマリ側のブロア211下流側
に連通する前記導管236に接続されている。
第6図に示すように、上記差圧検出弁250は、そのケ
ーシング261内が第1および第2の二つのダイアフラム2
62,263によって三つの室264,265,266に区画されてい
る。そして、その一端側の第1の室264には、第1の入
力ポート267が開口され、また、ケーシング261端部内面
と第1のダイアフラム262との間に圧縮スプリング268が
配設されている。また、真中の第2の室265には第2の
入力ポート269が開口され、他端側の第3の室266には、
ケーシング261端壁部中央に出力ポート270が、また、側
壁部に大気解放ポート271が開口されている。そして、
第1のダイアフラム262には、第2のダイアフラム263を
貫通し第3の室266の上記出力ポート270に向けて延びる
弁体272が固設されている。
第1の入力ポート267は、導管273によって、第2図に
示すように吸気カット弁232の下流側に接続され、プラ
イマリ側ブロア211下流側の過給圧P1を上記第1の室264
に導入する。また、第2の入力ポート269は、導管274に
よって吸気カット弁232上流に接続され、したがって、
吸気カット弁232が閉じているときの吸気カット弁232上
流側の圧力P2を導入するようになっている。この両入力
ポート267,269から導入される圧力P1,P2の差(P2-P1)
が所定値以上になると、弁体272が出力ポート270を開
く。この出力ポート270は、導管249を介して、吸気カッ
ト弁232制御用の三方弁238の入力ポートの一つに接続さ
れている。したがって、該三方弁238がONで吸気カット
弁232操作用のアクチュエータ233の圧力室につながる導
管237を差圧検出弁250の出力ポートにつながる上記導管
249に連通させている状態で、吸気カット弁232上流の圧
力つまりセカンダリ側の過給圧P2がプライマリ側の過給
圧P1に近づいてきて、差圧P1-P2がなくなり、更に、差
圧P2-P1が所定値よりも大きくなると、該アクチュエー
タ233には大気が導入され、吸気カット弁232が開かれ
る。また、三方弁238がOFFになってアクチュエータ233
側の前記導管237を負圧タンク248につながる導管247に
連通させたときには、該アクチュエータ233に負圧が供
給され、吸気カット弁232が閉じられる。
一方、排気カット弁223は、排気カット弁223制御用の
三方弁240がOFFで排気カット弁223操作用アクチュエー
タ231の圧力室につながる導管239を負圧タンク248側の
前記導管252に連通させたとき、該アクチュエータ231に
負圧が供給されることによって閉じられる。また、この
三方弁240がONとなって出力側の前記導管239を大気に解
放すると、排気カット弁223は開かれ、セカンダリター
ボ過給機206による過給が行われる。
吸気リリーフ弁235は、吸気リリーフ弁235制御用の三
方弁243がOFFで吸気リリーフ弁235操作用アクチュエー
タ241の圧力室につながる導管242を負圧タンク248側に
連通させたとき、該アクチュエータ241に負圧が供給さ
れることによって開き、また、この三方弁243がONでア
クチュエータ241の圧力室につながる上記導管242を大気
に解放すると閉じられる。
また、ウエストゲート弁227操作用アクチュエータ226
は、ウエストゲート弁227制御用の三方弁245がONのとき
導管254,236を介してプライマリ側ブロア211下流に連通
し、また、この三方弁245がOFFのとき大気に解放され
る。
この実施例では、後述のように排気カット弁223,吸気
カット弁232および吸気リリーフ弁235の開閉作動にいず
れもヒステリシスが設けられている。また、高吸入空気
量側から低吸入空気量域への変遷時に排気カット弁223
が閉じて吸気カット弁232が開いた状態が続くときのセ
カンダリ側ブロアへの吸気逆流を防ぐために、この領域
においては排気カット弁223が閉じた時を起点として所
定時間(例えば2秒)経過後に吸気カット弁232を強制
的に閉じるようにしている。
第7図は、吸気カット弁232,排気カット弁223,吸気リ
リーフ弁235およびウエストゲート弁227の開閉制御を、
排気洩らし弁230の開閉制御とともに示す制御マップで
ある。このマップはコントロールユニット246内に格納
されており、これをベースに上記4個の電磁ソレノイド
式三方弁238,240,243,245の制御が行われる。
低吸入空気量側から高吸入空気量側に移行する時、エ
ンジン回転数Rが低く、あるいは吸入空気量Qが少ない
領域においては、吸気リリーフ弁235は開かれており、
排気洩らし弁230が開くことによってセカンダリターボ
過給機106の予回転が行われる。そして、エンジン回転
数がR2あるいは吸入空気量がQ2のラインに達すると、吸
気リリーフ弁235制御用のソレノイド式三方弁243がONに
なって吸気リリーフ弁235が閉じられ、その後、排気カ
ット弁223が開くまでの間、セカンダリ側ブロア213下流
の圧力が上昇する。そして、Q4-R4のラインに達する
と、排気カット弁223制御用のソレノイド式三方弁240が
ONになって排気カット弁223が開き、次いで、Q6-R6ライ
ンに達し、吸気カット弁232制御用のソレノイド式三方
弁238がONになって吸気カット弁232が開くことによりセ
カンダリターボ過給機206による過給が始まる。つま
り、このQ6-R6ラインを境にプライマリとセカンダリの
両過給機による過給領域に入る。なお、吸気カット弁23
2を駆動するアクチュエータ233はソレノイド238の作動
のみに支配されるものではなく、吸気カット弁232を開
作動させる圧力源である大気圧が差圧検出弁250を介し
て供給されるため、吸気カット弁232の実際の開作動は
ソレノイド238の作動に対し遅れることになる。したが
って、吸気カット弁232制御用ソレノイド238をOFFからO
Nにする上記Q6,R6のラインは差圧検出弁250による遅れ
を考慮した設定とされ、その結果、Q6,R6のラインは排
気カット弁223制御用ソレノイド240がOFFからONになるQ
4,R4のラインに近接したものとされる。また、これらQ
6,R6とQ4,R4は一致させることもできる。
逆に、高吸入空気量側から低吸入空気量側へ移行する
時には、吸気カット弁232,排気カット弁223および吸気
リリーフ弁235を制御する各ソレノイド式三方弁238,24
0,243はヒステリシスをもって、第7図に破線で示すよ
うにそれぞれQ5ーR5,Q3-R3,Q1-R1のラインで切り換わる
よう設定されている。すなわち、高吸入空気量側から低
吸入空気量側へ移行する時、Q3,R3のラインに達すると
排気カット弁223の閉制御が行われ、さらに低吸入空気
側に移行してQ5,R5のラインに達したとき吸気カット弁2
32の閉制御が行われ、それより遅れて吸気リリーフ弁23
5の開制御が行われる。このように吸気カット弁232が排
気カット弁223より遅れて閉じることにより、低吸入空
気量域への変遷時におけるサージングの発生が防止され
る。
また、この実施例においてウエストゲート弁227制御
用のソレノイド式三方弁245をON,OFFするラインは排気
カット弁223制御用ソレノイド240のON,OFFラインである
Q4-R4,Q3-R3の各ラインと一致させている。
なお、第7図において上記各ラインの折れた部分は、
所謂ノーロードラインもしくはロードロードライン上に
ある。
第8図は、上記第7図の特性図に基づいて各弁のソレ
ノイド作動状態を運転状態の変遷(横軸左方が低吸入空
気量側、右方が高吸入空気量側)との関係で見たもので
ある。この図からも判るように、排気カット弁223開閉
作動のヒステリシスは吸気カット弁232開閉作動のヒス
テリシスに完全に包含されている。なお、吸気カット弁
232制御用ソレノイド238がQ6,R6でONとなっても、差圧
検出弁250の作用によって、実際の吸気カット弁232の開
作動は同図に破線で示すように遅れる。したがって、こ
のQ6,R6は、上述のように排気カット弁223開制御のQ4,R
4と近接したラインあるいは同一ラインとされる。一
方、吸気カット弁232の閉作動の方は、ソレノイド238の
作動に対し上記のような遅れを伴わないので、その設定
ラインであるQ5,R5はQ5<Q3,R5<R3とする必要がある。
つぎに、第7図の特性に基づいた各弁の制御を第9図
の制御回路によって説明する。
吸気リリーフ弁作動用ソレノイド243は、図の最上位
に示す第1の比較回路11の出力とその下に示す第2の比
較回路12の出力とを入力とする第1のOR回路21の出力に
よって制御される。ここで、第1の比較回路11は、エア
フローメータ221の検出信号である吸入空気量Qを基準
値である第1の加算回路31の出力値とを比較するもので
ある。そして、上記第1の加算回路31は、第7図のQ1
インに相当する設定値Q1が入力され、また、このQ1に対
するQ′という値(ただし、Q+Q′=Q)が
第1のゲート41を介して入力されるよう構成されてい
て、第1のゲート41が開かれたときはQ+Q′=Q
を基準値として第1の比較回路11に出力し、また、第
1のゲート41が閉じられたときにはQを基準値として
第1の比較回路11に出力する。そして、この第1のゲー
ト41は上記第1のOR回路21の出力によって開閉される。
第2の比較回路12は、エンジン回転数センサによって
検出したエンジン回転数Rを基準値である第2の加算回
路32の出力値とを比較するものである。第2の加算回路
32は、第7図のRラインに相当する設定値Rが入力
され、また、このRに対するR′という値(ただ
し、R+R′=R)が第2のゲート42を介して入
力されるよう構成されていて、第2のゲート42が開かれ
たときはR+R′=Rを基準値として第2の比較
回路12に出力し、また、第2のゲート42が閉じられたと
きにはRを基準値として第2の比較回路12に出力す
る。第2のゲート42もまた上記第1のOR回路21の出力に
よって開閉される。
上記第1および第2の比較回路11,12は、検出された
吸入空気量Qおよびエンジン回転数Rを第1および第2
の加算回路の出力であるそれぞれの基準値と比較し、Q
あるいはRが基準値以上となったときにON信号を吸気リ
リーフ弁作動用ソレノイド243に出力する(ONで吸気リ
リーフ弁235は閉じる)。第1および第2のゲート41,42
は、第1のOR回路21の出力信号がONのとき閉じられてお
り、OR回路信号がOFFのとき開かれる。したがって、低
吸入空気量域から高吸入空気量側への変遷時には、第1
のOR回路21の出力信号はOFFであるので、各ゲート41,42
は開かれ第1および第2の比較回路11,12に基準値とし
てQ,Rが入力される。したがって、第7図でQ,R
のラインに達した時にON信号が出され吸気リリーフ弁
235が開かれる。また、このON信号によって第1および
第2のゲート41,42が閉じられ、それにより、Qおよび
Rの基準値がそれぞれQ1,R1となる。つまり、Q′,
R′に相当するヒステリシスをもって逆方向への変遷
に備えたライン設定がなされる。
排気カット弁作動用ソレノイド240もまた、同様の制
御回路によって制御される。つまり、吸入空気量Qに対
して第3の比較回路13が、また、エンジン回転数Rに対
して第4の比較回路14が設けられ、これらの比較回路1
3,14の出力が第2のOR回路22を介してソレノイド240に
送られる。第3の比較回路13に対しては第3の加算回路
33が、また、第4の比較回動14に対しては第4の加算回
路34が同様に設けられる。そして、第3の加算回路33に
は、設定値Qが入力され、また、第3のゲート43を介
してQ′(ただし、Q+Q′=Q)が入力され
る。同様に、第4の加算回路34には、設定値Rと、第
4のゲート44を介するR′(ただし、R+R′
)が入力される。この回路は上記第1および第2の
比較回路の場合と同様に作動し、それにより、高吸入空
気量側への変遷時には第7図のQ,Rラインを基準と
して排気カット弁223が開作動され、また、低吸入空気
量側への変遷時にはQ,Rラインによって排気カット
弁223が閉作動される。また、ウエストゲート弁作動用
ソレノイド245もまた、この排気カット弁作動用ソレノ
イド240へ出力される制御信号によって同時に制御され
る。
吸気カット弁作動用ソレノイド238に対しては、第5
および第6の比較回路15,16の出力を第3のOR回路23を
介して供給する同様の制御回路が設けられている。この
制御回路は、それぞれの比較回路15,16に対し第5およ
び第6の加算回路35,36を有し、また、各加算回路35,36
に対して第5および第6のゲート45,46を備えている。
そして、基本的な作動は上記各弁に対する回路と差異が
ない。つまり、高吸入空気量側への変遷時にはQ,R
のラインによる吸気カット弁開制御が行われ、低吸入空
気量側への変遷時にはQ,Rのラインによる吸気カッ
ト弁閉制御が行われる。ここで、QおよびRは同様
にQ+Q′=Q6,R+R′=Rの形で設定され
る。
ただし、この吸気カット弁制御の回路の場合には、上
記第3のOR回路23の出力側に第7のゲート47が接続さ
れ、ソレノイド238へはこのゲート47を介して制御信号
が送られる。そして、排気カット弁作動用の上記第2の
OR回路22の出力がONからOFFに変わった時を起点として
カウントアップを開始するタイマ50が設けられ、また、
このタイマ50のカウント値が設定値(例えば2秒に相当
する値)を越えたらON信号を発する第7の比較回路17が
設けられて、この第7の比較回路17からON信号が出力さ
れたとき、上記第7のゲート47を閉じて吸気カット弁23
2を強制的に閉作動させ、同時にQ,Rの基準値をQ,R
に変更し、また、タイマ50をリセットするよう構成され
ている。一旦第7のゲート47が閉じると、上記第7の比
較回路17の出力はOFFとなるが、上記のように切り換え
ラインである基準値が上記のようにQ,Rへ変更され
ているので、吸気カット弁作動用ソレノイド238は閉作
動状態に保持される。これにより、低吸入空気量域への
変遷時に、第8図に示す排気カット弁ソレノイド238がO
FFで吸気カット弁ソレノイド240がONの状態が長くつづ
くことによるサージングの発生が防がれる。
第10図は、上記タイマ50による制御によって得られる
特性をタイムチャートで示すものである。この図で、実
線はQ(R)のラインからQ(R)のラインま
で短時間で抜ける運転状態を示し、破線はQ(R
からQ(R)まで抜けるのに長時間かかる運転状態
を示してしる。このように、排気カット弁223が閉とな
ると同時にタイマ50がカウントアップし、Q(R
ラインへの到達が遅い場合にはカウント値が例えば2秒
に相当する値に達したところで吸気カット弁232が閉じ
られる。また、この吸気カット弁232の閉作動と同時に
タイマ50はイニシャルセットされる。
(発明の効果) 本発明は上記のように構成されているので、エンジン
運転状態の低吸入空気量域から高吸入空気量側への変遷
時に高吸入空気量側ターボ過給機へ吸気が逆流するのを
防止するとともに、高吸入空気量側から低吸入空気量域
への変遷時における高吸入空気量側ターボ過給機のサー
ジングを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は本発明の全体構成図、第2図は
本発明の第1の実施例の全体システム図、第3図は同実
施例の制御特性図、第4図は同実施例の制御を実行する
フローチャート、第5図は本発明の第2の実施例の全体
システム図、第6図は同実施例における差圧検出弁の断
面図、第7図は同実施例の制御特性図、第8図は同実施
例の作動状態説明図、第9図は同実施例の制御回路、第
10図は同実施例の作動を説明するタイムチャートであ
る。 101,201:エンジン、102,204:プライマリターボ過給機、
103,206:セカンダリターボ過給機、120,223:排気カット
弁、121,232:吸気カット弁、123,235:吸気リリーフ弁、
125,126,127,231,233,241:アクチュエータ、129,130,13
1:制御弁、238,240,243:電磁ソレノイド式三方弁、132,
246:コントロールユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−145328(JP,A) 特開 昭60−259722(JP,A) 実開 昭60−178329(JP,U) 実開 昭62−200130(JP,U) 実公 昭57−12177(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 33/00 - 39/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気通路に少なくとも一つの排気ターボ過
    給機を含む複数の過給機が並列に配置されたエンジンに
    おいて、前記複数の過給機の一部である排気ターボ過給
    機のタービンが介設される排気通路を開閉する排気カッ
    ト弁と、その同じ排気ターボ過給機のブロアが介設され
    る吸気通路を開閉する吸気カット弁と、前記排気カット
    弁を開閉駆動する第1のアクチュエータと、前記吸気カ
    ット弁を開閉駆動する第2のアクチュエータと、これら
    第1および第2のアクチュエータを制御するための入力
    信号としてエンジンの吸入空気量,負荷,回転数等の信
    号あるいはそれらの組み合わせとしてのエンジンの運転
    状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手
    段の出力信号に基づき、所定の低吸入空気量域では前記
    排気カット弁および前記吸気カット弁を閉じて、前記複
    数の過給機の一部である排気ターボ過給機による過給を
    停止し残りの過給機によって過給を行うよう前記第1お
    よび第2のアクチュエータにそれぞれ制御信号を出力す
    る第1および第2の制御信号発生手段と、前記低吸入空
    気量域から高吸入空気量側への、およびその逆方向のエ
    ンジンの運転状態の変遷を検出する運転状態変遷検出手
    段と、該運転状態変遷検出手段の検出信号に基づいて、
    エンジンの運転状態が前記低吸入空気量域から高吸入空
    気量側へ変遷する時には前記吸気カット弁が前記排気カ
    ット弁よりも遅れて開くよう両カット弁の制御域を設定
    し、エンジンの運転状態が高吸入空気量側から前記低吸
    入吸気量域へ変遷する時には前記吸気カット弁が前記排
    気カット弁よりも遅れて閉じるよう両カット弁の制御域
    を設定する制御域設定手段とを備えたことを特徴とする
    エンジンのターボ過給機制御装置。
  2. 【請求項2】高吸入空気量側から低吸入空気量域への変
    遷時に排気カット弁が閉じてから所定時間経過後強制的
    に吸気カット弁を閉じるよう制御信号を第2のアクチュ
    エータに出力する第3の制御信号発生手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のエンジンのターボ過給機制
    御装置。
  3. 【請求項3】排気カット弁および吸気カット弁の双方の
    開閉作動にそれぞれヒステリシスを設け、これらヒステ
    リシスを、前記吸気カット弁のヒステリシスの中に前記
    排気カット弁のヒステリシスが包含されるよう設定した
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエンジンのタ
    ーボ過給機制御装置。
  4. 【請求項4】少なくとも吸入空気量の低流量領域で作動
    させる排気ターボ式の第1の過給機と、吸入空気量の高
    流量領域で作動させる排気ターボ式の第2の過給機とを
    並列に配置した過給機付エンジンにおいて、 前記第1の過給機のタービンが介設される第1排気通路
    と、 前記第2の過給機のタービンが介設される第2排気通路
    と、 前記第1および第2の両過給機上流の前記第1排気通路
    と前記第2排気通路を互いに連通する連通路と、 前記連通路下流において前記第2排気通路を開閉する排
    気カット弁と、 前記第1の過給機のブロアが介設される第1吸気通路
    と、 前記第2の過給機のブロアが介設される第2吸気通路
    と、 前記第2の過給機のブロア下流において前記第2吸気通
    路を開閉する吸気カット弁と、 エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の出力を受け、吸入空気量の高流
    量領域において前記排気カット弁および前記吸気カット
    弁を開いて前記第2の過給機を不作動状態から作動状態
    へ切り換える切換制御手段と、 前記第2の過給機の不作動状態から作動状態へ切り換え
    る時に、前記吸気カット弁より先に前記排気カット弁を
    開弁するように開弁タイミングを設定する切換タイミン
    グ設定手段とを備えたことを特徴とするエンジンのター
    ボ過給機制御装置。
  5. 【請求項5】少なくとも吸入空気量の低流量領域で作動
    させる排気ターボ式の第1の過給機と、吸入空気量の高
    流量領域で作動させる排気ターボ式の第2の過給機とを
    並列に配置した過給機付エンジンにおいて、 前記第1の過給機のタービンが介設される第1排気通路
    と、 前記第2の過給機のタービンが介設される第2排気通路
    と、 前記第2排気通路を開閉する排気カット弁と、 前記第1の過給機のブロアが介設される第1吸気通路
    と、 前記第2の過給機のブロアが介設される第2吸気通路
    と、 前記第2の過給機のブロア下流において前記第2吸気通
    路を開閉する吸気カット弁と、 エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の出力を受け、吸入空気量の高流
    量領域において前記排気カット弁および前記吸気カット
    弁を開いて前記第2の過給機を不作動状態から作動状態
    へ切り換える切換制御手段と、 前記第2の過給機の不作動状態から作動状態への切り換
    えに先立って、前記第2の過給機を予回転制御する予回
    転手段と、 前記第2の過給機の不作動状態から作動状態へ切り換え
    る時に、前記吸気カット弁より先に前記排気カット弁を
    開弁するように開弁タイミングを設定する切換タイミン
    グ設定手段とを備えたことを特徴とするエンジンのター
    ボ過給機制御装置。
  6. 【請求項6】予回転手段は、第2排気通路の排気カット
    弁下流を上流側に連通する予回転通路および該予回転通
    路を開閉する予回転用制御弁からなり、排気カット弁が
    開く前に少量の排気ガスが第2過給機を通過するよう制
    御される請求項5記載のエンジンのターボ過給機制御装
    置。
JP1065453A 1988-03-19 1989-03-16 エンジンのターボ過給機制御装置 Expired - Lifetime JP2779945B2 (ja)

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