JP2768734B2 - 排気ターボ過給機付エンジンの排気制御装置 - Google Patents

排気ターボ過給機付エンジンの排気制御装置

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JP2768734B2
JP2768734B2 JP1129072A JP12907289A JP2768734B2 JP 2768734 B2 JP2768734 B2 JP 2768734B2 JP 1129072 A JP1129072 A JP 1129072A JP 12907289 A JP12907289 A JP 12907289A JP 2768734 B2 JP2768734 B2 JP 2768734B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は排気ターボ過給機付エンジンの排気制御装置
に関し、特に複数の排気ターボ過給機を備え、排気ガス
の流量に応じて一部の排気ターボ過給機を作動または停
止させるようにしたものに関する。
(従来の技術) 従来、二つの排気ターボ過給機を備えたエンジンの排
気制御装置として、例えば実開昭60−178329号公報に開
示されるように、排気通路に第1および第2の排気ター
ボ過給機のタービンを並列的に設け、この二つの排気タ
ーボ過給機のコンプレッサをエンジンの吸気通路に接続
するとともに、第2排気ターボ過給機のタービン上流側
の排気通路に排気カット弁を設け、排気ガス流量が設定
値よりも少ないときには排気カット弁を閉じて排気通路
からの排気ガスを第1排気ターボ過給機のタービンに集
中的に供給して高い過給圧を確保する一方、排気ガス流
量が設定値よりも多いときには排気カット弁を開いて排
気通路からの排気ガスを二つの排気ターボ過給機のター
ビンに供給して吸気流量を確保しながら適正な過給圧を
得るようにしたものが知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上記従来のものでは、排気ガス流量の変化
に応じて排気カット弁が開閉し、これに応じて第2排気
ターボ過給機が作動/停止を繰り返すので、排気制御装
置の信頼性が心配される。その場合、排気カット弁を開
閉するための排気ガス流量の設定値を高流量側に設定し
て第1排気ターボ過給機のみにより過給する運転領域を
拡大することにより、排気カット弁の開閉頻度を少なく
して排気制御装置の信頼性を向上させることが考えられ
る。
しかし、このように排気ガス流量の設定値を高流量側
に設定すると、この設定値付近でタービン下流側の排気
ガス圧力が高くなり過ぎてしまい、第1排気ターボ過給
機の効率が低下するという問題が生じる。
ところで、エンジンの排気装置として、例えば特開昭
59−74325号公報には、エンジンの排気通路を、排気抵
抗の異なる二つの消音器に並列接続するとともに、上記
各消音器の排気通路にそれぞれ制御弁を設け、低・中負
荷域では排気抵抗の小さい消音器の制御弁を閉じ且つ排
気抵抗の大きい消音器の制御弁を開いて排気膨張を促進
しつつ高トルクを得る一方、高負荷域では排気抵抗の小
さい消音器の制御弁を開き且つ排気抵抗の大きい消音器
の制御弁を閉じて排気効率を高めて高トルク、高出力を
得るようにしたものが開示されている。
また、本出願人は、以前、エンジンの消音器として、
膨張形の主通路をもつ消音器の内部に曲がりの少ない副
通路を配し、この副通路を主通路に並列に接続するとと
もに、副通路の内壁に吸音材を配設し、且つこの副通路
に制御弁を設けて、エンジンの低回転時には該制御弁を
閉じて主通路のみに排気ガスを通して排気音を下げる一
方、エンジンの高回転時には該制御弁を開いて副通路に
も排気ガスを通して排気ガス流量の増大に対処しながら
排気音、特に高回転時に発生する高周波音を下げるよう
にしたものを出願した。このような消音器では制御弁の
開閉によって排気抵抗が変わることになる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、一部の排気ターボ過給機の作動が
停止する運転領域において上述した消音器のように排気
抵抗を可変にする装置を利用して排気抵抗を小さくする
ことにより、効率を高く維持しながら常用の排気ターボ
過給機によって過給する運転領域を拡大することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明では、一部の排気タ
ーボ過給機の作動/停止を切替えるための排気ガス流量
設定値を排気手段を切替えるための排気ガス流量設定値
よりも高流量側に設定することである。
具体的に、請求項1の発明の講じた解決手段は、第1
図に示すように、エンジンに対して並列に設けられた排
気通路にタービンがそれぞれ設けられた複数の排気ター
ボ過給機31,32と、一部の排気ターボ過給機32の排気通
路に設けられた排気カット弁41と、排気ガスの流量に関
連する信号を検出する排気ガス流量検出手段91と、該排
気ガス流量検出手段91の出力を受け、排気ガス流量が第
1設定値よりも少ないときに一部の排気ターボ過給機32
の作動が停止するように上記排気カット弁41を閉じる過
給機制御手段92と、少なくとも上記一部の排気ターボ過
給機32以外の排気ターボ過給機31の排気通路に設けられ
且つ排気抵抗の異なる複数の排気モードを有する排気手
段65,65と、上記排気ガス流量検出手段91の出力を受
け、排気ガス流量が第2設定値よりも多いときには排気
抵抗の小さい排気モードに変更し、排気ガス流量が第2
設定値よりも少ないときには排気抵抗の大きい排気モー
ドに変更するように排気手段65を制御する排気制御手段
93とを備えるとともに、上記過給機制御手段92における
第1設定値を排気制御手段93における第2設定値よりも
高流量側に設定する構成としている。
ここで、更に具体的には、請求項2の発明で、上記請
求項1の排気手段として、排気通路に配設され、運転状
態に応じて排気通路の抵抗を変化させる制御弁を備えた
可変抵抗式の消音器を用いたものとする。
また、請求項3の発明では、上記請求項1における複
数の排気ターボ過給機の各コンプレッサを、エンジンに
対して並列に設け且つ排気ターボ過給機と同数の吸気通
路にそれぞれ設けたものとする。
さらに、請求項4の発明では、上記請求項3におい
て、一部の排気ターボ過給機の吸気通路に、この一部の
排気ターボ過給機の作動停止時に閉じる吸気カット弁を
設けたものとする。
また、請求項5の発明では、上記請求項1において、
一部の排気ターボ過給機のタービンに排気を洩らすため
の排気洩らし通路に設けられ且つ排気カット弁が開く運
転領域よりも低流量側で開く排気洩らし弁を備え、排気
制御手段における第2設定値を上記排気洩らし弁が開く
運転領域よりも低流量側に設定したものとする。
さらに、請求項6の発明では、上記請求項1における
排気手段の複数の排気モードを、排気抵抗が大、中、小
の排気モードとし、排気制御手段を、排気ガス流量検出
手段の出力を受け、排気ガス流量が第2設定値よりも多
いときには中の排出モードに変更し排気ガス流量が第2
設定値よりも少ないときには大の排出モードに変更する
ように排気手段を制御するものとする。
加えて、請求項7の発明の解決手段は、エンジンの特
定運転領域で複数の排気ターボ過給機のうち一部の排気
ターボ過給機の作動が停止し、他の排気ターボ過給機が
作動する一方、上記特定運転領域以外で全ての排気ター
ボ過給機が作動するようにした排気ターボ過給機付エン
ジンにおいて、上記排気ターボ過給機下流の排気通路に
配置され、該排気通路に設けられた制御弁の開閉作動に
より排気抵抗を可変にする可変抵抗式の消音器を設け、
上記特定運転領域内において上記制御弁を閉弁状態から
開作動するように設定したものとする。
(作用) 上記の構成により、請求項1の発明では、過給機制御
手段29の制御により、排気ガス流量検出手段91で検出さ
れた排気ガス流量が第1設定値よりも少ないときには排
気カット弁41が閉じて一部の排気ターボ過給機32の作動
が停止され、常用の排気ターボ過給機31に排気ガスが集
中的に供給されて高い過給圧が確保される一方、排気ガ
ス流量が第1設定値よりも多いときには排気カット弁41
が開いて全ての排気ターボ過給機31,32に排気ガスが供
給され、吸気流量を確保しながら適正な過給圧が得られ
る。
また、排気制御手段93の制御により、排気ガス流量手
段91で検出された排気ガス流量が第2設定値よりも少な
いときには排気手段65,65が排気抵抗の大きい排気モー
ドに変更されて、排気音を下げる等の機能が発揮される
一方、排気ガス流量が第2設定値よりも多いときには排
気抵抗の小さい排気モードに変更されて、排気ガス流量
の増大に対処しながら排気音を下げる等の機能が発揮さ
れることになる。
その場合、上記過給機制御手段92における第1設定値
が排気制御手段93における第2設定値よりも高流量側に
設定されているので、一部の排気ターボ過給機32の作動
が停止する運転領域において排気手段65が排気抵抗の小
さい排気モードに変更されて排気抵抗が小さくなり、効
率が高く維持されながら常用の排気ターボ過給機31によ
って過給する運転領域が拡大される。よって、排気カッ
ト弁41の作動頻度および排気ターボ過給機32が作動/停
止を繰り返す頻度が少なくなって排気制御装置の信頼性
が向上する。
ここで、請求項2の発明では、上記排気手段として、
排気通路に配設され、運転状態に応じて排気通路の抵抗
を変化させる制御弁を備えた可変抵抗式の消音器を用い
たので、排気音を確実に下げることができる。
また、請求項3の発明では、複数の排気ターボ過給機
の各コンプレッサを、エンジンに対して並列に設け且つ
排気ターボ過給機と同数の吸気通路にそれぞれ設けたこ
とにより、排気カット弁を閉じたときには高い過給圧を
確保できる一方、排気カット弁を開いたときには吸気流
量を確保しながら適正な過給圧が得られることになる。
さらに、請求項4の発明では、一部の排気ターボ過給
機の吸気通路に、この一部の排気ターボ過給機の作動停
止時に閉じる吸気カット弁を設けたので、この一部の排
気ターボ過給機の吸気通路における吸気の逆流が防止さ
れる。
また、請求項5の発明では、一部の排気ターボ過給機
のタービンに排気を洩らすための排気洩らし通路に設け
られ且つ排気カット弁が開く運転領域よりも低流量側で
開く排気洩らし弁を備え、排気制御手段における第2設
定値を上記排気洩らし弁が開く運転領域よりも低流量側
に設定したことにより、一部の排気ターボ過給機の作動
が停止する運転領域において排気洩らし弁が開いて排気
抵抗が小さくなり、効率が高く維持されながら常用の排
気ターボ過給機によって過給する運転領域が拡大され
る。このことによっても、排気カット弁の作動頻度およ
び排気ターボ過給機が作動/停止を繰り返す頻度が少な
くなって排気制御装置の信頼性が向上する。
さらに、請求項6の発明では、上記排気手段の複数の
排気モードを、排気抵抗が大、中、小の排気モードと
し、排気制御手段を、排気ガス流量検出手段の出力を受
け、排気ガス流量が第2設定値よりも多いときには中の
排気モードに変更し排気ガス流量が第2設定値よりも少
ないときには大の排気モードに変更するように排気手段
を制御するものとしたので、常用の排気ターボ過給機に
よって過給する運転領域の拡大化による排気制御装置の
信頼性向上と排気音の低減とが両立される。
加えて、請求項7の発明では、一部の排気ターボ過給
機の作動が停止する特定運転領域内において、制御弁が
閉弁から開作動するので、排気抵抗が小さくなり、効率
が高く維持されながら常用の排気ターボ過給機によって
過給する運転領域が拡大される。
(第1実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1実施例に係る排気制御装置を備
えた2ロータタイプの排気ターボ過給機付ロータリピス
トンエンジンを示す。第1図において、1はインタメデ
ィエイトハウジング、ロータハウジングおよびサイドハ
ウジングからなるハウジングであって、該ハウジング1
内には、二つの多角形状のロータ2,2が配されており、
該各ロータ2が遊星回転運動して上記ハウジング1内に
形成される三つの作動室に吸気、圧縮、爆発、膨張およ
び排気の各行程を順に行わせるようにしている。
上記ハウジング1には、吸気行程にある作動室に新気
を供給するプライマリポート3及びセカンダリポート4
が設けられている。また、このハウジング1には、排気
行程にある作動室から排気を排出する排気ポート5が設
けられている。
そして、上記各ロータ2に対応するプライマリポート
3およびセカンダリポート4には吸気通路10がその分岐
した端部において接続され、該吸気通路10はエアクリー
ナ13を介して大気に開放されている。上記吸気通路10は
その途中において第1および第2の二つの吸気通路11,1
2に分割されている。そして、該吸気通路10の合流部分
の下流には、上流側から順に、吸気を冷却するためのイ
ンタークーラ14と、吸気流量を調節するためのスロット
ル弁15と、吸気の脈動を緩和するためのサージタンク16
とが設けられている。さらに、上記吸気通路10には、プ
ライマリポート3およびセカンダリポート4に臨ませて
燃料を噴射供給するためのインジェクタ17,18がそれぞ
れ設けられている。
また、上記排気ポート5,5には排気通路20が接続され
ている。すなわち、該排気通路20の一端は第1および第
2の二つの排気通路21,22に分岐されていて、該各排気
通路21,22がそれぞれ二つの排気ポート5,5に接続されて
いる。
そして、このエンジンには第1および第2の二つの排
気ターボ過給機31,32が設けられている。すなわち、上
記第1および第2排気通路21,22には第1および第2排
気ターボ過給機31,32のタービン31a,32aがそれぞれ設け
られているとともに、第1および第2吸気通路11,12に
は第1および第2排気ターボ過給機31,32のコンプレッ
サ31b,32bがそれぞれ設けられていて、排気ガスのエネ
ルギにより吸気を過給するようにしている。また、上記
第1および第2排気通路21,22は各排気ターボ過給機31,
32の上流側で連通路33を介して接続されている。
また、上記第2排気通路22において第2排気ターボ過
給機32のタービン32aと連通路33との間には排気カット
弁41が設けられており、第2排気ターボ過給機32のター
ビン32aへの排気ガスの供給を調整するようにしてい
る。さらに、該排気カット弁41下流の第2排気通路22と
上記連通路33とは洩らし通路42で接続されている。該洩
らし通路42には排気洩らし弁43が設けられており、第2
排気ターボ過給機32のタービン32aへの微量の排気ガス
の供給を調整するようにしている。また、上記連通路33
と第1および第2排気ターボ過給機31,32下流の排気通
路20とはバイパス通路44によって接続されている。該バ
イパス通路44にはウェストゲート弁45が設けられてお
り、加圧エアのバイパス量を調整して過給圧特性を改善
するようにしている。これら各弁41,43,45は圧力応動式
のアクチュエータ46〜48によってそれぞれ駆動される。
さらに、上記第2吸気通路12における第1吸気通路11
との合流部分の直上流には吸気カット弁51が設けられて
いる。また、該第2吸気通路12には第2排気ターボ過給
機32のタービン32aをバイパスするリリーフ通路52が設
けられている。このリリーフ通路52にはリリーフ弁53が
設けられており、タービン32aの上流側と下流側との圧
力差を緩和するようにしている。これら各弁51および53
は圧力応動式のアクチュエータ56および57によってそれ
ぞれ駆動される。
また、上記排気通路20における第1および第2排気通
路21,22の合流部分よりも下流には前段の触媒装置60が
設けられており、排気ガスを浄化するようにしている。
さらに、該排気通路20はこの触媒装置60よりも下流にお
いて二つに分岐している。この各分岐排気通路61,62に
は、上流側から順に、後段の触媒装置63と、抵抗特性が
固定された消音器64と、抵抗特性が可変の消音器65とが
それぞれ設けられている。該可変抵抗式の消音器65は、
第2図に示すように、膨張形の主通路67と曲がりの少な
い副通路70とを並列に接続したものである。すなわち、
該主通路67は、第1および第2の二つの膨張室68a,68b
と、分岐排気通路61,62からの排気ガスを第1膨張室68a
に導く第1通路68cと、該第1膨張室68aの排気ガスを第
2膨張室68bに導く第2通路68dと、該第2膨張室68bの
排気ガスを排出管69に導く第3通路68eとからなり、第
1通路68cおよび排出管69の内壁には吸音材72a,72bがそ
れぞれ取付けられていて、第1通路68cから排出管69ま
での間で排気ガスを蛇行させ且つ膨張させるとともに吸
音材72a,72bで吸音することにより、排気音を下げるよ
うにしている。また、上記副通路70は、分岐排気通路6
1,62からの排気ガスを直接に排出管71に導くための曲が
りの少ないものである。そして、この副通路70および排
出管71の内壁には吸音材72c,72dがそれぞれ取付けられ
ていて、吸音材72c,72dの吸音機能によって、排気ガス
の排気音を下げるようにしている。さらに、上記副通路
70には制御弁としての切替弁73が設けられている。該切
替弁73は圧力応動式のアクチュエータ74によって駆動さ
れる。すなわち、該切替弁73が閉じたときには主通路67
にのみ排気ガスが通って排気音が下がる一方、切替弁73
が開いたときには副通路70にも排気ガスが通って多量の
排気ガス流量に対処しながら排気音、特に高回転時に発
生する高周波音を下げるようになされている。上記可変
抵抗式消音器65では、切替弁73が閉じたときには排気ガ
スが主通路67のみを通るので、排気抵抗が大きくなり、
切替弁73が開いたときには排気ガスが主通路67および副
通路70を通るので、排気抵抗が小さくなる。すなわち、
この可変抵抗式消音器65,65により、少なくとも一部の
排気ターボ過給機31以外の排気ターボ過給機32の排気通
路22に設けられ且つ排気抵抗の異なる複数の排気モード
を有する排気手段が構成されている。
そして、上記各アクチュエータ46〜48,56,57および74
はコントロールユニット80によって制御される。さら
に、81は吸気通路10に設けられ吸気流量を検出するため
のエアフローセンサ、82は上記スロットル弁15の開度を
検出するためのスロットルセンサ、83は吸気通路10に設
けられ吸気圧力を検出するためのブースト圧力センサ、
84はエンジンの回転数を検出するための回転数センサ、
85はエンジンの水温を検出するための水温センサ、86は
上記吸気カット弁51の両側の吸気圧力の差圧を検出する
ための差圧センサである。これら各センサ81〜86はコン
トロールユニット80にそれぞれ接続されている。
次に、上記コントロールユニット80の作動制御を第4
図のフローに基づいて説明する。まず、ステップS1で上
記各センサ81〜86からの信号を入力する。そして、ステ
ップS2でエンジンが第5図の低速領域にあるか否かを判
定し、低速領域にあるときにはステップS3で切替弁73を
閉じて低速領域における排気音を下げる一方、高速領域
にあるときにはステップS4で切替弁73を開いて多量の排
気ガスをスムーズに排出しながら排気音、特に高回転時
に発生する高周波音を下げる。
さらに、ステップS5でエンジンが第5図のT/Cカット
領域にあるか否かを判定し、T/Cカット領域にあるとき
にはステップS6で排気洩らし弁43を、ステップS7で排気
カット弁41をそれぞれ閉じて第2排気ターボ過給機32の
作動を停止させ、第1排気ターボ過給機31に排気ガスを
集中的に供給して高い過給圧を確保するとともに、ステ
ップS8で吸気カット弁51を閉じて吸気通路10から第2吸
気通路11への吸気の逆流を防止し、且つステップS9でリ
リーフ弁53を開き、減速時等、吸気流量が少なく且つ圧
力が大きくなる運転状態においてはリリーフ通路52を介
してコンプレッサ32bの圧力をリリーフしてコンプレッ
サ32bのサージングを防止するようにしている。
一方、ステップS5でエンジンがT/Cカット領域にない
と判定したときには、ステップS10で排気洩らし弁43を
開き、少量の排気ガスを第2排気ターボ過給機32に供給
してタービン32aの助走を行う。そして、ステップS11
リリーフ弁53を閉じるとともにステップS12で排気カッ
ト弁41を開き、上記吸気カット弁51の両側の吸気圧力の
差圧が小さくなるとステップS13でこの吸気カット弁51
を開いて第2排気ターボ過給機32を作動させ、第1およ
び第2排気ターボ過給機31,32の双方により吸気を過給
する。このことにより、吸気流量を確保しながら適正な
過給圧を得ることができる。ここで、排気カット弁41が
開く前にリリーフ弁53を閉じるようにしたのは、排気カ
ット弁41が開くときにリリーフ弁53が開いているとター
ビン32aが空回りして回転数が急に上ってしまい排気圧
力が急激に変動してエンジンのダイリューションガスが
大きく変化して燃焼変動をきたすからである。
尚、排気カット弁41により排気洩らし弁43としての機
能を持たせることも可能であるが、本実施例では排気カ
ット弁41と排気洩らし弁43とを各々別個のものにして洩
らし弁43の機能の精度を上げている。
また、上記フローには示していないが、ウェストゲー
ト弁45も上記コントロールユニット80により過給圧に応
じて作動制御される。
以上のフローにおいて、ステップS1により排気ガスの
流量に関連する信号を検出する排気ガス流量検出手段91
を構成している。また、ステップS2〜ステップS4により
排気ガス流量検出手段91の出力を受け、排気ガス流量が
第2設定値よりも多いときには排気抵抗の小さい排気モ
ード(可変抵抗式消音器65の主通路67および副通路70で
の排気)に変更し、排気ガス流量が第2設定値よりも少
ないときには排気抵抗の大きい排気モード(可変抵抗式
消音器65の主通路67のみでの排気)に変更するように排
気手段としての可変抵抗式消音器65,65を制御する排気
制御手段93を構成している。さらに、ステップS5〜ステ
ップS13により該排気ガス流量検出手段91の出力を受
け、排気ガス流量が第1設定値よりも少ないときに一部
の排気ターボ過給機32の作動が停止するように上記排気
カット弁41を閉じる過給機制御手段92を構成している。
そして、上記過給機制御手段92における第1設定値は
排気制御手段93における第2設定値よりも高流量側に設
定されている。すなわち、第5図に示すように、T/Cカ
ット領域は低速領域よりも高流量側まで設定されてい
る。このことにより、第2排気ターボ過給機32の作動が
停止するT/Cカット領域において切替弁73の切替によ
り、排気抵抗が小さくなり、効率が高く維持されながら
第1排気ターボ過給機31によって過給する運転領域が拡
大される。その結果、排気カット弁41の作動頻度および
第2排気ターボ過給機32が作動/停止を繰り返す頻度が
少なくなって排気制御装置の信頼性が向上することにな
る。
(第2実施例) さらに、第6図および第7図は本発明の第2実施例に
係る排気制御装置を備えた3ロータタイプの排気ターボ
過給機付ロータリピストンエンジンを示す。主な構成は
上記実施例と共通するので、エンジンの排気通路回りの
構造について説明する。第6図に示すように、各ロータ
に対応する排気ポート5′、5′、5′には第1〜第3
排気通路21′〜23′が接続されており、第1排気通路2
1′および第2排気通路22′が集合されて大容量の第1
排気ターボ過給機31′のタービン31′aに接続されてい
るとともに、第3排気通路23′が小容量の第2排気ター
ボ過給機32′のタービン32a′に接続されている。そし
て、第2排気通路22′と第3排気通路23′とが連通路3
3′で接続されている。該連通路33′は上記第1排気通
路21′および第2排気通路22′と同様に第1排気ターボ
過給機31′のタービン31′aに向う方向に設けられてい
る。また、該連通路33′からは洩らし通路42′が分岐し
て上記第2排気ターボ過給機32′のタービン32′aに接
続されている。そして、第6図および第7図に示すよう
に、上記第3排気通路23′にはスイング式の排気カット
弁41′が設けられている。該排気カット弁41′は、閉位
置(第6図の実線位置)にあるときには第3排気通路2
3′を閉じる一方、開位置(第6図の仮想線位置)にあ
るときには第3排気通路23′を開くとともに連通路33′
を閉じるものである。また、上記洩らし通路42′にはス
イング式の排気洩らし弁43′が設けられている。なお、
46′は排気カット弁41′のアクチュエータ、47′は排気
洩らし弁43′のアクチュエータである。
この第2実施例によれば、3ロータタイプの排気ター
ボ過給機付ロータリピストンエンジンにおいて上記第1
実施例と同様の作用および効果を得ることが可能とな
る。
(第3実施例) さらに、第8図ないし第11図は本発明の第3実施例に
係る排気制御装置を備えた2ロータタイプの排気ターボ
過給機付ロータリピストンエンジンを示す。第8図にお
いて、201はエンジンであって、各気筒の排気通路202,2
03は互いに独立して設けられている。そして、これら二
つの排気通路202,203の一方にはプライマリターボ過給
機204のタービン205が、また、他方にはセカンダリター
ボ過給機206のタービン207がそれぞれ配設されている。
すなわち、このエンジン201では、各気筒の排気通路20
2,203を独立してプライマリおよびセカンダリの両排気
ターボ過給機204,206のタービン205,207に導くことによ
り、両排気ターボ過給機204,206によって過給を行う領
域で排気動圧を両タービン205,207に効果的に作用させ
て過給効率を向上させるようにしている。二つの排気通
路202,203は、両タービン205,207の下流において合流し
て一本の排気通路224になっている。
上記合流排気通路224には、前段の触媒装置60が設け
られており、排気ガスを浄化するようにしている。さら
に、該合流排気通路224はこの触媒装置60よりも下流に
おいて二つに分岐している。この各分岐排気通路281,28
2には、上流側から順に、後段の触媒装置63と、抵抗特
性が固定された消音器64と、抵抗特性が可変の消音器65
とがそれぞれ設けられている。上記触媒装置60,63、消
音器64,65は第1実施例のものと同一の構造であるの
で、その説明は省略する。従って、可変抵抗式の消音器
65の副通路70には切替弁73が設けられ、該切替弁73は圧
力応動式のアクチュエータ74によって駆動される。すな
わち、この可変抵抗式消音器65,65により、少なくとも
一部の排気ターボ過給機206以外の排気ターボ過給機204
の排気通路224に設けられ且つ排気抵抗の異なる複数の
排気モードを有する排気手段が構成されている。ここ
で、可変抵抗式の消音器65,65は第8図において上側を
第1消音器65、下側を第2消音器65として区別する。
また、吸気通路209は図示しないエアクリーナの下流
で二つに分かれ、その第1の分岐通路210の途中にはプ
ライマリターボ過給機204のブロア211が、また、第2の
分岐通路212の途中にはセカンダリターボ過給機206のブ
ロア213が配設されている。これら分岐通路210,212は分
岐部において互いに対向し、両側に略一直線に延びるよ
う形成されている。また、二つの分岐通路210,212は各
ブロア211,213の下流で再び合流する。そして、再び一
本になった吸気通路209にはインタークーラ214が配設さ
れ、その下流にはサージタンク215が、また、インター
クーラ214とサージタンク215の間に位置してスロットル
弁216が配設されている。また、吸気通路209の下流端は
分岐してエンジン201の各気筒に対応した二つの独立吸
気通路217,218となり、図示しない各吸気ポートに接続
されている。そして、これら各独立吸気通路217,218に
はそれぞれ燃料噴射弁219,220が配設されている。
吸気通路209の上流側には、上記第1および第2の分
岐通路210,212の分岐部上流に位置して、吸入空気量を
検出するエアフローメータ221が設けられている。
二つの排気通路202,203は、プライマリおよびセカン
ダリの両ターボ過給機204,205の上流において、比較的
小径の連通路222によって互いに連通されている。そし
て、セカンダリ側のタービン207が配設された排気通路2
03には、上記連通路222の開口位置直下流に排気カット
弁223が設けられている。また、上記連通路222の途中か
ら延びてタービン205,207下流の合流排気通路224に連通
するバイパス通路225が形成され、該バイパス通路225に
は、ダイアフラム式のアクチュエータ226がリンク結合
されたウエストゲート弁227が配設されている。そし
て、上記バイパス通路225のウエストゲート弁227上流部
分とセカンダリ側タービン207につながる排気通路203の
排気カット弁223下流とを連通させる洩らし通路228が形
成され、該洩らし通路228には、ダイフラム式のアクチ
ュエータ229にリンク連結された排気洩らし弁230が設け
られている。
排気カット弁223はダイアフラム式のアクチュエータ2
31にリンク連結されている。一方、セカンダリターボ過
給機206のブロア213が配設された分岐通路212には、ブ
ロア213下流側に吸気カット弁232が配設されている。こ
の吸気カット弁232はバタフライ弁で構成され、ダイア
フラム式のアクチュエータ233にリンク結合されてい
る。また、同セカンダリ側の分岐通路212には、ブロア2
13をバイパスするようにリリーフ通路234が形成され、
該リリーフ通路234にはダイアフラム式の吸気リリーフ
弁235が配設されている。
排気洩らし弁230を操作する上記アクチュエータ229の
圧力室は、導管236を介して、プライマリターボ過給機2
04のブロア211が配設された分岐通路210のブロア211下
流に連通されている。このブロア211下流側の圧力が所
定値以上となったとき、アクチュエータ229が作動して
排気洩らし弁230が開き、それによって、排気カット弁2
23が閉じているときに少量の排気ガスがバイパス通路22
8を流れてセカンダリ側のタービン207に供給される。し
たがって、セカンダリターボ過給機206は、排気カット
弁223が開く前に予め回転を開始する。この間、後述の
ように吸気リリーフ弁235が開かれていることにより、
セカンダリターボ過給機206の回転は上がり、排気カッ
ト弁223が開いたときの過渡応答性が向上し、トルクシ
ョックが緩和される。
吸気カット弁232を操作する上記アクチュエータ233の
圧力室は、導管237により電磁ソレノイド式三方弁238の
出力ポートに接続されている。また、排気カット弁223
を操作する上記アクチュエータ231は、導管239により、
電磁ソレノイド式の別の三方弁240の出力ポートに接続
されている。さらに、吸気リリーフ弁235を操作するア
クチュエータ241の圧力室は、導管242により電磁ソレノ
イド式の別の三方弁243の出力ポートに接続されてい
る。吸気リリーフ弁235は、後述のように、排気カット
弁223および吸気カット弁232が開く前の所定の時期まで
リリーフ通路234を開いておく。そして、それにより、
洩らし通路228を流れる排気ガスによってセカンダリタ
ーボ過給機206が予回転する際に、吸気カット弁232上流
の圧力が上昇してサージング領域に入るのを抑え、ま
た、ブロア213の回転を上げさせる。
上記ウエストゲート弁227を操作する上記アクチュエ
ータ226は、導管244により、電磁ソレノイド式の別の三
方弁245の出力ポートに接続されている。
さらに、上記第1および第2の可変抵抗式消音器65,6
5の切替弁作動用アクチュエータ74,74は導管257,258を
介して電磁ソレノイド式三方弁255,256の出力ポートに
それぞれ接続されている。
上記6個の電磁ソレノイド式三方弁238,240,243,245,
255,256および2個の燃料噴射弁219,220は、マイクロコ
ンピュータを利用して構成されたコントロールユニット
246によって制御される。コントロールユニット246には
エンジン回転数センサの出力信号、エアフローメータ22
1の出力信号のほか、スロットル開度、プライマリ側ブ
ロア211下流の過給圧P1等が入力され、それらに基づい
て後述のような制御が行われる。
吸気カット弁232制御用の上記電磁ソレノイド式三方
弁238の一方の入力ポートは、導管247を介して負圧タン
ク248に接続され、他方の入力ポートは導管249を介して
後述の差圧検出弁250の出力ポート270に接続されてい
る。負圧タンク248には、スロットル弁216下流の吸気負
圧がチェック弁251を介して導入されている。また、排
気カット弁223制御用の上記三方弁240の一方の入力ポー
トは大気に解放されており、他方の入力ポートは、導管
252を介して、上記負圧タンク248に接続された上記導管
247に接続されている。一方、吸気リリーフ弁235制御用
の三方弁243の一方の入力ポートは上記負圧タンク248に
接続され、他方の入力ポートは大気に解放されている。
また、ウエストゲート弁227制御用の三方弁245の一方の
入力ポートは大気に解放されており、他方の入力ポート
は、導管254によって、プライマリ側のブロア211下流側
に連通する上記導管236に接続されている。
第9図に示すように、上記差圧検出弁250は、そのケ
ーシング261内が第1および第2の二つのダイアフラム2
62,263によって三つの室264,265,266に区画されてい
る。そして、その一端側の第1の室264には、第1の入
力ポート267が開口され、また、ケーシング261端部内面
と第1のダイアフラム262との間に圧縮スプリング268が
配設されている。また、真中の第2の室265には第2の
入力ポート269が開口され、他端側の第3の室266には、
ケーシング261端壁部中央に出力ポート270が、また、側
壁部に大気解放ポート271が開口されている。そして、
第1のダイアフラム262には、第2のダイアフラム263を
貫通し第3の室266の上記出力ポート270に向けて延びる
弁体272が固設されている。
第1の入力ポート267は、導管273によって、第8図に
示すように吸気カット弁232の下流側に接続され、プラ
イマリ側ブロア211下流側の過給圧P1を上記第1の室264
に導入する。また、第2の入力ポート269は、導管274に
よって吸気カット弁232上流に接続され、したがって、
吸気カット弁232が閉じているときの吸気カット弁232上
流側の圧力P2を導入するようになっている。この両入力
ポート267,269から導入される圧力P1,P2の下(P2−P1)
が所定値以上になると、弁体272が出力ポート270を開
く。この出力ポート270は、導管249を介して、吸気カッ
ト弁232制御用の三方弁238の入力ポートの一つに接続さ
れている。したがって、該三方弁238がONで吸気カット
弁232操作用のアクチュエータ233の圧力室につながる導
管237を差圧検出弁250の出力ポートにつながる上記導管
249に連通させている状態で、吸気カット弁232上流の圧
力つまりセカンダリ側の過給圧P2がプライマリ側の過給
圧P1に近づいてきて、差圧P1−P2がなくなり、更に、差
圧P2−P1が所定値よりも大きくなると、該アクチュエー
タ233に大気が導入され、吸気カット弁232が開かれる。
また、三方弁238がOFFになってアクチュエータ233側の
上記導管237を負圧タンク248につながる導管247に連通
させたときには、該アクチュエータ233に負圧が供給さ
れて、吸気カット弁232が閉じられる。
一方、排気カット弁223は、排気カット弁223制御用の
三方弁240がOFFで排気カット弁223操作用アクチュエー
タ231が圧力室につながる導管239を負圧タンク248側の
導管252に連通させたとき、該アクチュエータ231に負圧
が供給されることによって閉じられる。また、この三方
弁240がONとなって出力側の上記導管239を大気に解放す
ると、排気カット弁223は開かれ、セカンダリターボ過
給機206による過給が行われる。
吸気リリーフ弁235は、吸気リリーフ弁235制御用の三
方弁243がOFFで吸気リリーフ弁235操作用アクチュエー
タ241の圧力室につながる導管242を負圧タンク248側に
連通させたとき、該アクチュエータ241に負圧が供給さ
れることによって開き、また、この三方弁243がONでア
クチュエータ241の圧力室につながる上記導管242を大気
に解放すると閉じられる。
また、ウエストゲート弁227操作用アクチュエータ226
は、ウエストゲート弁227制御用の三方弁245がONのとき
導管254,236を介してプライマリ側ブロア211下流に連通
し、また、この三方弁245がOFFのとき大気に解放され
る。
さらに、上記第1および第2の可変抵抗式消音器65,6
5の切替弁作動用アクチュエータ74,74に接続された三方
弁255,256は、その一方の入力ポートが大気に解放され
ているとともに、他方の入力ポートが導管259を介して
上記負圧タンク248に接続されている。
この実施例では、後述のように排気カット弁223、排
気カット弁232および吸気リリーフ弁235の開閉作動にい
ずれもヒステリシスが設けられている。また、高吸入空
気量側から低吸入空気量域への変遷時に排気カット弁22
3が閉じて吸気カット弁232が開いた状態が続くときのセ
カンダリ側ブロアへの吸気逆流を防ぐために、この領域
においては排気カット弁223が閉じた時を起点として所
定時間(例えば2秒)経過後に吸気カット弁232を強制
的に閉じるようにしている。
第10図は、吸気カット弁232、排気カット弁223、吸気
リリーフ弁235およびウエストゲート弁227の開閉制御
を、排気洩らし弁230の開閉制御とともに示す制御マッ
プである。このマップはコントロールユニット246内に
格納されており、これをベースに上記4個の電磁ソレノ
イド式三方弁238,240,243,245の制御が行われる。
低吸入空気量側から高吸入空気量側に移行する時、エ
ンジン回転数Rが低く、あるいは吸入空気量Qが少ない
領域においては、吸気リリーフ弁235は開かれており、
排気洩らし弁230が開くことによってセカンダリターボ
過給機206の予回転が行われる。そして、エンジン回転
数がR2あるいは吸入空気量がQ2のラインに達すると、吸
気リリーフ弁235制御用のソレノイド式三方弁243がONに
なって吸気リリーフ弁235が閉じられ、その後、排気カ
ット弁223が開くまでの間、セカンダリ側ブロア213下流
の圧力が上昇する。そして、Q4−R4のラインに達する
と、排気カット弁223制御用のソレノイド式三方弁240が
ONになって排気カット弁223が開き、次いで、Q6−R6ラ
インに達し、吸気カット弁232制御用のソレノイド式三
方弁238がONになって吸気カット弁232が開くことにより
セカンダリターボ過給機206による過給が始まる。つま
り、このQ6−R6ラインを境にプライマリとセカンダリの
両過給機による過給領域に入る。尚、吸気カット弁232
を駆動するアクチュエータ233はソレノイド238の作動の
みに支配されるものではなく、吸気カット弁232を開作
動させる圧力源である大気圧が差圧検出弁250を介して
供給されるため、吸気カット弁232の実際の開作動はソ
レノイド238の作動に対し遅れることになる。したがっ
て、吸気カット弁232制御用ソレノイド238をOFFからON
にする上記Q6,R6のラインは差圧検出弁250による遅れを
考慮した設定とされ、その結果、Q6,R6のラインは排気
カット弁223制御用ソレノイド240がOFFからONになるQ4,
R4のラインに近接したものとされる。また、これらQ6,R
6とQ4,R4は一致させることもできる。
逆に、高吸入空気量側から低吸入空気量側へ移行する
時には、吸気カット弁232、排気カット弁223および吸気
リリーフ弁235を制御する各ソレノイド式三方弁238,24
0,243はヒステリシスをもって、第10図に破線で示すよ
うにそれぞれQ5−R5,Q3−R3,Q1−R1のラインで切り換わ
るよう設定されている。すなわち、高吸入空気量側から
低吸入空気量側へ移行する時、Q3,R3のラインに達する
と排気カット弁223の閉制御が行われ、さらに低吸入空
気量側に移行してQ5,R5のラインに達したとき吸気カッ
ト弁232の閉制御が行われ、それより遅れて吸気リリー
フ弁235の開制御が行われる。このように吸気カット弁2
32が排気カット弁223より遅れて閉じることにより、低
吸入空気量域への変遷時におけるサージングの発生が防
止される。
また、この実施例においてウエストゲート弁227制御
用のソレノイド式三方弁245をON,OFFするラインは排気
カット弁223制御用ソレノイド240のON,OFFラインである
Q4−R4,Q3−R3の各ラインと一致させている。なお、第1
0図において上記各ラインの折れた部分は、所謂ノーロ
ードラインもしくはロードロードライン上にある。
したがって、上記実施例においては、エンジンがライ
ンQ6−R6よりも低吸入空気量側にあるときにはセカンダ
リターボ過給機206への排気の導入が停止されるので、
プライマリターボ過給機204のみが作動して高い過給圧
が立上がり良く得られる。一方、エンジンが上記ライン
Q6−R6よりも高吸入空気量側にあるときにはプライマリ
ターボ過給機204およびセカンダリターボ過給機206の双
方が作動して吸気流量を確保しながら適正な過給圧が得
られることになる。
第11図は、上記第3図の特性図に基づいて各弁のソレ
ノイド作動状態を運転状態の変遷(横軸左方が低吸入空
気量側、右方が高吸入空気量側)との関係で見たもので
ある。この図からも判るように、排気カット弁223開閉
作動のヒステリシスは吸気カット弁232開閉作動のヒス
テリシスに完全に包含されている。なお、吸気カット弁
232制御用ソレノイド238がQ6,R6でONとなっても、差圧
検出弁250の作用によって、実際の吸気カット弁232の開
作動は同図に破線で示すように遅れる。したがって、こ
のQ6,R6は、上述のように排気カット弁223開制御のQ4,R
4と近接したラインあるいは同一ラインとされる。一
方、吸気カット弁232の閉作動の方は、ソレノイド238の
作動に対し上記のような遅れを伴わないので、その設定
ラインであるQ5,R5はQ5<Q3,R5<R3とする必要がある。
次に、上記排気手段の作動を説明する。第10図におい
て、R10−Q10−r10およびR20−Q20−r20のラインは、第
1消音器65の切替弁操作用アクチュエータ74に接続され
た三方弁255の作動切替ラインであり、R30−Q30−r30お
よびR40−Q40−r40のラインは、第2消音器65の切替弁
操作用アクチュエータ74に接続された三方弁256の作動
切替ラインである。すなわち、低吸入空気量側から高吸
入空気量側に移行する時、エンジン回転数Rが低く、あ
るいは吸入空気量Qが少ない領域においては、第1およ
び第2消音器65,65の切替弁73,73は共に閉じており、排
気手段の排気モードは、排気抵抗が“大”の排気モード
になっている。そして、R20−Q20−r20のラインに達す
ると、第1消音器65の切替弁73が開いて、排気抵抗が
“中”の排気モードになる。さらに、R40−Q40−r40の
ラインに達すると、第2消音器65の切替弁73も開いて、
排気抵抗が“小”の排気モードになる。
逆に、高吸入空気量側から低吸入空気量側に移行する
時には、三方弁255,256はヒステリシスをもって、それ
ぞれR10−Q10−r10およびR30−Q30−r30のラインで切り
替わる。すなわち、高吸入空気量側から低吸入空気量側
に移行する時、R30−Q30−r30のラインに達すると、第
2消音器65の切替弁73が閉じて、排気手段の排気モード
は排気抵抗が“小”の排気モードから“中”の排気モー
ドになる。さらに、R10−Q10−r10のラインに達する
と、第1消音器65の切替弁73も閉じて、排気抵抗が
“大”の排気モードになる。
そして、上記吸気カット弁232、排気カット弁223およ
び吸気リリーフ弁235を制御する各ソレノイド式三方弁2
38,240,243の切替ラインは、第1消音器65の三方弁255
の作動切替ライン、R10−Q10−r10およびR20−Q20−r20
よりも高流量側に設定されている。このことにより、セ
カンダリターボ過給機32の作動が停止する運転領域にお
いて排気手段が、排気抵抗が“大”の排気モードから排
気抵抗が“中”の排気モードに変更されて排気抵抗が小
さくなり、効率が高く維持されながら常用のプライマリ
ターボ過給機31によって過給する運転領域が拡大され
る。よって、排気カット弁41の作動頻度およびセカンダ
リターボ過給機32が作動/停止を繰り返す頻度が少なく
なって排気制御装置の信頼性が向上する。
しかも、排気洩らし弁230は排気カット弁223が開く運
転領域よりも低流量側で開くので、セカンダリターボ過
給機206の作動が停止する運転領域において排気洩らし
弁230が開いて排気抵抗が小さくなり、効率が高く維持
されながらプライマリターボ過給機204によって過給す
る運転領域が拡大される。このことによっても、排気カ
ット弁223の作動頻度およびセカンダリターボ過給機206
が作動/停止を繰り返す頻度が少なくなって排気制御装
置の信頼性が向上することになる。
また、排気モードを排気抵抗が大、中、小の排気モー
ドとしたので、プライマリターボ過給機31によって過給
する運転領域の拡大化と排気音の低減とを両立できる。
さらに、排気抵抗が“大”の排気モードから排気抵抗
が“中”の排気モードへの切り換えラインを、排気洩ら
し弁230の開閉切り換えラインと排気カット弁223の開閉
切り換えラインとの間に設定したので、排気洩らしによ
るセカンダリターボ過給機32の予回転領域を充分に確保
できるとともに、排気音の低減領域を広くできる。
つぎに、第10図の特性に基づいた各弁の制御を第11図
の制御回路によって説明する。吸気リリーフ弁作動用ソ
レノイド243は、図の最上位に示す第1の比較回路111の
出力とその下に示す第2の比較回路112の出力とを入力
とする第1のOR回路121の出力によって制御される。こ
こで、第1の比較回路111は、エアフローメータ221の検
出信号である吸入空気量Qと基準値である第1の加算回
路131の出力値とを比較するものである。そして、上記
第1の加算回路131は、第3図のQ1ラインに相当する設
定値Q1が入力され、また、このQ1に対するQ′という
値(ただし、Q1+Q′=Q2)が第1のゲート141を介
して入力されるよう構成されていて、第1のゲート141
が開かれたときはQ1+Q′=Q2を基準値として第1の
比較回路111に出力し、また、第1のゲート141が閉じら
れたときにはQ1を基準値として第1の比較回路111に出
力する。そして、この第1のゲート141は上記第1のOR
回路121の出力によって開閉される。
第2の比較回路112は、エンジン回転数センサによっ
て検出したエンジン回転数Rを基準値である第2の加算
回路132の出力値とを比較するものである。第2の加算
回路132は、第10図のR1ラインに相当する設定値R1が入
力され、また、このR1に対するR′という値(ただ
し、R1+R′=R2)が第2のゲート142を介して入力
されるよう構成されていて、第2のゲート142が開かれ
たときはR1+R′=R2を基準値として第2の比較回路
112に出力し、また、第2のゲート142が閉じられたとき
にはR1を基準値として第2の比較回路112に出力する。
第2のゲート142もまた上記第1のOR回路121の出力によ
って開閉される。
上記第1および第2の比較回路111,112は、検出され
た吸入空気量Qおよびエンジン回転数Rを第1および第
2の加算回路の出力であるそれぞれの基準値と比較し、
QあるいはRが基準値以上となったときにON信号を吸気
リリーフ弁作動用ソレノイド243に出力する(ONで吸気
リリーフ弁235は閉じる)。第1および第2のゲート14
1,142は、第1のOR回路121の出力信号がONのとき閉じら
れており、OR回路信号がOFFのとき開かれる。したがっ
て、低吸入空気量域から高吸入空気量側への変遷時に
は、第1のOR回路121の出力信号はOFFであるので、各ゲ
ート1141,142は開かれ第1および第2の比較回路111,11
2に基準値としてQ2,R2が入力される。したがって、第3
図でQ2,R2のラインに達した時にON信号が出され吸気リ
リーフ弁235が開かれる。また、このON信号によって第
1および第2のゲート141,142が閉じられ、それによ
り、QおよびRの基準値がそれぞれQ1,R1となる。つま
り、Q′1,R′に相当するヒステリシスをもって逆方
向への変遷に備えたライン設定がなされる。
排気カット弁作動用ソレノイド240もまた、同様の制
御回路によって制御される。つまり、吸入空気量Qに対
して第3の比較回路113が、また、エンジン回転数Rに
対して第4の比較回路114が設けられ、これらの比較回
路113,114の出力が第2のOR介路122を介してソレノイド
240に送られる。第3の比較回路113に対しては第3の加
算回路133が、また、第4の比較回路114に対しては第4
の加算回路134が同様に設けられる。そして、第3の加
算回路133には、設定値Q3が入力され、また、第3のゲ
ート143を介してQ′(ただしQ3+Q′=Q4)が入
力される。同様に、第4の加算回路134には、設定値R3
と、第4のゲート144を介するR′(ただしR3+R′
=R4)が入力される。同様に、第4の加算回路134に
は、設定値R3と、第4のゲート144を介するR′(た
だし、R3+R′=R4)が入力される。この回路は上記
第1および第2比較回路の場合と同様に作動し、それに
より、高吸入空気量側への変遷時には第10図のQ4,R4
インを基準として排気カット弁223が開作動され、ま
た、低吸入空気量側への変遷時にはQ3,R3ラインによっ
て弁223が閉作動される。また、ウエストゲート弁作動
用ソレノイド245もまた、この排気カット弁作動用ソレ
ノイド240へ出力される制御信号によって同時に制御さ
れる。
吸気カット弁作動用ソレノイド238に対しては、第5
および第6の比較回路115,116の出力を第3のOR回路123
を介して供給する同様の制御回路が設けられている。こ
の制御回路は、それぞれの比較回路115,116に対し第5
および第6の加算回路135,136を有し、また、各加算回
路135,136に対して第5および第6のゲート145,146を備
えている。そして、基本的な作動は上記各弁に対する回
路と差異がない。つまり、高吸入空気量側への変遷時に
はQ6,R6のラインによる吸気カット弁開制御が行われ、
低吸入空気量側への変遷時にはQ5,R5のラインによる吸
気カット弁閉制御が行われる。ここで、Q6およびR6は同
様にQ5+Q′=Q6,R5+R′=R6の形で設定され
る。
ただし、この吸気カット弁制御の回路の場合には、上
記第3のOR回路123の出力側に第7のゲート147が接続さ
れ、ソレノイド238へはこのゲート147を介して制御信号
が送られる。そして、排気カット弁作動用の上記第2の
OR回路122の出力がONからOFFに変った時を起点としてカ
ウントアップを開始するタイマ150が設けられ、また、
このタイマ150のカウント値が設定値(例えば2秒に相
当する値)を越えたらON信号を発する第7の比較回路11
7が設けられて、この第7の比較回路117からON信号が出
力されたとき、上記第7のゲート147を閉じて吸気カッ
ト弁32を強制的に閉作動させ、同時にQ,Rの基準値をQ6,
R6に変更し、また、タイマ150をリセットするよう構成
されている。一旦第7のゲート147が閉じると、上記第
7の比較回路117の出力はOFFとなるが、上記のように切
り換えラインである基準値が上記のようにQ6,R6へ変更
されているので、吸気カット弁作動用ソレノイド238は
閉作動状態に保持される。これにより、低吸入空気量域
への変遷時に、第8図に示す排気カット弁ソレノイド23
8がOFF状態で吸気カット弁ソレノイド240がON状態が長
くつづくことによるサージングの発生が防がれる。
さらに、第1消音器65の切替弁作動用ソレノイド255
は、比較回路161の出力と比較回路162の出力とを入力と
するAND回路124の出力と、比較回路163の出力とを入力
とするOR回路125の出力によって制御される。ここで、
比較回路161は、エアフローメータ221の検出信号である
吸入空気量Qと基準値である加算回路171の出力値とを
比較するものである。そして、上記加算回路171は、第1
0図のQ10ラインに相当する設定値Q10が入力され、ま
た、このQ10に対するQ′10という値(ただし、Q10
Q′10=Q20)がゲート181を介して入力されるよう構成
されていて、ゲート181が開かれたときはQ10+Q′10
Q20を基準値として比較回路161に出力し、また、ゲート
181が閉じられたときにはQ10を基準値として比較回路16
1に出力する。そして、このゲート181は上記OR回路125
の出力によって開閉される。
次の比較回路162は、エンジン回転数センサによって
検出したエンジン回転数Rを基準値である加算回路172
の出力値とを比較するものである。加算回路172は、第1
0図のR10ラインに相当する設定値R10が入力され、ま
た、このR10に対するR′10という値(ただし、R10
R′10=R20)がゲート182を介して入力されるよう構成
されていて、ゲート182が開かれたときはR10+R′10
R20を基準値として比較回路162に出力し、またゲート18
2が閉じられたときにはR10を基準値として比較回路162
に出力する。ゲート182もまた上記OR回路125の出力によ
って開閉される。
その次の比較回路163は、エンジン回転数センサによ
って検出したエンジン回転数Rを基準値である加算回路
173の出力値とを比較するものである。加算回路173は、
第10図のr10ラインに相当する設定値r10が入力され、ま
た、このr10に対するr′10という値(ただし、r10
r′10=r20)がゲート183を介して入力されるよう構成
されていて、ゲート183が開かれたときはr10+r′10
r20を基準値として比較回路163に出力し、また、ゲート
183が閉じられたときにはr10を基準値として比較回路16
3に出力する。ゲート183もまた上記OR回路125の出力に
よって開閉される。
上記三つの比較回路161,162,163は、検出された吸入
空気量Qおよびエンジン回転数Rを加算回路171,172,17
3の出力であるそれぞれの基準値と比較し、Qあるいは
Rが基準値以上となったときにON信号を第1消音器65の
切替弁作動用ソレノイド255に出力する(ONで切替弁73
は開く)。三つのゲート181,182,183は、OR回路125の出
力信号がONのとき閉じられており、OR回路信号がOFFの
とき開かれる。したがって、低吸入空気量域から高吸入
空気量側への変遷時には、OR回路125の出力信号はOFFで
あるので、各ゲート181,182,183は開かれ、比較回路16
1,162,163に基準値としてQ20,R20,r20が入力される。し
たがって、第10図でQ20,R20,r20のラインに達した時にO
N信号が出され、第1消音器65の切替弁73が開かれる。
また、このON信号によってゲート181,182,183が開じら
れ、それにより、Q,Rおよびrの基準値がそれぞれQ10,R
10,r10になる。つまり、Q′10,R′10,r′10に相当する
ヒステリシスをもって逆方向への変遷に備えたライン設
定がなされる。
さらに、第2消音器65の切替弁作動用ソレノイド256
は、比較回路164の出力と比較回路165の出力とを入力と
するAND回路126の出力と、比較回路166の出力とを入力
とするOR回路127の出力によって制御される。ここで、
比較回路164は、エアフローメータ221の検出信号である
吸入空気量Qと基準値である加算回路174の出力値とを
比較するものである。そして、上記加算回路174は、第1
0図のQ30ラインに相当する設定値Q30が入力され、ま
た、このQ30に対するQ′20という値(ただし、Q30
Q′20=Q40)がゲート184を介して入力されるよう構成
されていて、ゲート184が開かれたときはQ30+Q′20
Q40を基準値として比較回路164に出力し、また、ゲート
184が閉じられたときにはQ30を基準値として比較回路16
4に出力する。そして、このゲート184は上記OR回路127
の出力によって開閉される。
次の比較回路165は、エンジン回転数センサによって
検出したエンジン回転数Rを基準値である加算回路175
の出力値とを比較するものである。加算回路175は、第1
0図のR30ラインに相当する設定値R30が入力され、ま
た、このR30に対するR′20という値(ただし、R30
R′20=R40)がゲート185を介して入力されるよう構成
されていて、ゲート185が開かれたときはR30+R′20
R40を基準値として比較回路165に出力し、また、ゲート
185が閉じられたときにはR30を基準値として比較回路16
5に出力する。ゲート185もまた上記OR回路127の出力に
よって開閉される。
その次の比較回路166は、エンジン回転数センサによ
って検出したエンジン回転数Rを基準値である加算回路
176の出力値とを比較するものである。加算回路176は、
第10図のr30ラインに相当する設定値r30が入力され、ま
た、このr30に対するr′20という値(ただし、r30
r′20=r40)がゲート186を介して入力されるよう構成
されていて、ゲート186が開かれたときはr30+r′20
r40を基準値として比較回路166に出力し、また、ゲート
186が閉じられたときにはr30を基準値として比較回路16
6に出力する。ゲート186もまた上記OR回路127の出力に
よって開閉される。
上記三つの比較回路164,165,166は、検出された吸入
空気量Qおよびエンジン回転数Rを加算回路174,175,17
6の出力であるそれぞれの基準値と比較し、Qあるいは
Rが基準値以上となったときにON信号を第1消音器65の
切替弁作動用ソレノイド256に出力する(ONで切替弁73
は開く)。三つのゲート184,185,186は、OR回路127の出
力信号がONのとき閉じられており、OR回路信号がOFFの
とき開かれる。したがって、低吸入空気量域から高吸入
空気量側への変遷時には、OR回路127の出力信号はOFFで
あるので、各ゲート184,185,186は開かれ、比較回路16
4,165,166に基準値としてQ40,R40,r40が入力される。し
たがって、第10図でQ40,R40,r40のラインに達した時にO
N信号が出され、第1消音器65の切替弁73が開かれる。
また、このON信号によってゲート184,185,186が閉じら
れ、それにより、Q,Rおよびrの基準値がそれぞれQ30,R
30,r30になる。つまり、Q′20,R′20,r′20に相当する
ヒステリシスをもって逆方向への変遷に備えたライン設
定がなされる。
上記制御回路において、エアフローメータおよびエン
ジン回転数センサにより、排気ガスの流量に関連する信
号を検出する排気ガス流量検出手段301を構成してい
る。また、比較回路111〜116からOR回路121〜123に至る
回路により、排気ガス流量検出手段301の出力を受け、
排気ガス流量が第1設定値よりも少ないときに一部の排
気ターボ過給機206の作動が停止するように上記排気カ
ット弁223を閉じる過給機制御手段302を構成している。
さらに、比較回路161〜166からOR回路125,127に至る回
路により、排気ガス流量検出手段301の出力を受け、排
気ガス流量が第2設定値よりも多いときには排気抵抗の
小さい排気モード(可変抵抗式消音器65の主通路67およ
び副通路70での排気)に変更し、排気ガス流量が第2設
定値よりも少ないときには排気抵抗の大きい排気モード
(可変抵抗式消音器65の主通路67のみでの排気)に変更
するように上記排気手段としての可変抵抗式消音器65,6
5を制御する排気制御手段303を構成している。
尚、第1および第2実施例では一つの消音器65の中に
主通路67と副通路70とを設けて可変抵抗式消音器にした
が、排気抵抗の異なる二つ又はそれ以上の消音器を設
け、これらにより排気手段を構成してもよい。さらに、
排気手段としては消音器に限定されるものではなく、他
の排気系部材でもよい。
また、上記第1〜第3実施例ではロータリピストンエ
ンジンについて説明したが、これに限定されるものでは
なく、本発明は例えばレシプロエンジン等、他のタイプ
のエンジンの排気制御装置についても適用することがで
きる。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項1の発明の排気ターボ過
給機付エンジンの排気制御装置によれば、排気ガス流量
が第1設定値よりも少ないときに一部の排気ターボ過給
機の作動を停止させるとともに、排気ガス流量が第2設
定値よりも多いときには排気抵抗の小さい排気手段によ
る排気の排出モードに、排気ガス流量が第2設定値より
も少ないときには排気抵抗の大きい排気手段による排気
の排出モードにそれぞれ切替え、且つ上記第1設定値を
第2設定値よりも高流量側に設定したので、エンジンの
全運転領域で吸気を適正に過給でき且つ排気音を下げる
ことができる等の基本的効果を得ながら、常用の排気タ
ーボ過給機によって過給する運転領域が拡大して、排気
カット弁の作動頻度および排気ターボ過給機が作動/停
止を繰り返す頻度が少なくなり、排気制御装置の信頼性
を向上させることができるものである。
ここで、請求項2の発明によれば、排気手段として、
排気通路に配設され、運転状態に応じて排気通路の抵抗
を変化させる制御弁を備えた可変抵抗式の消音器を用い
たので、排気音を確実に下げることができる。
また、請求項3の発明によれば、複数の排気ターボ過
給機の各コンプレッサを、エンジンに対して並列に設け
且つ排気ターボ過給機と同数の吸気通路にそれぞれ設け
たので、低流量側では高い過給圧を確保できる一方、高
流量側では吸気流量を確保しながら適正な過給圧が得ら
れる。
さらに、請求項4の発明によれば、一部の排気ターボ
過給機の吸気通路に、この一部の排気ターボ過給機の作
動停止時に閉じる吸気カット弁を設けたので、この排気
ターボ過給機の吸気通路における吸気の逆流を防止する
ことができる。
また、請求項5の発明によれば、排気洩らし弁を備
え、排気制御手段における第2設定値を上記排気洩らし
弁が開く運転領域よりも低流量側に設定したので、排気
制御装置の信頼性が更に向上する。
さらに、請求項6の発明によれば、排気モードを排気
抵抗が大、中、小の排気モードとし、排気ガス流量が第
2設定値よりも多いときには中の排気モードに変更し、
排気ガス流量が第2設定値よりも少ないときには大の排
気モードに変更したので、常用の排気ターボ過給機によ
って過給する運転領域の拡大化による排気制御装置の信
頼性向上と排気音の低減とを両立できる。
加えて、請求項7の発明によれば、一部の排気ターボ
過給機の作動が停止する特定運転領域内において、可変
抵抗式消音器の排気抵抗を可変制御する制御弁を閉弁か
ら開作動させるようにしたので、排気抵抗を小さくし
て、効率を高く維持しながら常用の排気ターボ過給機に
よって過給する運転領域を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を例示し、第1図は本発明の構成
を示すブロック図である。第2図〜第5図は第1実施例
を示し、第2図は全体概略構成図、第3図は消音器を示
す断面図、第4図はコントロールユニットの作動制御を
示すフローチャート図、第5図は低速領域およびT/Cカ
ット領域を示す説明図である。また、第6図は第2実施
例の排気系を示す平面図、第7図は第2実施例における
排気通路の第2排気ターボ過給機への接続フランジを示
す側面図である。さらに、第8図〜第11図は第3実施例
を示し、第8図は全体概略構成図、第9図は差圧検出弁
の断面図、第10図は装置の作動状態説明図、第11図は制
御回路である。 31,31′……第1排気ターボ過給機 32,32′……第2排気ターボ過給機 41,41′……排気カット弁 65……排気手段 91……排気ガス流量検出手段 92……過給機制御手段 93……排気制御手段 204……プライマリターボ過給機 206……セカンダリターボ過給機 223……排気カット弁 301……排気ガス流量検出手段 302……過給機制御手段 303……排気制御手段
フロントページの続き (72)発明者 田島 誠司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−40416(JP,A) 特開 昭59−134326(JP,A) 特開 昭63−277818(JP,A) 特開 昭59−74325(JP,A) 特開 平1−110821(JP,A) 特開 平1−195920(JP,A) 実開 昭63−112217(JP,U) 実開 昭60−178329(JP,U) 実開 昭63−54829(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 33/00 - 39/16 F01N 1/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンに対して並列に設けられた排気通
    路にタービンがそれぞれ設けられた複数の排気ターボ過
    給機と、一部の排気ターボ過給機の排気通路に設けられ
    た排気カット弁と、排気ガスの流量に関連する信号を検
    出する排気ガス流量検出手段と、該排気ガス流量検出手
    段の出力を受け、排気ガス流量が第1設定値よりも少な
    いときに一部の排気ターボ過給機の作動が停止するよう
    に上記排気カット弁を閉じる過給機制御手段と、少なく
    とも上記一部の排気ターボ過給機以外の排気ターボ過給
    機の排気通路に設けられ且つ排気抵抗の異なる複数の排
    気モードを有する排気手段と、上記排気ガス流量検出手
    段の出力を受け、排気ガス流量が第2設定値よりも多い
    ときには排気抵抗の小さい排気モードに変更し、排気ガ
    ス流量が第2設定値よりも少ないときには排気抵抗の大
    きい排気モードに変更するように排気手段を制御する排
    気制御手段とを備えるとともに、上記過給機制御手段に
    おける第1設定値を排気制御手段における第2設定値よ
    りも高流量側に設定したことを特徴とする排気ターボ過
    給機付エンジンの排気制御装置。
  2. 【請求項2】排気手段は、排気通路に配設され、運転状
    態に応じて排気通路の抵抗を変化させる制御弁を備えた
    可変抵抗式の消音器である請求項(1)記載の排気ター
    ボ過給機付エンジンの排気制御装置。
  3. 【請求項3】複数の排気ターボ過給機の各コンプレッサ
    は、エンジンに対して並列に設けられ且つ排気ターボ過
    給機と同数の吸気通路にそれぞれ設けられている請求項
    (1)記載の排気ターボ過給機付エンジンの排気制御装
    置。
  4. 【請求項4】一部の排気ターボ過給機の吸気通路には、
    この一部の排気ターボ過給機の作動停止時に閉じる吸気
    カット弁が設けられている請求項(3)記載の排気ター
    ボ過給機付エンジンの排気制御装置。
  5. 【請求項5】一部の排気ターボ過給機のタービンに排気
    を洩らすための排気洩らし通路に設けられ且つ排気カッ
    ト弁が開く運転領域よりも低流量側で開く排気洩らし弁
    を備え、排気制御手段における第2設定値を上記排気洩
    らし弁が開く運転領域よりも低流量側に設定した請求項
    (1)記載の排気ターボ過給機付エンジンの排気制御装
    置。
  6. 【請求項6】排気手段の複数の排気モードは、排気抵抗
    が大、中、小の排気モードであり、排気制御手段は、排
    気ガス流量検出手段の出力を受け、排気ガス流量が第2
    設定値よりも多いときには中の排気モードに変更し排気
    ガス流量が第2設定値よりも少ないときには大の排気モ
    ードに変更するように排気手段を制御するものである請
    求項(1)記載の排気ターボ過給機付エンジンの排気制
    御装置。
  7. 【請求項7】エンジンの特定運転領域で複数の排気ター
    ボ過給機のうち一部の排気ターボ過給機の作動が停止
    し、他の排気ターボ過給機が作動する一方、上記特定運
    転領域以外で全ての排気ターボ過給機が作動するように
    した排気ターボ過給機付エンジンにおいて、 上記排気ターボ過給機下流の排気通路に配置され、該排
    気通路に設けられた制御弁の開閉作動により排気抵抗を
    可変にする可変抵抗式の消音器を設け、 上記特定運転領域内において上記制御弁を閉弁状態から
    開作動するように設定したことを特徴とする排気ターボ
    過給機付エンジンの排気制御装置。
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