JP2779935B2 - 磁気カード用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

磁気カード用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気カード用マグネトプランバイト型フェ
ライト粒子粉末及びその製造法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来から、磁気カード用磁性材料としてマグネトプラ
ンバイト型フェライト粒子粉末が使用されている。マグ
ネトプランバイト型フェライト粒子粉末は、バリウム、
ストロンチウム及び鉛からなる群より選ばれた少なくと
も1種の金属元素の化合物と酸化物とを所定のモル比に
なるよう混合配合し、焼成、粉砕するという製法によっ
て得られるものであり、従前は主にモーター、発電機等
の励磁界用磁石材料等永久磁石材料として用いられてい
たが、最近では、その高保磁力に着目して粒度調整を施
した上で、磁気カード用の磁性材料として使用されてい
る。 近年、各種交通切符、クレジットカード等の磁気カー
ド応用製品の普及は目覚ましく、磁気カード応用製品に
対する高記録密度化の要求が益々高まってきている。 磁気カードの高記録密度化の条件、即ち、所望の保磁
力を有し、且つ角型比が高く、しかも塗膜の表面性が優
れているという条件を備えた磁気カードを得るために
は、磁性材料として使用される磁性粉末の粒度分布が狭
く、適度の粒子サイズを有し、配向性が優れ、しかも吸
油量が少ないことが必要である。 磁気カードの角型比は、磁性粉末の粒度分布、粒子サ
イズ及び配向性に影響を受け、特に配向性の影響は大き
く、磁性粉末の配向性が向上する程高くなる傾向にある
とされている。 この現象は、、例えば日経エレクトロニクス(日経マ
グロウヒル社発行)1976.5.3第85頁の「角型比が高くす
るには、粒子の大きさが揃っており、針状比が大きく、
磁場配向性に優れている磁性粉が有利である。」なる記
載から明らかである。 この関係は、粒子形状が不定形のマグネトプランバイ
ト型フェライト粒子粉末についても同様に言えることな
のである。 また、磁気カードの角型比は、磁性粉末の吸油量にも
影響を受ける。特に磁性塗料作製時、吸油量の多い磁性
粉末においてはバインダー及び溶剤の吸着量が多く、磁
性粒子、バインダー及び溶剤の強固且つ安定した集合体
を形成し、この集合体は粉砕分散することが困難である
ため、磁性粉末の高分散させた良好な磁性塗料が得られ
ず、しかもこの磁性塗料を塗布した磁気カードの角型比
は低下する傾向にある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 現在、磁気カード用として用いられているマグネトプ
ランバイト型フェライト粒子粉末は、粒子サイズが0.8
μm程度、配向度が0.75〜0.90程度のものであり、これ
を磁気カード用の磁性材料として使用した場合、磁気カ
ードの角型比は0.70〜0.80程度のものとなっている。も
っとも高い角型比を有した磁気カードを得る為の対応策
として、ボンド磁石用に用いられているフェライト粒子
粉末を使用して角型比の高い磁気カードを得ようと検討
されてはいるが、この場合には用いる磁性粉末の吸油量
は少ないが粒子サイズが1〜1.5μm程度と大きく、カ
ード表面に塗布した時、表面性の悪い塗膜となり、高記
録密度の磁気カードを得ることは困難である。また、磁
気カード用の磁性材料として平均粒径0.7〜0.9μm程度
のマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末も使用さ
れてはいるが、周知の通り、加熱焼成→粉砕して製造さ
れる従来のマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末
は粗大粒子と超微粒子とが混在している所謂粒度分布の
広いものであり、このような磁性粉末を磁気カード用の
磁性材料として使用した場合、結果的には角型比が低
く、しかも表面性の悪い磁気カードしか得られなかった
のである。他方、最近、用途によって保磁力の小さい磁
気カードも要求されており、この要求を満たす磁気カー
ドの磁性材料に、従来から保磁力低減下の為にTi、Co、
Zn等の金属元素が含有しているマグネトプランバント型
フェライト粒子粉末が使用されている。この場合、保磁
力低減下の為のTi、Co、Zn等が含有されていることによ
り、必然的に保磁力の低下は認められるものの同時に角
型比も低下するという欠点が生じ、高記録密度の磁気カ
ードとは言い難いものとなってしまうのである。 〔問題点を解決する為の手段〕 本発明者は、マグネトプランバイト型フェライト粒子
粉末を高記録密度の磁気カード用の磁性材料として用い
るに当たり、適当な保磁力である500〜5000Oeの範囲の
保磁力を得ると同時に、表面性が優れ、且つ角型比の高
い磁気カードを得るために、粒度分布が狭く、表面性に
悪影響を与えない適度の粒子サイズを有し、配向性が優
れ、しかも吸油量の少ないマグネトプランバイト型フェ
ライト粒子粉末を探究して来た。その探究過程におい
て、適度の粒子サイズを得る方法及び各種添加剤の作用
効果について検討を重ねた結果、Al2O3、SiO2及びBaCl2
を組合わせたものの所定量を焼成前のバリウム又は/及
びストロンチウムの化合物とフィッシャサブシーブサイ
ザー法による平均粒径0.20〜0.60μmのFe3O4粒子との
混合物に添加することにより高記録密度の磁気カード用
磁性材料として好適な粒度分布が狭く、適度の粒子サイ
ズを有し、配向性が優れ、しかも吸油量の少ないマグネ
トプランバイト型フェライト粒子粉末が得られることを
見出し、本発明を完成するに至ったのである。 即ち、本発明は、フィッシャーサブシーブサイザー法
による平均粒径が0.20〜0.70μm、配向度が0.92以上
で、且つ吸油量が14.0μm/100g以下であり、Al2O3及びS
iO2を含有している磁気カード用のマグネトプランバイ
ト型フェライト(Fe2O3/MO(M:Ba又は/及びSr)=5.6
〜6.1)粒子粉末及びバリウム又は/及びストロンチウ
ムの化合物と酸化鉄との混合物を焼成、粉砕する工程か
ら成るモル比Fe2O3/MO(M:Ba又は/及びSr)=5.6〜6.1
の組成を有した磁気カード用マグネトプランバイト型フ
ェライト粒子粉末の製造法において、バリウム又は/及
びストロンチウムの化合物と酸化鉄とのフィッシャーサ
ブシーブサイザー法による平均粒径0.20〜0.60μmのFe
3O4粒子との混合物にFe3O4粒子(Fe2O3換算)に対して
0.05〜3.00重量%のAl2O3、0.10〜3.00重量%のSiO2
び0.95〜25.00重量%のBaCl2を添加混合した後、800〜1
100℃の温度範囲で焼成し、次いで粉砕してフィッシャ
ーサブシーブサイザー法による平均粒径が0.20〜0.70μ
m、配向度(Br/4πIs)が0.92以上で、且つ吸油量が1
4.0ml/100g以下であり、Al2O3及びSiO2を含有している
マグネトプランバイト型フェライト(Fe2O3/MO(M:Ba又
は/及びSr)=5.6〜6.1)粒子粉末を得ることを特徴と
する磁気カード用マグネトプランバイト型フェライト粒
子粉末の製造法である。 〔作用〕 先ず、本発明に係る磁気カード用マグネトプランバイ
ト型フェライト粒子粉末は、フィッシャーサブシーブサ
イザー法による平均粒径が0.20〜0.70μm、配向度(Br
/4πIs)が0.92以上で、且つ吸油量が14.0ml/100g以下
であり、Al2O3及びSiO2を含有しているフェライト粒子
粉末からなり、その配向度の大きさ及び少ない吸油量に
応じてこれを用いた磁気カードの角型比も向上し、ま
た、粒度分布が狭く、適度の粒子サイズを有している
為、表面性の優れた高記録密度の磁気カード用の磁気材
料として好適である。 次に、本発明実施にあたっての諸条件について説明す
る。 本発明におけるマグネトプランバイト型フェライト粒
子粉末の組成は、Fe2O3/MO(M:Ba又は/及びSr)のモル
比を5.6〜6.1の範囲にする必要がある。この範囲外では
磁気特性、殊に飽和磁化が極端に低くなり磁気カード用
の磁性粉末として実用上望ましくない。 平均粒径は、フィッシャーサブシーブサイザー法によ
る測定で0.20〜0.70μmの範囲の大きさにする必要があ
る。0.20μm未満の場合、角型比の低い磁気カードとな
り、0.70μmを越える場合には表面性の悪い塗膜を有し
た磁気カードが得られ、高記録密度の磁気カード用には
適さないものとなる。角型比を考慮すれば、0.30μmを
越え、0.70μm以下が好ましい。 配向度(Br/4πIs)は、マグネトプランバイト型フェ
ライト粒子粉末110g、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂)「エバフレックス410」(商品名、三井ポリケ
ミカル(株)製)15g及びステアリン酸亜鉛0.5gを混合
した後、80℃に加熱して混練し、次いて、冷却固化した
後、粉砕し、更に、該粉砕物の所定の金型に投入し加熱
溶解して10000Oeの磁場を印可した後、冷却固化して得
た成形測定試料を15KOeの磁場で測定し、0.92以上とす
る必要がある。0.92未満の配向度を有したフェライト粒
子粉末を磁気カードの磁性材料として使用した場合、角
型比の低い磁気カードが得られ好ましくない。 本発明におけるマグネトプランバイト型フェライト粒
子粉末の吸油量は14.0ml/100g以下、好ましくは10.0〜1
3.5ml/100gである。吸油量が14.0ml/100gを越える場
合、磁性塗料作製時においてバインダー及び溶剤の吸着
量が多く、磁性粒子、バインダー及び溶剤の強固且つ安
定な集合体を形成し易く、この集合体は粉砕分散するこ
とが困難であるため磁性粉末を高分散させた磁性塗料が
得られないだけでなく、磁性粉末の充填度も低くなり、
角型比の低下した磁気カードより得られないため好まし
くない。 尚、本発明における吸油量とは次の測定法(JIS K−5
101(1978))によって得られた値をいう。即ち、マグ
ネトプランバイト型フェライト粒子粉末を試料として2.
5g秤量し、該試料にアマニ油を少量づつ滴下し、その都
度金属性のヘラで捏ね、ひとかたまりの軟かいペースト
を得るために必要なアマニ油の割合を吸油量(ml/100
g)とした。 本発明に於ける酸化鉄原料としては、フィッシャーサ
ブシーブサイザー法による平均粒径が0.20〜0.60μmの
Fe3O4粒子を使用する。また、該Fe3O4粒子を加熱酸化し
て得られるα−Fe2O3粒子も使用できる。 Fe3O4粒子の製法としては、硫酸第一鉄等の第一鉄塩
水溶液中の酸根に対して当量以上の塩基性物質(アルカ
リ)を添加して得たFe(OH)コロイドを含むpH10以上
の水溶液を60〜100℃の温度範囲に保持し、酸化性ガス
を通気して撹拌しながら酸化反応を行わせることによっ
て黒色沈澱を生成させ、次いで濾過、水洗し、乾燥して
Fe3O4粒子を得る製法、硫酸第一鉄等の第一鉄塩水溶液
と硫酸第二鉄等の第二鉄塩水溶液を用い、Fe2+:Fe3+
1:2となる混合水溶液を調整し、NaOH等のアルカリ水溶
液を該混合水溶液に1当量以上添加し、50〜100℃の温
度で加熱するという共沈反応によってFe3O4粒子を得る
製法。更に、Fe2+またはFe3+を含む水溶液から酸化また
は縮重合反応により得られる針状α−FeOOH粒子、或い
は該針状α−FeOOH粒子を加熱脱水、酸化して得られる
α−Fe2O3粒子を還元してFe3O4粒子を得る製法等があ
る。 フィッシャーサブシーブサイザー法による平均粒径が
0.20〜0.60μmの範囲以外のFe3O4粒子を使用した場
合、本発明の目的とするマグネトプランバイト型フェラ
イト粒子粉末が得られない。即ち、0.60μmを越えるFe
3O4粒子を酸化鉄原料として使用した場合、焼成工程に
於いてフェライト化の反応速度が極端に遅く、しかも平
均粒径の大きいフェライト粒子が得られ、このものをフ
ィルム上に塗布した場合には、表面性の悪い塗膜となり
好ましくない。 一方、0.20μm未満のFe3O4粒子を酸化鉄原料として
使用した場合、磁気カード用磁性材料として適度の粒子
サイズを有しフェライト粒子が得られるが、反面、吸油
量が多くなり好ましくない。 本発明におけるバリウム、ストロンチウムの原料とし
てはBaCO3、SrCO3が使用できるが、加熱してBaO、SrOと
なるBa化合物、Sr化合物も使用できる。 次に、本発明に於ける添加剤について説明する。 本発明に於けるAl2O3は、酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム等のアルミニウム化合物が使用できる。そ
の添加量としては、Fe3O4粒子(Fe2O3換算)に対してAl
2O3換算で0.05〜3.00重量%の間で有効である。0.05重
量%未満では本発明の目的とする効果は得られず、ま
た、3.00重量%を越えて添加した場合、生成物フェライ
トの飽和磁化が低下し、且つ配向度の低い微粒子のフェ
ライト粒子となり好ましくない。なお、添加したAl2O3
は、そのほぼ全量が生成物フェライトに含有される。 本発明に於けるSiO2の添加量としては、Fe3O4粒子(F
e2O3換算)に対して0.10〜3.00重量%の間で有効であ
る。0.10重量%未満では、その添加効果が少なく、また
焼成時結晶の異常発生が見られ粒子サイズの大きいフェ
ライト粒子となる。また、3.00重量%を越える場合、生
成物フェライトの飽和磁化が低下し、しかも配向度の低
いフェライト粒子となり好ましくない。尚、SiO2として
は二酸化ケイ素、水ガラス等が使用できる。なお、添加
したSiO2は、そのほぼ全量が生成物フェライトに含有さ
れる。 本発明に於けるBaCl2の添加量としては、Fe3O4粒子
(Fe2O3換算)に対して0.95〜25.00重量%の間で有効で
ある。0.95重量%未満の場合は、粒子間の焼結が部分的
に発生し単一粒子化が困難となる。他方、25.00重量%
を越える場合、本発明の目的とする効果は得られるが、
経済的でなく必要以上に添加する意味がない。なお、添
加したBaCl2は、生成物フェライトの水洗時に除去され
る。 尚、本発明に於ける各添加剤を添加する時期は、焼成
工程の直前が適当である。即ち、原料配合工程、焼成工
程、粉砕工程の各工程において、焼成工程の直前の工程
である原料配合の時点に添加することができる。 本発明における焼成温度範囲は、800〜1100℃の間で
あれば差支えない。800℃未満の場合、フェライト化反
応を十分に生起させることが出来ない。1100℃を越える
温度の場合には、粒子の粗大化及び粒子間相互の焼結が
生起するので好ましくない。 上記焼成温度の場合、焼成後の粉砕は例えばアトマイ
ザー、アトライター等の通常の粉砕機を使用して比較的
緩和な条件で行うことができ、特別な粉砕機や強力な粉
砕は必要でない。 〔実施例〕 次に、実施例並びに比較例により本発明を説明する。 尚、実施例、比較例に於ける平均粒径はフィッシャー
サブシーブサイザー法により測定したものであり、生成
物の構造解析にはX線を用いた。 マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の保磁力
及び配向度は、マグネトプランバイト型フェライト粒子
粉末110g EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)「エ
バフレックス410」(商品名、三井ポリケミカル(株)
製)15g及びステアリン酸亜鉛0.5gを混合した後、80℃
に加熱して混練し、次いで冷却固化した後、粉砕し、更
に該粉砕物を所定の金型に投入し加熱溶融して10000Oe
の磁場を印加した後、冷却固して得た成形測定試料に直
流BHトレーサー((株)横河電機製)を使用し、測定磁
場15KOeで測定した。また磁性塗膜シートの磁気特性は
V.S.M.で外部磁場10KOeの下で測定した値である。 実施例1 Fe2O3/BaOのモル比が5.9になるように、フィッシャー
サブシーブサイザー法による平均粒径が0.25μmのFe3O
4粒子粉末1111gと炭酸バリウム245gとを混合するに際し
て、Al2O31.76g(Fe2O3に対して0.15重量%に相当)、S
iO26.57g(Fe2O3に対して0.56重量%に相当)及びBaCl2
・2H2O 34.5g(Fe2O3に対してBaCl2換算で3.00重量%
に相当)とを複合添加し、充分混合させた後、該混合物
を1080℃で2時間焼成した。次いでこの焼成物を粉砕機
で粉砕した後、水洗し、水可溶物を除去した。得られた
粒子はX線分析の結果、マグネトプランバイト型バリウ
ムフェライト粒子であり、組成分析の結果、Fe2O3/BaO
=5.91であった。 得られたマグネトプランバイト型バリウムフェライト
粒子粉末は電子顕微鏡観察の結果、粒度分布の狭いもの
であり、フィッシャーサブシーブサイザー法により測定
した平均粒径は0.70μmで、吸油量は11.0ml/100gであ
った。また、磁気測定の結果、保磁力IHcは2700Oe、配
向度(Br/4πIs)は0.960であった。 続いて、上記のマグネトプランバイト型バリウムフェ
ライト粒子粉末を用いて、下記に示した通りの組成に配
合し、ボールミルにより8時間混合分散させ磁性塗料を
得た。 マグネトプランバイト型バリウムフェライト粒子粉末 100.0重量% 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 25.5重量% ブタジエンアクリロニトリルゴム(5:1)トルエン 83.3重量% メチルエチルケトン 138.0重量% メチルイソブチルケトン 46.0重量% レシチン 4.0重量% リン酸エステル 4.0重量% 得られた磁性塗料を20μmのポリエチレンテレフタレ
ートのフィルム上に厚さ4μmに塗布して磁場配向処理
後、乾燥して磁性塗料膜シートを作成した。得られた磁
性塗膜シートの磁気特性を測定した結果、保磁力IHc:26
80Oe、角型比は0.934であり、表面性の優れたものであ
った。 実施例2〜4、比較例1〜6; 酸化鉄原料の種類、平均粒径及び量、Ba若しくはSr化
合物の種類及び量、添加剤の種類及び量、及び焼成温度
を種々変化させた以外は、実施例1と同様にしてマグネ
トプランバイト型バリウムフェライト粒子粉末、マグネ
トプランバイト型ストロンチウムフェライト粒子粉末又
はマグネトプランバイト型バリウム−ストロンチウム複
合フェライト粒子粉末を得た。 実施例2〜4で得られたマグネトプランバイト型フェ
ライト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、いずれも粒
度分布幅の狭いものであり、適度の粒子サイズを有し、
且つ配向度(Br/4πIs)が高く、しかも吸油量が14.0ml
/100g以下のものであった。 また、得られたマグネトプランバイト型フェライト粒
子を用いて、実施例1と同様にして磁性塗膜シートを作
製した。得られた磁性塗膜シートはいずれも角型比が高
く、しかも表面性の優れたものであった。 比較例1及び3で得られたマグネトプランバイト型バ
リウムフェライト粒子粉末は、適度の吸油量を有するも
のの粒度分布が広く、しかも粒子サイズが大きいもので
あり、比較例2及び4で得られたマグネトプランバイト
型バリウムフェライト粒子粉末は、適度の粒子サイズを
有するものの粒度分布が広く、吸油量の多いものであ
り、また、比較例5で得られたマグネトプランバイト型
バリウムフェライト粒子分は、角型比の高い磁気カード
に適したものであるが、粒子サイズが大きい為に表面性
の悪い塗膜となり、いずれも結果的に高記録密度の磁気
カード用磁性材料としては適さないものであった。更
に、比較例6で得られたマグネトプランバイト型バリウ
ムフェライト粒子粉末は、適度の粒子サイズを有するも
のの吸油量の多いものであった。 この時の主要製造条件及び諸特性を表1に示す。〔効果〕 本発明に係る磁気カード用マグネトプランバイト型フ
ェライト粒子粉末は、前述実施例に示した通り、粒度分
布がより狭く、適度の粒子サイズを有し、且つ配向度
(Br/4πIs)が大きく、しかも吸油量が少ないので、こ
れを用いてなる磁気カードも所望の保磁力を有し、且つ
角型比が高く、しかも表面性の優れた高記録密度のもの
となる。 また、本発明方法によれば、Fe2O3/MO(M:Ba又は/及
びSr)モル比5.6〜6.1の組成からなるバリウム又は/及
びストロンチウムの化合物と酸化鉄とフィッシャーサブ
シーブサイザー法による平均粒径0.20〜0.60のFe3O4
子との混合物にAl2O3、SiO2及びBaCl2を添加する系にお
いて、粒度分布がより狭く、フィッシャーサブシーブサ
イザー法による平均粒径が0.2〜0.7μmを有し、配向度
(Br/4πIs)が0.92以上で、且つ吸油量が14.0ml/100g
以下である磁気カード用マグネトプランバイト型フェラ
イト粒子粉末が得られる。 更に、保磁力低減下の為に用いられるTi、Co、Zn等を
添加しても角型比を低下させることなく保磁力を制御す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.フィッシャーサブシーブサイザー法による平均粒径
    が0.20〜0.70μm、配向度(Br/4πIs)が0.92以上で、
    且つ吸油量が14.0ml/100g以下であり、Al2O3及びSiO2
    含有していることを特徴とする磁気カード用マグネトプ
    ランバイト型フェライト(Fe2O3/MO(M:Ba又は/及びS
    r)=5.6〜6.1)粒子粉末。 2.バリウム又は/及びストロンチウムの化合物と酸化
    鉄との混合物を焼成、粉砕する工程から成るモル比Fe2O
    3/MO(M:Ba又は/及びSr)=5.6〜6.1の組成を有した磁
    気カード用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末
    の製造法において、バリウム又は/及びストロンチウム
    の化合物と酸化鉄としてフィッシャーサブシーブサイザ
    ー法による平均粒径0.20〜0.60μmのFe3O4粒子との混
    合物に、Fe3O4粒子(Fe2O3換算)に対して0.05〜3.00重
    量%のAl2O3、0.10〜3.00重量%のSiO2及び0.95〜25.00
    重量%のBaCl2を添加混合した後、800〜1100℃の温度範
    囲で焼成し、次いで粉砕してフィッシャーサブシーブサ
    イザー法による平均粒径が0.20〜0.70μm、配向度(Br
    /4πIs)が0.92以上で、且つ吸油量が14.0ml/100g以下
    であり、Al2O3及びSiO2を含有しているマグネトプラン
    バイト型フェライト(Fe2O3/MO(M:Ba又は/及びSr)=
    5.6〜6.1)粒子粉末を得ることを特徴とする磁気カード
    用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の製造
    法。
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