JP2779195B2 - 消臭性芯鞘複合繊維 - Google Patents

消臭性芯鞘複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、消臭機能を有する芯鞘複合繊維に関する。
更に詳しくは、鞘部に特殊な微細孔を有し、耐久性に優
れた消臭機能と良好な機械的特性とを同時に有する芯鞘
複合繊維に関するものである。
(従来技術) 従来より、繊維に防臭性,消臭性等を付与する方法と
しては、活性炭素繊維を併用する方法、後加工等によっ
て繊維表面に消臭剤を含有する処理剤を付着させる方法
(例えば特公昭47−29984号公報参照)、臭い吸着剤を
配合した重合体を繊維となす方法(例えば実公昭61−37
227号公報参照)等が提案されている。しかしながら、
活性炭素繊維は繊維自体が着色しているとともに非常に
脆いため、審美性の要求される衣料分野,発塵を極度に
嫌う衛生材料分野等には使用できない。一方、後加工に
よる方法は、使用中に消臭剤が脱落し易く、消臭機能の
耐久性の点で問題がある。また、臭い吸着剤を配合する
方法は、満足し得る消臭機能を付与するためには、吸着
剤をかなり多量に配合する必要が有る。そのため、得ら
れる繊維の機械的特性は不十分なものとなる。かかる機
械的特性を改善する方法としては、消臭剤を配合しない
ポリマーを併用して複合繊維となすのが一般的である
が、十分な消臭機能を発現させるためには、消臭剤を配
合したポリマーを繊維の外表面に露出させる必要が有
る。そのため、製糸工程、後加工工程等における機械的
摩擦によって、繊維表面から消臭剤配合ポリマーが脱落
し、トラブルが多発するという問題がある。
(発明の目的) 本発明は、前記従来技術の有する問題点を解消するた
めなされたもので、その目的とするところは、十分な機
械的性能と優れた消臭機能とを同時に有し、かつ製糸・
後加工工程においてトラブル発生のない新規な消臭性複
合繊維を提供することにある。
(発明の構成) 本発明者は、上記目的を達成せんがため鋭意検討した
結果、繊維の中心部に消臭剤を高濃度に存在させ、かつ
繊維表面から該消臭剤存在領域まで連通孔を形成した繊
維は、繊維表層部に消臭剤を含有しないため、上記目的
を同時に達成できることを見い出し、本発明に到達し
た。
すなわち本発明は、微細孔を有するポリエステルより
なる鞘部と、消臭剤を1〜50重量%含有する熱可塑性重
合体よりなる芯部とから構成される芯鞘複合繊維であっ
て、該鞘部中の微細孔は、その直径が0.001〜5μm、
その長さが該直径の50倍以下であり、繊維横断面に散在
し、繊維軸方向に配列しかつその少なくとも一部が芯部
まで連通していることを特徴とする消臭性芯鞘複合繊維
に係るものである。
本発明の芯鞘複合繊維の鞘部に存在する微細孔は、そ
の形状においては直径が0.001〜5μmの範囲内で、そ
の長さは直径の50倍以下でなければならず、またこの微
細孔は繊維横断面全体に存在し且つ繊維軸方向に配列
し、その少なくとも1部は中空部まで連通していなけれ
ばならない。
なおここで言う微細孔の直径とは、該微細孔が繊維表
面に開口している部分において、繊維軸に垂直な方向の
巾を言う。
この微細孔の直径が0.001μmに達しないときは消臭
機能が充分でなく、5μmを越えるときは充分な繊維強
度が得られず0.001〜5μmの範囲が好ましく、特に0.0
1〜3μmの範囲が好ましい。また、特に微細孔の長さ
が、その直径の50倍より長くなると、他の条件を全て満
足しても、繊維の強度及び耐フィブリル性が低くなり、
特に30倍以下が好ましい。
更に、この微細孔が繊維横断面全体に散在し且つ繊維
軸方向に配列し、その少なくとも1部が芯部まで連通し
ていることにより、充分な消臭機能が得られる。微細孔
が、複合繊維横断面において繊維表面近傍に集中した
り、芯部まで連通していないときは、いかに多くの微細
孔を有する複合繊維であっても、消臭性は不充分とな
る。この微細孔が繊維横断面においてどのように存在し
ているか、またその少なくとも1部が芯部まで連通して
いるか否かは、繊維横断面を3000倍程度に拡大して観察
することができる。
また、繊維横断面において上記微細孔の総断面積の占
める割合は、あまりに小さいと消臭機能が低下するよう
になり、あまりに大きいと繊維強度が低下するようにな
るので、繊維横断面積の0.01〜50%であるのが好まし
く、特に0.1〜30%の範囲が好ましい。
次に、本発明の複合繊維を構成する芯部は、消臭剤を
1〜50重量%含有する熱可塑性重合体からなる。ここで
使用される熱可塑性重合体は特に限定する必要がなく、
単独重合体,共重合体いずれであっても良い。かかる重
合体としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリスチレン,ポリブタジエン,ポリイソプレン,
ナイロン−6,ナイロン−66,ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート及びこれらを主体とし
た共重合体等をあげることができる。これらは単独であ
っても、2種以上混合したものであっても良い。
また消臭剤は、臭気成分を吸着するか、もしくは臭気
成分と反応して消臭効果を発現する剤であって、繊維形
成時に分解・揮散しないものであれば特に限定する必要
はない。かかる剤としては、例えば、活性アルミナ,シ
リカゲル,活性白土,ゼオライト,活性酸化チタン,活
性酸化亜鉛等を主成分とする無機系の極微細孔を有する
吸着剤、及びフマル酸,鉄アスコルビン酸化合物,金属
フタロシアニン系化合物,金属ポルフィリン系化合物,
フラボノイド系化合物,アミノ酸系化合物,タンニン化
合物,糖類,プリン塩基等の有機系消臭剤があげられ
る。かかる消臭剤の配合量は、用いる消臭剤の種類によ
り異なるが、1〜50重量%、好ましくは5〜35重量%と
する必要がある。配合量が1重量%未満では十分は消臭
機能が得られず、一方50重量%を越えると製糸性が極め
て低下すると共に、得られる繊維の機械的特性も不充分
なものとなるため好ましくない。
また本発明の複合繊維は、芯鞘の複合繊維であれば特
に限定する必要はなく、横断面における芯部及び鞘部の
形状はいずれも任意で良い。例えば外形及び芯部がいず
れも円形の場合、外形及び芯部のいずれか一方が円形で
他方が異形の場合、外形及び芯部共に類似又は非類似の
異形の場合等であってもよい。外形の大きさについても
特に制限する必要はない。また、芯部の数は1以上任意
の数をとることもできる。
繊維横断面における鞘部と芯部の割合も、きわめて広
い範囲をとることができるが、芯部の割合があまり大き
くなると得られる複合繊維の強度が不充分となるので、
繊維横断面における芯部の占める和居合は50%以下が好
ましい。一方、芯部の割合があまりに小さくなると消臭
機能が低下する傾向に有るので、繊維横断面積の5%以
上にするのが好ましい。
本発明の複合繊維を製造するには、種々の手法が考え
られるが、例えば、特定のスルホン酸金属塩を含有した
ポリエステル、又は有機スルホン酸を共重合したポリエ
ステルを通常のポリエステルに配合したもの(以下これ
をあわせて変性ポリエステルという)を鞘部、前記消臭
剤を配合した熱可塑性重合体を芯部とし、芯鞘複合紡糸
口金を用いて溶融紡糸し、必要に応じて延伸,熱処理,
捲縮(嵩高)加工し、得られた複合繊維を直接又は編織
した後アルカリ水溶液で処理して鞘部の変性ポリエステ
ルの少なくとも1部を除去することによって所定の微細
孔を形成させる方法が好ましく採用される。
ここで使用する複合繊維の鞘部を構成する変性ポリエ
ステルのうち、特定のスルホン酸金属塩を含有したポリ
エステルを例にあげて説明する。ここで対象とするポリ
エステルは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数
2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリ
コール,トリメチレングリコール,テトラメチレングリ
コール,ペンタメチレングリコール,及びヘキサメチレ
ングリコールから選ばれた少なくとも一種のグリコール
を主たるグリコール成分とするポリエステルである。か
かるポリエステルは、その酸成分の10モル%以下を他の
二官能性カルボン酸で置きかえてもよい。このような他
のカルボン酸としては例えばイソフタル酸,ナフタリン
ジカルボン酸,ジフェニルジカルボン酸,β−オキシエ
トキシ安息香酸,p−オキシ安息香酸の如き二官能性芳香
族カルボン酸、セバシン酸、アジピン酸,蓚酸の如き二
官能性脂肪族カルボン酸、及び1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸の如き二官能性脂環族カルボン酸等をあげる
ことができる。またポリエステルのグリコール成分の10
モル%以下を他のグリコール成分で置きかえてもよく、
かかるグリコール成分としては主成分以外の上記グリコ
ール及び他のジオール化合物、例えばシクロヘキサン−
1,4−ジメタノール,ネオペンチルグリコール,ビスフ
ェノールA,ビスフェノールSの如き脂肪族、脂環族及び
芳香族のジオール化合物等があげられる。
かかるポリエステルは任意の製造法によって得ること
ができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートについ
て説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを
直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの
如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレング
リコールとをエステル交換反応させて、テレフタル酸の
グリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させ
る第1段反応、次いでかかる生成物を減圧下加熱して所
望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段の反応と
によって容易に製造される。
上記ポリエステルを鞘成分として溶融紡糸して複合繊
維となすに当り、溶融紡糸が終了するまでの任意の段階
で下記一般式「I」 で表わされるスルホン酸金属塩の少なくとも1種を該ポ
リエステルを構成する酸成分に対して0.3〜15モル%と
なる量添加する。
式中、M1及びM2は金属であり、M1としては特にLi,K,
アルカリ土類金属,Mn1/2,Co1/2,又はZn1/2が好ましく、
なかでもLi,K,Ca1/2,Mg1/2が特に好ましく、M2としては
とくにアルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、
なかでもLi,Na,K,Ca1/2,Mg1/2が特に好ましく、M1及びM
2は同一でも異なっていてもよい。nは1又は2であ
る。Rは水素原子又はエステル形成性官能基であり、エ
ステル形成性官能基としては−COOR′(但し、R′は水
素原子,炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基)又
は −CO[O(CH2]mOH(但し、は2以上の整数,mは
1以上の整数)等が好ましい。
かかるスルホン酸金属塩の好ましい具体例としては、
3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸Na−5−カルボ
ン酸Li,3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸K−5−
カルボン酸K,3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸Na
−5−カルボン酸Ca1/2,3−カルボメトイシベンゼンス
ルホン酸Na−5−カルボン酸Mg1/2,3−ヒドロキシエト
キシカルボニルベンゼンスルホン酸Na−5−カルボン酸
Mg1/2,3−カルボキシエトキシカルボニルベンゼンスル
ホン酸Na−5−カルボン酸Zn1/2,ベンゼンスルホン酸Na
−3,5−ジ(カルボン酸Li),ベンゼンスルホン酸Na−
3,5−ジ(カルボン酸K),ベンゼンスルホン酸Na−3,5
−ジ(カルボン酸Ca1/2),ベンゼンスルホン酸Na−3,5
−ジ(カルボン酸Mg1/2)等をあげることができる。上
記スルホン酸金属塩は1種のみ単独で使用しても、また
2種以上併用してもよい。その添加時期は、ポリエステ
ルを複合繊維に溶融紡糸する紡糸工程が終了する以前の
任意の段階でよく、例えばポリエステルの原料中に添加
しても、ポリエステルの合成中に添加しても、また合成
終了後から溶融紡糸するまでの間に添加してもよい。い
ずれにしても、添加後溶融状態で混合されるようにする
のが好ましい。
上記スルホン酸金属塩の添加量は、あまりに少ない
と、前記の微細孔が充分に形成されず最終的に得られる
複合繊維の消臭性が不充分となる。逆にあまりに多い
と、その添加時期がポリエステルの合成が終了する以前
では、充分な重合度のポリエステルが得られ難く、また
その添加時期が合成終了後から溶融紡糸終了以前のとき
は紡糸時にトラブルを発生し易い。このため添加量は、
ポリエステルを構成する酸成分に対し0.3〜15モル%の
範囲にすべきであり、0.5〜5モル%の範囲が好まし
い。
次に、有機スルホン酸化合物を共重合したポリエステ
ルを通常のポリエステルと混合した変性ポリエステルと
しては、例えば特開昭56−20612号公報に例示されてい
る変性ポリエステルをそのまま使用することができる。
かくして得られる変性ポリエステルと消臭剤を含有す
る熱可塑性ポリマーとも溶融紡糸して芯鞘複合繊維とな
すには、格別な方法を採用する必要はなく、通常の複合
紡糸方法が任意に採用される。
かくして得られる複合繊維から変性ポリエステルの一
部を除去するには、必要に応じて延伸熱処理又は仮撚加
工等を施した後、又は更に布帛にした後アルカリ化合物
の水溶液に浸漬処理することにより容易に行なうことが
できる。
ここで使用するアルカリ化合物としては水酸化ナトリ
ウム,水酸化カリウム,テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等をあ
げることができる。なかでも水酸化ナトリウム,水酸化
カリウムが特に好ましい。
かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アルカリ化
合物の種類,処理条件等によって異なるが、通常0.01〜
40重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜30重量%の範囲
が好ましい。処理温度は常温〜100℃の範囲が好まし
く、処理時間は1分〜4時間の範囲で通常行なわれる。
また、このアルカリ化合物の水溶液の処理によって溶出
除去する変性ポリエステルの量は、複合繊維の鞘部重量
に対して2〜50重量%の範囲にすべきである。このよう
にアルカリ化合物の水溶液で処理することによって複合
繊維横断面の鞘部全体に散在し、繊維軸方向に配列し且
つその少なくとも1部は芯部まで連通している直径が略
0.001〜5μm、長さは直径の50倍以下の微細孔が形成
され、優れた消臭性を呈するようになる。
なお、本発明の方法により得られる複合繊維には、必
要に応じて任意の添加剤、例えば触媒,着色紡糸剤,耐
熱剤,難燃剤,蛍光増白剤,艶消剤,着色剤,無機微粒
子等が含まれていてもよい。
(効果) 本発明の複合繊維は、消臭剤を含有しない鞘部によっ
て消臭剤を高濃度に含有した芯部がとりかこまれている
ため、充分な機械的特性を有するともに、使用中等の摩
擦によっても消臭剤の脱落を生ぜず、耐久性に優れた消
臭性能を呈する。また、鞘部には芯部まで連通した微細
孔を有するため、消臭性能のレベルも極めて優れたもの
となり、衣料,衛生材料用途等巾広い分野での使用が可
能となる。
(実施例) 以下、実施例をあげて本発明をさらに詳述する。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部,エチレングリコー
ル66重量部,酢酸マンガン4水塩0.03重量部をエステル
交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃
から230℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留
去しながらエステル交換反応を行なった。続いて得られ
た生成物に安定剤として正リン酸の56%水溶液0.03重量
部,三酸化アンチモン0.04重量部,ベンゼンスルホン酸
Na−3,5−ジ(カルボン酸Mg1/2)20%エチレングリコー
ルスラリー1.5重量部を添加して重合缶に移した。次い
で1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1
時間30分かけて230℃から285℃で更に2時間30分、合計
4時間重合し、極限粘度0.650,軟化点261℃の変性ポリ
エステルを得た。
ポリエスチレン100重量部と消臭剤トミックスAD−700
(富田製薬製)50重量部を混練機で充分加熱混合して得
られたブレンド組成物を芯部とし、上記変性ポリエステ
ルを鞘部として、同心円型芯鞘複合紡糸機を用いて紡糸
し、100℃で4倍に延伸後、160℃で熱固定して芯鞘複合
繊維を得た。この複合繊維の横断面における複合比(面
積比芯/鞘)は1/3であり、繊維構成は30デニール/3フ
ィラメントであった。この複合繊維をメリヤス編地にな
し、常法により精練・プリセットを施した後、減量率が
鞘部の重量に対して20%になるよう、1%のカセイソー
ダ水溶液中沸騰温度にて処理した。
得られた布帛5gの入った1500ccの容器中に、濃度1400
ppmのアンモニアガスを入れ、1時間後にアンモニアの
残濃度を測定したところ60ppmであった。(消臭率96
%) 実施例2 テレフタル酸ジメチル297部、エチレングリコール265
部、3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスルホン酸ナ
トリウム53部(テレフタル酸ジメチルに対して11.7モル
%)、酢酸マンガン4水塩0.084部及び酢酸ナトリウム
3水塩1.22部を精留塔付ガラスフラスコに入れ、常法に
従ってエステル交換反応を行ない、理論量のメタノール
が留出した後反応生成物を精留塔付重縮合用フラスコに
入れ、安定剤として正リン酸の56%水溶液0.090部及び
重縮合触媒として三酸化アンチモン0.135部を加え、温
度275℃,常圧下20分,30mmHgの減圧下15分反応させた後
高真空下で100分間反応させた。最終内圧は0.38mmHgで
あり、得られた共重合ポリマーの極限粘度は0.405、軟
化点は200℃であった。反応終了後共重合ポリマーを常
法に従いチップ化した。
この共重合ポリマーのチップ15部と極限粘度0.640の
ポリエチレンテレフタレートのチップ85部とをナウタ・
ミキサー(細川鉄工所製)中で5分間混合した後、窒素
気流中にて110℃で2時間、更に150℃で7時間乾燥した
後、二軸のスクリウ式押出機を用いて290℃で溶融混練
してチップ化した。このチップの極限粘度は0.520、軟
化点は262℃であった。
このポリマーを鞘成分とする以外は実施例1と同様に
して、芯鞘複合繊維を得た(但し、芯鞘化を1/5とし
た)。これを実施例1と同様にメリヤス編地となし、ア
ルカリ減量処理(減量率15%)して布帛を得た。この布
帛のアンモニアガス消臭率は91%であった。
実施例3 実施例1において、ポリエチレンに配合する消臭剤の
配合量を第1表に記載の如く変更する以外は実施例1と
同様にして布帛を得た。
この布帛の消臭性を第1表に示す。
比較例1 実施例1において得られたメリヤス編地にアルカリ処
理を行なわない場合のアンモニアガス消臭率を実施例1
と同様に測定したところ、25%であった。
比較例2 テレフタル酸ジメチル297部,エチレングリコール265
部,酢酸マンガン4水塩0.084部を精留塔付ガラスフラ
スコに入れ、常法に従ってエステル交換反応を行ない、
理論量のメタノールが留出した後、反応生成物を精留塔
付重縮合用フラスコに入れ、正リン酸の56%水溶液0.09
0部及び三酸化アンチモン0.135部を加え、温度275℃で
常圧下20分,30mmHgの減圧下15分反応を進行させた後、
一旦常圧にもどし、炭素数8〜20で平均炭素数が14であ
るアルキルスルホン酸ソーダ混合物を7.5部添加した後
系内を徐々に減圧し、撹拌下80分間反応させた。最終内
圧は0.32mmHgであり、得られたポリマーの極限粘度は0.
622であった。反応終了後常法に従ってチップ化した。
このポリマーを鞘成分とする以外は実施例1と同様に
紡糸,延伸し、30デニール/3フィラメントのマルチフィ
ラメントを得た。このマルチフィラメントをメリヤス編
地となし、精練,プリセット後0.5%のカセイソーダ水
溶液で沸騰温度にて180分処理してアルカリ減量率15%
(鞘部の重量に対して)の布帛を得た。この布帛のアン
モニアガス消臭率は95%であった。
また、アルカリ減量処理後の単糸の表面を3000倍の電
子顕微鏡で観測したところ、微細孔は筋状で細長く、ほ
とんどが細孔の径の100倍以上であった。
この布帛の染色品の摩耗200回後の顕微鏡観察でのフ
ィブリルの発生が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の消臭性複合繊維の好ましい一例を示す
概略図である。 1……微細孔を有する鞘部 2……消臭剤を含有する芯部 3……微細孔 4……芯部まで連通した微細孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細孔を有するポリエステルよりなる鞘部
    と、消臭剤を1〜50重量%含有する熱可塑性重合体より
    なる芯部とから構成される芯鞘複合繊維であって、該鞘
    部中の微細孔は、その直径が0.001〜5μm、その長さ
    が該直径の50倍以下であり、繊維横断面に散在し、繊維
    軸方向に配列しかつその少なくとも一部が芯部まで連通
    していることを特徴とする消臭性芯鞘複合繊維。
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