JP2777673B2 - セラミック成形体の脱脂方法 - Google Patents

セラミック成形体の脱脂方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、セラミック成形体の脱脂方法に関し、特に
セラミック粉末と有機質系結合剤等の混合物からなるペ
レットの品質を改善することにより脱脂時の不良率を低
減可能なセラミック成形体の脱脂方法に関する。本発明
は、タービンロータ等のセラミックス製品、特に薄肉部
及び/又は複雑形状部を有するセラミックス製品の製造
に利用される。
〔従来の技術〕
近年、セラミック材料は、自動車部品、耐熱材料、電
子材料、機構工具等その用途が急激に広がりつつあり、
それに伴い製品形状も複雑化している。そのため、セラ
ミック材料を複雑な形状の成形体に精度良くかつ効率的
に成形する方法として、射出成形法が採用されている。
しかしこの射出成形法では、成形後に脱脂工程、焼成
工程と工程が多く、各々の工程で種々の不良が発生す
る。特に脱脂工程は、容量比で約50%(重量比で約30
%)近くに当たる有機質系結合剤、可塑剤、滑剤等を添
加し、これを加熱除去するため、この加熱除去に長時間
を要し、そのため不良も発生し易い。また、脱脂時の不
良の多くは成形時の成形体中に内在している欠陥が現れ
る場合が多く、成形時如何に歪みの少ない成形体を作る
かが鍵となる。
歪みのない成形体を作るためには、成形用原料(セラ
ミック粉末と有機質系結合剤の混合物)の品質を如何に
管理するかが一番問題となる。このため、所定条件下、
加圧力が1、5、10MPaのときの流量が各々0.02〜0.1、
0.1〜0.5、0.3〜1.0ml/sとなる混練物とすること、即ち
粘度管理を行うことが知られている(特開昭63−21250
号公報)。
〔発明が解決しようする課題〕
しかし、粘度は、混練中のセラミック原料の種類や有
機質系結合剤の種類によって大きく異なるので、この粘
度管理も有用とはいえない。またこれは、セラミック粉
末と有機質系結合剤の混合物の流動性のみを考慮してお
り、この混合物の品質に関して考慮されておらず、たと
え粘度管理を行っても脱脂体の良品歩留りが低いという
問題があった。
本発明は、前記観点に鑑みてなされたものであり、脱
脂後の良品歩留りを向上させる脱脂方法を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本第1発明のセラミック成形体の脱脂方法は、セラミ
ック粉末及び有機質系結合剤を含み、含有される水分量
が800ppm以下であるセラミック射出成形用ペレットを用
いて射出成形し、その後、射出成形されたセラミック成
形体を加熱して脱脂することを特徴とする。
この脱脂条件例えば、脱脂温度、脱脂時間、脱脂雰囲
気等は、目的、用途により種々選択することができる。
ここで、ペレットとは、射出成形に用いられるための
ものであり、その形状、大きさ等は問わず、適当な大き
さの小片に成形又は裁断等されたものである。
前記有機質系結合剤の種類、その種類数、添加量等は
目的、用途により種々選択される。即ち、その種類とし
て、(1)パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、各種の脂肪酸をグリセリン等でエステル化し
た低級合成ワックス類、ポリエチレン、ポリスチレン等
の高級合成ワックス等のワックス類(以下、これらを含
めて「ワックス類」という。)、(2)ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタアクリレート
等の樹脂を用いることができる。
また、ワックス類のみ又は樹脂のみを用いることもで
きるが、通常、本第2発明に示すように、ワックス類と
樹脂との混合物を用いる。このように、ワックス類と樹
脂とを併用するのは、セラミック粒子の分散を良くする
こと、適度な流動性を確保すること等のためである。ま
た、前記ワックス類の各種化合物のうちの1種若しくは
2種以上、又は前記樹脂のうちの1種若しくは又は2種
以上を用いることもできる。尚、通常、前記ワックス類
(1)の分子量は300〜10,000、前記樹脂(2)の分子
量は10,000以上である。
前記射出成形用ペレットに含有される水分量は、射出
成形に用いられる時点において800ppm以下とする。これ
が800ppmを越えると、脱脂後の脱脂体の内部又は表面に
キレが多く発生し、良品歩留りが低下するためである。
尚、この水分量は、ペレットの表面のみならずその内部
に含まれるものも含む。
一般的に混練直後は、この混練が加熱によるため水分
量が100ppm以下と少ないが、ペレットにしたのち放置す
ることにより大気中の水分を吸着し、全水分量が増大す
る。従って、ペレットは乾燥器中で保管することが好ま
しい。この場合、加熱乾燥させることもできるが、低温
で乾燥可能な脱湿型ホッパドライ中にペレットを保管す
ることが好ましい。これは、通常この組成物には低融点
の有機質系結合剤(ワックス等)、更には可塑剤等が含
まれるため、例えば50℃以上の温度にて加熱乾燥すると
ペレット中の低融点化合物が滲み出してきて物性の変化
を生じる場合があるからである。また、大気中に放置し
て吸湿したペレットは、再度加熱混練を行い水分を揮発
させることが好ましい。尚、本第3発明に示すように、
本発明の脱脂方法では、通常この射出成形時において、
前記射出成形用ペレットに含有される水分に加えて積極
的に水を添加することはない。
更に、本射出成形用ペレットにおいて、使用するセラ
ミック粉末の種類(例えば、窒化珪素粉末、アルミナ粉
末等)、その配合量は種々選択することが可能である。
また、焼結助剤は使用するセラミック粉末等により種々
選択される。更に、本組成物には、他に可塑剤、滑剤等
を配合することもできる。
〔作用〕
所定の水分量をもつ射出成形用ペレットを用いて射出
成形する時、加熱溶融された混練物が、金型キャビティ
内へ流入される。このとき、ペレット中に含まれる水分
は、急激な圧力開放によりガス化して成形体内に取り込
まれるので、この成形体を脱脂するとき脱脂体にワレや
膨れが生じる原因になる。
本発明の脱脂方法において用いられる射出成形用ペレ
ットは、その中に含まれる水分が800ppm以下と少ないの
で、脱脂時の脱脂体のワレや膨れが少なく、脱脂歩留り
を向上させることができる。そして、この水分管理をす
ることにより、脱脂歩留りを管理することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
まず、平均粒径1μmの窒化珪素粉末100重量部(以
下、単に「部」という。)に対し、焼結助剤としてアル
ミナ(平均粒径約1μm)5部、イットリア(平均粒径
約1μm)5部を添加し、焼結用窒化珪素混合物を調製
した。この混合物に、有機質系結合剤としてエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂5部およびマイクロクリスタリン
ワックス15部、可塑剤としてジエチルフタレート4部を
加えて加熱混練し、その後、ペレタイザーによりペレッ
ト化して射出成形用ペレットを作製した。
次いで、カールフィッシャー式水分測定機によりこの
ペレット中の水分含有量を測定したところ、80ppmであ
った。尚、この測定方法によると、表面に吸着された水
分のみならずその内部に含まれる水分も測定される。
このペレットを大気中で2日間及び1週間放置したの
ち水分含有量を測定したところ、各々300ppm及び1000pp
mに増加していた。また、加湿雰囲気中にペレットを放
置して、水分量が各々、200、600、750、850、1050ppm
の各ペレットを作製した。以上の結果をまとめて表に示
した。
以上の所定の水分量をもつ各ペレットを用い、ラジア
ル型タービンロータを得るように調製された金型を用い
て、射出成形により所定のラジアル型タービンロータ用
成形体を各20個成形した。尚、この成形体において、焼
成後の翼部の最大直径は50mm、焼成後の最薄肉部の肉厚
は約1mmである。
次いで、前記各成形体を熱風循環式の電気炉中、窒素
雰囲気下において100℃から500℃まで10℃/時間の昇温
速度で加熱して成形体の脱脂を行った。
この各脱脂体についてキレの発生等を観察し、その結
果を表及び図に示した。尚、表中で「キレ発生」とは、
脱脂体表面の拡大鏡検査及び脱脂体内部の超音波検査に
おいてキレが発見された場合をいう。また、「良好」と
は、このいずれの検査においてもキレが発見されない場
合をいう。
「脱脂不良数」における「不良」とは、前記「良好」
以外の場合をいい、内部又は表面にキレが発見された場
合をいう。
この結果によれば、表及び図に示すように、射出成形
に用いられたペレット中の水分量が少ないほど良い結果
を示し、600ppm以下では不良率が0%であり、750ppmで
は15%である。一方、850ppm以上では60%以上と、不良
率が著しく大きくなる。
更に、前記750ppm以下の水分量を示す各ペレットから
得られた脱脂体を、窒素雰囲気中1750℃で2時間の焼成
条件下で焼成して、それぞれ窒化珪素焼結体を製造し
た。このいずれの焼結体も、クラック及び破損もなく良
好なものであった。
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すもの
に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々
変更した実施例とすることができる。即ち、成形体用セ
ラミック粒子の材質としては、前記以外の材質からなる
ものでもよいし、有機質系結合剤若しくは焼結助剤も前
記以外の種類、添加量等とすることができる。また、他
に有機質系可塑剤、滑剤、その他の各種添加剤等を用い
ることもできる。また、更に、脱脂の後に行われる焼成
の条件(焼成温度、焼成時間、焼成雰囲気の種類等)も
使用材料等により種々選択される。
また、混練物の粘度と使用ペレットの含有水分量との
関係を調べたところ、水分濃度の低下に伴って、粘度も
低下することが判った。従って、この水分量管理をする
ことにより、粘度管理も可能となる。
更に、前記セラミック粉末の代わりに金属粉末を用い
た場合にも、同様に含有水分量を少なくすることによ
り、脱脂歩留りを向上させることができる。
〔発明の効果〕
本発明の脱脂方法によると、前記作用に示すように、
脱脂時の脱脂体のワレや膨れが少なく、脱脂歩留りを向
上させることがでる。そして、この水分量管理をするこ
とにより、脱脂歩留りを管理することができる。更に、
この水分量管理をすることにより混練物の粘度管理をす
ることもできるので、製造上、大変有用である。
【図面の簡単な説明】
図は実施例において水分量と脱脂不良率の関係を示すグ
ラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉末及び有機質系結合剤を含
    み、含有される水分量が800ppm以下であるセラミック射
    出成形用ペレットを用いて射出成形し、その後、射出成
    形されたセラミック成形体を加熱して脱脂することを特
    徴とするセラミック成形体の脱脂方法。
  2. 【請求項2】前記有機質系結合剤は、ワックス類及び分
    子量が10,000以上の樹脂からなる請求項1記載のセラミ
    ック成形体の脱脂方法。
  3. 【請求項3】前記ペレットは、積極的に水を添加するこ
    となく射出成形に用いられる請求項1または2記載のセ
    ラミック成形体の脱脂方法。
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