JP2777625B2 - 液状化防止構造 - Google Patents

液状化防止構造

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JP2777625B2 JP9372990A JP9372990A JP2777625B2 JP 2777625 B2 JP2777625 B2 JP 2777625B2 JP 9372990 A JP9372990 A JP 9372990A JP 9372990 A JP9372990 A JP 9372990A JP 2777625 B2 JP2777625 B2 JP 2777625B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、地震、衝撃荷重等により液状化容易な非粘
性地盤上に、建築物を構築する場合に好適な液状化防止
工法及び液状化防止構造に関するものである。
[従来の技術] 近年、地価高騰等の理由により臨海部、河口部等の所
謂ウォーターフロントの開発が盛んに行われている。
しかしながらウォーターフロントは、軟弱地盤が多
く、砂質地盤であることも少なくない。
ところで、砂質地盤その他の非粘性地盤においては、
地震、衝撃荷重等により液状化が発生する。
非粘性地盤の液状化は、以下のメカニズムにより発生
すると考えられている。
非粘性土が、地震、衝撃荷重等によって間隙水圧が上
昇し、それに伴って有効応力が零に近づく。そして、有
効応力が零になると剪断強さが零になり、非粘性土が液
状を呈する。その結果、非粘性地盤に液状化が発生す
る。
このように液状化は、非粘性地盤が液状を呈するもの
であるため、建築物の倒壊等、大きな被害をもたらす。
そのため、非粘性地盤における建築物の構築方法等が
種々提案されている。かかる工法としては砂地盤中にグ
ラベルドレーンと呼ばれる砂利等からなる柱体を施工
し、地震時等における砂地盤中の間隙水をグラベルドレ
ーンを通じて地表面の排水層に排水することで液状化を
防止するグラベルドレーン工法や、砂地盤中に井戸を掘
ってこの井戸から地下水を汲み上げることで地下水位を
低下させ、これにより地表面付近の液状化を防止する地
下水低下工法等がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の液状化防止手段は、次に掲げる
問題点があった。
前記グラベルドレーン工法においては、ドレーンの配
置やその間隔等により排水性能も大きく異なり、確実な
排水効果を得にくいという問題点があった。
また、地下水低下工法においては、地下水を常時汲み
上げる必要があるため排水ポンプ等の永久施設が不可欠
であること、設備費等が嵩むこと等の問題点があった。
かかる問題点に鑑み本発明者は「構造物の基礎構造」
(特願平1−138214号)等を提供している。
さらに本発明者は、静的荷重により、建築物を構築し
た地盤に圧密を起こせば、当該建築物及びその他の建築
物に騒音、振動等の悪影響を与えないことを見いだし
た。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、非粘性地盤における液状化
を、かかる建築物及び当該他の建築物等に影響を与える
ことなく防止することができる液状化防止構造を提供す
る点にある。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨は、建築物を構築すべき非粘性地盤の液
状化防止構造であって、建築物の基礎底面を構成する耐
圧スラブと、当該耐圧スラブと地盤との間に設けたフイ
ルター層と、前記フイルター層に埋設してなる加圧用袋
体と、当該加圧用袋体に圧力を伝達してなる圧力伝達材
と、前記フイルター層に連通してなる排水手段と、前記
加圧用袋体に繰り返し圧力を加わえる脈動手段と、当該
脈動手段と前記加圧用袋体とを連通してなる加圧管とを
備えたことを特徴とした液状化防止構造に存する。
[作用] 加圧管は、圧力伝達材を加圧用袋体に注入する。
前記加圧用袋体に圧力伝達材を注入した後、当該圧力
伝達材を加圧すると、かかる建築物の自重、或は、建築
物を地盤に定着するアンカーの定着力を反力として、当
該圧力伝達材が前記加圧用袋体さらにはフィルター層を
介してかかる圧力を非粘性地盤に伝達する。地盤に圧力
を加えると、間隙水の一部が排水されるとともに有効応
力が上昇し、液状化抵抗が増大する。その結果、地震、
衝撃荷重等による液状化を防止することができる。な
お、増大した有効応力を保持することが望ましいが、地
盤の応力緩和により有効応力が減少した場合であって
も、荷重履歴、即ち過圧密効果により液状化を防止する
ことができる。
また、脈動手段は圧力伝達材の圧力を変動し、かかる
変動により有効応力も変動する。有効圧力が変動すると
繰り返し剪断応力が生じる。当該繰り返し剪断応力は非
粘性地盤の液状化を防止する(技報堂出版株式会社「砂
地盤の液状化」見昭著45頁等)。
一方、前記圧力伝達材への加圧は無振動無騒音により
行うことが可能である。
したがって、本発明は、かかる建築物及びその他の構
築物に影響を与えることなく非粘性地盤の液状化を防止
することができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。ただし、本実施例に記載されている構成部品
の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的
な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに
限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎな
い。
本発明の一実施例である液状化防止構造について第1
図を用いて説明する。第1図は当該液状化防止構造の縦
断面図である。
当該液状化防止構造は、ビルディング10を構築すべき
非粘性地盤の液状化防止構造であって、第1図に示すよ
うに耐圧スラブ11と、フィルター層20と、加圧用袋体30
と、水(圧力伝達材)40と、排水壁(排水手段)80と、
脈動機能付コンプレッサー(脈動手段)60と、止水壁10
0とを有するものである。
前記耐圧スラブ11は、ビルディング10の基礎底面を構
成してなり、内部にカルバート13を有するものである。
前記フィルター層20は、粗砂を材としてなり、前記耐
圧スラブ11と地盤Gとの間に設けてなるものである。
前記加圧用袋体30は、同一平面内において重なること
のないように前記フィルター層20に埋設してなるもので
ある。
前記水40は前記加圧用袋体30に圧力を伝達してなるも
のである。
前記排水壁80は、第2図に示すようにビルディング10
を囲繞してなり前記耐力壁12と前記止水壁100との間隙
に存し、前記フイルター層20から地上まで設けてなるも
のである。
前記脈動機能付コンプレッサー60は、マイクロコンピ
ュータを有し、前記加圧用袋体30に繰り返し圧力を加え
る。当該マイクロコンピューターが前記脈動機能付コン
プレッサー60のスイッチのON、OFFを行うことにより前
記加圧用袋体30への加圧を繰り返す。当該スイッチのO
N、OFFの間隔については土質等を考慮し、本発明を実施
するうえで好適な間隔とする。
前記加圧管50は、前記脈動機能付コンプレッサー60と
前記加圧用袋体30とを連通し、貯水槽90から前記加圧用
袋体30に送水するものである。なお、本実施例において
は前記貯水槽90から前記加圧用袋体30に送水する方法を
採用しているが、本発明の範囲をそれに限定する趣旨で
はなく、本発明においては他の方法、例えば、送水管か
ら導水する方法等、本発明を実施するうえで好適な方法
を採用することができる。符号70はバルブ、符号120は
圧力計である。
前記止水壁100は、前記排水壁80の外周に位置してな
り、地上から不透水層Iまで至るコンクリート製のもの
である。なお、本実施例においては止水壁100としてコ
ンクリート製のもの用いたが、本発明の範囲をそれに限
定する趣旨ではなく、本発明においては他のもの、例え
ば、鋼製のもの等、本発明を実施するうえで好適なもの
を用いることができる。
なお、前記ビルディング10は11層(地上10階、地下1
階)のものである。勿論、本発明の範囲をそれに限定す
る趣旨ではなく、本発明においては本発明を実施するう
えで好適な層数とすることができる。
次ぎに前記液状化防止構造を用いた液状化防止工法に
ついて第1図を用いて説明する。
まず、前記止水壁100をかかる地盤Gに構築する。前
記止水壁100の構築方法には、連続地中壁工法、柱列式
連続地中壁工法等、本発明を実施するうえで好適な方法
を用いることができる。
次いで、基礎杭(図示略)を地盤Gに構築する。前記
基礎杭は前記耐圧スラブ11を支持してなるので、基礎杭
の一端を掘削面から前記フイルター層20の厚さ分だけ突
出するようにしておく。
次いで、山止工及び排水工を行った後、地下水位以下
まで地盤Gを根切りする。根切りする深さは、前記耐圧
スラブ11下面までの深さに前記フイルター層20の厚さを
加えた深さとする。当該山止工はSMW工法等、また、排
水工にはウェルポイト若しくはディープウェルを用いる
方法等、本発明を実施するうえで好適なものを用いるこ
とができる。
次いで、前記フイルター層20を形成する。かかる形成
は前記根切り部分に粗砂を敷設することにより行う。な
お、前記フイルター層20の厚さは前記加圧用袋体30を埋
設可能な厚さとすればよい。
また、前記フイルター層20を形成する際、前記加圧用
袋体30を埋設する。前記加圧用袋体30はゴム製のもので
ある。前記加圧用袋体30の埋設方法は次のように行う。
前記粗砂を所定厚さに敷設した後、当該粗砂上に前記加
圧用袋体30を載置する。その後、さらに粗砂を投入し、
前記加圧用袋体30を埋設する。なお、本実施例にかかる
前記加圧用袋体30はゴム製のものであるが、本発明の範
囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明においては他
のもの、例えば、ポリエチレン、その他の水密性及び延
伸性又は膨張性を有するものを用いることができる。ま
た、本実施例においては前記フイルター層20を形成する
材として粗砂を用いているが、本発明の範囲をそれに限
定する趣旨ではなく、本発明においては他のもの、例え
ば、レキ、細砂、人口透水石等、本発明を実施するうえ
で好適な透水性材料を用いることができる。
次いで、前記耐圧スラブ11を含む基礎構造を構築す
る。当該耐圧スラブ11の強度については、前記水40に加
える圧力を考慮して定める。
次いで、前記耐圧スラブ11構築し、さらにビルディン
グ10の躯体工事終了後に、前記加圧管50から前記水40を
前記加圧用袋体30に注入する。かかる注入は前記脈動機
能付コンプレッサー60により行う。
次いで、前記脈動手段付コンプレッサー60により前記
加圧用袋体30に繰り返し圧力を加える。繰り返し圧力を
加える期間は、圧密対象層が所定の硬さまで締め固めら
れるまでの期間である。なお、かかる圧力は前記ビルデ
ィング10の自重により前記耐圧スラブ11に生じる圧力を
越えない範囲とする。蓋し、当該圧力により生じる圧密
荷重の反力が、前記ビルディング10の自重を越えると前
記ビルディング10が浮き上がる恐れが有るからである。
前記期間経過後バルブ70を閉め、前記加圧用袋体30中
の水圧を所定期間ほぼ一定に保持できるようにする。ほ
ぼ一定としたのは地盤Gの圧密により前記加圧用袋体30
の中の圧力が減圧するからである。
以上の工程により非粘性地盤Gの液状化を防止するこ
とができる。
また、本実施例においては前記水40の注入加圧に前記
脈動機能付コンプレッサー60を用いたが本発明の範囲を
それに限定する趣旨ではなく、本発明においては他のも
の、例えば、ポンプ等、本発明を実施するうえで好適な
ものを用いることができる。本発明における所定期間も
同様である。
次ぎに、以上のように構成した液状化防止構造の作用
について説明する。
前記排水壁50は、前記水40を前記加圧用袋体30に送水
する。
前記水40を、前記加圧用袋体30に注入し加圧すると、
当該水40は前記加圧用袋体30さらにはフイルター層20を
介してかかる圧力を地盤Gに伝達する。当該圧力により
かかる地盤G中の間隙水圧が上昇し、かかる間隙水が前
記フイルター層20に向かって上昇浸透する。
前記フイルター層20は前記間隙水を含水する。
前記フイルター層20が前記間隙水により満たされる
と、前記排水壁80は前記間隙水を地上に排出する。な
お、前記排水壁80を排水路に接続しておけば、前記間隙
水を前記ビルディング10の外部に排水できる。
その結果、かかる地盤Gが圧密を起こす。
地盤Gは時間の経過に伴い、間隙水圧が減少し、それ
に伴い有効応力が上昇する。その結果、本実施例によれ
ば地震、衝撃荷重等による液状化を防止することができ
る。
前記脈動機能付コンプレッサー60は地盤Gに繰り返し
剪断応力を生じさせる。
前記水40の加圧の繰り返しは、前記脈動機能付コンプ
レッサー60により無振動無騒音により行うことができ
る。
次ぎに、以上のように構成した液状化防止構造の効果
について説明する。
前記液状化防止構造によれば地盤Gは圧密を伴う加圧
により、前記地盤Gの有効応力が増大する。その結果、
前記地盤Gの液状化を防止することができる。ここで、
前記圧力により生じた有効応力のうち鉛直方向成分は圧
密等による応力緩和により減少するが、平均主応力の増
大と過圧密(過去に地盤の自重以上の圧密荷重をうけた
状態)効果により液状化を防止することができる。
また、前記脈動機能付コンプレッサー60の稼働を外部
に対して無騒音無振動により行うことができる。したが
って、前記ビルディング10及びその他の構築物に対して
騒音、振動等の悪影響を与えることなく地盤Gの液状化
を防止することができる。
また、前記脈動機能付コンプレッサー60は地盤Gに繰
り返し剪断応力を生じさせるので、地盤Gの液状化を防
止することができる。
さらに、本実施例においては、地盤Gに前記基礎杭を
設置しているので、前記基礎杭周辺の緩んだ土に対する
圧密効果が大きい。蓋し、前記基礎杭により前記ビルデ
ィング10の自重を支持しているので、前記各基礎杭間に
おける地盤Gはビルディング10の自重による圧密を殆ど
起こしていないからである。
なお、本実施例においては前記水40を前記加圧用袋体
30の中に存置したままであるが、本発明の範囲をそれに
限定する趣旨ではなく、本発明においては所要の圧密が
得られた後他のもの、例えば、セメントペーストその他
の自硬物等、本発明を実施するうえで好適なものを前記
加圧用袋体30に注入することができる。かかる場合にお
いては、かかるメンテナンスが不要である。また、ビル
ディング10に地震時に加わる水平力の一部が前記耐圧ス
ラブ11の底面から直接地盤Gに伝達されるため前記基礎
杭の負担を軽減することができる。但し、地盤Gの応力
緩和により時間とともに有効応力が減少し、かかる減少
の度合いは鉛直方向成分で大きく水平方向成分で小さ
い。最悪の場合、加圧による有効応力の増加分がすべて
解放されても、過去に加圧されたという履歴効果(過圧
密効果)によって地盤Gの液状化の防止を期待すること
ができる。かかる場合においてはセメントペースト硬化
体その他の自硬性硬化体により、前記加圧用袋体30の中
に流体を存置した場合に比べ、前記ビルディング10の安
定化を図ることができる。
また、圧力伝達材として前記水40を用いたが本発明の
範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明においては
他のもの、例えば、エチレングリコール、オイルその他
の流動体、セメントペースト、遅硬性グラウトその他の
半流動体等、本発明を実施するうえで好適なものを用い
ることができる。エチレングリコール、オイルその他の
不凍性流動体を用いた場合には冬季、寒冷地においても
本発明を実施することができる。また、セメントペース
ト、遅硬性グラウトその他の自硬物を用いた場合にはそ
の他の圧力伝達材を使用した場合に比べ労力を軽減する
ことができる。蓋し、自硬物が硬化することにより当該
自硬物の圧力を維持する必要、或は、かかる圧力伝達材
を抜いた後、セメントペースト等を注入する必要がない
からである。
また、地盤G掘削後前記フイルター層20の形成前に、
前記基礎杭を打ち込んだが、本発明の範囲をそれに限定
する趣旨ではなく、本発明においは前記フイルター層20
を形成後に前記基礎杭を打ち込むことができる。
また、バルブ70により前記加圧用袋体30内の水圧をほ
ぼ一定に保持したが、本発明の範囲をそれに限定する趣
旨ではなく、本発明においては他の方法、例えば、バル
ブ70を締めた後、圧力が低減する毎に当該バルブ70を開
けて圧力を加え、かかる加圧後再び当該バルブ70を閉じ
る方法等、本発明を実施するうえで好適な方法を用いる
ことができる。かかる場合においては前記加圧用袋体30
内の水圧を一定に保持することができるので、所期の高
い有効応力を維持することができる。また、前記脈動機
能付コンプレッサー60に地震検知手段を接続しておき、
当該地震検知手段が地震発生を検知した場合には前記脈
動機能付コンプレッサー60を制御し、短時間加圧するこ
ともできる。勿論、前記脈動機能付コンプレッサー60を
恒久的に作動しておくことも可能である。
また、間隙水を前記排水壁80から自然排水したが、本
発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明にお
いては、例えば、ウェルポイントを用いて強制排水する
方法等、本発明を実施するうえで好適な方法を用いるこ
とができる。
また、第4図に示すように、グランドアンカー130を
用い、当該グランドアンカー130の支持力を反力とし
て、地盤Gに前記ビルディング10の自重を越える圧力を
加えることもできる。かかる場合においては、低層ビル
ディングにも本発明を適用することができる。
また、上記方法により前記加圧管50とを設けたが、本
発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明にお
いては他の方法、例えば、前記耐圧スラブ11構築の際に
前記加圧管50とをそれぞれ挿通可能な孔を設け、あるい
は削孔し、その後かかる孔に前記加圧管50とをそれぞれ
対応する孔に挿通する方法等、本発明を実施するうえで
好適なものを用いることができる。
また、前記耐圧スラブ11下面には防水処理していない
が、本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発
明においては、例えば、メンブレン等、本発明を実施す
るうえで好適なものを用いて防水処理することもでき
る。かかる場合は防水処理しない場合に比べ地下室内を
低湿度に保つことができる。
また、脈動手段として脈動機能付コンプレッサー60を
用いたが、本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではな
く、本発明においては他のもの、例えば、ポンプ等、本
発明を実施するうえで好適なものを用いることができ
る。かかる場合においては、バルブ70を開閉することに
より繰り返し圧力を加える。当該バルブ70の開閉はプロ
グラムに基づき行うことができる。
また、排水手段として前記排水壁80を用いたが、本発
明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明におい
ては他の排水手段、例えば、第3図に示すように前記耐
力壁12と前記止水壁100との間にグラベルドレーン81を
設ける等、本発明を実施するうえで好適なものを用いる
ことができる。また、前記間隙水をカルバート13内に貯
水することもできる。
また、前記止水壁100を設けているので、有効応力の
水平方向成分の相当部分を保持することができる。蓋
し、前記水40を加圧したことにより生じた土圧は、前記
止水壁100がない場合は下方に向かうにしたがい分散減
少するのに対し、前記止水壁100がある場合には前記土
圧は分散せず、前記耐圧スラブ11直下の地盤Gに伝わる
からである。その結果、前記止水壁100を前記耐圧スラ
ブ11外周に設けると、さらに水平抵抗を増大することが
できる。
また、前記止水壁100により、前記水40に加えた圧力
により生じた土圧は分散せず、前記耐圧スラブ11直下の
地盤Gに伝達することができる。したがって、本実施例
によれば前記ビルディング10及び当該他の構築物に悪影
響を与えることなく地盤Gの液状化を防止することがで
きる。
また、前記止水壁100によりその外部からの地下水の
侵入を防止することができる(止水効果)。その結果、
前記止水壁100を設けると前記止水壁100を設けない場合
に比べ、より地盤Gの液状化を防止することができる。
また、前記止水壁100を設けない場合に比べ、前記止
水壁100の外周部の地盤G中に発生する過剰水圧が前記
止水壁100の内部の地盤Gに及ぼす悪影響を遮断するの
で、基礎全体の液状化抵抗を増大することができる。
また、前記ビルディング10の自重を前記基礎杭が支持
しているので、浅いほど初期有効応力が小さい。したが
って、地盤Gの浅いところほど有効応力の増加率が高
い。なお、第5図は前記ビルディング10を地盤Gに構築
した場合における過圧密効果のみによる液状化抵抗増加
率を示すものである。かかるグラフの縦軸は深度を表
し、横軸は過圧密を起こさない場合に対する比を表すも
のであり、当該グラフから上記結論が導かれる。
また、前記ビルディング10が前記フィルター層20を介
して地盤Gに密着していること、さらには前記止水壁10
0が地盤G中に打ち込まれているので、本実施例に比べ
ことから、逸散減衰効果が大きいビルディング10を構築
することができる。
また、前記止水壁100により圧密を起こす範囲を限定
しているので、前記止水壁100外周部の地盤Gが圧密を
起こすことはない。前記ビルディング10及びその他の構
築物に不等沈下等の悪影響を与えることがない。
なお、前記止水壁100を地盤Gを掘削前に構築した
が、本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発
明においては、例えば、前記耐圧スラブ11構築後等、本
発明を実施するうえで好適な時期に構築することができ
る。
また、前記止水壁100を不透水層I内まで延びるよう
に構築したが、本発明の範囲をそれに限定する趣旨では
なく、本発明においては、非液状化層まで延びるように
前記止水壁100を構築することができる。
また、本実施例においては前記止水壁100を設けてい
るが、本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本
発明においては止水壁100を設けない地盤においても用
いることができる。
[発明の効果] 本発明は、以上のように構成しているので、以下に記
載するような効果を奏する。
本発明にかかる液状化防止工法及び液状化防止構造に
よれば、非粘性地盤は圧密を起こし、それに伴い有効応
力が増大するので、非粘性地盤の液状化を防止すること
ができる。また、仮に有効応力の増加分が全て解放され
ても過圧密効果により非粘性地盤の液状化を防止するこ
とができる。
また、圧力伝達材の加圧を無振動無騒音により行うこ
とができるので、非粘性地盤における液状化を、かかる
建築物及びその他の構築物に影響を与えることなく防止
することができる。
また、静的加圧により非粘性地盤に圧密を起こすの
で、細粒土分の多い砂質土における液状化防止効果が大
きい。
また、脈動手段が地盤に繰り返し剪断応力を生じさせ
るので、地盤の液状化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の一実施例を示すものであ
り、第1図は本実施例にかかる液状化防止構造の縦断面
図であり、第2図はビルディングの、排水壁を含む横断
面図、第3図及び第4図は本発明の他の実施例を示すも
のであり、第3図はビルディングの、排水壁を含む横断
面図、第4図はグランドアンカーを設けたビルディング
の縦断面図、第5図は過圧密効果のみによる液状化抵抗
増加率を示すグラフである。 G……地盤、I……不透水層、10……ビルディング、20
……フィルター層、30……加圧用袋体、40……水、50…
…加圧管、60……脈動機能付コンプレッサー、70……バ
ルブ、80……排水壁、81……グラベルドレーン、90……
貯水槽、100……止水壁、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−191117(JP,A) 特開 平1−239217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 27/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物を構築すべき非粘性地盤の液状化防
    止構造であって、建築物の基礎底面を構成する耐圧スラ
    ブと、当該耐圧スラブと地盤との間に設けたフイルター
    層と、前記フイルター層に埋設してなる加圧用袋体と、
    当該加圧用袋体に圧力を伝達してなる圧力伝達材と、前
    記フイルター層に連通してなる排水手段と、前記加圧用
    袋体に繰り返し圧力を加わえる脈動手段と、当該脈動手
    段と前記加圧用袋体とを連通してなる加圧管とを備えた
    ことを特徴とした液状化防止構造。
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