JP2832204B2 - 液状化防止工法及び液状化防止構造 - Google Patents

液状化防止工法及び液状化防止構造

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JP2832204B2 JP1329154A JP32915489A JP2832204B2 JP 2832204 B2 JP2832204 B2 JP 2832204B2 JP 1329154 A JP1329154 A JP 1329154A JP 32915489 A JP32915489 A JP 32915489A JP 2832204 B2 JP2832204 B2 JP 2832204B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、地震、衝撃荷重等により液状化容易な非粘
性地盤上に、建築物を構築する場合に好適な液状化防止
工法及び液状化防止構造に関するものである。
[従来の技術] 近年、地価高騰等の理由により臨海部、河口部等の所
謂ウォーターフロントの開発が盛んに行われいる。
しかしながらウォーターフロントは、水辺に接してい
るため軟弱地盤が多く、砂質地盤であることも少なくな
い。
ことろで、砂質地盤その他の非粘性地盤においては、
地震、衝撃荷重等により液状化が発生する。
非粘性地盤の液状化は、以下のメカニズムにより発生
すると考えられている。
非粘性土が、地震、衝撃荷重等によって間隙水圧が上
昇し、それに伴って有効応力が零に近づく。そして、有
効応力が零になると剪断強さが零になり、非粘性土が液
状を呈する。その結果、非粘性地盤に液状化が発生す
る。
このように液状化は、非粘性地盤が液状を呈するもの
であるため、建築物の倒壊等、大きな被害もたらす。
そのため、非粘性地盤における建築物の構築方法等が
種々提案されている。かかる工法としては砂地盤中にグ
ラベルドレーンと呼ばれる砂利等からなる柱体を施工
し、地震時等における砂地盤中の間隙水をグラベルドレ
ーンを通じて地表面の排水層に排水することで液状化を
防止するグラベルドレーン工法ま、砂地盤中に井戸を掘
ってこの井戸から地下水を汲み上げることで地下水位を
低下させ、これにより地表面付近の液状化を防止する地
下水低下工法等がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の液状化防止手段は、次に掲げる
問題点があった。
前記グランベルドレーン工法においては、ドレーンの
配置やその間隔等により排水性能も大きく異なり、確実
な排水効果を得にくいという問題点があった。
また、地下水低下工法においては、地下水を常時汲み
上げる必要があるため排水ポンプ等の永久施設が不可欠
であること、設備費等が嵩むこと等の問題点があった。
かかる問題点に鑑み本発明者は「構造物の基礎構造」
(特願平1−138214号)等を提供している。
さらに本発明者は、静的荷重により、建築物を構築し
た地盤に圧密を起こせば、当該建築物及びその他の構築
物に騒音、振動等の悪影響を与えないことを見いだし
た。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
その目的とするとこは、非粘性地盤における液状化を、
かかる建築物及び当該他の建築物等に影響を与えること
なく防止することができる液状化防止工法を提供する点
にある。
[課題を解決するための手段] 本発明の液状化防止方法は、建築物の基礎底面を構成
する耐圧スラブとそれを支持する非粘性地盤との間にフ
ィルター層を設けておくとともに、該フィルター層内に
膨張可能な加圧用袋体を略水平に埋設しておき、前記建
築物を構築した後に該加圧用袋体を膨張させてその膨張
圧力を所定期間維持することにより、該膨張圧力を前記
フィルター層介してその下方の非粘性地盤に対して作用
せしめるとともにその反力を前記耐圧スラブを介して前
記建築物の自重により受けることにより、該加圧用袋体
の膨張圧力により前記非粘性地盤を鉛直方向下方に向け
て押圧してそれを圧密せしめ、かつ、その圧密により生
じた余剰間隙水を前記フィルター層に集水して外部に排
水することを特徴とする。この場合、前記加圧用袋体の
膨張圧力を所定期間維持する際に当該膨張圧力に脈動を
与えることが好適である。
また、本発明の液状化防止構造は、建築物の基礎底面
を構成する耐圧スラブと、該耐圧スラブとそれを支持す
る非粘性地盤との間に形成されたフィルター層と、前記
フィルター層内に略水平な状態で埋設され所定の膨張圧
力が与えられて膨張することにより前記非粘性地盤を鉛
直方向下方に押圧してそれを圧密する加圧用袋体と、該
加圧用袋体内に加圧注入されてそれを膨張させる圧力伝
達材と、前記加圧用袋体の膨張圧力を所定圧力に維持す
る圧縮装置と、前記非粘性地盤が圧密されることで生じ
て前記フィルター層に集水される間隙水を外部に排水す
るための排水管とを具備して構成されてなることを特徴
とする。この場合、前記加圧用袋体の膨張圧力に脈動を
与えるための脈動手段を具備することが好適である。
[作用] フィルター層内に水平に設けた加圧用袋体を膨張させ
ると、その膨張圧力が建築物の自重を反力としてフィル
ター層を介してその下方の非粘性地盤に対して鉛方向下
方に押圧するように作用する。したがって、加圧用袋体
の膨張圧力を所定期間一定に維持し、必要に応じて膨張
圧力に脈動を与えて断続的に変化させることにより、非
粘性地盤が鉛直方向に圧密される。圧密された非粘性地
盤から生じた余剰間隙水の一部はフィルター層に集水さ
れ、排水管を通して外部に排水される。これにより、有
効応力が上昇し、液状化抵抗が増大する。その結果、地
震、衝撃荷重等による液状化を防止することができる。
なお、増大した有効応力を保持することが望ましいが、
地盤の応力緩和により有効応力が減少した場合であって
も、荷重履歴、即ち過圧密効果により液状化を防止する
ことができる。
一方、前記圧力伝達材への加圧は無振動無騒音により
行うことが可能である。
したがって、本発明は、かかる建築物及びその他の構
築物に影響を与えることなく非粘性地盤の液状化を防止
することができる。
脈動手段は圧力伝達材の圧力を変動し、かかる変動に
より有効応力も変動する。有効応力が変動すると繰り返
し剪断応力が生じる。当該繰り返し剪断応力は非粘性地
盤の液状化を防止する(技報堂出版株式会社「砂地盤の
液状化」吉見吉昭著45頁等)。したがって、脈動手段に
より圧力伝達材の圧力を変動すすと非粘性地盤の液状化
を防止することができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。ただし、本実施例に記載されている構成部品
の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的
な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに
限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎな
い。
(実施例1) 実施例1にかかる液状化防止工法及び液状化防止構造
について説明する。
まず当該液状化防止構造について第1図を用いて説明
する。
第1図は前記液状化防止構造の縦断面図である。
前記液状化防止構造は、第1図に示すようにビルディ
ング(建築物)10の基礎底面を構成する耐圧スラブ11
と、当該耐圧スラブ11の下層に設けたフイルター層20
と、前記ビルディング10を支持する目的で設けた基礎杭
90と、前記フイルター層20に埋設した加圧用袋体30と、
当該加圧用袋体30に圧力を伝達する水(圧力伝達材)40
と、前記ビルディング10の最下層と前記フイルター層20
とを連通する、前記耐圧スラブ11に設けた排水管80とか
らなるものである。前記加圧用袋体30は加圧管50を有
し、当該加圧管50は前記耐圧スラブ11から突出し、さら
にコンブレッサー(圧縮装置)60に接続してなるもので
ある。
なお、前記ビルディング10は11層(地上10階、地下1
階)のものである。なお、実施例1においては前記ビル
ディング10の層数を11としているが本発明の範囲をそれ
に限定する趣旨ではなく、本発明においては本発明を実
施するうえで好適な層数とすることができる。
次ぎに前記液状化防止工法について第1図を用いて説
明する。
まず、前記基礎杭90を掘削地盤Gに構築する。前記基
礎杭90は前記耐圧スラブ11を支持するものであるので、
当該基礎杭90の一端を掘削面から前記フイルター層20の
厚さ分だけ突出するようにしておく。
次いで、山止め工及び排水工を行った後、地下水位以
下まで地盤Gを掘削する。掘削する深さは、前記耐圧ス
ラブ11下面までの深さに前記フイルター層20の厚さを加
えた深さとする。当該山止め工はSMW工法等、また、排
水工にはウェルポイト若しくはディープウェルを用いる
方法等、本発明を実施するうえで好適なものを用いるこ
とができる。
次いで、前記フイルター層20を形成する。前記フイル
ター層20は粗砂を材としてなるものである。前記フイル
ター層20の厚さは前記加圧用袋体30を埋設可能な厚さと
すればよい。
また、前記フイルター層20を形成する際、前記加圧用
袋体30を埋設する。前記加圧用袋体30はゴム製のもので
ある。前記加圧用袋体30の埋設方法は次のように行う。
前記粗砂を所定厚さに敷き詰めた後、当該粗砂上に前記
加圧用袋体30を載置する。その後、さらに粗砂を投入
し、前記加圧用袋体30を埋設する。なお、実施例1にか
かる前記加圧用袋体30はゴム製のものであるが、本発明
の範囲をそれに限定する樹脂ではなく、本発明において
は他のもの、例えば、ポリエチレン、その他の水密性及
び延伸性又は膨張性を有するものを用いることができ
る。また、実施例1においては前記フイルター層20を形
成する材として粗砂を用いているが、本発明の範囲をそ
れに限定する趣旨ではなく、本発明においては他のも
の、例えば、レキ、細砂、人口透水石等、本発明を実施
するうえで好適な透水性材料を用いることができる。
次いで、前記耐圧スラブ11を含む基礎構造を構築す
る。当該耐圧スラブ11の強度については、前記水40に加
える圧力を考慮して定める。
また、前記耐圧スラブ11の構築の際に前記加圧管50と
前記排水管80とを設ける。かかる設置方法は、前記加圧
管50と前記排水管80とを、前記耐圧スラブ11の上下両層
が連通するように配管し、前記耐圧スラブ11を構築する
ためのコンクリートを打設する。
次いで、前記耐圧スラブ11の構築後に、前記加圧管50
から前記水40を前記加圧用袋体30に注入し、加圧する。
かかる注入及び加圧はコンプレッサー60により行う。か
かる圧力は前記ビルディング10の自重を越えない範囲と
する。蓋し、当該圧力により生じる圧密荷重の反力が、
前記ビルディング10の自重を越えると前記ビルディング
10が浮き上がる恐れが有るからである。
次いで、バルブ70を締めることにより前記加圧用袋体
30中の水圧を所定期間ほぼ一定に保持できるようにす
る。ほぼ一定としたのは圧密により減圧するからであ
る。なお、前記加圧管50は、かかる配管後にコンプレッ
サー60に接続しておけばよい。また、実施例1において
は前記水40の注入加圧にコンプレッサー60を用いたが本
発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明にお
いては他のもの、例えば、ポンプ等、本発明を実施する
うえで好適なものを用いることができる。また、前記所
定期間とは、前記ビルディング10を構築するうえで必要
な、土の密度を得ることができるまでの期間である。本
発明における所定期間も同様である。
次ぎに、以上のように構成した液状化防止工法及び液
状化防止構造の作用について説明する。
前記加圧管50は、前記水40を前記加圧用袋体30に注入
する。
前記水40を、前記加圧用袋体30に注入し加圧すると、
当該水40は前記加圧用袋体30さらにはフイルター層20を
介してかかる圧力を地盤Gに伝達し、これにより地盤G
は鉛直方向下方に向けて押圧されるとともにその反力は
耐圧スラブ11を介してビルディング10の自重により受け
られる。当該圧力によりかかる地盤G中の間隙水圧が上
昇し、かかる間隙水110が前記フイルター層20に向かっ
て上昇浸透する。
前記フイルター層20は前記間隙水110を含水する。
前記フイルター層20が前記間隙水110により満たされ
ると、前記排水管80は前記管隙水110を前記フイルター
層20外部に排出する。なお、前記排水管80を排水路に接
続しておけば、前記間隙水110を前記ビルディング10の
外部に排水できる。
その結果、かかる地盤Gが圧密を起こす。
地盤Gは時間の経過に伴い、間隙水圧が減少し、それ
に伴い有効応力が上昇する。その結果、実施例1によれ
ば地震、衝撃荷重等による液状化を防止することができ
る。
前記水40の加圧は、コンプレッサー60により無振動騒
音により行うことができる。
次ぎに、以上のように構成した液状化防止工法及び液
状化防止構造の効果について説明する。
前記液状化防止工法及び液状化防止構造によれば地盤
Gは圧密を伴う加圧により、前記地盤Gの有効応力が増
大する。その結果、前記地盤Gの液状化を防止すること
ができる。ここで、前記圧力により生じた有効応力のう
ち鉛直方向成分は圧密等による応力緩和により減少する
が、平均主応力の増大と過圧密(過去に地盤の自重以上
の圧密荷重をうけた状態)効果により液状化を防止する
ことができる。
また、前記コンプレッサー60の稼働を外部に対して無
騒音無振動により行うことができる。したがって、前記
ビルディング10及びその他の構築物に対して騒音、振動
等の悪影響を与えることなく地盤Gの液状化を防止する
ことができる。
また、静的加圧により地盤Gに圧密を起こすので、細
粒土分の多い砂質土における液状化防止効果が大きい。
さらに、実施例1においては、地盤Gに前記基礎杭90
を設置しているので、前記基礎杭90周辺の緩んだ土に対
する圧密効果が大きい。蓋し、前記基礎杭90により前記
ビルディング10の自重を支持しているので、前記各基礎
杭90間における地盤Gはビルディング10の自重による圧
密を殆ど起こしていないからである。
なお、実施例1においては前記水40を前記加圧用袋体
30の中に存置したままであるが、本発明の範囲をそれに
限定する趣旨ではなく、本発明においては所要の圧密が
得られた後他のもの、例えば、セメントペーストその他
の自硬物等、本発明を実施するうえで好適なものを前記
加圧用袋体30に注入することができる。かかる場合にお
いては、かかるメンテナンス不要である。また、ビルデ
ィングに地震時に加わる水平力の一部が前記耐圧スラブ
11の表面から直接地盤に伝達されるため前記基礎杭90の
負担を軽減することができる。但し、実施例1と同様に
地盤Gの応力緩和により時間とともに有効応力が減少す
る。減少の度合いは鉛直方向成分で大きく水平方向成分
で小さい。最悪の場合、加圧による有効応力の増加分が
すべて解放されても、過去に加圧されたという履歴効果
(過圧密効果)によって液状化の防止を期待することが
できる。
かかるセメントペースト硬化体その他の自硬性硬化体
により、前記加圧用袋体30の中に流体を存置した場合に
比べ、前記ビルディング10の安定化を図ることができ
る。
また、圧力伝達材として前記水40を用いたが本発明の
範囲をそれに限定する趣旨でなく、本発明においては他
のもの、例えば、エチレングリコール、オイルその他の
流動体、セメントペースト、遅硬性グラウトその他の半
流動体等、本発明を実施するうえで好適なものを用いる
ことができる。エチレングリコール、オイルその他の不
凍性流動体を用いた場合には冬季、寒冷地においても本
発明を実施することができる。また、セメントペース
ト、遅硬性グラウトその他の自硬物を用いた場合にはそ
の他の圧力伝達材を使用した場合に比べ労力を軽減する
ことができる。蓋し、自硬物が硬化することにより当該
自硬物の圧力を維持する必要、或は、かかる圧力伝達材
を抜いた後、セメントペースト等を注入する必要がない
からである。
また、前記水40を加圧する際に、かかる圧力を変動し
前記加圧用袋体30が脈動するようにすることも可能であ
る。かかる場合においては地盤Gに繰り返し剪断応力が
生じる。その結果、地盤Gの液状化抵抗を増加すること
ができる。
また、実施例1においては、地盤G掘削後前記フイル
ター層20形成前に、前記基礎杭90を打ち込んだが、本発
明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発明におい
ては前記フイルター層20を形成後に前記基礎杭90を打ち
込むことができる。
また、実施例1においてはバルブ70により前記加圧用
袋体30の水圧をほぼ一定に保持したが、本発明の範囲を
それに限定する趣旨ではなく、本発明においては他の方
法、例えば、前記コンプレッサー60により加圧し維持す
る方法や、バルブ70を締めた後、圧力が低減する毎に当
該バルブ70を開けて圧力を加え、かかる加圧後再び当該
バルブ70を閉じる方法等、本発明を実施するうえで好適
な方法を用いることができる。かかる場合においては前
記加圧用袋体30内の水圧を一定に保持することができる
ので、所期の高い有効応力を維持することができる。ま
た、前記コンプレッサー60に地震検知手段を接続してお
き、当該地震検知手段が地震発生を検知した場合には前
記コンプレッサー60を制御し、短時間加圧することもで
きる。
また、実施例1において間隙水110を前記排水管から
自然排水したが、本発明の範囲をそれに限定する趣旨で
はなく、本発明においては、上記のようにフィルター層
20に集水した間隙水110を排水管80により排水すること
に加えて、例えば、ウェルポイントを用いて強制排水す
ることもできる。
また、グランドアンカーを用い、そのグランドアンカ
ーに圧密荷重(つまり加圧用袋体の膨張圧力による鉛直
方向下方への押圧力)に対する反力の一部を負担させる
ことも可能であり、その場合には地盤Gに前記ビルディ
ング10の自重をこえる圧力を加えることもできる。かか
る場合においては、低層建築物にも本発明を適用するこ
とができる。
また、実施例1においては上記方法により前記加圧管
50と前記排水管80とを設けたが、本発明の範囲をそれに
限定する趣旨ではなく、本発明においては他の方法、例
えば、前記耐圧スラブ11構築の際に前記加圧管50と前記
排水管80とをそれぞれ挿通可能な孔を設け、あるいは削
孔し、その後かかる孔に前記加圧管50と前記排水管80と
をそれぞれ対応する孔に挿通する方法等、本発明を実施
するうえで好適なものを用いることができる。
また、前記耐圧スラブ11下面には防水処理していない
が、本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、本発
明においては、例えば、メンブレン等、本発明を実施す
るうえで好適なものを用いて防水処理することもでき
る。かかる場合は防水処理しない場合に比べ地下室内を
低湿度に保つことができる。
また、実施例1においては圧縮装置としてコンプレッ
サー60を用いたが、本発明の範囲をそれに限定する趣旨
ではなく、本発明においては他の、もの、例えば、ポン
プ等、本発明を実施するうえで好適なものを用いること
ができる。
(実施例2) 次ぎに、実施例2にかかる液状化防止工法及び液状化
防止構造について第2図を用いて説明する。
第2図は実施例2にかかる液状化防止構造の縦断面図
である。
前記液状化防止構造は、第2図に示すように、実施例
1にかかる構造の前記耐圧スラブ11の外周にさらに不透
水層I内まで延びる地中壁100を構築してなるものであ
る。その他の構造については実施例1と同様である。
当該地中壁100はかかる地盤Gの掘削前に構築する。
実施例2にかかる液状化防止工法及び液状化防止構造
は、実施例1にかかる液状化防止工法及び液状化防止構
造の作用効果の他に以下に掲げる作用効果を有する。
実施例1においては前記地中壁100を設けていないた
め、液状化抵抗が増大する有効応力成分のうち、水平方
向成分の有効応力が保持される度合いが少なかったが、
実施例2においては前記地中壁100を設けているので、
有効応力の水平方向成分の相当部分を保持することがで
きる。蓋し、前記圧力伝達材を加圧したことにより生じ
た土圧は、前記地中壁100がない場合は下方に行くにし
たがい分散減少するのに対し、前記地中壁100がある場
合には前記土圧は分散せず、前記耐圧スラブ11直下の地
盤Gに伝わるからである。
その結果、前記地中壁100を前記耐圧スラブ11外周に
設けると、さらに水平抵抗を増大することができる。
前記地中壁100により、圧力伝達材に加えた圧力によ
り生じた土圧は分散せず、前記耐圧スラブ11直下の地盤
Gに伝達することができる。
したがって、前記ビルディング10及び当該他の構築物
に悪影響を与えることなく液状下を防止することができ
る、 また、前記地中壁100の外部からの地下水の侵入を防
止することができる(止水効果)。その結果、前記地中
壁100を設けると前記地中壁100を設けない場合に比べ、
より地盤Gの液状化を防止することができる。
また、前記地中壁100を設けない場合に比べ、前記地
中壁100の外周部の地盤G中に発生する過剰水圧が前記
地中壁100の内部の地盤Gに及ぼす悪影響を遮断するの
で、基礎全体の液状化抵抗を増大することができる。
また、前記ビルディング10の自重を前記基礎杭90が支
持しているので、浅いほど初期有効応力が小さい。した
がって、地盤Gの浅いところほど有効応力の増加率が高
い。その結果、実施例2にかかる液状化防止工法及び液
状化防止構造は、実施例1にかかる液状化防止工法及び
液状化防止構造に比べ、地盤Gの水平抵抗を大きくする
ことができる。なお、第3図は前記ビルディング10を地
盤Gに構築した場合における過圧密効果のみによる液状
過抵抗増加率を示すものである。かかるグラフの縦軸は
深度を表し、横軸は過圧密を起こさない場合に対する比
を表すものであり、当該グラフから上記結論が導かれ
る。
また、前記ビルディング10が前記フィルター層20を介
して地盤Gに密着していること、さらには前記地中壁10
0が地盤G中に打ち込まれているので、実施例1に比
べ、逸散減衰効果が大きいビルディング10を構築するこ
とができる。
また、前記地中壁100により圧密を起こす範囲を限定
しているので、前記地中壁100外周部の地盤Gが圧密を
起こすことはない。前記ビルディング10及びその他の構
築物に不等沈下等の悪影響を与えることがない。
なお、実施例2においては前記地中壁100を地盤Gを
掘削前に構築したが、本発明の範囲をそれに限定する趣
旨ではなく、本発明においては、例えば、前記耐圧スラ
ブ11構築後等、本発明を実施するうえで好適な時期に構
築することができる。
なお、実施例2においては前記地中壁100を不透水層
I内まで延びるよに構築したが、本発明の範囲をそれに
限定する趣旨ではなく、本発明においては、非液状化層
まで延びるように前記地中壁100を構築することができ
る。
[発明の効果] 本発明は、以上のように構成しているので、建築物直
下の支持地盤に対して適用して好適であり、以下に記載
するような効果を奏する。
本発明にかかる液状化防止工法及び液状化防止構造に
よれば、非粘性地盤は圧密を起こし、それに伴い有効応
力が増大するので、非粘性地盤の液状化を防止すること
ができる。また、仮に有効応力の増加分が全で解放され
ても過圧密効果により非粘性地盤の液状化を防止するこ
とができる。
また、圧力伝達材の加圧を無振動無騒音により行うこ
とができるので、非粘性地盤における液状化を、かかる
建築物及びその他の構築物に影響を与えることなく防止
することができる。
また、静的加圧により非粘性地盤に圧密を起こすの
で、細粒土分の多い砂質土における液状化防止効果が大
きい。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明の実施例を示すものであり、
第1図は実施例1にかかる液状化防止構造の縦断面図で
あり、第2図は実施例2にかかる液状化防止構造の縦断
面図であり、第3図は過圧密効果のみによる液状化抵抗
増加率を示すものである。 G……地盤、I……不透水層、 10……ビルディング、11……耐圧スラブ、20……フイル
ター層、30……加圧用袋体、40……水、50……加圧管、
60……コンプレッサー、70……バルブ、80……排水管、
90……基礎杭、100……地中壁、110……間隙水、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−239217(JP,A) 特開 昭54−107114(JP,A) 特開 昭61−266717(JP,A) 特開 昭63−206514(JP,A) 実開 昭50−62306(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 27/34 E02D 3/02 - 3/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物を支持する非粘性地盤に対する液状
    化防止工法であって、前記建築物の基礎底面を構成する
    耐圧スラブとそれを支持する非粘性地盤との間にフィル
    ター層を設けておくとともに、該フィルター層内に膨張
    可能な加圧用袋体を略水平に埋設しておき、前記建築物
    を構築した後に該加圧用袋等を膨張させてその膨張圧力
    を所定期間維持することにより、該膨張圧力を前記フィ
    ルター層を介してその下方の非粘性地盤に対して作用せ
    しめるとともにその反力を前記耐圧スラブを介して前記
    建築物の自重により受けることにより、該加圧用袋体の
    膨張圧力により前記非粘性地盤を鉛直方向下方に向けて
    押圧しそれを圧密せしめ、かつ、その圧密により生じた
    余剰間隙水を前記フィルター層に集水して外部に排水す
    ることを特徴とする液状化防止工法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液状化防止工法において、
    前記加圧用袋体の膨張圧力を所定期間維持する際に当該
    膨張圧力に脈動を与えることを特徴とする液状化防止工
    法。
  3. 【請求項3】建築物を支持する非粘性地盤に対する液状
    化防止構造であって、前記建築物の基礎底面を構成する
    耐圧スラブと、該耐圧スラブとそれを支持する非粘性地
    盤との間に形成されたフィルター層と、前記フィルター
    層内に略水平な状態で埋設され所定の膨張圧力が与えら
    れて膨張することにより前記非粘性地盤を鉛直方向下方
    に押圧してそれを圧密する加圧用袋体と、該加圧用袋体
    用に加圧注入されてそれを膨張させる圧力伝達材と、前
    記加圧用袋体の膨張圧力を所定圧力に維持する圧縮装置
    と、前記非粘性地盤が圧密されることで生じて前記フィ
    ルター層に集水される間隙水を外部に排水するための排
    水管とを具備して構成されてなることを特徴とする液状
    化防止構造。
  4. 【請求項4】請求項3記載の液状化防止構造において、
    前記加圧用袋体の膨張圧力に脈動を与えるための脈動手
    段を具備することを特徴とする液状化防止構造。
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