JP2776520B2 - ヘッドライトの光軸調整方法 - Google Patents

ヘッドライトの光軸調整方法

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JP2776520B2 JP63280851A JP28085188A JP2776520B2 JP 2776520 B2 JP2776520 B2 JP 2776520B2 JP 63280851 A JP63280851 A JP 63280851A JP 28085188 A JP28085188 A JP 28085188A JP 2776520 B2 JP2776520 B2 JP 2776520B2
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国昭 松本
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Sanei Kogyo KK
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車組立ラインにおけるヘッドライトの光
軸調整方法に関し、さらに詳しくはヘッドライトのロー
ビーム(すれ違いビーム)での光軸調整方法に関する。
従来の技術 自動車のヘッドライトの配光パターン、特にハロゲン
ヘッドライトのロービームでの配光パターンの1つとし
て、第7図に示すように光軸を中心とした時の左右の配
光パターンを非対称とし、明部aと暗部bとの明暗境界
線C(以下、これをカットラインと称する)を比較的明
確に出すようにしたものがある。なお、第7図は右ハン
ドル車の右側ヘッドライトの配光パターンを示してい
る。このカットラインCは、水平カットラインC1に対し
て斜めカットラインC2が所定の角度をもって交差するよ
うに設定される。
そして、上記のような配光パターンをもつヘッドライ
トの光軸調整を行うにあたっては、自動車の前方に設置
されたスクリーンSに対してヘッドライトのロービーム
を照射し、第7図に示すようにその配光パターンのカッ
トラインCの交差部Qが、予めスクリーンS上に記され
た基準マークMと一致するように目視にて確認しながら
図示外のアジャスタスクリューを回転操作して調整作業
を行っている。
また、他の方法としては、ロービームが照射されるス
クリーンS上に多数の受光素子を配置して配光パターン
のなかの最高照度点を特定し、この最高照度点が規定の
エリア内に入るように調整する方法がある。
発明が解決しようとする課題 しかしながら前者の方法においては、実際のカットラ
インCが第7図のように明確にあらわれないために、カ
ットラインCが基準マークMに一致したかどうか視認し
にくく、調整精度の向上に限界があるとともに作業者の
目の疲労を招くという問題がある。
また後者の方法においては、第7図のほか第5図に示
すようにカットラインCを含む配光パターンの照度分布
がフラットであるために、特に左右方向での最高照度点
の特定が困難で、前者の方法と同様に調整精度の上でな
おも問題を残している。
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、目視に頼ることなくカッ
トラインを定量的に把握して光軸調整精度の向上を図る
ことができる方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明はスクリーンに照射されたヘッドライトのロー
ビーム照射光の配光パターンのうち明暗境界線である水
平カットラインとこれに連続する斜めカットラインとか
らなるカットラインをとらえて光軸を調整する方法であ
って、スクリーンを上下および左右方向に移動させるた
めのスクリーン駆動部に車種情報を与えて、前記水平カ
ットラインおよび斜めカットラインをはさんで配置され
た2組のカットライン受光センサならびに配光パターン
の明部に対応する基準受光センサを有してなるスクリー
ンと光軸調整対象となる車体とを正対させる一方、車高
センサにより車体上面の二箇所を検出部位としてい車高
を検出してその実測した車高データに基づいてスクリー
ンの位置を修正することによりそのスクリーンと車体と
の高さを整合させ、前記カットライン受光センサと基準
受光センサの出力を、各車種ごとに予め設定されている
比較設定レベルのもとで相互に比較することにより、光
軸が規定範囲内に入るまでに必要な光軸を補正すべき方
向の指示を出し、この指示に基づいて、配光パターンの
カットラインが前記カットライン受光センサの対向間隙
内に入るように光軸の向きを調整することを特徴として
いる。
光軸を補正(修正)するためのアジャスタスクリュー
の操作は、作業者のほか産業用ロボット等で行ってもよ
い。上記の操作を作業者が行う場合には、光軸を補正す
べき方向の指示は、作業者が視認しやすいように所定の
表示装置に象形表示する。一方、アジャスタスクリュー
の操作を産業用ロボット等で行う場合には、上記の指示
は可視表示することなく直接ロボット制御系に与えるだ
けで足りる。
作用 本発明方法によると、水平カットラインおよび斜めカ
ットラインのそれぞれが、対をなすカットライン受光セ
ンサの配置間隙内に入った時点で初めて光軸が合格範囲
内に入るものであり、実質的に水平カットラインおよび
斜めカットラインのそれぞれを個別的にカットライン受
光センサで捕捉するようにしているので、光軸調整精度
が大幅に向上することになる。
実施例 第2図および第3図は本発明が適用されるシステム全
体の概略説明図である。1は車両、2はヘッドライト、
3は車両1の前方に配設されてヘッドライト2のロービ
ームが照射されるスクリーン、4は車両1の上方にある
設置された超音波距離センサ等の車高センサである。こ
の車高センサ4は例えば車両1のフードおよびルーフの
2点の高さから車高を検出する。
スクリーン3は光軸調整作業が終了した車両1が通過
し得るように門型の支柱5に上下動可能に支持されてい
る。すなわち、スクリーン3は第2図に示すようにフレ
ーム6に取り付けられており、駆動モータ7のはたらき
によりバランスウエイト8付きのチェーン9を介してフ
レーム6ごと昇降駆動される。また、スクリーン3はサ
ーボモータ10.16によって上下および左右方向にも単独
で移動できる構造となっている。
スクリーン3には第1図に示すように、ロービームの
配光パターンのカットラインCに沿って、水平カットラ
インC1および斜めカットラインC2をそれぞれ挟むように
2組のカットライン受光センサ(フォトダイオード)1
1,12,13,14が配置され、さらに配光パターンの明部aに
対応する基準受光センサ15が配置されている。17は制御
装置、18はヘッドライト2の光軸を補正すべき方向を矢
印にて可視表示する作業指示表示器、19は光軸調整作業
の終了を確認の意味で可視表示する表示器である。
次に制御装置17の処理内容を第3,4図および第6図に
基づいて説明する。第3図に示すように光軸調整ステー
ジに光軸調整対象となる車両1が進入し、その車両1の
車種信号が上位の生産指示装置から制御装置17に与えら
れる(ステップS1)。その車種は表示器19の車種表示ラ
ンプ22のいずれかが点灯することで表示される。
そして、作業者が作業開始釦20を押すとモータ7が起
動し、車両1と正対する位置までスクリーン3が下降す
る(ステップS2,S3)。この時、車種信号によって特定
される位置までスクリーン3が下降するものの、サスペ
ンション系の相違やタイヤ空気圧の相違のために実際の
車高がばらつき、ヘッドライト2の中心とスクリーン3
の中心とが必ずしも一致しない。
そこで、車高センサ4により車両1の実際の車高を検
出し、ヘッドライト2の中心とスクリーン3の中心とが
一致するようにサーボモータ10,16を起動してスクリー
ン3の位置を修正する(ステップS4,S5)。こうして、
ヘッドライト2とスクリーン3の相対位置関係が定まる
と、ヘッドライト2が点灯して左右のヘッドライト2ご
とに光軸測定に移行する(ステップS6)。
ヘッドライト2が点灯するとそのロービームがスクリ
ーン3上に照射され、配光パターン内にあるカットライ
ン受光センサ11,12,13,14および基準受光センサ15の出
力、すなわち照度に応じた電圧が出力として制御装置17
内の判定回路21に取り込まれる。そして、カットライン
受光センサ11,12の出力をV1,V2、同じくカットライン受
光センサ13,14の出力をV3,V4、基準受光センサ15の出力
をV5としたとき、判定回路21では先ずV5>0であるかど
うかを判断する(ステップS7)。これはスクリーン3上
に照射された光がヘッドライト照射光であるか外光によ
る照射光であるかを区別するためのもので、ロービーム
による一定値以上の照射光度であれば次のステップに進
む。
次にカットライン受光センサ11,12の出力と基準受光
センサ15の出力とを判定回路21の差動比較部で相互に比
較し、V5>V2でV5>V1の時は光軸が下向きで、V5≦V2
V5≦V1の時は光軸が上向きであるとそれぞれ判定し、さ
らにV5≦V2でV5>V1の時は光軸が上下方向ではバランス
していて合格範囲内にあるものと判定する(ステップS8
〜S13)。すなわち、光軸が上下方向でバランスしてい
る状態とは、V5≦V2およびV5>V1の関係よりして少なく
とも水平カットラインC1が一対のカットライン受光セン
サ11,12の配置間隙内に入っていることを意味し、それ
によってカットラインCと相関のある光軸が上下方向に
ついては合格範囲に入っているものと判定する。ここ
で、各受光センサ11,12,13,14および15の出力のうち相
互に比較すべき比較設定レベルは、各車種ごとにパター
ン化されて予め記憶されており、上記の車種信号により
該当する車種のパターンがその都度呼び出される。
一方、上記のように光軸が下向きと判定された場合に
は、光軸を上向き側に修正する必要があることから作業
指示表示器18の上向き矢印のランプを点灯させ、作業者
はこの上向き矢印のランプを見ながらヘッドライト2に
付設されているアジャスタスクリューを操作して光軸を
上向きに修正する。同様に光軸が上向きと判定された場
合には、光軸を下向き側に修正する必要があることから
作業指示表示器18の下向き矢印のランプを点灯させ、作
業者はこの下向きの矢印のランプを見ながらヘッドライ
ト2に付設されているアジャスタスクリューを操作して
光軸を下向きに修正する。このようにしてカットライン
Cと相関のある光軸が少なくとも上下方向については合
格範囲内に入るように修正される。
続いてステップS14以降ではカットライン受光センサ1
3,14の出力と基準受光センサ15の出力とを判定回路21の
差動比較部で相互に比較し、V5>V4でV5>V3の時は光軸
が左向きで、V5≦V4でV5≦V3の時は光軸が右向きである
とそれぞれ判定し、さらにV5≦V4でV5>V3の時は光軸が
左右方向ではバランスしていて合格範囲内にあるものと
判定する(ステップS14〜S21)。すなわち、光軸が左右
方向でバランスしている状態とは、V5≦V4およびV5>V3
の関係よりして少なくとも斜めカットラインC2が一対の
カットライン受光センサ13,14の対向間隙内に入ってい
ることを意味し、それによってカットラインCと相関の
ある光軸が左右方向については合格範囲に入っているも
のと判定する。
一方、上記のように光軸が左向きと判定された場合に
は、光軸を右向き側に修正する必要があることから作業
指示表示器18の右向き矢印のランプを点灯させ、作業者
はこの右向き矢印のランプを見ながらヘッドライト2に
付設されているアジャスタスクリューを操作して光軸を
右向きに修正する。同様に光軸が右向きと判定された場
合には、光軸を左向き側に修正する必要があることから
作業指示表示器18の左向き矢印のランプを点灯させ、作
業者はこの左向き矢印のランプを見ながらヘッドライト
2に付設されているアジャスタスクリューを操作して光
軸を左向きに修正する。このようにして、カットライン
Cと相関のある光軸が左右方向についても合格範囲内に
入るように修正される。
以上の光軸調整の結果、上下および左右方向の双方共
に光軸が合格範囲内に入ると、第2図の合格表示ランプ
23が点灯する。ここでステップS7からステップS19まで
の処理は左右いずれか一方のヘッドライト2での処理を
示しているが、もう一方のヘッドライト2側でも同じ処
理が並行して行われており、左右のヘッドライト2の光
軸が共に合格範囲内に入るとの旨を示す表示ランプ24が
点灯する(ステップS21)。そして、各ヘッドライン2
の光軸に関するデータがプリンタにて自動的に記録され
たされた後(ステップS24)、作業者が作業終了釦25を
押すとスクリーン3が上昇して1サイクルが終了する。
発明の効果 以上のように本発明によれば、ヘッドライトのロービ
ーム照射光のカットラインのうち水平カットラインと斜
めカットラインとを個別にとらえて、カットラインがカ
ットライン受光センサの配置間隙内に入るようにして光
軸調整を行うものであるから、従来方法と比べて光軸調
整精度が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図でカットラインと受
光センサとの関係を示す説明図、第2図は本発明が適用
される光軸調整システム全体の概略説明図、第3図は同
じくその側面説明図、第4図は制御装置の機能ブロック
図、第5図はロービーム配光パターンの等照度曲線図、
第6図(A),(B),(C)は上記制御装置による光
軸調整時の動作フローチャート、第7図は従来の光軸調
整方法の一例を示す説明図である。 1……車両、2……ヘッドライト、3……スクリーン、
4……車高センサ、11,12,13,14……カットライン受光
センサ、15……基準受光センサ、17……制御装置、18…
…作業指示表示器、19……表示器、21……判定回路、a
……明部、C……カットライン、C1……水平カットライ
ン、C2……斜めカットライン。
フロントページの続き (72)発明者 辻 志郎 神奈川県川崎市高津区下作延965番地 三栄工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−224538(JP,A) 特開 昭59−214731(JP,A) 実開 昭59−12038(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 11/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スクリーンに照射されたヘッドライトのロ
    ービーム照射光の配光パターンのうち明暗境界線である
    水平カットラインとこれに連続する斜めカットラインと
    からなるカットラインをとらえて光軸を調整する方法で
    あって、 スクリーンを上下および左右方向に移動させるためのス
    クリーン駆動部に車種情報を与えて、前記水平カットラ
    インおよび斜めカットラインをはさんで配置された2組
    のカットライン受光センサならびに配光パターンの明部
    に対応する基準受光センサを有してなるスクリーンと光
    軸調整対象となる車体とを正対させる一方、 車高センサにより車体上面の二箇所を検出部位として車
    高を検出してその実測した車高データに基づいてスクリ
    ーンの位置を修正することによりそのスクリーンと車体
    との高さを整合させ、 前記カットライン受光センサと基準受光センサの出力
    を、各車種ごとに予め設定されている比較設定レベルの
    もとで相互に比較することにより、光軸が規定範囲内に
    入るまでに必要な光軸を補正すべき方向の指示を出し、 この指示に基づいて、配光パターンのカットラインが前
    記カットライン受光センサの配置間隙内に入るように光
    軸の向きを調整することを特徴とするヘッドライトの光
    軸調整方法。
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