JP3747731B2 - ヘッドライトの光軸検査装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両前方のスクリーン装置に照射されたヘッドライトの配光を撮像して光軸を検査するヘッドライトの光軸検査装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の組立ラインにおいては、従来より、ヘッドライトの組み付け後に、その光軸が所定範囲内に入っているかどうかの検査が行われ、必要に応じてヘッドライトの調整が行われている。この種の検査は、通常、車両前方にスクリーン装置を配置し、これにヘッドライトの光を当て、その配光のカットオフライン(明暗境界線)を観察することにより行われる。この検査は、検査精度の向上のため、ヘッドライトの配光を例えば撮像装置により撮像し、これを種々の手法により画像処理して得たカットオフラインが用いられている。
【0003】
例えば、特公平8−14524号公報には、ヘッドランプの配光パターンの画像信号から所定照度以上となる高照度ゾーンの重心位置を求め、次に該重心位置から左右方向へ、予め設定した水平距離にある各垂直線上の各画素の画像信号値を当該垂直線に沿って微分処理し、該微分処理による微分値が最大となる一方の垂直線上の点において水平線を、他方の垂直線上の点において所定の傾きを有する傾斜線を夫々引く技術が開示されている。
【0004】
また、特公平5−20689号公報には、テレビカメラからの画像をY方向軸で微分し、この微分値から明暗境界線の水平線部を求めるとともに、同様に微分値から明暗境界線の斜線部を求める技術が開示されている。
【0005】
さらに、特開平2−128135号公報には、スクリーンに照射された配光パターンのうち正規の明暗境界線位置の両側に2組の受光センサを設置し、各素子間の受光量の相関値が既定値となった時、明暗境界線があるべき位置に存在すると判断する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮像された画像信号の微分値の最大点を結ぶ線や、固定されたセンサにより一意的に決定する線は、設計者の意図するカットオフラインや品質管理者の目視にて判断するカットオフラインとは必ずしも一致するとは限らず、従来の技術では、検査、調整結果が、設計者の意図や品質管理者の判断と異なる場合がある。
【0007】
また、次のような場合には、カットオフラインの検出結果にバラツキ・フラツキ・誤検出が生じるという問題がある。例えば、ヘッドライトの仕様として、カットオフラインがぼやけている場合(照度変化が穏やかもしくは直線的)、カットオフラインまたは等照度線や等照度変化線に直線性が乏しい場合(浪打、カーブ)、あるいはヘッドライトの製造上、個々に配光バラツキがある場合、また装置における電気的ノイズ及び光学的ノイズ(汚れ等)等により配光状態の入力データにバラツキがある場合などに、上述のような問題が生じる。
【0008】
これらの問題を解決するために各種の補正、調整処理等を施すと、今度は装置の処理速度が低下する。このため、装置の高性能化を図る必要が生ずるとともに、装置の各種設定が複雑となり、また調整が微妙となるので、ヘッドライト用の新ランプの出現毎に多くの作業工数が必要となるという別の問題が発生する。
【0009】
従って本発明の目的は、上記問題点を解決し、設計者の意図するカットオフラインや品質管理者の判断するカットオフラインと一致するカットオフラインを導出でき、且つ、作業性が良好で高速処理の可能なヘッドライトの光軸検査装置及び方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、車両前方のスクリーン装置に照射される基準ヘッドライトの配光を撮像して画面上で基準カットオフラインを定め、上記基準カットオフラインに平行な方向をX方向とすると共に上記X方向に対して垂直な方向をY方向として、上記基準ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上における上記基準カットオフライン上に、予め設定したX方向間隔に離間した複数地点を設定し、上記の複数地点について、上記Y方向に予め設定した積算幅で上記基準カットオフラインまでの照度の積算値を算出する第1の積算処理手段と、上記第1の積算処理手段により算出した上記複数地点に関するそれぞれの上記積算値を基準積算値として記憶する記憶手段と、上記スクリーン装置に照射される対象ヘッドライトの配光を撮像し、上記対象ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上のX方向位置である検索開始位置XLmを設定すると共に、該検索開始位置XLmと該検索開始位置XLmから上記X方向に上記X方向間隔に離間した複数(n)のX方向位置とを上記複数地点に対応した検索位置に設定し、該検索位置のそれぞれについて上記積算幅で該積算幅の上記Y方向地点を変えながらY方向複数地点の照度の積算値を対象積算値群として算出する演算を、上記検索開始位置XLmをX方向にm=1〜m=kへと変更してそれぞれ実施する第2の積算処理手段と、上記第2の積算処理手段により算出した上記の各検索開始位置XLmにおける複数(n)のX方向位置でのそれぞれの上記対象積算値群を、X方向位置で対応する上記基準積算値と比較して一致する上記Y方向地点を明暗境界点として求め、上記の各X方向位置での上記明暗境界点群から近似直線を算出し、各検索開始位置XLmに対応した前記近似直線のうち上記基準カットオフラインと最も近似するものを上記対象ヘッドライトのカットオフラインとするカットオフライン導出手段とを備えたヘッドライトの光軸検査装置によって、達成される。
また、上記第1の積算処理手段は、上記基準ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記照度の積算値を算出し、上記第2の積算処理手段は、上記対象ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記対象積算値群の算出を行い、上記カットオフライン導出手段は、上記第2の積算処理手段で算出された上記の各対象積算値群に基づいて、上記X方向左右のそれぞれについて上記対象ヘッドライトのカットオフラインを導出することが好ましい。
【0011】
また、上記目的は、車両前方のスクリーン装置に照射される基準ヘッドライトの配光を撮像して画面上で基準カットオフラインを定め、上記基準カットオフラインに平行な方向をX方向とすると共に上記X方向に対して垂直な方向をY方向として、上記基準ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上における上記基準カットオフライン上に、予めX方向間隔に離間した複数地点を設定し、上記の複数地点について、上記Y方向に予め設定した積算幅で上記基準カットオフラインまでの照度の積算値をそれぞれ基準積算値として記憶する第1工程と、上記スクリーン装置に照射される対象ヘッドライトの配光を撮像する第2工程と、上記対象ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上のX方向位置である検索開始位置XLmを設定すると共に、該検索開始位置XLmと該検索開始位置XLmから上記X方向に上記X方向間隔に離間した複数(n)のX方向位置とを上記複数地点に対応した検索位置に設定し、該検索位置のそれぞれについて上記積算幅で該積算幅の上記Y方向地点を変えながらY方向複数地点の照度の積算値を対象積算値群として算出する演算を、上記検索開始位置XLmをX方向にm=1〜m=kへと変更してそれぞれ実施する第3工程と、上記第3工程で算出した上記の各検索開始位置XLmにおける複数(n)のX方向位置でのそれぞれの上記対象積算値群を、X方向位置で対応する上記基準積算値と比較して一致する上記Y方向地点を明暗境界点として求め、上記の各X方向位置での上記明暗境界点群から近似直線を算出し、各検索開始位置XLmに対応した前記近似直線のうち上記基準カットオフラインと最も近似するものを上記対象ヘッドライトのカットオフラインとして導出する第4工程とを備えたヘッドライトの光軸検査方法によって、達成される。
また、上記第1工程では、上記基準ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記照度の積算値を算出し、上記第3工程では、上記対象ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記対象積算値群の算出を行い、上記第4工程では、上記の各対象積算値群に基づいて、上記X方向左右のそれぞれについて上記対象ヘッドライトのカットオフラインを導出することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1(a)は本発明に係るヘッドライトの光軸検査装置の基本システム構成例を示す図、同図(b)は本システムにおける画像処理装置の一構成例を示すブロック図である。本システムでは、図1(a)に示すように、車両のヘッドライト1の前方にはスクリーン装置2が設置されており、このスクリーン装置2に映し出されるヘッドライトの配光を撮像するために、撮像装置3がスクリーン装置2と対向して配置されている。撮像装置3は、画像入出力装置4を介して画像表示モニタ5及び画像処理装置6と接続される。画像処理装置6には、画像処理結果を表示する結果表示モニタ7が接続されている。ここで画像処理装置6は、同図(b)に示すように、画像メモリ11、基準ランプ配光積算処理手段(第1の積算処理手段)12、対象ランプ配光積算処理手段(第2の積算処理手段)13、基準ランプカットオフラインデータ記憶手段14、対象ランプカットオフライン導出手段15、入力手段16、表示手段17を備える。表示手段17は結果表示モニタ7に表示する。
【0013】
本システムの動作概要は次のとおりである。まず、基準とされるヘッドライト(基準ヘッドライト)が組み付けられた車両を用意する。この車両には、設計者や品質管理者の判断により基準ヘッドライトが正規の状態に調整されて組み付けられている。基準ヘッドライトとは、ライト単体での配光の誤差が公差のほぼ中央値のライトをいう。基準ヘッドライトが点灯されると、車両前方に配置されたスクリーン装置2に光が照射される。スクリーン装置2に映し出された基準ヘッドライトの配光は、撮像装置3により撮像される。撮像された基準ヘッドライト配光の画像は、画像入出力装置4を介して画像処理装置6に入力される。
【0014】
画像処理装置6では、まず、撮像された基準ヘッドライトの配光に基づいて設計上・品質管理上の基準となるカットオフライン(基準カットオフライン)を入力手段16及び表示手段17を用いて定め、基準ランプ配光積算処理手段12が基準ヘッドライト配光の最高照度点に基づいて上記画面上における上記基準カットオフライン上に、予め設定したX方向間隔に離間した複数地点を設定し、上記の複数地点について、上記Y方向に予め設定した積算幅で上記基準カットオフラインまでの照度の積算値を算出する。この算出に当って各種設定が必要な場合には、例えばキーボード等の入力手段16を用いて行う。なお、最高照度点は、規定以上の照度の閉領域の重心点で代用可能である。基準ランプカットオフラインデータ記憶手段14は、基準ランプ配光積算処理手段12により算出された基準積算値群及び基準積算値群の算出条件、基準カットオフラインの角度を記憶するものである。基準積算値群の算出方法、基準積算値群の算出条件、基準カットオフラインの角度については後で詳述する。また、車種の違いなどで基準ヘッドライトが異なる場合には、それに対応した数の基準積算値群、基準積算値群の算出条件、基準カットオフラインの角度が基準ランプカットオフラインデータ記憶手段14に記憶される。
【0015】
次に、車両が搬入され、検査対象とされるヘッドライト(対象ヘッドライト)が点灯されると、車両前方に配置されたスクリーン装置2に、対象ヘッドライトからの光が照射される。スクリーン装置2に映し出された対象ヘッドライトの配光は、撮像装置3により撮像される。撮像された対象ヘッドライト配光の画像は、画像入出力装置4を介して画像処理装置6に入力される。
【0016】
画像処理装置6では、対象ランプ配光積算処理手段13が、撮像された対象ヘッドライトの配光画像を入力し、対象ヘッドライト配光の最高照度点に基づいて上記画面上のX方向位置である検索開始位置XLmを設定すると共に、該検索開始位置XLmと該検索開始位置XLmから予め設定したX方向間隔に離間した複数(n)のX方向位置とを検索位置に設定し、該検索位置のそれぞれについて上記Y方向に予め設定した積算幅で該積算幅の上記Y方向地点を変えながらY方向複数地点の照度の積算値を対象積算値群として算出する演算を、上記検索開始位置XLmをX方向にm=1〜m=kへと変更してそれぞれ実施する第2の積算処理手段と、
上記第2の積算処理手段により算出した上記の各検索開始位置XLmにおける複数(n)のX方向位置でのそれぞれの上記対象積算値群を、X方向位置で対応する上記基準積算値と比較して一致する上記Y方向地点を明暗境界点として求め、上記の各X方向位置での上記明暗境界点群から近似直線を算出し、各検索開始位置XLmに対応した前記近似直線のうち上記基準カットオフラインと最も近似するものを上記対象ヘッドライトのカットオフラインとする。その導出方法については、後で詳述する。
【0017】
これらの画像処理結果はリアルタイムに連続的に実行され、導出結果は結果表示モニタ7に表示されるとともに、導出された対象カットオフラインが画像表示モニタ5に表示される。調整者は、この対象カットオフラインが規格範囲内にあるときは、これで調整作業を終了する。一方、対象カットオフラインが規格範囲外にあるときは、対象ヘッドライトの調整ネジが調節され、再度、対象カットオフラインを上述の手順で導出し、これが規格範囲内にあるかどうかを検査する。調整者は、この操作を繰り返して、対象カットオフラインが規格範囲内に入った後、調整作業を終了する。
【0018】
図2は基準積算値群を算出する処理フローを示す図、図3(a)〜(e)は図2における各ステップの処理状況を示す図である。図2において、まず、基準ヘッドライトの配光画像を撮像装置3から入力し、画像メモリ11に記憶する(ステップ21)。次いで、画像表示モニタ5の画面上に、図3(a)に示すように、基準ヘッドライトの配光画像を表示する(ステップ22)。そして、同じ画面上に、図3(b)に示すように、カットオフラインのテンプレート35を表示する(ステップ23)。操作者は、キーボード等の入力手段16を操作して(ステップ24)、画面上に表示したテンプレート35を基準ヘッドライトの配光画像における明暗境界部と一致する位置に移動させ(ステップ25)、これを、図3(c)に示すように、基準カットオフライン36とする。
【0019】
続いて、基準ヘッドライトの配光画像における最高照度点37を算出し(ステップ26)、操作者は、画像表示モニタ5の画面を参照しつつ、車種により必要に応じて基準積算値群の算出条件として入力手段16からカットオフライン検出位置(XL、XR)、間隔(ΔXL、ΔXR)、検出個数(n)の設定を変更する(ステップ27)。これらの設定値に基づいて、図3(d)、(e)に示すように、最高照度点からX方向に離間した距離XL、XRの位置より指示されたX方向間隔ΔXL、ΔXRの位置における基準カットオフライン36上のn個の点YLn、YRn(複数地点)を設定し、これを画像表示モニタ5の画面上に表示する(ステップ28)。
【0020】
そして、車種により必要に応じて入力手段16から照度データ積算幅(ΔY)の設定値を変更する(ステップ29)。この設定値を用いて、左右のそれぞれの検出個数n個に対して(YLn−ΔY)からYLnまで、及び(YRn−ΔY)からYRnまでの照度データをY軸方向に積算し、それぞれのnにおけるその値を基準積算値SLnおよびSRnとして記憶する(ステップ30)。なお、ここでは最高照度点を通る画面上の縦方向をY軸としており、Y軸方向(Y方向ともいう)とは画面上の縦方向をいう、また、X方向とは画面上の横方向をいう。また、左右の基準カットオフライン36の角度θL、θRも記憶する(ステップ31)。図中および上記では、照度の積算方向をY軸方向としているが、精度上は基準カットオフライン36と垂直方向が望ましい。但し、平均的配光のランプにおいて、基準カットオフライン36の角度θL、θRがそれぞれ約15度以下の場合、照度の積算方向をY軸方向としても大きな精度低下は見られないため、精度低下が許容範囲内であれば画像処理装置の能力に応じて積算方向をY軸方向として構わない。なお、外乱光による照度のオフセットに対しては、光学系による補正、又は画像処理による補正にてオフセット処理を行なう。なお、基準積算値SLn及びSRnの値は、それぞれのnの値によって異なる値となる。
【0021】
図4は対象カットオフラインを導出する処理フローを示す図、図5(a)〜(j)は図4における各ステップの処理状況を示す図である。図4において、まず、基準ランプカットオフラインデータ記憶手段14から基準積算値SLn、SRn等を読み出す(ステップ41)。一方、対象ランプ配光積算処理手段13は、対象ヘッドライトの配光画像を撮像装置3から入力し(ステップ42)、画像表示モニタ5の画面上に、図5(a)のような対象ヘッドライトの配光画像を表示する。続いて、図5(c)に示すように、対象ヘッドライトの配光画像の最高照度点51を算出し(ステップ43)、この最高照度点51からX方向の検索開始位置を決定する。
【0022】
まず、
段階1=左ライン検索開始範囲/K
段階2=右ライン検索開始範囲/K
と置く(ステップ44)。ここで、Kは明暗境界点群検索分割数であり、予め登録するか、もしくはプログラム上で規定する。そして、始めはm=0と置いて(ステップ45)、
XLm=左ライン検索範囲右端+段階1*m
XRm=右ライン検索範囲左端+段階1*m
を計算する(ステップ46)。左右各ラインの検索開始位置のX方向の範囲は、最高照度点とカットラインの相対位置のバラツキを基に決定し、予め登録するか、もしくはプログラム上で規定する。
【0023】
図5(c)〜(e)に示すように、最高照度点からX方向に離間した検索開始位置XLm、XRmより指示されたX方向間隔ΔXL、ΔXRを持つn個のX方向位置のそれぞれにおいて、Y軸方向にΔY範囲の照度データを積算し、その値を対象積算値群SLn'、SRn'とする。そして、照度積算幅ΔYのY方向地点を暗部側から明部側へと変えていき、図5(b)に示すような対象積算値群SLn'、SRn'がX方向位置で対応する上述の基準積算値SLn、SRnと一致、もしくは超えたときのY方向地点を明暗境界点Lm(Xn、Yn)、Rm(Xn、Yn)とする(ステップ47、ステップ48)。次いで、m=m+1と置いて(ステップ49)、m>Kとなるまで上述の操作を繰り返す(ステップ50)。
【0024】
その後、各検索開始位置に対応した明暗境界点群Lm(Xn、Yn)、Rm(Xn、Yn)より最小二乗法にて近似直線を算出する(ステップ51、ステップ52)。算出された近似直線は、図5(f)〜(h)の符号52(m=1)、53(m=p,q)、54(m=K)にそれぞれ示すとおりである。そして、近似直線の角度が、基準カットオフライン36の角度θL、θRに対して規定範囲内にある明暗境界点群を選択する(ステップ53)。選択結果は、図5(i)及び(j)に示す近似直線55(m=p)、56(m=q)のとおりである。両者のうち、近似直線と明暗境界点群との相関バラツキ(二乗誤差)の最も小さい図5(i)に示す近似直線55(m=p)を、対象カットオフラインとして導出する(ステップ54)。調整者は、この対象カットオフラインが規格範囲内に入るまでランプの調整を繰り返し、規格範囲内入ったとき検査・調整作業を終了する(ステップ55)。なお本例では、明暗境界点群の決定時のmを左右のラインで同じとしているが、実際の処理では左右それぞれ独立してカットオフライン導出のための明暗境界点群を選択する。
【0025】
このように本発明では、カットオフライン導出のための明暗境界点を、基準ヘッドライトの配光において、予め設定した積算幅ΔY範囲におけるY方向の照度の積算値と、対象ヘッドライトにおいて、Y方向に予め設定した積算幅で暗部より積算幅のY方向地点を変えながら積算したY方向複数地点の照度の積算値とを基に求めるので、導出されるカットオフラインのバラツキ、フラツキ、あるいは誤検出を低減することができる。また、明暗境界点の検出に際し、X方向の検索開始位置を左右のヘッドライトでそれぞれ個別かつ可変としているので、複数種のヘッドライトにおいて精度良く、且つ、設計者の意図や品質管理者の判断に合致するカットオフラインを導出することができる。また、装置の設定作業は、基準ヘッドライトの配光のモニタ表示に、カットオフラインのテンプレートを合せるのみなので、簡易に行なえる。さらに、処理内容が基本的に加減算主体であり、かつデータ処理領域が少ないので、高速処理が可能となる。なお、本装置においては、スクリーン装置2にヘッドライトの配光を照射する際、ヘッドライトの配光を直接スクリーン装置2に照射するようにしても良いし、ヘッドライトの配光を集光レンズを透過させて照射するようにしても良い。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、設計者の意図や品質管理者の判断に一致し、精度の良いヘッドライトの光軸検査装置及び方法を得ることができるとともに、高速処理が可能で作業性が良好なヘッドライトの光軸検査装置及び方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るヘッドライトの光軸検査装置の基本システム構成を示す図、(b)は本システムにおける画像処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】基準積算値を算出する処理フローを示す図である。
【図3】(a)〜(e)は図2における各ステップの処理状況を示す図である。
【図4】対象カットオフラインを導出する処理フローを示す図である。
【図5】(a)〜(j)は図4における各ステップの処理状況を示す図である。
【符号の説明】
1 ヘッドライト
2 スクリーン装置
3 撮像装置
4 画像入出力装置
5 画像表示モニタ
6 画像処理装置
7 結果表示モニタ
11 画像メモリ
12 基準ランプ配光積算処理手段(第1の積算処理手段)
13 対象ランプ配光積算処理手段(第2の積算処理手段)
14 基準ランプカットオフラインデータ記憶手段
15 対象ランプカットオフライン導出手段
16 入力手段
17 表示手段
Claims (4)
- 車両前方のスクリーン装置に照射される基準ヘッドライトの配光を撮像して画面上で基準カットオフラインを定め、上記基準カットオフラインに平行な方向をX方向とすると共に上記X方向に対して垂直な方向をY方向として、上記基準ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上における上記基準カットオフライン上に、予め設定したX方向間隔に離間した複数地点を設定し、上記の複数地点について、上記Y方向に予め設定した積算幅で上記基準カットオフラインまでの照度の積算値を算出する第1の積算処理手段と、
上記第1の積算処理手段により算出した上記複数地点に関するそれぞれの上記積算値を基準積算値として記憶する記憶手段と、
上記スクリーン装置に照射される対象ヘッドライトの配光を撮像し、上記対象ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上のX方向位置である検索開始位置XLmを設定すると共に、該検索開始位置XLmと該検索開始位置XLmから上記X方向に上記X方向間隔に離間した複数(n)のX方向位置とを上記複数地点に対応した検索位置に設定し、該検索位置のそれぞれについて上記積算幅で該積算幅の上記Y方向地点を変えながらY方向複数地点の照度の積算値を対象積算値群として算出する演算を、上記検索開始位置XLmをX方向にm=1〜m=kへと変更してそれぞれ実施する第2の積算処理手段と、
上記第2の積算処理手段により算出した上記の各検索開始位置XLmにおける複数(n)のX方向位置でのそれぞれの上記対象積算値群を、X方向位置で対応する上記基準積算値と比較して一致する上記Y方向地点を明暗境界点として求め、上記の各X方向位置での上記明暗境界点群から近似直線を算出し、各検索開始位置XLmに対応した前記近似直線のうち上記基準カットオフラインと最も近似するものを上記対象ヘッドライトのカットオフラインとするカットオフライン導出手段と
を備えたことを特徴とするヘッドライトの光軸検査装置。 - 上記第1の積算処理手段は、上記基準ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記照度の積算値を算出し、
上記第2の積算処理手段は、上記対象ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記対象積算値群の算出を行い、
上記カットオフライン導出手段は、上記第2の積算処理手段で算出された上記の各対象積算値群に基づいて、上記X方向左右のそれぞれについて上記対象ヘッドライトのカットオフラインを導出する
ことを特徴とする請求項1記載のヘッドライトの光軸検査装置。 - 車両前方のスクリーン装置に照射される基準ヘッドライトの配光を撮像して画面上で基準カットオフラインを定め、上記基準カットオフラインに平行な方向をX方向とすると共に上記X方向に対して垂直な方向をY方向として、上記基準ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上における上記基準カットオフライン上に、予め設定したX方向間隔に離間した複数地点を設定し、上記の複数地点について、上記Y方向に予め設定した積算幅で上記基準カットオフラインまでの照度の積算値をそれぞれ基準積算値として記憶する第1工程と、
上記スクリーン装置に照射される対象ヘッドライトの配光を撮像する第2工程と、
上記対象ヘッドライトの配光の最高照度点に基づいて上記画面上のX方向位置である検索開始位置XLmを設定すると共に、該検索開始位置XLmと該検索開始位置XLmから上記X方向に上記X方向間隔に離間した複数(n)のX方向位置とを上記複数地点に対応した検索位置に設定し、該検索位置のそれぞれについて上記積算幅で該積算幅の上記Y方向地点を変えながらY方向複数地点の照度の積算値を対象積算値群として算出する演算を、上記検索開始位置XLmをX方向にm=1〜m=kへと変更してそれぞれ実施する第3工程と、
上記第3工程で算出した上記の各検索開始位置XLmにおける複数(n)のX方向位置でのそれぞれの上記対象積算値群を、X方向位置で対応する上記基準積算値と比較して一致する上記Y方向地点を明暗境界点として求め、上記の各X方向位置での上記明暗境界点群から近似直線を算出し、各検索開始位置XLmに対応した前記近似直線のうち上記基準カットオフラインと最も近似するものを上記対象ヘッドライトのカットオフラインとして導出する第4工程と
を備えたことを特徴とするヘッドライトの光軸検査方法。 - 上記第1工程では、上記基準ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記照度の積算値を算出し、
上記第3工程では、上記対象ヘッドライトの上記最高照度地点を中心に上記X方向の左右にそれぞれ上記対象積算値群の算出を行い、
上記第4工程では、上記の各対象積算値群に基づいて、上記X方向左右のそれぞれについて上記対象ヘッドライトのカットオフラインを導出する
ことを特徴とする請求項3記載のヘッドライトの光軸検査方法。
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