JP3147683B2 - 自動車の車輪装着装置 - Google Patents

自動車の車輪装着装置

Info

Publication number
JP3147683B2
JP3147683B2 JP28387994A JP28387994A JP3147683B2 JP 3147683 B2 JP3147683 B2 JP 3147683B2 JP 28387994 A JP28387994 A JP 28387994A JP 28387994 A JP28387994 A JP 28387994A JP 3147683 B2 JP3147683 B2 JP 3147683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mounting
bolt
density
mounting bolt
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28387994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08142947A (ja
Inventor
達夫 越前谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP28387994A priority Critical patent/JP3147683B2/ja
Publication of JPH08142947A publication Critical patent/JPH08142947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3147683B2 publication Critical patent/JP3147683B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automatic Assembly (AREA)
  • Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の組立ラインに
おいて車体側のブレーキディスクあるいはブレーキドラ
ムに対し車輪を自動的に装着する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪装着作業の自動化を実現す
るにあたり、ブレーキディスクやブレーキドラム等のブ
レーキ回転要素側の取付ボルト(ハブボルト)の位相と
車輪側のボルト穴の位相とを一致させることが重要であ
り、そのために図9に示すようなシステムが採用されて
いる(例えば、特開平1−145287号公報および特
開平1−145288号公報参照)。
【0003】図9では、車輪取付ロボット1により車輪
2を取り付けるのに先立って、光源3からの照明光が斜
め下方から照射された車体4側のブレーキ回転要素5を
CCDカメラ等の一対の視覚センサ6,7によりステレ
オビジョン方式で撮像して、その画像を視覚認識装置8
に取り込む一方、視覚認識装置8では図10に示すよう
に画像上の複数の取付ボルト9の二次元位置を認識した
上で、その二次元位置情報と視覚センサ6,7そのもの
の位置情報とをもとにいわゆるステレオ立体演算を行う
ことにより各取付ボルト9の三次元位置を算出するもの
である。そして、その取付ボルト9の三次元位置情報と
予め設定されている取付ボルトの基準位置情報とを比較
することにより取付ボルト9のずれ量が求められ、この
ずれ量を位置補正データとして図示外のロボット制御装
置に転送する。
【0004】その結果、ロボット制御装置側には、ハン
ド10で把持している車輪2をブレーキ回転要素5に装
着するのに必要な軌跡データが予め教示されて記憶され
ていることから、この教示データが前記位置補正データ
に応じて補正され、車輪2をブレーキ回転要素5に装着
する際にはそのブレーキ回転要素5側の取付ボルト9と
車輪2側のボルト穴とがスムーズに合致することにな
る。
【0005】なお、前記ハンド10には図示しないナッ
トランナーが付設されており、ブレーキ回転要素5に嵌
め合わされた車輪2はそのナットランナーによりナット
の締め付けが施されてブレーキ回転要素5に堅固に固定
される。また、図9中の11,12は各視覚センサ6,
7がとらえた画像をモニタリングするCRTディスプレ
イである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の装
置においては、画像処理による取付ボルト9の認識にあ
たって、取付ボルト9の画像のうち照明光の照射に伴う
輝線の中心(重心)位置Pを取付ボルト9の位置として
検出しているものであるから、特に前輪の場合には、ハ
ンドル切れ角(アクスル切れ角)すなわち車体4を上か
ら見た場合のブレーキ回転要素5の前後方向での傾きに
応じてブレーキ回転要素5のハブ面5aおよび取付ボル
ト9での反射状態が変化し、視覚センサ6,7から取り
込んだ画像が暗くなったり明るくなったりすることにな
る。そのために、視覚認識装置8側で取付ボルト9の位
置を正確に認識できないことがある。
【0007】加えて、ブレーキ回転要素5および取付ボ
ルト9のなかには車種,仕様に応じて黒色塗装が施され
ているものや機械加工されたままのものなど光の反射特
性が異なるものが数種類存在しており、このような特性
が異なるブレーキ回転要素5をもつ車体4が同一の組立
ライン上を混在して流れるため、上記と同様に取付ボル
ト9の位置を正確に認識できないことがある。
【0008】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、ブレーキ回転要素の傾きや色等の光反射特
性の違いにかかわらず取付ボルトの位置を正確に認識で
きるようにした構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車輪取付対象となるブレーキ回転要素を撮像する一
対の視覚センサと、前記視覚センサにより得られたブレ
ーキ回転要素の画像からブレーキ回転要素のハブ面上に
おける複数の取付ボルトの二次元位置を算出した上で、
その二次元位置情報と前記視覚センサそのものの位置情
報とに基づいて前記複数の取付ボルトの三次元位置を算
出する視覚認識装置と、前記視覚認識装置により得られ
た取付ボルトの三次元位置情報に基づいて、予めハンド
に支持されている車輪をブレーキ回転要素に装着する車
輪取付ロボットとを備えている。
【0010】そして、前記視覚認識装置は、前記視覚セ
ンサがとらえた画像のハブ面と取付ボルトとの濃度差に
応じ、取付ボルト位置として認識すべき認識点として取
付ボルト画像の根元部,中心部および先端部のうちのい
ずれかを選択する検出点選択手段と、前記検出点選択手
段からの選択指令に応じて該当する部位を取付ボルトの
位置として認識するボルト位置検出手段とを有してい
る。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
自動車の車輪装着装置において、前記ブレーキ回転要素
の傾きを検出する傾きセンサを備えているとともに、視
覚認識装置が、前記傾きセンサによって検出されたブレ
ーキ回転要素の傾きに応じて、視覚センサがとらえた画
像のうちハブ面と取付ボルトとの濃度を調整した上で、
ハブ面の平均濃度と取付ボルトの平均濃度とを算出して
基準値と比較する濃度算出手段を含んでいることを特徴
としている。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の自動車の車輪装着装置において、視覚認識装置
は、ボルト位置検出手段により得られた取付ボルトの二
次元位置情報と視覚センサそのものの位置情報とに基づ
いて所定の演算を行うことにより取付ボルトの三次元位
置を算出する演算処理手段と、この取付ボルトの三次元
位置情報と基準位置情報とに基づいて、前記車輪取付ロ
ボットに付与すべき位置補正データを算出する補正デー
タ作成手段とを含んでいることを特徴としている。
【0013】請求項4に記載の発明は、車輪取付対象と
なるブレーキ回転要素を撮像する一対の視覚センサと、
前記ブレーキ回転要素の傾きを検出する傾きセンサと、
前記視覚センサにより得られたブレーキ回転要素の画像
からブレーキ回転要素のハブ面上における複数の取付ボ
ルトの二次元位置を算出した上で、その二次元位置情報
と前記視覚センサそのものの位置情報とに基づいて前記
複数の取付ボルトの三次元位置を算出する視覚認識装置
と、前記視覚認識装置により得られた取付ボルトの三次
元位置情報に基づいて、予めハンドに支持されている車
輪をブレーキ回転要素に装着する車輪取付ロボットとを
備えていて、前記視覚認識装置は、傾きセンサによって
検出されたブレーキ回転要素の傾きに応じて、前記視覚
センサがとらえた画像のうちハブ面と取付ボルトとの濃
度差を強調する濃度階調変換処理を施す画像前処理手段
を有していることを特徴としている。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
自動車の車輪装着装置において、前記視覚認識装置は、
前処理後の画像から取付ボルトの位置を認識するボルト
位置検出手段と、前記ボルト位置検出手段により得られ
た取付ボルトの二次元位置情報と視覚センサそのものの
位置情報とに基づいて所定の演算を行うことにより取付
ボルトの三次元位置を算出する演算処理手段と、この取
付ボルトの三次元位置情報と基準位置情報とに基づい
て、前記車輪取付ロボットに付与すべき位置補正データ
を算出する補正データ作成手段とを含んでいることを特
徴としている。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明では、視覚センサがとら
えた画像のうちハブ面と取付ボルトの濃度の基準値に対
する濃度差に応じ、取付ボルト画像の輝線の根元部,中
心部および先端部のうちのいずれかを、取付ボルト位置
として認識すべき認識点として選択した上で、その認識
点の位置を検出することにより、ハブ面や取付ボルトの
光反射特性の違いにかかわらず取付ボルト位置を正確に
認識できるようになる。
【0016】請求項2に記載の発明では、取付ボルトの
位置の認識に先立って、視覚センサがとらえた画像のう
ちハブ面と取付ボルトとの濃度を調整した上でそのハブ
面と取付ボルトの平均濃度を算出して基準値と比較する
ことにより、ハブ面や取付ボルトの光反射特性の違いに
かかわらず取付ボルト位置を一段と正確に認識できるよ
うになる。
【0017】請求項3に記載の発明では、車輪をブレー
キ回転要素に装着するにあたって車輪取付ロボットに付
与すべき位置補正データを作成し、これを取付ロボット
に与えて予め設定されているところの教示データを補正
することにより、車輪取付ロボットの自律動作に基づく
車輪装着作業をスムーズに行える。
【0018】請求項4に記載の発明では、視覚センサが
とらえた画像の前処理として濃度階調変換(単に濃度変
換ともいう)処理を施すことにより、特にブレーキ回転
要素のハブ面と取付ボルトの輝線とのコントラストが強
調され、そのハブ面と取付ボルトの輝線との境界部が判
読しやすくなり、ブレーキ回転要素の傾きにかかわらず
取付ボルトの位置を正確に認識できるようになる。
【0019】請求項5に記載の発明では、請求項3に記
載の発明と同様に車輪をブレーキ回転要素に装着するに
あたって車輪取付ロボットに付与すべき位置補正データ
を作成し、これを取付ロボットに与えて予め設定されて
いるところの教示データを補正することにより、車輪取
付ロボットの自律動作に基づく車輪装着作業をスムーズ
に行える。
【0020】
【実施例】図1,2は本発明の第1の実施例を示す図
で、図9と共通する部分には同一符号を付してある。
【0021】図1,2に示すように、車輪取付対象とな
るブレーキ回転要素5と対向する部分には傾きセンサと
して光学式の測距センサ13が設けられており、この測
距センサ13によりブレーキ回転要素5の傾き、すなわ
ち特に前輪の場合にはアクスル切れ角(ブレーキ回転要
素5を上から見た場合の前後方向での傾き)が検出され
るようになっている。
【0022】なお、前記測距センサ13は、図2に示す
ハンド10の一部にブラケット等を延設してこのブラケ
ットの先端に装着するようにしてもよい。
【0023】一方、視覚認識装置8は、視覚センサ6,
7からの画像を取り込む画像入力部14と、測距センサ
13からの信号を取り込んでアクスル切れ角を算出する
アクスル切れ角算出部15のほか、濃度算出部16、検
出点選択部17、ボルト位置検出部18、演算処理部1
9および補正データ作成部20等から構成されている。
【0024】前記一対の視覚センサ6,7はそれぞれに
ブレーキ回転要素5を撮像し、その視覚センサ6,7で
とらえられた画像が一旦画像入力部14に取り込まれた
上で濃度算出部16およびボルト位置検出部18に入力
される(図3のステップS1)。
【0025】また、前記測距センサ13は、それに対向
するブレーキ回転要素5までの複数点での距離を非接触
で検出する。そして、この測距センサ13の出力がアク
スル切れ角算出部15に入力されてブレーキ回転要素5
のアクスル切れ角が算出され(ステップS2)、さらに
このアクスル切れ角のデータが濃度算出部16に入力さ
れる。
【0026】前記濃度算出部16では、一対の視覚セン
サ6,7がとらえた画像をもとにブレーキ回転要素5の
ハブ面5aの平均濃度と取付ボルト9の平均濃度を個別
に算出する(ステップS4,S5)。この場合、ブレー
キ回転要素5のもつアクスル切れ角に応じて光源3から
の照明光の反射角度が変わり、画像全体の濃度値が変化
し、極端な場合にはその画像のなかから取付ボルト9を
認識できないことが起こり得る。
【0027】そこで、濃度算出部16ではハブ面5aと
取付ボルト9の平均濃度を個別に算出するのに先立っ
て、前記アクスル切れ角算出部15からのアクスル切れ
角データをもとに、ハブ面5aと取付ボルト9の平均濃
度を常に一定の濃度差以上をもつ状態で予め設定されて
いる基準値と比較できるように画像全体の濃度を調整す
る(ステップS3)。この濃度調整は、例えばハブ面5
aと取付ボルト9とのコントラストを強調するための濃
度階調変換処理によって行う。
【0028】そして、検出点選択部17では、上記のハ
ブ面5aの平均濃度と取付ボルト9の平均濃度とを予め
設定された特定の基準値と比較し、ハブ面5aの平均濃
度が基準値よりも高い場合には取付ボルト9の位置の認
識にあたって図4に示すように取付ボルト9の先端部P
1を認識するようにその選択指令を後段のボルト位置検
出部18に出力する(ステップS6,S7)。これに対
して、取付ボルト9の平均濃度が基準値よりも高い場合
には取付ボルト9の位置の認識にあたって取付ボルト9
の根元部P2を認識するようにその選択指令を後段のボ
ルト位置検出部18に出力する(ステップS8,S
9)。また、上記以外の場合には取付ボルトの位置の認
識にあたって取付ボルト9の中心部P3を認識するよう
にその選択指令を後段のボルト位置検出部18に出力す
る(ステップS10)。
【0029】ここで、上記のハブ面5aの平均濃度が基
準値よりも高い場合には、ハブ面5a全体が光すぎてい
て取付ボルト9との境界があいまいになっている状態
で、このような場合には取付ボルト9の根元部P2や中
心部P3を正確に認識できないおそれがあるために、そ
のボルト位置の認識にあたっては取付ボルト9の先端部
1を認識する。同様に、取付ボルト9の平均濃度が基
準値より高い場合とは、取付ボルト9の先端部P1側が
光すぎていてその取付ボルト9と背景との境界があいま
いになっている状態であって、このような場合には取付
ボルト9の先端部P1や中心部P3を正確に認識できない
おそれがあるために、そのボルト位置の認識にあたって
は取付ボルト9の根元部P2を認識する。
【0030】一方、前記ボルト位置検出部18は、図1
に示すように先端検出部21と中心検出部22および根
元検出部23を備えており、取付ボルト9の位置の認識
にあたって前述した検出点選択部17からの選択指令に
応じて先端検出部21と中心検出部22および根元検出
部23のうちのいずれか一つが選択され、取付ボルト9
の画像のうちその先端部P1、中心部P3および根元部P
2のうちのいずれかが取付ボルト9の位置として認識さ
れて検出される。これにより、各取付ボルト9の二次元
位置が求められる(ステップS11)。
【0031】こののち、各取付ボルト9の二次元位置デ
ータは演算処理部19に送られ、演算処理部19では視
覚センサ6,7そのものの位置データと各取付ボルト9
との二次元位置データとに基づいて、斜影変換を用いて
いわゆる所定のステレオ立体演算を行うことにより、各
取付ボルト9の三次元位置が求められ(ステップS1
2)、この三次元位置データが補正データ作成部20に
送られる。
【0032】そして、補正データ作成部20では、上記
の各取付ボルト9の三次元位置データと予め記憶設定さ
れている各取付ボルト9の基準位置データと比較して、
図2のハンド10に支持されている車輪2をブレーキ回
転要素5に取り付けるにあたって必要な補正量を算出し
(ステップS13)、これを図2のロボット1の制御系
に転送する(ステップS14)。
【0033】こののち、ロボット1は上記の補正指令と
同時に起動指令を受けて、予め記憶設定されている教示
データが補正されることにより、そのハンド10で予め
把持している車輪2の姿勢を修正しながら、その車輪2
をブレーキ回転要素5に対して装着する。
【0034】このように本実施例によれば、視覚センサ
6,7が捕らえた画像のうちハブ面5aおよび取付ボル
ト9の濃度の基準値に対する濃度差に応じて、取付ボル
ト9の位置の認識にあたってその取付ボルト9の先端
部、中心部および根元部のいずれかを選択してその位置
を取付ボルト9の位置として検出するようにしたことに
より、ハブ面5aや取付ボルト9の光反射特性の違い
や、ブレーキ回転要素5の傾きの違いにかかわらず、取
付ボルト9の位置を正確に認識できるようになって、取
付ボルト9の認識不能等のトラブルの発生を未然に防止
できる。
【0035】図5,6は本発明の第2の実施例を示す図
で、図1と共通する部分には同一符号を付してある。す
なわち、本実施例では、画像入力部14からの入力画像
のコントラストを強調して画像を見やすくするために濃
度階調変換処理を施す画像前処理部32と、その画像前
処理部32での処理に必要な濃度範囲を規定する濃度判
断部31とを備えていて、なおかつボルト位置検出部3
3での機能が第1の実施例と異なっている。
【0036】より詳しくは、図5,6に示すように、ア
クスル切れ角算出部15からのアクスル切れ角データが
濃度判断部31に入力されて(図6のステップS2
1)、濃度判断部31ではそのアクスル切れ角データに
基づいて後段の画像前処理部32での処理に必要な濃度
の上下限値、すなわち画像前処理部32で濃度階調変換
処理を施すにあたってその処理対象となる濃度範囲を特
定するための濃度下限値aと濃度上限値bとが算出され
る。
【0037】前記濃度判断部31に付随する濃度テーブ
ル34には、視覚センサ6,7がとらえた画像につい
て、アクスル切れ角が変化したときの取付ボルト9の濃
度値とハブ面5aの濃度値とが各アクスル切れ角ごとに
予め記憶設定されている。例えば、図5では、アクスル
切れ角が5°ごとに変化したときの取付ボルト9の濃度
値とハブ面5aの濃度値とが予め実験的,経験的に求め
られて設定されている。そして、濃度判断部31ではア
クスル切れ角データが入力されると、そのアクスル切れ
角データに応じた取付ボルト9の濃度値とハブ面5aの
濃度値とを前記濃度テーブル34から呼び出す(ステッ
プS22)。さらに前記濃度判断部31では、(1)式
および(2)式に基づいて、画像前処理部32での濃度
階調変換処理に必要な濃度下限値aと濃度上限値bとを
算出する(ステップS23)。
【0038】 濃度下限値a=ハブ面濃度×0.8 ‥‥‥‥‥‥(1) 濃度上限値b=取付ボルト濃度×1.2 ‥‥‥‥‥(2) こうして求められた濃度下限値aおよび濃度上限値bは
後段の画像前処理部32に出力される。
【0039】例えば濃度判断部31に入力されるアクス
ル切れ角が10°の場合には、濃度テーブル34から取
付ボルト濃度値140とハブ面濃度値110とが呼び出
され、上記の(1),(2)式に基づいて濃度下限値a
=88と濃度上限値b=168が算出されて画像前処理
部32に入力される。
【0040】前記画像前処理部32は、入力画像のうち
画像の濃度が許された濃度範囲全体のうちの特定の範囲
に濃度階調変換処理として引き伸ばしと平行移動とを施
して、そのコントラストを強調して画像を見やすくする
機能を有するもので、画像の濃度範囲全体のうち濃度階
調変換処理すべき範囲が上記の濃度下限値aと濃度上限
値bとによって特定される。
【0041】そして、前記画像前処理部32では入力画
像のうち濃度下限値aと濃度上限値bとの間の範囲に濃
度階調変換処理が施されて、入力画像のうち取付ボルト
9の輝線とハブ面5aとの境界がはっきりとわかるよう
にその境界付近の濃度差を拡大する画像修正が施され、
その処理により修正された画像がボルト位置検出部33
に出力される(ステップS24)。
【0042】ここで、画像信号の階調特性についてみた
とき、図7に示すように入出力が1:1で対応していて
両者の間に直線的な比例関係があればその特性の傾きは
45°の直線となり、この特性の傾きが急な場合にはコ
ントラストが強くなって、対象物の画像がその領域に入
ればどぎつい画像となる。逆に上記の特性の傾きがゆる
やかになればぼけた像になる。
【0043】そして、入力画像に対して画像前処理部3
2で濃度階調変換処理を施さないものと仮定したとき、
先の例では取付ボルト濃度値Z2が140でハブ面濃度
値Z1が110であり、その出力画像の濃度差は30と
なる。その一方、画像前処理部32の後段のボルト位置
検出部33において取付ボルト9の位置の認識を行うに
あたり、その取付ボルト9とハブ面5aとの濃度差とし
て少なくとも50以上が必要であるとすると、上記の濃
度階調変換処理を施さない画像ではその濃度差が30で
あるために取付ボルト9を正確に認識できないことにな
る。
【0044】そこで、図8に示すように、入力画像につ
いて上記の濃度下限値aと濃度上限値bとで規定される
範囲に濃度階調変換処理を施すと、その濃度範囲a−b
間の引き伸ばしと平行移動とが行われて、a−b間の濃
度がZ0−ZKの濃度範囲全体に分布するようになって、
出力画像のコントラストが強調される。
【0045】先の例では、濃度階調変換処理を施さない
場合には、取付ボルト9の出力画像濃度が140、ハブ
面5aの出力画像濃度が110であったものが、式
(3),(4)による濃度階調変換処理によりそれぞれ
出力画像濃度が195および82.5となって、出力画
像における取付ボルト9とハブ面5aの濃度差は11
2.5に拡大されることになる。
【0046】 Z11=(ZK−Z0/b−a)(Z1−a)+Z0 ‥‥‥(3) Z12=(ZK−Z0/b−a)(Z2−a)+Z0 ‥‥‥(4) そして、この出力画像の濃度差112.5は、ボルト位
置検出部33では50以上の濃度差を必要とするという
要求濃度差を充分に満たすことになる。
【0047】こののち、ボルト位置検出部33では、画
像前処理部32から送られた濃度階調変換処理後の修正
画像に基づいてボルト位置の検出が行われる(ステップ
S25)。このボルト位置の検出は、従来と同様に取付
ボルト9の輝線の中心部(重心位置)を求めることによ
り行う。
【0048】そして、以降は第1の実施例と同様に、ボ
ルト位置検出部33で得られた取付ボルト9の二次元位
置データをもとに演算処理部19で取付ボルト9の三次
元位置データが算出された上で(ステップS26)、最
終的には補正データ作成部20においてロボット1の制
御系に転送すべき補正データが作成される(ステップS
27,28)。
【0049】このように本実施例によれば、視覚センサ
6,7から取り込んだ画像のうちブレーキ回転要素5の
傾きに基づくハブ面5aと取付ボルト9との濃度差に応
じて、前処理として特定の濃度範囲に濃度階調変換処理
を施すことにより、ブレーキ回転要素5の傾きにかかわ
らずハブ面5aと取付ボルト9との濃度差を充分に大き
く確保できてそのコントラストが強調されることから、
ブレーキ回転要素5の傾きの影響を受けることなく取付
ボルト9を正確に認識できるようになる。
【0050】ここで、前記第2の実施例では、ボルト位
置検出部33による取付ボルト9の位置の認識にあたっ
て取付ボルト9の輝線の中心位置をボルト位置として認
識するようにしているが、例えば第1の実施例と第2の
実施例とを実質的に組み合わせて、第2の実施例(図
5)のボルト位置検出部33でボルト位置を認識するに
あたり、図1の場合と同様にハブ面5aと取付ボルト9
との濃度差に応じて、取付ボルト位置として認識すべき
認識点を取付ボルト9の根元部、中心部および先端部の
うちのいずれかを選択するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、視覚セ
ンサがとらえた画像のうちハブ面と取付ボルトとの濃度
差に応じ、取付ボルト画像の輝線の根元部、中心部およ
び先端部のうちのいずれかを、取付ボルト位置として認
識すべき認識点として選択した上で、その認識点の位置
を検出するようにしたことにより、ハブ面や取付ボルト
の光反射特性の違いにかかわらず取付ボルトの位置を正
確に認識できるようになって、取付ボルトの位置検出精
度が向上し、ロボットによる車輪装着不能等のトラブル
を未然に防止できる。
【0052】請求項2に記載の発明によれば、取付ボル
ト位置の認識に先立って、ブレーキ回転要素の傾きに応
じてハブ面と取付ボルトの濃度差を調整した上で基準値
に対する濃度差を求めるようにしたことにより、請求項
1に記載の発明と同様の効果に加えて、取付ボルトの認
識精度が一段と向上するという効果がある。
【0053】請求項3に記載の発明によれば、車輪をブ
レーキ回転要素に装着するにあたって車輪取付ロボット
に付与すべき位置補正データを作成し、これを取付ロボ
ットに与えて予め設定されているところの教示データを
補正することにより、請求項1または2に記載の発明と
同様の効果に加えて、車輪取付ロボットの自律動作に基
づく車輪装着作業をスムーズに行えるという効果があ
る。
【0054】請求項4に記載の発明によれば、視覚セン
サがとらえた画像の前処理として濃度階調変換処理を施
すことにより、特にブレーキ回転要素のハブ面と取付ボ
ルトの輝線のコントラストが強調され、そのハブ面と取
付ボルトの輝線との境界部が判読しやすくなり、ブレー
キ回転要素の傾きにかかわらず取付ボルトの位置を正確
に認識できる。
【0055】請求項5に記載の発明では、請求項3に記
載の発明と同様に、車輪をブレーキ回転要素に装着する
にあたって車輪取付ロボットに付与すべき位置補正デー
タを作成し、これを取付ロボットに与えて予め設定され
ているところの教示データを補正することにより、請求
項4に記載の発明と同様の効果に加えて、車輪取付ロボ
ットの自律動作に基づく車輪装着作業をスムーズに行え
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック回路図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す装置全体の構成説
明図。
【図3】図1の回路での処理手順を示すフローチャー
ト。
【図4】取付ボルト画像の拡大図。
【図5】本発明の第2の実施例を示すブロック回路図。
【図6】図5の回路での処理手順を示すフローチャー
ト。
【図7】濃度階調変換処理前の入出力画像濃度の特性
図。
【図8】濃度階調変換処理後の入出力画像濃度の特性
図。
【図9】従来の車輪装着装置の一例を示す構成説明図。
【図10】図9の視覚センサがとらえたブレーキ回転要
素の画像の拡大図。
【符号の説明】
1…車輪取付ロボット 2…車輪 5…ブレーキ回転要素 5a…ハブ面 6,7…視覚センサ 8…視覚認識装置 9…取付ボルト 13…測距センサ(傾きセンサ) 15…アクスル切れ角算出部 16…濃度算出部(濃度算出手段) 17…検出点選択部(検出点選択手段) 18…ボルト位置検出部(ボルト位置検出手段) 19…演算処理部(演算処理手段) 20…補正データ作成部(補正データ作成手段) 21…先端検出部 22…中心検出部 23…根元検出部 31…濃度判断部 32…画像前処理部(画像前処理手段) 33…ボルト位置検出部(ボルト位置検出手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−145287(JP,A) 特開 平1−145288(JP,A) 特開 平5−213246(JP,A) 特開 平5−221350(JP,A) 特開 平5−221351(JP,A) 特開 平6−127444(JP,A) 実開 平1−90680(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 65/12 B23P 21/00 303

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪取付対象となるブレーキ回転要素を
    撮像する一対の視覚センサと、 前記視覚センサにより得られたブレーキ回転要素の画像
    からブレーキ回転要素のハブ面上における複数の取付ボ
    ルトの二次元位置を算出した上で、その二次元位置情報
    と前記視覚センサそのものの位置情報とに基づいて前記
    複数の取付ボルトの三次元位置を算出する視覚認識装置
    と、 前記視覚認識装置により得られた取付ボルトの三次元位
    置情報に基づいて、予めハンドに支持されている車輪を
    ブレーキ回転要素に装着する車輪取付ロボットとを備え
    てなり、 前記視覚認識装置は、 前記視覚センサがとらえた画像のハブ面と取付ボルトと
    の濃度差に応じ、取付ボルト位置として認識すべき認識
    点として取付ボルト画像の根元部,中心部および先端部
    のうちのいずれかを選択する検出点選択手段と、 前記検出点選択手段からの選択指令に応じて該当する部
    位を取付ボルトの位置として認識するボルト位置検出手
    段、 とを含んでいることを特徴とする自動車の車輪装着装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車の車輪装着装置に
    おいて、前記ブレーキ回転要素の傾きを検出する傾きセ
    ンサを備えているとともに、視覚認識装置が、前記傾き
    センサによって検出されたブレーキ回転要素の傾きに応
    じて、視覚センサがとらえた画像のうちハブ面と取付ボ
    ルトとの濃度を調整した上で、ハブ面の平均濃度と取付
    ボルトの平均濃度とを算出して基準値と比較する濃度算
    出手段を含んでいることを特徴とする自動車の車輪装着
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の自動車の車輪装
    着装置において、視覚認識装置は、ボルト位置検出手段
    により得られた取付ボルトの二次元位置情報と視覚セン
    サそのものの位置情報とに基づいて所定の演算を行うこ
    とにより取付ボルトの三次元位置を算出する演算処理手
    段と、この取付ボルトの三次元位置情報と基準位置情報
    とに基づいて、前記車輪取付ロボットに付与すべき位置
    補正データを算出する補正データ作成手段とを含んでい
    ることを特徴とする自動車の車輪装着装置。
  4. 【請求項4】 車輪取付対象となるブレーキ回転要素を
    撮像する一対の視覚センサと、 前記ブレーキ回転要素の傾きを検出する傾きセンサと、 前記視覚センサにより得られたブレーキ回転要素の画像
    からブレーキ回転要素のハブ面上における複数の取付ボ
    ルトの二次元位置を算出した上で、その二次元位置情報
    と前記視覚センサそのものの位置情報とに基づいて前記
    複数の取付ボルトの三次元位置を算出する視覚認識装置
    と、 前記視覚認識装置により得られた取付ボルトの三次元位
    置情報に基づいて、予めハンドに支持されている車輪を
    ブレーキ回転要素に装着する車輪取付ロボットとを備え
    てなり、 前記視覚認識装置は、傾きセンサによって検出されたブ
    レーキ回転要素の傾きに応じて、前記視覚センサがとら
    えた画像のうちハブ面と取付ボルトとの濃度差を強調す
    る濃度階調変換処理を施す画像前処理手段を有している
    ことを特徴とする自動車の車輪装着装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の自動車の車輪装着装置に
    おいて、前記視覚認識装置は、前処理後の画像から取付
    ボルトの位置を認識するボルト位置検出手段と、前記ボ
    ルト位置検出手段により得られた取付ボルトの二次元位
    置情報と視覚センサそのものの位置情報とに基づいて所
    定の演算を行うことにより取付ボルトの三次元位置を算
    出する演算処理手段と、この取付ボルトの三次元位置情
    報と基準位置情報とに基づいて、前記車輪取付ロボット
    に付与すべき位置補正データを算出する補正データ作成
    手段とを含んでいることを特徴とする自動車の車輪装着
    装置。
JP28387994A 1994-11-18 1994-11-18 自動車の車輪装着装置 Expired - Fee Related JP3147683B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28387994A JP3147683B2 (ja) 1994-11-18 1994-11-18 自動車の車輪装着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28387994A JP3147683B2 (ja) 1994-11-18 1994-11-18 自動車の車輪装着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08142947A JPH08142947A (ja) 1996-06-04
JP3147683B2 true JP3147683B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=17671367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28387994A Expired - Fee Related JP3147683B2 (ja) 1994-11-18 1994-11-18 自動車の車輪装着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3147683B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102015427B (zh) 2008-01-30 2015-02-18 本田技研工业株式会社 轮胎安装设备、轮胎安装方法、工作设备、工作方法
KR20230131979A (ko) * 2022-03-07 2023-09-15 현대자동차주식회사 브레이크시스템의 자동 조립장치 및 조립방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08142947A (ja) 1996-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US12002269B2 (en) Vehicle feature acquisition method and device
US7204504B2 (en) Process for coupling a trailer to a motor vehicle
JP3600378B2 (ja) 車両の外界認識装置
US20070299596A1 (en) Method for Detecting an Optical Structure
JP7096053B2 (ja) 車両の車両カメラを較正するための方法および装置
US8437918B2 (en) System for the dynamic correction of the orientation of a light source on a vehicle and the associated method
JP4023311B2 (ja) 車両周辺監視装置
US20090099767A1 (en) Light stripe detection method for indoor navigation and parking assist apparatus using the same
JP3147683B2 (ja) 自動車の車輪装着装置
JPS6270916A (ja) 自動走行作業車用の境界検出方法
JP4696539B2 (ja) 車両の走行支援装置
JP2005149022A (ja) 走行車線認識装置
JP2514991B2 (ja) 自動車のタイヤ取付方法
JP2000081322A (ja) スリップ角測定方法および装置
JPH06190661A (ja) 車輪の取付方法及び装置
JP2514992B2 (ja) 自動車のタイヤ取付方法
JPS6368478A (ja) 自動車のタイヤ取付方法
JPH01273746A (ja) 移動車の画像処理装置
JPH05337785A (ja) 研削ロボットの研削経路修正装置
JP3289559B2 (ja) 溶接位置検査装置および溶接システム
JPS5918408A (ja) 傾斜部材の傾斜度検出装置
JP3316101B2 (ja) 走行レーン検出装置
JP2782959B2 (ja) 視覚機能付自動取付装置
JP2742483B2 (ja) 自動車のタイヤ取付方法
JPH05213246A (ja) ハブ位置検出方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090112

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees