JP2774669B2 - プログラマブルコントローラのネットワーク構成方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、複数のプログラマブルコントローラが互い
にデータを共有するスキャン伝送のデータ伝送方法に係
り、特に異なる伝送系統間に設けられるゲートウェイス
テーションの機能を改善したプログラマブルコントロー
ラのネットワーク構成方法に関するものである。

（従来の技術） 複数のプログラマブルコントローラ（以下PCと記す）
がデータを共有して制御される従来のスキャン伝送方式
を、第３図、第４図を用いて説明する。

第３図に示すように、各PC41〜44はデータ伝送装置21
〜24を備え、伝送路１で結合されている。各伝送装置21
〜24にはそれぞれ共有メモリ31〜34が設けられている。
この共有メモリ31〜34には各ステーション（PC）のデー
タエリアが重複しないようにすべて同じ様に割付けが設
定されている。この割付けは各伝送装置に設けられたス
イッチからPCからの指令で送信データエリアを設定する
ことにより行われる。第３図は、PC41のデータが共有メ
モリ31のエリア31Aに割付けられた例である。

PC41により伝送すべきデータが送信データエリア31A
に格納され、伝送装置21が送信権を得るとこの送信デー
タエリア31Aの送信すべきデータの先頭アドレスとサイ
ズを付してこのデータが伝送路１へ送出される。これら
の信号が伝送装置22〜24で受信されると、それぞれの共
有メモリ32〜34に格納される。この場合、受信された先
頭アドレスとサイズに応じてそれぞれのメモリエリア32
A〜34A内の指定アドレスに格納される。このようにして
伝送装置21の共有メモリ31の送信データエリア31A内の
データは、この系統に接続されたすべての伝送装置の共
有メモリの同じメモリエリアに転送される。各伝送装置
は送信権を得ると前述と同様に自局の送信データエリア
のデータを送信し、送信権が全局を一巡するとすべての
共有メモリの内容は同一の最新データで更新される。

これらの処理をサイクリックに実行することにより、
PC41〜44において、それぞれ自局に定められた送信デー
タエリアにデータを書込めば、全ての他局に送られ、他
局のPCにおいてそのエリアのデータを読出せば、PC間で
データの授受を行うことができ、複数のPCを全体として
１つの制御システムとして機能させることができる。こ
の伝送方式は一般にスキャン伝送方式と呼ばれている。

スキャン伝送を行う伝送装置では、共有メモリの内容
を定期的に更新するが、そのとき発生した伝送エラーに
ついては、更新周期が短いので、再試行は行わず、次回
更新で正常復帰するのを期待している。

このスキャン伝送方式を用いた２つの系統を接続する
従来構成を第４図に示す。

第４図において、伝送路１と５はそれぞれ独立した系
統のスキャン伝送に用いられ、伝送路１にPC41,42が、
伝送路５にはPC42,81,82が接続され、PC42に２台の伝送
装置22と62を設けこの局をゲートウェイとした例であ
る。ここで、伝送路１に接続したPCと、伝送路２に接続
されたPCがデータを共有する場合について説明する。

第４図は、伝送装置21の共有メモリ31の送信データエ
リア31Aのデータを共有する例を示しており、伝送路１
側のスキャン伝送により伝送装置22の共有メモリ32のメ
モリエリア32A内に伝送される。

伝送装置22と62は、伝送路１と５に対し前述のスキャ
ン伝送を行うと共に、PC42により伝送路１と５間を結ぶ
ゲートウェイとしての機能が設けられている。これによ
り、伝送装置22の共有メモリ32のメモリエリア32A内に
データが書き込まれると、該データは伝送装置62の共有
メモリ72の該当エリア72Aに転送され、伝送装置62は該
エリア72Aを送信エリアとして転送されたデータを再び
伝送路５に送出し、伝送装置61,63の共有メモリ71,73の
該当エリア71A,73A内に書き込まれる。

結果として伝送装置21の共有メモリ31の送信エリアの
データは、伝送路１および伝送路５に接続される全ての
伝送装置にて共有される。このように、PC42を介して伝
送路１および伝送路５の階層化が行われる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のゲートウェイ機能を持つス
テーションは、各伝送装置の送信エリアを事前に設定し
ておく必要があるため、各伝送装置にて共有メモリの送
信エリアを変更した場合に、そのゲートウェイ機能を持
つステーションの送信エリアの設定まで変更する必要が
あり、システム構成の変更が煩雑でやりにくいという問
題がある。

本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、ゲ
ートウェイ機能を持つステーションの送信エリアの設定
を不要とし、システム構成の変更にも容易に対応できる
プログラマブルコントローラの階層化ネットワーク構成
方法を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段と作用〕 上記目的を達成するために、本発明は、複数のプログ
ラマブルコントローラが互いにデータを共有するスキャ
ン伝送のデータ伝送方法において、 異なる伝送系統間に設けられ、データ転送を行うゲー
トウェイステーションに、一方の伝送系統を介して送信
された一定量のデータを受信し第１の共有メモリに書き
込む度に該第１の共有メモリの書き込みアドレスに対応
したアドレスのステータスメモリに伝送ステータス情報
をセットし、他方の伝送系統に転送するに際し、上記伝
送ステータス情報に応じて第２の共有メモリの送信エリ
アを設定する送信エリア設定メモリに一定量の送信デー
タ毎の送信エリア設定情報をセットし、該第１の共有メ
モリに書き込まれた受信データを該第２の共有メモリの
該送信エリアに転送する機能を設け、ゲートウェイステ
ーションの事前の送信エリアの設定を不要にすると共
に、任意の伝送装置の送信エリアが変更された場合にも
ゲートウェイステーションの送信エリアの設定変更を不
要としたプログラマブルコントローラのネットワーク構
成方法である。

（実施例） 本発明のプログラマブルコントローラのネットワーク
構成方法の実施例を第１図と第２図を用いて説明する。

第１図は伝送路１と５に接続されゲートウェイの機能
を持つステーションの要部構成図である。このステーシ
ョンには、伝送路１に接続された伝送装置２と伝送路５
に接続された伝送装置６が備えられ、各伝送装置2,6に
は共有メモリ3,7が備えられている。伝送路１と５には
ゲートウェイの機能を持たない他のステーションの伝送
装置21と61が接続され、各伝送装置21と61には共有メモ
リ31と71が備えられている。

伝送装置２と６にはゲートウェイの機能を作用させる
ための伝送ステータス情報を格納するステータスメモリ
3aと7a、また、送信エリア設定情報を格納する送信エリ
ア設定メモリ3bと7bが設けられている。

伝送路１側と伝送路５側のスキャン伝送は独立して行
われるが、伝送路１と５の間で伝送が行われるとゲート
ウェイの機能が作用する。

今、伝送路１側の伝送装置21が送信権を得て共有メモ
リ31のデータを送信した場合について説明する。

伝送装置21が共有メモリ31の送信エリアのデータを送
出すると伝送装置２ではこのデータが受信され共有メモ
リ３に格納される。この場合１ワードの受信データが共
有メモリ３の受信エリアに書き込まれる度に、その書き
込みアドレスに対応したステータスメモリ3aのアドレス
に正常に受信されたことを示す伝送ステータス情報がセ
ットされる。

PC4により共有メモリ３と７間のデータ転送が定期的
に行われるが、転送に先立って伝送ステータス情報が参
照され、転送側の共有メモリの送信エリアが設定され
る。すなわち、伝送装置２側の共有メモリ３に書き込ま
れた受信データを転送するとき、転送に先立って、伝送
装置６側に設けられた送信エリア設定メモリ7bにステー
タスメモリ3aの伝送ステータス情報に応じて送信エリア
が設定される。この送信エリア設定メモリ7bはステータ
スメモリ3aと同様のもので、１つの情報で１ワードの送
信エリアが設定される。この設定が行われた後、共有メ
モリ３の受信データが共有メモリ７の送信エリアに転送
される。伝送装置６は送信エリアに転送されたデータを
伝送路５側のスキャン伝送により送信し、伝送路５に接
続された全ての伝送装置に受信される。

伝送エラーが発生した場合は、スキャン伝送周期が短
かいのでその部分のデータをスキャップさせ、次回のス
キャン伝送に期待する。

また、共有メモリの送信エリアについては、伝送開始
前の設定で設定され、送信終了まで変更出来ないが、ス
キャン伝送周期毎に、各データに対して送信エリアが更
新される。

第２図は、１〜８ワードのデータが正常に受信され、
ステータスメモリ3aに１ビットで成る伝送路ステータス
情報がセットされ、送信エリア設定メモリ7bに１ビット
で成る送信エリア設定情報が設定された例である。この
例のように、伝送ステータス情報と送信エリア設定情報
を同じ形態とすることにより、ゲートウェイの転送時の
送信エリア設定の処理を簡素化することができる。

伝送装置21の送信エリアが変更された場合は、伝送装
置２の共有メモリ３の受信エリアが変更に応じて移動
し、伝送ステータス情報がセットされるエリアが移動す
るので、伝送装置６の送信エリア設定テーブル7bに対す
る送信エリアの設定も移動する。従って、ゲートウェイ
ステーションでの送信エリアの設定変更は不要となる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、複数のプログラマブルコントローラ
が互いにデータを共有するスキャン伝送のデータ伝送方
法において、異なる伝送系統間でデータの転送を行うゲ
ートウェイステーションの送信エリアの設定が不要とな
り、伝送システムの変更が容易になり、システム拡張性
のあるプログラマブルコントローラのネットワーク構成
方法を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の要部構成を示す実施例図、第２図は第
１図中のメモリ3a,7bにセットされる情報例を示す図、
第３図は本発明が適用可能なスキャン伝送方式を説明す
るための図、第４図は異るスキャン伝送系統間でデータ
転送する従来のゲートウェイステーションを説明するた
めの図である。 1,5……伝送路、2,6,21,61……伝送装置 3,7,31,71……共有メモリ ４……プログラマブルコントローラ（PC） 3a,7b……ステータスメモリ 3b,7b……送信エリア設定メモリ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のプログラマブルコントローラが互い
   にデータを共有するスキャン伝送のデータ伝送方法にお
   いて、 異なる伝送系統間に設けられ、データ転送を行うゲート
   ウェイステーションに、一方の伝送系統を介して送信さ
   れた一定量のデータを受信し第１の共有メモリに書き込
   む度に該第１の共有メモリの書き込みアドレスに対応し
   たアドレスのステータスメモリに伝送ステータス情報を
   セットし、他方の伝送系統に転送するに際し、上記伝送
   ステータス情報に応じて第２の共有メモリの送信エリア
   を設定する送信エリア設定メモリに一定量の送信データ
   毎の送信エリア設定情報をセットし、該第１の共有メモ
   リに書き込まれた受信データを該第２の共有メモリの該
   送信エリアに転送する機能を設けたことを特徴とするプ
   ログラマブルコントローラのネットワーク構成方法。