JP2774433B2 - 遠心圧縮機の容量制御装置 - Google Patents

遠心圧縮機の容量制御装置

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JP2774433B2
JP2774433B2 JP13744493A JP13744493A JP2774433B2 JP 2774433 B2 JP2774433 B2 JP 2774433B2 JP 13744493 A JP13744493 A JP 13744493A JP 13744493 A JP13744493 A JP 13744493A JP 2774433 B2 JP2774433 B2 JP 2774433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばガスホルダへの
ガス圧送に適用される遠心圧縮機の容量制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示すガス圧送装置が公知で
ある(関連発明:特公平1−25920号公報)。この
装置は、遠心圧縮機1を用いたもので、遠心圧縮機1の
吸込流路2に、吸込絞り弁等の流量調節手段(以下、P
CVという)3が設けてあり、吐出流路4に、逆止弁5
が設けてある。さらに、逆止弁5の入側の吐出流路4の
部分には、流量検出可能に流量検出スイッチ(以下、F
Sという)6が、出側の吐出流路4の部分、即ち吐出流
路4aの部分には圧力検出可能に圧力調節計(以下、P
ICという)7が設けてある。ちなみに、PIC7にて
検出されるのはゲージ圧力である。FS6は、流量の下
限設定器を、PIC7は、圧力の下限設定器を内蔵して
いる。図6において右側に延びる吐出流路4aは、例え
ば図示しないガスホルダに至っている。また、遠心圧縮
機1と逆止弁5との間の吐出流路4の部分から、吐出流
路中のガスを大気に放出させるか、或は吸込流路2に連
通して、この吸込流路2に戻すための分岐流路8を設
け、この分岐流路8に吐出流路4内の圧力を調節する圧
力調節用開閉弁(以下、FCVという)9が設けてあ
る。
【0003】PIC7からは、a,b,cポートを有す
る第1三方電磁弁10を介してPCV3の駆動部に至る
第1計装空気流路11が延びており、FCV9の駆動部
にはd,e,fポートを有する第2三方電磁弁12を設
けた第2計装空気流路13が接続してある。さらに、F
S6による検出流量、PIC7による検出圧力を示す信
号を制御部14に入力し、これらの信号に基づき、後述
するように、第1,第2三方電磁弁10,12の流路切
換制御を行うようになっている。
【0004】次に、上述した装置によるガス圧送の際に
行われている容量制御について、図7を参照しつつ説明
する。図7は、各種の圧力−流量関係を同一面上に表わ
したもので、曲線IはFCV9の全開時におけるFCV
9の抵抗曲線を示し、下端がこの曲線I上にある曲線群I
IはPCV3の開度θをθ1,…,θminと変化させた場
合の、各開度における遠心圧縮機1の吐出ガス圧力と吐
出ガス流量, 直線III(サージ線)はサージ圧と吐出ガ
ス流量との関係、直線IVは吐出ガス圧力PSにおけるサ
ージ防止のための許容限である下限設定流量(FSL)
を示している。また、縦軸上のPSは、PIC7におけ
る定風圧制御の圧力設定値, PSLは吐出流路4aでの
圧力下限設定値を示す。
【0005】遠心圧縮機1の運転が開始されると、吐出
ガス流量が、検出圧力における下限設定値FSLに至る
以前には、FS6からの信号に基づき、制御部14から
の負荷運転指令信号により、第1三方電磁弁10のa−
bポートは連通し、下記する定風圧制御が行われる一
方、第2三方電磁弁12のd−eポートが連通し、第2
計装空気流路13からの所定圧の計装空気により加圧さ
れてFCV9は閉じている。定風圧制御は、この設定圧
力PSにある点A, B間でPCV3の開度調節により行
われ、この点A, Bで示される圧力は、この制御時の吐
出流路4aでの圧力を示し、PIC7における偏差(検
出圧力−設定値)が+の場合にはPCV3の開度θを小
さくし、−の場合には開度θを大きくして吐出流路4a
での圧力が略一定に保たれる。偏差が−の状態で続くと
PCV3の開度θは増大して行き、圧縮機最大能力であ
るA点に達する。
【0006】これに対して、吐出流路4aでの圧力が上
昇傾向にあって偏差が+の状態が続くとPCV3の開度
θは小さくなって行き(θmin側に作動して行く。)、や
がて、吐出ガス流量はサージ防止用のFS6の下限設定
流量(FSL)を示す直線IVと交差する点Bの状態に達す
る。この結果、FS6が作動して、制御部14より無負
荷運転指令信号を出し、第2三方電磁弁12のe−fポ
ートが連通し、FCV9の駆動部を加圧していた所定圧
の計装空気は大気に解放,放出され、FCV9が全開す
る。同時に、第1三方電磁弁10のa−cポートを連通
させて、PCV3の開度θを最小値θminの状態にする
(図7中のB点より、D点の状態へ移行させる)。
【0007】そして、吐出ガス圧力,流量は、D点の状
態となり、この状態は遠心圧縮機1の最小負荷状態で、
消費動力は最小となる。また、この状態では吐出流路4
a側へのガス圧送はなく、かつ逆止弁3によりガスの逆
流は阻止されており、図7において逆止弁5の右方の吐
出流路4aの部分の圧送ガスは蓄圧された状態にあり、
その消費とともに徐々に圧力降下が生じる。吐出流路4
aの圧力が下限設定値PSLまで下がると、即ち、PI
C7によりPSLの値に等しい圧力値が検出されると、
第1三方電磁弁10のa−bポートを連通させて、PIC
7による制御状態にする。即ち、PCV3をPIC7と
接続し、PCV3を全開にする。同時に、第2三方電磁
弁12のd−eポートを連通させて、FCV9を全閉に
する。この結果、吐出圧力,流量は、D点からA′点に
移行する。
【0008】さらに、吐出圧力が上昇して点A′を超え
ると、吐出ガスの吐出流路4aへの圧送が始まり、吐出
流路4a内の圧力は徐々に上昇して点Aの水準に達し、
これまでのB点からD点を経てA点に至る負荷,無負荷
制御から、上記A−B線上の定風圧制御に移行し、以
後、上記同様な制御の繰り返しとなる。図7中、実線に
よる曲線Vが以上の制御による吐出ガスの状態変化を示
している。即ち、この公知技術は、FS6を設けること
により、遠心圧縮機1の吐出ガス流量がサージング領域
に近い所定の流量下限値以下に達すると、直ちに吸入弁
であるPCV3を遮断し、排気弁(放風弁)であるFCV
9を開放して無負荷運転することでサージングを防止す
ることを前提とした技術である。
【0009】この他、上述したFS6を設ける代わり
に、図8に示すように、遠心圧縮機1を駆動する電動機
21の入力電流、または電力を検出し、調節器22によ
りこの検出値と基準値とを比較し、検出値が基準値以下
になると、放風弁(サージング防止弁)23を開いて、
放風運転するようにしたガス圧送装置が公知である(実
開昭63−31292号公報,関連発明:特開昭52−
17203号公報)。なお、図8において二点鎖線で示
された部分は公知技術である遠心圧縮機1の吸込絞り弁
24による吐出圧力制御(定風圧制御)と、電動機21
の過負荷防止用制御のためのループを示している。ま
た、図9は、遠心圧縮機1の吐出圧力と風量との関係、
並びに入力電力(または、電流)と風量との関係を示
し、Iはサージ線、IIは圧縮機の特性曲線、IIIは入力電
力(または、電流)の曲線、MAX−Wは過負荷防止最
大電動機電力(または、電流)値、MIN−Wはサージ
ング防止最小電動機電力(または、電流)値を示し、サ
ージング防止のための基準電力(または、電流)値をA
点に定めている。
【0010】さらに、図10に示すガス圧送装置が公知
である(特開平2−123299号公報)。この装置
は、上述したFS6を設ける代わりに、遠心圧縮機1を
駆動する電動機31の入力電流(AMP)を電流変換器
32により検知するとともに、遠心圧縮機1の吐出圧力
(逆止弁33以降の圧力)を圧力変換器34により検知
して、この二つの値の組合わせをコントローラ35にて
認識し、図11に示すマップの上で遠心圧縮機1がサー
ジ領域Iで運転されている場合は、遠心圧縮機1に無負
荷運転をさせる一方、非サージ領域IIで運転されている
場合は、遠心圧縮機1に圧力一定の定圧制御運転を行わ
せるようにしたものである。なお、図11の縦軸のf1
は固定常数を示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した公知例の内、
図6に示すガス圧送装置の場合、流量を検出する手段で
あるFS6はオリフィスと差圧伝送器と信号設定器とに
より構成されるのが一般的である。一方、最近のガス圧
送装置は、付属機器も含めてパッケージ化されることが
多く、流量検出のために必要なオリフィス前後の直管長
を確保することができず、正確な流量検出が困難な場合
が多く、かつ流量検出装置は一般的に高価であるという
問題がある。
【0012】また、急激な負荷変動があった場合、PI
C7の応答遅れにより、ガスホルダー圧力が、PIC7
の設定値(図7中のA−B線)より上昇するおそれがあ
る。この場合、設定値がFLSの値に固定されたFS6
では、サージングを防止することはできない。即ち、図
7中の一点鎖線VIの経路でサージング領域の状態に陥る
可能性がある。さらに、PIC7の設定値を変えた場合
には、FLSの設定値も変える必要がある等の問題があ
る。
【0013】図8に示すガス圧送装置の場合、遠心圧縮
機1の運転圧力(定風圧制御の調節器の設定値)を変化
させると、基準電力(または、電流)値も変える必要が
ある。また、これを自動的に行うようにしても、予め各
々の吐出圧力に対する基準電力(または、電流)値を求
めておく必要があるという問題がある。さらに、電力
(または、電流)が、基準電力(または、電流)値に近
付くと、無負荷運転をさせずに、放風運転を行わせるた
め、例えば工場空気源のように流量変化が大きい用途に
用いられる場合は、動力損失が大きいという問題があ
る。
【0014】図10に示すガス圧送装置の制御方式を採
用する場合、市販の工業用調節計では、機能,メモリ
ー,容量の面で無理があり、コンピュータを利用した専
用のコントローラか、または比較的高価な市販の小,中
規模のプロセスコンピュータが必要になるという問題が
ある。また、この制御方式では、遠心圧縮機1の放風運
転は行わないが、マップの境界条件として、吐出圧力P
が、設定圧力PSET×f1以下か、P<電流/MIN・A
MP+PM(サージマージン)か、電動機電流AMP>
MIN・AMPかの三つの条件で決められる。このた
め、遠心圧縮機1の運転設定圧力PSETを変更すれば、
MIN・AMPも変化するので、設定圧力PSETを変え
ることのある用途に用いられる場合、予め各吐出圧力に
対するMIN・AMP値を求めておき、マップを変更し
てゆく必要がある。
【0015】また、電動機31の電圧が変化する場合
は、電流値も変化し、制御が不安定になる等の問題があ
る。本発明は、斯る従来の問題点を課題としてなされた
もので、高価な流量検出手段を不要とし、遠心圧縮機回
りの配管がコンパクトで、遠心圧縮機のサージ防止パラ
メータを単純に決定でき、遠心圧縮機の運転圧力設定値
を変更してもサージ防止パラメータの変更の必要はな
く、市販の一般工業用調節計の使用で足りる遠心圧縮機
の容量制御装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、遠心圧縮機の吸込流路に設けた流量調節
手段と、吐出流路に設けた逆止弁の上流側にて、吐出流
路から分岐し、大気または吸込流路に通ずる開閉弁を備
えた分岐流路と、上記逆止弁の下流側に圧力検出可能に
設け、検出圧力信号を出力するとともに、検出圧力が、
設定圧力以下の場合には第1オン信号を、他の場合には
第1オフ信号を出力する圧力下限設定器を内蔵する他、
検出圧力が高い程、上記流量調節手段の開度を小とする
開度調節信号を出力する圧力調節計と、この圧力調節計
による検出圧力を絶対圧力に変換する変換手段と、上記
遠心圧縮機の駆動部に供給する電力を検出する電力検出
手段と、この電力検出手段による検出電力の値を上記変
換手段より得られる絶対圧力値で除する演算手段と、こ
の演算手段からの出力値が設定値以下の場合には第2オ
フ信号を、他の場合には第2オン信号を出力する電力下
限設定器と、遠心圧縮機の起動後、上記圧力下限設定器
からの第1オン信号により上記開閉弁を閉、上記流量調
節手段を開として負荷運転を行わせ、上記第1オン信
号,第2オン信号が出力されている間は上記圧力調節計
からの開度調節信号に基づく流量調節手段の開度調節に
よる定風圧制御を行わせるとともに、上記第1オフ信
号,第2オフ信号の出力により上記開閉弁を開、上記流
量調節手段を閉として無負荷運転を行わせる制御装置と
を備えた構成とした。
【0017】
【作用】上記発明のように構成することにより、遠心圧
縮機の容量制御に流量検出手段を用いる必要が無くな
り、圧縮機の軸動力を吐出絶対圧力で除した値が、サー
ジ線上では、一定の値となることに着目し、この値が設
定値以下になれば無負荷運転を行うようにしているた
め、放風圧運転することなく容易に非サージ制御ができ
るようになり、圧縮機の定格圧力付近では、電力下限設
定線がサージ線にほぼ平行になるため、圧力調節計(P
IC)の応答遅れによって、設定圧力よりも実際の圧力
が上下してもサージ防止ができるようになる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面にしたがって
説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る遠心圧縮
機1の容量制御装置I1を適用したガス圧送装置を示
し、図6に示すガス圧送装置と共通する部分について
は、互いに同一番号を付して説明を省略する。この装置
では、動力線41から遠心圧縮機1を駆動する電動機4
2に供給される電力を、計器用変流器43および計器用
変圧器44を介して電力変換器45により検出するよう
に形成してある。なお、計器用変流器43,計器用変圧
器44は、電動機42の保護等のために本発明とは関係
なく、動力線41に遮断器46とともに設けられるのが
一般的である。
【0019】一方、吐出流路4aの圧力を検出するPI
C7からの圧力信号を加算器47に導き、ここで入力信
号に常数、即ち大気圧(注:絶対圧力=大気圧+ゲージ
圧力)を加算して、この信号から絶対圧力を算出し、絶
対圧力信号を除算器48に入力するとともに、電力変換
器45からの電力信号、即ち遠心圧縮機1の軸動力を示
す信号をこの除算器48に入力している。そして、この
除算器48にて電力信号を吐出流路4aの絶対圧力信号
で除した値を示す信号を電力下限設定器49に入力して
いる。電力下限設定器49では、除算器48からの上記
信号と、電力下限設定値(WSL)とを比較し、この信
号が設定値以下であればオフの接点信号を設定値よりも
大きい場合はオンの接点信号を発生し、これを制御部1
4に入力するように形成してある。なお、本装置では、
PIC7と第1三方電磁弁10との間に電空変換器50
を介在させてある。
【0020】図2は、制御部14内のシーケンス回路の
一部を示し、接点46Xは、遮断器46が投入され、電
動機42、および遠心圧縮機1が起動状態、或は運転状
態になると閉路するものである。接点46Xが閉路する
ことにより、タイマー46XTが作動を開始し、遠心圧
縮機1の起動時間経過後にタイムアップするように設定
されており、タイムアップすると接点46XTが閉路
し、第1,第2三方電磁弁10,12のコイルSV1
0,SV12に通電するようになっている。また、電力
下限設定器49の出力接点WSL、およびPIC7に内
蔵された圧力下限設定器の出力接点PSLを並列に接続
し、コイルSV10,SV12に通電させるように形成
してある。
【0021】次に、上記構成からなる装置における容量
制御について説明する。吐出流路4aの圧力が0kgf
/cm2Gにある状態で、遠心圧縮機1を起動すると、
吐出流路4aの圧力は設定値PSL以下であるから、出
力接点PSLはオンの状態であるため、即ち閉路してい
るため、起動時間経過後、タイマー接点46XTが閉路
して、第1,第2三方電磁弁10,12のコイルSV1
0,SV12に通電される。第2三方電磁弁12に通電
されるとd−eポートが連通状態になる。そして、第2
計装空気流路13からの所定圧の計装空気によりFCV
9は全閉状態となる。
【0022】同時に、第1三方電磁弁10に通電され、
a−bポートが連通状態になり、PIC7からの圧力信
号が、電空変換器50を介してPCV3の駆動部に送ら
れる。このとき、PIC7の設定値よりも実際の検出圧
力が低いため、PIC7からの信号はPCV3を全開さ
せる信号になっており、PCV3は全開状態になる。し
たがって、遠心圧縮機1は、100%以上の風量で、例
えば図示しないガスホルダーにガス圧送してゆくことに
なる。
【0023】このガスホルダーの圧力が圧力下限設定器
の設定値PSLに達し、その出力接点PSLがオフの状
態、即ち開路するが、電力下限設定器49の出力接点W
SLはオンの状態、即ち閉路しており、第1,第2三方
電磁弁10,12への通電は続けられる。そして、圧送
ガスの消費量が少ないか、無い場合は、やがてPIC7
における設定値PSまで吐出圧力が上昇し、PIC7か
らの出力が低下し、PCV3は閉側に作動し始めるが、
ガスホルダーへのガス圧送は続くため、吐出流路4aの
圧力は上昇し続ける。この圧力の上昇とPCV3の閉じ
てゆく変化にしたがって、遠心圧縮機1からの吐出風
量,軸動力とも低下してゆく。そして、電動機42への
入力電力を吐出流路4a圧力で除した値が、電力下限設
定器49における設定値WLS以下となり、電力下限設
定器49の出力接点WSLがオフの状態、即ち開路す
る。
【0024】既に、上記圧力下限設定器の出力接点PS
Lはオフの状態になっているので、出力接点WSLが開
路することにより、第1,第2三方電磁弁10,12の
コイルSV10,SV12への通電が同時に断たれる。
この通電が断たれることにより、第2三方電磁弁12の
e−fポートが連通状態になり、FCV9の駆動部に供
給されていた計装空気は大気に放出され、FCV9は全
開状態になる。同時に、第1三方電磁弁10への通電が
断たれることにより、b−cポートが連通状態になり、
PCV3の駆動部に供給されていたPIC7からの信号
圧力空気も大気に放出され、PCV3の開度は最小値
(θmin)の閉状態になる。
【0025】この結果、逆止弁5の上流側の圧力、即ち
遠心圧縮機1の吐出圧力は、大気圧近くまで低下し、遠
心圧縮機1の消費動力が最小の無負荷運転状態に移行す
る。以上の遠心圧縮機1の容量制御における圧力、流量
状態の推移について図3を参照しつつ説明する。なお、
この図3は、図7に対応する図で、この図7と同様の表
し方をしたもので、図7と共通する事項については、同
一の表現を用いて説明は割愛する。図3における曲線IV
は、図7における直線IVに対応し、サージ防止のための
下限流量設定値を示し、電力下限設定器49の設定線
で、遠心圧縮機1のサージ圧とガス流量との関係を示す
直線IIIと原点付近で交差する直線に近いものとなるの
で、遠心圧縮機1の定格圧力付近では、直線IIIとほぼ
平行になる。
【0026】曲線I′は、ガスホルダにおける圧力をD
点から、ガス消費が無い状態で、ガス圧送する吐出流路
系の抵抗曲線を示している。一点鎖線による曲線VIは、
上述したガス消費が無いときのガスホルダ初期充圧時に
おける遠心圧縮機1からの吐出風量,吐出圧力の推移を
示している。即ち、遠心圧縮機1は、起動後、吐出圧力
はD点で運転されているが、タイマー46XT(図2)
のタイムアップと同時に、PCV3は全開、FCV9は
全閉となり遠心圧縮機1の吐出圧力は、D点よりA″点
に移行し、定格風量,定格動力以上の運転でA′点,A
点まで充圧する。PIC7の設定値PSであるA点まで
充圧するとPIC7は、PCV3を閉じ始めるが、ガス
消費が無いため、吐出ガス流量,遠心圧縮機1の消費動
力は減少しつつも、吐出流路4aの圧力はC点まで上昇
する。
【0027】C点に至ると、電力下限設定器49が動作
し、第1,第2三方電磁弁10,12が同時に非通電状
態となり、FCV9は全開、PCV3は閉状態になっ
て、遠心圧縮機1の吐出ガス流量,吐出ガス圧力は、一
点鎖線による曲線VIに沿って、C点からD点に移行し、
遠心圧縮機1は無負荷運転状態になるが、ガスホルダの
圧力はC点で示される充圧された状態を保つ。
【0028】次に、ガスの消費が始まり、ガスホルダの
圧力がPIC7における圧力下限設定値PSLに達する
と第1,第2三方電磁弁10,12が同時に通電され
る。これにより、FCV9が全閉,PCV3が全開状態
になり、遠心圧縮機1は負荷運転状態になる。即ち、遠
心圧縮機1の吐出ガス流量,吐出ガス圧力は、図3にお
けるD点からA′点に移行する。また、ガス消費量が、
図3におけるA点からB点までの量である場合は、遠心
圧縮機1の吐出ガス圧力がA点まで昇圧された後、PI
C7による定風圧制御が働き、吐出流路4aの圧力(≒
吐出ガス圧力)は、PIC7の設定値PSに保たれる。
【0029】その後、ガス消費量が減少し、図3におけ
るB点の量以下になると、電力下限設定器49が作動
し、第1,第2三方電磁弁10,12が同時に非通電状
態となる。これによって、FCV9は全開,PCV3は
閉状態になり、遠心圧縮機1は無負荷運転状態になる。
その後、ガス消費量に見合って、上述した制御が繰り返
される。以上のように、遠心圧縮機1を駆動する電動機
42への入力電力を検出し、この検出値を吐出流路4a
の圧力で除した値が一定値以下になったときに遠心圧縮
機1を無負荷運転させ、吐出流路4aの圧力が一定値以
下になれば負荷運転させることにより、遠心圧縮機1の
サージングを防止しつつ、定圧制御と負荷/無負荷運転
制御を行うことができるようになっている。
【0030】したがって、上述した容量制御装置によれ
ば、流量検出装置が無くても、サージング防止が可能と
なり、遠心圧縮機回りの吐出配管、或は吸込配管に、流
量検出装置を設置する場合のような制約条件がなくな
り、圧縮機のパッケージ化が容易になっている。図1に
示す装置の枠X内の部分は、市販されているマイクロプ
ロセッサを使用したプログラム可能なシングルループコ
ントローラ1台で実現可能であり、この容量制御装置I
1は、プログラムを構築するだけで実現でき、制御ハー
ドウエアの追加の必要がない。したがって、比較的高価
な流量検出装置が不要なだけ全体的にコストダウンする
ことができる。
【0031】また、一般的に、電動機駆動の遠心圧縮機
では、電動機のオーバーロードを防止する制御が付加さ
れることが多く、図4に、斯る制御を付加した本発明の
第2実施例に係る容量制御装置I2を適用したガス圧送
装置を示す。この図4に示す装置は、図1に示す装置と
は、一点鎖線で囲んだ枠Y内の部分が異なるだけで、新
たに電力コントローラ61,セレクタ62が付加されて
いる点を除き、他は実質的に同一であり、互いに対応す
る部分には、同一番号を付して説明を省略する。本発明
に係る容量制御装置の場合、電力下限設定線が図3中の
直線III、即ち圧縮機のサージ線にほぼ平行になるた
め、PIC7の設定値PSを変更しても、電力下限設定
値を変更する必要がないというメリットがある。
【0032】図5に示す枠Z内の部分は、本発明の第3
実施例に係る容量制御装置の一部を示し、図4におい
て、PCV3を容量調節用のガイドベーンとした場合、
枠Yに代えて、置換されるもので、新たに補正演算器7
1が付加されている。そして、セレクタ62からのガイ
ドベーン角度を決める信号によって、遠心圧縮機軸動力
(kW)/遠心圧縮機の吐出絶対圧力(PA)の値を補
正するようになっている。好ましくは、直接ガイドベー
ン角度を検出して、補正するようにするのがよい。その
理由は、ガイドベーン角度の変化によって、遠心圧縮機
1のサージ線が直線とならないからである。上記実施例
では、動力線46から供給される電力を検出するように
したものを示したが、本発明は、これに限定するもので
なく、電源電圧に変動が無い場合は電力に代えて動力線
46を流れる電流を検出するようにしたものであっても
よい。
【0033】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、遠心圧縮機の吸込流路に設けた流量調節手段
と、吐出流路に設けた逆止弁の上流側にて、吐出流路か
ら分岐し、大気または吸込流路に通ずる開閉弁を備えた
分岐流路と、上記逆止弁の下流側に圧力検出可能に設
け、検出圧力信号を出力するとともに、検出圧力が、設
定圧力以下の場合には第1オン信号を、他の場合には第
1オフ信号を出力する圧力下限設定器を内蔵する他、検
出圧力が高い程、上記流量調節手段の開度を小とする開
度調節信号を出力する圧力調節計と、この圧力調節計に
よる検出圧力を絶対圧力に変換する変換手段と、上記遠
心圧縮機の駆動部に供給する電力を検出する電力検出手
段と、この電力検出手段による検出電力の値を上記変換
手段より得られる絶対圧力値で除する演算手段と、この
演算手段からの出力値が設定値以下の場合には第2オフ
信号を、他の場合には第2オン信号を出力する電力下限
設定器と、遠心圧縮機の起動後、上記圧力下限設定器か
らの第1オン信号により上記開閉弁を閉、上記流量調節
手段を開として負荷運転を行わせ、上記第1オン信号,
第2オン信号が出力されている間は上記圧力調節計から
の開度調節信号に基づく流量調節手段の開度調節による
定風圧制御を行わせるとともに、上記第1オフ信号,第
2オフ信号の出力により上記開閉弁を開、上記流量調節
手段を閉として無負荷運転を行わせる制御部とを備えた
構成としてある。
【0034】このため、流量検出装置が無くても、サー
ジング防止が可能となり、遠心圧縮機回りの吐出配管、
或は吸込配管に、流量検出装置を設置する場合のような
制約条件がなくなり、圧縮機のパッケージ化が容易にな
っている。また、圧縮機の軸動力を吐出絶対圧力で除し
た値が、サージ線上では、一定の値となることに着目
し、この値が設定値以下になれば無負荷運転を行うよう
にしているため、放風運転することなく容易に非サージ
制御ができるようなり、動力の低減が可能になる。さら
に、サージ防止のための圧縮機の特性データは、圧縮機
の定格圧力付近のサージ点の一点だけを求めれば、サー
ジ防止パラメータが決定できるので、試運転の工程を大
幅に短縮できる。さらに、圧縮機の定格圧力付近では、
電力下限設定線がサージ線にほぼ平行になるため、圧縮
機の運転圧力設定値を変更してもサージ防止パラメータ
を変更する必要が無く、圧力調節計(PIC)の応答遅
れによって、設定圧力よりも実際の圧力が上下してもサ
ージ防止ができるようになる。その他、プログラマブル
・シングルループコントローラと称される一般工業用調
節計で比較的安価に実現可能である等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る容量制御装置を適
用したガス圧送装置の全体構成図である。
【図2】 図1に示す装置における制御部のシーケンス
回路の一部を示す図である。
【図3】 図1に示す装置における遠心圧縮機の特性お
よび容量制御における吐出ガス流量と吐出ガス圧力との
関係を示す図である。
【図4】 本発明の第2実施例に係る容量制御装置を適
用したガス圧送装置の全体構成図である。
【図5】 本発明の第3実施例に係る容量制御装置の制
御部の一部を示す図である。
【図6】 従来の容量制御装置を適用したガス圧送装置
の全体構成図である。
【図7】 図6に示す装置における遠心圧縮機の特性お
よび容量制御における吐出ガス流量と吐出ガス圧力との
関係を示す図である。
【図8】 従来の別の容量制御装置を適用したガス圧送
装置の全体構成図である。
【図9】 図8に示す遠心圧縮機の風量と吐出ガス圧力
および入力電力(電流)との関係を示す図である。
【図10】 従来の別の容量制御装置を適用したガス圧
送装置の全体構成図である。
【図11】 図10に示す遠心圧縮機の吐出ガス流量と
吐出ガス圧力との関係を示すマップ図である。
【符号の説明】
1,I2 容量制御装置 1 遠心圧縮機 3 流量調節手段 4,4a 吐出
流路 5 逆止弁 7 圧力調節計 8 分岐流路 9 圧力調節用
開閉弁 10 第1三方電磁弁 12 第2三方
電磁弁 14 制御部 41 動力線 42 電動機 43 計器用変
流器 44 計器用変圧器 45 電力変換
器 47 加算器 48 除算器 49 電力下限設定器 50 電空変換

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心圧縮機の吸込流路に設けた流量調節
    手段と、吐出流路に設けた逆止弁の上流側にて、吐出流
    路から分岐し、大気または吸込流路に通ずる開閉弁を備
    えた分岐流路と、上記逆止弁の下流側に圧力検出可能に
    設け、検出圧力信号を出力するとともに、検出圧力が、
    設定圧力以下の場合には第1オン信号を、他の場合には
    第1オフ信号を出力する圧力下限設定器を内蔵する他、
    検出圧力が高い程、上記流量調節手段の開度を小とする
    開度調節信号を出力する圧力調節計と、この圧力調節計
    による検出圧力を絶対圧力に変換する変換手段と、上記
    遠心圧縮機の駆動部に供給する電力を検出する電力検出
    手段と、この電力検出手段による検出電力の値を上記変
    換手段より得られる絶対圧力値で除する演算手段と、こ
    の演算手段からの出力値が設定値以下の場合には第2オ
    フ信号を、他の場合には第2オン信号を出力する電力下
    限設定器と、遠心圧縮機の起動後、上記圧力下限設定器
    からの第1オン信号により上記開閉弁を閉、上記流量調
    節手段を開として負荷運転を行わせ、上記第1オン信
    号,第2オン信号が出力されている間は上記圧力調節計
    からの開度調節信号に基づく流量調節手段の開度調節に
    よる定風圧制御を行わせるとともに、上記第1オフ信
    号,第2オフ信号の出力により上記開閉弁を開、上記流
    量調節手段を閉として無負荷運転を行わせる制御部とを
    備えたことを特徴とする遠心圧縮機の容量調節装置。
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