JP2773824B2 - インキローラ温度制御装置 - Google Patents

インキローラ温度制御装置

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JP2773824B2 JP1240213A JP24021389A JP2773824B2 JP 2773824 B2 JP2773824 B2 JP 2773824B2 JP 1240213 A JP1240213 A JP 1240213A JP 24021389 A JP24021389 A JP 24021389A JP 2773824 B2 JP2773824 B2 JP 2773824B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、インキローラの温度を常に好適な状態に保
つためのインキローラ温度制御装置に関し、水なし平板
を用いる平版印刷機等に適用して好適なものである。
<従来の技術> 平板印刷に一般的に用いられるインキは、油絵具と同
様な半流動体であって、従来例えば第2図に示すような
インキ装置11のインキローラ群によってしだいに練り伸
ばされ、最終的に版胴12の版面13に塗布される。
インキ装置11には、インキが溜め置かれるインキつぼ
14が設けられていると共に、該インキつぼ14の端部には
インキを引き出すためのつぼローラ15が設けられてい
る。つぼローラ15に移されたインキは、該つぼローラ15
に間欠的に揺動接触する移しローラ16に移され、さらに
該移しローラ16は、インキローラ群17の上方端部に位置
するインキローラ18にインキを移す。その後インキは、
インキローラ群17を構成する個々のインキローラに次々
と移されて均一に練り伸ばされる。そしてインキは最終
的には、版胴12に接触して回転する着けローラ19を介し
て、版胴12に移される。さらに版胴12に移されたインキ
は、図示しないブランケット胴に転写され、それが印刷
用紙に移されて印刷が行われるのである。
<発明が解決しようとする課題> 第2図に示したような従来のインキ装置11において
は、多数のインキローラ(つぼローラ15,移しローラ16,
着けローラ19,インキローラ群17等)を用いてインキを
練り伸ばしながら、しだいに均一且つ薄いインキ膜を形
成するようになっている。
このため、インキ装置11の起動時等において、インキ
ローラの温度が低く好適な温度を有しない状態では、イ
ンキの粘度が大きくて十分な流動性が得られぬため、イ
ンキローラ表面に均一且つ好適なインキ膜を形成でき
ず、該インキがそのまま版胴12に移されて印刷不良を招
くという問題があった。
従って係る問題に対処すべく、インキにワニス等を混
入させてインキ粘度を予め低くしたり、インキ装置11を
印刷にかかる前に1時間程度空転させてインキローラの
温度を上昇させる等の方策が考えられてはいたが、いず
れも固有技術の開発の必要性や作業時間の増大等の困難
を生じていた。
<課題を解決するための手段> 本発明によるインキローラ温度制御装置は、印刷機の
版胴版面にインキを供給するためのインキローラと、該
インキローラの温度を検出する温度センサと、前記イン
キローラ内に設けられ且つ熱交換用の循環液が流れる熱
交換流路と、該熱交換流路に前記循環液を供給し且つ循
環させる循環装置と、前記循環液を加熱する加熱器を備
えた高温槽と、前記循環液を冷却する冷却器を備えた低
温槽と、前記温度センサより検出されるインキローラの
温度を好適な一定値に保つべく前記温度センサからの信
号に応じて、前記高温槽からの循環液と、前記低温槽か
らの循環液との混合比を変更する温度調整装置とを備え
たことを特徴とするものである。
<作用> 温度センサがインキローラの温度を検出し、該検出値
に基づいて温度調節装置が作動して高温槽からの循環液
と、低温槽からの循環液との混合比を変更することによ
り、循環液の温度を制御し、更に該循環液を循環装置に
よりインキローラ内の熱交換流路へと送出し且つ循環さ
せることにより、インキローラの温度を好適な一定値に
保つ。
<実 施 例> 以下、本発明によるインキローラ温度制御装置の一実
施例を図面を参照して詳細に説明する。なお従来の技術
と同一の部材には同一の符号を付して表すこととし重複
する詳細な説明は省略する。
第1図にこの一実施例を示したように、インキローラ
群17の図中上端部分に位置するインキローラ18、及び着
けローラ19に直接接触して回転する2つのインキローラ
20の夫々の内部には、図示しない熱交換流路が形成され
ており、該熱交換流路内を種々の温度状態に設定された
循環液(本実施例では水)が流れてインキローラ18,20
と熱交換できるようになっている。
つまり、夫々の熱交換流路の入口側には循環液の導入
管21が連結されていると共に、これら熱交換流路の出口
側には前記循環液の排出管22が連結されている。導入管
21の夫々は途中で一本の導入主管23に合流すると共に、
該導入主管23の上流側は温度制御装置本体24の出口管25
に連結されている。
温度制御装置本体24内には循環ポンプ26が設けられ、
該循環ポンプ26の吐出側が前記出口管25に連通してい
る。さらに温度制御装置本体24内には、循環液を比較的
高温状態(例えば35℃前後)で維持し且つ貯溜する高温
槽27が設けられていると共に、循環液を比較的低温(例
えば15℃前後)で維持し且つ貯溜する低温槽28が設けら
れている。
高温槽27には、該高温槽27内の循環液の液温を比較的
高く維持するためにヒータ29が設けられている。また一
方低温槽28内には、該低温槽28内の循環液の液温を比較
的低く維持するために冷却コイル30が設けられていると
共に、温度制御装置本体24内には、前記冷却コイル30に
冷却用の冷媒を供給するための冷凍機31が設けられてい
る。
一方、インキローラ18,20内の夫々熱交換流路と連通
する排出管22は、途中で一本の排出主管32に合流する。
そして該排出主管32は比例制御バルブ33を経て2本の入
口管34に分岐すると共に、これら入口管34の夫々は前述
した高温槽27及び低温槽28に連通している。
従って、熱交換流路より排出された循環液は、排出管
22,排出主管32内を流れ、比例制御バルブ33により流量
制御を受けつつ2本の入口管34内を流れ、高温槽27及び
低温槽28の夫々に流入する。
この後、高温槽27及び低温槽28の夫々において略一定
した温度状態に維持された循環液は、高温槽27、低温槽
28の夫々に連結された送出管35,36を経て流出し、且つ
これらの送出管35,36は途中で比例制御バルブ37を介し
て一本の送出管38に合流して、さらに該送出管37は前述
した循環ポンプ26の吸込口に連結されている。
従って、高温槽27及び低温槽28の夫々より流出した循
環液は、送出管35,36を経て比例制御バルブ37で合流す
ることになるが、ここで熱交換流路へと送るべき循環液
を所望の温度状態とするため、該比例制御バルブ37の送
出管35,36夫々の側のバルブ開度が制御される。また該
比例制御バルブ37の開度は、前述した入口側の比例制御
バルブ33の開度と略同じとなるように制御され、高温槽
27及び低温槽28に流入する循環液量と流出する循環液量
とが略同じとなるように制御されている。
比例制御バルブ37において合流し所望の温度となった
循環液は、さらに循環ポンプ26により、圧送され、出口
管25,導入主管23,導入管21を経て、インキローラ18,20
内の熱交換流路内に流入し、該インキローラ18,20の夫
々と熱交換が行われる。つまり、該熱交換流路に流入す
る循環液の温度を、インキローラ18,20の温度状態に対
し低く設定したり或いは高く設定したりすることによっ
て、これらインキローラ18,20に対する冷却或いは加温
がなされる。
このような温度制御を行うために、以下の構成が付加
される。即ち、インキローラ18,20の近傍には、これら
のインキローラ18,20の温度を検出するための温度セン
サ39が設けられている。該温度センサ39は制御装置40に
結線され、検出した温度情報は制御装置40に入力され
る。さらに制御装置40は、前述した比例制御バルブ37に
つながれており、温度センサ39の検出温度に基づいて比
例制御バルブ37のバルブ開度を変更し、以てインキロー
ラ18,20の熱交換流路へと送出される循環液の温度を自
在に変更できるようになっている。なお比例制御バルブ
33,37には、バルブ開度変更のための図示しないモータ
が設けられ、該モータは図示しないドライバを介して制
御装置40に結線されている。
この結果、温度制御は次のように行われる。つまり、
まずインキローラ群17の理想的な温度状態をTi(例えば
30℃など)とすれば、起動時のインキローラ群17の温度
はこのTiより通常低い状態にある。このため起動時にお
いて制御装置40は、インキローラ18,20の熱交換流路に
供給すべき循環液の温度を前記Tiより高い温度Th(例え
ば35℃など)とするように比例制御バルブ37の開度を制
御する。つまりこの場合、高温槽27側の送出管35の開度
が大きくされると共に、低温槽28側の送出管36の開度が
絞られて合流後の循環液の温度が比較的高いThに設定さ
れる。従って該インキローラ群17は、起動後極めて迅速
に理想的な温度状態Tiに達することができるので、作業
の著しい効率化と良好な印刷を実現できる。
この後、インキローラ群17の暖機が完了しさらに運転
を続けるにつれしだいに過熱気味となり、理想的な温度
状態Ti以上に昇温し且つ許容温度範囲を越えてしまう
と、前述した制御装置40は、循環液の温度をTiより低い
温度Tlとするように比例制御バルブ37の開度を制御す
る。つまりこの場合、低温槽28側の送出管36の開度が大
きくされると共に、高温槽27側の送出管35の開度が絞ら
れて合流後の循環液の温度が比較的低いTlに設定され
る。従って該インキローラ群17は冷却されて理想的な温
度状態Tiに達することができる。
こうして常にインキローラ群17の温度を温度センサ39
により検出し、該検出温度に基づいて比例制御バルブ37
を制御して循環液温度を変更し、以て該循環液によりイ
ンキローラ18,20を加温或いは冷却すると共に、ひいて
は伝熱作用によってインキローラ群17全体を理想的な温
度Tiに近づけることができるのである。
ところで本実施例においては、低温槽28と高温槽27、
及びこれらから供給される循環液の流量を比例制御する
比例制御バルブ37とを用いて循環液の温度を変更する構
成としたが、本実施例の構成のみに限定されるものでは
ない。
また、循環液が流される熱交換流路は、インキローラ
群17,つぼローラ15,移しローラ16,着けローラ19のいず
れに形成してもよく、全体の設置個数や設置位置などは
任意である。
<発明の効果> 本発明のインキローラ温度制御装置によれば、循環装
置によってインキローラ内の熱交換流路に循環液を循環
させると共に、高温槽と低温槽を別々に設け、温度セン
サで検出したインキローラの温度に基づいて、高温槽か
らの循環液と低温槽の循環液の混合比を温度調整装置に
より変えて、循環液の温度を制御する為、急速な変化に
より対応することができる。従って、本発明では、イン
キローラの温度を理想的な温度に保持し得ることができ
るので、起動時における暖機を速やかに実現できると共
に運転中における冷却を行うことができ、以て印刷作業
の効率化を極めて安定した高品質の印刷が実現される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるインキローラ温度制御装置の一実
施例に係る概略構成図、第2図は従来のインキ装置に係
る概略構成図である。 図面中、11はインキ装置、12は版胴、14はインキつぼ、
15はつぼローラ、16は移しローラ、17はインキローラ
群、19は着けローラ、21は導入管、22は排出管、24は温
度制御装置本体、25は出口管、26は循環ポンプ、27は高
温槽、28は低温槽、29はヒータ、30は冷却コイル、31は
冷凍機、33,37は比例制御バルブ、34は入口管、39は温
度センサ、40は制御装置である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷機の版胴版面にインキを供給するため
    のインキローラと、該インキローラの温度を検出する温
    度センサと、前記インキローラ内に設けられ且つ熱交換
    用の循環液が流れる熱交換流路と、該熱交換流路に前記
    循環液を供給し且つ循環させる循環装置と、前記循環液
    を加熱する加熱器を備えた高温槽と、前記循環液を冷却
    する冷却器を備えた低温槽と、前記温度センサより検出
    されるインキローラの温度を好適な一定値に保つべく前
    記温度センサからの信号に応じて、前記高温槽からの循
    環液と、前記低温槽からの循環液との混合比を変更する
    温度調整装置とを備えたことを特徴とするインキローラ
    温度制御装置。
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