JP2773634B2 - 電解活性水の生成方法および生成装置 - Google Patents

電解活性水の生成方法および生成装置

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JP2773634B2
JP2773634B2 JP6056105A JP5610594A JP2773634B2 JP 2773634 B2 JP2773634 B2 JP 2773634B2 JP 6056105 A JP6056105 A JP 6056105A JP 5610594 A JP5610594 A JP 5610594A JP 2773634 B2 JP2773634 B2 JP 2773634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造プロセスに
おけるウエハーの洗浄、エッチング、リンスなどウエッ
トプロセスに有用な電解活性水(電気分解処理を行い活
性化した水。以後電解活性水とする)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスのウエット工程で
は、多量かつ高濃度の化学薬品を使用しているのが現状
である。多量の化学薬品が地球環境に与える影響や、廃
液処理コストを考えると、化学薬品の使用削減は急務で
ある。その観点から、ウエット工程での化学薬品の削減
が検討され始めている。
【0003】こうした施策の1つとして、水あるいは微
量の支持電解質を含んだ水溶液を電気分解処理すること
によって活性な水を作りだし、洗浄工程などに適用する
ことが提案されている。近代編集社刊行の雑誌『洗浄設
計』1987年春季号、第1頁にレドックス式洗浄法と
題して記載されているのはその1例である(以下、引用
例1とする)。引用例1に示されている電解槽を図14
に示す。図14に示した電解槽の基本構造は1970年
代初期に開発され、主として支持電解質を含まない純水
を電気分解して水素や酸素を得るために用いられてい
る。この構造の場合、カチオン交換膜(あるいはカチオ
ン交換樹脂)1401が白金製の陽極1402と白金な
いしカーボン性の陰極1403で挟み込まれ、陰極部お
よび陽極部に純水を供給して電気分解処理を行うと、陽
極側には活性な陽極水1404が生成し、陰極側には活
性な陰極水1405が生成する。陽極1402および陰
極1403は網目状であるため、いわば電極内部が水で
満たされるような状態になっている。直流電源1406
を用いて両極間に直流電圧を加えると、カチオン交換膜
1401を水素イオン1407が動き、両極間に電流が
流れる。そして陽極側では酸化反応が、陰極側では還元
反応が起こる。この構造の電解槽は、水を電気分解して
酸素ガスや水素ガスを得る目的には適している。一方、
電解活性水の性質を制御するためには、支持電解質を加
える方が有利であるという結果が得られている。しか
し、引用例1の電解槽を適用すると、イオン交換膜中の
イオン濃度や分布(電解質による)が一定になるまでに
時間がかかったり、イオン交換膜中に残存するイオン種
によって膜の劣化が生じるなどの問題がある。
【0004】引用例1の電解槽では、陽極部と陰極部を
カチオン交換膜で隔てているため、カチオンイオンの移
動(交換)しか起こらない。一般に、電気分解において
は、物質(主としてイオン)の交換がある程度抑制され
るような膜であれば電解槽の隔膜としての機能は発揮さ
れ、陽極部および陰極部に生成される電解水の液性は安
定化する。ある程度物質の移動(交換)がる隔膜とし
てイオン交換膜ではなく、多孔質膜を用いた電解槽が液
性の安定化に有効である。この様な例として、特願平5
−105991(以下、引用例2とする)に示された図
15の構造が上げられる。引用例2では、電気分解効率
を高める支持電解質が添加された水を電気分解槽150
1に入れ、液中に挿入された陽極150と陰極150
の間に直流電源150で電圧を加えることによって
電気分解を行う。電解活性水の性質を安定化させるため
に、電気分槽1501は多孔質膜1505で2室に分
けられている。このような装置で電気分解を行うことに
よって、陽極付近には酸性の水が生成し、陰極付近には
アルカリ性の水が生成する。こうして生成した陽極水、
あるいは陰極水を処理水槽1506に供給し、処理水槽
1506中の半導体基板1507をウエット処理する。
処理水槽1506から出た廃液は廃液貯水槽に貯め、そ
の上澄み液は浄水器1508とイオン交換器1509を
通して純水1510にして再利用される構造になってい
る。図中、1511は電解質添加システム、1512は
pH濃度制御システムである。処理水槽1506に挿入
されたpHセンサ1513の信号を、pH濃度制御シス
テム1512に入力し、添加する電解質の量を制御する
構造になっている。引用例2では、以上のようにして生
成した陽極水を用いることで、半導体基板上の金属汚染
が除去される効果を示している。更には、半導体基板上
の二酸化シリコン膜を機械的研磨によって平坦化した場
合、半導体基板上にはコロイダルシリカが残存するが、
上記方法によって生成した陰極水で洗浄を行うことによ
って、残存するコロイダルシリカは効率的に除去される
ことが示されている。この構造では、隔膜として多孔質
膜が用いられていたが、イオン交換膜と異なり、膜を通
して相互にイオンが移動する。物質の移動がある程度生
じ、特定のイオンが電解水中に存在することによって、
電解水の安定化が図られる場合があることは明らかにな
っており、使用する用途によっては、隔膜として多孔質
膜を用いた方が都合が良い。
【0005】半導体製造プロセスへの適用を考えた場
合、金属汚染やパーティクル発生は最も避けるべきこと
である。多孔質膜を用いた電解槽の欠点は、隔膜がパー
ティクル発生の原因になることである。従って、隔膜を
用いずに電解活性水の性質を安定化させる電解活性水の
生成方法が重要になる。
【0006】電解槽に隔膜を使わない例として、特願昭
61−14232に示された方法がある。(以下、引用
例3とする)その構造を図16に示すが、電解槽中に隔
膜を用いず、電解液の混合を抑制するためのスペーサを
用いている。引用例3では、洗浄槽1601にアノード
極1602とカソード極1603が挿入され、両極間に
直流電源1604によって電圧が印加される。両極間に
はスペーサ1605が挿入されている。カソード極16
03の部分で生成したカソード電解液はスペーサ160
5の上側(A方向)に、アノード極1602の部分で生
成したアノード電解液はスペーサ1601の下側(B方
向)に移動すると説明されている。この構造の電解槽を
用い、スペーサ1605を延長させた水平部に被洗浄物
1606を置き、カソード電解液で洗浄する構造になっ
ている。この構造の洗浄槽自体を半導体製造プロセスに
適用することは勿論できないが、たとえばカソード電解
液やアノード電解液を取り出して洗浄槽に供給するよう
にすることで、半導体製造プロセスに適用可能になるこ
とが想定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】純水の電気分解を行う
ならば、引用例1の構造が適していると考えられてい
る。しかし、ウエット工程によって異なる特性が要求さ
れる電解活性水を再現性と制御性をもって得ようとする
と、引用例2のように、ある程度の支持電解質を添加す
る必要がある。現在までのところでは、純水を電気分解
した時に得られる電解活性水の安定度は比較的低く、と
りわけ、陽極水(陽極側で生成する電解活性水)の性質
を安定に制御することは困難である。一方、支持電解質
を添加した水を電気分解することによって電解活性水を
生成する場合、従来の技術で述べたように、イオン交換
膜中に入るイオンの量と分布が一定となり安定化するま
でにかなりの時間を必要し、またイオン交換膜中に残存
するイオン種によっては膜の劣化が生じるなどの問題が
ある。
【0008】引用例2の場合には、前記した安定性は向
上するが、隔膜がしばしばパーティクルの発生原因にな
る。パーティクルの発生は、ある程度の時間使った後で
顕著になる場合もあり、半導体製造プロセスへの適用を
考えた場合には、深刻な問題である。
【0009】引用例3の構造の場合、カソード電解液が
スペーサの上に移動し、アノード電解液がスペーサの下
を通ってカソード電極側に移動する理由が説明されてい
ない。特願昭61−14232の記述においては、特に
支持電解質を添加することには言及していないことか
ら、純水の電気分解を想定していると考えられる。従っ
て、カソード電解液にはOH- イオンだけが、アノード
電解液にはH+ イオンだけが過剰に含まれているものと
考えられる。H+ イオンが、実際にはH+ 〔4H2 O〕
の形の水和物と言われていることを考えると、H2 Oあ
るいはそのクラスターに較べて軽いOH- イオンが上方
に移動し、比較的重いH+ 〔4H2 O〕が下方に移動す
る傾向を利用しているのではないかと推察される。推察
が正しければ、電解活性水に含まれてるイオン種によっ
ては、引用例3の構造は効果がない。実際、支持電解質
を加えた場合の、電解活性水による洗浄効果などは、引
用例2の場合に較べて劣っていた。また、電解活性水の
液性の安定性に関しても、引用例2ほどの制御性は無か
った。
【0010】以上述べた3つの引用例を比較すると、半
導体製造プロセスに適用可能な電解活性水を安定に生成
するには、ある程度の支持電解質を添加した純水を引用
例2の方法で電気分解処理する方法が望ましい。しか
し、引用例2の方法では、パーティクル発生の問題があ
り、その問題を解決する必要がある。また、隔膜などが
電解槽に存在している場合、パーティクル以外にも素材
から汚染が問題になったり、電解槽自体の洗浄も容易で
はない。
【0011】本発明は、電解活性水を半導体製造プロセ
スのウエット工程に適用するにあてって、従来の電解槽
における問題点を解決しうる電解活性水の生成方法およ
び装置を提供する事を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、電解隔膜を有
しない電解槽中で、水あるいは支持電解質を含む水溶液
に電界を印加して電解活性水を生成する方法において、
電界と概略同方向に一方向のみの磁場を印加しながら電
気分解を行い、陽イオンを含む水溶液と陰イオンを含む
水溶液とを磁場に対応する相反する方向に移動させる
とを特徴とする電解活性水の生成方法である。
【0013】また本発明は、電気分解部において電界と
概略同方向に一方向のみの磁場が印加される機構を設け
た電解活性水生成装置において、前記電気分解部には電
解隔膜を有さず、前記電解槽の磁場に対応する相反する
面に陽イオンを含む水溶液の取出し口と陰イオンを含む
水溶液の取出し口とを有することを特徴とする電解活性
水生成装置である。
【0014】また本発明は、水あるいは支持電解質を含
む水溶液に電界を印加して電解活性水を生成する方法に
おいて、少なくとも一方の電極をメッシュ状とし、電界
とほぼ垂直方向に磁場を印加しながら電気分解を行うこ
とを特徴とする電解活性水の生成方法である。
【0015】また本発明は、水あるいは支持電界質を含
む水溶液に電界を印加する電極の少なくとも一方をメッ
シュ状とし、電界とほぼ垂直方向に磁場が印加される機
構を設けたことを特徴とする電解活性水生成装置であ
る。
【0016】また本発明は、水あるいは支持電解質を含
む水溶液を電解隔膜を有しない電解槽の中で流しながら
電界を印加して電解活性水を生成する方法において、前
記水あるいは支持電解質を含む水溶液の流れの上流側で
電界を印加、下流側で陽イオン水と陰イオン水とに分離
される前に電解槽において磁場を印加することを特徴と
する電解活性水の生成方法である。
【0017】また本発明は、水あるいは支持電解質を含
む水溶液の流れの上流側に電界印加機構、下流側に陽イ
オン水と陰イオン水とに分離される前に電解槽において
磁場を印加する磁場印加機構を有し、かつ電解隔膜を有
しないことを特徴とする電解活性水生成装置である。
【0018】また本発明は、流水方向に沿って電解活性
水の取り出し口を少なくもと2ヵ所以上有していること
を特徴とする電解活性水の生成装置である。
【0019】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を示す概略構成
図である。電解槽101には、陽極102と陰極103
が挿入され、直流電源104によって直流電圧が印加さ
れる構造になっている。電解槽101の外側には磁石1
05aと105bがあり、たとえば磁石105aの電解
槽側がN極で磁石105bの電解槽側がS極というよう
に、異なる極の面で電解槽101が挟みこまれるように
配置されている。このような配置では、電場の方向と磁
場の方向がほぼ同じになる。電解槽には、純水に支持電
解質を添加した水溶液を供給し、電気分解を行う。添加
する支持電解質の種類は電解活性水に求める性質に応じ
て決定すべきものであるが、比較的高い活性度(ウエッ
トプロセスに使って著しい効果が確認されている)を持
った電解活性水が得られる例として、塩化アンモニウム
を挙げることができる。
【0020】図1に示した構造の電解槽を用い、純水に
塩化アンモニウムを添加した水溶液を供給しながら電気
分解を行った。流水の方向は図の紙面に垂直方向で、紙
面の表から裏に向かう向きである。磁力線の方向を10
5aから105b、即ち磁石105aの電解槽側がN極
で磁石105bの電解槽側がS極となるように配置した
ところ、Aの方向(電解槽の上側)に還元性の電解活性
水が、Bの方向(電解槽の下側)に酸化性の電解活性水
が集まる傾向が見られた。
【0021】図2は、移動しているイオンに磁場を加え
た時にどの方向を受けるかを模式的に示した図である。
水の中に存在するイオンが201に示した流水方向に移
動している場合、202が磁場の方向(磁力線の方向)
とすれば、プラスイオンの動く方向203が上方に、マ
イナスイオンの動く方向204が下方に移動する。図2
に示した原理が働くと、図1のA方向にはH+ イオンが
移動し、B方向にはOH- イオンが移動するはずであ
る。しかし、結果は逆になっている。塩化アンモニウム
を支持電解質として電気分解を行うと、陽極では酸化反
応が起こりため酸化性の電解活性水の中には塩素のオキ
ソ酸イオンが存在し、一方、還元性の電解活性水の中に
は高濃度にアンモニウムイオンが存在することが確認で
きている。この結果から、比較的液性が安定している電
解活性水の場合には、電気分解によって生ずる過剰なH
+ イオンやOH- イオンが単独で安定に存在しているの
ではなく、それらと対になっているイオン種によって安
定度が保たれているものと考えている。第1の実施例の
結果も、塩素のオキソ酸イオン(マイナスイオン)やア
ンモニウムイオン(プラスイオン)が、図2に示したロ
ーレンツ力を受けて分離した結果であると考えている。
+ イオンやOH- イオンは、比較的寿命が短いことが
知られているが、電気分解直後の電解活性水を使うなら
ば、添加する支持電解質の量を電気分解に必要な最小限
の量まで減らし、図1においてA方向に移動したH+
オン、あるいはB方向に移動したOH- イオンを効果的
に使うことも可能である。
【0022】磁場によって生ずる誘導起電力はイオンの
動きを抑制するように働く。従って、電極間に直流が流
れている領域に磁場を加える場合、電極間のイオンの動
きを抑制することは電気分解効率を下げる。第1の実施
例において、電界の方向と磁力線の方向がほぼ同じにな
るように磁石を配置した理由は、電気分解効率を下げな
いように配慮したためである。
【0023】図1に示した構造の電解槽を用いて電気分
解を行い、酸化性電解活性水および還元性電解活性水を
取り出して、半導体基板の洗浄工程に適用した。比較の
ため、引用例2の方法によって得られる電解活性水と比
較を行った。引用例2の方法を最適化することによっ
て、より低い電界強度で効果的な電解活性水が得られる
ようになっている。電解条件を最適化し、支持電解質と
して塩化アンモニウムを添加して電気分解を行うことに
よって、1200mV程度の酸化還元電位を有する陽極
水(酸化性電解活性水)と−800mV程度の酸化還元
電位を有する陰極水(還元性電解活性水)が得られるよ
うになっている。電解槽に供給する液および電極間に印
加する電界強度を引用例と同程度にすることによって、
引用例と同程度の酸化還元電位をもつ電解活性水が得ら
れた。酸化性電解活性水を用いた半導体基板からの金属
除去や、還元性電解活性水を用いた半導体基板からのコ
ロイダルシリカ除去に適用し、引用例と同等以上の効果
が得られた。隔膜の使用状況に依存するが、引用例2の
電解活性水中のパーティクル(径0.15μm以上)を
測定すると、典型的には300〜500個/cc程度に
なっている。純水中のパーティクル量は、5個/cc程
度以下であるため電解槽でのパーティクル発生と考えら
れる。300〜500個/cc程度のパーティクル量
は、コロダイルシリカ除去などの工程では問題にならな
いが、パーティクルの除去効率を高める必要がある工程
では問題になる可能性がある。特に素子の微細化が進ん
だ段階では顕在化する可能性がる。本発明の電解槽を用
いて得られた電解活性水中のパーティクル量を評価した
ところ、15〜20個/cc程度であり、使用時間によ
って増加する傾向は見られなかった。これは、電解槽中
に隔膜を用いていない本発明の効果と考えらる。
【0024】図3は本発明の第2の実施例を示す概略構
成図である。図1と同様に、電解槽101に、陽極10
2と陰極103が挿入され、直流電源104によって直
流電圧が印加される。図1における磁石105aと10
5bの代わりに電磁石305が設置されている。電流3
06の方向に流せば、図1と同じ方向に磁場が生じる。
即ち、磁力線の方向が図3の右から左になる。この実施
例の様に電磁石を用いると、電流を流す方向を変えるこ
とによって磁場の方向を逆にすることができ、発生する
特定の性質(例えば酸化性電解活性水)の電解活性水が
生成する場所を変えることができる。電解槽を一定の用
途に限る場合には利点は無いが、例えばウエット工程に
用いる電解活性水の取出し口を1ヵ所とし、もう1ヵ所
の取出し口からの電解活性水を還流させて生成効率を上
げる様な構成とした場合には、有効な装置構成になる。
第2の実施例は、図4の様な励磁構造によって勿論可能
である。
【0025】図5は本発明の第3の実施例を示す概略構
成図である。基本的には第2の実施例と同様であり、電
解槽101に、陽極102と陰極103が挿入され、直
流電源104によって直流電圧が印加される構造になっ
ている。第2の実施例の電磁石材料をなくし、コイル5
07に電流を流すことによってコイル内部に磁場を生じ
させる構造である。電解槽全体の構造を考えると(紙面
に垂直方向に水を流す、水の取入口や電解水の取出し口
を有する)、全体の構造がかなり制約を受けるという欠
点があるものの、強い磁場を生じさせることや磁場の生
成効率に関しては第2の実施例より有効である。図6の
様に、コイル507の代わりに超伝導磁石607を用い
ることもできる。
【0026】図7は本発明の第4の実施例を示す概略構
成図である。第1から第3の実施例と大きく異なる点
は、電界とほぼ垂直方向に磁場を印加したことである。
電解槽101に編目(メッシュ)状陽極702と編目状
陰極703が挿入され、直流電源104によって直流電
圧が印加される構造になっている。流水方向は紙面に垂
直で紙面の裏から表に向かう方向であり、電界方向が左
右であるのに対して、磁石706aと706bを電解槽
101の上下に配置し、流水方向および電解方向のそれ
ぞれと垂直に近い方向に磁場が生じるようにしてある。
図3や図4のように、電磁石を用いることもできる。こ
の構造において、磁石706aの電解槽側にS極がくる
ように配置すると、陰イオンは陽極側に向かう力を磁場
から受け、陽イオンは陰極側に向う力を磁場から受け
る。たとえば塩化アンモニウムを支持電解質として添加
した水溶液を電気分解すると、塩素のオキソ酸イオンは
陽極を通り抜けアンモニウムイオンは陰極を通り抜け
る。その結果、網目状陽極702の裏側に酸化性電解活
性水704が生成し、網目状陰極703の裏側に還元性
電解活性水705が生成する。このような構造の電解槽
にした場合、電解活性水の取出し口を数ヵ所設けるよう
な構成(実施例7〜実施例8として後述する)にした場
合に特に生成効率が向上する。勿論、陰陽両電極とも網
目状電極にする必要はなく、用途に応じて片方だけを網
目状電極とすることも可能である。
【0027】図8は本発明の第5の実施例を示す概略構
成図である。基本的には第4の実施例と同様であり、電
解槽101に網目状陽極702と網目状陰極703が挿
入され、直流電源104によって直流電圧が印加され
る。磁石706aと706bの代わりにコイル507に
電流を流すことによってコイル内部に磁界を生じさせる
構造である。図7と同様に、網目状陽極702の裏側に
酸化性電解活性水704が生成し、網目状陰極703の
裏側に還元性電解活性水705が生成する。
【0028】図9は本発明の第6の実施例を示す概略構
成図である。電解槽101に電極902が挿入され、直
流電圧が電極間に印加される(電源などは図示していな
い)。電解槽の上下には磁石706aと706bが配置
されている。図10は図9に示した電解槽を上から見た
図面である。図7と同様に磁力線の方向を磁石706a
から706bに向かうようにし、純水あるいは支持電解
質を含む水溶液1004を図10のように電解槽101
に取入れ、電気分解を行うと、酸化性電解活性水904
aと還元性電解活性水904bが得られる。この構造の
場合、図10に1002a〜1002cとして示した様
に電極を2つ以上にすることも可能である。勿論その場
合には、電極1002aと電極1002cが同じ極性、
電極1002bが異なる極性にする。この実施例6の構
造では、電界を印加する領域と磁場を印加する領域が分
離され、電界を加える領域で活性化させた水を磁場によ
って分離するようになっているため、電界の方向と磁場
の方向との関係には特に制限はなくなる。電極を2つ
(正負1つずつ)にした場合、図9や図10のような配
置が電解活性水の分離効率に対して有効であった。
【0029】さらに図11に示すように、図10の電解
槽に第3の電解水取出し口1104を設け、そこから取
出した電解水を電解槽に還流させて生成効率を上げる様
な構成とすることによって電解活性水の生成効率を上げ
るようにるうことも可能である。
【0030】図12は本発明の第6の実施例を示す概略
構成図である。電解槽101には、陽極102と陰極1
03が挿入され、直流電源104によって直流電圧が印
加される。電解槽101の外側には磁石105aと10
5bがあり、第1の実施例と同様にたとえば磁石105
aの電解槽側がN極で磁石105bの電解槽側がS極と
いうように、異なる極の面で電解槽101が挟みこまれ
るように配置されている。電界および磁場の方向が上下
であるため、純水あるいは支持電解質を含む水溶液10
04を矢印の方向から電解槽101に取入れて流すと、
流水中のイオンは水平方向に力を受ける。電解活性水の
取出し口1204aを図の様に流水方向に沿って複数個
形成しておくことによって、電解活性水を効率的に取り
出すことができる。磁力線の方向を磁石105aから1
05bに向かう方向とし、支持電解質として塩化アンモ
ニウムを添加した水溶液を電解槽101に取入れ、電気
分解を行うことによって電解活性水の取出し口1204
aから酸化性電解活性水を取出すことができる。反対側
にも電解活性水の取出し口を設けておくことで、還元性
の電解活性水を取出すことができる。磁場によって電解
水中のイオンの分布に偏りが生じるとそれによって電界
が生じる結果、その分布を緩和する方向に力が働くよう
になる。従って、図12に示したように取出し口を複数
個設けて順次電解活性水を取出すことで効率化が図れ
る。
【0031】図13は本発明の第7の実施例を示す概略
構成図である。図7に示した様な構造の電解槽に対し
て、図12と同様、流水の方向に沿って複数個の電解活
性水の取出し口1204aを設けたものである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれは電
解活性水を実用化する際して、従来得られている電解活
性水の性質を保持しつつ、従来の電解活生水で問題であ
った電解活性水中のパーティクル数を1桁以上減少させ
ることが可能になった。電解活性水中のパーティクル
は、パーティクル除去工程ばかりでなくそれ以外の工程
に適用するにあたっても問題になる可能性がある。本発
明は、電気分解によって発生した活性種を磁場によって
分離させる方法であり電解槽中に隔膜を使用しないこと
によって、半導体製造プロセスで問題となるパーティク
ルの発生が抑制されたものと考えられる。半導体製造プ
ロセスでの適用工程が拡大されることによって、電解活
性水の特徴である薬品使用量の削減も可能となるため、
半導体産業において著しい効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解活性水の生成において、パーティクルの発
生を抑制する本発明の第1の実施例を示す概略構成図で
ある。
【図2】本発明を用いることによって電解活性水中でイ
オンに対して働いていると考えられる力を説明した模式
図である。
【図3】パーティクルの発生を抑制する本発明の第2の
実施例を示す概略構成図である。
【図4】パーティクルの発生を抑制する本発明の第2の
実施例を示す概略構成図である。
【図5】パーティクルの発生を抑制する本発明の第3の
実施例を示す概略構成図である。
【図6】パーティクルの発生を抑制する本発明の第3の
実施例を示す概略構成図である。
【図7】パーティクルの発生を抑制する本発明の第4の
実施例を示す概略構成図である。
【図8】パーティクルの発生を抑制する本発明の第5の
実施例を示す概略構成図である。
【図9】パーティクルの発生を抑制する本発明の第6の
実施例を示す概略構成図である。
【図10】パーティクルの発生を抑制する本発明の第6
の実施例を示す概略構成図である。
【図11】パーティクルの発生を抑制する本発明の第6
の実施例を示す概略構成図である。
【図12】電解活性水を効率的に電解槽から取り出す本
発明の第6の実施例を示す概略構成図である。
【図13】電解活性水を効率的に電解槽から取り出す本
発明の第7の実施例を示す概略構成図である。
【図14】従来知られている、電気分解を用いたウエッ
ト処理装置の模式図である。
【図15】従来知られている、電気分解を用いたウエッ
ト処理装置の模式図である。
【図16】従来知られている、隔膜を用いない電解槽の
模式図である。
【符号の説明】
101 電解槽 102,1402,1504 陽極 103,1403,1505 陰極 104,1406,1503,1604 直流電源 105a,105b,706a,706b 磁石 201 流水の方向 202 磁場の方向 203 プラスイオンの動く方向 204 マイナスイオンの動く方向 305 電磁石 306 電流の方向 507 コイル 607 超伝導磁石 702 編目状陽極 703 網目状陰極 704 酸化性電解活性水 705 還元電解活性水 904a,904b 電解活性水 902 電極 1002a,1002b,1002c,1104 電
解水取出し口 1204a,1204b,1204c,1204d
電解水取出し口 1401 カチオン交換膜 1404 陽極水 1405 陰極水 1407 水素イオン 1408 酸素ガス 1409 水素ガス 1501 電気分解槽1502 多孔質膜 1506 処理水槽 1507 半導体基板 1508 浄水器 1509 イオン交換器 1510 純水 1511 電解質添加システム 1512 pH濃度制御システム 1513 pHセンサ 1601 洗浄槽 1602 アノード極 1603 カソード極 1605 スペーサ 1606 被洗浄物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/46 - 1/48 H01L 21/304 341 H01L 21/306

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解隔膜を有しない電解槽中で、水ある
    いは支持電解質を含む水溶液に電界を印加して電解活性
    水を生成する方法において、電界と概略同方向に一方向
    のみの磁場を印加しながら電気分解を行い、陽イオンを
    含む水溶液と陰イオンを含む水溶液とを磁場に対応する
    相反する方向に移動させることを特徴とする電解活性水
    の生成方法。
  2. 【請求項2】 電気分解部において電界と概略同方向に
    一方向のみの磁場が印加される機構を設けた電解活性水
    生成装置において、前記電気分解部には電解隔膜を有さ
    ず、前記電解槽の磁場に対応する相反する面に陽イオン
    を含む水溶液の取出し口と陰イオンを含む水溶液の取出
    し口とを有することを特徴とする電解活性水生成装置。
  3. 【請求項3】 水あるいは支持電解質を含む水溶液に電
    界を印加して電解活性水を生成する方法において、少な
    くとも一方の電極をメッシュ状とし、電界とほぼ垂直方
    向に磁場を印加しながら電気分解を行うことを特徴とす
    る電解活性水の生成方法。
  4. 【請求項4】 水あるいは支持電解質を含む水溶液に電
    界を印加する電極の少なくとも一方をメッシュ状とし、
    電界とほぼ垂直方向に磁場が印加される機構を設けたこ
    とを特徴とする電解活性水生成装置。
  5. 【請求項5】 水あるいは支持電解質を含む水溶液を電
    解隔膜を有しない電解槽の中で流しながら電界を印加し
    て電解活性水を生成する方法において、前記水あるいは
    支持電解質を含む水溶液の流れの上流側で電界を印加、
    下流側で陽イオン水と陰イオン水とに分離される前に電
    解槽において磁場を印加することを特徴とする電解活性
    水の生成方法。
  6. 【請求項6】 水あるいは支持電解質を含む水溶液の流
    れの上流側に電界印加機構、下流側に陽イオン水と陰イ
    オン水とに分離される前に電解槽において磁場を印加す
    磁場印加機構を有し、かつ電解隔膜を有しないことを
    特徴とする電解活性水生成装置。
  7. 【請求項7】 請求の範囲項2もしくは4の装置で、流
    水方向に沿って電解活性水の取り出し口を少なくとも2
    ヵ所以上有していることを特徴とする電解活性水の生成
    装置。
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