JP2773490B2 - バルーンカテーテル - Google Patents

バルーンカテーテル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルーンカテーテルに
関し、さらに詳しくは、特に大動脈内バルーンパンピン
グ用として好適な耐摩耗性に優れたバルーン部分を有す
るバルーンカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】大動脈バルーンパンピング(intra
aortic balloon pumping;IA
BP)法は、心筋梗塞による心不全などの治療に臨床補
助効果が認められ、広く用いられている。IABP法で
は、カテーテル先端のバルーンを心電図に同期させて、
心室の収縮期にバルーンをしぼませ、拡張期にふくらま
せるように連動させる。これにより、拡張期に冠動脈血
流を増加させ、虚血を軽くして不全心臓を改善し、収縮
期には抵抗を下げて左心室の負担を軽くする。
【0003】IABP法に使用されるバルーンカテーテ
ルは、大腿動脈から挿入され、その先端は左鎖骨下動脈
分枝部直下の胸部下行大動脈に置かれる。バルーンカテ
ーテルの体外部分は、駆動装置に連結される。バルーン
の膨張・収縮は、ガス圧駆動で行われ、駆動ガスにはヘ
リウムまたは炭酸ガスが用いられる。バルーン部分の材
質としては、通常、ポリウレタン、ポリウレタンウレ
ア、ポリウレタンシリコーンブロック共重合体、フッ素
化ポリウレタン、フッ素化ポリウレタンウレア、ポリウ
レタンとポリジメチルシロキサンとのポリマーブレンド
など各種ポリマー材料からなるフィルム(膜)が使用さ
れている。
【0004】このようにIABP法は、心臓の拡張期お
よび収縮期の両期にわたり効果が認められることから、
補助循環法として優れた手段であるが、臨床適用範囲が
広がるにつれて、いくつかの副作用が報告されるように
なった。その一例としては、“Intraaortic
Balloon Rupture”Vol.34,A
merican Society Artificia
l InternalOrgans,1988,Ken
neth D.Stahl et al.の報告があ
る。副作用の中でも特に重篤なのは、バルーンの破壊
(破裂、損傷)であると報告されている。バルーン部分
が破壊すると、患者に対する補助循環作用が失われるだ
けではなく、駆動ガスであるヘリウムや炭酸ガスが患者
の血管中に流失し、栓塞などの重篤な副作用をもたら
す。
【0005】このような重大な事態を回避するための防
護策として、市販のIABP装置の殆どには、駆動ガス
の流出がある一定量以上になると警報を発する機能が組
み込まれている。しかし、駆動ガスはバルーンに漏れが
なくても拡散により血液中にごく少量づつ溶解し失われ
ていくことが知られており、警報機構もあまり鋭敏なガ
スの減量を検出しようとしても、拡散による減量とバル
ーンに故障が起きたための減量を区別することが困難で
あるため、バルーンの故障を初期の段階で検知すること
ができない。
【0006】一方、IABP法に使用するバルーンカテ
ーテルに関し、日本人の体格に適合した寸法形状とする
こと、および抗血栓性が高くかつ機械的強度に優れた材
質によりバルーン部分を形成することが提案されている
(特開昭63−206255号)。患者の血管形状等に
応じてバルーン部分の最大径部と長さを調節すること
は、補助循環作用およびバルーン部分の破壊防止の観点
から望ましいけれども、患者の血管形状は個人差による
ばらつきが大きいため、個々の患者の血管の正確な寸法
を測定し、それに合わせてバルーン部分を用意すること
は、患者に対する負担や医師の手間が大きく、準備も煩
雑となる。また、患者の安全を最大限考慮してバルーン
部分の容積を小さくし過ぎると、IABP法による補助
循環作用が低下する。さらに、従来のバルーン部分を構
成する材質では、バルーンの破壊に対する防止効果が充
分ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バル
ーン部分の破壊防止効果が顕著に優れたバルーンカテー
テルを提供することにある。本発明者らは、IABP法
に使用されるバルーンカテーテルの破壊について研究を
行った結果、バルーンカテーテルを大動脈中で駆動する
際に、バルーン部分が血管中に存在する石灰化沈着物と
擦り合わされることにより外表面部分からの摩耗が進行
し、それがバルーン破壊の主原因となることを見出し
た。
【0008】すなわち、本発明者らは、臨床で使用され
破壊を起こしたIABP用バルーンカテーテルについ
て、ポリウレタン製のバルーン部分の表面および破壊部
分付近の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、バ
ルーンの膜厚が薄くなって破壊が生じたことが確認され
た。このようにバルーンの膜厚が薄くなる原因は、摩耗
によるものと考えることができる。具体的には、バルー
ンカテーテルの使用時において、バルーンが拡張・収縮
を繰り返す間に血管内壁の石灰化沈着物と擦り合わさ
れ、外表面部分から摩耗が進行すると推定できる。
【0009】このことを確認するために、図1および図
2に示す石こう製のロールを備えた摩耗装置を用い、バ
ルーンカテーテル駆動時と同様の圧力および張力条件下
でバルーンを形成するポリウレタンフィルムを該ロール
表面と擦り合わせた後、フィルム表面および断面を走査
型電子顕微鏡で観察した結果、臨床で破壊したバルーン
と同様の摩耗が生じていることを見出した。
【0010】このようにバルーンカテーテルのバルーン
部分の破壊は、血管内壁に沈着している石灰化部(ca
lcification)との摩擦による摩耗の結果で
あると推定され、破壊防止のためには、石灰化沈着物に
対する耐摩耗性に優れた材質からバルーンを形成するこ
とが必要である。すなわち、フィルムの摩耗は、それが
置かれた諸条件により複雑な現象をとるため、耐摩耗性
を改善するには、具体的な摩耗条件に応じた解決策が必
要となる。
【0011】そこで、耐摩耗性に優れたバルーン材料を
得るために、各種フィルムについて該摩耗装置により摩
耗試験を行ったところ、数平均分子量が50,000以
上のポリウレタン系ポリマーから形成され、初期100
%モデュラスが95〜200kg/cm フィルムが
顕著な耐摩耗性を示し、臨床において破壊し難いバルー
ン部分を構成する材料として好適であることを見出し
た。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至っ
たものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、数平均分子量が50,000以上のポリウレタン系
ポリマーで形成され、初期100%モデュラスが95〜
200kg/cm フィルムからなるバルーン部分を
有することを特徴とするバルーンカテーテルが提供され
る。
【0013】以下、本発明について詳述する。本発明の
バルーンカテーテルにおいて、バルーン部分を形成する
ポリマーの種類としては、例えば、ポリウレタン、ポリ
ウレタンウレア、ポリウレタンシリコーンブロック共重
合体、フッ素化ポリウレタン、フッ素化ポリウレタンウ
レアなどバルーン用材料として知られている各種ポリウ
レタン系ポリマーが好適に使用できる。これらのポリウ
レタン系ポリマーは、例えば、ポリウレタンとポリジメ
チルシロキサンとのポリマーブレンドのように他のポリ
マーまたは同種ポリマーとのブレンド物であってもよ
い。
【0014】ポリウレタン(またはポリウレタンウレ
ア)としては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)や水添MDI、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどのジイソシアネートと1.4−
ブタンジオールやエチレングリコールなどの短鎖ジオー
ルからなるウレタンまたはウレア結合をハードセグメン
トとし、ポリオキシテトラメチレングリコールやポリオ
キシプロピレングリコールなどのポリエーテル、エチレ
ンアジペートやブチレンアジペートなどのアジピン酸エ
ステル、ポリカプロラクトンやポリカーボネートなどの
脂肪族ポリエステル等をソフトセグメントとするポリウ
レタンが挙げられる。
【0015】したがって、ポリウレタンのハードセグメ
ントを構成するイソシアネート化合物としては、前記M
DIをはじめとする各種ポリイソシアネートが使用さ
れ、また、ソフトセグメントを構成するポリオール化合
物としては、ポリオキシテトラメチレングリコール(P
TMG)やポリオキシプロピレングリコール(PPG)
などのポリエーテル系ポリオール;エチレンアジペー
ト、ブチレンアジペートなどの縮合型ポリエステルポリ
オールやε−カプロラクトンの開環重合で得られるラク
トン系ポリエステルポリオールなどのポリエステル系ポ
リオール;ポリカーボネート系ポリオールなどが使用さ
れ、鎖延長剤としては1.4−ブタンジオールやエチレ
ングリコールなどの短鎖ジオールあるいはエチレンジア
ミンなどのジアミンが使用される。これらのポリウレタ
ンは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを包含する。
【0016】パーフルオロアルキレン基などのフッ素含
有基を有するジイソシアネートを使用すると、含フッ素
ポリウレタンを得ることができる。また、ポリエーテル
系ポリウレタンとポリジメチルシロキサンポリマーとの
複合型ポリウレタン、あるいはMDI,PTMG,EO
−ポリジメチルシロキサンブロック共重合体(EO=エ
チレンオキサイド)なども使用できる。
【0017】本発明では、バルーン材料として数平均分
子量(Mn)が50,000以上のポリマーを使用する
ことが必要である。従来市販のバルーン部分を形成する
ポリマーの数平均分子量は、いずれも50,000未満
である。バルーン部分を形成するポリマーの数平均分子
量が50,000未満であると、耐摩耗性が著しく低下
する。数平均分子量は、好ましくは60,000以上、
より好ましくは80,000以上である。数平均分子量
の上限は、特に限定されないが、フィルム形成工程にお
ける溶剤に対する溶解性や合成の容易さの観点から、通
常150,000以下、好ましくは130,000以下
であることが望ましい。本発明において、ポリマーの数
平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエーションクロマ
トグラフィ(GPC)法により求めた値である。
【0018】また、本発明のバルーン部分を形成する
リウレタン系ポリマーは、該ポリマーから形成されたフ
ィルムの初期100%モデュラスが95kg/cm
上であることが必要である。初期100%モデュラスが
95kg/cm未満では、ポリマーの数平均分子量が
50,000以上であっても、耐摩耗性が不充分とな
る。フィルムの初期100%モデュラスは、好ましくは
100kg/cm以上、より好ましくは110kg/
cm以上である。初期100%モデュラスの上限は
合成の容易さ等から見て200kg/cm以下であ
る。
【0019】本発明において、100%モデュラスは、
JIS K−6301にしたがって測定し算出した値で
ある。ただし、サンプルフィルムの調製は、適当な溶媒
に溶解し、ガラス面に流し得られたキャストフィルムを
用いた。また、厚みは表2に示すように0.1〜0.3
mmのフィルムを用いた。
【0020】本発明で使用するポリマーは、各種重合法
により合成することができる。例えば、ポリウレタンの
場合には、プレポリマー法やワンショット法、その他の
方法により合成することができる。この場合、ポリウレ
タンの数平均分子量および初期100%モデュラスの両
者を所望の値にするためには、例えば、ハードセグメン
トとソフトセグメントの比を変える等によって行われて
よい。
【0021】これらのポリマーを用いてバルーンを製造
するには、各種製膜法が採用可能であるが、ポリウレタ
ン系ポリマーは、通常、ディッピング成形法が好まし
い。
【0022】ディッピング成形法では、ポリマーを有機
溶剤に溶解して溶液とし、この溶液中に型を浸漬して製
膜する。すなわち、ポリマー溶液中に型を浸漬させて型
の表面にポリマー溶液を塗布し、溶剤を蒸発させて型表
面にポリマー被膜を形成させる。浸漬と乾燥を繰り返す
ことにより所望の厚みの膜(フィルム)を積層成形する
ことができる。この成形法により、筒状で両端がテーパ
ーを持つ袋状構造のバルーンを形成する。溶剤として
は、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルスルホキシドなどの各種有機溶剤を挙げる
ことができる。
【0023】ディッピング法によりバルーンを製造する
場合には、均一な厚みの膜を得るために、ポリマー中の
ゲル分はできるだけ少ないことが望ましい。ポリマー中
にゲル分が多量に含まれると、膜が不均一な厚みを持つ
ため、応力集中を生じて疲労破壊に至ったり、あるい
は、膜の表面に凹凸ができ、この凹凸が血液中での使用
に際して血栓の生成を促すこともある。このような観点
から、本発明で使用するポリマーは、ゲル分の含有率が
通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下、より
好ましくは5重量%以下であることが望ましい。
【0024】本発明において、ポリマー中のゲル分の含
有率は、次の測定法により得られる値である。約5gの
ポリマーを正確に秤とり、これを400メッシュの金網
にのせ、静かに100mlのテトラヒドロフランまたは
ジメチルホルムアミド中に浸漬し、室温にて24時間放
置後、金網を静かに引き上げ、金網上に残った不溶解ゲ
ルを充分乾燥した後に計量し、元のポリマーの重量に対
する重量分率を算出する。
【0025】本発明のバルーンカテーテルにおけるバル
ーン部分の膜厚は、所望により適宜定めることができる
が、充分な機械的強度、耐摩耗性および駆動性を得るに
は、通常0.03〜1.00mm、好ましくは0.05
〜0.50mm、より好ましくは0.08〜0.20m
m程度とすることが望ましい。
【0026】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0027】なお、物性の測定方法は、以下のとおりで
ある。 〈数平均分子量(Mn)〉GPC法により求めた。測定
条件は、以下のとおりである。 カラム: 昭和電工製A−80M 2台およびA−80
2 1台を全て直列に接続した。 溶 媒: テトラヒドロフラン 流 速: 1.2ml/分 温 度: 40.0℃ 試料濃度:0.5重量% 注入量: 200μl 検出器: UV 254nm 分子量校正: 標準ポリエチレン データ処理: 日本分光社製 TRI ROTOR−V 〈初期100%モデュラス〉JIS K−6301にし
たがって測定した。 〈重量損失〉各ポリマーから作成したフィルムについ
て、図1および図2に示す摩耗装置を用いて摩耗試験後
の重量損失を測定した。
【0028】図1〜2中、石こうロール1は、石こうの
塊を旋盤で削ってロール状に成形した後、その表面を4
00番のサンドペーパーでこすって滑らかに仕上げたも
のであり、直径D1.6cmまたは0.8cm、長さ1
0cmのロールである。直径は、フィルム膜圧に応じて
張力、圧力を調節して選択した。
【0029】この石こうロールに試料フィルム2を図1
〜2のように載せ、フィルムの一方の端に重りをかけ、
他端を固定する。ここで、Wを重りの荷重(kg)、A
(フィルムの幅L×厚みt)をフィルムの断面積(cm
2)、S(幅L×π/4×D)をロールとフィルムの接
触面積(cm2)とすると、フィルムにかかる張力Tお
よび圧力Pは、次式により求めることができる。
【0030】T=W/A(kg/cm2) P=√2W/S(kg/cm2) そこで、張力T=7kg/cm2、圧力P=0.2kg
/cm2の条件とし、回転速度21cm/secで、石
こうロールをフィルムが切断されるまで回転させた。こ
こで、これらの張力および圧力の条件は、実際のバルー
ンカテーテル駆動時におけるバルーン拡張末期にバルー
ンに働く力とほぼ同じに設定した。摩耗試験の後、フィ
ルムの摩耗減量を測定し、単位接触面積および単位時間
当たりの重量損失(mg/cm2・min)を算出し
た。
【0031】〈ゲル分の含有率〉約5gのポリマーを正
確に秤とり、これを400メッシュの金網にのせ、静か
に100mlのテトラヒドロフラン等の溶媒中に浸漬
し、室温にて24時間放置後、金網を静かに引き上げ、
金網上に残った不溶解ゲルを充分乾燥した後に計量し、
元のポリマーの重量に対する重量分率を算出した。
【0032】[実施例1]以下の材料を用いて、ポリエ
ーテル系(Ether)、ポリエステル系(Este
r)、カプロタクトン系(Capro)、およびポリカ
ーボネート系(Carbon)の各種ポリウレタンを合
成した。
【0033】ポリウレタンの材料 <ポリイソシアネート>4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI) <ポリオール> ポリテトラメチレンエーテルグリコール(TMG) 重量平均分子量(Mw)= 650(保土ケ谷化学工業
社製) ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG) 重量平均分子量(Mw)= 250(独 バイエル社
製) ポリエステルアジペート(AD) 重量平均分子量(Mw)= 500(独 バイエル社
製) ポリエステルカプロラクトンジオール(CPL) 重量平均分子量(Mw)= 550(米国 UCC社
製) ポリカーボネートジオール(CBN) 重量平均分子量(Mw)= 250(米国 Perma
nol社製) <鎖延長剤>1,4−ブタンジオール
【0034】ポリウレタンの合成法 攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入口を備え良く乾
燥した反応器に、MDI(10.0g、40ミリモル)
と各種ポリオール(20ミリモル)、およびジメチルス
ルホキシド(DMSO)100mlを導入し、窒素ガス
雰囲気下で、約50℃に急速に加熱し、3時間反応させ
た。なお、ポリオールは全て事前に減圧乾燥後モレキュ
ラーシーブ310にて更に脱水した。
【0035】次いで、反応液を室温にまで冷却し、1,
4−ブタンジオールを20ミリモル添加し、1時間攪拌
した。反応液を大量の水中に注ぎ、生成したポリマーを
沈殿させた。水洗を数回繰り返した後、ワーリング・ブ
レンダーで細断し、80℃のエアーオーブン中で乾燥し
た。
【0036】得られたポリウレタンについて、 1H−
NMR測定に基づいて組成分析を行った結果を表1に示
す。また、比較のために、次の市販のIABPに用いら
れているポリウレタン製バルーン、A社製、D社製およ
びM社製についても、表1にそれらの組成を示した。
【0037】製膜法 前記で得られた各ポリウレタンをテトラヒドロフランま
たはジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液をガ
ラス板上に塗布した後、密閉容器中で一部だけ通気させ
るようにして、蒸発速度を抑制しながら乾燥させて製膜
した。さらに、得られたフィルムを65℃にて12時間
放置後、自然空冷した。
【0038】かくして得られたフィルムについて、物性
を測定した。また、これらのフィルムについて、前記摩
耗装置を用いて摩耗試験を行ない、重量損失を測定し
た。各フィルムの物性、膜厚および重量損失の測定結果
について一括して表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表2には、表1に示す各組成のポリウレタ
ン(市販品を含む)について、ポリマーのMnが5
0,000未満で、かつ、フィルムの初期100%モデ
ュラスが95kg/cm2未満のグループ(グループ
I)、Mnが50,000未満であるが初期100%
モデュラスが95kg/cm2以上のグループ(グルー
プII)、Mnが50,000以上であるが初期10
0%モデュラスが95kg/cm2未満のグループ(グ
ループIII)、および本発明の実施例であるMnが
50,000以上、かつ、初期100%モデュラスが9
5kg/cm2以上のグループ(グループIV)に分け
て示した。
【0042】表2から明らかなように、フィルムの耐摩
耗性は、ポリオール種やポリエステル結合の有無による
差異は見られず、Mnと初期100%モデュラスの両者
が本発明で規定する要件を満足する場合にはじめて顕著
な耐摩耗性を示すことがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、バルーン部分の破壊防
止効果が顕著に優れたバルーンカテーテルが提供され
る。本発明のバルーンカテーテルは、そのバルーン部分
が実際の駆動中に生じる血管中の石灰化沈着物と擦り合
わされることによる摩耗が抑制されるため、特に大動脈
バルーンパンピング用のバルーンカテーテルとして好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する摩耗装置およびその使用方法
を示す略図である。
【図2】図1の摩耗装置の断面略図である。
【符号の説明】
1 石こうロール 2 フィルム L フィルムの幅 t フィルムの厚み W 荷重 D ロールの直径

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が50,000以上のポリ
    ウレタン系ポリマーで形成され、初期100%モデュラ
    スが95〜200kg/cm フィルムからなるバル
    ーン部分を有することを特徴とするバルーンカテーテ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタン系ポリマーが、ポリウ
    レタン、ポリウレタンウレア、ポリウレタンシリコーン
    ブロック共重合体、フッ素化ポリウレタンおよびフッ素
    化ポリウレタンウレアからなる群より選ばれる少なくと
    も1種である請求項1記載のバルーンカテーテル。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の少なくとも1種のポリウ
    レタン系ポリマーを含有するポリマーブレンドで形成さ
    れた請求項1記載のバルーンカテーテル。
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