JPH04337311A - 生体適合性ポリウレタンウレア及びその製造方法 - Google Patents

生体適合性ポリウレタンウレア及びその製造方法

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JPH04337311A
JPH04337311A JP3110437A JP11043791A JPH04337311A JP H04337311 A JPH04337311 A JP H04337311A JP 3110437 A JP3110437 A JP 3110437A JP 11043791 A JP11043791 A JP 11043791A JP H04337311 A JPH04337311 A JP H04337311A
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JP
Japan
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polymer
hydroxyl
chain extender
molecular weight
polyurethaneurea
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JP3110437A
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English (en)
Inventor
Takaharu Aketo
明渡 隆治
Kenji Kamiide
上出 健二
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた生体適合性と好
ましい力学的性質を有すセグメント化ポリウレタンウレ
ア重合体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、ヒ
ドロキシル末端重合体、分子量 500以下のジイソシ
アネート、及び塩基性アミノ酸のうち、第2の塩基性基
がアミノ基であるアミノ酸及び/または2つのアミノ基
を有す生体アミン類から選ばれた化合物を基質とした生
体適合性と好ましい力学特性を有すポリウレタンウレア
重合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療技術の多様化に伴い、優れた
医用材料の開発が必要とされている。高分子材料を医用
材料として利用する場合、生体組織と直接あるいは間接
的に接触するため、生体適合性が求められている。医用
材料に要求される生体適合性には、組織適合性と血液適
合性とが含まれ、毒性、発ガン性、突然変異誘発性、溶
血性がないこと、抗血栓性を有していること等が挙げら
れる。特に、人工臓器及び外科的手術などの血液と直接
接触して使用される高分子材料では、生体適合性のうち
抗血栓性が最も重要となる。
【0003】従来、抗血栓性を示す材料として種々の高
分子材料が提案されている。そのうち、セグメント化ポ
リウレタン(例えば、米国 Ethocon社のBio
mer)は、優れた抗血栓性と力学的性質とを兼ね備え
た材料として注目され、開心術後あるいは心不全患者に
、一時的かつ補助的に血液を代行循環させる大動脈バル
ーンおよび補助人工心臓血液ポンプ用ダイヤフラム等へ
一部臨床応用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】医用材料の血液適合性
を考える上で、凝固系や血小板系が最も重要ではあるが
、その他の因子、即ち、生体内における補体系の活性化
についても注意を払う必要がある。補体の活性化は、白
血球の一過性減少を引き起こすと共に、補体を活性化す
る材料は、白血球の優先粘着を経由して血栓形成にかな
りの程度関与していると考えられている(例えば、Fu
kumura H., et.al., Biomat
erials,8, 74(1987))。従って、血
液適合性材料として、補体系を活性化しない素材が望ま
れている。
【0005】補体系活性化能の小さい高分子素材として
シリコーンエラストマーが知られている。しかしながら
、シリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)
は、力学的強度が低く、これを補うため充填剤としてシ
リカが用いられるが、シリカは血液適合性、細胞毒性に
悪影響を及ぼし(Chawla, A.S., J.B
iomed.Mater.Res., 16, 501
 (1982), Ashar, B., Ward 
Jr.R.S., Turcotte L.R., J
.Biomed.Mater.Res.,  15, 
663 (1981)) 好ましくない。一方、前述の
セグメント化ポリウレタン(Biomer)は、現在、
人工透析に主として用いられているセルロースに比べて
補体活性化能は小さいが充分でなく、更に補体活性化能
の小さいものが望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる状況下、補体系活
性化能が小さく、且つ優れた力学的性質を有すセグメン
ト化ポリウレタンを提供すべく鋭意検討した結果、ヒド
ロキシル末端重合体、分子量 500以下のジイソシア
ネート、並びに塩基性アミノ酸のうち第2の塩基性基が
アミノ基であるアミノ基及び/または2つのアミノ基を
有す生体アミン類から選ばれた1種以上の化合物を含ん
でなるセグメント化ポリウレタンウレアが、補体系の活
性化能が小さく、且つ優れた力学的性質を有すことを見
いだし本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明の目的は上記の生体適合性ポ
リウレタンウレア重合体及びその製造方法の提供にある
。本発明の生体適合性ポリウレタンウレア重合体は、補
体系の活性化能が小さいこと及び力学的性質に優れるこ
と等の特長を生かして、各種の血液と直接接触する医療
器、大動脈内バルーンポンプや人工心臓などの人工臓器
、その他生体インプラント材料の作製に用いることがで
きる。具体的には、採血用具、血液バッグ、輸血用具、
カテーテル、A−Vシャント、血液バイパスチューブ、
血液ポンプ、人工心臓、補助人工心臓、人工血管、人工
皮膚等がある。
【0008】本発明のポリウレタンウレアにおいて、ヒ
ドロキシル末端重合体としては、炭素数2〜8の1種以
上のアルキル基がエステル結合またはエーテル結合で連
結した、数平均分子量 800〜5000のヒドロキシ
ル末端重合体が用いられる。かかるヒドロキシル基末端
重合体は種々の方法で製造されるが、例えば、コハク酸
、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
等の脂肪族ジカルボン酸とエチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ヘ
キサンジオール等の脂肪族多価アルコールとの2種以上
の組合せによる縮合反応あるいは、β−プロピオラクト
ン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等の開環
重合によりヒドロキシル基末端ポリエステルが、アルキ
レンオキサイド或はテトラハイドロフランの開環重合に
よりヒドロキシル基末端ポリエーテルが得られる。
【0009】該ヒドロキシル末端重合体の、エステル結
合間またはエーテル結合間は、炭素数2〜8の1種以上
のアルキル基であるのが好ましい。また、数平均分子量
は、800〜5000の範囲が好ましい。エステル結合
間またはエーテル結合間の炭素数が2〜8の範囲外では
、最終的に得るポリウレタンウレアの有機溶媒への溶解
性が悪く成形性に劣り、数平均分子量が 800〜50
00の範囲外では、最終的に得るポリウレタンウレアの
好ましい力学的性質が得られない。
【0010】更に、ヒドロキシル末端重合体がエステル
結合で連結されたものである場合には、本発明により得
られたポリウレタンウレア重合体をインプラント材とし
て用いた場合、エステル結合の加水分解によりポリマー
が分解され、即ち生体内分解性を有し、この特徴を生か
した応用も可能である。本発明のポリウレタンウレアに
おいて、ポリイソシアネートとして、分子量が500以
下のジイソシアネートが用いられる。分子量が 500
以下のジイソシアネートを用いた場合に、イソシアネー
ト基と鎖伸長剤との反応で形成されるハードセグメント
がミクロドメインを形成し柔軟な力学特性を示す。本発
明のポリウレタンウレアは、優れた生体適合性を有し医
用高分子材料として用いられるが、特にインプラント生
体材料として用いる場合、ポリマーの生体内分解等を考
慮すると、ポリイソシアネートとしては、脂肪族及び/
または脂環族ジイソシアネートが好ましい。
【0011】かかるジイソシアネートとしては、例えば
脂肪族または脂環族ジイソシアネートとして、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、4
,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2
,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサ
メチレンジイソシアネート等が、芳香族ジイソシアネー
トとして、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネートナフタレンジイソシアネート等が挙げられ、単独
あるいは混合物として用いられる。
【0012】本発明のポリウレタンウレアにおいて、鎖
伸長剤としては、塩基性アミノ酸のうち、第2の塩基性
基がアミノ基であるアミノ酸及び/または2つのアミノ
基を有す生体アミン類から選ばれた1種以上の化合物が
用いられる。アミノ酸及び/または生体アミン類を鎖伸
長剤として用いることにより、生体適合性に優れたポリ
ウレタンウレア重合体を得ることができる。鎖伸長剤と
してのアミノ酸及び/または生体アミン類は、イソシア
ネート基と反応する活性水素を有す2つのアミノ基を含
有するものが選択される。
【0013】イソシアネート基と反応し得るアミノ基を
2つ含むことにより、鎖伸長剤として作用すると共に、
架橋の無い実質的に線状のポリマーが得られる。また、
鎖伸長剤にアミノ基を含むことにより、イソシアネート
基と反応してウレア結合を有すポリウレタンウレアとな
る。このウレア結合をポリマー中に導入することにより
、分子間の強固な水素結合を生じしめ、結果として優れ
た力学的特性を示す。かかる鎖伸長剤としては、アゼセ
リン、4−アミノ酪酸、オルニチン、キヌレニン、シス
タチオニン、シスチン、リジン、シスタミン等が挙げら
れる。
【0014】以下に上記のヒドロキシル末端重合体、ポ
リイソシアネート及び鎖伸長剤からなる本発明のポリウ
レタンウレア重合体の製造方法について説明する。本発
明のポリウレタンウレアは、炭素数2〜8の1種以上の
アルキル基がエステル結合またはエーテル結合で連結し
た、数平均分子量 800〜5000のヒドロキシル末
端重合体(A)と分子量 500以下のジイソシアネー
ト(B)との反応で得られるウレタンプレポリマーを、
水と任意の割合で均一に混合し得る有機溶媒に溶解した
溶液に、鎖伸長剤である塩基性アミノ酸のうち第2の塩
基性基がアミノ基であるアミノ酸及び/または2つのア
ミノ基を有す生体アミン類から選ばれた1種以上の化合
物の水溶液を添加することにより高分子量化できる。
【0015】ここで、ヒドロキシル末端重合体(A)と
ジイソシアネート(B)との反応で得るウレタンプレポ
リマーを、水と任意の割合で均一に混合し得る有機溶媒
に溶解した溶液は、公知の方法で調製することができる
。即ち、例えば、ヒドロキシル末端重合体(A)とジイ
ソシアネート(B)とを混合し、窒素雰囲気下で加熱反
応させた後、有機溶媒に溶解させるか、あるいは、有機
溶媒中でヒドロキシル末端重合体(A)とジイソシアネ
ート(B)を反応させて調製することができる。
【0016】この際、ウレタン化反応の触媒を用いても
よく、触媒としてはウレタン合成に用いられる全ての触
媒を利用できるが、最終的に得るポリウレタンウレア重
合体が医療用に適すことを考えると、トリエチレンジア
ミンの如きアミン類やジアザビシクロウンデセンのよう
に除去可能な触媒が好ましい。ヒドロキシル末端重合体
(A)とジイソシアネート(B)とは、イソシアネート
基とヒドロキシル基のモル比が1.2〜3.0の範囲で
反応させウレタンプレポリマーを合成する。イソシアネ
ート基とヒドロキシル基とのモル比が1.2未満である
と、最終的に得られるポリウレタンウレア重合体が好ま
しい力学特性を示さず、モル比が3.0を越えると溶媒
への溶解性が劣り好ましくない。
【0017】ウレタンプレポリマー溶液に用いる溶媒と
しては、ウレタンプレポリマー及び最終的に得るポリウ
レタンウレアを溶解し、且つ水と均一に混合するものが
用いられる。好ましい溶媒の例として、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン等及びこれらの混合溶媒が挙げられる。ヒドロキ
シル末端重合体(A)とジイソシアネート(B)とから
得たウレタンプレポリマー溶液に、鎖伸長剤の水溶液を
添加し高分子量化するが、この時、系全体が均一な一相
溶液状態であることが好ましい。
【0018】本発明に用いる鎖伸長剤の1つであるアミ
ノ酸は、ウレタンプレポリマーと共通の溶媒を持たず、
ウレタンプレポリマーの非溶媒である水または酸、アル
カリ水溶液に易溶である。かかる鎖伸長剤水溶液をウレ
タンプレポリマー溶液に加えて鎖伸長反応を生じしめる
際、ウレタンプレポリマーが逐次高分子量化して生じる
ポリウレタンウレア、ウレタンプレポリマー溶液に用い
た溶媒及び水の、いわゆるポリマー/溶媒/非溶媒の3
成分系が、鎖伸長反応の反応条件下で均一な一相溶液状
態であることが好ましい。
【0019】該3成分系が均一な一相溶液とならない場
合、鎖伸長反応が不均一となり、得られるポリウレタン
ウレアの分子量が低すぎたり、ゲル化したりして再現性
よく重合できない。該3成分系を均一な一相溶液状態と
するには、これら3成分の組成を適宜選定することによ
り達成されるが、一般に、反応系中のポリマー濃度を低
く且つポリマーの非溶媒である水の量を少なくすること
により実現できる。
【0020】また、塩基性アミノ酸を鎖伸長剤とする場
合、鎖伸長剤水溶液のpHは、該アミノ酸水溶液の p
Kaの最大値以上であることが好ましい。アミノ酸水溶
液のpHを該アミノ酸水溶液の pKaの最大値以上に
することにより、アミノ酸中の2つのアミノ基がイオン
化すること無く存在し、イソシアネート基と素早く反応
してウレア結合を生成するとともに、アミノ酸中のカル
ボン酸とイソシアネートとの反応を実質的に完全に抑制
できる。アミノ酸水溶液の pKaは、例えば滴定曲線
により求められる。
【0021】このようにして製造された本発明のポリウ
レタンウレアは、反応溶液のままで、あるいはポリマー
を反応溶液より分離し、精製・乾燥し固体の状態とした
後、再び溶媒に溶解し溶液とし、成形加工することがで
きる。医用エラストマーとして要求される力学的性質と
しては、一般に、抗張力 300kg/cm2 以上、
伸びが 300〜500 %以上と言われているが、本
発明のポリウレタンウレアはいずれも 300〜600
 kg/cm2 の抗張力と 300%以上の伸びがあ
り、優れた力学的性質を有している。従って、本発明の
ポリウレタンウレアは、耐久性の要求される医用器具と
しても使用できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるもので
はない。尚、以下の実施例中に記載されている測定項目
は、次の方法で測定したものである。(1)補体消費率
ポリウレタンウレアの2wt%ジメチルアセトアミド(
DMAc)溶液を調製し、0.2φのガラスビーズをこ
の溶液中に浸漬した。該ガラスビーズを70℃で5時間
熱風乾燥し、ポリウレタンウレアをコーティングしたガ
ラスビーズを作製した。このガラスビーズをポリエチレ
ン管に入れ、これにゲラチンベロナール緩衝液で4倍に
希釈したモルモット補体(コーディス・ラボ)200μ
lを加え、37℃で1時間攪拌しながらインキュベート
した。
【0023】補体価はマイヤー変法(エム・エム・マイ
ヤー(M.M.Mayer):イムノケミストリー(I
mmunochemistry) 第2版、第 133
頁、シー・シー・トーマス(C.C.Thomas)出
版者、1961年、参照)によって求め、コントロール
に対する補体消費率(%CH50)を算出した。(2)
力学的性質 ポリウレタンウレアの20wt%DMAc溶液を調製し
、ガラス板上に 500μm厚さに流延し、70℃、1
6時間熱風乾燥しポリウレタンウレアのフィルムを得た
。このフィルムから5mm幅の短冊状に試料を切り出し
、20℃下、初期長50mm、歪速度1000%/mi
n.で変形させ、破断強度、破断伸度を測定した。
【0024】実施例1 アジピン酸とエチレングリコールから得られるポリエチ
レンアジペートジオール(PEA)(数平均分子量20
00)100gを、窒素気流下、80℃で4時間脱水し
た。次に温度を60℃に調節し、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HMDI) 13.44gを加え、5時間
攪拌下で反応させ、両末端イソシアネート基のウレタン
プレポリマーを合成した。イソシアネート基とヒドロキ
シル基とのモル比(〔 NCO〕/〔OH〕)は1.6
である。このプレポリマーにDMAcを加え、室温下に
攪拌溶解し、10重量%溶液とした。
【0025】一方、生体アミン類の1つであるシスタミ
ン4.56gを15gの水に溶解した水溶液を調製した
。このシスタミン水溶液を室温、高速攪拌下、ウレタン
プレポリマーのDMAc溶液に加え、2時間反応させた
。この重合溶液を、多量の水中に投入しポリマーを凝固
し、未反応物をアセトンで抽出後、乾燥することにより
、 PEA/HMDI/シスタミンからなるポリウレタ
ンウレア重合体を得た。このポリウレタンウレアの補体
消費率(%CH50)、破断強度、破断伸度を表1に示
す。
【0026】実施例2 ヒドロキシル末端重合体として、数平均分子量2000
のポリカプロラクトンジオール(PCL)(ダイセル化
学工業(株)製、商品名プラクセル220N)100g
を、ポリイソシアネートとしてHMDI 11.76g
を用い、実施例1と同様にウレタンプレポリマーの約1
0wt%DMAc溶液を得た。一方、リジン(ラセミ体
)2.92gを、リジンと等モルの苛性ソーダを含む2
0gのアルカリ水に溶解し、鎖伸長剤水溶液を調製した
。ポレポリマーのDMAc溶液に、室温、高速攪拌下、
鎖伸長剤水溶液を加え反応させた。2時間後、塩酸0.
03モル加え更に室温下1時間攪拌した。
【0027】この重合溶液から実施例1と同様に、〔 
NCO〕/〔OH〕=1.4である PCL/HMDI
/リジンからなるポリウレタンウレア重合体を得た。こ
のポリウレタンウレアの%CH50、破断強伸度を表1
に示す。 比較例1 ヒドロキシル末端重合体として数平均分子量1830の
ポリテトラメチレングリコール(PTMG) 100g
を、ポリイソシアネートとしてジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI) 21.2gを用いて実施例1と
同様にウレタンプレポリマーの30wt%DMAc溶液
を得た(〔 NCO〕/〔OH〕=1.55)。一方、
エチレンジアミン(EDA)1.66g、ジエチルアミ
ン(DEA) 0.35gを 210gのDMAcに溶
解した溶液を調製し、室温、高速攪拌下、ウレタンプレ
ポリマーのDMAc溶液に加え、2時間反応させた。
【0028】この重合溶液から実施例1と同様にして、
PTMG/MDI/EDA からなるポリウレタンウレ
ア重合体を得た。このポリウレタンウレアの%CH50
、破断強伸度を表1に示す。比較例2 〔 NCO〕/〔OH〕=1.05とした以外は実施例
3と同様に行い、PEBA/HMDI/シスタミンから
なるポリウレタンを得た。このポリマーはタック性を示
し、力学特性の測定に供し得なかった比較例3 〔 NCO〕/〔OH〕=4とした以外は実施例3と同
様に行い、PEBA/HMDI/シスタミンからなるポ
リウレタンを得た。このポリマーは重合時沈澱物を生じ
、不均一反応であった。また得られたポリマーから透明
な均一溶液を調製できず、フィルムが得られなった。
【0029】実施例3,8及び9 ヒドロキシル末端重合体、ポリイソシアネート及び鎖伸
長剤として表1に示す化合物を用い、実施例1と同様に
して〔 NCO〕/〔OH〕=1.6であるポリウレタ
ンウレア重合体を得た。このポリウレタンウレアの%C
H50、破断強伸度を表1に示す。
【0030】実施例4及び5 鎖伸長剤水溶液として、シスチンの2倍当量の苛性ソー
ダを溶解した水にシスチンを溶解した水溶液を、他の成
分は、表1に示す化合物を用い実施例2と同様にしてポ
リウレタンウレア重合体を得た。このポリウレタンウレ
アの%CH50、破断強伸度を表1に示す。
【0031】実施例6及び7 ヒドロキシル末端重合体、ポリイソシアネート及び鎖伸
長剤として表1に示す化合物を用い、実施例2と同様に
して〔 NCO〕/〔OH〕=1.6であるポリウレタ
ンウレア重合体を得た。このポリウレタンウレアの%C
H50、破断強伸度を表1に示す。
【0032】比較例4 数平均分子量 500のPCLを用いた以外は実施例1
と同様に行い、〔NCO〕/〔OH〕=1.6である 
PCL/HMDI/シスタミンからなるポリウレタンウ
レア重合体を得た。 このポリウレタンウレアの%CH50、破断強伸度を表
1に示す。比較例5 数平均分子量 10000のPCLを用いた以外は実施
例1と同様に行い、〔 NCO〕/〔OH〕=1.6で
ある PCL/HMDI/シスタミンからなるポリウレ
タンウレア重合体を得た。このポリウレタンウレアの%
CH50、破断強伸度を表1に示す。
【0033】比較例6 数平均分子量2000のポリカーボネートジオール(P
CD)(ダイセル化学工業(株)製、商品名プラクセル
CD−2を用いた以外は比較例1と同様に行い〔 NC
O〕/〔OH〕=1.6である PCD/MDI /エ
チレンジアミンからなるポリウレタンウレア重合体を得
た。このポリウレタンウレアの%CH50、破断強伸度
を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】実施例1〜9に示したように、アミノ酸
または生体アミンを導入した本発明のポリウレタンウレ
アは補体系の活性化能が低く(%CH50の値が小さく
)生体適合性に優れるとともに、力学特性にも優れる。 一方、アミノ酸または生体アミン以外の物質で鎖伸長し
た比較例1,6では補体系を活性化し(%CH50の値
が大きく)生体適合性に劣る。
【0036】また、ポリイソシアネートとヒドロキシル
末端重合体とのモル比が1.2〜3.0の範囲外(比較
例1,2)及びヒドロキシル末端重合体の分子量が 8
00〜5000の範囲外(比較例4,5)では、好まし
い力学特性が得られない。本発明のポリウレタンウレア
は、補体系の活性化能が小さく、優れた生体適合性と好
ましい力学特性を兼ね備えている。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ヒドロキシル末端重合体、ポリイソシ
    アネート及び鎖伸長剤を含んでなるセグメント化ポリウ
    レタンウレアにおいて、a.前記ヒドロキシル末端重合
    体が、炭素数2〜8の1種以上のアルキル基がエステル
    結合またはエーテル結合で連結した、数平均分子量 8
    00〜5000のヒドロキシル末端重合体であり、b.
    前記ポリイソシアネートが、分子量 500以下のジイ
    ソシアネートであり、c.前記鎖延長剤が、塩基性アミ
    ノ酸のうち第2の塩基性基がアミノ基であるアミノ酸及
    び/または2つのアミノ基を有す生体アミン類から選ば
    れた1種以上の化合物であり、そしてポリイソシアネー
    トとヒドロキシル末端重合体とのモル比が1.2〜3.
    0であることを特徴とする生体適合性ポリウレタンウレ
    ア重合体。
  2. 【請求項2】  前記ヒドロキシル末端重合体が、エチ
    レングリコールとアジピン酸との縮合反応で得るポリエ
    ステルジオールであり、前記ポリイソシアネートがヘキ
    サメチレンジイソシアネートであり、そして前記鎖伸長
    剤がシスタミンであることを特徴とする請求項1に記載
    のポリウレタンウレア重合体。
  3. 【請求項3】  前記ヒドロキシル末端重合体がポリカ
    プロラクトンジオールであり、前記ポリイソシアネート
    がヘキサメチレンジイソシアネートであり、そして前記
    鎖伸長剤がリジンであることを特徴とする請求項1に記
    載のポリウレタンウレア重合体。
  4. 【請求項4】  炭素数2〜8の1種以上のアルキル基
    がエステル結合またはエーテル結合で連結した、数平均
    分子量 800〜5000のヒドロキシル末端重合体(
    A)と、分子量 500以下のジイソシアネート(B)
    をイソシアネート基とヒドロキシル基をモル比1.2〜
    3.0の範囲で反応して得たウレタンプレポリマーの、
    水と任意の割合で均一に混合し得る有機溶媒に溶解した
    溶液に、塩基性アミノ酸のうち、第2の塩基性基がアミ
    ノ基であるアミノ酸及び/または2つのアミノ基を有す
    生体アミン類から選ばれた1種以上の化合物の水溶液を
    混合することを特徴とする請求項1に記載のポリウレタ
    ンウレア重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】  前記鎖伸長剤が、塩基性アミノ酸のう
    ち第2の塩基性基がアミノ基であるアミノ酸であり、前
    記鎖伸長剤水溶液のpHが、該アミノ酸水溶液のpKa
    の最大値以上であることを特徴とする特許請求の範囲第
    4項記載のポリウレタンウレア重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】  前記ヒドロキシル末端重合体が、エチ
    レングリコールとアジピン酸との縮合反応で得るポリエ
    ステルジオール、ポリイソシアネートがヘキサメチレン
    ジイソシアネート、鎖伸長剤がシスタミンであることを
    特徴とする請求項4に記載のポリウレタンウレア重合体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】  前記ヒドロキシル末端重合体がポリカ
    プロラクトンジオール、ポリイソシアネートがヘキサメ
    チレンジイソシアネート、鎖伸長剤がリジンであること
    を特徴とする請求項4に記載のポリウレタンウレア重合
    体の製造方法。
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