JPH0748431A - 医療用ポリウレタンウレア重合体 - Google Patents

医療用ポリウレタンウレア重合体

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JPH0748431A
JPH0748431A JP5211022A JP21102293A JPH0748431A JP H0748431 A JPH0748431 A JP H0748431A JP 5211022 A JP5211022 A JP 5211022A JP 21102293 A JP21102293 A JP 21102293A JP H0748431 A JPH0748431 A JP H0748431A
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polymer
amino
alkylene
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JP5211022A
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Haruyuki Yoneda
晴幸 米田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体適合性、抗血栓性に優れ、力学特性を満
足し、体内使用時に毒性が少ない、医療用ポリウレタン
ウレアを提供する。 【構成】 実質的に、 【式1】 と、 【式2】 とが交互に連結した構造であり、R1 は、ポリシロキサ
ン構造を特定量含有し、R3 はアミノ酸、生体アミン類
の残基である、特定構造のポリウレタンウレアであっ
て、医療用途として有用な医療用ポリウレタンウレア重
合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた生体適合性、特
に優れた抗血栓性を持つ医療用ポリウレタンウレア重合
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療技術の多様化に伴い、優れた
医療用材料の開発が必要とされており、高分子材料を医
用材料として利用する場合には、材料が生体組織と直接
あるいは間接的に接触するため、生体適合性が求められ
ている。医療用材料に要求される生体適合性には、組織
適合性と血液適合性とが含まれ、毒性、発ガン性、突然
変異誘発性、溶血性がないこと、抗血栓性を有している
こと等が挙げられ、特に、人工臓器及び外科的手術など
の血液と直接接触して使用される高分子材料では、生体
適合性のうち抗血栓性が最も重要となる。従来、抗血栓
性を示す材料として種々の高分子材料が提案されてい
る。そのうち、セグメント化ポリウレタン(例えば、米
国Ethocon社のBiomer)は、優れた抗血栓
性と力学的性質とを兼ね備えた材料として注目され、開
心術後あるいは心不全患者に、一時的かつ補助的に血液
を代行循環させる大動脈バルーンおよび補助人工心臓血
液ポンプ用ダイヤフラム等へ一部臨床応用されている。
これらの中で、ポリシロキサンを含有するポリウレタン
またはポリウレタンウレアとしては、特開昭58−18
8458号公報、特開昭60−236658号公報、特
開昭60−238315号公報、特公平1−35669
号公報、特公平1−52025号公報等の記載が挙げら
れる。更にアミノ酸や生体アミンを鎖伸長剤として使用
するものとしては特開平4−337311号公報が挙げ
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】医療用材料の血液適合
性を考える上で、凝固系や血小板系が最も重要ではある
が、その他の因子、即ち、生体内における補体系の活性
化についても注意を払う必要がある。補体の活性化は、
白血球の一過性減少を引き起こすと共に、補体を活性化
する材料は、白血球の優先粘着を経由して血栓形成にか
なりの程度関与していると考えられている〔例えば、F
ukumura H.,et.al.,Biomate
rials,,74(1987)〕。従って、血液適
合性材料として、補体系を活性化しない素材が望まれて
いる。補体系活性化能の小さい高分子素材としては、シ
リコーンエラストマーが知られている。しかしながら、
シリコーンエラストマー(ポリジメチルシロキサン)
は、力学的強度が低く、これを補うための充填剤として
シリカが用いられるが、シリカは血液適合性、細胞毒性
に悪影響を及ぼし〔Chawla,A.S.,J.Bi
omed.Mater.Res.,16,501(19
82),Asha1,B.,Ward Jr.R.
S.,Turcotte L.R.,J.Biome
d.Mater.Res.,15,663(198
1)〕好ましくない。一方、前述のセグメント化ポリウ
レタン(Biomer)は、現在、人工透析に主として
用いられているセルロースに比べて補体活性化能は小さ
いものの未だ充分でなく、更に補体活性化能の更に小さ
いものが望まれている。
【0004】ポリシロキサンをソフトセグメントに使用
した例としては、ポリシロキサンとポリエーテルのブロ
ックコポリマーを使用する例(特開昭58−18845
8号公報、特開昭60−238315号公報)、ポリシ
ロキサンとイソシアネートの反応物とポリエーテルとイ
ソシアネートの反応物を鎖伸長剤で反応させる方法(特
開昭60−236658号公報)、架橋性シリル基を用
いる方法(特公平1−52025号公報)等が挙げられ
る。これらの方法では、合成の繁雑なブロックコポリマ
ーを使用したり、硬化物を用いるため、力学的特性が充
分でないという問題もあるが、最大の問題としては、体
内に長期埋め込んで使用した際に発ガン性の心配があっ
た。更にアミノ酸や生体アミンで鎖伸長したポリウレタ
ンウレアは体内低毒性で、力学特性が充分であったが、
実際の抗血栓性テストでは前述Biomerよりわずか
に優れる程度であり、更に抗血栓の良い医療用材料が望
まれていた。以上述べたように、これまでにない優れた
抗血栓性を示し、体内使用時に毒性が少なく、かつ力学
特性を充分に満足するような医療用材料は得られていな
かった。
【0005】
【課題を解決するための手段】抗血栓性、低毒性、力学
特性の全てに優れた医療材料を提供すべく鋭意検討した
結果、特定量のポリシロキサンをソフトセグメントに用
い、塩基性アミノ酸、生体アミン等で鎖伸長することに
より上記を満足したポリウレタンウレアが得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、実質的に
【式3】
【式4】 (式中、nは0から20の整数、mは0から10の整数
を表わす。)とが交互に連結した構造であって、式中 R1 は、〔1〕(1)炭素数3〜8の1種以上のアルキ
レン基がエーテル結合で連結した両末端がアルキレン基
のポリエーテル (2)炭素数2〜8の1種以上のアルキレン基がエステ
ル及び/又はカーボネート結合で連結した両末端がアル
キレン基のポリエステル及び/又はポリカーボネートか
ら選ばれた1種以上の両末端アルキレン基95〜60モ
ル%と 〔2〕両末端アルキレン基のポリシロキサン5〜40モ
ル%との混合物をR2 は、分子量500以下の2価の炭
化水素基をR3 は、塩基性アミノ酸であるアミノ酸のう
ち第2の塩基性基がアミノ基であるアミノ酸及び/又は
2つのアミノ基を有する生体アミン類から選ばれた化合
物から2つのアミノ基を除いた2価の炭化水素基を表わ
す抗血栓性が優れた医療用ポリウレタンウレア重合体に
関する。
【0007】本発明の重合体は通常ソフトセグメントと
呼ばれる構造式(1)と、通常ハードセグメントと呼ば
れる構造式(2)とが、交互に連結したブロック共重合
体である。分子量はGPCによるポリスチレン換算の重
量平均分子量(Mw)で20,000〜500,000
の範囲である。この範囲未満では成形体としての力学特
性が発現出来ず、又この範囲を超えると重合体溶液の粘
度が上昇し取り扱いが困難となり不適当である。構造式
(1)中のnは、0から20の整数であり、この数は用
いる両末端アルキル基R1 の分子量により異なるが好ま
しい範囲は1〜8の範囲である。nが小さいものは、重
合の際に溶媒への溶解性が悪く、nが大きいと得られた
重合体の力学特性が悪い。R1 は〔1〕両末端アルキレ
ン基をもつポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ
ートから選ばれた1種以上のもの95〜60モル%と
〔2〕両末端アルキレン基をもつポリシロキサン5〜4
0モル%の混合物である。ポリシロキサンの量が5モル
%未満では抗血栓性が低下し好ましくない。40モル%
を超えると力学特性が悪く好ましくない。R1 の分子量
としては、800〜5000の範囲が好ましい。この範
囲外では得られる重合体の力学特性が悪く好ましくな
い。
【0008】両末端がアルキレン基のポリエーテルとは
【式5】 −O−R4 − の繰り返し単位を持ち、末端が−R4 −のものである。
4 は炭素数3〜8の2価の炭化水素基であり、3〜6
が好ましい。炭素数2以下では抗血栓性が悪く、炭素数
9以上では力学特性が悪く好ましくない。R4 の具体例
としては、プロピレン基(ノルマル、イソ)、テトラメ
チレン基、ヘキサメチレン基、ネオペンチル基、等が挙
げられ、それらは単独でも混合していても良く、プロピ
レン基、テトラメチレン基が特に好ましい。
【0009】両末端がアルキレン基のポリエステルとは
【式6】 又は
【式7】 の繰り返し単位を持ち、末端が−R5 −又は−R7 −の
ものである。R5 、R6 、R7 は、共に炭素数2〜8の
2価の炭化水素基であり、具体例としては、エチレン
基、プロピレン基(ノルマル、イソ)、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチ
レン基、ネオペンチル基、等が挙げられ、それらは単独
でも混合していても良く、ポリエチレンアジペート、ポ
リ−ε−カプロラクトン、ポリエチレンブチレンアジペ
ート等が特に好ましい具体例として挙げられる。
【0010】両末端がアルキレン基のポリカーボネート
とは
【式8】 の繰り返し単位を持ち、末端が−R8 −のものである。
8 は前述のR5 、R6、R7 と同様であり、単独であ
っても混合していても良く、R8 がペンタメチレンとヘ
キサメチレンの混合物の場合には、重合の際高粘度にな
らず好ましい。
【0011】両末端アルキレン基のポリシロキサンとは
【式9】 の繰り返し単位を持ち、末端が
【式10】 のものである。R9 、R10は炭素数1〜6の炭化水素基
であり、それらは同一であっても互いに異なっていても
良く、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
【0012】R11は炭素数2〜8の2価の炭素水素であ
り、具体的にはプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキ
サメチレン基等が挙げられる。R9 、R10が共にメチル
基の場合、抗血栓性、力学特性が特に良好であり好まし
い。R2 は分子量500以下の2価の炭化水素基であ
り、ジイソシアネート化合物からイソシアネートを除い
た残基である。炭化水素の分子量が500以下のジイソ
シアネートを用いた場合に、イソシアネート基と鎖伸長
剤との反応で形成されるハードセグメントがミクロドメ
インを形成し柔軟な力学特性を示す。本発明のポリウレ
タンウレアは、優れた生体適合性を有し医療用高分子材
料として用いられるが、特にインプラント生体材料とし
て用いる場合、ポリマーの生体内分解及び毒性等を考慮
すると、ポリイソシアネートとしては、脂肪族及び/ま
たは脂環族ジイソシアネートが好ましい。
【0013】これらの炭素水素基として具体的には、
【式11】 が挙げられ、これらは1種又は2種以上混合されていて
も良い。R3 はジアミノ化合物からアミノ基を除いた、
残基の2価の炭化水素基であり、かかるジアミノ化合物
としては、塩基性アミノ酸のうち、第2の塩基性基がア
ミノ基であるアミノ酸及び/または2つのアミノ基を有
する生体アミン類から選ばれた1種以上の化合物が用い
られ、アミノ酸及び/または生体アミン類を鎖伸長剤と
して用いることにより、生体適合性に優れたポリウレタ
ンウレア重合体を得ることができる。鎖伸長剤としての
アミノ酸及び/または生体アミン類は、イソシアネート
基と反応する活性水素を有する2つのアミノ基を含有す
るものが選択される。
【0014】イソシアネート基と反応し得るアミノ基を
2つ含むことにより、鎖伸長剤として作用すると共に、
架橋の無い実質的に線状のポリマーが得られる。また、
鎖伸長剤にアミノ基を含むことにより、イソシアネート
基と反応してウレア結合を有すポリウレタンウレアとな
る。このウレア結合をポリマー中に導入することによ
り、分子間の強固な水素結合を生じせしめ、結果として
優れた力学的特性を示す重合体となる。かかる鎖伸長剤
としては、オルニチン、キヌレニン、シスタチオニン、
シスチン、リジン、シスタミン等が挙げられる。
【0015】以下に重合体の製造法を説明する。重合に
使用する単量体としては、R1 の両末端にヒドロキシル
基が付加したジヒドロキシル末端化合物(A)、R2
イソシアネート基が付加したジイソシアネート化合物
(B)とR3 にアミノ基が付加したジアミノ化合物
(C)を使用する。ヒドロキシル末端化合物(A)とジ
イソシアネート化合物(B)との反応で得られるウレタ
ンプレポリマーを、水と任意の割合で均一に混合し得る
有機溶媒に溶解した溶液に、鎖伸長剤である塩基性アミ
ノ酸のうち第2の塩基性基がアミノ基であるアミノ酸及
び/または2つのアミノ基を有す生体アミン類から選ば
れた1種以上の化合物の水溶液を添加することにより高
分子量化できる。ここで、ヒドロキシル末端化合物
(A)とジイソシアネート化合物(B)との反応で得る
ウレタンプレポリマーを、水と任意の割合で均一に混合
し得る有機溶媒に溶解した溶液は、公知の方法で調製す
ることができる。即ち、例えば、ヒドロキシル末端化合
物(A)とジイソシアネート化合物(B)とを混合し、
窒素雰囲気下で加熱反応させた後、有機溶媒に溶解させ
るか、あるいは、有機溶媒中でヒドロキシル末端化合物
(A)とジイソシアネート化合物(B)を反応させて調
製することができる。
【0016】この際、ウレタン化反応の触媒を用いても
よく、触媒としてはウレタン合成に用いられる全ての触
媒を利用できるが、最終的に得るポリウレタンウレア重
合体が医療用に適すことを考えると、トリエチレンジア
ミンの如きアミン類やジアザビシクロウンデセンのよう
に除去可能な触媒が好ましい。ヒドロキシル末端化合物
(A)とジイソシアネート化合物(B)とは、イソシア
ネート基とヒドロキシル基のモル比が1.2〜3.0の
範囲で反応させウレタンブレポリマーを合成する。イソ
シアネート基とヒドロキシル基とのモル比が1.2未満
であること、最終的に得られるポリウレタンウレア重合
体が好ましい力学特性を示さず、モル比が3.0を越え
ると溶媒への溶解性が劣り好ましくない。
【0017】ウレタンプレポリマー溶液に用いる溶媒と
しては、ウレタンプレポリマー及び最終的に得られるポ
リウレタンウレアを溶解し、且つ水と均一に混合するも
のが用いられる。好ましい溶媒の例として、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−
ピロリドン等及びこれらの混合溶媒が挙げられる。ヒド
ロキシル末端化合物(A)とジイソシアネート化合物
(B)とから得たウレタンプレポリマー溶液に、鎖伸長
剤の水溶液を添加し高分子量化するが、この時、系全体
が均一な一相溶液状態であることが好ましい。本発明に
用いる鎖伸長剤の1つであるアミノ酸は、ウレタンプレ
ポリマーと共通の溶媒を持たず、ウレタンプレポリマー
の非溶媒である水または酸、アルカリ水溶液に易溶であ
る。かかる鎖伸長剤水溶液をウレタンプレポリマー溶液
に加えて鎖伸長反応を生じしめる際、ウレタンプレポリ
マーが逐次高分子量化して生じるポリウレタンウレア、
ウレタンプレポリマー溶液に用いた溶媒及び水の、いわ
ゆるポリマー/溶媒/非溶媒の3成分系が、鎖伸長反応
の反応条件下で均一な一相溶液状態であることが好まし
い。
【0018】該3成分系が均一な一相溶液とならない場
合、鎖伸長反応が不均一となり、得られるポリウレタン
ウレアの分子量が低すぎたり、ゲル化したりして再現性
よく重合できない。該3成分系を均一な一相溶液状態と
するには、これら3成分の組成を適宜選定することによ
り達成されるが、一般に、反応系中のポリマー濃度を低
く且つポリマーの非溶媒である水の量を少なくすること
により実現できる。また、塩基性アミノ酸を鎖伸長剤と
する場合、鎖伸長剤水溶液のpHは、該アミノ酸水溶液
のpKaの最大値以上であることが好ましい。アミノ酸
水溶液のpHを該アミノ酸水溶液のpKaの最大値以上
にすることにより、アミノ酸中の2つのアミノ基がイオ
ン化すること無く存在し、イソシアネート基と素早く反
応してウレア結合を生成するとともに、アミノ酸中のカ
ルボン酸とイソシアネートとの反応を実質的に完全に抑
制できる。アミノ酸水溶液のpKaは、例えば滴定曲線
により求められる。
【0019】このようにして製造された本発明のポリウ
レタンウレアは、反応溶液のままで、あるいはポリマー
を反応溶液より分離し、精製・乾燥し固体の状態とした
後、再び溶媒に溶解し溶液とし、成形加工することがで
きる。医療用エラストマーとして要求される力学的性質
としては、一般に、抗張力300kg/cm2 以上、伸
び率が300〜500%以上と言われているが、本発明
のポリウレタンウレアはいずれも300〜600kg/
cm2 の抗張力と300%以上の伸び率があり、優れた
力学的性質を有している。従って、本発明のポリウレタ
ンウレアは、耐久性の要求される医療用器具として使用
できる。本発明のポリウレタンウレア重合体は、抗血栓
性に優れ、補体系の活性化能が小さいこと及び力学的性
質に優れており、実際の用途としては、各種の血液と直
接接触する医療器、大動脈内バルーンポンプや人工心臓
などの人工臓器、その他生体インプラント材料の作製用
が挙げられ、具体的には、採血用具、血液バッグ、輸血
用具、カテーテル、A−Vシャント、血液バイパスチュ
ーブ、血液ポンプ、人工心臓、補助人工心臓、人工血
管、人工皮膚等がある。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。尚、以下の実施例中に記載されている測定項目
は、次の方法で測定したものである。 (1)補体消費率 N,N−ジメチルアセトアミドの5〜15wt%ポリマ
ー溶液から乾式製膜により厚さ100μmのフィルムを
得た。このフィルムを細片にしてポリエチレン管に入
れ、これにゲラチンベロナール緩衝液で4倍に希釈した
モルモット補体(コーディス・ラボ)200μlを加
え、37℃で1時間攪拌しながらインキュベートした。
補体価はマイヤー変法〔エム・エム・マイヤー(M.
M.Mayer):イムノケミストリー(Immuno
chemistry)第2版、第133頁、シー・シー
・トーマス(C.C.Thomas)出版者、1961
年、参照〕によって求め、コントロールに対する補体消
費率(%CH50)を算出した。 (2)抗血栓性 Lee−white法の全血凝固テストを行ない、コン
トロールであるガラスとの相対凝固時間を求めた。1c
mφ 10cmのガラス製試験管をコントロールとし、
N,N−ジメチルアセトアミドの3%ポリマードープを
用いて乾式法でガラス製試験管内にコートした。これら
の試験管に人の血液を1cc加え37℃で凝固時間を求
めた。
【0021】(実施例1)ペンタメチレンジオール/ヘ
キサメチレンジオール=1/1モル比とジメチルカーボ
ネートから得られたポリカーボネートジオール(PCD
L)(数平均分子量 1950)30mmol及び両末
端がプロパノール基であるポリジメチルシロキサンプロ
ピレンジオール(SiDL)(数平均分子量 194
0)10mmolを窒素気流下、80℃で4時間脱水し
た。両ジオールと脱水したN,N′−ジメチルアセトア
ミド(DMAc)60gと共に攪拌器つき1000ml
セパラブルフラスコに移した。乾燥空気中でヘキサメチ
レンジイソシアネート(HMDI)60mmolを加
え、更にジブチルスズラウレートを仕込み量に対して1
0ppm重量で添加し、窒素下、60℃で3時間攪拌
後、DMAc530gを追加し、プレポリマー溶液とし
た。一方、DL−リジン(Lysin)のNa塩20m
molを30mlの水に溶解した水溶液を調整し、更に
DMAc200gを追加した。このDL−Lysin水
溶液を15℃高速攪拌下プレポリマー溶液に滴下した。
更に15℃で2時間攪拌を続けた。この重合溶液を、多
量の水中に吸入しポリマーを凝固させた。得られた固形
分を乾燥して、PCDLとSiDLが混合したソフトセ
グメントを形成するポリウレタンウレアを得た。得られ
たポリウレタンウレアの補体消費率(%CH50)、相
対凝固時間を測定し結果を表1に示した。
【0022】(実施例2)カーボネートジオール(PC
DL)30mmolに加えて、ポリテトラメチレングリ
コール〔数平均分子量(Mn)1580〕を28mmo
l、ポリジメチルシロキサンプロピレンジオールの量を
12mmolに、ヘキサメチレンジイソシアネートに変
えビス(4−イソシアネートフェニル)メチレン(MD
I)を使用し、触媒を用いずにイソシアネート末端プレ
ポリマーを合成した。さらにD,L−リジンのNa塩に
変えてシスタミンを用いて鎖伸長した以外は実施例1と
同様に重合してポリウレタンウレアを得た。得られたポ
リウレタンウレアの測定結果を表1に示した。 (実施例3)カーボネートジオール(PCDL)30m
molに加えて、ポリエチレンアジペートジオール(M
n 2100)を35mmolポリジメチルシロキサン
プロピレンジオール(Mn 1300)の量を5mmo
lにし、反応時間を8時間とし触媒を用いずに実施例1
と同様にイソシアネート末端プレポリマーを合成した。
鎖伸長も実施例1と同様にしてポリウレタンウレアを得
た。得られたポリウレタンウレアの測定結果を表1に示
した。
【0023】(実施例4)ポリテトラメチレングリコー
ルをポリプロピレングリコール(Mn 1760)に、
MDIを65mmolに変え、DL−リジンをイソシア
ネート残存量に応じて増やした以外は実施例2と同様に
してポリウレタンウレアを得た。得られたポリウレタン
ウレアの測定結果を表1に示した。 (実施例5)HMDI 60mmolにかえて水素化M
DI(HDI)を50mmol用い、鎖伸長剤をDL−
リジンのNa塩をシスチンのジNa塩のイソシアネート
に対するアミノ基当量を用いた以外は実施例1と同様に
してポリウレタンウレアを得た。得られたポリウレタン
ウレアの測定結果を表1に示した。
【0024】(比較例1)PCDL 30mmolを2
0mmolにSiDL 10mmolを20mmolに
変えた以外は実施例1と同様に重合を行なった。鎖伸長
剤を滴下攪拌中に固形物が析出し、均一な重合溶液が得
られなかった。 (比較例2)PCDL 30mmolを39mmolに
SiDL 10mmolを1mmolに変えた以外は実
施例1と同様に重合を行なった。得られたポリウレタン
ウレアの測定結果を表1に示した。 (比較例3)PTMG 28mmolを40mmol
に、SiDLを用いず、鎖伸長剤としてエチレンジアミ
ンのDMAc溶液を用いた以外は実施例2と同様に重合
を行なった。得られたポリウレタンウレアの測定結果を
表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明のポリウレタンは、生体適合性、
抗血栓性に優れ、力学特性を満足し、体内使用時に毒性
が少ない医療用材料である。更に本発明では、ポリシロ
キサンジオールとエーテルジオール等と単純に共重合し
たソフトセグメントであっても充分な抗血栓性を示すこ
とが認められた。いかなる機能、作用によるものか明確
ではないが、共重合させた場合であっても必要量シロキ
サン部分が表面に濃縮されているためではないかと推測
される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に 【式1】 と 【式2】 (式中、nは0から20の整数、mは0から10の整数
    を表わす。)とが交互に連結した構造であって、式中 R1 は、〔1〕(1)炭素数3〜8の1種以上のアルキ
    レン基がエーテル結合で連結した両末端がアルキレン基
    のポリエーテル (2)炭素数2〜8の1種以上のアルキレン基がエステ
    ル及び/又はカーボネート結合で連結した両末端がアル
    キレン基のポリエステル及び/又はポリカーボネートか
    ら選ばれた1種以上の両末端アルキレン基95〜60モ
    ル%と 〔2〕両末端アルキレン基のポリシロキサン5〜40モ
    ル%との混合物をR2 は、分子量500以下の2価の炭
    化水素基をR3 は、塩基性アミノ酸であるアミノ酸のう
    ち第2の塩基性基がアミノ基であるアミノ酸及び/又は
    2つのアミノ基を有する生体アミン類から選ばれた化合
    物から2つのアミノ基を除いた2価の炭化水素基を表わ
    す抗血栓性が優れた医療用ポリウレタンウレア重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5928633A (en) * 1995-05-16 1999-07-27 Toray Industries, Inc. Material for elimination or detoxification of super antigens
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