JP2772434B2 - 無段変速機の油圧クラッチ構造 - Google Patents

無段変速機の油圧クラッチ構造

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JP2772434B2 JP1206129A JP20612989A JP2772434B2 JP 2772434 B2 JP2772434 B2 JP 2772434B2 JP 1206129 A JP1206129 A JP 1206129A JP 20612989 A JP20612989 A JP 20612989A JP 2772434 B2 JP2772434 B2 JP 2772434B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は無段変速機の油圧クラッチ構造に係り、特
にプレッシャプレートのエンドプレートまでの移動量を
変化させ、タッチオフプレッシャ値を変化させてクリー
プ状態を略一定に現出させる無段変速機の油圧クラッチ
構造に関する。
[従来の技術] 車両において、内燃機関と駆動車輪間に変速装置を介
在している。この変速装置は、広範囲に変化する車両の
走行条件に合致させて駆動車輪の駆動力と走行速度とを
変更し、内燃機関の性能を充分に発揮させている。変速
装置には、回転軸に固定された固定プーリ部片とこの固
定プーリ部片に接離可能に回転軸に装着された可動プー
リ部片とを有するプーリの両プーリ部片間に形成される
溝部の幅を増減させることによりプーリに巻掛けられた
ベルトの回転半径を増減させ動力を伝達し、変速比(ベ
ルトレシオ)を変える連続可変変速機がある。
また、特公昭63-63789号公報に開示される直結クラッ
チの圧縮コイルばねの表面かたさと圧縮コイルばね保持
部および係合部の表面のかたさとの差をビッカースかた
さで200以下とし、直結クラッチの耐久性を著しく向上
させている。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、従来の無段変速機の油圧クラッチ構造にお
いては、クラッチ圧を0から徐々に上昇させた場合に、
第7図に示す如く、クラッチ圧が点A以上となると、ピ
ストンがベルビルスプリングの付勢力に抗して動作を開
始する。そして、クラッチ圧を更に上昇させて点Bに達
すると、ピストンに押圧されたプレッシャプレートがフ
リクションプレートを介してエンドプレートに密着す
る。
しかし、入力回転側のクラッチハウジングが回転して
いる場合に、クラッチ圧が点Bに達した際には、出力回
転側のフリクションプレートが回転を開始し、油圧クラ
ッチはトルクを伝達し始めるものである。
前記点Bの値を油圧クラッチのタッチオフプレッシャ
値と言い、また前記プレッシャプレートの移動量たる移
動可能なフルストローク値をパッククリアランスと言
う。
そして、実車においてはクラッチ圧をタッチオフプレ
ッシャ値に制御することにより、停止中にシフト位置が
ドライブ(D)やリバース(R)にある場合に、微弱な
トルクを駆動輪に伝達するというクリープ状態を現出さ
せている。
このとき、油圧クラッチのタッチオフプレッシャ値が
各個体によって夫々異なることにより、クラッチ圧をあ
る一定値に制御した際に、クリープ状態の強さが略一定
とならず、各個体に応じて種々異なるものである。
また、前記パッククリアランスを狭く設定した場合に
は、クラッチ空転時の引きずりや焼き付きが生じ易くな
るため調整が必要であるが、このパッククリアランスの
調整は、タッチオフプレッシャ値程、厳しく行う必要は
ないものである。
このため、クリープ状態を略一定とすべく、各々の油
圧クラッチのタッチオフプレッシャ値を一定に調整する
か、あるいはクリープ状態時のクラッチ圧制御を出力ト
ルク等のフィードバックによるクローズドループ制御す
る方策が考えられる。
しかし、前者のものにおいては、プレッシャプレート
やフリクションプレート、そしてエンドプレートの厚み
方向の寸法公差あるいはハウジングサブ部材のスナップ
リング溝位置等を調整して行うことはできるが、調整作
業に大なる時間を要し、作業性が悪く、実用上不利であ
るという不都合がある。
また、後者のものにおいては、クリープ状態時にクロ
ーズドループ制御をすることにより、検出用センサ等の
不要な部品を装着しなければならないとともに、制御プ
ログラムを作成し直す必要があり、構造が複雑化してコ
ストが大となり、経済的に不利であるという不都合があ
る。
[発明の目的] そこでこの発明の目的は、上述不都合を除去するため
に、ハウジングサブ部材にプレッシャプレートとベルビ
ルスプリングとエンドプレートとを配設して油圧クラッ
チを形成し、プレッシャプレートのエンドプレートまで
の移動量を変化させてタッチオフプレッシャ値を変化さ
せ油圧クラッチのクリープ状態を略一定に現出させるべ
くエンドプレートを前記ハウジングサブ部材に固定する
スナップリングの厚さを異ならしめる構成としたことに
より、実車搭載時にタッチオフプレッシャ値を調整して
クリープ状態を略一定とすることができ、調整作業性を
向上してクラッチ圧制御を簡略化し得るとともに、構成
が複雑化せず、コストを低廉とし得る無段変速機の油圧
クラッチ構造を実現することにある。
[問題点を解決するための手段] この目的を達成するためにこの発明は、クリープ状態
を現出させる始動用油圧クラッチを有する無段変速機の
油圧クラッチ構造において、ハウジングサブ部材内にプ
レッシャプレートとベルビルスプリングとエンドプレー
トとを配設して前記油圧クラッチを形成し、前記プレッ
シャプレートのエンドプレートまでの移動量を変化させ
てタッチオフプレッシャ値を変化させ前記油圧クラッチ
のクリープ状態を略一定に現出させるべく前記エンドプ
レートを前記ハウジングサブ部材に固定するスナップリ
ングの厚さを異ならしめる構成としたことを特徴とす
る。
[作用] 上述の如く構成したことにより、油圧クラッチの実車
搭載時には、スナップリングの厚さを異ならしめてプレ
ッシャプレートのエンドプレートまでの移動量を変化さ
せタッチオフプレッシャ値を変化させて油圧クラッチの
クリープ状態を略一定に現出させ、調整作業性を向上す
るとともに、コストを低廉としている。
[実施例] 以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1〜6図はこの発明の実施例を示すものである。第
2図において、2は無段変速機の例えばベルト駆動式連
続可変変速機、2Aはベルト、4は駆動側プーリ、6は駆
動側固定プーリ部片、8は駆動側可動プーリ部片、10は
被駆動側プーリ、12は被駆動側固定プーリ部片、14は被
駆動側可動プーリ部片である。前記駆動側プーリ4は、
回転軸16に固定される駆動側固定プーリ部片6と、回転
軸16の軸方向に移動可能且つ回転不可能に前記回転軸16
に装着された駆動側可動プーリ部片8とを有する。ま
た、前記被駆動側プーリ10も、前記駆動側プーリ4と同
様に、被駆動側固定プーリ部片12と被駆動側可動プーリ
部片14とを有する。
前記駆動側可動プーリ部片8と被駆動側可動プーリ部
片14とには、第1、第2ハウジング18、20が夫々装着さ
れ、第1、第2油圧室22、24が夫々形成される。このと
き、被駆動側の第2油圧室24内には、この第2油圧室24
の拡大方向に前記第2ハウジング20を付勢するばね等か
らなる付勢手段26を設ける。
前記回転軸16にオイルポンプ28を設け、このオイルポ
ンプ28を前記第1、第2油圧室22、24に第1、第2オイ
ル通路30、32によって夫々連通するとともに、第1オイ
ル通路30途中には入力軸シーブ圧たるプライマリ圧を制
御する変速制御弁たるプライマリ圧制御弁34を介設す
る。また、プライマリ圧制御弁34よりオイルポンプ28側
の第1オイル通路30には第3オイル通路36によってライ
ン圧(一般に5〜25kg/cm2)を一定圧(3〜4kg/cm2
に制御する定圧制御弁38を連通し、前記プライマリ圧制
御弁34に第4オイル通路40によりプライマリ圧力制御用
第1三方電磁弁42を連通する。
また、前記第2オイル通路32途中にはポンプ圧たるラ
イン圧を制御する逃し弁機能を有するライン圧制御弁44
を第5オイル通路46により連通し、このライン圧制御弁
44に第6オイル通路48によりライン圧力制御用第2三方
電磁弁50を連通する。
更に、前記ライン圧制御弁44の連通する部位よりも第
2油圧室24側の第2オイル通路32途中にはクラッチ圧を
制御するクラッチ圧制御弁52を第7オイル通路54により
連通し、このクラッチ圧制御弁52に第8オイル通路56に
よりクラッチ圧制御用第三方向電磁弁58を連通する。
また、前記プライマリ圧制御弁34及びプライマリ圧力
制御用第1電磁弁42、定圧制御弁38、第6オイル通路4
8、ライン圧力制御用第2電磁弁50、そしてクラッチ圧
制御弁52を第9オイル通路60によって夫々連通する。
前記クラッチ圧制御弁52を油圧クラッチたる油圧発進
クラッチ62に第10オイル通路64によって連通するととも
に、この第10オイル通路64途中には第11オイル通路66に
より圧力センサ68を連通する。この圧力センサ68はホー
ルドおよびスタートモード等のクラッチ圧を制御する際
に直接油圧を検出することができ、この検出油圧を目標
クラッチ圧とすべく指令する際に寄与する。また、ドラ
イブモード時にはクラッチ圧がライン圧と等しくなるの
で、ライン圧制御にも寄与するものである。
前記第1ハウジング18外側に入力軸回転検出歯車70を
設け、この入力軸回転検出歯車70の外周部位近傍に入力
軸側の第1回転検出器72を設ける。また、前記第2ハウ
ジング20外側に出力軸回転検出歯車74を設け、この出力
軸回転検出歯車74の外周部位近傍に出力軸側の第2回転
検出器76を設ける。そして、前記第1回転検出器72と第
2回転検出器76との検出信号を後述する制御部(ECU)8
2に出力し、エンジン回転数とベルトレシオとを把握す
るものである。
前記油圧発進クラッチ62には出力伝達用歯車78を設
け、この歯車78外周部位近傍に最終出力軸の回転を検出
する第3回転検出器80を設ける。つまり、この第3回転
検出器80は減速歯車および差動機、駆動軸、タイヤに直
結する最終出力軸の回転を検出するものであり、車速の
検出が可能である。また、前記第2回転検出器76と第3
回転検出器80とによって油圧発進クラッチ62前後の回転
検出も可能であり、クラッチスリップ量の検出に寄与す
る。
更に、車両の図示しない気化器のスロットル開度や前
記第1〜第3回転検出器72、76、80からのエンジン回
転、車速等の種々条件を入力しデューティ率を変化させ
変速制御を行う制御部82を設け、この制御部82によって
前記プライマリ圧力制御用第1三方電磁弁42および定圧
制御弁38、ライン圧力制御用第2三方電磁弁50、そして
クラッチ圧制御用第3三方電磁弁58の開閉動作を制御す
るとともに、前記圧力センサ68をも制御すべく構成され
ている。また、前記制御部82に入力される各種信号と入
力信号の機能について詳述すれば、 、シフトレバー位置の検出信号 ……P、R、N、D、L等の各レンジ信号により各レン
ジに要求されるライン圧やレシオ、クラッチの制御 、キャブレタスロットル開度の検出信号 ……予めプログラム内にインプットしたメモリからエン
ジントルクを検知、目標レシオあるいは目標エンジン回
転数の決定 、キャブレタアイドル位置の検出信号 ……キャブレタスロットル開度センサの補正と制御にお
ける精度の向上 、アクセルペダル信号 ……アクセルペダルの踏込み状態によって運転者の意志
を検知し、走行時あるいは発進時の制御方向を決定 、ブレーキ信号 ……ブレーキペダルの踏込み動作の有無を検知し、クラ
ッチの切り離し等制御方向を決定 、パワーモードオプション信号 ……車両の性能をスポーツ性(あるいはエコノミー性)
とするためのオプションとして使用 等がある。
前記油圧発進クラッチ62は、ハウジングサブ部材84内
にプレッシャプレート86とベルビルスプリング88とエン
ドプレート90とを配設して形成されている。
詳述すれば、第1図に示す如く、前記ハウジングサブ
部材84内にスリーブ92を装着し、このスリーブ92に油圧
室94を形成すべくピストンシール96を介してピストン98
を装着する。
そして、ピストン98にリトラクタプレート100の内周
縁部位を装着するとともに、このリトラクタプレート10
0を一側面側たるピストン98側に付勢すべく一側面にベ
ルビルスプリング88を設け、リトラクタプレート100の
他側面側には前記プレッシャプレート86を装着する。
また、このプレッシャプレート86に摩擦部材102を介
してエンドプレート90を対峙して設け、摩擦部材102を
エンドプレート90側に被着して設け、摩擦部材102の内
周部位をフリクションプレート104に装着し、このフリ
クションプレート104に前記出力伝達用歯車78を連絡し
て設ける。
更に、前記ハウジングサブ部材84とリトラクタプレー
ト100とを第1スナップリング106により装着し、前記ピ
ストン98とリトラクタプレート100とを第2スナップリ
ング108により装着するとともに、ハウジングサブ部材8
4とエンドプレート90とを第3スナップリング110により
装着する。
そして、エンドプレート90をハウジングサブ部材84に
固定する前記第3スナップリング110において、前記プ
レッシャプレート86のエンドプレート90までの移動量を
変化させてタッチオフプレッシャ値を変化させ前記油圧
発進クラッチ62のクリープ状態を略一定に現出させるべ
く第3スナップリング110の厚さを異ならしめる構成と
するものである。
なお112は第4スナップリング、114はオイルパン、11
6はオイルフィルタである。
前記ベルト駆動式連続可変変速機2は、第2図に示す
如く、回転軸16上に位置するオイルポンプ28が回転軸16
の駆動に応じて作動し、そのオイルは変速機底部のオイ
ルパン114からオイルフィルタ116を介して吸収される。
このポンプ圧であるライン圧はライン圧制御弁44で制御
され、このライン圧制御弁44からの洩れ量、つまりライ
ン圧制御弁44の逃し量が大であればライン圧は低くな
り、反対に少なければライン圧は高くなる。
前記ライン圧制御弁44の動作は専用の第2三方電磁弁
50により制御されるものであり、この第2三方電磁弁50
の動作に追従して前記ライン圧制御弁44作動するもので
あり、第2三方電磁弁50は一定周波数のデューティ率で
制御される。即ち、デューティ率0%とは第2三方電磁
弁50が全く動作しない状態であり、出力側が大気側に導
通し出力油圧はゼロとなる。また、デューティー率100
%とは第2三方電磁弁50が動作して出力側が大気側に導
通し、制御圧力と同一の最大出力油圧となり、デューテ
ィ率によって出力油圧を可変させている。
クラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁52は、最大ク
ラッチ圧を必要とする際にライン圧側と導通させ、また
最低クラッチ圧とする際には大気側と導通させるもので
ある。このクラッチ圧制御弁52も前記ライン圧制御弁44
やプライマリ圧制御弁34と同様に、専用の第3三方電磁
弁58によって動作が制御されている。クラッチ圧は最低
の大気圧(ゼロ)から最大のライン圧までの範囲内で変
化するものである。
クラッチ圧の制御には後述する基本パターンがあり、
この基本パターンは、 (1)、ニュートラルモード ……シフト位置がNまたはPでクラッチを完全に切り離
す場合、クラッチ圧は最低圧(ゼロ) (2)、ホールドモード ……シフト位置がDまたはRでスロットルを離して走行
意志の無い場合、あるいは走行中に減速しエンジントル
クを切りたい場合、クラッチ圧はクラッチが接触する程
度の低いレベル (3)、スタートモード ……発進時あるいはクラッチ切れの後に再びクラッチを
結合しようとする場合、クラッチ圧をエンジンの吹き上
がりを防止するとともに車両をスムースに動作できるエ
ンジン発生トルク(クラッチインプットトルク)に応じ
た適切なレベル (4)、ドライブモード ……完全な走行状態に移行しクラッチが完全に結合した
場合、クラッチ圧はエンジントルクに充分に耐えるだけ
の余裕のある高いレベル の4つがある。この基本パターン(1)はシフト操作と
連動する専用の図示しない切換バルブで行われ、他の
(2)、(3)、(4)は前記制御部82による第1〜第
三方電磁弁42、50、58のデューティ率制御によって行わ
れている。特に(4)の状態においては、クラッチ圧制
御弁52によって第7オイル通路54と第10オイル通路64と
を連通させ、最大圧発生状態とし、クラッチ圧はライン
圧と同一となる。
また、前記プライマリ圧制御弁34やライン圧制御弁4
4、そしてクラッチ圧制御弁52は、第1〜第3三方電磁
弁42、50、58からの出力油圧によって夫々制御されてい
るが、これら第1〜第3三方電磁弁42、50、58を制御す
るコントロール油圧は定圧制御弁38で作られる一定油圧
である。このコントロール油圧はライン圧より常に高い
圧力であるが、安定した一定の圧力である。また、コン
トロール油圧は各制御弁34、44、52にも導入され、これ
ら制御弁34、44、52の安定化を図っている。
次に作用について説明する。
次に前記ベルト駆動式連続可変変速機2の電子制御に
ついて説明する。
連続可変変速機2は油圧制御されているとともに、制
御部82からの指令により、ベルト保持とトルク伝達のた
めの適切なライン圧や、変速比変更のためのプライマリ
圧、およびクラッチを確実に結合させるためのクラッチ
圧が夫々確保されている。
前記油圧発進クラッチ62のクラッチ圧を0から徐々に
上昇させると、第1図の白抜き矢印の如く、ピストン98
はベルビルスプリング88の付勢力に抗して動作し、この
ピストン98の動作によってプレッシャプレート86を白抜
き矢印方向に移動させる。そして、更にクラッチ圧を上
昇させると、タッチオフプレッシャ値となり、プレッシ
ャプレート86が摩擦部材102を介してエンドプレート90
に密着し、フリクションプレート104に連絡するもので
ある。
前記油圧発進クラッチ62のタッチオフプレッシャ値
は、第6図に示す如く、プレッシャプレート86の移動量
に比例して変化するものであり、プレッシャプレート86
の移動量は前記第3スナップリング110の厚さによって
変動する。
つまり、第3スナップリング110の厚さA1をA2、ある
いはA3まで薄くすると(A1>A2>A3)、プレッシャプレ
ート86の移動量が大となり、タッチオフプレッシャ値を
B1からB2、あるいはB3まで大とする。また、逆に前記第
3スナップリング110の厚さを大とすると、プレッシャ
プレート86の移動量が小となってタッチオフプレッシャ
値を小とするものである。
これにより、前記第3スナップリング110の厚さを変
更することによってプレッシャプレート86の移動量を容
易に変更することができ、タッチオフプレッシャ値を略
一定に調整し得るとともに、同時にパッククリアランス
をも略一定値に調整し得て、画一的なクリープ状態を得
ることができ、クラッチ圧制御を簡易化し得るものであ
る。
また、厚さの異なる前記第3スナップリング110を数
種用意することにより、タッチオフプレッシャ値を略一
定に調整でき、構成が複雑化せず、コストを低廉とし得
て、経済的に有利である。
更に、前記油圧発進クラッチ62のタッチオフプレッシ
ャ値の調整は組み上げ後に行われていることにより、前
記第3スナップリング110の組付け作業が最終工程であ
るため、前記プレッシャプレート86やフリクションプレ
ート104、あるいはエンドプレート90の厚さを調整する
ものに比し、第3スナップリング110の組替え作業が容
易となり、作業性を向上し得て、実用上有利である。
更にまた、経年使用によって各プレート等の部材が摩
耗し、タッチオフプレッシャ値が大となっても、前記第
3スナップリング110の厚さを異ならしめることによ
り、タッチオフプレッシャ値を所望に調整でき、保守・
点検が容易となるものである。
[発明の効果] 以上詳細に説明した如くこの発明によれば、ハウジン
グサブ部材内にプレッシャプレートとベルビルスプリン
グとエンドプレートとを配設して油圧クラッチを形成
し、プレッシャプレートのエンドプレートまでの移動量
を変化させてタッチオフプレッシャ値を変化させ油圧ク
ラッチのクリープ状態を略一定に現出させるべくエンド
プレートを前記ハウジングサブ部材に固定するスナップ
リングの厚さを異ならしめる構成としたので、スナップ
リングの厚さを変更することによってプレッシャプレー
トの移動量を容易に変更することができ、タッチオフプ
レッシャ値を略一定に調整し得るとともに、同時にパッ
ククリアランスをも略一定値に調整し得て、画一的なク
リープ状態を得ることができ、クラッチ圧制御を簡易化
し得る。また、厚さの異なるスナップリングを数種用意
することにより、タッチオフプレッシャ値を略一定に調
整でき、構成が複雑化せず、コストを低廉として得て、
経済的に有利である。更に、前記油圧クラッチのタッチ
オフプレッシャ値の調整は組み上げ後に行われているこ
とにより、前記スナップリングの組付け作業が最終工程
であるため、前記プレッシャプレート等の各プレートの
厚さを調整するものに比し、スナップリングの組替え作
業が容易となり、作業性を向上し得て、実用上有利であ
る。更にまた、経年使用によって各プレート等の部材が
摩耗し、タッチオフプレッシャ値が大となっても、前記
スナップリングの厚さを異ならしめることにより、タッ
チオフプレッシャ値を所望に調整でき、保守・点検が容
易となるものである。
【図面の簡単な説明】
第1〜6図はこの発明の実施例を示し、第1図は油圧発
進クラッチの動作状態を示す拡大断面図、第2図はベル
ト駆動式連続可変変速機のブロック図、第3図は油圧発
進クラッチの断面図、第4図は油圧発進クラッチの左側
面図、第5図は油圧発進クラッチの右側面図、第6図は
第3スナップリングの厚さとタッチオフプレッシャ値と
の関係を示す図である。 第7図はこの発明の従来技術を示すプレッシャプレート
移動量とクラッチ圧との関係を示す図である。 図において、2はベルト駆動式連続可変変速機、2Aはベ
ルト、4は駆動側プーリ、10は被駆動側プーリ、62は油
圧発進クラッチ、82は制御部、84はハウジングサブ部
材、86はプレッシャプレート、88はベルビルスプリン
グ、90はエンドプレート、98はピストン、100はリトラ
クタプレート、104はフリクションプレート、106は第1
スナップリング、108は第2スナップリング、110は第3
スナップリング、112は第4スナップリングである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クリープ状態を現出させる始動用油圧クラ
    ッチを有する無段変速機の油圧クラッチ構造において、
    ハウジングサブ部材内にプレッシャプレートとベルビル
    スプリングとエンドプレートとを配設して前記油圧クラ
    ッチを形成し、前記プレッシャプレートのエンドプレー
    トまでの移動量を変化させてタッチオフプレッシャ値を
    変化させ前記油圧クラッチのクリープ状態を略一定に現
    出させるべく前記エンドプレートを前記ハウジングサブ
    部材に固定するスナップリングの厚さを異ならしめる構
    成としたことを特徴とする無段変速機の油圧クラッチ構
    造。
JP1206129A 1989-08-09 1989-08-09 無段変速機の油圧クラッチ構造 Expired - Lifetime JP2772434B2 (ja)

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