JP2771579B2 - リチウム合金板の製造法 - Google Patents

リチウム合金板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は例えば非水電解液二次電池の負極として用い
られるリチウム合金板の製造法に関するものである。
ロ.従来の技術 非水電解液二次電池の負極としては、リチウム板が一
般的に知られているが、リチウム単独には充電の際に、
リチウムが負極表面に樹枝状に成長し正極と接して内部
短絡を引起したり、又、モッシー状に析出してリチウム
の脱落が生じ充放電サイクル特性に問題があった。
そこで、特開昭52−5423号公報或いは特開昭59−1637
56号公報に開示されているように、負極としてリチウム
合金を用いることが提案されている。
ところで、リチウム合金の作成法としては、大別して
冶金学的製造法と電気化学的製造法とがあるが、容易に
合金化が可能な点及び非水電解液二次電池の特性が優れ
る点で電気化学的製造法の方が有利である。
非水電解液二次電池の負極としてのリチウム合金を電
気化学的に製造する方法として、特開昭59−208748号公
報には電池内にリチウム板と、リチウムと合金化される
金属板とを配置し、電池内で電池化学的に製造する方法
が開示されている。
この方法においては、リチウム板と金属板間に充分な
圧力がかかっていない状態で合金化されるため、生成せ
るリチウム合金板はソリが大きく電池特性に悪影響を及
ぼし、また電池内で作成すると電池内の電解液が反応す
るため電池のサイクル寿命を短くするという欠点があ
る。
ハ.発明が解決しようとする課題 本発明は非水電解液二次電池の負極として好適する均
質なリチウム合金板を大量に、且つ容易に製造しうる方
法を提案するものである。
ニ.課題を解決するための手段 本発明のリチウム合金の製造法は、帯状のリチウム板
と、リチウムと合金化される帯状の金属板とを、保液材
を介して積重して積重体とし、前記積重体を同一方向よ
り電解液槽に供給し、前記保液材に電解液を含浸させ且
つ前記リチウム板と前記金属板とを電気接続して、前記
電解液槽中に配置した加圧ローラーにより、前記積重体
を積重方向に加圧しつつ順次送出することを特徴とする
ものである。
ホ.作用 本発明によるリチウム合金板の製造法によれば、電解
液槽中に配置せる加圧ローラーにて帯状のリチウム板及
びリチウムと合金化する金属板との積重体を積重方向に
加圧しつつ順次送出するものであるため、リチウム合金
板を連続的に、大量に、且容易に製造することができる
と共に、リチウム板と金属板とを加圧状態で合金化する
ためリチウム板と金属板との距離が一定となり、均一で
且変形、即ちソリのない合金板が得られる。
又、電解液についていえば、合金化時の溶媒としては
リチウム合金の合金化電圧で安定な1.3−ジオキソラン
等の環状エーテルが好ましく、一方電池反応における充
放電時の溶媒としては酸化に対して安定なプロピレンカ
ーボネートとジメトキシエタンとの混合溶媒が好ましい
ものであり、本発明法においては電池外でリチウム合金
を作成するため、合金化時と電池反応時とで適切な電解
液の選択が可能となる利点もある。
ここで合金化されるに際し、より均質な合金を得るた
めに、リチウム板と金属板との間に電解液を含浸させた
保液材を介在させた状態で、積重方向に加圧すると共
に、リチウム板と金属板とを電気接続している。このよ
うにすることで、合金化反応が徐々に進行するので、よ
り均質な合金が得られる。
ヘ.実施例 第1図は、本発明の製造法で使用する製造装置の概略
図を示している。帯状のリチウム板(2)は供給ロール
1により、また合金化する帯状の金属板としてのアルミ
ニウム板(4)が供給ロール(3)により供給される。
(5)は保液材(16)に電解液を含浸させる電解液槽で
あって、1,3−ジオキソランに過塩素酸リチウムを1モ
ル/リットル溶解させた電解液(6)が入っている。
(7a)及び(7b)は、第1の加圧ローラーを構成する
駆動ローラー及び従動ローラーである。同様に、(8a)
及び(8b)、(9a)及び(9b)、(10a)及び(10b)
は、夫々第2〜第4の加圧ローラーを構成する駆動ロー
ラー及び従動ローラーである。各駆動ローラーは、図示
しない駆動源により矢印方向に回転する。(11)はリチ
ウム板(2)を支持するための金属製支持板である。
(12)(12)はアイドルローラーである。
次に、装置の作動を説明するに、リチウム板(2)及
び支持板(11)がガイドローラー(13)(13)を介し
て、またアルミニウム板(4)がガイドシャフト(14)
を介して、電解液槽(5)に供給される。更に、リチウ
ム板(2)とアルミニウム板(4)との間に配置される
保液材(16)も、供給ロール(17)によりガイドシャフ
ト(18)を介して電解液槽(5)に供給される。これら
は積重体を構成し、積重方向に加圧されつつ順次送出さ
れ、この加圧状態においてリチウム−アルミニウム合金
板(15)が形成される。そして、得られた合金板(15)
は、図示しないが例えば巻取ロールに巻き取られ、電解
液槽(5)より搬出される。
上記保液材(16)は合金板(15)とは分離されて、巻
取ロール(19)に巻き取られる。この保液材(16)には
電解液(6)が含浸され、リチウム板(2)とアルミニ
ウム板(4)との間に介在されリチウム板(2)とアル
ミニウム板(4)とが電気接続されているので、リチウ
ム板(2)とアルミニウム板(4)との合金化反応が徐
々に進行することになり、均質なリチウム合金を得るこ
とができる。
この実施例では、保液材(16)がポリプロピレン或い
はポリエチレン等の絶縁性部材であるので、加圧ローラ
ーを構成する駆動ローラー(7a)(8a)(9a)(10a)
及び従動ローラー(7b)(8b)(9b)(10b)の表面を
導電性とし、且つこれらを電気接続させている。この結
果、この実施例では、帯状のリチウム板(2)と、合金
化する帯状の金属板としてのアルミニウム板(4)とが
電気接続された状態となっている。
尚、保液材として、金属繊維集合体のように導電性を
有するもので構成するのであれば、駆動ローラーと従動
ローラーとを電気接続しておく必要はない。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
リチウムと合金化する金属としてはアルミニウム以外
に、鉛、スズ、カドミウム、ビスマス、ケイ素、インジ
ウム、亜鉛、マグネシウムなどの金属、或いはこれらの
金属にマンガン、クロム、鉄、タングステリン、モリブ
デン、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、チタン、バ
ナジウムなどを1種以上添加した金属であっても良い。
又、合金化時の溶媒としては1、3−ジオキソラン以
外に、4−メチル−1、3−ジオキソラン、2−メチル
−1、3−ジオキソラン、2、4−ジメチル−1、3−
ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テト
ラヒドロフラン、3−メチル−テトラヒドロフラン等の
環状エーテルが好ましい。これは環状エーテルが耐還元
性に優れるため、リチウム合金上に被膜が生成するのを
抑制する効果があることに起因する。
ト.発明の効果 上途した如く、本発明によれば、特に非水電解液二次
電池の負極として好適する均質なリチウム合金板を連続
的に、大量に、且容易に製造することができるものもあ
り、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造法で使用された合金製造装置の概
略図である。 (1)(3)(17)……供給ロール、(2)……リチウ
ム板、(4)……アルミニウム板、(5)……電解液
槽、(6)……電解液、(7a)(8a)(9a)(10a)…
…駆動ローラー、(7b)(8b)(9b)(10b)……従動
ローラー、(11)……支持板、(15)……リチウム合金
板、(16)……保液材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−208748(JP,A) 特開 昭63−202851(JP,A) 特開 昭63−317634(JP,A) 特開 昭63−157822(JP,A) 特開 平2−215045(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/04 C22C 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状のリチウム板(2)と、リチウムと合
    金化される帯状の金属板とを、保液材(16)を介して積
    重して積重体とし、 前記積重体を同一方向より電解液槽(5)に供給し、前
    記保液材(16)に電解液(6)を含浸させ且つ前記リチ
    ウム板(2)と前記金属板(4)とを電気接続して、前
    記電解液槽(5)中に配置した加圧ローラー(8a、8b、
    9a、9b、10a、10b、11a、11b)により、前記積重体を積
    重方向に加圧しつつ順次送出することを特徴とするリチ
    ウム合金板の製造法。
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