JP2771052B2 - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

ドラム式洗濯乾燥機

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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾燥用ヒータ取り付け
部の構造を改善したドラム式洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のドラム式洗濯乾燥機(図7、図8
参照)においては、ドラム3による洗濯は、外箱1と水
槽2の前面側に設けられた開口部から被洗濯物を入れて
開口部の蓋を閉め、洗剤を溶かした洗濯水を上方から滴
下して被洗濯物に含ませ、ドラム3を低速回転させるこ
とにより行われる。洗濯後のすすぎも、洗濯時と同様に
ドラム3を低速回転させて行われる。
【0003】脱水作業は、ドラム3を高速回転させて被
洗濯物をドラム3の周壁内面に押し付け、被洗濯物に含
まれている水分をドラム3の周面に設けられた多数の小
孔5から水槽2内に吹き飛ばし、水槽2の下部に集めら
れた水を排水弁9を通して機外に排出して行われる。
【0004】脱水後の乾燥作業は、水槽2の上部内側に
設けられた乾燥用ヒータ6に通電し、水槽2の内部の空
気を加熱しながらドラム3を低速回転して行われる。乾
燥用ヒータ6により高温に加熱された水槽2内の空気
は、ドラム3により攪拌され、被洗濯物を含む水槽2内
の全体の温度を上昇させて被洗濯物に含まれる水分を蒸
発させる。高温多湿状態となった乾燥用空気は、水槽2
の底部に接続された循環パイプ8の下方内部で直接に冷
却水と接触して水分を凝縮除去された後、送風機7によ
り乾燥用ヒータ6に供給され、再び乾燥温度に加熱され
る。水分を除去された乾燥用空気は、被洗濯物の乾燥が
完了するまで繰り返し循環されて被洗濯物の水分を蒸発
させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のドラム式洗濯乾
燥機のように、水槽2の上部内側に設けられた乾燥用ヒ
ータ6により乾燥する場合には、乾燥用の加熱空気は被
洗濯物の中を通過することなく、水槽2の内部全体を加
熱して被洗濯物の水分を蒸発させるため、被洗濯物に直
接に接触して水分を蒸発させる加熱空気の割合が著しく
少なくなり、乾燥効率を低くしていた。また、乾燥用の
加熱空気はドラム3の周壁に設けられた多数の小孔5か
らもドラム3内に導かれるが、被洗濯物自体が加熱空気
の通風の妨げとなるため、被洗濯物の中心部の水分蒸発
が阻害される。それ故、加熱空気によって乾燥できる被
洗濯物の量は少なくなり、通常は洗濯容量の1/2程度
が限界となっていた。
【0006】しかも、被洗濯物の中心部まで十分乾燥さ
せた状態では、ドラム3の周壁に近い部分の被洗濯物の
温度が著しく高くなり、被洗濯物の布地を傷めていた。
また、乾燥用ヒータ6を水槽2の上部内側に設ける構成
のものは、被洗濯物の出し入れを前面から行なうフロン
トローディング方式のものに対しては適用可能である
が、被洗濯物の出し入れを水槽2の上部から行なうトッ
プローディング方式のものに対しては、乾燥用ヒータ6
は取り付け場所について大きな制約を受けるだけでな
く、形状についても制約を受けるため、乾燥に適した形
状を取ることが困難になる。このため、設計入力が不足
したり、ヒータのW密度が大きくなる等の問題があっ
た。このような状態では、1組のヒータによっては十分
な入力が確保できず、複数のヒータを別々に取り付ける
ことになるため、組立て性が悪くなるとともに送風通路
も複雑になっていた。
【0007】本発明はこれらの事情に鑑みてなされたも
ので、被洗濯物に直接接触して水分を蒸発させる乾燥用
加熱空気の割合を多くし、フロントローディング方式と
トップローディング方式のいずれのものに対しても、乾
燥用ヒータ6の取り付け場所や形状についてなんらの制
約を受けずに、かつ洗濯容量に対して多くの被洗濯物を
その布地を傷めることなく、高い乾燥効率によって乾燥
できるようにしたドラム式洗濯乾燥機の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、外箱と、外箱内に弾性部材や吸振部材によ
って保持される水槽と、水槽内に回転可能に支持され、
かつ周側面に多数の小孔が形成されたドラムと、水槽の
側面に取り付けられた円弧状の乾燥用ヒータとを備え、
前記乾燥用ヒータは、水槽の側面の上半部に形成された
外向きの円弧状凹溝内に収納され、乾燥用ヒータが収納
された水槽の円弧状凹溝は、円弧状のヒータカバーによ
って遮閉されるとともに、その中間部に乾燥用空気の吹
き込み口が設けられ、ヒータカバーは円弧状の両端部に
乾燥用空気のドラムへの吹き出し口が設けられている
ラム式洗濯乾燥機である。
【0009】前記乾燥用ヒータは、複数個の円弧状ヒー
タによって構成され、各円弧状ヒータはそれぞれ単独に
通電できるようにした構成とすることが好ましい。ま
た、組立て性を良くするためには、乾燥用ヒータは、複
数個の円弧状ヒータの両端にフランジが設けられ、2つ
のフランジは水槽の一方の側面または乾燥用ヒータが収
納されるヒータケースに取り付けられる構成とするのが
よい。そして、ヒータ容量の制御をきめ細かく行なうこ
とができるようにするためには、複数個の円弧状ヒータ
はそれらの容量に差が設けられた構成とすることが好ま
しい。
【0010】
【作用】本発明では、乾燥用ヒータは、平面内で円弧状
に湾曲して形成され、水槽内の側面図に取り付けること
ができる構成となっているため、フロントローディング
方式とトップローディング方式のいずれのドラム式洗濯
乾燥機に対しても、取り付け場所や形状についてなんら
の制約も受けなくなり、ドラム内に供給された乾燥用加
熱を被洗濯物に対して十分に接触させ、被洗濯物に含ま
れる水分を効率良く蒸発させる。
【0011】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づき詳述する。な
お、これによって本発明が限定されるものではない。
【0012】図1および図2において、1は脚1aを有
する外箱で、この外箱1内には、水槽2と、洗濯槽およ
び脱水槽を兼ねるドラム3とが収納されている。水槽2
は、上部を複数個のバネ4によって外箱1の内面から吊
り下げられるとともに、下部を複数個のダンパー4Aに
より外箱1の内面に支持され、洗濯・脱水時の振動が収
納できる構造となっている。
【0013】水槽2の内部には、ドラム3が水平軸3
A,3Aによって回転可能に保持されている。ドラム3
は、周壁に洗濯液を供給、または排出させるための小孔
5が多数設けられるとともに、側壁部に乾燥用の過熱空
気を通すための通風孔12が多数設けられている。ま
た、ドラム3の内部には、洗濯性能や乾燥性能を向上さ
せるためのツイスタ13が、ドラム3と同軸に回転する
よう一方の水平軸3Aに固定されている。
【0014】水槽2の一方の側壁の上半部には、円弧状
凹溝14が絞り加工その他の手段によって外向きに形成
されている。水槽2の円弧状凹溝14は、水槽2と別個
に形成された別部品を溶接等で水槽2と固着して形成し
てもよい。6は水槽2の円弧状凹溝14内に取り付けら
れた乾燥用ヒータである。乾燥用ヒータ6を収納した円
弧状凹溝14は、ドラム3側に向いた開口部を円弧状の
ヒータカバー15によって遮閉されている。乾燥用ヒー
タ6による乾燥用空気の加熱は、円弧状凹溝14とヒー
タカバー15とによって形成された円弧状の空間部内で
行われる。
【0015】円弧状凹溝14の中間部には、乾燥用空気
の吹き込み14aが設けられ、この吹き込み口14a
は、接続ダクト16により送風機7の吐出口と接続され
ている。また、ヒータカバー15の円弧状の両端部に
は、乾燥用空気の吹き出し口24,24が設けられてい
る(図4参照)。円弧状の両端部に設けられる吹き出し
口24,24は1個ずつに限定されず、それぞれ複数個
ずつ(図4では2個ずつ)設けてもよい。
【0016】円弧状両端部の吹き出し口24,24の大
きさは、それらから吹き出される乾燥用空気の吹き出し
風量が均一になるように決められる。円弧状の両端部に
それぞれ2個ずつの吹き出し口24,24aが設けられ
る場合には、円形状凹溝14の吹き込み口14aからの
通風経路の長さが長い吹き出し口24の方が、短い吹き
出し口24aより大きくなるように決められ、両方の吹
き出し口24,24aの面積は、吹き出し風量ができる
だけ均一になるように決められる。ヒータカバー15
は、絞りや曲げ、リブ等が形成されて補強されるととも
に、水槽2に取り付けた場合にソリ等が出ないようにさ
れている。
【0017】円形状凹溝14が形成されているのと反対
側の水槽2の下半部には、被洗濯物と接触した後の高温
多湿の空気を取り出すため、温風の吐き出し口17が設
けられている。33は温風の吐き出し口17に接続され
た温風循環ダクト33で、この温風循環ダクト33は、
熱交換器18を介して送風機7の吸い込みと接続されて
いる。
【0018】水槽2の上部と外箱1の上面との間に、被
洗濯物の出し入れを行なう投入口19が設けられてお
り、投入口19は上蓋20によって閉止されている。1
1はドラム駆動モータで、この駆動モータ11の回転
は、モータ軸に固定されたプーリ21Aとドラム3の水
平軸3Aに固定されたプーリ21Bと、これらの間に張
設されるベルト21によってドラム3に伝えられる。
【0019】図3は乾燥用ヒータ6の一例を示したもの
で、乾燥用ヒータ6の円弧状のヒータ6a、6b、6c
から構成されており、それらの両端はヒータフランジ2
3,23で固定され、各ヒータ6a〜6cにそれぞれ単
独でも通電できるようになっている。乾燥用ヒータ6
は、各ヒータフランジ23にそれぞれパッキン31を取
り付け、水槽2の円形状凹溝14、または、後述する他
の実施例において乾燥用ヒータ6が収納されているヒー
タケース28の壁面を挟み込むようにして水槽2に固定
される(図5、図6参照)。乾燥用ヒータ6の取り付け
部は、水槽2の側壁を絞り加工で形成した円形状凹溝1
4に複数個のヒータ支持アングル25をスポット溶接等
で固定し、このヒータ支持アングル25にヒータカバー
15がネジ2bが固定されている。
【0020】図6は乾燥用ヒータ6の取り付け部の他の
実施例を示したもので、水槽2には温風の吹き出し口2
4と水抜き孔27を設けるのみとし、乾燥用ヒータ6は
ヒータケース28をシールパッキン29を介してネジ3
0により水槽2に取り付ける構成としている。この構成
の場合、水槽2の加工が容易になるとともに、ヒータケ
ース28と乾燥用ヒータ6を前以て組立てておけるた
め、作業性、保守性の改善を図ることができる。
【0021】次に、乾燥運転を中心として装置の動作に
ついて説明する。洗濯、すすぎ、脱水工程が完了したあ
との乾燥は、乾燥用ヒータ6に通電し、送風機7を回し
て温風を循環させることにより行われる。このとき、被
洗濯物と温風とを十分に接触させるため、ドラム3は低
速で回転される。
【0022】乾燥工程が始まると、送風機7から送り出
された加熱空気は、循環経路内を移動して吹き込み口1
4aから乾燥用ヒータ6の取り付け部に入る。そして、
水槽2の円弧状凹溝14とヒータカバー15とで構成さ
れた断面が長方形状の円弧状空間部を流れ、乾燥用ヒー
タ6によって乾燥温度に加熱され、ヒータカバー15の
吹き出し口24からドラム3の側壁部の通風孔12を通
ってドラム3内に吹き込まれる。
【0023】ドラム3内では、ドラム3を横断する温風
は被洗濯物と十分に接触して被洗濯物から水分を蒸発さ
せ、ドラム3の周壁に設けられた多数の小孔5からドラ
ム3の外側に排気される。被洗濯物から水分を奪った高
温多湿の空気は、水槽2の側面の温風吐き出し口17に
集められ、温風循環ダクト33と熱交換器18とを通っ
て送風機7に戻される。このとき、熱交換器18の内部
で冷却され、除湿された空気は、乾燥用ヒータ6によっ
て再び加熱され、ドラム3に吹き込まれる。以上のサイ
クルを繰り返すことにより乾燥が行われる。
【0024】乾燥用空気は、水槽2の円形状凹溝14と
ヒータカバー15とで構成される円弧状の通風経路を通
ってドラム3内に吹き込まれ、ドラム3を横断する空気
の流れを形成して被洗濯物全体を通過するため、乾燥用
加熱空気は、被洗濯物に対して局部的な温度上昇や乾燥
ムラを起こすことなく水分を蒸発し、高い乾燥効率によ
って被洗濯物を乾燥することができる。このため、一般
のドラム式洗濯乾燥機のように、水槽2内部の温度が1
00℃近くまで上昇することがなくなり、一般の衣類乾
燥機なみの60℃程度となる。
【0025】また、乾燥用ヒータ6は、単独でも通電で
きる複数個の円弧状ヒータによって構成されているた
め、通電するヒータ本数の組合わせを変えると、低温で
の乾燥が必要な化学繊維製の布などの乾燥温度を、割合
広い温度範囲にわたって容易に制御することができる。
例えば、全体のヒータ容量が1200Wの乾燥用ヒータ
を350、400、450Wの3本の円弧状ヒータによ
って構成すると、ヒータ通電の組合わせは、7段階に調
整することが可能となる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、次に記載するすぐれた
作用効果を奏する。請求項1に記載のドラム式洗濯乾燥
機においては、乾燥用空気が水槽の側面部に形成された
円弧状凹溝の中間部から内部に供給され、円弧状凹溝と
ヒータカバーとによって形成された遮閉空間部で乾燥用
ヒータによって加熱されて、円弧状のヒータカバーの両
端部の吹き出し口からドラム内に供給されるため、小さ
なスペースで乾燥用ヒータと乾燥用空気との接触時間を
充分にとることができて乾燥用ヒータにて乾燥用空気を
効率良く加熱することができる。また、乾燥用ヒータが
水槽の上部に設けられる場合に比べて、乾燥用加熱空気
を被洗濯物に十分に接触させることができ、洗濯容量に
比べて多くの被洗濯物を布地を傷めずに、効率良く乾燥
することができる。
【0027】請求項2に記載のドラム式洗濯乾燥機にお
いては、ヒータカバーの両端部に設けられた複数個ずつ
の吹き出し口の面積は、吹き出し口から吹き出し口への
通風経路の長さに応じて変化されているため、吹き出し
口からの吹き出し量を流路抵抗に影響されずに決めて、
被洗濯物を短時間で効率良く乾燥することができる。
【0028】請求項3に記載のドラム式洗濯乾燥機にお
いては、円弧状凹溝は、下端部に水抜き用の開口部が設
けられているため、乾燥用ヒータが洗濯液によって損傷
されるのを防止することができる。
【0029】請求項4に記載のドラム式洗濯乾燥機にお
いては、ヒータカバーの円弧状両端部の吹き出し口の面
積は、それらから吹き出される乾燥用空気の吹き出し風
量が均一になるように決められているため、接続ダクト
が円弧状凹溝とほぼ平行に接続される場合にも、被洗濯
物を均一に加熱して乾燥効率を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を一部分破断して示した正面
図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】乾燥用ヒータの一実施例を示す正面図である。
【図4】ヒータカバーの一実施例を示す正面図である。
【図5】乾燥用ヒータの取り付け状態の詳細を示す断面
図である。
【図6】乾燥用ヒータの取り付け状態の他の実施例を示
す断面図である。
【図7】従来例の正面から見た断面図である。
【図8】従来例の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 外箱 2 水槽 3 ドラム 5,12 小孔 6,6a〜6c 乾燥用ヒータ 23 フランジ 28 ヒータケース

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外箱と、外箱内に弾性部材や吸振部材に
    よって保持される水槽と、水槽内に回転可能に支持さ
    れ、かつ周側面に多数の小孔が形成されたドラムと、水
    槽の側面に取り付けられた円弧状の乾燥用ヒータとを備
    え、 前記乾燥用ヒータは、水槽の側面の上半部に形成された
    外向きの円弧状凹溝内に収納され、 乾燥用ヒータが収納された水槽の円弧状凹溝は、円弧状
    のヒータカバーによって遮閉されるとともに、その中間
    部に乾燥用空気の吹き込み口が設けられ、ヒータカバー
    は円弧状の両端部に乾燥用空気のドラムへの吹き出し口
    が設けられている ドラム式洗濯乾燥機。
  2. 【請求項2】 乾燥用空気の吹き出し口は、ヒータカバ
    ーの両端部にそれぞれ複数個ずつ設けられるとともに、
    各吹き出し口の面積は、乾燥用空気の吹き込み口から吹
    き出し口への通風経路の長さに応じて変化された請求項
    1に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  3. 【請求項3】 水槽の側面部に形成された円弧状凹溝
    は、下端部に水抜き用の開口部が設けられている請求項
    に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  4. 【請求項4】 ヒータカバーの円弧状両端部の吹き出し
    口の面積は、それらから吹き出される乾燥用空気の吹き
    出し風量が均一になるように決められた請求項1に記載
    のドラム式洗濯乾燥機。
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