JP2771050B2 - スペクトラム拡散通信装置 - Google Patents

スペクトラム拡散通信装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】交換機と複数の移動機の間でスペ
クトラム拡散された通信信号を通信するスペクトラム拡
散通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スペクトラム拡散変調により二者
間の通信を行なう場合は、あらかじめ各装置に割り当て
られた拡散符号が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では、多元接続に適した拡散符号の数が少ない
ので、スペクトラム拡散を用いて交換機を構成しようと
すると、接続可能な移動機の数が少なくなってしまうと
いう問題があった。また、通信を行なう時に拡散符号を
割当てるようにしても、拡散符号は、符号長が長いの
で、拡散符号自体を交換機から移動機に通知するように
すると、その通知のための手順が長くなってしまうとい
う問題が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、交換機
と複数の移動機の間でスペクトラム拡散された通信信号
を通信するスペクトラム拡散通信装置において、上記移
動機は、複数の拡散符号を記憶する記憶手段を有し、上
記交換機は、通信信号をスペクトラム拡散するための拡
散符号を上記複数の拡散符号から選択する選択手段と、
上記移動機との通信開始時に、上記選択された拡散符号
を指定する指定信号を上記通信を行う移動機に送信する
送信手段と、上記通信を行う移動機により上記拡散符号
で拡散されて送信された通信信号を復調する復調手段
と、上記復調手段により復調された上記通信信号を交換
する交換手段とを有し、上記移動機は、上記指定信号に
より指定された拡散符号を上記記憶手段から読み出し、
読み出した拡散符号を用いて通信信号を拡散して送信す
ることにより、少ない拡散符号を多くの移動機が拡散符
号を共用することができるとともに、交換機から移動機
に拡散符号自体を送信せずに済むので、簡単な手順で、
交換機と移動機が用いる拡散符号を合わせることができ
る。
【0005】
【実施例】図1は本発明を実施したシステムの構成図で
ある。101は一般加入者回線、PBX(構内交換機)
内線等の回線である。102は1回線以上の外線と、1
回線以上の内線を収容し、交換機能を有する主装置、1
03〜105は、主装置と接続された電話機、106〜
108は、主装置と接続された固定機、109〜116
は固定機と無線で接続された移動機である。
【0006】例えば、固定機106は移動機109、1
10を、固定機107は移動機111、112を、固定
機108は移動機113〜116を管理するものとす
る。
【0007】図2は固定機106〜108のブロツク図
である。主装置102の内線201を回線インターフエ
ース202が収容する。回線インターフエース202
は、音声処理回路203を介して送受信部204に接続
される。回線インターフエース202、音声処理回路2
03、送受信部204は、制御部205により制御さ
れ、又移動機に対する制御データはモデム206を介し
て音声処理装置203と制御部205の間で入出力され
る。
【0008】システム内で使用する拡散符号はROM
(リードオンリメモリ)207に記憶されており、主装
置102により決定された拡散符号を制御部205がR
OM207から読み込み、送受信部204を制御する。
【0009】209は無線信号の送信、受信兼用のアン
テナである。
【0010】図3は移動機109〜116のブロツク図
である。送話器302、受話器301は、音声処理回路
303を介して送受信部304に接続され、アンテナ3
05により無線で固定機と接続される。
【0011】制御部306は、固定機により指定された
拡散符号をROM307から読み込み、送受信部304
を制御する。又、制御部306はモデム308を介して
音声処理回路303と結ばれ、又キーパツト309から
の入力信号を受け、表示部310に表示する。電源部3
11は、携帯のためバツテリーとする。
【0012】ROM207、307は複数の拡散符号
(制御用拡散符号を含む)を記憶している。
【0013】図4は、図2、図3に示した送受信部20
4、304のブロツク図である。401は送信部を示
し、402は受信部を示す。音声処理回路203、30
3から出力された送信信号は、乗算器403に入力さ
れ、局部発振器404の出力との積を取ることによって
搬送波に乗せて乗算器407に出力される。その変調信
号は乗算器407により拡散符号発生器405から出力
される拡散符号が乗算されスペクトラム拡散変調させ
る。そして増幅器406を介してアンテナ209、30
5から送信される。
【0014】尚、拡散符号発生器405は図2、図3に
示した制御部205、306によって制御される。
【0015】アンテナ408から受信した信号は、増幅
器411を介して、乗算器410に受信される。乗算器
410は受信信号と拡散符号発生器412から出力され
る拡散符号との積をとることによって、スペクトラム拡
散変調を復調する。復調された受信信号は、BPF41
3を介して復調器414で搬送波が取り除かれ、音声処
理回路203、303へ送られる。
【0016】一方、同期回路415は、受信信号との同
期を取り、同期がとれると、制御部205、306へ同
期確立信号416を送る。
【0017】この様に、拡散符号発生器405、412
は制御部205、306により制御され、随時、指定さ
れた拡散符号を発生する。
【0018】図5は本実施例のシステムにおける外線着
呼シーケンスを示した図である。局線101から呼出信
号S1)が主装置102に入力されると、主装置102
のCPU(中央処理部)121はメモリ122を参照し
ては、システム内の空き拡散符号を検索し、使用する拡
散符号を決定する。そしてCPU121は決定した拡散
符号の符号指定信号を着呼信号(S2)に乗せて、固定
器106〜108へ送出する。尚、CPU121はメモ
リ122に、夫々の拡散符号が使用中か空いているかを
管理しておく。
【0019】固定器106〜108は、主装置102よ
り指定された拡散符号の符号指定信号が含まれた着呼信
号(S3)をあらかじめROM207に設定された制御
用拡散符号により拡散して移動器109〜116へ送信
する。
【0020】着呼信号(S3)を受信した移動機109
〜116は指定された拡散符号をROM307から読み
出して着呼応答信号(S4)、符号切換完了信号(S
5)を拡散し、固定機106〜108へ送信する。符号
切換完了信号(S5)を受信した固定機106〜108
は移動機100〜116へ同じく符号切換完了信号(S
6)、ベル鳴動信号(S7)を指定された拡散符号で拡
散して送信する。
【0021】ベル鳴動信号(S7)によって移動機10
9〜116は、ベルを鳴らし、オフフツクされるとオフ
フツク信号(S8)を固定機106〜108に送信す
る。オフフツク信号(S8)を受信した固定機106〜
108は移動機109〜116へ音声回路オン信号(S
10)を、主装置102へ局線捕捉命令(S9)を送出
する。移動機109〜116はオンフツクされるとオン
フツク信号(S12)、終話信号(S13)を固定機1
06〜108に送信する。固定機106〜108は、終
話信号(S13)を受信すると、主装置102へ局線切
断命令(S14)を送出し、通話(S11)を終了す
る。
【0022】図6は、本実施例のシステムにおける外線
発呼シーケンスを示した図である。
【0023】移動機109〜116はオフフツクされる
と発呼信号(H1)を固定機106〜108に送信す
る。発呼信号(H1)は制御用拡散符号を用いて拡散し
て送信される。固定機106〜108は制御用拡散符号
を用いて受信信号を逆拡散しており、発呼信号(H1)
を受信すると主装置102に対してシステム内の空き符
号を検索し、使用する拡散符号を指定するように、符号
検索命令(H2)を送出する。
【0024】符号検索命令(H2)を受けた主装置10
2は、使用する拡散符号を決定した後、固定機106〜
108へ、符号指定信号(H3)を送る。固定機106
〜108は符号指定信号(H3)を受けて、制御用拡散
符号を用いて符号指定信号(H4)を拡散して移動機1
09〜116へ送信する。符号指定信号(H4)を受信
した移動機109〜116は、指定された拡散符号を用
いて符号切換完了信号(H5)を拡散して固定機106
〜108へ送信する。
【0025】固定機106〜108は符号切換完了信号
(H5)を受信すると移動機109〜116へ同じく符
号切換完了信号(H6)を送信し、続いて、音声回路オ
ン信号(H7)を送信する。一方、主装置102へは局
線捕捉命令(H8)を送出し、局線を捕捉する(H
9)。移動機109〜116はダイヤル信号(H10)
を送り、相手が応答すると通話状態(H11)となる。
以下H12〜H14はS12〜S14と同じである。
【0026】図1のシステム構成図では、主装置102
と固定機106〜108は別々の装置として、扱ってい
るが、主装置102に固定機106〜108を内蔵する
様にしてもよい。
【0027】この様に、主装置102のCPU121
は、外線101からの着呼を検出した時、又は移動機1
09〜116からの発呼を固定機106〜108を介し
て検出した時に、メモリ122の拡散符号使用状況テー
ブルを参照して、使用されていない拡散符号の1つを選
択する。そしてCPU121は、選択した拡散符号を特
定する番号を固定機106〜108に(発呼時は発呼を
検出した固定機に)、通知する。選択した拡散符号は使
用中として使用状況テーブルに登録する。
【0028】一方、通話が終るとCPU121はその拡
散符号の状況を空にする。
【0029】又、CPU121は着呼時はいずれかの内
線が応答した時、発呼時は外線の被呼側が応答した時
に、交換部120を制御して内線と外線を接続する。
【0030】固定機106〜108の制御部206は待
機状態において、回線インターフエース部202を介し
た外線又は内線からの着呼の検知と、送受信部204及
びモデム308を介した発呼の検知を行なっている。送
受信部204を介した発呼の検知のために、制御部20
6は、ROM205から制御用拡散符号を読み出して拡
散符号発生器412に設定し、上りの周波数帯における
受信信号の逆拡散を行なう。
【0031】外線又は内線からの着呼が選択された拡散
符号の番号とともに主装置102から通知されると、固
定機106から108の制御部205は、制御用拡散符
号(逆拡散のための制御用拡散符号と異なるものでもよ
い)をROM207から読み出して拡散符号発生器40
5に設定し、選択された拡散符号の番号が含まれる着呼
信号をモデム206を介して拡散してアンテナ209か
ら下りの周波数帯に送信する。
【0032】そして、固定器106〜108の制御部2
05は、主装置102から通知された拡散符号を特定す
る番号に基づいて、ROM207から拡散符号を読み出
して拡散符号発生器412に設定し、移動機109〜1
16からの応答を待つ。
【0033】一方、制御用拡散符号を用いた上りの周波
数帯(下りの周波数帯とかさならない周波数帯)の逆拡
散中に移動機109〜116による発呼がモデム206
により検出されると、固定機106〜108の制御部2
05は、主装置102に拡散符号の検索を要求する。そ
して主装置102から拡散符号の通知を受けると、制御
部205は制御用拡散符号を拡散符号発生機405に設
定し、選択された拡散符号の番号をモデム206を介し
て拡散して発呼した移動機に通知する。
【0034】そして、固定機106〜108の制御部2
05は、主装置102から指定された拡散符号を拡散符
号発生機412に設定し、発呼した移動機による応答を
待つ。
【0035】着呼の場合であっても、発呼の場合であっ
ても、指定した拡散符号で拡散された応答信号が移動機
から受信されると、制御部205は移動機が応答した旨
を主装置102に通知し、その後、通話状態にする。
【0036】移動機109〜116の制御部306は、
待機状態において、送受信部304及びモデム308に
より着呼の検出と、キーパツト309による発呼指示を
行なう。
【0037】制御部306は、待機時において制御用拡
散符号をROM308から読み出して拡散符号発生器4
06に設定し、下りの周波数帯の受信信号を逆拡散す
る。着呼信号がモデム308により検出されると、制御
部306は着呼信号に含まれる拡散符号を特定する番号
に基づいて、拡散符号をROM307から読み出して拡
散符号発生器405に設定し、応答信号をモデム308
を介して拡散し、上りの周波数帯に送出する。
【0038】そして制御部306は、同様に制御用拡散
符号をROM307から読み出して拡散符号発生器41
2に設定し、固定器106〜108からの制御信号に備
える。
【0039】キーパツド309による発呼の指示があっ
た場合、制御部306は、制御用拡散符号をROM30
7から読み出して拡散符号発生器406に設定し、発呼
信号をモデム308を介して上りの周波数帯に送出す
る。同様に、制御用拡散符号を拡散符号発生器412に
設定し、固定器106〜108からの応答を待つ。
【0040】そして、固定器106〜108から拡散符
号が指定されると、制御部306は指定された拡散符号
をROM307から読み出して拡散符号発生器405に
設定し、モデム306を介して符号切換信号を上りの周
波数帯へ送出する。同様に、拡散符号発生器412に指
定された拡散符号を設定して、その後の制御信号、通話
音声信号の受信に備える。
【0041】この様に、本実施例では拡散符号を主装置
が管理しているので、拡散符号を有効に使用することが
できる。すなわち符号分割による多元接続に適した符号
の数は少ない。したがって、各固定器に拡散符号を固定
的に割り当ててしまうと、システム内には使用可能な拡
散符号と同じ数しか固定器を設けることはできない。
【0042】これに対して、本実施例では、通話時に拡
散符号を各固定機に割り当てているので、システム内に
使用可能な拡散符号より多くの固定機を設けることがで
きる。
【0043】移動器109〜116からの発呼時に、す
べての拡散符号(制御用拡散符号)が使用中の場合、主
装置102のCPU121は発呼を検出した固定器にそ
の旨を通知する。その通知を受けた固定器の制御部30
6は制御用拡散符号によりビジー信号を拡散して下りの
周波数帯に送出する。ビジー信号を受信した発呼移動機
の制御部306は受話器301を介してビジートーンを
送出する。
【0044】尚、固定機106〜108の送信部の制御
用拡散符号と移動機109〜116の受信部の制御用拡
散符号は同一、及び固定機106〜108の受信部の制
御用拡散符号と移動機109〜116の送信部の制御用
拡散符号は同一でなければならないが、固定機106〜
108、移動機109〜116の送信部と受信部の制御
用拡散符号は同一でなくてもよい。又通話用の指定拡散
符号についても同様である。
【0045】又、制御用拡散符号から指定拡散符号へ切
り換えるタイミングは、制御用拡散符号で符号切換完了
信号の通信してから通話前に指定拡散符号へ切り換えて
もよい。
【0046】この様に、本実施例では、主装置102及
び移動機109〜116は、待機状態においては、制御
用拡散符号を用いて、逆拡散している。そして、呼びが
発生した時に、主装置102が選択した通話に用いる拡
散符号を特定する番号を制御用拡散符号を用いて拡散し
て移動機に通知する。そして、制御用拡散符号から選択
された拡散符号に、通話の開始前に切り換えて通話状態
に移行する。
【0047】1組の固定機と移動機での呼びが通話状態
に移行した後は、空状態の他の固定機及び移動機では、
制御用拡散符号での通信が可能となり、他の拡散符号を
用いた別の呼びを接続することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、通信開始時に、その通
信に使用する拡散符号を選択して移動機に通知すること
により、少ない拡散符号を多くの移動機が拡散符号を共
用することができるとともに、移動機に複数の拡散符号
を記憶する記憶手段を設け、交換機から送信された選択
した拡散符号を指定する指定信号に応じて、拡散符号を
記憶手段から読み出すことにより、交換機から移動機に
拡散符号自体を送信せずに済むので、簡単な手順で、交
換機と移動機が用いる拡散符号を合わせることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のシステムの構成図である。
【図2】本発明実施例の固定機のブロツク図である。
【図3】本発明実施例の移動機のブロツク図である。
【図4】本発明実施例の送受信部のブロツク図である。
【図5】本発明実施例のシステムにおける着呼時のシー
ケンス図である。
【図6】本発明実施例のシステムにおける発呼時のシー
ケンス図である。
【符号の説明】
100 主装置 106 固定機 109 移動機

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交換機と複数の移動機の間でスペクトラム
    拡散された通信信号を通信するスペクトラム拡散通信装
    置において、 上記移動機は、複数の拡散符号を記憶する記憶手段を有
    し、 上記交換機は、 通信信号をスペクトラム拡散するための
    拡散符号を上記複数の拡散符号から選択する選択手段
    と、上記移動機との通信開始時に、上記選択された拡散符号
    を指定する指定信号を上記通信を行う移動機に送信する
    送信 手段と、上記通信を行う移動機により上記拡散符号で拡散されて
    送信された通信信号を 復調する復調手段と、 上記復調手段により復調された上記通信信号を交換する
    交換手段とを有し、 上記移動機は、上記指定信号により指定された拡散符号
    を上記記憶手段から読み出し、読み出した拡散符号を用
    いて通信信号を拡散して送信 することを特徴とするスペ
    クトラム拡散通信装置。
  2. 【請求項2】 上記選択手段は、上記複数の拡散符号
    夫々が使用中か否かを記憶する第2記憶手段を有し、
    記第2記憶手段と参照することにより使用されていない
    拡散符号を選択することを特徴とする請求項1のスペク
    トラム拡散通信装置。
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