JP2771023B2 - 漆塗り枠 - Google Patents
漆塗り枠Info
- Publication number
- JP2771023B2 JP2771023B2 JP22463190A JP22463190A JP2771023B2 JP 2771023 B2 JP2771023 B2 JP 2771023B2 JP 22463190 A JP22463190 A JP 22463190A JP 22463190 A JP22463190 A JP 22463190A JP 2771023 B2 JP2771023 B2 JP 2771023B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lacquered
- frame
- coating
- lacquer
- backer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、漆塗り枠に関するものである。さらに詳
しくは、この発明は、家具扉、こたつ板、あるいはその
他の木質製品に有用な、質感、鏡面性ともに優れた新し
い漆塗り枠に関するものである。
しくは、この発明は、家具扉、こたつ板、あるいはその
他の木質製品に有用な、質感、鏡面性ともに優れた新し
い漆塗り枠に関するものである。
(従来の技術) 従来より、家具、食器、その他の木質製品として、耐
久性に優れ、深い質感のある漆製品が数多く知られてい
る。これらの漆製品は、木質材の表面の漆塗装を施した
ものであり、その漆塗装のための方法としては、下地仕
上げ塗り、中塗り、さらには上塗りという手順を40工程
以上費す伝統工芸的な漆塗りの方法が知られている。
久性に優れ、深い質感のある漆製品が数多く知られてい
る。これらの漆製品は、木質材の表面の漆塗装を施した
ものであり、その漆塗装のための方法としては、下地仕
上げ塗り、中塗り、さらには上塗りという手順を40工程
以上費す伝統工芸的な漆塗りの方法が知られている。
また、溜塗り漆として、色漆の上に透明漆を塗る方法
も知られている。
も知られている。
このように漆塗りには色付け、あるいは透明漆塗りと
して多様な手法があり、この漆塗りによって、何回も塗
り重ねられた塗膜の持つ半透明性によって深い質感が得
られ、また、時間的経過による鏡面の変化もないという
特徴が得られる。
して多様な手法があり、この漆塗りによって、何回も塗
り重ねられた塗膜の持つ半透明性によって深い質感が得
られ、また、時間的経過による鏡面の変化もないという
特徴が得られる。
(発明が解決しようとする課題) 漆塗製品は、その優れた塗膜性能によって木質製品に
質感と高級感とを与えるが、一方で、その塗装のための
工程は全てが人手によるものであり、その工程は非常に
数多く、優れた品質を維持しつつ、生産性を向上させ、
コスト低減を図ることは極めて困難であった。
質感と高級感とを与えるが、一方で、その塗装のための
工程は全てが人手によるものであり、その工程は非常に
数多く、優れた品質を維持しつつ、生産性を向上させ、
コスト低減を図ることは極めて困難であった。
このため、漆塗りを多様な木質製品に広く普及させる
ことは難しく、工業的規模において漆製品を製造するこ
とは困難であった。
ことは難しく、工業的規模において漆製品を製造するこ
とは困難であった。
また、家具扉、こたつ板等の木質製品の枠体としてこ
の漆塗り製品を使用しようとする場合には、木地の継ぎ
目に錆や麻を充分に貼って塗膜のきれや、やせを防ぐこ
とが必要で、その作業は面倒なものとなり、しかも塗膜
のきれや、やせがどうしても避けられないという欠点が
あった。
の漆塗り製品を使用しようとする場合には、木地の継ぎ
目に錆や麻を充分に貼って塗膜のきれや、やせを防ぐこ
とが必要で、その作業は面倒なものとなり、しかも塗膜
のきれや、やせがどうしても避けられないという欠点が
あった。
このため、漆塗り製品を枠体として使用することは工
業的には難しいのが実情であった。
業的には難しいのが実情であった。
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもの
であり、従来の漆塗り方法とその漆塗り枠への適用上の
欠点を改善し、塗装工程を短縮、簡略化し、しかも質感
があって、塗膜のきれややせを防いだ高品質な漆塗り枠
を低コストで提供することを目的としている。
であり、従来の漆塗り方法とその漆塗り枠への適用上の
欠点を改善し、塗装工程を短縮、簡略化し、しかも質感
があって、塗膜のきれややせを防いだ高品質な漆塗り枠
を低コストで提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、ファ
イバーボードにバッカーを貼合わせた枠体の表面にウレ
タンシーラー処理して漆を塗布してなることを特徴とす
る漆塗り枠を提供する。
イバーボードにバッカーを貼合わせた枠体の表面にウレ
タンシーラー処理して漆を塗布してなることを特徴とす
る漆塗り枠を提供する。
また、この発明は、上記のファイバーボードが中密度
ファイバーボード(MDF)であることや、ウレタンシー
ラー処理後にエナメルおよび/またはクリアー塗装する
ことを好まし態様としてもいる。
ファイバーボード(MDF)であることや、ウレタンシー
ラー処理後にエナメルおよび/またはクリアー塗装する
ことを好まし態様としてもいる。
より詳しいこの発明の漆塗り枠について説明すると、
その製造方法としては、まず、ファイバーボードにバッ
カーを貼合わせ、所定の寸法にくり抜き加工して枠体を
形成し、その後、ウレタンシーラー処理、エナメル/ま
たはクリアー塗装を施し、さらに漆塗りするか、あるい
はまた、ファイバーボードにバッカーを貼合わせ、上記
の漆塗りまでを行った後にくり抜き加工して枠体を完成
する方法等が例示される。
その製造方法としては、まず、ファイバーボードにバッ
カーを貼合わせ、所定の寸法にくり抜き加工して枠体を
形成し、その後、ウレタンシーラー処理、エナメル/ま
たはクリアー塗装を施し、さらに漆塗りするか、あるい
はまた、ファイバーボードにバッカーを貼合わせ、上記
の漆塗りまでを行った後にくり抜き加工して枠体を完成
する方法等が例示される。
この場合のファイバーボードおよびバッカーの素材に
ついては特に限定はないが、ファイバーボードとして
は、たとえば家具扉等の場合には厚み5〜30mm程度のMD
Fとし、バッカーとして0.2〜1mm程度の厚みのものを貼
合わせることが好ましい。
ついては特に限定はないが、ファイバーボードとして
は、たとえば家具扉等の場合には厚み5〜30mm程度のMD
Fとし、バッカーとして0.2〜1mm程度の厚みのものを貼
合わせることが好ましい。
ファイバーボードにバッカーを貼合わせ、これに漆塗
りするため、従来のように接着等による継ぎ目が表面に
なく、この継ぎ目での塗膜のきれややせの問題は発生し
ない。しかもコア材は均質なファイバーからなるため、
乾湿、寒熱等による形状変化はなく、バッカーの貼合わ
せによってその変化があった場合にも塗膜表面には影響
を与えることもない。
りするため、従来のように接着等による継ぎ目が表面に
なく、この継ぎ目での塗膜のきれややせの問題は発生し
ない。しかもコア材は均質なファイバーからなるため、
乾湿、寒熱等による形状変化はなく、バッカーの貼合わ
せによってその変化があった場合にも塗膜表面には影響
を与えることもない。
バッカー自身も熱硬化性樹脂、そのペーパー、シート
等をプレス成形した平滑面と緻密な構造を持つためやせ
がない。
等をプレス成形した平滑面と緻密な構造を持つためやせ
がない。
またファイバーボードは均質であって加工性が良く、
様々な形状への加工も容易である。
様々な形状への加工も容易である。
この漆塗り枠に用いる漆は、これまでにも広く用いら
れてきているものでよく、採取した漆汁を40℃程度に加
熱して水分を除去した製漆などを適宜に使用することが
できる。
れてきているものでよく、採取した漆汁を40℃程度に加
熱して水分を除去した製漆などを適宜に使用することが
できる。
ウルシオールを主成分とする漆は、天然ワニスとして
半透明の質感のある塗膜を形成する。
半透明の質感のある塗膜を形成する。
この漆による塗膜形成に際しては、バッカー表面をウ
レタンシーラーによって処理し、次いでポリエナメルあ
るいはウレタンエナメルで下地着色し、さらにクリアー
塗装を行うことができる。
レタンシーラーによって処理し、次いでポリエナメルあ
るいはウレタンエナメルで下地着色し、さらにクリアー
塗装を行うことができる。
ポリエナメルおよびウレタンエナメルは、ポリエステ
ル樹脂またはウレタン樹脂からなる樹脂ワニスに顔料を
分散させ、シンナーなど速乾性の溶剤で調合したもので
あり、樹脂ワニス、さらに必要に応じて配合することの
できる油ワニスを展色剤として用いている。
ル樹脂またはウレタン樹脂からなる樹脂ワニスに顔料を
分散させ、シンナーなど速乾性の溶剤で調合したもので
あり、樹脂ワニス、さらに必要に応じて配合することの
できる油ワニスを展色剤として用いている。
またクリアー塗装としては、ウレタンクリアー、また
はポリクリアーを用いることができる。ウレタン樹脂、
もしくはポリエステル樹脂等からなる透明塗膜形成のた
めの塗料である。漆との配合物として使用してもよい。
はポリクリアーを用いることができる。ウレタン樹脂、
もしくはポリエステル樹脂等からなる透明塗膜形成のた
めの塗料である。漆との配合物として使用してもよい。
クリアー塗装は中塗りとして行うことができるもので
ある。もちろん必ずしも必要なものではない。
ある。もちろん必ずしも必要なものではない。
しかし、このクリアー塗装によって、漆塗りの回数を
減らしても深い質感のある高品質の塗膜が得られるた
め、このクリアー塗装を施すことが好ましい。
減らしても深い質感のある高品質の塗膜が得られるた
め、このクリアー塗装を施すことが好ましい。
塗布のための方法としては、ローラー塗布、ドクター
ブルードコーティング、その他の適宜な手段を採用する
ことができる。
ブルードコーティング、その他の適宜な手段を採用する
ことができる。
いずれの方法によっても従来工程は大幅に簡略化さ
れ、生産コストも大幅に低減することができる。
れ、生産コストも大幅に低減することができる。
(作 用) 以上の発明の漆塗り枠においては、上記した通り、フ
ァイバーボードにバッカーを貼合わせたものを基材とす
るため、形状変形や塗膜のやせがなく、また従来のよう
な継ぎ目もないため、塗膜のきれややせの発生の問題も
ない。
ァイバーボードにバッカーを貼合わせたものを基材とす
るため、形状変形や塗膜のやせがなく、また従来のよう
な継ぎ目もないため、塗膜のきれややせの発生の問題も
ない。
さらにこの発明ではウレタンシーラー処理後の塗装に
よって、特にクリアー塗装を行う場合には、従来の漆塗
りに比べてその工程数を大幅に節減し、低コストで、し
かも品質のよい塗装品が得られる。
よって、特にクリアー塗装を行う場合には、従来の漆塗
りに比べてその工程数を大幅に節減し、低コストで、し
かも品質のよい塗装品が得られる。
(実施例) 以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明の漆塗り
枠について説明する。
枠について説明する。
実施例1 第1図に示したように、 (a) まず厚み20mmのMDF(1)に0.5mm厚のバッカー
(2)を貼合わせ、これを所定の寸法でくり抜き加工し
た。
(2)を貼合わせ、これを所定の寸法でくり抜き加工し
た。
(b) 次いで、その表面をウレタンシーラー処理し、
さらにウレタンクリアー塗装(3)を行った。
さらにウレタンクリアー塗装(3)を行った。
(c) さらにまた、このクリアー塗装の表面に漆
(4)を塗布した。
(4)を塗布した。
この工程により、深い質感のある鏡面が得られ、高級
感のある扉枠体とすることができた。塗膜のきれややせ
は全くしなかった。
感のある扉枠体とすることができた。塗膜のきれややせ
は全くしなかった。
実施例2 実施例1の工程(6)として、黒色のポリエナメルを
塗布し、次いでウレタンクリアー塗装を行った。
塗布し、次いでウレタンクリアー塗装を行った。
半透明の漆塗膜によって、深い質感のある鏡面が得ら
れた。
れた。
実施例3 第2図に示したように、 (a) 厚み30mmのMDF(1)に0.3mm厚のバッカー
(2)を貼合わせた。
(2)を貼合わせた。
(b) ウレタンシーラー処理し、表面にポリクリアー
塗装(3)を行った。
塗装(3)を行った。
(c) 次いで漆(4)を塗布し、 (d) 所定寸法にくり抜き加工して鏡面枠体を得た。
深い質感のある、塗膜のきれややせのない鏡面漆塗り
枠を得ることができた。
枠を得ることができた。
(発明の効果) この発明により、以上詳しく説明した通り、従来より
もはるかに簡便な生産工程によって、生産コストを大幅
に低減しつつ、形状変化、塗膜のきれややせがなく、深
い質感と高級感のある鏡面漆塗り枠が得られる。
もはるかに簡便な生産工程によって、生産コストを大幅
に低減しつつ、形状変化、塗膜のきれややせがなく、深
い質感と高級感のある鏡面漆塗り枠が得られる。
第1図および第2図は、各々この発明の漆塗り枠の製造
工程を例示した工程平面図および断面図である。 1……MDF 2……バッカー 3……クリアー塗装 4……漆
工程を例示した工程平面図および断面図である。 1……MDF 2……バッカー 3……クリアー塗装 4……漆
Claims (5)
- 【請求項1】ファイバーボードにバッカーを貼合わせた
枠体表面にウレタンシーラー処理して漆塗りしてなるこ
とを特徴とする漆塗り枠。 - 【請求項2】ファイバーボードが中密度ファイバーボー
ドである請求項(1)記載の漆塗り枠。 - 【請求項3】ウレタンシーラー処理後にエナメルおよび
/またはクリアー塗装してなる請求項(1)または
(2)記載の漆塗り枠。 - 【請求項4】ファイバーボードにバッカーを貼合わせた
後にくり抜き加工して枠体とし、その表面に漆塗りして
なる請求項(1),(2)または(3)記載の漆塗り
枠。 - 【請求項5】漆塗り後にくり抜き加工してなる請求項
(1),(2)または(3)記載の漆塗り枠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22463190A JP2771023B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | 漆塗り枠 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22463190A JP2771023B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | 漆塗り枠 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04105998A JPH04105998A (ja) | 1992-04-07 |
JP2771023B2 true JP2771023B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=16816741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22463190A Expired - Fee Related JP2771023B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | 漆塗り枠 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2771023B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6092343A (en) * | 1998-07-16 | 2000-07-25 | Therma-Tru Corporation | Compression molded door assembly |
-
1990
- 1990-08-27 JP JP22463190A patent/JP2771023B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04105998A (ja) | 1992-04-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5338592A (en) | Production method for composite molded article | |
US4169005A (en) | Method for surfacing a wood panel with a plastic film | |
CN103753656B (zh) | 一种柔性复合薄木及其加工方法 | |
JP2771023B2 (ja) | 漆塗り枠 | |
JP2828177B2 (ja) | 漆化粧板 | |
JP3869920B2 (ja) | 木質床材の製造方法 | |
JP2008012887A (ja) | 突板貼り彫刻化粧板とその製造法 | |
JP2724244B2 (ja) | 漆塗装方法 | |
US1994697A (en) | Process of preparing polished top surfaces on wood | |
JP4792237B2 (ja) | 木質材の製造方法 | |
RU2761221C1 (ru) | Способ изготовления облицовочной профилированной панели с декоративной поверхностью | |
KR101081235B1 (ko) | 목재 패널의 제조방법 | |
JPH04105999A (ja) | 漆化粧板 | |
JPH05169017A (ja) | 鏡面材 | |
KR100461011B1 (ko) | 인조무늬목 패널 및 그 제조방법 | |
SU1729825A1 (ru) | Способ получени декоративного материала | |
JPH05169016A (ja) | 鏡面木質材 | |
JPH0383601A (ja) | カラー単板積層品 | |
JPH0576828A (ja) | 突板貼化粧板の製造法 | |
JP2007168138A (ja) | 化粧板及びその製造方法 | |
JPH04161400A (ja) | 漆布摺り板 | |
JPS61153178A (ja) | 突板貼り化粧板の製造方法 | |
WO2004089629A1 (ja) | アンティーク調化粧シート、およびアンティーク調化粧板 | |
JPS6058040B2 (ja) | 漆塗塗膜の風合を有する素材及びその製造方法 | |
JPH0576829A (ja) | 突板貼化粧板の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |