JP2770547B2 - 含フッ素ジエステル型化合物およびその製造方法 - Google Patents

含フッ素ジエステル型化合物およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は含フッ素ジエステル型化合物とその製造方法
および該含フッ素ジエステル型化合物からなる潤滑剤に
関する。
〔従来技術と問題点〕
本発明の化合物は潤滑剤や樹脂への添加剤として好適
に用いられる。従来、潤滑剤としては、高級脂肪酸やそ
のエステル等の液体潤滑剤、および二硫化モリブデンや
黒鉛等の固体潤滑剤等の化合物が知られているが、近
年、より高性能の潤滑剤が求められてきている。例え
ば、ビデオやオーディオ用の磁気テープ用として高性能
の潤滑剤が求められている。これらの磁気テープは、磁
性層表面の平滑性が高いために実質的な接触面積が大き
く、凝着現象(はりつき)が起こりやすくなったり、摩
擦係数が大きくなる等耐久性や走行性等に問題があり、
その改善のために各種潤滑剤の使用が検討されている。
このような用途に用いられる潤滑剤に要求される主な
特性としては、 イ.表面に塗布しただけでも長時間その効果が持続する
こと、 ロ.極めて薄く塗布することが可能であり、かつ十分な
潤滑性が得られること、 ハ.低温特性に優れ、寒冷地での使用に問題が無いこ
と、 等が挙げられる。
これらの用途に従来の潤滑剤を使用した場合、固体潤
滑剤では薄く均一に塗布することが難しく、更にヘッド
と磁性材料との間隔が大きくなる等の問題があった。ま
た、液体潤滑剤は、固体潤滑剤より低い摩擦係数を得る
ことが出来るものの、ヘッドに潤滑剤が移行して磁性特
性が低下する致命的な欠陥があるので、磁気テープ用と
しては使用できない。また、液体潤滑剤は氷点下の温度
で固体化、連結するものが多く、十分にその効果を発揮
できない問題があった。
一方、これらの問題を改善するために、近年フッ素系
の化合物を潤滑剤として利用する試みが積極的に行われ
ている。
このフッ素系化合物は、その表面エネルギーが小さい
ことから生じる潤滑剤層と物質との層間の滑りと、分子
間力が小さいことから生じる分子間の滑りの両方が作用
し、極めて薄い層で顕著な潤滑性と耐久性を発揮するこ
とが可能であるという特性を有する。
フッ素系化合物を利用する潤滑剤としては、例えばフ
ッ素系のカルボン酸型化合物を用いる特許が報告されて
いる(特開昭58−29147)。しかし、上記化合物はまだ
十分な潤滑性が得られず、更に酸性化合物であるため
に、磁性材料として使用するフェライトや金属粉末、磁
気ヘッド等の損傷の原因となり、それが磁性特性の低下
の原因となる等の問題もあった。
また、フッ素オイル(特公昭57−49967)、トリフル
オロアルキル基を導入したシリコンオイル(U.S.P4,36
9,230)等も検討されているが、上記問題は必ずしも解
決されていないことに加え、高価であるため磁気テープ
等への利用には問題があった。
一方、ペルフルオロアルキル基を有した高級脂肪酸エ
ステル型化合物を潤滑剤として利用する試みもあるが
(特開昭62−161744、特開昭62−161756)、これはモノ
エステル型化合物であるために潤滑性が十分ではない問
題があった。特に、このペルフルオロアルキル基を有し
た高級脂肪酸エステル型化合物においては、そのエステ
ル基部分のアルキル基の炭素数を変えることで若干の改
善が行われているが、上記問題は依然としてまだ改善さ
れていない。
〔問題を解決するための手段:発明の構成〕
本発明者らは、分子中に長鎖のアルキル基と、ペルフ
ルオロアルキル基を有した含フッ素ジエステル型化合物
が物質表面に高い潤滑性を与えることを見い出し本発明
に致った。
特に、本発明化合物は分子末端が分岐し、そこに長鎖
のアルキル基が存在するために、より高い潤滑性が得ら
れるという従来の高級脂肪酸モノエステル型化合物で
は、得れらない特徴を有する。
すなわち、本発明は、 1.一般式(I) 〔式中Rf 2は炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基、
XはSO2NR3、CONR3または(CH2nOで表わされる2価の
結合基(R3は水素または炭素数1〜20のアルキル基、n
は1または2)、R1およびR2は炭素数3〜50のアルキル
基である〕で表わされる含フッ素ジエステル型化合物、 2.前記一般式(I)で表わされる含フッ素ジエステル型
化合物が次の一般式(II) (式中Rf 1は炭素数4〜12のペルフルオロアルキル基、
Xは前記と同じ、R4、R5は炭素数10〜30の長鎖のアルキ
ル基である)で表わされる化合物である請求項1に記載
の含フッ素ジエステル型化合物、 3.一般式(III) (式中Rf 1およびXは前記と同じ)で表わされる含フッ
素ジヒドロキシ化合物と一般式(IV) R1COCl (IV) (式中R1は前記と同じ)で表わされる酸クロライドとを
反応させることからなる請求項1に記載の含フッ素ジエ
ステル型化合物の製造方法、 4.一般式(V) (式中Rf 1、XおよびR2は前記と同じ)で表わされる含
フッ素モノヒドロキシモノエステル型化合物と前記一般
式(IV)で表わされる酸クロライドとを反応させること
からなる請求項1に記載の含フッ素ジエステル型化合物
の製造方法 5.請求項1に記載の含フッ素ジエステル型化合物からな
る潤滑剤、 である。
本発明の含フッ素ジエステル型化合物は、ペルフルオ
ロアルキル基Rf 1とアルキル基R1およびR2を有する。本
発明の化合物によって示される高い潤滑性は、このペル
フルオロアルキル基とアルキル基の両方によって示され
る。
ペルフルオロアルキル基Rf 1は、炭素数1〜20であ
り、その炭素鎖は分枝鎖があってもよいし、また二重結
合が含まれていてもよい。
また、アルキル基R1およびR2は炭素数が3〜50のアル
キル基で、炭素鎖は分枝鎖が存在してもよく、二重結合
が含まれていてもよい。
一方、分子末端に存在する2個のエステル基は、その
アルキル基の炭素数を調節することによって、潤滑性、
あるいは耐久性等を調節することも可能である。
また、その各々のアルキル基R1およびR2は炭素数は、
同じであってもよく、また異なっていてもよい。
さらに本発明の含フッ素ジエステル型化合物は、2価
の結合基Xを有する。結合基XはSO2NR3またはCONR3
表わされるアミド結合、もしくは(CH2nOで表わされ
るエーテル結合である。ここにR3は、水素または炭素数
1〜20のアルキル基であり、このアルキル基は分枝鎖が
あってもよく、また二重結合を含んでいてもよい。また
エーテル結合のnは1または2である。
このアミド結合、あるいはエーテル結合は、分子末端
に存在する分岐鎖とペルフルオロアルキル基を連結する
と共に、極性を有するために基材との密着性に優れ、耐
久性を高める効果を有する。このアミド結合において、
窒素原子に結合しているアルキル基はその樹脂への相溶
性を高めると共に、潤滑性も高める効果を有する。
前記(I)式で表わされる含フッ素ジエステル型化合
物において、実用に際しては一般式(II)で表わされる
化合物が好ましい。一般式(II)で表わされる含フッ素
ジエステル型化合物のペルフルオロアルキル基Rf 2は、
炭素数4〜12であり、エステル基のR4およびR5は炭素数
10〜30の長鎖アルキル基である。Rf 2、R4およびR5はそ
れぞれが分枝鎖を有していてもよく、二重結合を含んで
いてもよい。またR4とR5の炭素数は、同一であってもよ
く、異なっていてもよい。この炭素数を調節することに
よって、潤滑性あるいは耐久性等に任意に調整すること
ができる。
一般式(II)で表わされる含フッ素ジエステル型化合
物は、一般式(I)で表わされる化合物と同様、2価の
結合基Xを有する。結合基Xは一般式(I)で表わされ
る含フッ素ジエステル型化合物におけると全く同一であ
る。
一般式(II)で表わされる化合物の原料となる、炭素
数が4〜12のペルフルオロアルキル基を有する化合物
は、工業的にも比較的容易、かつ安価に得ることができ
る。即ちペルフルオロアルキル基を有した化合物は、電
解フッ素化法、あるいはテロメリゼーション法等によっ
てフッ素系の活面活性剤、撥水撥油剤等として工業的に
大量に生産されているので、容易に原料を入手すること
ができる。
さらに、一般式(II)で示される化合物は優れた潤滑
特性を有する。
一方、ペルフルオロアルキル基の炭素数が4より少な
い場合、通常の炭化水素化合物よりは優れた潤滑特性を
有するものの、まだ満足されない場合が多い。また炭素
数が12より多い場合は、それ以下と比較して特性的に大
きな変化はない。
また、一般式(II)で示される化合物は、そのエステ
ル基部分の炭素数が10〜30であり、十分な潤滑性を示す
と共に、エステル基部分の原料となる炭化水素化合物も
比較的容易に入手できる。
次に本発明の一般式(I)および(II)で表わされる
含フッ素ジエステル型化合物を製造する方法を説明す
る。
含フッ素ジエステル型化合物は、一般式(III)で表
わされる含フッ素ジヒドロキシ化合物、または一般式
(V)で表わされるモノヒドロキシモノエステル型化合
物と、一般式(IV)で表わされる酸クロライドとを反応
させることにより合成される。
一般式(III)、(V)および(IV)で表わされる化
合物は、それぞれ一般式(I)および(II)で説明した
ものと同一の内容を有するRf 1、X、R1、R2等を含有す
る。
通常、エステル型化合物を合成する方法としては、対
応するアルコールとカルボン酸型化合物とを加熱し、生
成する水を随時除去する方法が行われているが、本発明
化合物において一般式(III)、あるいは一般式(V)
で示される化合物の2級水酸基は、反応性が低く、カル
ボン酸型化合物との加熱では完全にジエステル型化合物
を得ることは難しい。
この2級水酸基の反応性が低い理由は明らかでない
が、立体障害に加え分子中のエーテル結合の酸素、また
はアミド結合の窒素とこの水酸基とが分子内水素結合を
形成していることによると思われる。
一般式(III)で表わされる化合物と一般式(IV)で
表わされる化合物の反応においては、一般式(IV)で表
わされる化合物は、一般式(III)で表わされる化合物
に対して2モル等量以上、好ましくは2.0〜2.5モル等量
用いることによって合成される。2モル等量以下である
と、生成する化合物は一般にジエステル型化合物とモノ
エステル型化合物の混合物となり、選択的にジエステル
型化合物を得るのは困難となる。
また、この場合、生成する塩化水素を除去するため
に、一般に有機塩基の存在下で反応が行われる。この有
機塩基は、特に限定されないが、一般に環式アミン、3
級アミン等が用いられ、具体的なものとしては、ピリジ
ン、トリエチルアミン等が挙げられる。これらの塩基
は、一般に一般式(III)で表わされる化合物に対して
2モル等量以上、好ましくは4〜6モル等量用いられ
る。
また、反応は一般に適当な溶媒の下で行われる。この
溶媒は、一般式(III)および一般式(IV)で表わされ
る化合物、さらに共存する塩基と反応せず、各化合物の
溶解性が高いものが好ましい。この溶媒は、特に限定さ
れないが、具体的なものとしてはイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、ジクロロ
エタン、フロン113等のハロゲン化炭化水素化合物、ベ
ンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素化合物、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素化合物、メチルイソブチルケトン等
のケトン系化合物等が挙げられる。通常は、イソプロピ
ルエーテルが最もよく使用される。
一般式(V)で示される化合物と一般式(IV)で示さ
れる化合物の反応においては一般式(IV)で示される化
合物は、一般式(V)で示される化合物に対して1モル
等量以上、好ましくは1.1〜1.5モル等量用いることによ
って合成される。一般式(IV)で示される化合物が1モ
ル等量以下であると、選択的にジエステル型化合物を得
ることが困難となる。
本発明化合物の製造における原料となる一般式(II
I)で示される化合物は、公知の方法、すなわち対応す
るペルフルオロアルキル基を有したエポキシ化合物を水
で開環反応させることによって合成することができ(特
願昭63−134569)、またこのエポキシ化合物は対応する
アミド、あるいはアルコールを、塩基の存在下でエピク
ロロヒドリンと縮合させることによって容易に合成する
ことができる(特願昭63−17307)。
これに対し、一般式(V)で示される化合物は、上記
のエホキシ化合物の開環反応を一般式R1CO2H(VI)で示
されるカルボン酸を用いて行うことによって得られる。
本発明の含フッ素ジエステル型化合物は潤滑剤として
好適に用いられる。
実際の使用においては、この含フッ素ジエステル型化
合物を例えば塗布型テープ(例、γ−フェライトを磁性
体とし、ウレタン樹脂で基材に固定する従来型のテープ
等)製造時に添加し、あるいは塗布して用いられる。
前述の如く、本発明の上記化合物はアミド結合やエー
テル結合を有するものを含む。ここで耐摩耗性等を要求
される用途においては、アミド結合を有した化合物を用
いることが好ましい。これは、このアミド結合が剛直で
あるために、硬い被膜を形成することに基ずく。一方、
柔軟性等を要求される用途においては、エーテル結合を
有した化合物を用いることが好ましい。これは、エーテ
ル結合はアミド結合とは逆に、柔軟な分子を形成し、こ
れによって被膜も柔軟になることに基ずく。
〔発明の効果〕
本発明の含フッ素ジエステル型化合物をビデオやオー
ディオ用の磁気テープ用潤滑剤として用いた場合、 (1)表面に塗布しただけでも長時間効果が持続し、 (2)極めて薄く塗布することが可能であり、かつ十分
な潤滑性が得られ、 (3)低温特性に優れ、寒冷地での使用に問題がない 等の優れた潤滑特性を発揮する。
また、本発明の化合物は、上記潤滑剤として利用でき
るだけでなく樹脂中に添加して、水を弾くいわゆる撥水
剤、および汚れを防止する防汚剤として用いた場合にも
優れた効果を発揮する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を応用例、比較例と共に示す。
実施例1 機械撹拌装置、温度計、塩化カルシウム管を備えた還
流器、滴下漏斗を備えた500ml三口フラスコに、次式 で表わされる含フッ素ジヒドロキシ化合物36.5g(0.10
モル)、トリエチルアミン40.4g(0.40モル)、イソプ
ロピルエーテル300mlを入れ、滴下漏斗よりC10H21COCl
(酸クロライド)45.0g(0.22モル)を30℃において3
時間で滴下した。
滴下終了後80℃で5時間撹拌した後、過剰の希塩酸水
溶液中に反応液を注ぎ込んだ。
有機層をジエチルエーテルで抽出した後、中和、水洗
して、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥した後、過剰の溶
媒を減圧下でエバポレートすることによって、次式 で表わされる含フッ素ジエステル型化合物60.3gを得
た。この化合物の元素分析結果は次の通りであった。
また赤外分光分析(KBr錠剤法)の結果、2930cm-1、2
850(以下cm-1を略す)、1740、1260〜1130に主たる吸
収帯を示し、上記化合物であることが確認された。
実施例2 機械撹拌装置、温度計、塩化カルシウム管を備えた還
流器、滴下漏斗を備えた1三口フラスコに、C20H41CO
Cl 75.8g(0.22モル)、トリエチルアミン40.4g(0.40
モル)を入れ、滴下漏斗より、 を85.7g(0.10モル)含む500mlテトラヒドロフラン溶液
を30℃で3時間で滴下した。
滴下終了後60℃で5時間撹拌した後、このまま反応液
を減圧下でエバポレートして濃縮した。ついで、過剰の
希塩酸水溶液中に反応液を注ぎ込んだ。
生成した沈澱を、最初に水洗、ついでアセトン、ヘキ
サンで十分に洗浄して を125.1g得た。
この化合物の元素分析と赤外分光分析の結果を次に示
す。
実施例3 実施例2と同じ1三口フラスコに、C29H59COCl117.
6g(0.25モル)、ピリジン39.5g(0.50モル)を入れ、
滴下漏斗より を43.8g(0.10モル)含む500mlイソプロピルエーテル溶
液を30℃で3時間で滴下した。
滴下終了後60℃で6時間撹拌した後、過剰の希塩酸水
溶液中に反応液を注ぎ込んだ。
生成した沈澱を、最初に水洗、ついでアセトン、ヘキ
サンで十分に洗浄して を110.1g得た。
この化合物の元素分析および赤外分光分析の結果を次
に示す。
実施例4 実施例2と同じ1三口フラスコに、 76.6g(86.9ミリモル)、トリエチルアミン26.3g(0.26
モル)、イソプロピルエーテル500mlを入れ、滴下漏斗
より塩化ステアロイル31.5g(0.10モル)、を30℃で3
時間で滴下した。滴下終了後60℃で3時間撹拌した後、
過剰の希塩酸水溶液中に反応液を入れ生じた沈澱を水
洗、デカンテーション、および乳鉢による粉砕を繰り返
して中和、洗浄した。
このようにして得られた、褐色固体を、少量のアセト
ンで洗浄することによって、 を89.7g得た。
この化合物の元素分析と赤外分光分析の結果を次に示
す。
実施例5 実施例1と同じ500ml三口フラスコに、 106.5g(0.10モル)トリエチルアミン20.2g(0.20モ
ル)、イソプロピルエーテル300mlを入れ、滴下漏斗よ
りC3H7COCl 11.7g(0.11モル)、を30℃で3時間滴下し
た。滴下終了後60℃で3時間撹拌した後、過剰の希塩酸
水溶液中に反応液を入れ生じた沈澱を水洗、デカンテー
ション、および乳鉢による粉砕を繰り返して中和、洗浄
した。
このようにして得られた、褐色固体を、少量のアセト
ンで洗浄することによって、 を111.3g得た。
この化合物について、元素分析および赤外分光分析の
測定を行なった結果を次に示す。
応用例1 15μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、
斜め蒸着法によりコバルトを蒸着させ、膜厚1000Åの強
磁性金属薄膜を作成した。この金属薄膜に、実施例1で
得られたジエステル型化合物1.0gを、200gのフロン113
に溶解した溶液を塗布し、10mm幅に裁断してサンプルテ
ープを作成した。
このようにして作成されたテープについて、25℃およ
び−5℃の温度条件下での動摩擦係数、およびシャトル
耐久性を測定した。
応用例2〜5 実施例2〜5で得られたジエステル型化合物に関し
て、応用例1と同様にして評価を行った。
比較例1 含フッ素ジエステル型化合物を用いずに、含フッ素モ
ノエステル型化合物としてC13H27CO2CH2CH2C6F13を用い
て応用例1と同様の評価を行った。
比較例2 潤滑剤を用いない未処理テープを用いて実施例1と同
様の評価を行った。比較例1、2の結果を、応用例1〜
5の結果と併せて第1表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 105/68 C10M 105/68 105/72 105/72 // C10N 40:18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中Rf1は炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基、
    XはSO2NR3、CONR3または(CH2nOで表わされる2価の
    結合基(R3は水素または炭素数1〜20のアルキル基、n
    は1または2)、R1およびR2は炭素数3〜50のアルキル
    基である〕で表わされる含フッ素ジエステル型化合物。
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表わされる含フッ素ジ
    エステル型化合物が次の一般式(II) (式中Rf 2は炭素数4〜12のペルフルオロアルキル基、
    Xは前記と同じ、R4、R5は炭素数10〜30の長鎖のアルキ
    ル基である)で表わされる化合物である請求項1に記載
    の含フッ素ジエステル型化合物。
  3. 【請求項3】一般式(III) (式中Rf 1およびXは前記と同じ)で表わされる含フッ
    素ジヒドロキシ化合物と一般式(IV) R1COCl (IV) (式中R1は前記と同じ)で表わされる酸クロライドとを
    反応させることからなる請求項1に記載の含フッ素ジエ
    ステル型化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(V) (式中Rf 1、XおよびR2は前記と同じ)で表わされる含
    フッ素モノヒドロキシモノエステル型化合物と前記一般
    式(IV)で表わされる酸クロライドとを反応させること
    からなる請求項1に記載の含フッ素ジエステル型化合物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の含フッ素ジエステル型化
    合物からなる潤滑剤。
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