JP2770038B2 - 表面改質高弾性炭素繊維及びその製法 - Google Patents

表面改質高弾性炭素繊維及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマトリツクス樹脂との接着性に優れた新規な
表面改質高弾性炭素繊維とその製法に関する。
〔従来の技術〕
炭素繊維を補強材とする複合材料は軽量でかつ強度、
弾性率に優れているためスポーツ、レジヤー用品の構成
部品として或いは宇宙航空機用器材等として幅広い分野
にわたつてその用途開発が進められている。しかるに従
来、複合材の補強材として用いられてきた炭素繊維は、
マトリツクス樹脂との接着性が必ずしも十分ではなた
め、その表面を活性化させるため、薬剤酸化処理、気相
酸化処理、電解酸化処理等種々の表面処理方法が採用さ
れてきた。その中でも、電解酸化処理法はその操作性の
良さ、反応制御の容易さ等の見地から実用的な表面処理
方法である。
電解酸化処理法として、従来、種々の電解質が検討さ
れてきた。
例えば、米国特許第4,401,533号は、硫酸塩水溶液中
で、特定の範囲の電流、電圧、処理時間で、炭素繊維を
陽極にして電解酸化する方法を開示している。
米国特許第3,832,297号は、アンモニウム化合物を電
解質に用い、炭素繊維を陽極にして電解酸化を行うこ
と、さらにこの化合物は、250℃以下の温度で分解して
繊維に残らないことを開示している。
米国特許第4,600,572号は、硝酸中で炭素繊維を電解
酸化しさらに不活性化処理を行うことによつて炭素繊維
の強度を高め、繊維と樹脂の接着性の良い炭素繊維を製
造できることを開示している。
さらに、ひとつの電解質では十分な表面処理が行えな
いため、本発明者らは2段階の電解処理方法を先に特開
昭61−124677号で提案した。しかし、従来の方法では30
t/mm2以上の高弾性炭素繊維に対しては十分な効果を得
ることができなかつた。又2段階表面処理によつて窒素
官能基を炭素繊維表面に導入する方法が特開昭62−2760
75号及び特開昭63−6162号に開示されている。
炭素繊維の高性能化の要望は年々強くなつてきてお
り、特に航空機用の炭素繊維には高強度化、高弾性率化
の方向で開発が進められてきており最近では30t/mm2
後の弾性率を有する中弾性炭素繊維が主流になつてい
る。一方、スポーツ、レジヤー用途においても高弾性化
の方向で開発されており45t/mm2前後でコンポ性能の良
好な炭素繊維の開発も行なわれている。これら高弾性化
に対応して炭素繊維の表面は不活性化の方向に進み、繊
維とマトリツクス樹脂の界面結合力は発揮しにくくなつ
ている。従来の炭素繊維の表面処理方法では不十分であ
り、又実際に高弾性炭素繊維でコンポ性能、特にILSS
(層間剪断強度)、TS⊥(繊維方向と90゜方向の引張り
強度)、FS⊥(繊維方向と90゜方向の曲り強度)等を良
好ならしめる表面処理方法はいまだ開発されていないの
が現状である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、40t/mm2以上の弾性率を有する炭素
繊維において、優れたコンポジット特性を発現し得る炭
素繊維の表面特性の改善であり、本発明はそのための新
規な高弾性炭素繊維およびその製法に関するものであ
る。
炭素繊維を表面処理して繊維とマトリツクス樹脂との
結合力を高めるためには、表面に酸素含有官能基を導入
することが不可欠である。しかし、40t/mm2以上の弾性
率を有する炭素繊維の表面は具グラフアイト結晶サイズ
の拡大により、酸化処理において表面エッチングされに
くく、また、酸素含有官能基も導入しにくい。しかも導
入された酸素含有官能基の表面分布も均一ではなく局在
化してしまうため、マトリツクス樹脂との接着性の向上
に対する酸素含有官能基の寄与効率は高いとはいえな
い。
そこで40t/mm2以上の弾性率を有する炭素繊維と樹脂
との接着性を向上させる方法として、酸素含有官能基だ
けではなく、窒素含有官能基も同時に導入することが考
えられる。
その他、電解重合により生成した重合物の炭素繊維表
面への電着あるいは表面コーテイングによつても繊維と
樹脂との結合力を高めることができると考えられる。こ
の場合にも重合物に存在する官能基の効果は重要である
と思われ、また場合によつては炭素繊維表面上の官能基
よりも結合力に及ぼす効果が大きくなる可能性もある。
したがつて重合物に存在する官能基としては酸素含有官
能基だけではなく窒素含有官能基も考慮する必要があ
る。また、重合物の電着あるいは表面コーテイングによ
り、樹脂分子とのからみ合いの効果により繊維と樹脂の
接着性の向上も期待できる。
そこで、本発明者らは40t/mm2以上の弾性率を有する
炭素繊維に、酸素および窒素含有官能基を同時に導入す
るかあるいは電解重合物等の電着またはコーテイング等
を行う表面処理方法を検討し本発明を完成するに至つ
た。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明の要旨とするところは、弾性率40t/mm2
以上の高弾性炭素繊維であって、繊維表面に有機性アミ
ンを電着又はコーティングした、電気化学的測定法(サ
イクリックボルタメトリー)により求められるipa値が
0.8〜3.5μA/cm2、X線光電子分光法により求められる
炭素繊維表面の酸素含有官能基量(O1S/C1S)が0.10〜
0.30、窒素含有官能基量(N1S/C1S)が0.03〜0.25の範
囲であることを特徴とする表面改質高弾性炭素繊維及び
該繊維の製法にある。
製造方法としては、適当な方法により、高弾性炭素繊
維を第1段目の表面酸化処理を行い、しかる後この炭素
繊維を陽極として無機電解質又はアンモニウム塩の水溶
液中に電解重合可能な有機性アミンを0.1〜10wt%含む
電解液中、80クーロン/g以上の処理電気量で電解処理を
行うものである。
本発明における電気化学的測定法(サイクリツクボル
タメトリー)で求められるipa値は、通常の表面処理に
より得られる炭素繊維においては、0.08〜0.6μA/cm2
範囲内であり、樹脂との結合力の強い炭素繊維を得るに
は0.08〜0.4μA/cm2の範囲が良好と思われる。しかし本
発明においてはこのipa値は0.8μA/cm2以上でなければ
ならない。これは本発明が、高弾性炭素繊維表面へ酸素
含有官能基のみの導入を行つているのではなく、酸素お
よび窒素含有官能基の高弾性炭素繊維表面への導入のみ
ならず、電解重合物等の高弾性炭素繊維表面への電着な
らびにそれらによる表面コーテイングを行つているから
である。つまり高弾性炭素繊維表面への重合物等の電着
ならびに表面コーテイングにより電気化学的測定法(サ
イクリツクボルタメトリー)におけるipa値は、通常の
処理に比べ大きな値になる。したがってipa値が0.8μA/
cm2未満では重合物等の電着ならびに表面コーテイング
が十分でなく、優れた接着性を有する高弾性炭素繊維は
得られない。一方、ipa値が3.5μA/cm2を越えると樹脂
とのぬれ性やコーテイング層の強度等の問題が生じ、高
弾性炭素繊維とマトリツクスの接着性の低下を招くこと
になる。
X線光電子分光法により求められる高弾性炭素繊維の
O1S/C1SあるいはN1S/C1Sは高弾性炭素繊維表面の酸素含
有官能基量あるいは窒素含有官能基量を示す好適な指標
であり、O1S/C1SあるいはN1S/C1Sの値が大きいほど酸素
含有官能基量あるいは窒素含有官能基量が多くなる。
このO1S/C1Sは0.10〜0.30の範囲がよい。O1S/C1Sが0.
10未満の場合は、高弾性炭素繊維表面の酸素含有量の不
足により、高弾性炭素繊維と樹脂の接着が弱くなる。一
方、O1S/C1Sが0.30を越えた場合は、表面処理の度合が
過剰であることを示すものであり、高弾性炭素繊維の引
張り強度の低下を招くことになる。
また、N1S/C1Sにおいても0.03〜0.25の範囲がよい。N
1S/C1Sが0.03未満では、窒素含有官能基の高弾性炭素繊
維表面への導入あるいは重合物等の電着ならびに表面コ
ーテイングが十分でなく優れた接着性を有する高弾性炭
素繊維は得られない。一方N1S/C1Sが0.25を越えると、
重合物等の電着ならびに表面コーテイングの量が過剰に
なり、樹脂とのぬれ性やコーテイング層の強度等の問題
が生じ、高弾性炭素繊維とマトリツクスの接着性の低下
を招くことになる。
そこで本発明者らは40t/mm2以上の弾性率を有する炭
素繊維表面に酸素および窒素含有官能基を同時に導入す
るか、あるいは重合物等の電着またはコーテイング等を
行う方法として本発明を完成するに至つたものである。
以下本発明を更に詳細に説明する。
第1段目の表面酸化処理方法には特に制限はなく、高
弾性炭素繊維の表面に酸素含有官能基が導入できればよ
く、通常の液相中の電解処理、酸化剤等による薬剤酸化
処理、オゾン酸化処理、プラズマ処理(O2、空気等)、
酸素雰囲気下加熱処理などである。酸素含有官能基の導
入量には特に制限はなく、X線光電分光によつて求めら
れる酸素含有官能基量(O1S/C1S)が0.05〜0.40の範囲
内であればよい。この時に高弾性炭素繊維表面に存在す
る酸素含有官能基は引き続いて行われる電解処理におけ
る窒素含有官能基の導入あるいは、電解重合物の電着お
よびコーテイングに際して何らかの影響を及ぼしている
と思われる。つまり第一段処理時に導入される酸素含有
官能基量が多いものほど、第2段処理時において高弾性
炭素繊維表面への窒素含有官能基の導入あるいは、電解
重合物の電着およびコーテイング等が容易になる。
第1段目の酸化処理を施された高弾性炭素繊維は、場
合によつては水洗い等の洗浄処理、そして乾燥処理され
た後、電解処理に供される。
本発明の電解処理で使用する無機電解質又はアンモニ
ウム塩は、特に制限はなく、例えばpHが7以下である無
機酸性電解質または中性塩として硝酸、りん酸、硝酸ナ
トリウム、りん酸一ナトリウム、りん酸二ナトリウム、
りん酸三ナトリウム、りん酸アンモニウム、りん酸二ア
ンモニウム、りん酸三アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム等があげられる。また、pHが7以
上の無機アルカリ性電解質あるいは中性又はアルカリ性
のアンモニウム塩は、NaOH、KOH、カルバミン酸アンモ
ニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、り
ん酸三アンモニウム等であり、これらを単独でもしくは
二種類以上の混合物として用いることができる。
電解重合可能な有機性アミンについても特に制限はな
く、モノアミン、ジアミン、トリアミンいずれでもよ
く、また芳香族系アミンあるいは脂肪族と芳香族系アミ
ンを1分子中に有するものでもよい。例えば、アニリ
ン、アルキルアニリン、p−又はo−又はm−フエニレ
ンジアミン、アルキルフエニレンジアミン、ジアミノジ
フエニルメタン、 等である。これらは単独でもしくは二種類以上の混合物
として用いることができる。
電解処理時の処理電気量は少なくとも80クーロン/g以
上で行う必要がある。80クーロン/g未満ではマトリツク
ス樹脂との接着性は向上しない。これは有機性アミンや
これらの重合物の高弾性炭素繊維表面への電着またはコ
ーテイングが生じないためである。また、本発明の炭素
繊維を得るのに必要な最低処理電気量は電解処理前に供
される酸化処理の程度により多少異つており、概して電
解処理前の高弾性炭素繊維表面の酸素含有官能基量の少
ない場合ほど電解処理時の処理電気量は大きくなる傾向
がある。
高弾性炭素繊維の電解処理方法は、従来の電解処理と
同様、電流密度0.1A/m2以上でバッチ式、連続式いずれ
でもよく、通電方法もローラー通電方式、電解液接触方
式いずれでもさしつかえない。処理に用いる水溶液の温
度は0℃から100℃の範囲ならよく、また、処理時間は
双方の電解液中でそれぞれ数秒から数十分、好ましくは
5秒から5分が望ましい。洗浄効果を上げるために電解
液を流動させたり、不活性ガスを用いたバブリングや超
音波振動を利用することができる。
以上のようにして得られた高弾性炭素繊維を複合材料
に用いる場合、使用するマトリツクス樹脂には特に制限
はなく、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、イミド樹
脂、不飽和ポリエステル等、熱可塑性樹脂としてポリア
ミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン、ABS、ポリ
カーボネイト等の樹脂が用いられる。
〔実施例〕 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
測定法は次の通りである。
(1) ipa値は次の方法により測定した。
用いる電解液は5%りん酸水溶液でpH3とし、窒素を
バブリングさせ溶存酸素の影響を除く。試料である炭素
繊維を一方の電極として電解液に浸漬し、対極として充
分な表面積を有する白金電極を参照電極としてAg/AgCl
電極を用いる。試料形態は長さ50mmの12000フイラメン
トトウとした。炭素繊維電極と白金電極の間にかける電
位の走査範囲は−0.2Vから+0.8Vとし、走査速度は2.0m
V/secとした。X−Yレコーダーにより電流−電圧曲線
を描き、3回以上掃引させ曲線が安定した段階で、Ag/A
gCl標準電極に対して+0.4Vでの電位を基準電位として
電流値iを読み取り、次式に従つてipaを算出した。
試料長とJIS−R 7601に記載されている方法によつて
求められた試料密度と目付から見掛けの表面積を算出
し、電流値iを除してipaとした。本測定は柳本製作所
製のサイクリツク・ボルタ・メトリー・アナライザーP
−1100型を用いて行つた。
(2) X線光電子分光法による炭素繊維表面の酸素濃
度(O1S/C1S原子数比)、窒素濃度(N1S/C1S原子数比)
の測定は、VG社製ESCA装置ESCALABMK II型を用いてMgK
α線をX線源としたときのC1S,O1S,N1Sのシグナル強度
からそれぞれのASF値(0.205,0.630,0.380)を用いてO
1S/C1S,N1S/C1Sを原子数比として算出した。
(3) 界面剪断強度(τ)の測定は以下の方法により
行つた。
連続単繊維を一本、エポキシ系マトリツクス樹脂〔エ
ピコート828(油化シエル(株)製品)100部、カヤハー
ドMCD(日本化薬(株)製品)90部、NNジメチルベンジ
ルアミン3部〕中に埋め込んだ試験片を作成する。この
試験片にある一定以上の引張りひずみを与えることによ
り、埋込んだ繊維を多数か所で破断させる。この破断片
の長さを測定し平均破断長()を求める臨界繊維長
(lc)を より求める。また単繊維強度試験により、炭素繊維の強
度分布を求め、それにワイブル分布を適用しワイブルパ
ラメーターm.σを求める。このワイブルパラメーター
m.σより、臨界繊維長(lc)における平均破断強度σ
を算出しτ=σfd/2lc(d:炭素繊維の直径)より界面
剪断強度(τ)を求める。
(4)ストランド強度と弾性率はJIS−R 7601に記載の
方法で測定した。
実施例1 アクリロニトリル/メタクリル酸(98/2重量比)の重
合体をジメチルホルムアミドに固形濃度26wt%となるよ
うに溶解してドープを作り、10μ過及び3μ過を行
つて湿式紡糸を行い、引続き温水中で4.5倍に延伸し、
水洗乾燥して、更に乾熱170℃で1.7倍に延伸して0.9デ
ニールの繊度を有するフイラメント数12000のプレカー
サーを得た。
このプレカーサーを220〜260℃の熱風循環型の耐炎化
炉を60分間通過せしめて耐炎化糸密度1.35g/cm3の耐炎
化繊維を得た。耐炎化処理するに際して15%の伸長操作
を施した。
次に耐炎化繊維を純粋なN2雰囲気中300〜600℃の温度
勾配を有する第1炭素化炉を8%の伸長を加えながら通
過せしめた。
更に、同雰囲気中1300℃の最高温度を有する第2炭素
化炉において400mg/dの張力下、2分熱処理を行つた。
更に同雰囲気中2200℃の最高温度を有する黒鉛化炉に
おいて2分間熱処理を行つた。得られた炭素繊維はスト
ランド強度450kg/mm2、ストランド弾性率40.0t/mm2の性
能を有するものであつた。この高弾性炭素繊維を陽極と
して、pH1のりん酸5%、30℃水溶液中通電処理を行
い、次いで炭酸水素アンモニウム5%あるいは、硝酸ナ
トリウム5%、30℃水溶液中に、p−フエニレンジアミ
ン(1.0wt%)を加え、この水溶液中に通電処理を行つ
た。表面処理時の処理速度は20m/時間である。
表1に測定結果を示した。また参考資料として図1に
実施例No.1で得た高弾性炭素繊維表面の走査型電子顕微
鏡写真を、図2に比較例No.5で得た高弾性炭素繊維表面
の写真をそれぞれ示した。図1より実施例No.1で得た高
弾性炭素繊維表面には重合物の電着あるいは表面コーテ
イングがなされていることが明確にわかる。一方、比較
例No.5で得られた高弾性炭素繊維表面は平滑である。
実施例2 実施例1の処理において、黒鉛化炉の最高温度を2500
℃に変更して得られた炭素繊維はストランド強度360kg/
mm2、ストランド弾性率46.0t/mm2の性能を有するもので
あつた。この高弾性炭素繊維に実施例1と同様な表面処
理を行つた。
表2に測定結果を示した。
〔発明の効果〕 本発明で得た高弾性炭素繊維は、従来の電解酸化処理
法を施して作成した高弾性炭素繊維と比較して、マトリ
ツクス樹脂との接着性が大幅に向上するという特徴を有
しており、エポキシ樹脂との界面剪断強度3.0kg/mm2
上の高弾性炭素繊維を容易に製造することが出来るよう
になる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 10/00 - 10/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性率40t/mm2以上の高弾性炭素繊維であ
    って、繊維表面に有機性アミンを電着又はコーティング
    した、電気化学的測定法(サイクリックボルタメトリ
    ー)により求められるipa値が0.8〜3.5μA/cm2、X線光
    電子分光法により求められる炭素繊維表面の酸素含有官
    能基量(O1S/C1S)が0.10〜0.30、窒素含有官能基量(N
    1S/C1S)が0.03〜0.25の範囲であることを特徴とする表
    面改質高弾性炭素繊維。
  2. 【請求項2】弾性率40t/mm2以上の高弾性炭素繊維を第
    1段目の表面酸化処理を行い、しかる後、この炭素繊維
    を陽極として、無機電解質又はアンモニウム塩の水溶液
    中に電解重合可能な有機性アミンを0.1〜10wt%含む電
    解液中、80クーロン/g以上の処理電気量で電解処理を行
    うことを特徴とする請求項1記載の表面改質高弾性炭素
    繊維の製法。
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