JP2767077B2 - 塗り合せ自動制御塗装装置 - Google Patents

塗り合せ自動制御塗装装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、被塗物を搬送するコンベアに対し、その移
動方向と交差する方向に往復動し、被塗物を塗装する装
置で、スプレーガンの移動速度を、塗り合わせが正しく
行われように自動的に制御する装置をもった自動塗装装
置に関する。
[従来の技術] コンベアによって移送される被塗物を順次と塗装する
装置は、通常平面形自動塗装装置あるいはレシプロケー
タによる塗装装置が用いられる。前者は、バーコンベア
上に載置された被塗物を上方より塗装し、後者はトロリ
ーコンベアによって吊り下げられた被塗物を、スプレー
ガンを上下に往復動するレシプロケータにより塗装する
ものである。
例えば、トロリーコンベアにて、Vcm/秒にて搬送され
る被塗物を塗装するには、使用するスプレーガンのスプ
レーパターン幅:Wcmを実測し、スプレーガンの1往復移
動距離:Lcm、必要膜圧により割り出した塗り重ね回数:N
とにより、塗り合せをするスプレーガン移動速度:υcm
/秒を求める。そのうえで、スプレーガンの移動速度を
調整し塗装を行う方法がとられている。
一般的にいって、コンベア速度は生産性の条件で変動
することはあるが、人為的に変更するものであって、一
度設定すれば塗装中の変化はないとみてよい。スプレー
パターン幅は、被塗物に合わせたり塗料を変えることに
よって変化したり、吹付距離による変化など条件によっ
て変わる要素が大きい。又、塗り重ね回数は、塗装条
件、仕上り状態によって変える要素の多い条件である。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の方法によれば、前記した各条件が変化するたび
に、第2図に示す関係式によりスプレーガン移動速度を
求めなおし、その結果により移動速度を所定の速度に調
整する作業が必要となる。
これは作業者にとって煩わしいもので、時には適当に
行われ、最適でない塗り合せによって塗装されてしまう
ことになる。特に連続的に塗装が実施される工場におい
ては、調整の都度作業を中断し、かつ調整時間がかかる
となると、作業能率の低下が余儀なくされる。
また塗装の場合、スプレーの状態によって仕上りが変
わり、スプレーパターンの場合、吹付ガンの停止状態と
移動している状態ではパターン幅が異なる。一般に速度
が早くなる程両端部は、飛散の影響で小さい開きとなる
が、パターン幅の測定は通常手間のかからない静止状態
で行うことが殆どであり、実際の仕上りとの間に差が出
てしまう問題も有している。
[問題点を解決するための手段] 以上のような問題点を解決するため、本発明において
は、コンベア及びスプレーガンの移動速度を入力信号に
よって制御できる装置を備えた自動塗装装置に対し、ス
プレーガンのパターン幅、と塗り合せ回数を入力する装
置と、該入力装置からの信号と、前記コンベアの速度信
号にもとづき、スプレーガンの移動速度を演算する手段
を設け、その演算結果によって、前記スプレーガンの移
動速度を自動的に制御するよう構成したものである。
[作用] 適正な塗り合せは、コンベアの移動速度とスプレーパ
ターン幅によって決まり、スプレーガンの移動速度は、
スプレーガンが1往復する間にコンベアが移動する距離
とスプレーパターン幅が同調するように調整される。し
たがってコンベアの移動速度が信号によりとり出せるこ
とにより、他のスプレーパターン幅、スプレーガンの1
往復距離、塗り合せ回数を入力することによって、一定
の関係式によって演算でき、スプレーガンの移動速度を
出力信号として取り出すことができる。これらの演算
は、マイクロコンピューターを用い、入出力信号、表示
手段等を含めた制御装置として基板化した装置により容
易に信号として取り出せ、この出力信号によってスプレ
ーガン移動速度制御装置が働き、適正な移動速度に自動
的に調整される。
また、パターン幅補正値を入力することにより、測定
時と実際塗装時のパターン幅の変動が計算され、その実
質パターン幅に応じた塗り合せに必要なスプレーガン移
動速度が出力される。
[実施例] 第1図は本発明の概要を図示したもので、主な構成と
それらの関連を示している。
コンベア駆動は、駆動装置1内の速度検出器による回
転速度信号と、外部からの指定回転数信号(実施例では
測定ボリューム3により出力電圧として使われる)とを
偏差検出器に入力し、ここで両者を比較し、その偏差を
前記モータにフィールドバックして指定回転数を得るよ
う構成されたコンベア速度制御装置によって行われる。
スプレーガンの駆動も同様に構成された移動速度制御装
置によって制御されるが、偏差検出器6に入力される信
号は、前記コンベア駆動の指定回転数信号と、スプレー
パターン幅入力信号7、塗り合せ回数入力信号8、パタ
ーン幅補正値入力信号9のそれぞれの入力信号を受け、
演算処理をする制御基板10からの出力信号となる。駆動
装置2の速度検出器からの信号と制御基板10からの信号
により偏差検出器6で比較した結果を駆動装置2に送
り、速度を制御するためコンベアの速度が変化すれば、
ガンの移動速度も自動的に調整されることになる。
切換スイッチ11は、単独にスプレーガン移動速度を設
定する場合に切換え、ガン移動速度設定ボリューム12か
らの信号により、ガン移動速度を制御するためのもので
ある。
制御基板10は、操作盤からの入力信号としてスプレー
パターン幅、塗り合せ回数、パターン幅補正値をそれぞ
れ受ける他、ガンの1往復移動距離の入力信号13を装置
に合わせて設定できるようになっている。但し日常の入
力は、スプレーパターン幅と塗り合せ回数のみで可と
し、パターン補正値と、ガン1往復移動距離は予め設定
入力できるようになっている。すなわち、移動距離は装
置固有のもので、条件によって変わらず、またパターン
補正値は、静止時と通常用いられる範囲の速度との差を
予め入力しておけば、十分に対応できることになる。も
ちろんより正確な補正を必要とするならば、ガン移動速
度を変数とした補正値を演算入力するようにできる。
14,15は、それぞれコンベア移動速度と、ガン移動速
度をデジタル表示する速度表示器である。
第2図はスプレーの塗り合せの状態を図式化してい
る。スプレーガンは、コンベアの進行方向(矢印)に対
し直角に横切る状態で往復動するため、相対的にはコン
ベアの進行によって、スプレーパターン17は被塗物16に
対し斜線のように移動する。
第2図の例では、1往復目が実線の斜線Aで示され、
第2往復目が点線の斜線Bで示された範囲を塗装するこ
とになり、したがって、斜線がクロスした網目部分Cは
2回塗りされたことになる。実線と点線の接する部分が
塗り合せであり、確実に一致することが要求される。第
3図は、パターン幅が小さく塗り合せが良くない例を示
す。
このとき塗り合せの理論からガン移動速度υcm/秒
は、被塗物16の搬送速度すなわちコンベア速度Vcm/秒、
塗り合せ回数N回、ガン1往復移動距離Lcmに比例し、
スプレーパターン幅Wcmに反比例する。したがって予め
移動距離Lを設定し、スプレーパターン幅Wと塗り合せ
回数Nを入力することにより、コンベア速度Vに対する
ガン移動速度が演算処理される。本実施例の場合、速度
は速度(回転数)信号を電圧信号として比較演算処理し
ているため、出力も電圧として出力される。
スプレーパターン幅Wは、手軽な方法として静止状態
で吹き付けて測定することが多く用いられるが、この値
をそのま入力すると、実際にスプレーした場合、すなわ
ちガンを移動しながらスプレーした場合には小さくな
り、適正な塗り合せが得られず、塗面のムラが縞模様と
なって現れてしまう。通常塗装作業中に生ずる条件変化
ではほぼ一定の減縮であるため、予めこの値を入力して
おけば、問題なく塗装が継続できる。
第4図は本発明を実施する自動塗装装置の一例である
が、この装置においては、コンベア18をまたぐ形で門形
のスプレーガン移動装置26が設置され、スプレーガン21
は、左右に往復動する移動板22と一体のガンステー23に
取付けられ、下方の被塗物16に向かってスプレーされ
る。コンベア18及びスプレーガン21の移動速度は、第1
図で説明の制御装置が組み込まれた制御盤24によって自
動的に演算された結果にもとづき速度が制御される。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、コンベアの移動速度に
応じてスプレーガンの移動速度が自動的に演算処理さ
れ、かつその結果にもとづき駆動モーターの速度を制御
して、常に適正な塗り合せによってスプレー作業が行わ
れる。このため煩わしい塗り合せの調整が不用となり、
専門技術をもたない者でも、簡単な操作で塗装管理がで
きるようになる。また塗り合せは被塗物の移動速度に応
じて常に合うため、塗装品質の向上、均一化がはかられ
る等の自動化塗装に対し多大の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概要説明図、第2図,第3図は塗り合
せの説明図、第4図は本発明を活用する自動塗装装置の
1実施例を示す。 3……設定ボリューム、4,6……偏差検出器 7……パターン幅入力信号 8……塗り合せ回数入力信号 9……パターン幅補正値入力信号 10……制御基板 11……切換スイッチ、14,15……速度表示器 16……被塗物、18……コンベア

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンベアにて移送される物品に対し、交差
    する方向に往復動して該物品を塗装するスプレーガンを
    備えた自動塗装装置において、コンベア速度制御装置
    と、スプレーガン移動速度制御装置と、スプレーパター
    ン幅及び塗り合せ回数の信号入力装置と、前記コンベア
    速度制御装置の速度信号と前記信号入力装置の入力信号
    にもとづいて、ガン駆動速度を演算する手段とを有し、
    前記演算手段の結果を、前記スプレーガン移動速度制御
    装置に入力して所定の塗り合せになるようスプレーガン
    の移動速度を自動的に制御する自動塗装装置。
  2. 【請求項2】速度制御装置は、駆動モータの速度検出器
    による回転速度信号と、外部指令信号とを比較し、その
    偏差をフィードバックして指定回転数を得るようにした
    前記特許請求の範囲第1項記載の自動塗装装置。
  3. 【請求項3】コンベアにて移送される物品に対し、交差
    する方向に往復動して物品を塗装するスプレーガンの移
    動速度を、スプレーパターン幅と塗り合せ回数の入力信
    号及びコンベア速度信号に応じて演算処理した結果によ
    り得た出力信号によって、自動的に制御する自動塗装装
    置において、前記スプレーパターン幅の入力信号と共
    に、パターン幅補正値の入力信号を付加して演算処理が
    行えるよう構成した自動塗装装置。
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