JP2004522002A - 連続亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、帯鋼が溶融亜鉛メッキ槽を通過した後、エアワイピングによりメッキ重量が制御される連続溶融亜鉛メッキ工程において、帯鋼のメッキ重量を制御する装置である。特に、本発明に従った装置は帯鋼を各々のエアナイフから等距離に保ち、エアナイフの噴射圧力を帯鋼の幅方向に均一に分布させ、かつ帯鋼の両面のメッキ重量の変化を最小にする。さらに、厚さの異なる二つの帯鋼が連続的に溶融亜鉛メッキされる時に、本発明に従った装置は帯鋼の通過ラインの移動を予測し、エアナイフの位置を正確に制御する。結果として、不十分なメッキのような製造欠陥を減少することができ、かつ余剰なメッキによる亜鉛の浪費を最小限にできる。
Description
【0001】
本発明は、帯鋼が溶融亜鉛メッキ槽を通過した後にエアワイピングによりメッキ重量が制御されるような、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置に関するものである。特に、本発明は、帯鋼と、溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼に所定の圧力の下でエアジェットを噴射することよってメッキ重量を制御するエアナイフとの間の距離及び/又はエアナイフの噴射圧力を最適にする結果として、実際のメッキ重量と顧客によって注文されたメッキ重量との間の差が最小化されるような、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置に関するものである。
【0002】
背景技術
一般に、メッキ工程は帯鋼に耐腐食性と感じのよい外観を与えるために適用される。代表的なメッキ工程の例として、帯鋼が溶融金属メッキ槽を通過するような溶融メッキ工程、そして電解質を用いる電気メッキ工程がある。
【0003】
溶融メッキ工程は、溶融金属(例えば溶融亜鉛)が溶融金属メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に付着されるような工程である。この工程では帯鋼のメッキ重量を均一に制御するための別個の設備が必要となる。
【0004】
エアワイピング工程は、帯鋼のメッキ重量を制御するために従来から用いられてきた。この工程は、メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に適切な空気圧でエアナイフを通じてエアジェットを噴射することにより金属のメッキ重量を制御できる。
【0005】
溶融メッキ工程においては、帯鋼上で均一なメッキ重量を維持することが重要である。その目的のために、エアワイピング工程において最も重要な要因である、帯鋼とエアナイフとの間の距離及びエアナイフの噴射圧が制御されることが必要とされる。
【0006】
図1はエアワイピング工程を用いた従来の連続溶融亜鉛メッキ設備の概略図である。帯鋼1がシンクロール5を通って溶融亜鉛メッキ槽2を通過する間、溶融亜鉛が帯鋼1の両表面に付着する。溶融亜鉛メッキ槽2を通過した帯鋼は、溶融亜鉛メッキ槽の上側に設置された第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間に運ばれる。このとき、エアナイフ3,4は所定の圧力のエアジェットを帯鋼1の表側及び裏側で帯鋼1に噴射し、それにより余剰な溶融亜鉛を取り去ると共に、溶融亜鉛が帯鋼1に均一に分布することを確実にする。図1では、符号6は溶融亜鉛メッキ槽2を通過した帯鋼をエアナイフ3、4の間に規定された空間へと導くように設計された安定化ロールを示し、そして符号8はエアナイフ3、4に接続されたエアの配管に設置された圧力調整バルブを示す。
【0007】
上記のエアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程に関して、帯鋼1の表面と第一及び第二のエアナイフ3、4それぞれのノズルは、帯鋼1の幅方向(d)において、お互いに平行でなければならない。さらに、第一のエアナイフ3のノズルと帯鋼1の表側との間の距離は、第二のエアナイフ4のノズルと帯鋼1の裏側との間の距離と同じでなければならない。
【0008】
第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過した帯鋼のメッキ重量は、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれのノズルと、帯鋼1との間の距離に反比例して増加する。そのため、もし帯鋼1のメッキ重量を帯鋼1の幅方向に均一に分布させようとするならば、帯鋼1と第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれのノズルはお互いに平行でなければならない。同様に、もし帯鋼の表側のメッキ重量を帯鋼の裏側のメッキ重量と同じにするつもりならば、帯鋼は各々のエアナイフから等距離に保たれなければならない。
【0009】
従来、帯鋼1と第一及び第二のエアナイフ3、4の各々との間の距離を制御する目的でフィードバック工程が用いられてきた。すなわち、最初に、メッキされた帯鋼(すなわち、エアナイフの間に規定された空間を通過した帯鋼)の幅方向のメッキ重量が測定される。そして、これらの測定値が異なる場合、モータM1からM4が第一及び第二のエアナイフ3、4の位置を調節するためにもちいられる。
【0010】
しかし、このような従来の工程は、帯鋼の表面とエアナイフそれぞれのノズルとをお互いに平行にするのに多大な時間を必要とする。そのため、メッキ重量が帯鋼の幅方向(d)で均一に分布しない、または帯鋼の表側のメッキ重量が帯鋼の裏側のメッキ重量と同一でないという重大な問題がある。
【0011】
一方、作業効率を向上させる目的でメッキされる帯鋼がお互いに接続されるような連続溶融亜鉛メッキ工程に関しては、厚さの異なる帯鋼をお互いに接続することが可能である。
【0012】
図2(a)と(b)は、連続溶融亜鉛メッキ工程の概略図である。厚さの異なる二つの帯鋼1a、1bを接合する溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過するところで、帯鋼の通過ラインが帯鋼1a、1bに接した安定化ロール6の動作により移動する。
【0013】
そのような帯鋼の通過ラインの移動は、帯鋼の表側と第一のエアナイフ3との間の距離と、帯鋼の裏側と第二のエアナイフとの間の距離とを違わせる。結果的に、帯鋼の表側と裏側に対するメッキ重量が異なるものとなる。
【0014】
上記の問題を克服する目的で、従来、厚さの異なる二つの帯鋼を接合する溶接部がエアナイフを通過する直前に、操作者が彼等の裁量に従って第一及び第二のエアナイフ3、4の間の距離を調整する。溶接部が第一及び第二のエアナイフ3、4を完全に通過した後、第一及び第二のエアナイフ3、4から約100m後方の位置に設置されたメッキ重量感知器(不図示)が帯鋼の表側と裏側それぞれのメッキ重量を測定する。これらの測定値により、帯鋼の通過ラインの移動に応じた帯鋼の表側と裏側のメッキ重量の差が決定される。そのような差を基にして、エアナイフの間の距離を徐々にフィードバック制御することができる。
【0015】
しかしながら、この場合、帯鋼の表側と裏側のそれぞれのメッキ重量を等しくするのに多大な時間が必要となり、それにより不十分にメッキされた鋼板が製造されるという結果となる。
【0016】
一方で、要求されたメッキ重量や帯鋼の送り速度が変わるようなエアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程に関しては、エアナイフの噴射圧力を適切に調整する必要がある。
【0017】
この目的を達するために、操作者は従来、帯鋼の送り速度と要求されたメッキ重量の変化に応じ、彼等の裁量でエアナイフの噴射圧力を調整してきた。もう一つの方法としては、操作者は、帯鋼の送り速度の変化に応じたエアナイフの設定圧力値の変化を示す既存の表を用いてきた。
【0018】
しかしながら、この場合、操作者の調整が不正確な可能性がある。既存の表を用いる場合は、表の全ての値を、エアナイフが修理されるたびに修正されるエアナイフの特性に合わせるのは困難であるし、迅速な圧力制御は達成されず、それゆえその実際の使用は勧められるものではない。
【0019】
要約すれば、要求されたメッキ重量と実際のメッキ重量との差を最小にするためには、帯鋼の厚さと送り量が変わった時にエアナイフの設定圧力値を正確に変える必要がある。もしエアナイフの設定圧力値が不正確に変えられると、不十分なメッキや余剰なメッキが頻繁に発生する。このため、製品の品質は悪化する。さらに、余剰メッキの場合には、溶融亜鉛が必要以上の量で使用され、それにより余計なコストがかかるという結果になる。
【0020】
発明の開示
それゆえ、本発明は従来のエアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程の上記問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、帯鋼と噴射ノズルが帯鋼の幅方向において互いに並行であり、帯鋼が各々の噴射ノズルから等距離に保たれ、結果として帯鋼がエアナイフの間に規定された空間の中央に位置され、各々のノズルと平行になるような、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、エアナイフの噴射圧が要求されたメッキ重量や帯鋼の送り速度の変化に応じて適切に調整され、結果として帯鋼に付着する実際のメッキ重量と要求されたメッキ重量との差を最小にするような、エアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、厚さの異なる二つの帯鋼の接続がエアナイフナイフの間に規定された空間を通過する時に、帯鋼の通過ラインの移動が帯鋼の厚さの変化に応じて予測され、次に帯鋼とエアナイフとの間の距離が調整され、それにより帯鋼の表側と裏側に対する差分メッキ重量を最小にするような、エアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置を提供することにある。
【0023】
本発明によれば、上記の、そしてその他の目的は、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力のエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
、第二のエアナイフと列をなして位置するサポートシャフトの中央にお互いに所定の距離だけ離して設置され、帯鋼とエアナイフとの間の距離を測定する複数の距離測定手段と、
第一及び第二のエアナイフの各々の両端を前後に移動させながら、第一及び第二のエアナイフの各々と帯鋼との間のそれぞれの距離を調整する距離調整手段と、帯鋼の幅を測定する幅測定手段と、
幅測定手段の感知結果に応じて、距離測定手段が帯鋼の幅の中央に位置するようにする距離調整手段用の位置調整手段とからなることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置の提供によって達成できる。
【0024】
幅測定手段は、第一及び第二の幅感知器からなり、その各々が第一のエアナイフ上の発光部と、第二のエアナイフと列をなして位置するサポートシャフト上の発光部を備えかつ第一及び第二のエアナイフの向かい合う一端に設置されており、発光部が光を発信する時に受光部3による光の検出により帯鋼の位置と幅を決定するものであってもよい。
【0025】
位置調整手段は、第一及び第二の幅感知器の受光部及び複数の距離測定手段がサポートシャフトに設置されているようなサポートシャフトを帯鋼の幅方向に移動させる位置調整モータと、位置調整モータを駆動するモータ位置制御デバイスと、第一及び第二の幅感知器のそれぞれの受光部で検出された光の総量を等しくするために、位置調整モータの移動値を計算し、次に計算値をモータ位置制御デバイスに入力する第一の論理演算ユニットとからなっていてもよい。
【0026】
第一の論理演算ユニットは距離測定手段の移動値を次のように算出してもよい、
△Gc=(Nws−Nds)×Pss
ここで△Gcは距離測定手段の移動値であり、Nwsは第一の幅感知器の光を感知しているフォトダイオードの数であり、Ndsは第二の幅感知器の光を感知しているフォトダイオードの数であり、そしてPssはフォトダイオード間の距離である。
【0027】
距離測定手段は、お互いに所定の距離だけ離れて位置する三個以上の距離感知器からなっていてもよい。
【0028】
距離調整手段は、第一及び第二のエアナイフの各々の両端に接続され、帯鋼の方向に前後に移動する四個以上の距離調整モータと、第一及び第二のエアナイフの各々の両端の移動値を距離感知器により測定された帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離を用いて計算し、それにより帯鋼を各々のエアナイフから等距離に保ち、帯鋼を各々のエアナイフと平行に保つ第二の論理演算ユニットと、第二の論理演算ユニットから出力された第一及び第二のエアナイフの各々の両端の移動値の所まで距離調整モータを移動させる四個以上のモータ位置制御デバイスとからなっていてもよい。
【0029】
第二の論理演算ユニットは、第一及び第二のエアナイフの前/後移動方向のX軸と帯鋼の幅方向のY軸により張られ、原点となる点を用いたX−Y座標平面を定義し、X−Y座標平面での帯鋼の曲がりを次の式、
S(x):y=ax2+bx+c
(ここで、S(x)はX−Y座標平面での帯鋼の曲がりに対する関数であり、そしてa、b、及びcはS(x)の係数である)で表し、複数の距離測定手段から得られた複数の測定値をX−Y座標軸の値に変え、係数a、b、及びcを得るためにそのX−Y座標軸の値を関数S(x)に入力し、求めたS(x)を次式:
(ここで、ΔYは第一及び第二のエアナイフの平均移動値を表し、Wは幅感知器により検出された帯鋼の幅の大きさを表し、LT(x)は第一のエアナイフのノズルの一次方程式を表し、LB(x)は第二のエアナイフのノズルの一次方程式を表す)に入力し、それらにより第一及び第二のエアナイフの平均移動値ΔYを求め、第一及び第二のエアナイフの両端の移動値ΔYdsとΔYwsを次の式:
、
(ここで、ΔYdsは第一及び第二のエアナイフの一端の移動値であり、ΔYwsは第一及び第二のエアナイフの他の一端の移動値であり、Mは複数の距離測定手段のうちで中央に位置する距離測定手段と第二のエアナイフの一端に接続された距離調整手段との間の直線距離であり、そしてLは第二のエアナイフの両端に位置する二つの距離調整手段の間の距離である)を用いて計算し、そして次に、第一及び第二のエアナイフの各々の両端の最終的な移動値、ΔY1、ΔY2、ΔY3、そしてΔY4を次式:
ΔY1=−ΔY―ΔYws
ΔY2=−ΔY―ΔYds
ΔY3=ΔY+ΔYws
ΔY4=ΔY+ΔYds
(ここで、ΔY1は第一のエアナイフの一端(WS)の最終移動値であり、ΔY2は第一のエアナイフの他の一端(DS)の最終移動値であり、ΔY3は第二のエアナイフの一端(WS)の最終移動値であり、そしてΔY4は第二のエアナイフの他の一端(DS)の最終移動値である)を用いて計算してもよい。
【0030】
本発明の別の態様に従えば、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
第一及び第二のエアナイフの位置を調整する位置調整手段と、
溶融亜鉛メッキ槽において厚さの異なる二つの帯鋼を接合する溶接部の変化する位置を検出する溶接位置感知手段と、
第二のエアナイフと帯鋼との間の距離を測定する距離測定手段と、
帯鋼の厚さ情報に基づいて先行する帯鋼とそれに溶接された後続する帯鋼の厚さの変化及び帯鋼の通過ラインの移動値を計算することにより、第一及び第二のエアナイフの各々の移動距離を計算する移動距離予測論理演算手段と、
距離測定手段により測定された帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離を用いて溶接部の通過前後の帯鋼の通過ラインの移動値を計算することにより、第一及び第二のエアナイフの各々の移動距離を計算する移動距離測定論理演算手段と、
移動距離予測論理演算手段における予測された移動距離と移動距離測定論理演算手段における測定された移動距離との間の誤差を補償するために、移動距離予測論理演算手段のパラメータを補正するパラメータ補正手段と、
移動距離予測論理演算手段から出力された第一及び第二のエアナイフの移動距離と移動距離測定論理演算手段から出力された移動距離のどちらかを選択し、次にその選択した移動距離値を位置調整手段に適用する切り替え手段と、
溶接部感知手段により検出された溶接部の変化する位置に基づき、溶接部が第一及び第二のエアナイフを通過する前と後の所定の時間の間は移動距離予測論理演算手段の出力値を位置調整手段に適用する以外は、移動距離測定論理演算手段の出力値を位置調整手段に適用する切り替え制御ユニットとを備えることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置が提供される。
【0031】
移動距離予測論理演算装置は、先行する/後続する帯鋼の各々の厚さとそれらの間の厚さの差を次の式:
(ここで、
は通過ラインの予測された移動値であり、T1は先行する帯鋼の厚さであり、ΔTは先行する帯鋼と後続する帯鋼との間の厚さの差であり、α及びβは予測変数である)に入力し、それにより帯鋼の通過ラインの予測移動値を計算し、次にその通過ラインの移動値に応じた第一及び第二のエアナイフの各々の予測された移動値を算出してもよい。
【0032】
移動距離測定論理演算手段は、距離測定手段から、先行する/後続する帯鋼の各々と第二のエアナイフとの測定された距離値を受け取り、そして次に帯鋼の通過ラインの実際の移動値を次式を用いて計算してもよい:
S=(D2−D1)−(P2−P1)
(ここで、Sは通過ラインの実際の移動値であり、D1は先行する帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離であり、D2は溶接部の通過後の帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離であり、P1は溶接部の通過前の第二のエアナイフの位置であり、そしてP2は溶接部の通過後の第二のエアナイフの位置である)。
【0033】
パラメータ補正手段は移動距離予測論理演算装置の演算パラメータを次式に従って補正してもよい:
(ここで、γα、γβはα、βの学習速度である)。
【0034】
本発明の別の態様に従えば、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
第一及び第二のエアナイフを通過した帯鋼のメッキ重量を測定するメッキ重量測定手段と、
帯鋼の送り速度、各々のエアナイフと帯鋼との間の距離、及びエアナイフの圧力の変化を補償するそれぞれのパラメータα、β及びγを用いてメッキ重量の変化を計算するメッキ重量数学モデルと、
メッキ重量測定手段において測定された実際のメッキ重量値とメッキ重力数学モデルにおいて計算された計算上のメッキ重量値との間の差異を最小にするためにパラメータα、β及びγを補正するパラメータ補正手段と、
帯鋼の要求されたメッキ重量が変化した時に帯鋼のメッキ重量を要求されたメッキ重量に適合させるために第一及び第二のエアナイフの噴射圧力を調整する第一の圧力制御手段、及び、
帯鋼の送り速度が変化した時に帯鋼の送り速度の変化に応じたメッキ重量の変化を補償するために各エアナイフの噴射圧力を調整する第二の圧力制御手段を備え、第一及び第二のエアナイフの噴射圧力が、所定の圧力の下での連続溶融亜鉛メッキ工程の間に要求されたメッキ重量及び/又は送り速度が変化した時に第一の圧力制御手段及び/又は第二の圧力制御手段の出力値を用いて調整されることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置が提供される。
【0035】
メッキ重量数学モデルは次式、
ΔV=ln(Vk+1)−ln(Vk)
ΔD=ln(Dk+1)−ln(Dk)
ΔP=ln(Pk+1)−ln(Pk)、
に従い、帯鋼の送り速度の変化(ΔV)、帯鋼とエアナイフとの間の距離の変化(ΔD)、及び各エアナイフの圧力の変化(ΔP)を受け取り、上記のそれぞれの変数に対応するパラメータα、β及びγを掛けて、それにより式ΔW=αΔV+βΔD+γΔPを得て、そして次にメッキ重量変化、ΔW=ln(Wk+1)−ln(Wk)を計算してもよい。
【0036】
第一の圧力制御手段は、帯鋼の要求されたメッキ重量がTkからTk+1に変化した時、次式、
、を用いて要求されたメッキ重量がTk+1での各エアナイフの設定圧力値(Pk+1)を算出してもよい。
【0037】
第二の圧力制御手段は、帯鋼の送り速度がVkからVk+1に変化した時、次式、
、を用いて送り速度がVk+1での各エアナイフの設定圧力値(Pk+1)を算出してもよい。
【0038】
パラメータ補正手段が、メッキ重量測定手段で測定された実際のメッキ重量とメッキ重量数学モデルにおける計算上のメッキ重力との間の差が検出されたとき、次式、
θk+1 = θk + Kk+1[zk+1−h´k+1θk]
(ここで、
、
、
)、を用いてパラメータα、β及びγを補正してもよい。
【0039】
さらに本発明の別の態様に従えば、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御するシステムであって、
帯鋼と第一及び第二のエアナイフの各々との間の距離値を複数の測定点で測定し、測定した複数の距離値を用いてエアナイフの各々の両端の位置を変化させ、それにより帯鋼を各々のエアナイフと平行になり、かつ帯鋼を各々のエアナイフから等距離に保つように位置調整する第一のメッキ重量制御装置と、
第一及び第二のエアナイフの各々の位置を変化させ、それにより二つの帯鋼の溶接部の通過前後の所定の時間の間、二つの帯鋼の厚さの差に応じた通過ラインの移動を補正する第二のメッキ重量制御装置と、
帯鋼の要求されたメッキ重力及び/又は送り速度の変化に応じて噴射圧力を変化させる第三のメッキ重量制御装置と、
溶接部の通過の前後の所定の時間は第二のメッキ重量制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整し、溶融部分の通過後は第一のメッキ重力制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整するエアナイフ距離距離調整デバイス、及び、
第三のメッキ重量制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフから噴射される噴射圧力を調整するエアナイフ圧力制御デバイスとを備えることを特徴とする連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御するシステムが提供される。それゆえ、このシステムは連続溶融亜鉛メッキ工程における変化にかかわらず顧客の要求を満足させることができる。
【0040】
本発明の上記及びその他の目的、特徴とその他利点は、添付図面と合わせた以下の詳細な記述からより明確に理解されるであろう。
【0041】
発明の好ましい実施形態
以下では、本発明の構成要素と作用効果が添付の図に示された様々な実施態様を参照してより詳細に記述される。
【0042】
図3は、本発明の第一の実施態様に係るメッキ重量制御装置の構造を示す概略図である。図1及び2の中で用いられているものと同じとなる図3の構成要素は同一の符号を用いて示されている。
【0043】
図3に示されるように、本発明に係るメッキ重量制御装置は、X軸方向における帯鋼1と第一及び第二のエアナイフ3、4の各々との間の距離を第一及び第二のエアナイフ3、4の各々の両端の位置を移動させることにより調整し、それにより帯鋼を各々の噴射ノズルと平行になるように位置合わせする四つの距離調整モータM1、M2、M3、M4と、帯鋼の裏側に設置され、第二のエアナイフと帯鋼1との間の距離を測定する三つの距離感知器31、32、33と、第一及び第二のエアナイフの向かい合う一端に各々が位置し、帯鋼1に対するエアナイフ3、4の各々の幅方向の位置を検出する二つの幅感知器34、35と、幅感知器34、35の受光部34b、35b及び距離感知器31、32、33を保持しX軸方向に移動することができるサポートシャフトに接続された位置調整モータM5とを備えている。
【0044】
幅感知器34、35に関しては、図3に示されるように、発光部34a、35aが第一のエアナイフ3の両端に位置し、受光部34b、35bが第二のエアナイフ4の両端に発光部34a、35aと向かい合って位置する。受光部34b、35bは発光部34a、35aからの光を受けとる。白丸は受光部34b、35bが光を受けとる領域を示し、黒丸は光が帯鋼1により遮られるので受光部34b、35bが光を受けとらない領域を示す。便宜上、図3の上側をドライブサイド(以下ではDSとする)と呼び、図3の下側をワークサイド(以下ではWSとする)と呼ぶ。左側は帯鋼の表側を示し、右側は帯鋼の裏側を示す。
【0045】
図3には示されていないが、前記装置はさらに構成要素のそれぞれの動作を含む装置全体の動作を制御する制御部を備えている。制御部は好ましくはマイクロプロセッサを備えており、その詳細は後述する。
【0046】
距離感知器31、32、33は帯鋼1の幅方向に位置する三つの点のそれぞれの距離Dws、Dcs、Ddsを測定する役割をもつ。これら距離検知器は第二のエアナイフ4に取り付けられ、それゆえそれと共に移動する。この場合、レーザ感知器や渦電流感知器が第二のエアナイフから帯鋼1までの距離を測定する感知器として用いられることが可能であるが、特定の感知器に限定されるものではない。三つの距離感知器31、32、33はお互いに所定の距離Gssだけ離して設置されている。二つの外側の距離感知器32、33それぞれの測定値は同じでなければならない。その結果、帯鋼の幅方向は裏側のエアナイフのノズルと平行となる。
【0047】
すなわち、帯鋼1が裏側のエアナイフ4のノズルと平行となるためには、DS距離感知器32で測定された距離値DdsはWS距離感知器33で測定された距離値Dwsと同じでなければならない。この目的のために、中央の距離感知器31は帯鋼1の幅の中央に位置することが必要である。この要求を満たすため、駆動機構が距離感知器31、32、33及び受光部34b、35bを帯鋼の幅方向に移動させるために必要となる。
【0048】
これに関して、距離感知器31、32、33及び受光部34b、35bは、五番目のモータM5に接続された可動シャフトに設置される。幅感知器34、35は帯鋼1の縁を検出し、検出結果に基づいて帯鋼の幅が測定される。最後に、五番目のモータM5は、距離感知器31が帯鋼1の幅の中央に位置するように調整される。すなわち、二つの外側の幅感知器34、35が同じ数の光を感知している領域を有するようなところで、中央に位置した距離感知器31が帯鋼1の幅の中央に位置する。
【0049】
図3に示されるように、幅感知器34、35の発光部34a、35aは第一のエアナイフ3の両端に設置される。その受光部34b、35bは、第二のエアナイフ4と列をなして位置するサポートシャフト36の両端に、発光部34a、35aと向かい合うような状態で設置される。受光部34b、35bの内側にフォトダイオードが帯鋼の幅方向に一列に並べられている。それゆえ、受光部が発光部34a、35aからの光を受け取ると、所定量の電流が出力される。そのような幅を感知する方法は、スチールミルにおいて帯鋼の幅を検出する場合に広く使われてきた。上記の方法が、距離感知器31〜33が帯鋼の幅の中央に位置するために本発明に適用された。
【0050】
図4は、図3に示されるようなメッキ重量制御装置を制御するための制御部の構造を示すブロック図である。図4(a)は、幅感知器34、35から得られた幅の情報を用いて距離感知器31、32、33を帯鋼の幅の中央に位置させるための移動モータとして使われる、五番目のモータM5を制御する過程を示す図である。図4(b)は四つの点、すなわち二つのエアナイフの各々の両端の点の位置を距離感知器31、32、33から得られた測定値を用いて調整する、距離調整モータM1、M2,M3,M4を制御する過程を示す図である。
【0051】
図4に示されるように、本発明に従ったメッキ重量制御装置を制御する制御部は、第一の論理演算ユニット41と、モータ位置制御デバイス42と、第二の論理演算ユニット43と、モータ位置制御デバイス44〜47とを備える。受光部34b、35bにおいて光を感知しているダイオードの数Nwd、Ndsが第一及び第二の幅感知器34、35から第一の論理演算ユニット41に入力される。次に、第一の論理演算ユニット41は受光部34b、35bそれぞれにおいて光を感知しているダイオードの数を等しくするために、モータ移動値ΔGcを計算する。モータ位置制御デバイス42は五番目のモータM5を、第一の論理演算ユニット41により計算されたモータ移動値の所まで駆動する。三つの距離感知器31〜33により測定され、X−Y座標軸の値に変換された第二のエアナイフから帯鋼までの距離、(X0、Y0)、(X1、Y1)及び(X2、Y2)が第二の論理演算ユニット43に入力される。第二の論理演算ユニット43は帯鋼1を第一及び第二のエアナイフ3、4の各々に平行にし、かつ帯鋼1を各々のエアナイフから等距離に保つために、それぞれのモータ移動値ΔY1、ΔY2、ΔY3及びΔY4を計算する。第二の論理演算ユニット43によって計算されたそれぞれのモータ移動値は、モータM1〜M4をそれぞれの要求された位置に移動させるモータ位置制御デバイス44〜47へ入力される。
【0052】
モータ位置制御デバイスは制御されるモータの型式に応じて異なるが、本発明では特定のモータ又はモータ位置制御デバイスに限定されない。
【0053】
第一の論理演算ユニット41は距離感知器の移動値(ΔGc)を次の式1に従って計算する。
式1
ΔGc=(Nws−Nds)×Pss
ここで、ΔGcは帯鋼の幅方向での距離感知器の移動値であり、NwsはWS幅感知器35の光を感知しているフォトダイオードの数であり、NdsはDS幅感知器34の光を感知しているフォトダイオードの数であり、そしてPssは幅感知器34、35の受光部34b、35bに設置されたフォトダイオードの間の距離である。
【0054】
モータ位置制御デバイス42は式1を用いて計算された距離感知器31から33の移動値に従って五番目のモータM5を駆動する。それゆえ、もし距離感知器31から33がX軸方向に移動し、そしてNwsがNdsと等しくなれば、五番目のモータM5はそれ以上動かない。この状態では、距離感知器31〜33は帯鋼1の幅の中央に位置する。
【0055】
第二の論理演算ユニット43は次の手順に従い演算を実行し、四つの点、すなわち、エアナイフの端の点のそれぞれの移動値を計算する。
【0056】
第一のエアナイフ3及び第二のエアナイフ4の平均移動値は帯鋼1を各々のエアナイフから等距離に保つために計算される。この目的で、帯鋼の曲がりは式2の二次方程式で表される。この場合、座標系は図3に示されるものである。
式2
S(x):y=ax2+bx+c
三つの距離感知器31〜33により測定される三つの座標の組、(x0、y0)、(x1、y1)及び(x2、y2)は全て式2を満足する。それゆえ、三つの距離感知器31〜33により測定された三つの座標の組が式2に代入され、それにより三つの連立方程式を作る。この連立方程式を解けば、式2の係数a、b及びcが得られる。
【0057】
以下では、第二の論理演算ユニット43の作用がより詳細に記述される。
【0058】
図3を参照すると、y軸はエアナイフ3、4の縦軸に垂直であり、x軸はy軸に垂直であり、それにより2次元のx−y座標平面を形成する。原点(0、0)として任意の点が選択でき、そして帯鋼の曲がりは式2の二次方程式S(x)として表される。
【0059】
三つの距離感知器31〜33により検出された第二のエアナイフから帯鋼までの距離はx−y座標の組に変換され、それによりそれぞれ(x0、y0)、(x1、y1)及び(x2、y2)を表す。三つの座標の組(x0、y0)、(x1、y1)及び(x2、y2)を式2の二次方程式に代入して、係数a、b及びcを解くことができる。その結果、帯鋼1を記述する具体的な関数が得られる。
【0060】
第一のエアナイフ3及び第二のエアナイフ4の平均移動値は、帯鋼1を記述する上記の二次方程式を次の式3に代入することにより計算される。
式3
ここで、ΔYは第一及び第二のエアナイフ3、4の平均移動値であり、Wは幅感知器34、35において測定された帯鋼の幅であり、LT(x)は第一のエアナイフ3の噴射ノズルを記述する一次方程式であり、そしてLB(x)は第二のエアナイフ4の噴射ノズルを記述する一次方程式である。
【0061】
第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルを記述する一次方程式は、上述のx−y座標系において、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルの位置を表す。すなわち、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルの位置は、図3に示されるようなx‐y座標平面において一次方程式として表現することができる。好ましくは、一次方程式はy=a´x+b´の形式で表現される。
【0062】
そして、第一及び第二のエアナイフ3,4の各々の両端の移動値が計算され、それにより第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルを帯鋼1と平行になるように位置させる。
【0063】
この目的のために、第一及び第二のエアナイフ3、4のDS及びWSでのそれぞれの移動値が次の式4及び5を用いて計算される。DS移動値は式4により算出され、WS移動値は式5により算出される。
式4
式5
ここで、ΔYdsは第一及び第二のエアナイフ3、4のDS移動値であり、ΔYwsは第一及び第二のエアナイフのWS移動値であり、Mは中央に位置する幅感知器31と四番目のモータM4との間のx軸方向の直線距離であり、そしてLは第二のエアナイフ4におけるWS距離調整モータM3とDS距離調整モータM4との間の距離である。
【0064】
最後に、帯鋼1を第一及び第二のエアナイフ3、4の各々から等距離に保つための平均移動値ΔYと、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルをお互いに平行に保つためのWS/DSのそれぞれの移動値ΔYwsとΔYdsが式6に代入され、それにより距離調整モータM1、M2、M3及びM4のそれぞれの移動値を得る。
式6
ΔY1=−ΔY−ΔYws
ΔY2=−ΔY−ΔYds
ΔY3= ΔY+ΔYws
ΔY4= ΔY+ΔYds
ここで、ΔY1は第一のエアナイフ3のWS距離調整モータM1の最終的な移動値であり、ΔY2は第一のエアナイフ3のDS距離調整モータM2の最終的な移動値であり、ΔY3は第二のエアナイフ4のWS距離調整モータM3の最終的な移動値であり、そしてΔY4は第二のエアナイフ4のDS距離調整モータM4の最終的な移動値である。
【0065】
距離調整モータM1、M2、M3及びM4のそれぞれの移動値が計算されれば、対応するそれぞれのモータ位置制御デバイス44〜47がエアナイフの位置を調整する。その結果、帯鋼1は常に第一及び第二のエアナイフ3、4の各々から等距離に保たれ、かつ噴射ノズルは帯鋼1の幅方向においてお互いに平行になるように位置する。
【0066】
本発明の第一の実施態様のメッキ重量制御装置に従うと、エアナイフの各々と帯鋼との間のそれぞれの平均距離は常に等しくなり、エアナイフのそれぞれのノズルは帯鋼1の幅方向においてお互いに平行になるように位置し、その結果帯鋼の幅方向のメッキ重量と帯鋼の表側と裏側のメッキ重量はほとんど均一に分布することになる。それゆえ、不十分なメッキや余剰なメッキなどの製品欠陥、及び亜鉛の浪費を防ぐことができ、製品コストの節約という結果となる。
【0067】
図5は本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の概略図である。帯鋼の厚さの変化に応じた通過ラインの移動値は帯鋼の厚さと厚さ変化に比例するという事実に注意し、通過ラインの移動値が評価される。予測値と実際の値との間の誤差は、溶接部でのエアナイフと帯鋼との間の実際の距離を測定した後に補正される。以下では、本装置の構成要素と作用が添付の図5を参照してより詳細に記述される。
【0068】
図5に示されるようなメッキ重量制御装置は、距離測定ユニット7と、溶接部感知ユニット51と、移動距離測定論理演算ユニット52と、移動距離予測論理演算ユニット53と、パラメータ論理演算ユニット54と、切り替えユニット55と、切り替え制御ユニット56と、モータ位置制御ユニット57、58と、可動モータユニット59、60とを備えている。距離測定ユニット7は第二のエアナイフ4と帯鋼1との間の距離を測定する役割をもつ。溶接部感知ユニット51は帯鋼の送りラインにおいて第一及び第二のエアナイフ3、4の上流部分に設置され、厚さの異なる二つの帯鋼1a、1bが溶接されている溶接部Pを検出する。距離測定ユニット7により測定された帯鋼1a、1bの各々と第二のエアナイフ4との間の距離は、移動距離測定論理演算ユニット52に入力され、次に帯鋼1と第二のエアナイフ4との間の距離に応じた帯鋼1の通過ラインの移動値を測定し第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの移動距離を計算する。移動距離予測論理演算ユニット53は、予測パラメータを伴って溶接部の前後に位置する先行する帯鋼1aと後続する帯鋼1bとの間の厚さの変化を計算し、帯鋼1の通過ラインの移動値を計算し、そして第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの移動距離を算出する。パラメータ論理演算ユニット54は移動距離予測論理演算ユニット53における予測された通過ライン移動値と移動距離測定論理演算ユニット22における測定された通過ライン移動値との間の誤差を補正するために演算パラメータを補正する。切り替えユニット55は移動距離予測論理演算ユニット53と移動距離測定論理演算ユニット52の各々から出力された、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの移動距離を選択的に出力する。切り替え制御ユニット56は、溶接部感知ユニット51により検出された溶接部の変化する位置に基づいて、溶接部が安定化ロール6を通過した後の所定の時間の間は移動距離予測論理演算ユニット53の出力値を選択し、上記所定の時間以外は移動距離測定論理演算ユニット52の出力値を選択するように切り替えユニット55を制御する。モータ位置制御ユニット57、58は切り替えユニット55から出力された移動値の所まで第一及び第二のエアナイフ3、4を移動させるために第一及び第二のエアナイフの可動モータを制御する役割をもつ。それぞれの可動モータユニット59、60は対応する第一及び第二のエアナイフ3、4を前後に移動させ、対応するモータ位置制御ユニット57、58の制御のもとで駆動される一またはそれ以上のモータからなる。
【0069】
モータユニット59、60は図5では簡単に表現されているが、モータユニット59、60は、図3に示されるような第一及び第二のエアナイフ3、4の各々の両端を移動させる四つのモータM1からM4からなる。移動距離測定論理演算ユニット52及び移動距離予測論理演算ユニット53における、帯鋼1の移動に応じた第一及び第二のエアナイフ3、4の各々の両端の移動値の算出は、従来の方法又は前述の第一の実施態様の方法に従って実行されてもよい。
【0070】
図6は本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の制御フローを示すフローチャートである。図5に示されたようなメッキ重量制御装置の原理が図6を参照して記述される。
【0071】
本発明の第二の実施態様に従えば、厚さの異なる二つの帯鋼1a、1bが溶接され、そして連続的に溶融亜鉛メッキされる。
【0072】
この場合、厚さの異なる帯鋼1a、1bが第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過する時に、帯鋼の通過ラインの移動値は帯鋼の厚さと厚さの変化に比例するという事実に注意し、第二の実施態様に従うメッキ重量制御装置が設計され、次のように動作する。
【0073】
溶接部Pの進入が溶接部感知ユニット51で検知された時(S601)、移動距離予測論理演算ユニット53は先行する帯鋼1aの厚さ(T1)と後続する帯鋼1bの厚さ(T2)の溶接部Pの境界での変化(ΔT=T2−T1)を計算する(S602)。
【0074】
通過ラインの予測された移動値(
)は上記の計算された厚さ変化に基づいて次の式7に従い計算される。移動距離予測論理演算ユニット22から出力されるエアナイフの最終的な移動値(ΔP)は通過ラインの予測された移動値(
)と同じである(S603)。
式7
ここで、αとβは移動距離予測のための演算パラメータである。
【0075】
通過ラインの予測された移動値は溶接部Pが安定化ロール6を通過する前に算出され、そして溶接部の検出時刻から所定の時間が経過したかどうかがチェックされる。所定の時間が経過した場合(S604)、すなわち溶接部Pが溶接部感知ユニット51から帯鋼の進行方向に従って進み、安定化ロール6を通過しそれで通過ラインが移動する場合、通過ラインの予測された移動値(
)に従って第一及び第二のエアナイフの位置が調整される(S605)。この目的のために、溶接部感知ユニット51の検出信号の出力から第一の設定時間の後に、切り替え制御ユニット56は切り替えユニット55の切り替え動作を制御し、それにより移動距離予測論理演算装置53の出力値をモータ位置制御ユニット57、58に適用する。モータ位置制御ユニット57、58は第一及び第二のエアナイフのそれぞれの可動モータユニット59、60を移動距離予測論理演算ユニット53において計算された通過ラインの予測された移動値(
)の所まで移動させる。
【0076】
第一の設定時間は、溶接部Pが溶接部感知ユニット51の検出位置から安定化ロール6へ進むために必要な時間である。
【0077】
溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過した後、後続する帯鋼1bと第二のエアナイフとの間の実際の距離が測定され、溶接部の通過前後での測定値間のあらゆる差は正確に等しくされる。詳しくは、溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過する前後で、参照エアナイフ、すなわち帯鋼の裏側に位置する第二のエアナイフ4と帯鋼との間のそれぞれの距離、D1及びD2が距離測定ユニット51を用いて測定される(S606からS608)。
【0078】
移動距離測定論理演算ユニット52は、先行する帯鋼1aと第二のエアナイフ4との間の測定された距離値D1、後続する帯鋼1bと第二のエアナイフ4との間の測定された距離値D2、溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過する前の第二のエアナイフ4の位置P1、溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過した後移動距離予測論理演算ユニット53の予測に従って移動された第二のエアナイフ4の位置P2を用いて、式8に従って通過ラインの実際の移動値Sを計算する。この場合、移動距離測定論理演算ユニット52の最終的な出力値(ΔP)は、通過ラインの予測された移動値(
)を通過ラインの実際の移動値(S)から引くことにより得られる(S609、S610)。
式8
S=(D2−D1)−(P2−P1)
【0079】
それゆえ、予測された移動値(
)を実際の移動値(S)から引くことによって得られた値により第一及び第二のエアナイフ3、4を移動させることによって誤差が補正される(S611)。
【0080】
詳しくは、溶接部感知ユニット51における溶接部の検出から第二の設定時間が経過した後、切り替え制御ユニット56が移動距離測定論理演算ユニット52の出力値をモータ位置制御ユニット57、58に適用するように切り替えユニット55を制御する。それから、第一及び第二のエアナイフ3、4の位置が移動距離測定論理演算ユニット52から最終的に出力される実際の移動値と予測された移動値との間の差(
)の所まで調整される。
【0081】
移動距離予測論理演算ユニット53の予測された移動値(
)が移動距離測定論理演算ユニット52の通過ラインの実際の移動値(S)と同じであるところでは、モータ位置制御ユニット57、58に適用される出力値はゼロ(0)である。
【0082】
このことは、移動距離予測論理演算ユニット53において正確な移動値予測がなされたことを示す。これに対して、移動距離予測論理演算ユニット53の予測された移動値(
)が移動距離測定論理演算ユニット53の通過ラインの実際の移動値(S)と異なるところでは、移動距離予測論理演算ユニット53の演算に使用されたパラメータ(式7のαとβ)が不正確であり、それゆえ不正確な予測が生じる。それゆえ、パラメータ、αとβは再設定されなければならない。この点については、ステップS612において、予測された移動値(
)と実際の移動値(S)との間の差がゼロ(0)であるところで、制御ステップが終結され、しかしそうでなければ、パラメータαとβが次の式9のように補正される。
式9
、
ここで、γα、γβはαとβの学習速度である。
【0083】
移動距離予測演算のためのパラメータα及びβの補正(S612、S613)はパラメータ論理演算ユニット54において実行される。
【0084】
上記のように、本発明の第二の実施態様に従えば、厚さの異なる二つの帯鋼が連続的に溶融亜鉛メッキされる。溶接部がエアナイフの間に規定された空間を通過する前は、帯鋼の通過ラインは帯鋼の厚さと厚さの変化を用いて調整される。それゆえ、操作者による従来の裁量による制御の不正確さが克服できる。溶接部がエアナイフの間に規定された空間を通過した後の場合は、距離感知器が帯鋼のの通過ラインの実際の移動距離を測定する、そしてそれゆえエアナイフと帯鋼との間の距離が正確に制御される。それゆえ、従来の連続溶融亜鉛メッキにおいて溶接部から数百メータまで広げられた帯鋼においてしばしば生じる、帯鋼の表側と裏側との間のメッキ重量の変化を最小にできる。結果として、連続溶融亜鉛メッキ工程において不十分なメッキや余剰なメッキが最小になり、それゆえ製品欠陥と亜鉛の浪費が防止され、製造コストの節約という結果となる。
【0085】
エアナイフと帯鋼との間の距離は正確に制御されるが、要求されたメッキ重量が変化するところでは、不正確なメッキが発生するかもしれない。これを克服するために、本発明では要求されたメッキ重量の変化に応じて噴射圧を制御する。
【0086】
図7は本発明の第三の実施態様に従ったメッキ重量制御装置を示すブロック図である。メッキ重量制御装置はメッキ重量測定ユニット71、メッキ重量制御ユニット72、及び圧力制御デバイス73を備える。メッキ重量測定ユニット71は、第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過した帯鋼のメッキ重量を測定する役割をもつ。メッキ重量制御ユニット72はメッキ重量測定ユニット71において測定された実際のメッキ重量と要求されたメッキ重量を比較し、そして噴射圧力設定値を要求されたメッキ重量に達するように調整する。圧力制御デバイス73はエアジェットがメッキ重量制御ユニット72において設定された圧力のもとで噴射されるようにエアバルブ8を制御する。メッキ重量制御ユニット72はパラメータ評価器721と、測定したメッキ重量値を受け取り、次に要求されたメッキ重量に達するように設定圧力値をフィードバック制御するメッキ重量数学モデル723と、要求されたメッキ重量が変化したときに設定圧力値を出力するプリセット制御デバイス724と、そして前方送り制御デバイス725とを備える。その機能と構成の詳細な説明は次のとおりである。
【0087】
メッキ重量数学モデル723に関して、メッキ重量Wは三つのパラメータα、β及びγ、帯鋼とエアナイフとの間の距離D、エアナイフの空気圧P、及び帯鋼の送り速度であるライン速度Vを用いて次の式10のように表される。それぞれの変数は現時点kにおいてVk、Dk、及びPkと表される。この場合、メッキ重量はWkである。次の時間k+1では、それぞれの変数はVk+1、Dk+1、及びPk+1、と表され、そしてメッキ重量はWk+1である。時間k+1でのメッキ重量(Wk+1)は次の式10を用いて得られる。
式10
もしΔV=ln(Vk+1)−ln(Vk)
ΔD=ln(Dk+1)−ln(Dk)
ΔP=ln(Pk+1)−ln(Pk)
ΔW=ln(Wk+1)−ln(Wk)、
ならば、ΔW=αV+βD+γP
上記の変数V、D、及びPは常に測定される。
【0088】
プリセット制御デバイス724は帯鋼の要求されたメッキ重量が変化した時に使用される。帯鋼の要求されたメッキ重量がTkからTk+1に変化するところで、エアナイフの時間k+1での設定圧力値(Pk+1)は次の式11を用いて得られる。
式11
【0089】
前方送り制御デバイス725は帯鋼の送り速度が変化した時に使われる。帯鋼の送り速度がVkからVk+1へ変化するところで、時間k+1での設定圧力値(Pk+1)は次の式12を用いて得られる。
式12
【0090】
パラメータ評価器721は式10の三つのパラメータα、β及びγを最適化するために作用する。パラメータα、β及びγが不正確であるところで、式10で計算されたメッキ重量(Wk+1)とメッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量との間の誤差が生じる。そのような誤差を最小にするパラメータ評価器230はメッキ重量数学モデルのパラメータを、線形代数の学術用語である帰納的最小自乗法と呼ばれる最適化手法に基づいて評価する。
【0091】
パラメータ評価器230では、次の式13が帰納的最小自乗法に基づいて用いられる。
【0092】
詳しくは、現時点kにおいて、それぞれの変数がVk、Dk、及びPkであるところで、メッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量は
のように表される。次の時間k+1において、それぞれの変数がVk+1、Dk+1、及びPk+1であるところで、メッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量は
のように表される。時間k+1でのパラメータα、β及びγは次の式13を用いて得られる。
式13
もし、
、
、
、ならば、
【0093】
要約すれば、メッキ重量数学モデル723はメッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量に応じ、要求されたメッキ重量に達するための設定圧力値を出力する。要求されたメッキ重量が変化したところで、プリセット制御デバイス724は式11を用いて設定圧力値を出力する。ライン速度が変化したところで、前方送り制御デバイス725はライン速度の変化に応じた設定圧力値を式12を用いて出力する。
【0094】
それぞれの条件に従って出力された設定圧力値は圧力制御デバイス73に適用される。圧力制御デバイス73はメッキ重量制御ユニット72の出力値に応じてエアバルブ8の開閉の度合いを調整し、噴射圧力が調整される結果となる。
【0095】
上述のように、本発明の第三の実施態様に従えば、要求されたメッキ重量又はライン速度が変化した時に、エアナイフの圧力を正確に制御することができる。その結果、要求されたメッキ重量と実際のメッキ重量との間の差を最小化することができる。さらに、不十分なメッキによる質の良くない製品及び余剰のメッキによる亜鉛の浪費が最大限に防止され、製造コストの節約という結果となる。本発明のパラメータ評価器はメッキ重量数学モデルを適応させる一方、エアナイフ設備及びその他のメッキ重量に関係する設備が定期的に修理される時にいつも発生する変化を考慮しているので、設備の修理の負担が減少する。
【0096】
第一、第二及び第三の実施態様に従ったそれぞれのメッキ重力制御装置は単独でまたは組み合わせて使うことが可能である。しかしながら、それらが連続溶融亜鉛メッキ設備において一緒に適用されるところでは、メッキ重量のさらに正確な制御を達成することが可能である。
【0097】
図8は本発明の第一、第二及び第三の実施態様に従ったそれぞれの装置を統合した、連続溶融亜鉛メッキ工程におけるメッキ重量制御システムを示すブロック図である。このシステムは第一のメッキ重量制御装置81、第二のメッキ重量制御装置82、切り替えデバイス83、エアナイフ距離制御デバイス84、第三のメッキ重量制御装置85、及びエアナイフ圧力制御デバイス86を備える。第一のメッキ重量制御装置81は、帯鋼の複数の測定点から第二のエアナイフまでの距離を測定し、測定された複数の距離から第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を変更し、それにより帯鋼を各々のエアナイフと平行になるよう位置させ、帯鋼を各々のナイフから等距離に保つ。第二のメッキ重量制御装置82は、溶接部の通過前後の所定の時間の間、二つの帯鋼の間の厚さの差に応じた通過ラインの移動を補償するために第一及び第二のエアナイフの位置を変える。切り替えデバイス83は、溶接部の通過前後の所定の時間の間はエアナイフ距離制御デバイス84を第二のメッキ重量制御装置82と接続し、溶接部の通過後はエアナイフ制御デバイス84を第一のメッキ重量制御デバイス83と接続する。エアナイフ距離制御デバイス84は第一及び第二のメッキ重量制御装置81、82の制御に従い、第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整する。第三のメッキ重量制御装置85は要求された帯鋼のメッキ重量又はライン速度またはその両方の変化に応じて噴射圧力を調整する。エアナイフ圧力制御デバイス86は第三のメッキ重量制御装置85の制御に従って第一及び第二のエアナイフに適用される噴射圧力を制御する。
【0098】
第一のメッキ重量制御装置81は図3及び4に示されるような本発明の第一の実施態様に従うものであり、第二のメッキ重量制御装置82は図5に示されるような本発明の第二の実施態様に従うものであり、そして第三のメッキ重量制御装置85は図7に示されるような本発明の第三の実施態様に従うものである。
【0099】
このメッキ重量制御システムは、二又はそれ以上の帯鋼が溶接され、そして連続的にメッキされる連続溶融亜鉛メッキ工程において、第三のメッキ重量制御装置83を用いて要求されたメッキ重量及びライン速度の変化に従って第一及び第二のエアナイフの噴射圧力を制御する。
【0100】
厚さの異なる二つの帯鋼を接続する溶接部はメッキ槽を通過する前後の所定の時間の間、第二のメッキ重量制御装置82の制御に従う。それゆえ、第一及び第二エアナイフの各々と帯鋼との間の距離は帯鋼の厚さの変化に応じた通過ラインの移動に従い制御される。残りの部分(溶接部の間の領域)はフィードバック方式で第一のメッキ重量制御装置81の制御に従い、それにより第一及び第二のエアナイフの各々と帯鋼がお互いに平行になり、帯鋼が各々のエアナイフから等距離に保たれる結果となる。
【0101】
それゆえ、このシステムは連続溶融亜鉛メッキ工程の変化にかかわらず要求されたメッキ重量がメッキできるように連続溶融亜鉛メッキ設備を制御することが可能である。
【0102】
本発明の好ましい実施態様を例示の目的で開示したが、当業者は添付する請求項に開示された本発明の本質から逸脱することなく、様々な変更、付加、及び置き換えをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエアワイプを用いた連続溶融亜鉛メッキ装置の概略図である。
【図2】(a)と(b)はエアワイプを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程において、厚さの異なる帯鋼の連続メッキを示す図である。
【図3】本発明の第一の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の構造を示す概略図である。
【図4】本発明の第一の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の概略図である。
【図6】本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の制御フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第三の実施態様に従ったメッキ重量制御装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の第四の実施態様に従ったメッキ重量制御システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
1...帯鋼、
1a...先行する帯鋼、
1b...後続する帯鋼、
2...溶融亜鉛メッキ槽、
3...第一のエアナイフ、
4...第二のエアナイフ、
5...シンクロール、
6...安定化ロール、
7...距離測定ユニット、
8...圧力調整バルブ、
34...幅感知器、
34a...発光部、
34b...受光部、
35...幅感知器、
35a...発光部、
35b...受光部、
36...サポートシャフト、
41...第一の論理演算ユニット、
42...モータ位置制御デバイス、
43...第二の論理演算ユニット、
44、45、46、47...モータ位置制御デバイス、
51...溶接部感知ユニット、
52...移動距離測定論理演算ユニット、
53...移動距離予測論理演算ユニット、
54...パラメータ論理演算ユニット、
55...切り替えユニット、
56...切り替え制御ユニット、
57、58...モータ位置制御ユニット、
59、60...可動モータユニット、
71...メッキ重量測定ユニット、
72...メッキ重量制御ユニット、
721...パラメータ評価器、
723...メッキ重量数学モデル、
724...プリセット制御デバイス、
725...前方送り制御デバイス、
73...圧力制御デバイス、
81...第一のメッキ重量制御装置、
82...第二のメッキ重量制御装置、
83...切り替えデバイス、
84...エアナイフ距離制御デバイス、
85...第二のメッキ重量制御装置、
86...エアナイフ圧力制御デバイス
P...溶接部、
W...幅感知器34、35において測定された帯鋼の幅、
M1、M2、M3、M4...距離調整モータ、
M5...位置調整モータ
L...距離調整モータM3と距離調整モータM4との間の距離、
ΔY1...距離調整モータM1の最終移動値、
ΔY2...距離調整モータM2の最終移動値、
ΔY3...距離調整モータM3の最終移動値、
ΔY4...距離調整モータM4の最終移動値、
Dds...距離検知器32で測定された距離値、
Dcs...距離検知器31で測定された距離値、
Dws...距離検知器33で測定された距離値、
Gss...距離検知器31、32、33のお互いの距離、
Nws...幅感知器35の光を感知しているフォトダイオードの数、
Nds...幅感知器34の光を感知しているフォトダイオードの数、
ΔGc...帯鋼の幅方向での距離感知器の移動値、
(X0、Y0)、(X1、Y1)、(X2、Y2)...三つの距離感知器31から33により検出された第二のエアナイフから帯鋼までの距離のX−Y座標の組。
本発明は、帯鋼が溶融亜鉛メッキ槽を通過した後にエアワイピングによりメッキ重量が制御されるような、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置に関するものである。特に、本発明は、帯鋼と、溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼に所定の圧力の下でエアジェットを噴射することよってメッキ重量を制御するエアナイフとの間の距離及び/又はエアナイフの噴射圧力を最適にする結果として、実際のメッキ重量と顧客によって注文されたメッキ重量との間の差が最小化されるような、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置に関するものである。
【0002】
背景技術
一般に、メッキ工程は帯鋼に耐腐食性と感じのよい外観を与えるために適用される。代表的なメッキ工程の例として、帯鋼が溶融金属メッキ槽を通過するような溶融メッキ工程、そして電解質を用いる電気メッキ工程がある。
【0003】
溶融メッキ工程は、溶融金属(例えば溶融亜鉛)が溶融金属メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に付着されるような工程である。この工程では帯鋼のメッキ重量を均一に制御するための別個の設備が必要となる。
【0004】
エアワイピング工程は、帯鋼のメッキ重量を制御するために従来から用いられてきた。この工程は、メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に適切な空気圧でエアナイフを通じてエアジェットを噴射することにより金属のメッキ重量を制御できる。
【0005】
溶融メッキ工程においては、帯鋼上で均一なメッキ重量を維持することが重要である。その目的のために、エアワイピング工程において最も重要な要因である、帯鋼とエアナイフとの間の距離及びエアナイフの噴射圧が制御されることが必要とされる。
【0006】
図1はエアワイピング工程を用いた従来の連続溶融亜鉛メッキ設備の概略図である。帯鋼1がシンクロール5を通って溶融亜鉛メッキ槽2を通過する間、溶融亜鉛が帯鋼1の両表面に付着する。溶融亜鉛メッキ槽2を通過した帯鋼は、溶融亜鉛メッキ槽の上側に設置された第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間に運ばれる。このとき、エアナイフ3,4は所定の圧力のエアジェットを帯鋼1の表側及び裏側で帯鋼1に噴射し、それにより余剰な溶融亜鉛を取り去ると共に、溶融亜鉛が帯鋼1に均一に分布することを確実にする。図1では、符号6は溶融亜鉛メッキ槽2を通過した帯鋼をエアナイフ3、4の間に規定された空間へと導くように設計された安定化ロールを示し、そして符号8はエアナイフ3、4に接続されたエアの配管に設置された圧力調整バルブを示す。
【0007】
上記のエアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程に関して、帯鋼1の表面と第一及び第二のエアナイフ3、4それぞれのノズルは、帯鋼1の幅方向(d)において、お互いに平行でなければならない。さらに、第一のエアナイフ3のノズルと帯鋼1の表側との間の距離は、第二のエアナイフ4のノズルと帯鋼1の裏側との間の距離と同じでなければならない。
【0008】
第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過した帯鋼のメッキ重量は、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれのノズルと、帯鋼1との間の距離に反比例して増加する。そのため、もし帯鋼1のメッキ重量を帯鋼1の幅方向に均一に分布させようとするならば、帯鋼1と第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれのノズルはお互いに平行でなければならない。同様に、もし帯鋼の表側のメッキ重量を帯鋼の裏側のメッキ重量と同じにするつもりならば、帯鋼は各々のエアナイフから等距離に保たれなければならない。
【0009】
従来、帯鋼1と第一及び第二のエアナイフ3、4の各々との間の距離を制御する目的でフィードバック工程が用いられてきた。すなわち、最初に、メッキされた帯鋼(すなわち、エアナイフの間に規定された空間を通過した帯鋼)の幅方向のメッキ重量が測定される。そして、これらの測定値が異なる場合、モータM1からM4が第一及び第二のエアナイフ3、4の位置を調節するためにもちいられる。
【0010】
しかし、このような従来の工程は、帯鋼の表面とエアナイフそれぞれのノズルとをお互いに平行にするのに多大な時間を必要とする。そのため、メッキ重量が帯鋼の幅方向(d)で均一に分布しない、または帯鋼の表側のメッキ重量が帯鋼の裏側のメッキ重量と同一でないという重大な問題がある。
【0011】
一方、作業効率を向上させる目的でメッキされる帯鋼がお互いに接続されるような連続溶融亜鉛メッキ工程に関しては、厚さの異なる帯鋼をお互いに接続することが可能である。
【0012】
図2(a)と(b)は、連続溶融亜鉛メッキ工程の概略図である。厚さの異なる二つの帯鋼1a、1bを接合する溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過するところで、帯鋼の通過ラインが帯鋼1a、1bに接した安定化ロール6の動作により移動する。
【0013】
そのような帯鋼の通過ラインの移動は、帯鋼の表側と第一のエアナイフ3との間の距離と、帯鋼の裏側と第二のエアナイフとの間の距離とを違わせる。結果的に、帯鋼の表側と裏側に対するメッキ重量が異なるものとなる。
【0014】
上記の問題を克服する目的で、従来、厚さの異なる二つの帯鋼を接合する溶接部がエアナイフを通過する直前に、操作者が彼等の裁量に従って第一及び第二のエアナイフ3、4の間の距離を調整する。溶接部が第一及び第二のエアナイフ3、4を完全に通過した後、第一及び第二のエアナイフ3、4から約100m後方の位置に設置されたメッキ重量感知器(不図示)が帯鋼の表側と裏側それぞれのメッキ重量を測定する。これらの測定値により、帯鋼の通過ラインの移動に応じた帯鋼の表側と裏側のメッキ重量の差が決定される。そのような差を基にして、エアナイフの間の距離を徐々にフィードバック制御することができる。
【0015】
しかしながら、この場合、帯鋼の表側と裏側のそれぞれのメッキ重量を等しくするのに多大な時間が必要となり、それにより不十分にメッキされた鋼板が製造されるという結果となる。
【0016】
一方で、要求されたメッキ重量や帯鋼の送り速度が変わるようなエアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程に関しては、エアナイフの噴射圧力を適切に調整する必要がある。
【0017】
この目的を達するために、操作者は従来、帯鋼の送り速度と要求されたメッキ重量の変化に応じ、彼等の裁量でエアナイフの噴射圧力を調整してきた。もう一つの方法としては、操作者は、帯鋼の送り速度の変化に応じたエアナイフの設定圧力値の変化を示す既存の表を用いてきた。
【0018】
しかしながら、この場合、操作者の調整が不正確な可能性がある。既存の表を用いる場合は、表の全ての値を、エアナイフが修理されるたびに修正されるエアナイフの特性に合わせるのは困難であるし、迅速な圧力制御は達成されず、それゆえその実際の使用は勧められるものではない。
【0019】
要約すれば、要求されたメッキ重量と実際のメッキ重量との差を最小にするためには、帯鋼の厚さと送り量が変わった時にエアナイフの設定圧力値を正確に変える必要がある。もしエアナイフの設定圧力値が不正確に変えられると、不十分なメッキや余剰なメッキが頻繁に発生する。このため、製品の品質は悪化する。さらに、余剰メッキの場合には、溶融亜鉛が必要以上の量で使用され、それにより余計なコストがかかるという結果になる。
【0020】
発明の開示
それゆえ、本発明は従来のエアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程の上記問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、帯鋼と噴射ノズルが帯鋼の幅方向において互いに並行であり、帯鋼が各々の噴射ノズルから等距離に保たれ、結果として帯鋼がエアナイフの間に規定された空間の中央に位置され、各々のノズルと平行になるような、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、エアナイフの噴射圧が要求されたメッキ重量や帯鋼の送り速度の変化に応じて適切に調整され、結果として帯鋼に付着する実際のメッキ重量と要求されたメッキ重量との差を最小にするような、エアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、厚さの異なる二つの帯鋼の接続がエアナイフナイフの間に規定された空間を通過する時に、帯鋼の通過ラインの移動が帯鋼の厚さの変化に応じて予測され、次に帯鋼とエアナイフとの間の距離が調整され、それにより帯鋼の表側と裏側に対する差分メッキ重量を最小にするような、エアワイピングを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置を提供することにある。
【0023】
本発明によれば、上記の、そしてその他の目的は、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力のエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
、第二のエアナイフと列をなして位置するサポートシャフトの中央にお互いに所定の距離だけ離して設置され、帯鋼とエアナイフとの間の距離を測定する複数の距離測定手段と、
第一及び第二のエアナイフの各々の両端を前後に移動させながら、第一及び第二のエアナイフの各々と帯鋼との間のそれぞれの距離を調整する距離調整手段と、帯鋼の幅を測定する幅測定手段と、
幅測定手段の感知結果に応じて、距離測定手段が帯鋼の幅の中央に位置するようにする距離調整手段用の位置調整手段とからなることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置の提供によって達成できる。
【0024】
幅測定手段は、第一及び第二の幅感知器からなり、その各々が第一のエアナイフ上の発光部と、第二のエアナイフと列をなして位置するサポートシャフト上の発光部を備えかつ第一及び第二のエアナイフの向かい合う一端に設置されており、発光部が光を発信する時に受光部3による光の検出により帯鋼の位置と幅を決定するものであってもよい。
【0025】
位置調整手段は、第一及び第二の幅感知器の受光部及び複数の距離測定手段がサポートシャフトに設置されているようなサポートシャフトを帯鋼の幅方向に移動させる位置調整モータと、位置調整モータを駆動するモータ位置制御デバイスと、第一及び第二の幅感知器のそれぞれの受光部で検出された光の総量を等しくするために、位置調整モータの移動値を計算し、次に計算値をモータ位置制御デバイスに入力する第一の論理演算ユニットとからなっていてもよい。
【0026】
第一の論理演算ユニットは距離測定手段の移動値を次のように算出してもよい、
△Gc=(Nws−Nds)×Pss
ここで△Gcは距離測定手段の移動値であり、Nwsは第一の幅感知器の光を感知しているフォトダイオードの数であり、Ndsは第二の幅感知器の光を感知しているフォトダイオードの数であり、そしてPssはフォトダイオード間の距離である。
【0027】
距離測定手段は、お互いに所定の距離だけ離れて位置する三個以上の距離感知器からなっていてもよい。
【0028】
距離調整手段は、第一及び第二のエアナイフの各々の両端に接続され、帯鋼の方向に前後に移動する四個以上の距離調整モータと、第一及び第二のエアナイフの各々の両端の移動値を距離感知器により測定された帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離を用いて計算し、それにより帯鋼を各々のエアナイフから等距離に保ち、帯鋼を各々のエアナイフと平行に保つ第二の論理演算ユニットと、第二の論理演算ユニットから出力された第一及び第二のエアナイフの各々の両端の移動値の所まで距離調整モータを移動させる四個以上のモータ位置制御デバイスとからなっていてもよい。
【0029】
第二の論理演算ユニットは、第一及び第二のエアナイフの前/後移動方向のX軸と帯鋼の幅方向のY軸により張られ、原点となる点を用いたX−Y座標平面を定義し、X−Y座標平面での帯鋼の曲がりを次の式、
S(x):y=ax2+bx+c
(ここで、S(x)はX−Y座標平面での帯鋼の曲がりに対する関数であり、そしてa、b、及びcはS(x)の係数である)で表し、複数の距離測定手段から得られた複数の測定値をX−Y座標軸の値に変え、係数a、b、及びcを得るためにそのX−Y座標軸の値を関数S(x)に入力し、求めたS(x)を次式:
(ここで、ΔYは第一及び第二のエアナイフの平均移動値を表し、Wは幅感知器により検出された帯鋼の幅の大きさを表し、LT(x)は第一のエアナイフのノズルの一次方程式を表し、LB(x)は第二のエアナイフのノズルの一次方程式を表す)に入力し、それらにより第一及び第二のエアナイフの平均移動値ΔYを求め、第一及び第二のエアナイフの両端の移動値ΔYdsとΔYwsを次の式:
、
(ここで、ΔYdsは第一及び第二のエアナイフの一端の移動値であり、ΔYwsは第一及び第二のエアナイフの他の一端の移動値であり、Mは複数の距離測定手段のうちで中央に位置する距離測定手段と第二のエアナイフの一端に接続された距離調整手段との間の直線距離であり、そしてLは第二のエアナイフの両端に位置する二つの距離調整手段の間の距離である)を用いて計算し、そして次に、第一及び第二のエアナイフの各々の両端の最終的な移動値、ΔY1、ΔY2、ΔY3、そしてΔY4を次式:
ΔY1=−ΔY―ΔYws
ΔY2=−ΔY―ΔYds
ΔY3=ΔY+ΔYws
ΔY4=ΔY+ΔYds
(ここで、ΔY1は第一のエアナイフの一端(WS)の最終移動値であり、ΔY2は第一のエアナイフの他の一端(DS)の最終移動値であり、ΔY3は第二のエアナイフの一端(WS)の最終移動値であり、そしてΔY4は第二のエアナイフの他の一端(DS)の最終移動値である)を用いて計算してもよい。
【0030】
本発明の別の態様に従えば、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
第一及び第二のエアナイフの位置を調整する位置調整手段と、
溶融亜鉛メッキ槽において厚さの異なる二つの帯鋼を接合する溶接部の変化する位置を検出する溶接位置感知手段と、
第二のエアナイフと帯鋼との間の距離を測定する距離測定手段と、
帯鋼の厚さ情報に基づいて先行する帯鋼とそれに溶接された後続する帯鋼の厚さの変化及び帯鋼の通過ラインの移動値を計算することにより、第一及び第二のエアナイフの各々の移動距離を計算する移動距離予測論理演算手段と、
距離測定手段により測定された帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離を用いて溶接部の通過前後の帯鋼の通過ラインの移動値を計算することにより、第一及び第二のエアナイフの各々の移動距離を計算する移動距離測定論理演算手段と、
移動距離予測論理演算手段における予測された移動距離と移動距離測定論理演算手段における測定された移動距離との間の誤差を補償するために、移動距離予測論理演算手段のパラメータを補正するパラメータ補正手段と、
移動距離予測論理演算手段から出力された第一及び第二のエアナイフの移動距離と移動距離測定論理演算手段から出力された移動距離のどちらかを選択し、次にその選択した移動距離値を位置調整手段に適用する切り替え手段と、
溶接部感知手段により検出された溶接部の変化する位置に基づき、溶接部が第一及び第二のエアナイフを通過する前と後の所定の時間の間は移動距離予測論理演算手段の出力値を位置調整手段に適用する以外は、移動距離測定論理演算手段の出力値を位置調整手段に適用する切り替え制御ユニットとを備えることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置が提供される。
【0031】
移動距離予測論理演算装置は、先行する/後続する帯鋼の各々の厚さとそれらの間の厚さの差を次の式:
(ここで、
は通過ラインの予測された移動値であり、T1は先行する帯鋼の厚さであり、ΔTは先行する帯鋼と後続する帯鋼との間の厚さの差であり、α及びβは予測変数である)に入力し、それにより帯鋼の通過ラインの予測移動値を計算し、次にその通過ラインの移動値に応じた第一及び第二のエアナイフの各々の予測された移動値を算出してもよい。
【0032】
移動距離測定論理演算手段は、距離測定手段から、先行する/後続する帯鋼の各々と第二のエアナイフとの測定された距離値を受け取り、そして次に帯鋼の通過ラインの実際の移動値を次式を用いて計算してもよい:
S=(D2−D1)−(P2−P1)
(ここで、Sは通過ラインの実際の移動値であり、D1は先行する帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離であり、D2は溶接部の通過後の帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離であり、P1は溶接部の通過前の第二のエアナイフの位置であり、そしてP2は溶接部の通過後の第二のエアナイフの位置である)。
【0033】
パラメータ補正手段は移動距離予測論理演算装置の演算パラメータを次式に従って補正してもよい:
(ここで、γα、γβはα、βの学習速度である)。
【0034】
本発明の別の態様に従えば、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
第一及び第二のエアナイフを通過した帯鋼のメッキ重量を測定するメッキ重量測定手段と、
帯鋼の送り速度、各々のエアナイフと帯鋼との間の距離、及びエアナイフの圧力の変化を補償するそれぞれのパラメータα、β及びγを用いてメッキ重量の変化を計算するメッキ重量数学モデルと、
メッキ重量測定手段において測定された実際のメッキ重量値とメッキ重力数学モデルにおいて計算された計算上のメッキ重量値との間の差異を最小にするためにパラメータα、β及びγを補正するパラメータ補正手段と、
帯鋼の要求されたメッキ重量が変化した時に帯鋼のメッキ重量を要求されたメッキ重量に適合させるために第一及び第二のエアナイフの噴射圧力を調整する第一の圧力制御手段、及び、
帯鋼の送り速度が変化した時に帯鋼の送り速度の変化に応じたメッキ重量の変化を補償するために各エアナイフの噴射圧力を調整する第二の圧力制御手段を備え、第一及び第二のエアナイフの噴射圧力が、所定の圧力の下での連続溶融亜鉛メッキ工程の間に要求されたメッキ重量及び/又は送り速度が変化した時に第一の圧力制御手段及び/又は第二の圧力制御手段の出力値を用いて調整されることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置が提供される。
【0035】
メッキ重量数学モデルは次式、
ΔV=ln(Vk+1)−ln(Vk)
ΔD=ln(Dk+1)−ln(Dk)
ΔP=ln(Pk+1)−ln(Pk)、
に従い、帯鋼の送り速度の変化(ΔV)、帯鋼とエアナイフとの間の距離の変化(ΔD)、及び各エアナイフの圧力の変化(ΔP)を受け取り、上記のそれぞれの変数に対応するパラメータα、β及びγを掛けて、それにより式ΔW=αΔV+βΔD+γΔPを得て、そして次にメッキ重量変化、ΔW=ln(Wk+1)−ln(Wk)を計算してもよい。
【0036】
第一の圧力制御手段は、帯鋼の要求されたメッキ重量がTkからTk+1に変化した時、次式、
、を用いて要求されたメッキ重量がTk+1での各エアナイフの設定圧力値(Pk+1)を算出してもよい。
【0037】
第二の圧力制御手段は、帯鋼の送り速度がVkからVk+1に変化した時、次式、
、を用いて送り速度がVk+1での各エアナイフの設定圧力値(Pk+1)を算出してもよい。
【0038】
パラメータ補正手段が、メッキ重量測定手段で測定された実際のメッキ重量とメッキ重量数学モデルにおける計算上のメッキ重力との間の差が検出されたとき、次式、
θk+1 = θk + Kk+1[zk+1−h´k+1θk]
(ここで、
、
、
)、を用いてパラメータα、β及びγを補正してもよい。
【0039】
さらに本発明の別の態様に従えば、第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御するシステムであって、
帯鋼と第一及び第二のエアナイフの各々との間の距離値を複数の測定点で測定し、測定した複数の距離値を用いてエアナイフの各々の両端の位置を変化させ、それにより帯鋼を各々のエアナイフと平行になり、かつ帯鋼を各々のエアナイフから等距離に保つように位置調整する第一のメッキ重量制御装置と、
第一及び第二のエアナイフの各々の位置を変化させ、それにより二つの帯鋼の溶接部の通過前後の所定の時間の間、二つの帯鋼の厚さの差に応じた通過ラインの移動を補正する第二のメッキ重量制御装置と、
帯鋼の要求されたメッキ重力及び/又は送り速度の変化に応じて噴射圧力を変化させる第三のメッキ重量制御装置と、
溶接部の通過の前後の所定の時間は第二のメッキ重量制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整し、溶融部分の通過後は第一のメッキ重力制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整するエアナイフ距離距離調整デバイス、及び、
第三のメッキ重量制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフから噴射される噴射圧力を調整するエアナイフ圧力制御デバイスとを備えることを特徴とする連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御するシステムが提供される。それゆえ、このシステムは連続溶融亜鉛メッキ工程における変化にかかわらず顧客の要求を満足させることができる。
【0040】
本発明の上記及びその他の目的、特徴とその他利点は、添付図面と合わせた以下の詳細な記述からより明確に理解されるであろう。
【0041】
発明の好ましい実施形態
以下では、本発明の構成要素と作用効果が添付の図に示された様々な実施態様を参照してより詳細に記述される。
【0042】
図3は、本発明の第一の実施態様に係るメッキ重量制御装置の構造を示す概略図である。図1及び2の中で用いられているものと同じとなる図3の構成要素は同一の符号を用いて示されている。
【0043】
図3に示されるように、本発明に係るメッキ重量制御装置は、X軸方向における帯鋼1と第一及び第二のエアナイフ3、4の各々との間の距離を第一及び第二のエアナイフ3、4の各々の両端の位置を移動させることにより調整し、それにより帯鋼を各々の噴射ノズルと平行になるように位置合わせする四つの距離調整モータM1、M2、M3、M4と、帯鋼の裏側に設置され、第二のエアナイフと帯鋼1との間の距離を測定する三つの距離感知器31、32、33と、第一及び第二のエアナイフの向かい合う一端に各々が位置し、帯鋼1に対するエアナイフ3、4の各々の幅方向の位置を検出する二つの幅感知器34、35と、幅感知器34、35の受光部34b、35b及び距離感知器31、32、33を保持しX軸方向に移動することができるサポートシャフトに接続された位置調整モータM5とを備えている。
【0044】
幅感知器34、35に関しては、図3に示されるように、発光部34a、35aが第一のエアナイフ3の両端に位置し、受光部34b、35bが第二のエアナイフ4の両端に発光部34a、35aと向かい合って位置する。受光部34b、35bは発光部34a、35aからの光を受けとる。白丸は受光部34b、35bが光を受けとる領域を示し、黒丸は光が帯鋼1により遮られるので受光部34b、35bが光を受けとらない領域を示す。便宜上、図3の上側をドライブサイド(以下ではDSとする)と呼び、図3の下側をワークサイド(以下ではWSとする)と呼ぶ。左側は帯鋼の表側を示し、右側は帯鋼の裏側を示す。
【0045】
図3には示されていないが、前記装置はさらに構成要素のそれぞれの動作を含む装置全体の動作を制御する制御部を備えている。制御部は好ましくはマイクロプロセッサを備えており、その詳細は後述する。
【0046】
距離感知器31、32、33は帯鋼1の幅方向に位置する三つの点のそれぞれの距離Dws、Dcs、Ddsを測定する役割をもつ。これら距離検知器は第二のエアナイフ4に取り付けられ、それゆえそれと共に移動する。この場合、レーザ感知器や渦電流感知器が第二のエアナイフから帯鋼1までの距離を測定する感知器として用いられることが可能であるが、特定の感知器に限定されるものではない。三つの距離感知器31、32、33はお互いに所定の距離Gssだけ離して設置されている。二つの外側の距離感知器32、33それぞれの測定値は同じでなければならない。その結果、帯鋼の幅方向は裏側のエアナイフのノズルと平行となる。
【0047】
すなわち、帯鋼1が裏側のエアナイフ4のノズルと平行となるためには、DS距離感知器32で測定された距離値DdsはWS距離感知器33で測定された距離値Dwsと同じでなければならない。この目的のために、中央の距離感知器31は帯鋼1の幅の中央に位置することが必要である。この要求を満たすため、駆動機構が距離感知器31、32、33及び受光部34b、35bを帯鋼の幅方向に移動させるために必要となる。
【0048】
これに関して、距離感知器31、32、33及び受光部34b、35bは、五番目のモータM5に接続された可動シャフトに設置される。幅感知器34、35は帯鋼1の縁を検出し、検出結果に基づいて帯鋼の幅が測定される。最後に、五番目のモータM5は、距離感知器31が帯鋼1の幅の中央に位置するように調整される。すなわち、二つの外側の幅感知器34、35が同じ数の光を感知している領域を有するようなところで、中央に位置した距離感知器31が帯鋼1の幅の中央に位置する。
【0049】
図3に示されるように、幅感知器34、35の発光部34a、35aは第一のエアナイフ3の両端に設置される。その受光部34b、35bは、第二のエアナイフ4と列をなして位置するサポートシャフト36の両端に、発光部34a、35aと向かい合うような状態で設置される。受光部34b、35bの内側にフォトダイオードが帯鋼の幅方向に一列に並べられている。それゆえ、受光部が発光部34a、35aからの光を受け取ると、所定量の電流が出力される。そのような幅を感知する方法は、スチールミルにおいて帯鋼の幅を検出する場合に広く使われてきた。上記の方法が、距離感知器31〜33が帯鋼の幅の中央に位置するために本発明に適用された。
【0050】
図4は、図3に示されるようなメッキ重量制御装置を制御するための制御部の構造を示すブロック図である。図4(a)は、幅感知器34、35から得られた幅の情報を用いて距離感知器31、32、33を帯鋼の幅の中央に位置させるための移動モータとして使われる、五番目のモータM5を制御する過程を示す図である。図4(b)は四つの点、すなわち二つのエアナイフの各々の両端の点の位置を距離感知器31、32、33から得られた測定値を用いて調整する、距離調整モータM1、M2,M3,M4を制御する過程を示す図である。
【0051】
図4に示されるように、本発明に従ったメッキ重量制御装置を制御する制御部は、第一の論理演算ユニット41と、モータ位置制御デバイス42と、第二の論理演算ユニット43と、モータ位置制御デバイス44〜47とを備える。受光部34b、35bにおいて光を感知しているダイオードの数Nwd、Ndsが第一及び第二の幅感知器34、35から第一の論理演算ユニット41に入力される。次に、第一の論理演算ユニット41は受光部34b、35bそれぞれにおいて光を感知しているダイオードの数を等しくするために、モータ移動値ΔGcを計算する。モータ位置制御デバイス42は五番目のモータM5を、第一の論理演算ユニット41により計算されたモータ移動値の所まで駆動する。三つの距離感知器31〜33により測定され、X−Y座標軸の値に変換された第二のエアナイフから帯鋼までの距離、(X0、Y0)、(X1、Y1)及び(X2、Y2)が第二の論理演算ユニット43に入力される。第二の論理演算ユニット43は帯鋼1を第一及び第二のエアナイフ3、4の各々に平行にし、かつ帯鋼1を各々のエアナイフから等距離に保つために、それぞれのモータ移動値ΔY1、ΔY2、ΔY3及びΔY4を計算する。第二の論理演算ユニット43によって計算されたそれぞれのモータ移動値は、モータM1〜M4をそれぞれの要求された位置に移動させるモータ位置制御デバイス44〜47へ入力される。
【0052】
モータ位置制御デバイスは制御されるモータの型式に応じて異なるが、本発明では特定のモータ又はモータ位置制御デバイスに限定されない。
【0053】
第一の論理演算ユニット41は距離感知器の移動値(ΔGc)を次の式1に従って計算する。
式1
ΔGc=(Nws−Nds)×Pss
ここで、ΔGcは帯鋼の幅方向での距離感知器の移動値であり、NwsはWS幅感知器35の光を感知しているフォトダイオードの数であり、NdsはDS幅感知器34の光を感知しているフォトダイオードの数であり、そしてPssは幅感知器34、35の受光部34b、35bに設置されたフォトダイオードの間の距離である。
【0054】
モータ位置制御デバイス42は式1を用いて計算された距離感知器31から33の移動値に従って五番目のモータM5を駆動する。それゆえ、もし距離感知器31から33がX軸方向に移動し、そしてNwsがNdsと等しくなれば、五番目のモータM5はそれ以上動かない。この状態では、距離感知器31〜33は帯鋼1の幅の中央に位置する。
【0055】
第二の論理演算ユニット43は次の手順に従い演算を実行し、四つの点、すなわち、エアナイフの端の点のそれぞれの移動値を計算する。
【0056】
第一のエアナイフ3及び第二のエアナイフ4の平均移動値は帯鋼1を各々のエアナイフから等距離に保つために計算される。この目的で、帯鋼の曲がりは式2の二次方程式で表される。この場合、座標系は図3に示されるものである。
式2
S(x):y=ax2+bx+c
三つの距離感知器31〜33により測定される三つの座標の組、(x0、y0)、(x1、y1)及び(x2、y2)は全て式2を満足する。それゆえ、三つの距離感知器31〜33により測定された三つの座標の組が式2に代入され、それにより三つの連立方程式を作る。この連立方程式を解けば、式2の係数a、b及びcが得られる。
【0057】
以下では、第二の論理演算ユニット43の作用がより詳細に記述される。
【0058】
図3を参照すると、y軸はエアナイフ3、4の縦軸に垂直であり、x軸はy軸に垂直であり、それにより2次元のx−y座標平面を形成する。原点(0、0)として任意の点が選択でき、そして帯鋼の曲がりは式2の二次方程式S(x)として表される。
【0059】
三つの距離感知器31〜33により検出された第二のエアナイフから帯鋼までの距離はx−y座標の組に変換され、それによりそれぞれ(x0、y0)、(x1、y1)及び(x2、y2)を表す。三つの座標の組(x0、y0)、(x1、y1)及び(x2、y2)を式2の二次方程式に代入して、係数a、b及びcを解くことができる。その結果、帯鋼1を記述する具体的な関数が得られる。
【0060】
第一のエアナイフ3及び第二のエアナイフ4の平均移動値は、帯鋼1を記述する上記の二次方程式を次の式3に代入することにより計算される。
式3
ここで、ΔYは第一及び第二のエアナイフ3、4の平均移動値であり、Wは幅感知器34、35において測定された帯鋼の幅であり、LT(x)は第一のエアナイフ3の噴射ノズルを記述する一次方程式であり、そしてLB(x)は第二のエアナイフ4の噴射ノズルを記述する一次方程式である。
【0061】
第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルを記述する一次方程式は、上述のx−y座標系において、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルの位置を表す。すなわち、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルの位置は、図3に示されるようなx‐y座標平面において一次方程式として表現することができる。好ましくは、一次方程式はy=a´x+b´の形式で表現される。
【0062】
そして、第一及び第二のエアナイフ3,4の各々の両端の移動値が計算され、それにより第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルを帯鋼1と平行になるように位置させる。
【0063】
この目的のために、第一及び第二のエアナイフ3、4のDS及びWSでのそれぞれの移動値が次の式4及び5を用いて計算される。DS移動値は式4により算出され、WS移動値は式5により算出される。
式4
式5
ここで、ΔYdsは第一及び第二のエアナイフ3、4のDS移動値であり、ΔYwsは第一及び第二のエアナイフのWS移動値であり、Mは中央に位置する幅感知器31と四番目のモータM4との間のx軸方向の直線距離であり、そしてLは第二のエアナイフ4におけるWS距離調整モータM3とDS距離調整モータM4との間の距離である。
【0064】
最後に、帯鋼1を第一及び第二のエアナイフ3、4の各々から等距離に保つための平均移動値ΔYと、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの噴射ノズルをお互いに平行に保つためのWS/DSのそれぞれの移動値ΔYwsとΔYdsが式6に代入され、それにより距離調整モータM1、M2、M3及びM4のそれぞれの移動値を得る。
式6
ΔY1=−ΔY−ΔYws
ΔY2=−ΔY−ΔYds
ΔY3= ΔY+ΔYws
ΔY4= ΔY+ΔYds
ここで、ΔY1は第一のエアナイフ3のWS距離調整モータM1の最終的な移動値であり、ΔY2は第一のエアナイフ3のDS距離調整モータM2の最終的な移動値であり、ΔY3は第二のエアナイフ4のWS距離調整モータM3の最終的な移動値であり、そしてΔY4は第二のエアナイフ4のDS距離調整モータM4の最終的な移動値である。
【0065】
距離調整モータM1、M2、M3及びM4のそれぞれの移動値が計算されれば、対応するそれぞれのモータ位置制御デバイス44〜47がエアナイフの位置を調整する。その結果、帯鋼1は常に第一及び第二のエアナイフ3、4の各々から等距離に保たれ、かつ噴射ノズルは帯鋼1の幅方向においてお互いに平行になるように位置する。
【0066】
本発明の第一の実施態様のメッキ重量制御装置に従うと、エアナイフの各々と帯鋼との間のそれぞれの平均距離は常に等しくなり、エアナイフのそれぞれのノズルは帯鋼1の幅方向においてお互いに平行になるように位置し、その結果帯鋼の幅方向のメッキ重量と帯鋼の表側と裏側のメッキ重量はほとんど均一に分布することになる。それゆえ、不十分なメッキや余剰なメッキなどの製品欠陥、及び亜鉛の浪費を防ぐことができ、製品コストの節約という結果となる。
【0067】
図5は本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の概略図である。帯鋼の厚さの変化に応じた通過ラインの移動値は帯鋼の厚さと厚さ変化に比例するという事実に注意し、通過ラインの移動値が評価される。予測値と実際の値との間の誤差は、溶接部でのエアナイフと帯鋼との間の実際の距離を測定した後に補正される。以下では、本装置の構成要素と作用が添付の図5を参照してより詳細に記述される。
【0068】
図5に示されるようなメッキ重量制御装置は、距離測定ユニット7と、溶接部感知ユニット51と、移動距離測定論理演算ユニット52と、移動距離予測論理演算ユニット53と、パラメータ論理演算ユニット54と、切り替えユニット55と、切り替え制御ユニット56と、モータ位置制御ユニット57、58と、可動モータユニット59、60とを備えている。距離測定ユニット7は第二のエアナイフ4と帯鋼1との間の距離を測定する役割をもつ。溶接部感知ユニット51は帯鋼の送りラインにおいて第一及び第二のエアナイフ3、4の上流部分に設置され、厚さの異なる二つの帯鋼1a、1bが溶接されている溶接部Pを検出する。距離測定ユニット7により測定された帯鋼1a、1bの各々と第二のエアナイフ4との間の距離は、移動距離測定論理演算ユニット52に入力され、次に帯鋼1と第二のエアナイフ4との間の距離に応じた帯鋼1の通過ラインの移動値を測定し第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの移動距離を計算する。移動距離予測論理演算ユニット53は、予測パラメータを伴って溶接部の前後に位置する先行する帯鋼1aと後続する帯鋼1bとの間の厚さの変化を計算し、帯鋼1の通過ラインの移動値を計算し、そして第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの移動距離を算出する。パラメータ論理演算ユニット54は移動距離予測論理演算ユニット53における予測された通過ライン移動値と移動距離測定論理演算ユニット22における測定された通過ライン移動値との間の誤差を補正するために演算パラメータを補正する。切り替えユニット55は移動距離予測論理演算ユニット53と移動距離測定論理演算ユニット52の各々から出力された、第一及び第二のエアナイフ3、4のそれぞれの移動距離を選択的に出力する。切り替え制御ユニット56は、溶接部感知ユニット51により検出された溶接部の変化する位置に基づいて、溶接部が安定化ロール6を通過した後の所定の時間の間は移動距離予測論理演算ユニット53の出力値を選択し、上記所定の時間以外は移動距離測定論理演算ユニット52の出力値を選択するように切り替えユニット55を制御する。モータ位置制御ユニット57、58は切り替えユニット55から出力された移動値の所まで第一及び第二のエアナイフ3、4を移動させるために第一及び第二のエアナイフの可動モータを制御する役割をもつ。それぞれの可動モータユニット59、60は対応する第一及び第二のエアナイフ3、4を前後に移動させ、対応するモータ位置制御ユニット57、58の制御のもとで駆動される一またはそれ以上のモータからなる。
【0069】
モータユニット59、60は図5では簡単に表現されているが、モータユニット59、60は、図3に示されるような第一及び第二のエアナイフ3、4の各々の両端を移動させる四つのモータM1からM4からなる。移動距離測定論理演算ユニット52及び移動距離予測論理演算ユニット53における、帯鋼1の移動に応じた第一及び第二のエアナイフ3、4の各々の両端の移動値の算出は、従来の方法又は前述の第一の実施態様の方法に従って実行されてもよい。
【0070】
図6は本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の制御フローを示すフローチャートである。図5に示されたようなメッキ重量制御装置の原理が図6を参照して記述される。
【0071】
本発明の第二の実施態様に従えば、厚さの異なる二つの帯鋼1a、1bが溶接され、そして連続的に溶融亜鉛メッキされる。
【0072】
この場合、厚さの異なる帯鋼1a、1bが第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過する時に、帯鋼の通過ラインの移動値は帯鋼の厚さと厚さの変化に比例するという事実に注意し、第二の実施態様に従うメッキ重量制御装置が設計され、次のように動作する。
【0073】
溶接部Pの進入が溶接部感知ユニット51で検知された時(S601)、移動距離予測論理演算ユニット53は先行する帯鋼1aの厚さ(T1)と後続する帯鋼1bの厚さ(T2)の溶接部Pの境界での変化(ΔT=T2−T1)を計算する(S602)。
【0074】
通過ラインの予測された移動値(
)は上記の計算された厚さ変化に基づいて次の式7に従い計算される。移動距離予測論理演算ユニット22から出力されるエアナイフの最終的な移動値(ΔP)は通過ラインの予測された移動値(
)と同じである(S603)。
式7
ここで、αとβは移動距離予測のための演算パラメータである。
【0075】
通過ラインの予測された移動値は溶接部Pが安定化ロール6を通過する前に算出され、そして溶接部の検出時刻から所定の時間が経過したかどうかがチェックされる。所定の時間が経過した場合(S604)、すなわち溶接部Pが溶接部感知ユニット51から帯鋼の進行方向に従って進み、安定化ロール6を通過しそれで通過ラインが移動する場合、通過ラインの予測された移動値(
)に従って第一及び第二のエアナイフの位置が調整される(S605)。この目的のために、溶接部感知ユニット51の検出信号の出力から第一の設定時間の後に、切り替え制御ユニット56は切り替えユニット55の切り替え動作を制御し、それにより移動距離予測論理演算装置53の出力値をモータ位置制御ユニット57、58に適用する。モータ位置制御ユニット57、58は第一及び第二のエアナイフのそれぞれの可動モータユニット59、60を移動距離予測論理演算ユニット53において計算された通過ラインの予測された移動値(
)の所まで移動させる。
【0076】
第一の設定時間は、溶接部Pが溶接部感知ユニット51の検出位置から安定化ロール6へ進むために必要な時間である。
【0077】
溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過した後、後続する帯鋼1bと第二のエアナイフとの間の実際の距離が測定され、溶接部の通過前後での測定値間のあらゆる差は正確に等しくされる。詳しくは、溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過する前後で、参照エアナイフ、すなわち帯鋼の裏側に位置する第二のエアナイフ4と帯鋼との間のそれぞれの距離、D1及びD2が距離測定ユニット51を用いて測定される(S606からS608)。
【0078】
移動距離測定論理演算ユニット52は、先行する帯鋼1aと第二のエアナイフ4との間の測定された距離値D1、後続する帯鋼1bと第二のエアナイフ4との間の測定された距離値D2、溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過する前の第二のエアナイフ4の位置P1、溶接部Pが第一及び第二のエアナイフ3、4を通過した後移動距離予測論理演算ユニット53の予測に従って移動された第二のエアナイフ4の位置P2を用いて、式8に従って通過ラインの実際の移動値Sを計算する。この場合、移動距離測定論理演算ユニット52の最終的な出力値(ΔP)は、通過ラインの予測された移動値(
)を通過ラインの実際の移動値(S)から引くことにより得られる(S609、S610)。
式8
S=(D2−D1)−(P2−P1)
【0079】
それゆえ、予測された移動値(
)を実際の移動値(S)から引くことによって得られた値により第一及び第二のエアナイフ3、4を移動させることによって誤差が補正される(S611)。
【0080】
詳しくは、溶接部感知ユニット51における溶接部の検出から第二の設定時間が経過した後、切り替え制御ユニット56が移動距離測定論理演算ユニット52の出力値をモータ位置制御ユニット57、58に適用するように切り替えユニット55を制御する。それから、第一及び第二のエアナイフ3、4の位置が移動距離測定論理演算ユニット52から最終的に出力される実際の移動値と予測された移動値との間の差(
)の所まで調整される。
【0081】
移動距離予測論理演算ユニット53の予測された移動値(
)が移動距離測定論理演算ユニット52の通過ラインの実際の移動値(S)と同じであるところでは、モータ位置制御ユニット57、58に適用される出力値はゼロ(0)である。
【0082】
このことは、移動距離予測論理演算ユニット53において正確な移動値予測がなされたことを示す。これに対して、移動距離予測論理演算ユニット53の予測された移動値(
)が移動距離測定論理演算ユニット53の通過ラインの実際の移動値(S)と異なるところでは、移動距離予測論理演算ユニット53の演算に使用されたパラメータ(式7のαとβ)が不正確であり、それゆえ不正確な予測が生じる。それゆえ、パラメータ、αとβは再設定されなければならない。この点については、ステップS612において、予測された移動値(
)と実際の移動値(S)との間の差がゼロ(0)であるところで、制御ステップが終結され、しかしそうでなければ、パラメータαとβが次の式9のように補正される。
式9
、
ここで、γα、γβはαとβの学習速度である。
【0083】
移動距離予測演算のためのパラメータα及びβの補正(S612、S613)はパラメータ論理演算ユニット54において実行される。
【0084】
上記のように、本発明の第二の実施態様に従えば、厚さの異なる二つの帯鋼が連続的に溶融亜鉛メッキされる。溶接部がエアナイフの間に規定された空間を通過する前は、帯鋼の通過ラインは帯鋼の厚さと厚さの変化を用いて調整される。それゆえ、操作者による従来の裁量による制御の不正確さが克服できる。溶接部がエアナイフの間に規定された空間を通過した後の場合は、距離感知器が帯鋼のの通過ラインの実際の移動距離を測定する、そしてそれゆえエアナイフと帯鋼との間の距離が正確に制御される。それゆえ、従来の連続溶融亜鉛メッキにおいて溶接部から数百メータまで広げられた帯鋼においてしばしば生じる、帯鋼の表側と裏側との間のメッキ重量の変化を最小にできる。結果として、連続溶融亜鉛メッキ工程において不十分なメッキや余剰なメッキが最小になり、それゆえ製品欠陥と亜鉛の浪費が防止され、製造コストの節約という結果となる。
【0085】
エアナイフと帯鋼との間の距離は正確に制御されるが、要求されたメッキ重量が変化するところでは、不正確なメッキが発生するかもしれない。これを克服するために、本発明では要求されたメッキ重量の変化に応じて噴射圧を制御する。
【0086】
図7は本発明の第三の実施態様に従ったメッキ重量制御装置を示すブロック図である。メッキ重量制御装置はメッキ重量測定ユニット71、メッキ重量制御ユニット72、及び圧力制御デバイス73を備える。メッキ重量測定ユニット71は、第一及び第二のエアナイフ3、4の間に規定された空間を通過した帯鋼のメッキ重量を測定する役割をもつ。メッキ重量制御ユニット72はメッキ重量測定ユニット71において測定された実際のメッキ重量と要求されたメッキ重量を比較し、そして噴射圧力設定値を要求されたメッキ重量に達するように調整する。圧力制御デバイス73はエアジェットがメッキ重量制御ユニット72において設定された圧力のもとで噴射されるようにエアバルブ8を制御する。メッキ重量制御ユニット72はパラメータ評価器721と、測定したメッキ重量値を受け取り、次に要求されたメッキ重量に達するように設定圧力値をフィードバック制御するメッキ重量数学モデル723と、要求されたメッキ重量が変化したときに設定圧力値を出力するプリセット制御デバイス724と、そして前方送り制御デバイス725とを備える。その機能と構成の詳細な説明は次のとおりである。
【0087】
メッキ重量数学モデル723に関して、メッキ重量Wは三つのパラメータα、β及びγ、帯鋼とエアナイフとの間の距離D、エアナイフの空気圧P、及び帯鋼の送り速度であるライン速度Vを用いて次の式10のように表される。それぞれの変数は現時点kにおいてVk、Dk、及びPkと表される。この場合、メッキ重量はWkである。次の時間k+1では、それぞれの変数はVk+1、Dk+1、及びPk+1、と表され、そしてメッキ重量はWk+1である。時間k+1でのメッキ重量(Wk+1)は次の式10を用いて得られる。
式10
もしΔV=ln(Vk+1)−ln(Vk)
ΔD=ln(Dk+1)−ln(Dk)
ΔP=ln(Pk+1)−ln(Pk)
ΔW=ln(Wk+1)−ln(Wk)、
ならば、ΔW=αV+βD+γP
上記の変数V、D、及びPは常に測定される。
【0088】
プリセット制御デバイス724は帯鋼の要求されたメッキ重量が変化した時に使用される。帯鋼の要求されたメッキ重量がTkからTk+1に変化するところで、エアナイフの時間k+1での設定圧力値(Pk+1)は次の式11を用いて得られる。
式11
【0089】
前方送り制御デバイス725は帯鋼の送り速度が変化した時に使われる。帯鋼の送り速度がVkからVk+1へ変化するところで、時間k+1での設定圧力値(Pk+1)は次の式12を用いて得られる。
式12
【0090】
パラメータ評価器721は式10の三つのパラメータα、β及びγを最適化するために作用する。パラメータα、β及びγが不正確であるところで、式10で計算されたメッキ重量(Wk+1)とメッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量との間の誤差が生じる。そのような誤差を最小にするパラメータ評価器230はメッキ重量数学モデルのパラメータを、線形代数の学術用語である帰納的最小自乗法と呼ばれる最適化手法に基づいて評価する。
【0091】
パラメータ評価器230では、次の式13が帰納的最小自乗法に基づいて用いられる。
【0092】
詳しくは、現時点kにおいて、それぞれの変数がVk、Dk、及びPkであるところで、メッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量は
のように表される。次の時間k+1において、それぞれの変数がVk+1、Dk+1、及びPk+1であるところで、メッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量は
のように表される。時間k+1でのパラメータα、β及びγは次の式13を用いて得られる。
式13
もし、
、
、
、ならば、
【0093】
要約すれば、メッキ重量数学モデル723はメッキ重量測定ユニット71で測定された実際のメッキ重量に応じ、要求されたメッキ重量に達するための設定圧力値を出力する。要求されたメッキ重量が変化したところで、プリセット制御デバイス724は式11を用いて設定圧力値を出力する。ライン速度が変化したところで、前方送り制御デバイス725はライン速度の変化に応じた設定圧力値を式12を用いて出力する。
【0094】
それぞれの条件に従って出力された設定圧力値は圧力制御デバイス73に適用される。圧力制御デバイス73はメッキ重量制御ユニット72の出力値に応じてエアバルブ8の開閉の度合いを調整し、噴射圧力が調整される結果となる。
【0095】
上述のように、本発明の第三の実施態様に従えば、要求されたメッキ重量又はライン速度が変化した時に、エアナイフの圧力を正確に制御することができる。その結果、要求されたメッキ重量と実際のメッキ重量との間の差を最小化することができる。さらに、不十分なメッキによる質の良くない製品及び余剰のメッキによる亜鉛の浪費が最大限に防止され、製造コストの節約という結果となる。本発明のパラメータ評価器はメッキ重量数学モデルを適応させる一方、エアナイフ設備及びその他のメッキ重量に関係する設備が定期的に修理される時にいつも発生する変化を考慮しているので、設備の修理の負担が減少する。
【0096】
第一、第二及び第三の実施態様に従ったそれぞれのメッキ重力制御装置は単独でまたは組み合わせて使うことが可能である。しかしながら、それらが連続溶融亜鉛メッキ設備において一緒に適用されるところでは、メッキ重量のさらに正確な制御を達成することが可能である。
【0097】
図8は本発明の第一、第二及び第三の実施態様に従ったそれぞれの装置を統合した、連続溶融亜鉛メッキ工程におけるメッキ重量制御システムを示すブロック図である。このシステムは第一のメッキ重量制御装置81、第二のメッキ重量制御装置82、切り替えデバイス83、エアナイフ距離制御デバイス84、第三のメッキ重量制御装置85、及びエアナイフ圧力制御デバイス86を備える。第一のメッキ重量制御装置81は、帯鋼の複数の測定点から第二のエアナイフまでの距離を測定し、測定された複数の距離から第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を変更し、それにより帯鋼を各々のエアナイフと平行になるよう位置させ、帯鋼を各々のナイフから等距離に保つ。第二のメッキ重量制御装置82は、溶接部の通過前後の所定の時間の間、二つの帯鋼の間の厚さの差に応じた通過ラインの移動を補償するために第一及び第二のエアナイフの位置を変える。切り替えデバイス83は、溶接部の通過前後の所定の時間の間はエアナイフ距離制御デバイス84を第二のメッキ重量制御装置82と接続し、溶接部の通過後はエアナイフ制御デバイス84を第一のメッキ重量制御デバイス83と接続する。エアナイフ距離制御デバイス84は第一及び第二のメッキ重量制御装置81、82の制御に従い、第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整する。第三のメッキ重量制御装置85は要求された帯鋼のメッキ重量又はライン速度またはその両方の変化に応じて噴射圧力を調整する。エアナイフ圧力制御デバイス86は第三のメッキ重量制御装置85の制御に従って第一及び第二のエアナイフに適用される噴射圧力を制御する。
【0098】
第一のメッキ重量制御装置81は図3及び4に示されるような本発明の第一の実施態様に従うものであり、第二のメッキ重量制御装置82は図5に示されるような本発明の第二の実施態様に従うものであり、そして第三のメッキ重量制御装置85は図7に示されるような本発明の第三の実施態様に従うものである。
【0099】
このメッキ重量制御システムは、二又はそれ以上の帯鋼が溶接され、そして連続的にメッキされる連続溶融亜鉛メッキ工程において、第三のメッキ重量制御装置83を用いて要求されたメッキ重量及びライン速度の変化に従って第一及び第二のエアナイフの噴射圧力を制御する。
【0100】
厚さの異なる二つの帯鋼を接続する溶接部はメッキ槽を通過する前後の所定の時間の間、第二のメッキ重量制御装置82の制御に従う。それゆえ、第一及び第二エアナイフの各々と帯鋼との間の距離は帯鋼の厚さの変化に応じた通過ラインの移動に従い制御される。残りの部分(溶接部の間の領域)はフィードバック方式で第一のメッキ重量制御装置81の制御に従い、それにより第一及び第二のエアナイフの各々と帯鋼がお互いに平行になり、帯鋼が各々のエアナイフから等距離に保たれる結果となる。
【0101】
それゆえ、このシステムは連続溶融亜鉛メッキ工程の変化にかかわらず要求されたメッキ重量がメッキできるように連続溶融亜鉛メッキ設備を制御することが可能である。
【0102】
本発明の好ましい実施態様を例示の目的で開示したが、当業者は添付する請求項に開示された本発明の本質から逸脱することなく、様々な変更、付加、及び置き換えをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエアワイプを用いた連続溶融亜鉛メッキ装置の概略図である。
【図2】(a)と(b)はエアワイプを用いた連続溶融亜鉛メッキ工程において、厚さの異なる帯鋼の連続メッキを示す図である。
【図3】本発明の第一の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の構造を示す概略図である。
【図4】本発明の第一の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の概略図である。
【図6】本発明の第二の実施態様に従ったメッキ重量制御装置の制御フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第三の実施態様に従ったメッキ重量制御装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の第四の実施態様に従ったメッキ重量制御システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
1...帯鋼、
1a...先行する帯鋼、
1b...後続する帯鋼、
2...溶融亜鉛メッキ槽、
3...第一のエアナイフ、
4...第二のエアナイフ、
5...シンクロール、
6...安定化ロール、
7...距離測定ユニット、
8...圧力調整バルブ、
34...幅感知器、
34a...発光部、
34b...受光部、
35...幅感知器、
35a...発光部、
35b...受光部、
36...サポートシャフト、
41...第一の論理演算ユニット、
42...モータ位置制御デバイス、
43...第二の論理演算ユニット、
44、45、46、47...モータ位置制御デバイス、
51...溶接部感知ユニット、
52...移動距離測定論理演算ユニット、
53...移動距離予測論理演算ユニット、
54...パラメータ論理演算ユニット、
55...切り替えユニット、
56...切り替え制御ユニット、
57、58...モータ位置制御ユニット、
59、60...可動モータユニット、
71...メッキ重量測定ユニット、
72...メッキ重量制御ユニット、
721...パラメータ評価器、
723...メッキ重量数学モデル、
724...プリセット制御デバイス、
725...前方送り制御デバイス、
73...圧力制御デバイス、
81...第一のメッキ重量制御装置、
82...第二のメッキ重量制御装置、
83...切り替えデバイス、
84...エアナイフ距離制御デバイス、
85...第二のメッキ重量制御装置、
86...エアナイフ圧力制御デバイス
P...溶接部、
W...幅感知器34、35において測定された帯鋼の幅、
M1、M2、M3、M4...距離調整モータ、
M5...位置調整モータ
L...距離調整モータM3と距離調整モータM4との間の距離、
ΔY1...距離調整モータM1の最終移動値、
ΔY2...距離調整モータM2の最終移動値、
ΔY3...距離調整モータM3の最終移動値、
ΔY4...距離調整モータM4の最終移動値、
Dds...距離検知器32で測定された距離値、
Dcs...距離検知器31で測定された距離値、
Dws...距離検知器33で測定された距離値、
Gss...距離検知器31、32、33のお互いの距離、
Nws...幅感知器35の光を感知しているフォトダイオードの数、
Nds...幅感知器34の光を感知しているフォトダイオードの数、
ΔGc...帯鋼の幅方向での距離感知器の移動値、
(X0、Y0)、(X1、Y1)、(X2、Y2)...三つの距離感知器31から33により検出された第二のエアナイフから帯鋼までの距離のX−Y座標の組。
Claims (18)
- 第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
前記第二のエアナイフと列をなして位置するサポートシャフトの中央にお互いに所定の距離だけ離して設置され、帯鋼とエアナイフとの間の距離を測定する複数の距離測定手段と、
第一及び第二のエアナイフの各々の両端を前と後に移動させながら第一及び第二のエアナイフの各々と帯鋼のそれぞれの距離を調整する距離調整手段と、
帯鋼の幅を測定する幅測定手段と、
幅測定手段の感知結果に応じて距離調整手段を帯鋼の幅の中央に位置させるようにする距離測定手段用の位置調整手段とを備えることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置。 - 幅測定手段が、第一及び第二の幅感知器からなり、その各々が第一のエアナイフ上の発光部と、第二のエアナイフと列をなして位置するサポートシャフト上の受光部とを備え、第一及び第二のエアナイフの一端に向かい合って設置されており、発光部が光を送った時に受光部による光の検出により帯鋼の位置と幅を測定するものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 位置調整手段が、サポートシャフトを帯鋼の幅方向に移動させ、第一及び第二の幅感知器の受光部と複数の距離測定手段がサポートシャフトに設置されている、位置調整モータと、位置調整モータを駆動するモータ位置制御デバイスと、第一及び第二の幅感知器のそれぞれの受光部で検出された光の総量を等しくするために位置調整モータの移動値を計算し、計算値をモータ位置制御デバイスに入力する第一の論理演算ユニットとからなることを特徴とする請求項2に記載の装置。
- 第一及び第二の幅感知器のそれぞれの受光部が、帯鋼の幅方向にお互いに所定の距離だけ離して配置された複数のフォトダイオードを備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
- 第一の論理演算ユニットが、ΔGcを距離測定手段の移動値、Nwsを第一の幅感知器において光を感知しているフォトダイオードの数、Ndsを第二の幅感知器において光を感知しているフォトダイオードの数、そしてPssをフォトダイオード間の距離とした場合に、距離測定手段の移動値を
ΔGc=(Nws−Nds)×Pss
のように計算することを特徴とする、請求項4に記載の装置。 - 距離測定手段が、お互いに所定の距離だけ離されて位置された三個以上の距離感知器からなることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 距離調整手段が、第一及び第二のエアナイフの各々の両端に接続され、帯鋼方向に前と後に移動する四個以上の距離調整モータと、
距離感知器により測定される帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離を用いて第一及び第二のエアナイフの各々の両端の移動値を計算し、それにより帯鋼を各々のエアナイフから等距離に保ち、かつ帯鋼を各々エアナイフと平行に保つ第二の論理演算ユニットと、
距離調整モータを第二の論理演算ユニットから出力された第一及び第二のエアナイフの各々の両端の移動値まで移動させる、四個以上のモータ位置制御デバイスとからなることを特徴とする請求項6に記載の装置。 - 第二の論理演算ユニットが、a)第一及び第二のエアナイフの前/後の移動方向のX軸及び帯鋼の幅方向のY軸により張られ、原点となる点を用いたX−Y座標平面を定義し、b)X−Y座標平面上での帯鋼の曲がりを次式、S(x):y=ax2+bx+c
(ここで、S(x)はX―Y座標平面上での帯鋼の曲がりの関数であり、a、b及びcはS(x)の係数である)のように表現し、c)複数の距離測定手段から得られた複数の測定値をX−Y座標値に変換し、d)係数a、b及びcを得るためにそのX−Y座標値を関数S(x)に入力し、e)得られたS(x)を次式、
(ここでΔYは第一及び第二のエアナイフの平均移動値を表し、Wは幅感知器により検出された帯鋼の幅の大きさを表し、LT(x)は第一のエアナイフのノズルの一次方程式を表し、LB(x)は第二のエアナイフのノズルの一次方程式を表す)に入力し、それにより第一及び第二のエアナイフの平均移動値を得て、f)第一及び第二のエアナイフの両端の移動値、ΔYds及びΔYwsを次式、
、
(ここで、ΔYdsは第一及び第二のエアナイフの一端の移動値であり、ΔYwsは第一及び第二のエアナイフの他の一端の移動値であり、Mは複数の距離測定手段のうちで中央に位置する距離測定手段と第二のエアナイフの一端に接続された距離調整手段との間の直線距離であり、Lは第二のエアナイフの両端に位置する二つの距離調整手段の間の距離である)を用いて計算し、g)次に第一及び第二のエアナイフの各々の両端の最終的な移動値、ΔY1、ΔY2、ΔY3及びΔY4を次式、
ΔY1=−ΔY−ΔYws
ΔY2=−ΔY−ΔYds
ΔY3= ΔY+ΔYws
ΔY4= ΔY+ΔYds
(ここで、ΔY1は第一のエアナイフの一端(WS)の最終的な移動値であり、ΔY2は第一のエアナイフの他の一端(DS)の最終的な移動値であり、ΔY3は第二のエアナイフの一端(WS)の最終的な移動値であり、ΔY4は第二のエアナイフの他の一端(DS)の最終的な移動値である)を用いて計算することを特徴とする、請求項7に記載の装置。 - 第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
第一及び第二のエアナイフの位置を調整する位置調整手段と、
溶融亜鉛メッキ槽における厚さの異なる二つの帯鋼を接合する溶接部の変化する位置を検出する溶接部感知手段と、
第二のエアナイフと帯鋼との間の距離を測定する距離測定手段と、
帯鋼の厚さ情報に基づいて先行する帯鋼とそれに溶接された後続する帯鋼の厚さの変化及び帯鋼の通過ラインの移動値を計算することにより、第一及び第二のエアナイフの各々の移動距離を計算する移動距離予測論理演算手段と、
距離測定手段により測定された帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離を用いて溶接部の通過前後の帯鋼の通過ラインの移動値を計算することにより、第一及び第二のエアナイフの各々の移動距離を計算する移動距離測定論理演算手段と、
移動距離予測論理演算手段における予測された移動距離と移動距離測定論理演算手段における測定された移動距離との間の誤差を補償するために、移動距離予測論理演算手段のパラメータを補正するパラメータ補正手段と、
移動距離予測論理演算手段から出力された第一及び第二のエアナイフの移動距離と移動距離測定論理演算手段から出力された移動距離のどちらかを選択し、次にその選択した移動距離値を位置調整手段に適用する切り替え手段と、
溶接部感知手段により検出された溶接部の変化する位置に基づき、溶接部が第一及び第二のエアナイフを通過する前後の所定の時間の間は移動距離予測論理演算手段の出力値を位置調整手段に適用する以外は、移動距離測定論理演算手段の出力値を位置調整手段に適用する切り替え制御ユニットとを備えることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置。
。 - 移動距離測定論理演算手段が、距離測定手段から、先行する/後続する帯鋼の各々と第二のエアナイフとの測定された距離値を受け取り、次に帯鋼の通過ラインの実際の移動値を次式を用いて計算し、
S=(D2−D1)−(P2−P1)
ここで、Sは通過ラインの実際の移動値であり、D1は先行する帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離であり、D2は溶接部の通過後の帯鋼と第二のエアナイフとの間の距離であり、P1は溶接部の通過前の第二のエアナイフの位置であり、そしてP2は溶接部の通過後の第二のエアナイフの位置であることを特徴とする請求項9に記載の装置。 - 第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置であって、
第一及び第二のエアナイフを通過した帯鋼のメッキ重量を測定するメッキ重量測定手段と、
帯鋼の送り速度、各々のエアナイフと帯鋼との間の距離、及びエアナイフの圧力の変化を補償するそれぞれのパラメータα、β及びγを用いてメッキ重量の変化を計算するメッキ重量数学モデルと、
メッキ重量測定手段において測定された実際のメッキ重量値とメッキ重力数学モデルにおいて計算された計算上のメッキ重量値との間の差異を最小にするためにパラメータα、β及びγを補正するパラメータ補正手段と、
帯鋼の要求されたメッキ重量が変化した時に帯鋼のメッキ重量を要求されたメッキ重量に適合させるために第一及び第二のエアナイフの噴射圧力を調整する第一の圧力制御手段、及び、
帯鋼の送り速度が変化した時に帯鋼の送り速度の変化に応じたメッキ重量の変化を補償するために各エアナイフの噴射圧力を調整する第二の圧力制御手段を備え、第一及び第二のエアナイフの噴射圧力が、所定の圧力の下での連続溶融亜鉛メッキ工程の間に要求されたメッキ重量及び/又は送り速度が変化した時に第一の圧力制御手段及び/又は第二の圧力制御手段の出力値を用いて調整されることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御する装置。 - メッキ重量数学モデルが次式、
ΔV=ln(Vk+1)−ln(Vk)
ΔD=ln(Dk+1)−ln(Dk)
ΔP=ln(Pk+1)−ln(Pk)、
に従い帯鋼の送り速度の変化(ΔV)、帯鋼とエアナイフとの間の距離の変化(ΔD)、及び各エアナイフの圧力の変化(ΔP)を受け取り、上記のそれぞれの変数に対応するパラメータα、β及びγを掛けて、それにより式ΔW=αΔV+βΔD+γΔPを得て、そして次にメッキ重量変化、ΔW=ln(Wk+1)−ln(Wk)を計算することを特徴とする、請求項13に記載の装置。 - 第一及び第二のエアナイフが溶融亜鉛メッキ槽を通過した帯鋼の両表面に所定の圧力でエアジェットを噴射することにより帯鋼のメッキ重量を制御するために備えられている、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御するシステムであって、
帯鋼と第一及び第二のエアナイフの各々との間の距離値を複数の測定点で測定し、測定した複数の距離値を用いてエアナイフの各々の両端の位置を変化させ、それにより帯鋼を各々のエアナイフと平行になり、かつ帯鋼を各々のエアナイフから等距離に保つように位置調整する第一のメッキ重量制御装置と、
第一及び第二のエアナイフの各々の位置を変化させ、それにより二つの帯鋼の溶接部の通過前後の所定の時間の間、二つの帯鋼の厚さの差に応じた通過ラインの移動を補正する第二のメッキ重量制御装置と、
帯鋼の要求されたメッキ重力及び/又は送り速度の変化に応じて噴射圧力を変化させる第三のメッキ重量制御装置と、
溶接部の通過の前後の所定の時間は第二のメッキ重量制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整し、溶融部分の通過後は第一のメッキ重力制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフの各々の両端の位置を調整するエアナイフ距離距離調整デバイス、及び、
第三のメッキ重量制御装置を用いて第一及び第二のエアナイフから噴射される噴射圧力を調整するエアナイフ圧力制御デバイスとを備えることを特徴とする、連続溶融亜鉛メッキ工程において帯鋼のメッキ重量を制御するシステム。
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