JP2767019B2 - 耐チップ塗料組成物 - Google Patents
耐チップ塗料組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小石などの衝突から車
体を保護するために塗布される耐チップ塗料組成物に関
し、詳しくは塗料廃棄物を利用した耐チップ塗料組成物
に関する。
体を保護するために塗布される耐チップ塗料組成物に関
し、詳しくは塗料廃棄物を利用した耐チップ塗料組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などの塗装ラインからは、ウォー
タブースなどから回収された塗料滓が多量に排出されて
いる。この塗料滓は、塗料と溶剤及び水の混合物であ
る。常に同一塗料を塗装している塗装ラインであれば、
特公昭61−2424号公報にみられるように塗料滓か
ら水を分離することで塗料として再利用することができ
る。しかし一般の塗装ラインでは種々の色や種類の塗料
が塗装される場合が多く、ただ水を分離しただけでは塗
料としての再利用が困難であるため、一般には産業廃棄
物として処理されている。しかしこの塗料廃棄物をその
まま焼却などで処理するのは資源の無駄使いとなるた
め、溶剤の蒸留回収などを初めとしてその再利用が検討
されている。
タブースなどから回収された塗料滓が多量に排出されて
いる。この塗料滓は、塗料と溶剤及び水の混合物であ
る。常に同一塗料を塗装している塗装ラインであれば、
特公昭61−2424号公報にみられるように塗料滓か
ら水を分離することで塗料として再利用することができ
る。しかし一般の塗装ラインでは種々の色や種類の塗料
が塗装される場合が多く、ただ水を分離しただけでは塗
料としての再利用が困難であるため、一般には産業廃棄
物として処理されている。しかしこの塗料廃棄物をその
まま焼却などで処理するのは資源の無駄使いとなるた
め、溶剤の蒸留回収などを初めとしてその再利用が検討
されている。
【0003】例えば特開昭55−8810号公報には、
塗料廃棄物から微粉末を形成する方法が開示され、特開
昭55−18450号公報にはその微粉末をポリオレフ
ィンに混合して成形材料とすることが開示されている。
また、特開平4−76069号公報には、その微粉末が
混合された粉体塗料が開示されている。
塗料廃棄物から微粉末を形成する方法が開示され、特開
昭55−18450号公報にはその微粉末をポリオレフ
ィンに混合して成形材料とすることが開示されている。
また、特開平4−76069号公報には、その微粉末が
混合された粉体塗料が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記のように
微粉末として再利用を図っても、塗料廃棄物として排出
される量が再利用される量を遙かに上回っているため、
かなりの量の塗料廃棄物が焼却などにより処理され資源
の無駄使いとなっている。ところで自動車のロッカ部、
タイヤハウス、ガソリンタンクなどには、走行中に跳ね
上げた小石などの衝突から車体を保護するために、耐衝
撃性に優れた耐チップ塗料が塗装されている。この耐チ
ップ塗料としては、アクリル系エマルジョン型塗料とポ
リ塩化ビニルプラスチゾル型塗料の2種類が知られてい
るが、塗料廃棄物を用いた例はまだない。
微粉末として再利用を図っても、塗料廃棄物として排出
される量が再利用される量を遙かに上回っているため、
かなりの量の塗料廃棄物が焼却などにより処理され資源
の無駄使いとなっている。ところで自動車のロッカ部、
タイヤハウス、ガソリンタンクなどには、走行中に跳ね
上げた小石などの衝突から車体を保護するために、耐衝
撃性に優れた耐チップ塗料が塗装されている。この耐チ
ップ塗料としては、アクリル系エマルジョン型塗料とポ
リ塩化ビニルプラスチゾル型塗料の2種類が知られてい
るが、塗料廃棄物を用いた例はまだない。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、塗料廃棄物を耐チップ塗料に用いることで
資源の節約を図ることを目的とする。
ものであり、塗料廃棄物を耐チップ塗料に用いることで
資源の節約を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の耐チップ塗料組成物は、アクリル系樹脂20〜30
重量%と充填剤35〜50重量%とを含むアクリル系エ
マルジョン型塗料100重量部に対し、熱硬化型塗料か
らなる塗料廃棄物微粉末25重量部未満と、所定の粘度
とするための粘調用溶剤とを加えて構成されている。
明の耐チップ塗料組成物は、アクリル系樹脂20〜30
重量%と充填剤35〜50重量%とを含むアクリル系エ
マルジョン型塗料100重量部に対し、熱硬化型塗料か
らなる塗料廃棄物微粉末25重量部未満と、所定の粘度
とするための粘調用溶剤とを加えて構成されている。
【0007】また、塩化ビニル樹脂と可塑剤及び充填剤
からなるポリ塩化ビニルプラスチゾル系の耐チップ塗料
組成物において、充填剤の少なくとも一部に熱硬化型塗
料からなる塗料廃棄物微粉末を含むことを特徴とする。
からなるポリ塩化ビニルプラスチゾル系の耐チップ塗料
組成物において、充填剤の少なくとも一部に熱硬化型塗
料からなる塗料廃棄物微粉末を含むことを特徴とする。
【0008】
【作用】第1発明の耐チップ塗料組成物は、従来のアク
リル系エマルジョン型塗料100重量部に対し、熱硬化
型塗料からなる塗料廃棄物微粉末25重量部未満が混合
されている。従来のアクリル系エマルジョン型塗料に
は、耐衝撃性の付与及びコストの低減のために炭酸カル
シウムなどの無機充填剤が加えられている。コストの低
減のためには無機充填剤を多くするのが好ましいが、多
く添加し過ぎると耐チッピング性が急激に低下するとい
う不具合があるため、無機充填剤はアクリル系樹脂20
〜30重量部に対して一般に35〜50重量部が添加さ
れている。
リル系エマルジョン型塗料100重量部に対し、熱硬化
型塗料からなる塗料廃棄物微粉末25重量部未満が混合
されている。従来のアクリル系エマルジョン型塗料に
は、耐衝撃性の付与及びコストの低減のために炭酸カル
シウムなどの無機充填剤が加えられている。コストの低
減のためには無機充填剤を多くするのが好ましいが、多
く添加し過ぎると耐チッピング性が急激に低下するとい
う不具合があるため、無機充填剤はアクリル系樹脂20
〜30重量部に対して一般に35〜50重量部が添加さ
れている。
【0009】ところが本発明者らは、熱硬化型塗料から
なる塗料廃棄物微粉末を従来のアクリル系エマルジョン
型耐チップ塗料にさらに添加したところ、耐チッピング
性が向上することを発見し、本発明を完成したのであ
る。その添加量は塗料100重量部中に25重量部未満
であり、それを超えると耐チッピング性が低下するよう
になる。
なる塗料廃棄物微粉末を従来のアクリル系エマルジョン
型耐チップ塗料にさらに添加したところ、耐チッピング
性が向上することを発見し、本発明を完成したのであ
る。その添加量は塗料100重量部中に25重量部未満
であり、それを超えると耐チッピング性が低下するよう
になる。
【0010】なお、塗料廃棄物微粉末を添加することに
より塗料の粘度が増大するので、水などの溶剤で粘度を
使用可能な粘度に調整する必要がある。また、第2発明
の耐チップ塗料組成物では、ポリ塩化ビニルプラスチゾ
ル系の耐チップ塗料組成物において、充填剤の少なくと
も一部に熱硬化型塗料からなる塗料廃棄物微粉末が含ま
れている。
より塗料の粘度が増大するので、水などの溶剤で粘度を
使用可能な粘度に調整する必要がある。また、第2発明
の耐チップ塗料組成物では、ポリ塩化ビニルプラスチゾ
ル系の耐チップ塗料組成物において、充填剤の少なくと
も一部に熱硬化型塗料からなる塗料廃棄物微粉末が含ま
れている。
【0011】従来のポリ塩化ビニルプラスチゾル系の耐
チップ塗料組成物にも、炭酸カルシウムなどの無機充填
剤が含有されているが、上記と同様にコスト低減の目的
から含有されているのであり、一般には無機充填剤の添
加量が多くなるにつれて耐チッピング性は低下するので
ある。ところが無機充填剤の一部又は全部を塗料廃棄物
微粉末に置換したところ、耐チッピング性が向上するこ
とが明らかとなったのである。
チップ塗料組成物にも、炭酸カルシウムなどの無機充填
剤が含有されているが、上記と同様にコスト低減の目的
から含有されているのであり、一般には無機充填剤の添
加量が多くなるにつれて耐チッピング性は低下するので
ある。ところが無機充填剤の一部又は全部を塗料廃棄物
微粉末に置換したところ、耐チッピング性が向上するこ
とが明らかとなったのである。
【0012】無機充填剤の一部を塗料廃棄物微粉末に置
換してもよいし、全部を塗料廃棄物微粉末に置換するこ
ともできる。塗料廃棄物粉末の添加量が多くなるにつれ
て粘度が上昇するが、その粘度調整は可塑剤又は垂れ止
め剤の量で調整することができる。垂れ止め剤で粘度調
整を行えば、可塑剤で粘度調整するのに比べて耐チッピ
ング性が高くなるため好ましい。
換してもよいし、全部を塗料廃棄物微粉末に置換するこ
ともできる。塗料廃棄物粉末の添加量が多くなるにつれ
て粘度が上昇するが、その粘度調整は可塑剤又は垂れ止
め剤の量で調整することができる。垂れ止め剤で粘度調
整を行えば、可塑剤で粘度調整するのに比べて耐チッピ
ング性が高くなるため好ましい。
【0013】なお、このように塗料廃棄物微粉末を混合
することにより耐チッピング性が向上する理由は明らか
ではないが、塗料廃棄物微粉末は約80%が樹脂分であ
り、実質的な顔料濃度が低下して塗膜の柔軟性が向上す
るものと推察される。
することにより耐チッピング性が向上する理由は明らか
ではないが、塗料廃棄物微粉末は約80%が樹脂分であ
り、実質的な顔料濃度が低下して塗膜の柔軟性が向上す
るものと推察される。
【0014】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 <第1実施例> (塗料廃棄物微粉末の作製)自動車車体の中塗り塗装ラ
インで発生した塗料滓を回収し、ヘンシェルミキサにて
加熱しながら粉砕して約2000μm以下に粉末化し
た。さらにその粉末を超微粉砕機(「パルペライザ」ホ
ソカワミクロン製)で処理し、分級して粒径100μm
以下の微粉末とした。なお、中塗り塗料はポリエステル
・メラミン系の一液熱硬化型塗料であり、微粉末の組成
は表1に示すとおりである。
インで発生した塗料滓を回収し、ヘンシェルミキサにて
加熱しながら粉砕して約2000μm以下に粉末化し
た。さらにその粉末を超微粉砕機(「パルペライザ」ホ
ソカワミクロン製)で処理し、分級して粒径100μm
以下の微粉末とした。なお、中塗り塗料はポリエステル
・メラミン系の一液熱硬化型塗料であり、微粉末の組成
は表1に示すとおりである。
【0015】
【表1】
【0016】(実施例1−1) (耐チップ塗料組成物の作製)アクリル変性ブタジエン
樹脂20重量%と、無機充填剤(カーボンブラック,タ
ルクなど)44重量%と、分散剤1重量%及び脱イオン
水35重量%からなるアクリル系エマルジョン型塗料
(「ダンガードF1000」アイシン化工(株)製)100
重量部に対し、上記微粉末を5重量部添加しディスパー
により混合・攪拌した。そして脱イオン水を用いて14
0ポイズ(BH型粘度計・ロータNo.5,20℃)に
粘度調整した。脱イオン水の量は0.4重量部である。
得られた耐チップ塗料組成物を実施例1−1とする。 (試験板の作製)次に、鋼板に鉛・錫メッキが施された
ターンシート板を用意し、上記実施例1−1の耐チップ
塗料組成物をエアレススプレー塗装し、室温で10分間
放置後80℃で10分さらに120℃で20分間乾燥し
た。この条件で、乾燥時の膜厚が200μm〜400μ
mとなるようにして3枚の試験板を作製した。なお86
0μmの高膜厚に塗装した場合でも、乾燥時に膨れは生
じなかった。 (耐チッピング試験)得られた試験板の塗面に対して6
0°の角度でナット(M−5)を2mの高さから連続し
て落下させ、素地が露出したときの落下ナットの総重量
を求めた。そして各試験板の膜厚との相関から、膜厚3
00μmにおけるデータを推定計算し、結果を表2及び
図1に示す。 (実施例1−2〜1−4,比較例1,比較例4)表2に
示すように、塗料廃棄物微粉末の添加量を種々変化さ
せ、それに伴って粘度を一定とするために脱イオン水の
添加量を変化させたこと以外は実施例1−1と同様にし
て、それぞれの耐チップ塗料組成物を調製した。そして
同様に試験板を作製し、耐チッピング試験を行って結果
を表2及び図1に示す。なお、実施例1−1と同様に膜
厚860μmと高膜厚に塗装したものを作製したが、い
ずれも乾燥時に膨れは生じなかった。 <比較例2・3>微粉末の代わりに炭酸カルシウムを1
0部又は15部用い、それに伴って粘度を一定とするた
めに脱イオン水の添加量を変化させたこと以外は実施例
1−1と同様にして、それぞれの耐チップ塗料組成物を
調製した。そして同様に試験板を作製し、耐チッピング
試験を行って結果を表2及び図1に示す。なお、実施例
1−1と同様に膜厚860μmと高膜厚に塗装したもの
を作製したが、いずれも乾燥時に膨れは生じなかった。
樹脂20重量%と、無機充填剤(カーボンブラック,タ
ルクなど)44重量%と、分散剤1重量%及び脱イオン
水35重量%からなるアクリル系エマルジョン型塗料
(「ダンガードF1000」アイシン化工(株)製)100
重量部に対し、上記微粉末を5重量部添加しディスパー
により混合・攪拌した。そして脱イオン水を用いて14
0ポイズ(BH型粘度計・ロータNo.5,20℃)に
粘度調整した。脱イオン水の量は0.4重量部である。
得られた耐チップ塗料組成物を実施例1−1とする。 (試験板の作製)次に、鋼板に鉛・錫メッキが施された
ターンシート板を用意し、上記実施例1−1の耐チップ
塗料組成物をエアレススプレー塗装し、室温で10分間
放置後80℃で10分さらに120℃で20分間乾燥し
た。この条件で、乾燥時の膜厚が200μm〜400μ
mとなるようにして3枚の試験板を作製した。なお86
0μmの高膜厚に塗装した場合でも、乾燥時に膨れは生
じなかった。 (耐チッピング試験)得られた試験板の塗面に対して6
0°の角度でナット(M−5)を2mの高さから連続し
て落下させ、素地が露出したときの落下ナットの総重量
を求めた。そして各試験板の膜厚との相関から、膜厚3
00μmにおけるデータを推定計算し、結果を表2及び
図1に示す。 (実施例1−2〜1−4,比較例1,比較例4)表2に
示すように、塗料廃棄物微粉末の添加量を種々変化さ
せ、それに伴って粘度を一定とするために脱イオン水の
添加量を変化させたこと以外は実施例1−1と同様にし
て、それぞれの耐チップ塗料組成物を調製した。そして
同様に試験板を作製し、耐チッピング試験を行って結果
を表2及び図1に示す。なお、実施例1−1と同様に膜
厚860μmと高膜厚に塗装したものを作製したが、い
ずれも乾燥時に膨れは生じなかった。 <比較例2・3>微粉末の代わりに炭酸カルシウムを1
0部又は15部用い、それに伴って粘度を一定とするた
めに脱イオン水の添加量を変化させたこと以外は実施例
1−1と同様にして、それぞれの耐チップ塗料組成物を
調製した。そして同様に試験板を作製し、耐チッピング
試験を行って結果を表2及び図1に示す。なお、実施例
1−1と同様に膜厚860μmと高膜厚に塗装したもの
を作製したが、いずれも乾燥時に膨れは生じなかった。
【0017】
【表2】
【0018】<評価>表2及び図1より、塗料廃棄物微
粉末が5〜20重量部の範囲であれば、比較例1の従来
の耐チップ塗料に比べて耐チッピング性が向上している
ことがわかる。そして比較例4のように25重量部を超
えると耐チッピング性は低下し、炭酸カルシウムを添加
した比較例2・3では耐チッピング性が極めて低下して
いることが明らかである。 <第2実施例> (比較例5)塩化ビニル樹脂(「G39J/G51」
(1/1重量比)日本ゼオン(株)製)100重量部
と、可塑剤としてのDINP190重量部と、減粘剤と
しての脂肪族系高沸点溶剤45重量部と、接着付与剤と
してのポリアミド15重量部と、垂れ止め剤としてのコ
ロイダル状炭カル210重量部と、添加剤としての顔
料,水分吸収剤60重量部と、炭酸カルシウム120重
量部とをよく混合して比較例5の耐チップ塗料組成物と
した。
粉末が5〜20重量部の範囲であれば、比較例1の従来
の耐チップ塗料に比べて耐チッピング性が向上している
ことがわかる。そして比較例4のように25重量部を超
えると耐チッピング性は低下し、炭酸カルシウムを添加
した比較例2・3では耐チッピング性が極めて低下して
いることが明らかである。 <第2実施例> (比較例5)塩化ビニル樹脂(「G39J/G51」
(1/1重量比)日本ゼオン(株)製)100重量部
と、可塑剤としてのDINP190重量部と、減粘剤と
しての脂肪族系高沸点溶剤45重量部と、接着付与剤と
してのポリアミド15重量部と、垂れ止め剤としてのコ
ロイダル状炭カル210重量部と、添加剤としての顔
料,水分吸収剤60重量部と、炭酸カルシウム120重
量部とをよく混合して比較例5の耐チップ塗料組成物と
した。
【0019】得られた耐チップ塗料組成物の比重、粘
度、増粘率を測定し結果を表3に示す。またこの耐チッ
プ塗料組成物を電着塗膜をもつ鋼板に1000〜300
0μmの厚さで塗布し、140℃で30分焼き付けて試
験板を作製した。そしてこの試験板について耐チッピン
グ性、剪断接着性を測定した。また塗膜の抗張力と伸び
を測定するとともに、膜厚5000μm塗布時の垂れ性
(垂れ長さ)も調べた。これらの結果を表3に示す。
度、増粘率を測定し結果を表3に示す。またこの耐チッ
プ塗料組成物を電着塗膜をもつ鋼板に1000〜300
0μmの厚さで塗布し、140℃で30分焼き付けて試
験板を作製した。そしてこの試験板について耐チッピン
グ性、剪断接着性を測定した。また塗膜の抗張力と伸び
を測定するとともに、膜厚5000μm塗布時の垂れ性
(垂れ長さ)も調べた。これらの結果を表3に示す。
【0020】なお、耐チッピング性は初期と40℃の蒸
留水中に10日間浸漬後の両方について測定し、実施例
1−1と同様にしてナットを落下させて測定し、膜厚1
000μmにおけるデータを推定計算した。剪断接着性
はJASO−M−323−77に基づいて測定した。こ
の場合も初期と40℃の蒸留水中に10日間浸漬後の両
方について測定した。 (実施例2−1〜2−4)第1実施例と同様の塗料廃棄
物微粉末を40〜120まで増加させるとともに炭酸カ
ルシウムをその分減らし、かつ粘度を調製するために可
塑剤としてのDINP量を増加させたこと以外は比較例
5と同様にして、粘度が65±5Pa・S/20℃の塗
料組成物を調製した。そして同様に各物性を測定し、結
果を表3に示す。
留水中に10日間浸漬後の両方について測定し、実施例
1−1と同様にしてナットを落下させて測定し、膜厚1
000μmにおけるデータを推定計算した。剪断接着性
はJASO−M−323−77に基づいて測定した。こ
の場合も初期と40℃の蒸留水中に10日間浸漬後の両
方について測定した。 (実施例2−1〜2−4)第1実施例と同様の塗料廃棄
物微粉末を40〜120まで増加させるとともに炭酸カ
ルシウムをその分減らし、かつ粘度を調製するために可
塑剤としてのDINP量を増加させたこと以外は比較例
5と同様にして、粘度が65±5Pa・S/20℃の塗
料組成物を調製した。そして同様に各物性を測定し、結
果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】(実施例2−5〜2−8,比較例6〜8)
第1実施例と同様の塗料廃棄物微粉末を40〜180ま
で増加させるとともに炭酸カルシウムをその分減らし、
かつ粘度を調製するために垂れ止め剤を190〜120
まで減少させたこと以外は比較例5と同様にして、粘度
が65±5Pa・S/20℃となるように塗料組成物を
調製した。そして同様に各物性を測定し、結果を表4に
示す。
第1実施例と同様の塗料廃棄物微粉末を40〜180ま
で増加させるとともに炭酸カルシウムをその分減らし、
かつ粘度を調製するために垂れ止め剤を190〜120
まで減少させたこと以外は比較例5と同様にして、粘度
が65±5Pa・S/20℃となるように塗料組成物を
調製した。そして同様に各物性を測定し、結果を表4に
示す。
【0023】
【表4】
【0024】(比較例9〜11)比較例5の塗料組成物
に対し、塗料廃棄物微粉末をさらに40〜120部混合
したことに相当する体積の炭酸カルシウムを追加すると
ともに、DINPを増加させたこと以外は比較例5と同
様にして、粘度が65±5Pa・S/20℃の塗料組成
物を調製した。そして同様に各物性を測定し、結果を表
5に示す。
に対し、塗料廃棄物微粉末をさらに40〜120部混合
したことに相当する体積の炭酸カルシウムを追加すると
ともに、DINPを増加させたこと以外は比較例5と同
様にして、粘度が65±5Pa・S/20℃の塗料組成
物を調製した。そして同様に各物性を測定し、結果を表
5に示す。
【0025】
【表5】
【0026】(評価)上記表3〜表5の耐チッピング性
の結果を図2にまとめて示す。このように塗料廃棄物微
粉末を充填剤として用いることにより、炭酸カルシウム
を用いる場合に比べて耐チッピング性が向上することが
明らかである。そして粘度調整は可塑剤で行うよりも、
垂れ止め剤を減らすことで行う方が望ましいことがわか
る。このことは剪断接着性の結果からも明らかである。
そして塗料廃棄物微粉末を用いれば、垂れ止め剤を減ら
しても垂れが有効に防止できるので、コストの低減を図
ることができる。
の結果を図2にまとめて示す。このように塗料廃棄物微
粉末を充填剤として用いることにより、炭酸カルシウム
を用いる場合に比べて耐チッピング性が向上することが
明らかである。そして粘度調整は可塑剤で行うよりも、
垂れ止め剤を減らすことで行う方が望ましいことがわか
る。このことは剪断接着性の結果からも明らかである。
そして塗料廃棄物微粉末を用いれば、垂れ止め剤を減ら
しても垂れが有効に防止できるので、コストの低減を図
ることができる。
【0027】さらに塗料廃棄物微粉末を添加することに
より、炭酸カルシウムを用いる場合に比べて塗料組成物
の比重を小さくすることができ、軽量化にも貢献でき
る。
より、炭酸カルシウムを用いる場合に比べて塗料組成物
の比重を小さくすることができ、軽量化にも貢献でき
る。
【0028】
【発明の効果】すなわち本発明の耐チップ塗料組成物に
よれば、塗料廃棄物微粉末を多く用い、しかも耐チッピ
ング性を向上させることができるので、塗料滓の有効利
用が促進され資源を節約することが可能となる。また比
重が小さいため、従来と同じ膜厚に塗布しても従来より
軽量となるので、自動車の燃費の低減に寄与することが
できる。さらに、従来と同等の耐チッピング性とするな
ら膜厚を薄くすることが可能となり、比重の小さいこと
と相まって極めて軽量な塗膜を形成することができる。
よれば、塗料廃棄物微粉末を多く用い、しかも耐チッピ
ング性を向上させることができるので、塗料滓の有効利
用が促進され資源を節約することが可能となる。また比
重が小さいため、従来と同じ膜厚に塗布しても従来より
軽量となるので、自動車の燃費の低減に寄与することが
できる。さらに、従来と同等の耐チッピング性とするな
ら膜厚を薄くすることが可能となり、比重の小さいこと
と相まって極めて軽量な塗膜を形成することができる。
【図1】第1実施例における充填剤の混合割合と耐チッ
ピング性の関係を示す棒グラフである。
ピング性の関係を示す棒グラフである。
【図2】第2実施例における充填剤の混合割合と耐チッ
ピング性の関係を示す棒グラフである。
ピング性の関係を示す棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 和則 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ 原1141番地1 アイシン化工株式会社内 (72)発明者 石崎 久好 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ 原1141番地1 アイシン化工株式会社内 (72)発明者 鈴木 晴久 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ 原1141番地1 アイシン化工株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−59302(JP,A) 特開 平5−117575(JP,A) 特開 昭51−103176(JP,A) 特開 平4−76069(JP,A) 特開 平6−16980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 133/00 - 133/16,127/06,7/12,5 /00
Claims (2)
- 【請求項1】 アクリル系樹脂20〜30重量%と充填
剤35〜50重量%とを含むアクリル系エマルジョン型
塗料100重量部に対し、熱硬化型塗料からなる塗料廃
棄物微粉末25重量部未満と、所定の粘度とするための
粘調用溶剤とを加えてなる耐チップ塗料組成物。 - 【請求項2】 塩化ビニル樹脂と可塑剤及び充填剤から
なるポリ塩化ビニルプラスチゾル系の耐チップ塗料組成
物において、該充填剤の少なくとも一部に熱硬化型塗料
からなる塗料廃棄物微粉末を含むことを特徴とする耐チ
ップ塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5196499A JP2767019B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 耐チップ塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5196499A JP2767019B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 耐チップ塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748528A JPH0748528A (ja) | 1995-02-21 |
JP2767019B2 true JP2767019B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=16358780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5196499A Expired - Fee Related JP2767019B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 耐チップ塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2767019B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08225765A (ja) * | 1995-02-21 | 1996-09-03 | Toyota Motor Corp | 塩化ビニルプラスチゾル系の耐チップ塗料組成物 |
-
1993
- 1993-08-06 JP JP5196499A patent/JP2767019B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0748528A (ja) | 1995-02-21 |
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