JP2765714B2 - ルースチューブ心線 - Google Patents

ルースチューブ心線

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JP2765714B2
JP2765714B2 JP64000785A JP78589A JP2765714B2 JP 2765714 B2 JP2765714 B2 JP 2765714B2 JP 64000785 A JP64000785 A JP 64000785A JP 78589 A JP78589 A JP 78589A JP 2765714 B2 JP2765714 B2 JP 2765714B2
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直樹 岡田
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秀雄 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ルースチューブ心線に関し、特に、伝送損
失の増加が抑制された安定な実用的心線に関するもので
ある。
〔従来の技術とその技術的課題〕
ルースチューブ心線は、複数本の光ファイバ素線を含
むチューブ内にジェリー状混和物が充てんされて構成さ
れる。かかるルースチューブ心線には、ペト系やポリブ
テン系の充てん用混和物が用いられ、充てん時に加熱
し、粘度を低下させて充てんするタイプでは、一般に、
その加熱された混和物が室温に温度低下した際、混和物
の体積収縮によって、チューブ内のファイバに曲がりが
生じ伝送損失を起こすという問題があった。かかる不都
合現象を避けるために、常温充てんタイプのジェリー状
混和物が用いられているが、そのような混和物でも、常
温において充てんされチューブ化された後、低温時の長
さ方向のチューブの収縮によって光ファイバに局部的な
曲がりが生ずるという問題があった。この局部的曲がり
を発生させないようにするには、ジェリーの剛性がファ
イバの剛性より常に小さくなるようにすることが重要
で、通常の環境条件における広い温度範囲においてジェ
リーの稠度を充分高く保つことが望まれる。
しかし、一般にルースチューブの置かれる広い環境温
度範囲、特にかなり低い温条件下、例えば、−40℃近傍
の寒冷条件ではジェリー状混和物の稠度が著しく低下し
てファイバの剛性より大きくなるので、ファイバが安定
な位置に移動せず、損失増加が避けられなかった。
従って、本発明の目的は、広い温度範囲、特に厳寒条
件下においても、チューブ内のファイバが、チューブの
収縮によっても安定な位置に移動して伝送損失の増加が
起こらないルースチューブ心線を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を達成する方法、特に低温条
件におけるルースチューブの実用上の不利益を解消する
方法について、チューブ内に充てんされる心線用混和物
に着目して、その改良研究を重ねた結果、広い温度範囲
にわたって高い稠度を保つ実用的に極めて望ましいジェ
リー状混和物を見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は、前記請求項1に記載の要件から
成るルースチューブ心線を要旨とするものである。
本発明の心線に用いられるジェリー状充てん混和物
は、鉱油,ポリブテン,及びシリカ等の無機材料を主成
分としてブレンドして成る常温充てん型混和物であっ
て、広い温度範囲にわたって適度の粘稠度を有するもの
であることが重要で、特に、−40℃の低い温度におい
て、250(dnm2)以上の稠度を有するものが用いられ
る。本発明における上記の稠度は、JIS K−2220に規
定される方法によって測定したものであって、その測定
法により、各種調製ジェリーの稠度を容易に確認するこ
とができる。
従って、鉱油,ポリブテン及びシリカを主成分とする
配合物の調整において、−40℃の温度における稠度が25
0以上の所望稠度のジェリー状混和物を容易に得ること
ができる。その配合割合は、特に理論的に規定されない
が、鉱油は約10〜30重量%、ポリブテンは約60〜90重量
%、シリカは約5〜20重量%の範囲が実用上有利に採用
される。特に好ましいものは常温充てん型のポリブテン
・鉱油系である。
〔作 用〕
本発明の心線は、通常の広い環境温度範囲、特に、低
温条件下において、収縮チューブ内の光ファイバが安定
に移動するので、伝送損失の増加が起こらず、優れた実
用性を有する。
〔実 施 例〕
以下、具体例により、本発明を更に詳細に説明する。
ジェリー状混和物の調製 試料No.1(一般のメタル用) 重量% ナトリウム石鹸グリース 100 稠度:室温で20〜50,−40℃では、<10 試料No.2(本発明外) 重量% 鉱油 5 ポリブテン 90 シリカ 5 稠度:室温で200,−40℃では100 試料No.3(本発明) 重量% 鉱油 20 ポリブテン 75 シリカ 5 稠度:室温で380〜430,−40℃で260 均一に調製された上記の各ジェリー状充てん用混和物
を充てんして、それぞれのルースチューブ心線を作成し
た。該心線は、紫外線硬化樹脂を被覆した直径0.25mmの
光ファイバ素線4本をPBT樹脂でチューブ状に被覆した
もので、該被覆内に上記充てん用ジェリー状混和物がそ
れぞれ充てん形成されたものである。その被覆チューブ
は、内径が1.4mmφ,外径が2.4mmφである。
なお、試料No.1の混和物の充てんは、これを約90℃に
加熱して粘度を低下させて行い、他の試料No.2〜4は常
温で行った。
実施例 1及び比較例1〜3 上記各ルースチューブ心線について、それぞれのチュ
ーブ化前に対する伝送損失変化と−40℃における伝送損
失変化をそれぞれ測定した。
−40℃における伝送損失変化の測定は、500mルースチ
ューブ心線(4cタイプ)を束状にとり、4cをループ状に
融着し、2km長で測定した。測定に用いた光の波長は、
1.3μmである。
それらの測定結果を、下掲第1表に示す。
なお、表中の評価記号は、次の基準による。
○は、>0.1dB/km(1.3μm) ×は、<0.1dB/km(1.3μm) また、各ルースチューブ心線の常温時と比較した−40
℃における伝送損失変化を測定した結果を次表に示す。
〔発明の効果〕 上記結果から判るように、本発明の光ファイバルース
チューブ心線は、厳しい低温においても伝送損失の増加
が極めて小さく、従って、特に極寒地における光伝送に
有利且つ実用的である。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 秀雄 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−233708(JP,A) 特開 昭54−34844(JP,A) 特開 昭62−173408(JP,A) 特開 昭60−88913(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉱油10〜30重量%,ポリブテン60〜90重量
    %,及びシリカ5〜20重量%から成る組成物を主成分と
    し、20℃〜−40℃の温度範囲における稠度が250以上に
    調製されたジェリー状混和物を充填して成るルースチュ
    ーブ心線。
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JPH07119859B2 (ja) * 1986-01-27 1995-12-20 三菱電線工業株式会社 通信または光ファイバーケーブル

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