JP2764284B2 - 高結晶性ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

高結晶性ポリプロピレン樹脂組成物

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JP2764284B2 JP29010388A JP29010388A JP2764284B2 JP 2764284 B2 JP2764284 B2 JP 2764284B2 JP 29010388 A JP29010388 A JP 29010388A JP 29010388 A JP29010388 A JP 29010388A JP 2764284 B2 JP2764284 B2 JP 2764284B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高結晶性のポリプロピレン樹脂組成物に関す
る。詳しくは特定の共重合体を含有するポリプロピレン
樹脂組成物に関する。
〔従来技術〕
結晶性ポリプロピレンは比較的剛性に優れ、またエチ
レン等の他のオレフィンと共重合したものは、剛性と耐
衝撃性のバランスに優れた安価な重合体として多くの用
途に利用されている。
しかしながらポリプロピレンは比較的結晶化度が低く
本来の剛性とか透明性とかの優れた物性を示さないと
か、場合によっては成形時間がかかる等の種々の問題が
あった。これに対しては種々の核剤を添加することが行
われており中でも高分子物質を核剤にする方法は少量で
も極めて効果的であり優れた方法である(特開昭60−13
9731,同61−16944等)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記、架橋ポリプロピレンを用いる方法は比較的安価
でしかも効果的であるが成形物の表面が滑らかでないと
か、フイルムに成形した時フイルムの面がなめらかでな
い等の問題があり、又高分子核剤は極めて高価であると
いう問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題を解決した高結晶性ポリプロピ
レン樹脂組成物について鋭意探索した結果、特定のプロ
ピレンの共重合体が極めて効果的であることを見出し本
発明を完成した。
即ち、本発明は、結晶性ポリプロピレン100重量部に
対し、立体規則性触媒でプロピレンとアルケニルシラン
を共重合して得た重合体であって、示差熱分析によって
測定した結晶化温度が115℃以上であり、しかも沸騰n
−ヘプタン不溶分の割合が90wt%以上で沸騰キシレン不
溶分の割合が10wt%以下である共重合体0.1〜50重量部
からなる高結晶性ポリプロピレン樹脂組成物である。
アルケニルシランとプロピレンの共重合体について
は、米国特許3,223,686号に開示されているが、本発明
において用いる結晶性のプロピレンとアルケニルシラン
の共重合体については知られていない。
本発明において共重合に用いるアルケニルシランとは
少なくとも一つのSi−H結合を有するものが好ましく用
いられ、例えば、ビニルシラン、アリルシラン、ブテニ
ルシラン、ペンテニルシラン、あるいはこれらのモノマ
ーのSi−H結合の1〜2個がアルキル基で置換された化
合物あるいは1〜3個のSi−H結合がクロルで置換され
た化合物などが例示できる。
本発明において結晶性プロピレン−アルケニルシラン
共重合体は遷移金属化合物と有機金属化合物からなる触
媒を用いて重合することで得られ、触媒としては、上記
米国特許に記載された、TiCl3とトリエチルアルミニウ
ムからなる触媒も使用できるがより好ましくはその後、
開発された種々の高活性で高立体規則性のポリプロピレ
ンを与える触媒が利用される。
重合法としても不活性溶媒を使用する溶媒法の他に塊
状重合法、気相重合法も採用できる。ここで遷移金属化
合物と有機金属化合物からなる触媒としては、遷移金属
化合物としてはハロゲン化チタンが、有機金属化合物と
して有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。例
えば四塩化チタンを金属アルミニウム、水素或いは有機
アルミニウムで還元して得た三塩化チタンを電子供与性
化合物で変性処理したものと有機アルミニウム化合物、
さらに必要に応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化
合物からなる触媒系、或いはハロゲン化マグネシウム等
の担体或いはそれらを電子供与性化合物で処理したもの
にハロゲン化チタンを担持して得た遷移金属化合物触媒
成分と有機アルミニウム化合物、必要に応じ含酸素有機
化合物などの電子供与性化合物からなる触媒系、あるい
は塩化マグネシウムとアルコールの反応物を炭化水素溶
媒中に溶解し、ついで四塩化チタンなどの沈澱剤で処理
することで炭化水素溶媒に不溶化し、必要に応じエステ
ル、エーテルなどの電子供与性の化合物で処理しついで
ハロゲン化チタンで処理する方法などによって得られる
遷移金属化合物触媒成分と有機アルミニウム化合物、必
要に応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化合物から
なる触媒系等が例示される(例えば、以下の文献に種々
の例が記載されている。Ziegler−Natta Catalysts and
Polymerization by John Boor Jr(Academic Press),
Journal of Macromorecular Sience Reviews in Macrom
olecular Chemistry and Physics,C24(3)355−385
(1984)、同C25(1)578−597(1985))。
ここで電子供与性化合物としては通常エーテル、エス
テル、オルソエステル、アルコキシ硅素化合物などの含
酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアルコール、ア
ルデヒド、水なども使用可能である。
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアル
ミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキル
アルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジ
ハライドが使用でき、アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが例示
され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素が例示され
る。
ここでアルケニルシランとプロピレンの重合割合とし
ては、共重合体の結晶化温度が115℃以上で、しかも沸
騰n−ヘプタン不溶分の割合が90wt%以上で沸騰キシレ
ン不溶分の割合が10wt%以下であるかぎり特に制限は無
いが、上記条件を満足するという意味から、通常アルケ
ニルシランが0.001〜10モル%程度、好ましくは0.01〜
5モル%である。
重合体の分子量としては特に制限はないが、混合して
物性の向上を計ろうとする結晶性ポリプロピレンの分子
量と同程度あるいはそれ以下とするのが好ましい。場合
によっては、アルケニルシランを含有しない他は結晶性
ポリプロピレンと同様の重合(組成、分子量等)を行っ
ても良い。
本発明において結晶化温度とは、示差熱分析計で窒素
等の不活性ガス雰囲気下に始めに240℃に昇温し該温度
で10分間保持し次いで10℃/minで30℃まで降温して、結
晶化温度を発熱のピーク温度として測定しついで10℃/m
inで昇温して融点を吸熱のピーク温度として測定するこ
とで求められる。また沸騰n−ヘプタン不溶分の割合と
しては、ソックスレー抽出器を用い沸騰n−ヘプタンで
6時間抽出しついで抽出残分を乾燥秤量して、(抽出後
の重量/抽出前の重量)×100%として算出される。ま
た沸騰キシレン不溶分の割合としては共重合体10gを200
メッシュの金網にいれ、p−キシレン200ml中でキシレ
ンの沸騰下で6時間抽出しついで抽出残分を乾燥秤量し
て、(抽出後の重量/抽出前の重量)×100%として算
出される。
結晶化温度が115℃より低いと物性向上の効果が小さ
く、より好ましくは118℃以上であることである。沸騰
n−ヘプタン不溶分の割合が90wt%より少ないと物性改
良の効果がなく、好ましくは92重量%以上である。沸騰
キシレン不溶分の割合が10%より多いと得られる組成物
をフィルムなどに成形した時その表面が滑らかで無く好
ましくない。より好ましくは沸騰キシレン不溶分の割合
は5wt%以下である。
本発明の組成物を製造するに用いるポリプロピレンと
しては結晶性ポリプロピレンである限り限定はなく、プ
ロピレンの単独重合体のみならず少量のエチレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、2−メチルペン
テン−1などのα−オレフィンとのランダム共重合体、
あるいは、始めにプロピレン単独、或いは少量の上記オ
レフィンと共重合しついで、エチレンとプロピレンある
いはさらに他のα−オレフィンと共重合することによっ
て製造される所謂ブロック共重合であっても良い(通常
プロピレン以外のα−オレフィンとしてはランダムで10
wt%以下、ブロックで50wt%以下)。これらの製造法に
ついては既に公知であり種々の銘柄のものが市場で入手
可能である。またアルケニルシランを用いない他は上記
プロピレンとアルケニルシランの重合体の製造法と同様
に行うことで製造可能である。
これらの結晶性ポリプロピレンに対する上記アルケニ
ルシランとプロピレンの共重合体の混合割合としては結
晶性ポリプロピレン100重量部に対し0.1重量部以上であ
るのが好ましい。0.1重量部に満たない場合は物性改良
の効果が小さく、上限については、アルケニルシランを
含有しない以外は同様の重合をすることで得られた結晶
性ポリプロピレンよりアルケニルシランを共重合したも
のの方が一般に剛性の点では物性が優れているというこ
とから特にないが、物性の改良及び成形性という点では
50重量部程度である。
両成分の混合、あるいは必要に応じ添加される酸化防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、あるいは他の
核剤など公知の添加剤との混合方法については特に制限
は無く、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー等で混合
後、押出機、あるいはロール、バンバリーミキサー、ニ
ーダー等で溶融混合することで組成物とすることができ
る。
実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4の粉砕用ポッ
トを4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに窒素
雰囲気下で塩化マグネシウム300g、フタル酸ジイソブチ
ル112ml、四塩化チタン60mlを加え40時間粉砕した。こ
うして得た共粉砕物300gを5のフラスコに入れトルエ
ン2.5を加えトルエンの沸騰下に2時間処理した。静
置分離して上澄みを除去しさらにトルエン2.5で同様
の処理を行い遷移金属触媒成分とした。内容積5のオ
ートクレーブにこの触媒成分50mg、とトリエチルアルミ
ニウム0.5ml、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン
0.05mを加え、プロピレン1.5kg、ビニルシラン30g、
水素1.5Nlを加え70℃で3時間重合した。未反応のモノ
マーをパージしパウダーを取り出し乾燥秤量したところ
1060gのビニルシラン含量0.45モル%の共重合体を得
た。この共重合体の融点をパーキン・エルマー(株)製
DSC−4を用い本文中に記載の方法で測定したところ122
℃であり、沸騰n−ヘプタン不溶分の割合は97.8wt%で
あり、沸騰キシレン不溶分の割合は0.5wt%であった。
また、135℃テトラリン溶液で測定した極限粘度は1.52
であった。
三井東圧化学(株)製ポリプロピレンJHH−G95重量部
に上記共重合体5重量部を加え押出機で造粒して得た組
成物について以下の物性を測定した。
曲げ弾性率:kg/cm2 ASTM D638(23℃) 引張降伏強さ:kg/cm2 ASTM D638(23℃) またプロピレン−エチレン共重合体についてはさら
に、 アイゾット(ノッチ付)衝撃強度:kg・cm/cm ASTM D25
6−56(20℃、−10℃) も測定した。結果は第1表に示す。またこの組成物の官
能試験を行ったが異臭はなく対比としたJHH−Gと同様
であった。
比較例1 ビニルシラン−プロピレン共重合体を用いることなく
実施例1と同様に物性を測定したところ第1表に示す結
果を得た。
実施例2 結晶性ポリプロピレンとして三井東圧化学(株)製ポ
リプロピレンブロック共重合体BLHH−Gを用い、実施例
1で得た共重合体を用い同様に溶融混合してポリプロピ
レン樹脂組成物を得た。この組成物について同様に物性
を測定したところ第1表に示す結果を得た。
比較例2 ビニルシラン−プロピレン共重合体を用いることなく
実施例2と同様に物性を測定したところ第1表に示す結
果を得た。
実施例3 ビニルシランに代えアリルシランを用いた他は実施例
1と同様にして共重合体を得た。この重合体はアリルシ
ランを0.7wt%含有しており沸騰n−ヘプタン不溶分の
割合は96.7wt%、キシレン不溶分の割合は0.5wt%、極
限粘度は1.49であった。この共重合体を用いた他は実施
例2と同様にし物性を測定した結果は第1表に示す。
実施例4 実施例1と同様に重合し、2時間の重合の後50℃に降
温しエチレンをエチレン分圧が8kg/cm2になるように導
入してさらに50℃で40分間エチレン分圧を保って重合し
てエチレン含量5.8wt%、ビニルシラン含量0.4wt%の重
合体を得た。
この共重合体を用い、実施例2のブロック共重合体と
の比を80:20とした他は実施例2と同様にし物性を測定
した結果は第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の組成物はその製法が簡便でありしかも物性に
優れており工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/10 C08F 8/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレン100重量部に対し、
    立体規則性触媒でプロピレンとアルケニルシランを共重
    合して得た重合体であって、示差熱分析によって測定し
    た結晶化温度が115℃以上であり、しかも沸騰n−ヘプ
    タン不溶分の割合が90wt%以上で沸騰キシレン不溶分の
    割合が10wt%以下である共重合体0.1〜50重量部からな
    る高結晶性ポリプロピレン樹脂組成物。
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