JP2762182B2 - 建物の外壁用ガラス板等の取付け構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、建物の外壁としてガ
ラス板等のパネル板を取り付ける場合に用いられるよう
にした建物の外壁用ガラス板等の取付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の取付け構造には、例えば
特開平３ー９３９４８号公報のガラス板の支持装置があ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置は、建
物の骨組み材に縦方向に沿って固定される取付け材に、
内側と外側で互いに平行する２本の係合部を具えて断面
エ字形に形成した取付け具を嵌合して、内側の係合部を
取付け材の嵌合溝の相対向する突縁の内側に掛止させ、
外側の係合部をパネル板の縦の縁の内側に沿って固着さ
れている断面コ字形の嵌合部に嵌合させるように構成し
ていた。

【０００４】そのために、建物の骨組み材に縦方向に沿
って固定される取付け材と、パネル板の縦の縁の内側に
沿って設けられている嵌合部との双方に、断面エ字形に
形成した取付け具を嵌合した後に、該取付け具を取付け
材に固定するか、または、取付け面の一側から他側に順
次横に取付け作業を進めることになって、パネル板の取
付け施工に手数を要し、作業が進め難い等の欠点があ
る。また、パネル板を取付け材に対して緊締する取付け
具が断面エ字形の固定形状をなしているので、パネル板
と取付け材との間の間隔の変動に対する融通性がないと
いう欠点もあり、これらの欠点を除去することがこの種
の建物の外壁用ガラス板等の取付け構造において、解決
すべき課題となっていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、建物の
骨組み材に背面を縦方向に固定される比較的に長尺の取
付け材は、正面側に内向きに対向する突縁を有する嵌合
溝を備え、外壁用ガラス板等のパネル板は、縦の縁の裏
側に沿って、外側方を開放した断面コ字形のカム嵌合部
を一体に固着して備え、このパネル板を上記取付け材に
装着する取付け具は、前記取付け材の嵌合溝と突縁の内
側にスライド自在に嵌合して前記取付け材にねじ止めさ
れるブロック部と、ブロック部の表側に突出して回転自
在に備えられた調節ボルトと、調節ボルトの先端部に回
転自在に螺合した適宜長さの板状のカムと、このカムと
ブロック部との間で調節ボルトに遊嵌して、カム側に設
けたばねによって常時ブロック部側へ付勢される回り止
めワッシャと、この回り止めワッシャに調節ボルトと平
行に固定されて、一端をカムに対して摺動自在に貫通さ
せた左右一対の回り止めピンとを備えてなり、上記ブロ
ック部の表側に、上記カムを横に回転したときに上記回
り止めピンの他端を嵌合する回り止め溝を設け、建物の
骨組み材に固定した上記取付け材の嵌合溝に上記取付け
具を嵌合し、該取付け具のカムを横に倒して前記パネル
板のカム嵌合部に嵌合させることにより、取付け材の正
面側に縦の縁を沿わせたパネル板を、所定の取付け面に
沿って装着するようにしたことを特徴とする建物の外壁
用ガラス板等の取付け構造を提供するものである。

【０００６】

【作用】上記の構成よりなる本発明は、外壁の取付け面
に沿って縦方向に固定される取付け材の嵌合溝に嵌合し
た取付け具をスライドさせることにより、パネル板を固
定する取付け具の置間隔を変更することができる。また
この取付け具は、取付け面の表側から行うワンタッチ状
のカムの回転操作によってパネル板を取付け材に装着で
きる。パネル板の装着時に回転したカムは、同体に回転
する回り止めワッシャのピンとブロック側の回り止め溝
との嵌合によって、自動的に不可逆的に回り止めされ
る。そして、取付け材に沿わせたパネル板と取付け材と
の間の間隔調節は、パネル板の側方に取付け具から突出
している調節ボルトを回転して同軸上のカムの位置を前
後に移動させることにより、装着の現場に合わせて個別
に調節できる。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面について説明す
る。図１および図２において、１は建物の骨組み材であ
る縦柱２に背面を縦方向に固定される比較的に長尺の取
付け材、３は取付け材１の正面側に、内向きに対向する
突縁４を具えて長さ方向に貫設した嵌合溝、５は縦方向
の縁の裏側に沿って、外側方に開口する断面コ字形のカ
ム嵌合部６を一体に設けた長方形のガラス板製パネル
板、７は取付け材１の嵌合溝３に嵌合して、所定の取付
け面Ｈに沿ってパネル板５を装着する取付け具である。

【０００８】取付け具７は図３に示すように、取付け材
１の嵌合溝３と突縁４とに嵌合して縦方向に移動が自在
のブロック部８と、ブロック部８の正面中央に突出して
回転自在に備えられた調節ボルト９と、調節ボルト９の
先端に螺合して、９０°回転したときに先端を前記パネ
ル板５のカム嵌合部６に嵌合させる長方形の板状のカム
１０と、このカム１０とブロック部８との間で調節ボル
ト９に遊嵌し、一対２本の回り止めピン１１を調節ボル
ト９と平行に固定するとともに、カム１０側に介設した
コイルばね１２によって常時ブロック部８側に付勢され
る回り止めワッシャ１３とを有する。なお、カム１０の
幅は、相隣する２枚のパネル板１の間の幅以下である。

【０００９】回り止めワッシャ１３に付設した一対の回
り止めピン１１は、一端をカム１０側に設けたガイド孔
１４にスライド自在に遊嵌し、図３の状態すなわちカム
１０が縦のとき、他端をブロック部８の表面に当接させ
ており、９０゜回転したときに、コイルばね１２に付勢
されて、該ブロック部８の表面に横に設けた回り止め溝
１５に落ち込み、回り止めワッシャ１３とともにカム１
０の回転を不可逆的に阻止する。

【００１０】調節ボルト９の先端はドライバーの差込み
溝１６を設け、ドライバーで該調節ボルト９を回すこと
により、パネル板５を取付け材１に沿わせた際の間隔に
対応する位置にカム１０を前後に移動させて、そのクラ
ンプ位置を調節できるようにしている。

【００１１】図１は取付け材１の左右から２枚のパネル
板５を同時に装着する場合を示し、図２は例えば開閉可
能の窓Ｗに沿って取付け材１の片側だけにパネル板５を
装着する場合を示す。同図中、１７はシーリングゴム
材、１８は接着用シーリング材、１９はパネル板５裏面
のカム嵌合部６が圧接するパッキングゴム材である。ま
た図３中、２０は取付け具７のブロック部８に設けた取
付け具７の固定用ねじ孔である。

【００１２】以上のように構成したこの取付け構造は、
縦柱２に固定されている取付け材１の嵌合溝３にブロッ
ク部８を嵌め、固定用ねじ孔を用いて所望の高さに適宜
数の取付け具７を固定し、パネル板５の縦の縁を取付け
材１の正面に位置させて、縦にしておいたカム１０を９
０°横に回転すると、該カム１０の先端がパッキングゴ
ム材１９を圧縮しつつパネル板５のカム嵌合部６と嵌合
し、取付け面Ｈに沿ってパネル板５を取り付けることが
できる。上記カム１０のクランプ位置は、同体に回転し
た回り止めワッシャ１３のピン１１がコイルばね１２に
付勢されてブロック部８の回り止め溝１５に落ち込むこ
とにより不可逆的に維持される。そして、パネル板５の
取り付けに際して取付け材１との間隔に変動がある場合
には、前述のようにドライバーで調節ボルト９を回して
間隔調節をする。

【００１３】

【発明の効果】前記のように構成し、上記のように用い
られるようにした本発明によれば、建物の外側からの取
付け作業によって、外壁用ガラス板等のパネル板を所定
位置に装着することができる。また取付け作業は、重い
工具を使用することなく、パネル板の側縁に臨出するカ
ムを横に回転するというきわめて簡単な操作によってで
き、同時にこのカムは、回り止めワッシャのピンとブロ
ック側の回り止め溝との嵌合により、強固に保持され
る。さらにパネル板を取付け材に固定する取付け具は、
取付け材に設けられている嵌合溝に沿って適宜にスライ
ドさせることができ、施工現場での固定位置の変更にも
応じ易い。また、調節ボルトを回すことによってパネル
板と取付け材との間の間隔を調節できる等の効果があ
る。

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例をその施工状態とともに
示す一部切欠平面図

【図２】図２は別の実施例をその施工状態とともに示す
一部切欠平面図

【図３】図３は本発明に用いる取付け具の斜視図

【符号の説明】

１ 取付け材 ２ 縦柱 ３ 嵌合溝 ４ 突縁 ５ パネル板 ６ カム嵌合部 ７ 取付け具 ８ ブロック部 ９ 調節ボルト １０ カム １１ 回り止めピン １２ コイルばね １３ 回り止めワッシャ １４ ガイド孔 １５ 回り止め溝 １６ 差込み溝 １７ シーリングゴム材 １８ 接着用シーリング材 １９ パッキングゴム材 ２０ ねじ孔 Ｈ 取付け面 Ｗ 窓

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の骨組み材２に背面を縦方向に固定
   される比較的に長尺の取付け材１は、正面側に内向きに
   対向する突縁４を有する嵌合溝３を備え、外壁用ガラス
   板等のパネル板５は、縦の縁の裏側に沿って、外側方を
   開放した断面コ字形のカム嵌合部６を一体に固着して備
   え、このパネル板５を上記取付け材１に装着する取付け
   具７は、前記取付け材１の嵌合溝３と突縁４の内側にス
   ライド自在に嵌合して取付け材１にねじ止めされるブロ
   ック部８と、ブロック部８の表側に突出して回転自在に
   備えられた調節ボルト９と、調節ボルト９の先端部に回
   転自在に螺合した適宜長さの板状のカム１０と、このカ
   ム１０とブロック部８との間で調節ボルト９に遊嵌し
   て、カム１０側に設けたばね１２によって常時ブロック
   部８側へ付勢される回り止めワッシャ１３と、この回り
   止めワッシャ１３に調節ボルト９と平行に固定されて、
   一端をカム１０に対して摺動自在に挿通させた左右一対
   の回り止めピン１１とを備えてなり、上記ブロック部８
   の表側に、上記カム１０を横に回転したときに上記回り
   止めピン１１の他端を嵌合する回り止め溝１５を設け、
   建物の骨組み材２に固定した上記取付け材１の嵌合溝３
   に上記取付け具７を嵌合し、該取付け具７のカム１０を
   横に倒して前記パネル板５のカム嵌合部６に嵌合させる
   ことにより、取付け材１の正面側に縦の縁を沿わせたパ
   ネル板５を、所定の取付け面Ｈに沿って装着するように
   したことを特徴とする建物の外壁用ガラス板等の取付け
   構造。