JP2762167B2 - 酵素結晶成長方法 - Google Patents

酵素結晶成長方法

Info

Publication number
JP2762167B2
JP2762167B2 JP2513621A JP51362190A JP2762167B2 JP 2762167 B2 JP2762167 B2 JP 2762167B2 JP 2513621 A JP2513621 A JP 2513621A JP 51362190 A JP51362190 A JP 51362190A JP 2762167 B2 JP2762167 B2 JP 2762167B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystals
glucose isomerase
chamber
solution
crystal growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2513621A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05501242A (ja
Inventor
ヴィスリ,カレヴィ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stabra AG
Original Assignee
Stabra AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stabra AG filed Critical Stabra AG
Publication of JPH05501242A publication Critical patent/JPH05501242A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2762167B2 publication Critical patent/JP2762167B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/90Isomerases (5.)
    • C12N9/92Glucose isomerase (5.3.1.5; 5.3.1.9; 5.3.1.18)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/803Physical recovery methods, e.g. chromatography, grinding
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/814Enzyme separation or purification
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/814Enzyme separation or purification
    • Y10S435/816Enzyme separation or purification by solubility

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、酵素結晶の成長方法に関するものである。
発明の背景技術 x線結晶学などの研究用にタンパク質や酵素の大形単
結晶を生成する方法について記した文献は数多くある。
これらのうち最も基本的な方法としては、数日、数週間
あるいは数カ月かけてサンプルから水分を蒸発させ極ゆ
っくりと酵素を濃縮する方法がある。結晶成長ジャーナ
ル(Journal of Crystal Growth)第90巻(1988)1
−368頁にこれらの方法に関する論文が記載されてお
り、その中でこれらの生成方法および研究方法は生物学
的高分子(macromolecules)の晶出には効果的でがある
と論じられている。しかしながら、これら従来の方法は
大形で均一な酵素結晶の予備生成あるいは産業規模での
生産には適用することができない。
小形分子の有機および無機合成物の晶出に関しては多
量の文献や情報がある。多くの小形分子合成物に関し、
一般の蒸発あるいは冷却回分結晶法(evaporation of c
ooling batch crystallization)による大形で均一な結
晶の生成方法が知られている。選択的に晶出器から小形
結晶を分離し、その後所望の大きさの結晶の採取を行う
方法が数多くある。通常、これらの方法には所望の大き
さの結晶が生成されるまであるレベルの過飽和状態を維
持する技術が用いられている。晶出一般に関しては、理
論的また実用的な知識が豊富にあるにもかかわらず、大
きさで結晶を分類し、大形結晶の生産を可能とする結晶
成長処理は、生物学的高分子の晶出1025例(examples)
以外には適用されていなかった。{G.L.Gilliland著生
物学的高分子結晶データベース:晶出戦略(A biologic
al macromolecule crystallization database:a basis
for a crystallization strategy)の基礎 結晶成長ジ
ャーナル(Journal of Crystal Growth)90巻(1988)5
1−59頁} グルコース異性化酵素の工業規模での回分結晶法が米
国特許No.4、699、882に開示されている。この方法で
は、適度の濃度のアンモニア硫酸塩で酵素を晶出する。
こうして晶出された結晶の粒径は通常1−100マイクロ
メータの範囲にわたっており、粒径分布あるいは平均粒
径の制御は行われていない。この方法は、大規模生産に
は適しているが、例えば0.5mm−1mmの大きさの結晶の生
成あるいは固体不活性材料(solid inert materials)
の表面における大形結晶の晶出には適していない。
従って、本発明は大形酵素結晶の工業規模での生成を
可能とすることを目的とする。このように大形の結晶が
生成できれば、結晶を分離管(columns)内で直接使用
することが可能となり(これら結晶が基質(substrat
e)中で不溶である場合)、また結晶が小さい場合に発
生する詰まりや流れ抵抗の問題が発生しないという利点
がある。さらに、スクリーニング、または沈降法および
円心分離法により大形の結晶として生成された酵素をア
モルファス沈澱物あるいは気泡壁(通常0.1−1μmの
大きさ)などの固体小形有機堆積物を含む物質(不純
物)から容易に分離することが可能であり、この結果生
産時の収量が増大する。
さらに、本発明は不活性物質の表面に酵素を結晶層と
して堆積させる方法を提供することを目的としており、
特定の反応を触媒するのに被膜物質を使用することが可
能である。核(nuclei)などの異物を晶出に使用するこ
とにより驚くほど新規な固定化酵素(immobilized enzy
mes)生成方法が見いだされる利点がある。また本明細
書において開示されている方法は上記のような固形物表
面での大形の酵素結晶塊の成長に極めて有用である。固
形物表面で大形酵素を成長させることにより、工業プロ
セス用の簡略な酵素の回収、固定化方法が得られる。
発明の開示 本発明に係る結晶、もしくは結晶被膜固形物(crysta
l coated solids)を用いることにより上記効果が得ら
れる。本発明によれば、単結晶あるいは固形物上に堆積
した結晶のように比較的大形の酵素結晶が生成される。
第一の実施例によれば、冷却結晶成長チャンバ(晶出
器)には飽和溶液あるいは結晶性酵素の微細懸濁液(fi
ne suspension)が注入されている。前記溶液(もしく
は懸濁液)は直ちに冷却され酵素結晶の晶出を開始す
る。チャンバ内の液体の一部は常時排出されており、懸
濁液内で新たに生成された結晶の一部も排出される。該
液体の排出は分級器(classifying device)を経て行わ
れる。前記分級器は、比較的大形の結晶の通過を阻止
し、比較的小形の結晶のみを透過させる。比較的小形の
結晶を担持している液体を、酵素結晶が分解されるよう
再度加熱し、分解された酵素は冷却結晶成長チャンバに
戻され、該チャンバにて再度晶出される。すなわち、前
回生成され、分級器を経ても結晶成長チャンバから流出
しなかった比較的大形の結晶上の少なくとも一部に酵素
が再晶出する。このように、晶出、粒径分級、再加熱、
小形結晶を含有する酵素の再循環といった連続操作によ
り比較的大形の酵素結晶の成長が可能となる。小形結晶
を含有する酵素を排出し、分解した状態で再度循環させ
ることにより過飽和状態の結晶成長チャンバ内の液体環
境が一定に保たれる。結晶の粒径が最終目的に合った大
きさになった時に、大形結晶を収穫(回収)する。この
実施例では、粒径が0.5−1mmの範囲の大形酵素結晶が生
成された。この大形結晶は、沈降法あるいは円心分離法
などの従来の方法で連続的に収集することが可能であ
り、工業規模での加工に適用できる。
第二実施例において、固定した、結合が疎、または易
流動的で、不溶性であり、実質的に不活性な物質を晶出
チャンバ内に注入する。該チャンバ内において晶出酵素
の一部が、晶出の核となる前記物質の表面上に堆積す
る。固形物質がチャンバ内に固定されている場合、未堆
積結晶を含有する液体を分級器を通過させずに前記晶出
器から連続して排出させることが可能である。該液体は
加熱され、結晶の相当部分は分解されて再度晶出器へ戻
される。前記晶出器においては、固形物質の表面で直接
酵素は晶出し、このようにして結晶層が積層される。被
膜固形物質が易流動的粒子(fully floating particle
s)から構成されている場合、スクリーンなどの分級器
ではその他の非堆積結晶を除去し、再分解し、前回同様
チャンバに戻す間、粒子を晶出器内に保持しておかなく
てはならない。不活性物質を用いる上記実施例のいずれ
かにおいては、晶出器内が過飽和状態である限り前記物
質の表面は所望の厚さに被膜することが可能である。前
記実施例において、前記酵素がいったん堆積すると、グ
ルタルアルデヒドのような薬剤と架橋結合して前記固形
物質に固定されてしまう。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明の第一実施例の処理を表す概略図で
ある。
第2図は、本発明の第二実施例の処理を表す概略図で
ある。
第3図は、本発明の第三実施例の処理を表す概略図で
ある。
発明の好適実施例の詳細な説明 図面、特に第1および2図には、単純な円筒状のビー
カーまたは容器からなる晶出チャンバ1が示されてい
る。前記チャンバには結晶性酵素2の飽和溶液または微
細懸濁液が注入されている。前記晶出チャンバ1(晶出
器)には攪拌子11が設けられており、好ましくは熱媒体
21が注入されている冷却ジャケット18で冷却して、結晶
3の生成が行われる選択温度(selected temperature)
を一定に保つ。結晶の生成が行われている時流体(liqu
id stream)5はポンプ4によって晶出器1から分級器
6へと常時排出されている。該分級器は、篩(第1図参
照)、沈降器12(第2図参照)、脱水サイクロン、また
は液体中に懸濁している固体粒子を分級するための従来
装置からなる。分級器6は、比較的大形の結晶の透過を
阻止し、小形の結晶を透過させる。比較的小形の結晶を
含有する分離液はチューブ19を経て熱交換器9に送ら
れ、液体中の結晶の相当部分もしくは全てが分解するよ
う該熱交換器において該分離液を加熱する。図からも分
かるように、前記熱交換器は、温度制御された単純な水
漕であり、該水漕において酵素を溶融するのに十分な熱
が液体10と酵素を含有した流体5との間で伝達される。
次に、分解酵素を含有した流体はチューブ20を経て晶出
器1に再循環される。バッチ(batch)内に前記流体が
混入すると攪拌子11は晶出器の温度を急激に低下させ
る。こうして、新規結晶が生成され、一部は分級器6を
通過できなかった前回生成分の結晶8上で成長する。こ
の方法を用いて、全ての結晶性酵素が、チャンバ1から
流出することが出来ない比較的大形の結晶選択群(sele
ct group)表面に堆積してしうまで高濃度の過飽和状態
を維持する。
上記の処理は、例えばグルコース異性化酵素(glucos
e isomerase)、西洋わさびペルオキシダーゼ(horse r
adish peroxidase)、大麦ベータアミラーゼ(barley b
eta amylase)、鶏卵の白身から抽出したリソチーム(l
ysozyme from hen egg white)、豚の膵臓から抽出した
アルファアミラーゼ(alpha amylase from porcine pan
creas)、ヘモグロビン、兎の骨格筋のアルドラーゼ(a
ldolase of rabbit skeletal muscle)などの結晶性酵
素に幅広く適用することができる。
また、溶解度を低減させ、酵素を晶出させるため硫酸
アンモニウムや硫酸マグネシウムなどのある特定の種類
の塩を晶出処理の初めもしくは途中において使用するこ
とも可能である。このような方法は、例えばグルコース
異性化酵素に適用することが可能である。グルコース異
性化酵素を用いた研究から約1.5%の硫酸マグネシウム
濃度で結晶の溶解度が最低となることが測定された。硫
酸マグネシウム濃度を増加すると、グルコース異性化酵
素の溶解度は前記最低溶解度よりも大きくなる。一方、
硫酸アンモニウムを使用した場合、タンパク質に関する
一般的な塩析式 logS=A+(B)(I) Sは溶解度、 A、Bは酵素によって異なる定数、 Iは媒質のイオン強度(塩濃度と直接比例した)、 によれば、塩濃度が増加するにつれグルコース異性化酵
素の溶解度は低下する。
硫酸マグネシウムおよび硫酸アンモニウムの全ての濃
度レベルにおいて、温度の上昇に伴い溶解度が向上して
いる。このように、本発明に係る方法では小形結晶の分
解に加熱法を適用することが可能である。
晶出に使用する塩および塩濃度の適正値は酵素の性質
によって異なる。さらに、結晶生成物に対して行う結晶
後処理(post crystallization treatment)によっても
選択する塩は異なってくる。例えばグルタルアルデヒド
で結晶が架橋結合している場合、架橋結合に参与するア
ンモニウムイオンとして硫酸アンモニウムが好ましい場
合もある。(本出願において参照文献として添付されて
いる同時継続出願中の米国特許出願No.350、720を参
照)。
本発明に係る結晶成長用の核形成座(nucleation sit
es)として機能する種結晶(seed crystals)を、上述
したような「塩析」法など従来技術において周知の酵素
沈澱あるいは酵素晶出法で生成することが可能である。
しかしながら、本発明の処理の始動用(start−up)に
種結晶を予め生成しておくことも可能である。このよう
な種結晶は、本明細書で開示している方法を用い前回行
った晶出時に生成しておくこともできる。あるいは、本
発明の方法において種結晶として十分に機能する大きさ
を備えた結晶が十分な量形成されるまで溶解酵素を独立
飼料(independent feed)として徐々に冷却飽和溶液中
に添加して種結晶を初めに生成することも可能である。
この処理は、本発明の晶出チャンバの外部で別途行うこ
とができる。
再分解と再循環が行われる比較的小形の粒子の径は選
択が自由である。溶解度が平衡した状態(solubility e
quiliblium)では、成長チャンバ内の結晶数が少なくな
ると結晶は必ず大形化することが判明した。このよう
に、比較的大形の酵素結晶を成長させるには、再分解さ
れることがなく、成長チャンバ内に注入する初期(種)
結晶の数はかなり少ない数にしておかなくてはならな
い。こうすることにより、再循環中に残余酵素物質は比
較的小数の種結晶上に堆積し、最終的には小数ながらも
比較的大形の結晶が生成されることになる。晶出した酵
素バッチ中に存在する結晶の数を判断するのは実際には
極めて困難である。しかしながら、本発明の方法によれ
ば、このようなバッチ中の結晶数に関係なく初期結晶の
数は急速に減少する。結晶の最終的な粒径は、装置のサ
イズ、循環速度、酵素の全体量、分級器の遮断力(scre
ening capability)によって決まる。篩を使用する場
合、当然のことながら網目の大きさは限定される(dete
rminative)。また、第2図に示す広口径沈降器12を使
用する場合、チューブの大きさ(幅と高さ)は、所定流
量で決まる。前記流量は、比較的大形の(重い)結晶が
流体5の中に流れ込まないように設定されている。
懸濁された比較的小形の粒子の排出、再分解、成長チ
ャンバへの帰還を行うための前記流量は、成長工程自体
とは全く無関係であり、一般に物質移動や熱移動といっ
た条件で決まる。物質移動や熱移動といった制限の中
で、前記小形粒子の排出、再分解、帰還を早く行うほ
ど、大形結晶の成長も早まる。
最終的に生成される結晶の大きさは、装置のサイズ、
攪拌子の速度および循環速度に影響される。分級器内の
循環速度が一定の場合、最終生成結晶の平均粒径は攪拌
速度の連続関数となる。速度が増加すると結晶の最終粒
径も増加する。
どのような条件を選択するかは、晶出する酵素あるい
は高分子の性質による。以下に説明する好適生成方法の
条件は、グルコース異性化酵素に特に適しているが、本
発明の方法の基本原理は結晶性タンパク質に適用するこ
とも可能である。これら酵素固有の溶解度、結晶性特性
(crystalizability characteristics)を考慮するた
め、他の酵素の場合の条件は調整する必要がある。これ
らの特性のほとんどは一般に周知であるか、もしくはそ
の設定が容易に可能である。晶出させる酵素の種類の如
何にかかわらず最も重要なことは、溶解度が増加するよ
うな条件で酵素の循環を行う装置を設計する場合、あら
ゆる温度条件での酵素の溶解度特性を考慮しておかなく
てはならない。温度が上昇するにつれ問題のタンパク質
の溶解度が低下するような場合は、分解温度を晶出温度
より低くすることもある。晶出チャンバ内の酵素の溶解
度を低減させるための薬剤の種類や量は厳密なものでは
ない。
グルコース異性化酵素の好適な結晶方法においては、
酵素の濃度は、一リットル当たり蛋白質が約1gから約40
0gとなる割合であり、最も好ましくは一リットリ当たり
約50gから約200gとなる割合である。該酵素の濃度は、
一リットル当たりタンパク質が1gから400gの範囲の割合
で変更することが可能である。硫酸マグネシウムを1kg
当たり約20gから約150gの割合で、好ましくは約10%の
濃度で混合添加する。晶出器の温度を、約6℃から約25
℃、最も好ましくは約8℃から約20℃に保つ。溶解温度
は、約20℃から約60℃であり、最も好ましくは約40℃か
ら約50℃(あるいは前記晶出器の温度以上)である。循
環流量、攪拌、大きさは広い範囲で変更することが可能
である。一般に、循環速度は一時間当たり約1−4晶出
器バッチ量(crystallizer batch volume)である。
第3図には本発明の第三の実施例が示されている。こ
の実施例では、チャンバ1には、ビード(beads)13な
どの不溶性固形物質が注入されている。前記物質の表面
に結晶性酵素15が堆積する。処理中、前記不溶性固形物
質の表面は酵素が堆積する際の核形成座の役割を果たし
ているように見える。処理が進むに従い晶出した酵素が
固形物質の表面上に被膜形成される。このようにして、
所望の厚さの酵素の層を成長させることができる。図に
示されているように、固形物質はビードもしくは球形を
しているが、どのような形状でも構わない。例えば、固
形物質はシート状、格子状、あるいは繊維状でもよい。
前記固形物質は処理条件に影響されない(不活性)適切
な不溶性物質で構成されている。すなわち、ガラス、金
属、高重合体(ポリスチレン、ポリアクリル、テフロ
ン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンな
ど)、イオン交換レジン、セルロースなどは全てこの固
形物質に適している。
被膜酵素の回収にはチャンバから分離可能な不溶性の
固形物質を使用するのが便利である。このため、結合が
粗なビード(loose beads)が特に好ましい。しかしな
がらまた、固形物質をチャンバ内に固定もしくは排出可
能に固定することも可能である。この場合、成長結晶塊
(growing crystal mass)と、チャンバ内のほかの場所
で形成される小形結晶とを分離する分級器を設置する必
要がなくなる。さらに、重量と大きさにもよるが、ビー
ドを用いた場合でも分級器は不要となる。
酵素がいったん固形物質表面に堆積した後、特定の酵
素に適用可能な方法を用いて該酵素を固定することがで
きる。すなわち、酵素をグルタルアルデヒドで架橋結合
することが可能である。必要であれば、このように生成
された複合物をさらに被膜したり、あるいはカプセル内
に封入することも可能である。
最も好適な方法において、以下の一般的な変数を使用
する。
一リットル当たり2gから約100gの酵素を含んだ酵素溶
液を約2℃から約7℃の範囲の温度で晶出チャンバ内に
保持する。前記溶液に硫酸アンモニウム(5−15重量
%)あるいは硫酸マグネシウム(約1重量%−約5重量
%)を添加してもよい。被膜される物質は、移動自在な
粒子あるいは固定物のように晶出チャンバ内に滴下され
る。
前記晶出チャンバは常に攪拌されており、溶液を含ん
だ小形結晶は常時排出されており、熱交換器内を搬送さ
れる。該熱交換器は、溶液の温度を約30℃から約50℃の
範囲にまで加熱し、小形酵素結晶を分解する。次に、前
記溶液は晶出チャンバに戻される。該チャンバでは、溶
液が添加されたことにより晶出溶液の過飽和状態が維持
される。熱交換器内での循環速度としては、一時間当た
り約1−約6バッチ量が好ましい。最も好ましくは、被
覆される遊離粒子を遮断でき、可能な限り最も大きな格
子を備えた篩を通過させて液体を含んだ小形結晶を排出
する。
本発明の基本原理は、幅広い種類において、酵素結晶
の生成に適用することが可能である。グルコース異性化
酵素は当該明細書で開示している方法に特に適している
ため以下に説明する実施例においてもモデルとして使用
している。本発明を限定するものではないが、以下の実
験例においてグルコース異性化酵素を例証する。
実験例 実験例1−3は0.5−10リットルバッチで実施した。
大粒径結晶(0.5−1.0mm)のグルコース異性化酵素を全
体量として約0.1−5Kg(湿量基準)生成した。本発明の
方法には規模の上での上限や下限はない。本発明は、数
ミリメータ規模の実験や立方メーター規模の工業生産の
いずれにも適用できる。
第1実験例 出発原料の準備 グルコース異性化酵素の濃度を米国特許No.4,410,627
に開示されている方法で以下のように生成する。
赤褐色ストレプトミセス属放線菌(Streptomyces rub
iginosus)を回分発酵で36立方メーター発酵させた。バ
ッチ内の細胞塊(cell mass)を分離し、細胞内異性化
酵素(intracellular isomerase)を放出させる。細胞
破壊屑(cell debris)をろ過し、溶液を含んだ透明な
酵素を回収する。前記溶液を限外ろ過し、レテン酸基
(retentate)を含んだ酵素、通常1.6立方メーターを実
験例における方法では異性化酵素を含む濃縮物として使
用しており、アリコート濃縮物が実験例では使用され
た。先行技術(米国特許4,604,199参照)に開示されて
いるように濃縮物の一部は晶出し、該結晶を以下に簡単
に説明する一部の実験で使用した。前記濃縮物に10重量
%の硫酸アンモニウムを添加した。グルコース異性化酵
素は不均質結晶族(heterogenuous crystal family)と
して晶出された。該生成物には1マイクロメータから50
マイクロメータの範囲の大きさを有する結晶が含まれて
いた。前記結晶は、粘性固形沈澱物として円心分離で回
収した。実験例の一部においてこの沈澱物を出発原料と
して使用した。
結晶成長工程 異性化酵素タンパク質36g(グルコース異性化酵素活
性単位(glucose isomerase activity unit)を約140万
(1.4million)GIU)含有したグルコース異性化酵素濃
縮物1.8リットルを晶出器(径150cm,高さ170cm)内に注
入した。羽根車で攪拌を開始し、その速度は処理全体を
通じて100rpmの速度に保たれていた。次に、硫酸アンモ
ニウム(0.2kg)を添加して分解する。前記晶出器は温
度10℃の外部水槽で冷却される。ポンプを始動する。流
量は時間当たり4リットルに調整されている。晶出混合
物は、径が4.5cmで高さが18cmの円筒形沈降チューブ内
を移動する。該混合物は、次に温度50℃の水槽内に浸漬
された熱交換器内部を流動する。熱交換器の内部容積は
39mlで、径は4mmである。前記結晶を熱交換器で分解
し、溶液は晶出器へと戻される。
当初、晶出器内に現れる結晶の大きさは全て50マイク
ロメータ以下であった。連続して分解を行い、熱交換器
内部を循環させることにより高濃度の過飽和状態が維持
される。過飽和状態のため、晶出器内に残留した結晶全
てを容易に連続成長させることができる。しかしなが
ら、小形結晶中の多くは沈降器チューブ内部を流動し、
分解された状態にある。このため、結晶が大形化するに
つれ分解回路を流動しなくなる。最も大形の結晶の場
合、その沈降速度は沈降器チューブ内での線流れ速度
(linear flow velocity)よりも大きくなることが確認
された。このような結晶の場合、分解熱交換器に流入す
ることは実際にはなかった。
以上の工程を繰り返した場合、次のことが観測され
る。すなわち、結晶の平均粒径は連続的な成長を示して
いた。初めの3−4時間で、概して時間当たり50マイク
ロメータの成長が確認された。当初、無数あった小形結
晶(1−50マイクロメータ)は、工程が後半になるに従
い極めて小さくなり、実質的に無視できる量となって消
滅した。以下に示す表1からも分かるように、25時間経
過後、グルコース異性化酵素の95%以上は、径700−110
0マイクロメータの結晶となって晶出した。結晶の大き
さが非常に大きく、無視できる程度の量の結晶が熱交換
器内部を移動するようになった時に結晶の成長は実質的
に終了する。工程の終盤では晶出した異性化酵素の全て
が大形の結晶になった。
25時間経過後、ポンプおよび攪拌動作を停止させ、結
晶を晶出器内部に沈澱させた。三十分後、デカント法に
より母液を除去する。異性化酵素結晶沈澱物を含有した
ソリッド水(solid water)の重量は100gであった。初
期の異性化酵素の95%以上は結晶沈澱物中に存在してい
た。
第2実験例 高温、高結晶密度での晶出処理 この実験は、前記第1実験例と同じ装置を用いて行っ
た。晶出器内でグルコース異性化酵素結晶沈澱物530gと
水道水1350グラムを混合した。異性化酵素結晶が全て分
解されるまで熱交換器内部を循環させ、攪拌して27℃の
温度まで加熱した。40分で終了するこの処理の期間中は
晶出器は冷却しなかった。硫酸アンモニウム150グラム
が溶液中に溶解し、濃度は10%となった。
晶出器を18℃になるまで水槽で冷却する。前記溶液
は、50℃の水槽に浸漬された熱交換器内を時間当たり7
リットルの流量で吸入排出される。熱交換器から流入し
てくる溶液の加温効果のため晶出器内の溶液の温度は21
℃となった。
晶出器の内部温度が21℃まで低下すると即座に晶出が
開始される。当初、結晶は急激に成長し、1時間後の最
も大形の結晶の粒径は300マイクロメータであった。異
性化酵素がいったん大形結晶に変換されると成長速度は
急激に低下する。20時間後、ほとんどの結晶の粒径は約
500マイクロメータから900マイクロメータの範囲であっ
た。第1実験例と同様に30分沈降させた後、デカント法
により大形の結晶が回収された。結晶沈澱物の重量は40
0グラムで、該重量は結晶重量ベースで75%の収率であ
る。本実験例においては、比較的高い温度を使用してい
るため回収されなかった異性化酵素の多くは母液中に溶
解してしまった。(母液中の異性化酵素は冷却、再晶出
により回収された。) 第3実験例 装置のほとんどは、第1実験例とほぼ同じものを使用
したが、その大きさは異なっている。前記晶出器は、内
容量20リットルのポリエチレンコンテナである。液体が
緩やかに回転するよう晶出器内の溶液は、羽根車で優し
く攪拌した。前記溶液は、4mm径の通常のチューブを介
して攪拌器の軸近傍まで搬送され、47℃の水槽内の加熱
コイルを経て吸入排出される。加熱された後、前記溶液
は10℃の水槽内に浸漬された冷却コイル内を通過する。
こうして冷却された溶液は晶出器に戻される。
この処理では、グルコース異性化酵素6.2kg分を使用
した。前記晶出器に10%硫酸アルミニウム溶液12.5キロ
グラムを添加し、攪拌し、均質懸濁液(homogeneous su
spension)を生成した。処理全体を通じて、攪拌速度は
180rpmに保たれ、羽根車は底から1cmの高さに調整し
た。前記溶液は、時間当たり5リットルの流量で熱交換
器内を吸入排出される。前記晶出器の内部温度は12℃で
あった。
第1実験例に記された工業規模の回収処理で発生した
結晶の粒径は1マイクロメータから100マイクロメータ
の範囲であった。実際には、この処理の開始段階で溶解
した結晶はない。しかしながら、晶出器の表面もしくは
中心部から溶液を排出するに従い、小形の結晶は徐々に
消滅した。晶出器のコンテナー自体が沈降器の役割を果
たしたのである。小形の結晶は溶解回路内の流体により
容易に搬送されることが確認された。液体の回転動作を
利用することにより分離効果が向上した。
この処理は120時間継続された。結局、晶出された異
性化酵素の粒径分布は極めて範囲の狭いものであり、す
なわち、結晶の粒径は150マイクロメータから210マイク
ロメタであった。また、小形の結晶は観察されなかっ
た。結晶を沈降させ、母液はデカント法で除去した。こ
の結果、回収された結晶の重量は6.1kgであった。
第4実験例 グルコース異性化酵素結晶(36%の酵素タンパク質と
64%の水分を含有している)500グラムと10%硫酸アン
モニウム溶液2000mlを混合した。この混合液を晶出器内
に注入する。この懸濁液を、三枚羽根で径が11cmのステ
ンレススチール製のプロペラで攪拌した。晶出器の温度
は、温度を8℃に保たれた外部冷却漕を用いて16℃に維
持した。該懸濁液は、50℃の水槽内に浸漬された熱交換
器を介して吸入排出される。流量は、時間当たり3リッ
トルであった。この工程を24時間継続した。懸濁液を含
有した結晶は別に取っておき、他の実験で使用した。
前記プロペラは、結晶性異性化酵素の透明層で被膜さ
れた。前記層の重量は約3グラムである。前記酵素層
は、温度4℃の10%硫酸アンモニウム中のグルタルアル
デヒド溶液中に4時間浸漬すると架橋結合される。こう
して架橋結合された酵素の層はプロペラ上にしっかりと
固着する。酵素被膜されたプロペラは、10%グルコース
の400ml試料中で攪拌することにより酵素作用を示す。4
0℃で1時間攪拌した後の試料中の果糖含有物は約4%
であった。
第5実験例 第4実験例で使用したものと同一の装置を使用した。
グルコース異性化酵素結晶(湿量基準、60%の水分)53
0グラムを晶出器内に注入した。1350グラムの水を添加
し、混合物を常時攪拌し、結晶全てが分解するまで30℃
で加熱した。硫酸アンモニウム150mgを添加し、溶解す
るまで攪拌した。次に前記晶出器内の温度を低下させ、
外部冷却漕で23℃に保った。前記酵素溶液を、50℃の水
槽内に浸漬された熱交換器内を時間当たり8リットルの
流量で吸入排出する。熱交換器内部を通過した結晶は全
て溶解した。処理全体を通じて攪拌器の攪拌速度は100r
pmであった。
処理は25時間継続された。この間、晶出器の内容物は
別の容器に移しておいた。遊離した液体(loose liqui
d)を全て除去するため前記晶出器をぬぐい取り、検量
した。晶出器の内壁は結晶性グルコース異性化酵素から
なるガラス状の層で被膜されていた。晶出器の自重を差
引き、酵素の層の重量を算出したところ結晶は39グラム
湿量であった。
酵素層は以下に示す架橋結合により固定されていた。
すなわち、前記晶出器内部を氷のように冷たい(1℃)
10%硫酸アンモニウムで満たす。該硫酸アンモニウム
は、異性化酵素層が溶解するのを防ぐため前回グルコー
ス異性化酵素結晶で飽和させたものである。50%グルタ
ルアルデヒドを50ml添加し、架橋結合が発生するまで混
合物を3時間攪拌した。架橋結合が発生すると、晶出器
の中身を取りだし、可溶物(solubles)が全て取り除か
れるまで水で洗浄した。この結果、異性化酵素は、ステ
ンレススチール製容器の壁面に黄色みがかった茶色のガ
ラスのような層を形成する。
晶出器にpH値7.5で30%グルコース溶液を2リットル
を注入すると該酵素層は酵素作用を示す。前記溶液から
試料を採取し、果糖の検定を行った。この結果、連続的
に果糖が増加していくのが確認された。3時間経過した
時点で、果糖濃度は13%、またグルコースの濃度は17%
であった。
第6実験例 35℃まで加熱して12%硫酸アンモニウム溶液1000ml中
にグルコース異性化酵素結晶(前回同様湿量)300グラ
ムを溶解させ、粒径が300マイクロメータから500マイク
ロメータ(平均400)の範囲のガラスビード(glass bea
ds)50gを添加した。ビードの沈降を防ぐためプロペラ
を用いて前記晶出器内部の混合物を120rpmの速度で攪拌
した。懸濁液を20℃の温度になるまで冷却し、晶出を開
始した。前記溶液は、温度50℃の水槽内に浸漬された篩
および熱交換器内を時間当たり1リットルの流量で循環
する。遊離結晶は全てヒーター内で溶解した。この処理
を18時間継続した。前記ガラスビードは、厚さ100マイ
クロメータの結晶性グルコース異性化酵素の層で被膜さ
れた。
この実験例からガラス表面で酵素が晶出することが明
かとなった。しかしながら、本実験例の酵素の層は他の
実験例の場合ほど力学的には安定していないことが確認
された。攪拌時間を延長すると、酵素層はビードから剥
離してしまった。
第7実験例 前記晶出器内でグルコース異性化酵素(湿量基準)55
0グラムと10%硫酸アンモニウム溶液2000mlを混合す
る。複合球形ビード100グラム(充填層容量(packed be
d volume)130ml)を添加した。該ビードは次のような
構造を有している。
− 径 500−800マイクロメータ − コア球体 ポリスチレンとワックスを溶融したも
の − 短繊維天然セルロースの表面層は溶解したポリス
チレンにより前記コア球体に接着されている − セルロース含有量20重量% − 前記セルロースの繊維の長さ、50マイクロメータ
未満 処理全般を通じて、前記混合物は100rpmの速度で攪拌
した。当初、温度を16℃に調整し、処理の後半では徐々
に11℃まで低下させた。前記溶液の吸入排出は、50℃の
水槽内に浸漬された篩(流量は徐々に減少させた)と熱
交換器を介して、当初は時間当たり7リットルの流量で
行い、後半は時間当たり3リットルの流量で行った。こ
の処理で要した時間は全体としては47時間であった。最
後には、異性化酵素のほとんどがビードの表面に略完全
な球形の層状に積層した。前記複合ビード表面に積層し
た酵素結晶層の鋭いエッジは、処理の最中に間断なく摩
耗され、比較的滑らかな球形層が形成された。しかしな
がら、光学もしくは走査形電子顕微鏡の高倍率(100x以
上)では、前記球形層の表面全体がグルコース異性化酵
素の通常の結晶面で被われているのが観察された。前記
酵素被膜にガラス状の透明感があることから前記層には
結晶性があることが判明した。
以下のように、架橋結合によって前記球形層表面に酵
素は固定されていた。
高濃度の懸濁液を生成するため母液1100mlを別の容器
に移す。架橋結合処理期間中の混合物の温度は4℃に保
たれていた。リジン塩酸塩120グラムを添加し、攪拌し
ながら溶解させる。処理中のpH値を6−8の範囲に維持
するためりん酸カリウム(dipotassium hydrogenn phos
phate)1モルを添加した。さらに、50%グルタルアル
デヒド250mlを添加する。その後、混合物を3時間半攪
拌する。母液を別の容器に移し、視認可能な着色された
液体および小形粒子の全てが取り除かれるまで500マイ
クロメータの径の標準的篩を用いて生成物を水洗した。
水が完全になくなると篩の表面に球形の生成粒子が流出
された。生成物の重量は550gで、沈降バルク容積(sedi
mented bulk volume)は400mlであった。生成物は、非
常に均一な茶色の球体であった。前記球体の95%の粒径
は900から1100マイクロメータの範囲である。複合粒子
が小形になるほどその被膜層の厚さが増し、粒径が大き
くなるほど異性化酵素の層は薄くなることが判明した。
このように、生成物の粒径分布の範囲は、初期のコア粒
子よりも狭いものであった。
前記生成物の試料5グラムと60℃の40%グルコース10
0mlとを混合攪拌することにより酵素作用があることが
実験から明かとなった。混合物中の果糖の含有量は2時
間の間に18%まで増加した。
第8実験例 複合キャリヤ100グラムを被膜用核として使用した。
前記キャリヤは以下のような組成、形状を備えている。
− 25%木繊維セルロース − 25%二酸化チタン − 接着剤として50%ポリスチレン − 粒径350−850マイクロメータ −粒子形状は不定
形 −当該物質は米国特許No.4、355、117中の第1実験
例(しかしながら、ジエチルアミノクロリド塩酸塩は顆
粒を誘導(derivatized)していない。) 晶出器内において、グルコース異性化酵素結晶(湿量
基準)200グラムと10%硫酸アンモニウム1800mlを前記
キャリヤと混合する。処理全体を通じて、該混合物は10
0rpmの速度で攪拌された。当該液体を、50℃の水槽内に
浸漬されたスクリーンと熱交換器を介して時間当たり2
リットルの流量で吸引排出した。前記晶出器の内部温度
は8℃に保たれていた。
当該処理は24時間後に停止された。その後、晶出器の
内容物は300マイクロメータの径を有する篩に注入排出
され、母液を取り除いた。篩上の生成物を分析するとグ
ルコース異性化酵素であった。前記生成物には、キャリ
ヤの表面に被膜した結晶異性化酵素150グラムが含有さ
れており、残りの50グラムの酵素は篩から排出された母
液内に存在していた。顕微鏡で観察すると、前記酵素
は、黒っぽい不透明なキャリヤ粒子上にガラスのように
透明な層を形成しているように見えた。
該酵素は、グルタルアルデヒドにより前記粒子表面に
架橋結合して固定されていた。グルコースと混合し、ま
た果糖への転化を観察すると酵素作用が確認された。
第9実験例 硫酸マグネシウム媒質中での晶出方法 第1実験例と同様にグルコース異性化濃縮物を生成す
る。硫酸マグネシウム(乾燥物質として計算)1.28グラ
ムを添加し、温度25℃の濃縮物1リットル中に溶解させ
る。前記混合物を間断なく攪拌し、5℃まで冷却する。
この結果、グルコース異性化酵素が急速に晶出され、3
時間後にはオリジナル活量(original activity)の97
%が晶出し、3%が依然母液中に存在していた。これ以
外に沈澱もしくは晶出した物質はなにもなかった。前記
結晶異性化酵素は、第1実験例に記載された円心分離法
により回収された。この結晶沈澱物は硫酸マグネシウム
媒質試験で出発原料として使用した。
結晶成長方法 第2図の装置を以下の方法に使用した。グルコース異
性酵素結晶1kgを2%硫酸マグネシウム溶液5リットル
中で懸濁させた。前記小形結晶は、温度を50℃に維持し
た水槽内に浸漬された加熱コイル内を循環する。循環速
度は時間当たり15リットルであった。晶出器は16℃に保
たれていた。この処理は20時間継続された。特に、この
処理の後得られた結晶の粒径は全て500マイクロメータ
から700マイクロメータの範囲にあった。
第10実験例 第1図の装置を以下の方法で使用した。晶出器内の反
応混合物は以下のとうりであった。
グルコース異性化酵素結晶3.4kg 第8実験例に記載されている複合キャリヤ3.9kg 2%硫酸マグネシウム15リットル 前記晶出器の温度は16℃に保つ。遊離異性化酵素結晶
を含有する母液を、50℃に維持された水槽中に浸漬され
た加熱コイル内を循環させる。24時間以内に、異性化酵
素蛋白質の80%がキャリヤ表面に結晶層として堆積し
た。母液はデカント法で除去した。酵素被膜された物質
を架橋結合処理し、キャリヤ上の酵素を固定した。架橋
結合した最終生成物のタンパク質含有量は21%であっ
た。第7実験例と同様に試験すると、前記生成物に酵素
作用が確認された。
第9及び第10実験例から本発明の方法は異なる媒質を
使用した場合にも機能することが判明した。当然の結
果、酵素の溶解度を低下させる化学的および物理的条件
は全て本発明の方法において機能するよう調整すること
が可能である。
上記開示された本発明の改良、変更などは当該技術分
野に精通した者であれば容易に考えられる。しかしなが
ら、上記明細者は以下の請求の範囲で規定されている本
発明の思想を何等制限するものではない。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶成長を行わせるためグルコースイソメ
    ラーゼ溶液を十分低温に保つ段階と、比較的小型のグル
    コースイソメラーゼ結晶を含有する流体と前記溶液とを
    分離し、前記冷却された溶液を過飽和状態に維持する段
    階と、前記小型結晶が略溶解するよう前記流体を加熱す
    る段階と、次の晶出を行うため溶解されたグルコースイ
    ソメラーゼを有する前記流体を前記溶液に帰還させる段
    階とから構成されている工程を繰り返し、前工程で形成
    された結晶上に新たにグルコースイソメラーゼを結晶化
    させることにより比較的大型のグルコースイソメラーゼ
    の結晶を連続的に生成する方法。
  2. 【請求項2】(1)結晶成長チャンバにグルコースイソ
    メラーゼの飽和溶液もしくは微細懸濁液を注入する段階
    と、 (2)前記結晶成長チャンバ内の前記溶液もしくは懸濁
    液の温度を結晶成長を行うのに十分な低温に保つ段階
    と、 (3)分離段階であり、懸濁された結晶を含有する前記
    冷却された液体の一部を粒径分級手段内を連続循環させ
    て比較的小型の結晶と比較的大型の結晶とを分離し、こ
    れにより前記比較的小型の結晶は流体として前記チャン
    バから流出し、前記比較的大型の結晶は前記チャンバ内
    に残留する分離段階と、 (4)前記流体の中に懸濁されている結晶が略溶解され
    るよう比較的小型のグルコースイソメラーゼ結晶を含有
    している前記流体を加熱する段階と、 (5)前記チャンバ内の前記液体を過飽和状態に保つた
    め溶解されたグルコースイソメラーゼを有する前記加熱
    された流体を前記結晶成長チャンバに帰還させる段階
    と、 (6)前記結晶成長チャンバ内の結晶が、所望の大きさ
    に成長するまで前記第2段階から第5段階までを繰り返
    し、前工程で形成された結晶上に新たにグルコースイソ
    メラーゼを結晶化させることにより比較的大型のグルコ
    ースイソメラーゼの結晶を連続的に生成する段階と、 (7)所望の大きさに成長したグルコースイソメラーゼ
    の比較的大型の結晶を回収する段階とから構成されてい
    ることを特徴とする比較的大型で均一なグルコースイソ
    メラーゼの結晶を成長させる方法。
  3. 【請求項3】チャンバ内に過飽和グルコースイソメラー
    ゼ溶液を、結晶成長が行われるよう十分低温に保ちつつ
    保持する段階と、 分級器内を通過させて液体を含む小型結晶を前記チャン
    バから連続的に排出する段階と、 前記小型結晶が溶解するよう前記液体を加熱する段階
    と、 前記液体を前記チャンバに帰還させる段階とから構成さ
    れている工程を繰り返し、前工程で形成された結晶上に
    新たにグルコースイソメラーゼを結晶化させることによ
    り比較的大型のグルコースイソメラーゼの結晶を連続的
    に生成し、 前記チャンバ内の前記結晶を沈降させ、収集することを
    特徴とする大型グルコースイソメラーゼ結晶生成方法。
  4. 【請求項4】(1)グルコースイソメラーゼの飽和溶液
    または微細懸濁液を内包している結晶成長チャンバ内に
    不溶性、不活性物質を注入する段階と、 (2)結晶成長が行われるよう前記結晶成長チャンバ内
    の前記溶液の温度を十分低温に保つ段階で、結晶の一部
    は前記不活性物質の表面上に堆積し、また他の一部は遊
    離結晶として存在する溶液温度維持段階と、 (3)流体内の前記遊離結晶を前記結晶成長チャンバか
    ら常時排出する段階と、 (4)前記流体内に懸濁されている前記結晶が略溶解す
    るよう前記流体を加熱する段階と、 (5)前記溶液が過飽和状態を維持するよう溶解結晶を
    有する前記流体を前記結晶成長チャンバに帰還させる段
    階と、 (6)前記固形物質が十分に被膜されるまで前記第2段
    階から第5段階までを繰り返し、前工程で形成された結
    晶上に新たにグルコースイソメラーゼを結晶化させるこ
    とにより比較的大型のグルコースイソメラーゼの結晶を
    連続的に生成する段階と、 (7)前記固形物質を除去する段階とから構成されてい
    ることを特徴とする固形キャリヤ上でグルコースイソメ
    ラーゼ結晶を成長させる方法。
JP2513621A 1989-10-13 1990-10-11 酵素結晶成長方法 Expired - Lifetime JP2762167B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/421,137 US5120650A (en) 1989-10-13 1989-10-13 Method for producing crystalline glucose isomerase
US421,137 1989-10-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05501242A JPH05501242A (ja) 1993-03-11
JP2762167B2 true JP2762167B2 (ja) 1998-06-04

Family

ID=23669310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2513621A Expired - Lifetime JP2762167B2 (ja) 1989-10-13 1990-10-11 酵素結晶成長方法

Country Status (12)

Country Link
US (1) US5120650A (ja)
EP (1) EP0495817B1 (ja)
JP (1) JP2762167B2 (ja)
AT (1) ATE135398T1 (ja)
AU (1) AU635976B2 (ja)
BR (1) BR9007737A (ja)
CA (1) CA2066733A1 (ja)
DE (1) DE69025949T2 (ja)
DK (1) DK0495817T3 (ja)
FI (1) FI99025C (ja)
MX (1) MX173709B (ja)
WO (1) WO1991005857A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI85285C (fi) * 1988-05-13 1992-03-25 Stabra Ag Tvaerbundet, vattenoloesligt glukosisomeras och foerfarande foer framstaellning daerav.
US5618710A (en) * 1990-08-03 1997-04-08 Vertex Pharmaceuticals, Inc. Crosslinked enzyme crystals
US5801022A (en) * 1990-08-03 1998-09-01 Vertex Pharmaceuticals, Incorporated Method of producing a product with crosslinked crystals of thermolysin
JPH04124082A (ja) * 1990-09-14 1992-04-24 Agency Of Ind Science & Technol 結晶形成方法
EP0795009A1 (en) * 1994-12-28 1997-09-17 Genencor International Inc. Enzyme stabilization
CA2284111C (en) * 1997-03-13 2009-05-19 Shionogi And Co., Ltd. Process for production of l-methionine .gamma.-lyase crystals
US6140475A (en) * 1997-04-11 2000-10-31 Altus Biologics Inc. Controlled dissolution crosslinked protein crystals
US6500933B1 (en) 1997-09-05 2002-12-31 Altus Biologics Inc. Methods of preparing carbohydrate crosslinked glycoprotein crystals
ES2306477T3 (es) * 1997-09-05 2008-11-01 Altus Pharmaceuticals Inc. Cristales de glicoproteina reticulados por carbohidratos.
US6541606B2 (en) * 1997-12-31 2003-04-01 Altus Biologics Inc. Stabilized protein crystals formulations containing them and methods of making them
JP2009516527A (ja) * 2005-11-22 2009-04-23 ジェネンコー・インターナショナル・インク フルクトオリゴ糖のインシチュ製造及び蔗糖の減少
EP2161034A1 (de) * 2008-09-04 2010-03-10 Sciotec Diagnostic Technologies GmbH Behandlung von Fruktose-Malabsorption
WO2010025483A1 (de) 2008-09-04 2010-03-11 Sciotec Diagnostic Technologies Gmbh Behandlung von fruktose-malabsorption
GB201409451D0 (en) 2014-05-28 2014-07-09 Ipabc Ltd Antimicrobial preparations, methods for preparing the same and uses thereof to combat microorganisms

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4237231A (en) * 1979-11-13 1980-12-02 Uop Inc. Method of purifying glucose isomerase and a composition for storing same
DK8502857A (ja) * 1984-06-25 1985-12-26
US4659667A (en) * 1985-02-26 1987-04-21 Miles Laboratories, Inc. Process to recover crystalline enzymes and crystalline enzymes produced thereby

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「結晶工学ハンドブック」共立出版株式会社(昭51−9−10)509〜511頁

Also Published As

Publication number Publication date
ATE135398T1 (de) 1996-03-15
EP0495817A1 (en) 1992-07-29
FI921526A (fi) 1992-04-07
MX173709B (es) 1994-03-23
FI921526A0 (fi) 1992-04-07
DK0495817T3 (da) 1996-07-08
JPH05501242A (ja) 1993-03-11
CA2066733A1 (en) 1991-04-14
FI99025B (fi) 1997-06-13
US5120650A (en) 1992-06-09
DE69025949D1 (de) 1996-04-18
EP0495817B1 (en) 1996-03-13
DE69025949T2 (de) 1996-09-12
FI99025C (fi) 1997-09-25
WO1991005857A1 (en) 1991-05-02
BR9007737A (pt) 1992-08-18
AU6512290A (en) 1991-05-16
AU635976B2 (en) 1993-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2762167B2 (ja) 酵素結晶成長方法
CN1281290C (zh) 用于制造晶体的装置
US4699882A (en) Stable glucose isomerase concentrate and a process for the preparation thereof
JPH0553480B2 (ja)
SU1512489A3 (ru) Способ получени изомальтулозы
CN114163306B (zh) 一种用于提高木糖醇结晶收率的方法
KR880001481B1 (ko) 고속 교반을 이용한 알파 모노하이드레이트 텍스트로오스의 연속 결정화법
WO1996025522A1 (en) Process for refining raw sugar
PL112593B1 (en) Method of seeding of supersaturated sugar solutions
CA1094058A (en) Method for the production of powdered dextrose
CN1031561C (zh) 大颗粒硫酸铵的制备方法
Suda et al. Spiral crystal growth of potassium dichromate in gelatin
Adachi et al. New practical technique for protein crystallization with floating and stirring methods
CN115784843A (zh) 一种木糖醇晶体的制备系统及制备方法
WO1986000336A1 (en) A stable glucose isomerase concentrate and a process for the preparation thereof
US4816079A (en) Process for continuous crystallization of dextrose monohydrate
US3695932A (en) Sucrose nucleation composition and method of preparation
JP3639858B2 (ja) ラフィノースの結晶を製造する方法及び装置
JPH072517A (ja) 無水弗化アルミニウムの製造方法
JP3678431B2 (ja) マルチトールスラリーの連続的製造方法
RU2024495C1 (ru) Способ кристаллизации октогена
AU688197B2 (en) Process for refining raw sugar
US3547696A (en) Isothermal crystallization of dextrose
SU1208078A1 (ru) Способ кристаллизации рафинированной @ -лактозы из раствора
KR900007001B1 (ko) 커피전용 설탕의 제조방법